JP2004294388A - 成分分析装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】効率よくかつ効果的に有形成分を試料から分離することができ、精度良くかつ安定した分析が行える成分分析装置であって、コストを抑え簡易に製造できる実用的な成分分析装置を提供する。
【解決手段】試料中の有形成分を分離し、分離後の試料中の被測定成分を検出するための装置であって、
第1の基板と有形成分を分離する膜とを積層し、
前記有形成分を分離する膜は、試料が適用されるための露出部位を第1の基板側に有し、
前記有形成分を分離する膜には、試料中の被測定成分と反応する分析試薬が保持されており、
前記有形成分を分離する膜は、微孔質で、前記露出部位のある側の方に、より大きい孔を有する非対称構造を有しており、
試料を前記露出部位に適用し前記有形成分を分離する膜内を積層面に沿った方向に移動させると、有形成分を分離した後の試料が前記分析試薬が保持された部分に到達したときに、試料中の被測定成分と分析試薬とが反応する成分分析装置。
【選択図】 図1
【解決手段】試料中の有形成分を分離し、分離後の試料中の被測定成分を検出するための装置であって、
第1の基板と有形成分を分離する膜とを積層し、
前記有形成分を分離する膜は、試料が適用されるための露出部位を第1の基板側に有し、
前記有形成分を分離する膜には、試料中の被測定成分と反応する分析試薬が保持されており、
前記有形成分を分離する膜は、微孔質で、前記露出部位のある側の方に、より大きい孔を有する非対称構造を有しており、
試料を前記露出部位に適用し前記有形成分を分離する膜内を積層面に沿った方向に移動させると、有形成分を分離した後の試料が前記分析試薬が保持された部分に到達したときに、試料中の被測定成分と分析試薬とが反応する成分分析装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有形成分を含む試料から有形成分を分離し、分離後の試料中の被測定成分を検出するための装置に関し、より好ましくは血球成分と血漿成分とを含む血液(以下、「全血」ともいう)から血漿を分離し、分離した血漿中の被測定成分を検出するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、多くの診断が血液を用いて行われる。この場合、赤血球は光反射又は透過の測定に頼る診断試験の散乱光又は透過光の測定に不都合な影響を与える場合があるため、多くの場合血漿又は血清をサンプルとして用いる必要がある。
【0003】
従来から、全血液から血漿又は血清を分離するための方法や装置、そして分離した血漿成分中の被測定成分を検出するための方法や装置に関する提案が種々なされている。
【0004】
血液から血漿を分離し、分離した血漿中の被測定成分を検出する血液分離及び成分分析に関する装置及び方法が開示されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0005】
しかし、これらに記載の装置は血球と血漿の分離が充分ではなく、血漿のみを精度良く測定するには充分な装置であるとはいえなかった。
【0006】
また、実用化のうえからは、装置の構造はシンプルで、小型化でき、部品点数も少なく、部品加工も容易にできる、低コストな装置であることが望まれるが、上記の従来の血漿分離及び成分分析装置は、実用的な装置であるとはいえなかった。
【0007】
そこで、血球と血漿の分離が充分に行われ血漿中の所望の被測定成分が良好に検出できる装置であって、分離効率も良く微量の血液でも精度高く分析できる装置であって、構造がシンプルで、コンパクトな、部品点数も少なく、コストも削減された簡易に製造できる、より実用的な血漿成分分析装置が望まれていた。
【0008】
【特許文献1】
特許公報2729503号公報
【特許文献2】
特公平6−64054号公報
【特許文献3】
特開平10−78430号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記観点からなされたものであり、測定上不都合な影響を与える有形成分を含む試料を測定対象とする場合に、試料中の被測定成分を良好に検出できる装置であって、構造がシンプルで、コンパクトで、コストを抑え簡易に製造できる実用的な成分分析装置を提供することを課題とする。
【0010】
特に本発明は、試料として血液を対象とした成分分析装置であって、血球と血漿の分離が良好に行われ、血液のデッドボリュームを抑え、微量の血液の使用でも充分反応に供することができる血漿を効率よく供給することができ、高精度な分析を可能とする、シンプルでコストを抑え簡易に製造できる実用的な血漿成分分析装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、以下に記載する構造の装置とすることで、上記課題を解決する成分分析装置が提供できることを見出し、本発明の完成に至った。
【0012】
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)試料中の有形成分を分離し、分離後の試料中の被測定成分を検出するための装置であって、
第1の基板と有形成分を分離する膜とを積層し、
前記有形成分を分離する膜は、試料が適用されるための露出部位を第1の基板側に有し、
前記有形成分を分離する膜には、試料中の被測定成分と反応する分析試薬が保持されており、
前記有形成分を分離する膜は、微孔質で、前記露出部位のある側の方に、より大きい孔を有する非対称構造を有しており、
試料を前記露出部位に適用し前記有形成分を分離する膜内を積層面に沿った方向に移動させると、有形成分を分離した後の試料が前記分析試薬が保持された部分に到達したときに、試料中の被測定成分と分析試薬とが反応することを特徴とする、成分分析装置。
(2)前記成分分析装置は、さらに第2の基板を有し、第1の基板と有形成分を分離する膜と第2の基板がこの順で積層されていることを特徴とする、(1)に記載の成分分析装置。
(3)前記基板がプラスチックシートであることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の成分分析装置。
(4)第1の基板と有形成分を分離する膜、又は有形成分を分離する膜と第2の基板は、それぞれその間介在された接着層により接着されていることを特徴とする、(1)〜(3)の何れかに記載の成分分析装置。
(5)前記分析試薬は前記有形成分を分離する膜内に又は前記有形成分を分離する膜上に保持されていることを特徴とする、(1)〜(4)の何れかに記載の成分分析装置。
(6)分析試薬からなる層を前記有形成分を分離する膜に積層することにより、前記分析試薬が前記有形成分を分離する膜上に保持されていることを特徴とする、(5)に記載の成分分析装置。
(7)前記分析試薬からなる層は、試薬をバインダーに保持させてフィルム化した膜である、(6)に記載の成分分析装置。
(8)前記フィルム化した分析試薬からなる膜を前記有形成分を分離する膜の孔径のより細かい側にコーティングにより積層することを特徴とする、(7)に記載の成分分析装置。
(9)前記分析試薬を保持した部分が複数箇所形成されていることを特徴とする、(5)〜(8)の何れかに記載の成分分析装置。
(10)前記第2の基板には開口部が形成されていることを特徴とする、(2)〜(9)の何れかに記載の成分分析装置。
(11)前記分析試薬を保持する部分に対応して、前記第2の基板の開口部が形成されていることを特徴とする、(10)に記載の成分分析装置。
(12)前記分析試薬が試料中の被測定成分と反応して発色する色素であることを特徴とする、(1)〜(11)の何れかに記載の成分分析装置。
(13)前記色素が沈殿性色素であることを特徴とする、(12)に記載の成分分析装置。
(14)前記有形成分を分離する膜の露出部位にさらに試料から有形成分を分離するための膜であるプレフィルター(但し、非対称構造の有形成分を分離する膜を除く)を前記有形成分を分離する膜に積層することを特徴とする、(1)〜(13)の何れかに記載の成分分析装置。
(15)(1)〜(14)に記載の成分分析装置を用いて、全血中の血漿と赤血球とを分離し、分離した血漿中の被測定成分を検出することを特徴とする、血漿成分分析装置。
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】
<成分分析装置>
本発明の成分分析装置は、試料中の有形成分を分離し、分離後の試料中の被測定成分を検出するための装置である。
【0015】
ここで、本発明の分析装置の測定対象である試料としては、測定上不都合な有形成分を分離したうえで測定を望む試料であれば、特に制限されない。例えば、環境測定において、粒子状の異物が含まれている土壌、河川から採取した試料等を対象とすることができる。尚、試料は液体状態で装置に適用されるため、試料液を得るため必要に応じ試料に液媒体が加えられる場合がある。
【0016】
本発明でいう試料には、試料自体が液体状態の試料液も、液媒体を加え液体状態とした試料液のいずれも含むものである。
【0017】
また、人から採取される試料も対象とすることができる。好ましくは、血液を試料とすることができる(但し、血液を試料とする場合は、以下で詳しく説明する)。
【0018】
本発明における第1の態様の成分分析装置は、第1の基板と有形成分を分離する膜(以下、分離膜ともいう)とが積層されている。
【0019】
上記基板は分離膜を保持する機能を有している部材が選択でき、具体的には、プラスチックシート、各種成形部材等が挙げられる。また、上記基板は液体が滲み出なければ、穴があいた形状であってもよい。
【0020】
ここで、プラスチックシートは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、アクリル、ポリ塩化ビニル、プロピオン酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、エポキシ樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアリレート樹脂、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、ナイロン6,11,12、ポリオキシメチレン、PBTB(ポリブチレンテレフタレート)、ポリメチルペンテン(PMP、商品名TPX)等が使用できる。
【0021】
尚、基板の膜厚は、10〜500μm、好ましくは25〜200μmであるとよい。
【0022】
本発明の第2の態様の成分分析装置は、さらに第2の基板を有し、第1の基板と分離膜と第2の基板がこの順で積層されている。
【0023】
第2の基板は、上記した第1の基板と同様な基板が使用できる。
【0024】
第1と第2の基板を有する成分分析装置において、基板の少なくとも一方は透明な基板が適用されるが、両方が透明である必要はなく、反応状態を観察する側に配置しない基板は、白色であってもよい。
【0025】
本発明の成分分析装置は、上記第1の基板上に分離膜が積層されているか、又は第1の基板と第2の基板との間に該分離膜が配置され第1の基板と分離膜と第2の基板がこの順で積層されていればよく、基板と分離膜とは、全面を接着層を配して接着させてもよいし、周囲にのみ接着剤をつけて接着させてもよい。また、上記基板が接着機能も併せ持つ素材を選択した場合には、別に接着層を設ける必要はなく、また、接着層を別に形成させなくても基板に接着剤を塗布する構成とすることも出来る。また、超音波溶着等基板の一部を溶かして溶着することも可能である。
【0026】
ただし、本発明のより好ましい態様は、第1の基板と分離膜、又は分離膜と第2の基板との間にそれぞれ接着層を配し、第1の基板と分離膜、又は分離膜と第2の基板は、それぞれその間介在された接着層により接着されている構造からなる成分分析装置である。
【0027】
ここで、上記接着層の材料としては、例えば、両面接着テープ、各種粘着剤等が使用できる。
【0028】
両面接着テープとしては、例えば、日東電工製HJ−3160Wが使用できる。
【0029】
また、接着層の厚みは、1〜1000μm、好ましくは2〜200μmの範囲であるとよい。
【0030】
次に本発明の分離膜は、測定上不都合な有形成分を分離することができる膜である。
【0031】
該分離膜は、微孔質で、いわゆる試料が適用される側(本発明では、以下で記載する露出部位のある側ともいう)に、より大きい孔を有する非対称の孔構造を有している。
【0032】
本発明の分離膜には、試料中の被測定成分と反応する分析試薬が保持されている。
【0033】
本発明において分析試薬を分離膜に保持するとは、分析試薬を分離膜内に保持させる場合の他、分離膜上に保持させる場合も含む。分離膜上に保持させるとは、分離膜に分析試薬が付着している場合や分析試薬からなる層が分離膜に接して配され、分析試薬層と分離膜層が積層している場合をいう。
【0034】
上記分析試薬としては、試料中の被測定成分と反応して被測定成分の有無を検出することができれば特に制限されないが、好ましくは発色、変色等により、反応の前後で色が変化する試薬等を用いることができる。
【0035】
本発明では、好ましくは、発色色素を用いることができる。また、中でも試料の移動に伴い色素が流れることのないよう、非水溶性の色素等からなる沈殿性色素であることがより好ましい。
【0036】
この沈殿性色素としては、具体的に4−クロロ−1−ナフトール、o−フェニレンジアミン、テトラメチルベンチジン(TMBZ)等の酸化反応に使用可能な色素が挙げられる。本発明では、膜に保持させた場合の状態や発色強度を考慮すると、4−クロロ−1−ナフトールの使用がより好ましい。
【0037】
分離膜には、試料が適用されるための外部に該分離膜が露出する露出部位を有している。この露出部位から試料が適用されるため、言い換えると露出部位は、試料供給口となっている。該試料供給口は、第1の基板側に形成される。
【0038】
つまり、本発明において、第1の基板は、分離膜を保持するだけでなく、分離膜に露出部位を形成する機能も併せ持っている。
【0039】
具体的には、第1の基板の長さを分離膜のそれより短くすると、分離膜が第1の基板で覆われない露出部分が形成できる。その露出部分がいわゆる試料供給口となる。この場合、試料供給口の長さは、分離膜より第1の基板が短い分が相当し、試料供給口の幅は、特別な処理を施さない限り、分離膜の幅が相当する。
【0040】
また、第1の基板に積極的に開口部を形成することにより、分離膜が露出した部分、いわゆる試料供給口を形成することもできる。この場合、開口部の形状は、特に制限はなく、円形、三角形、台形、又は四角形何れであってもよい。但し、円形、四角形が汎用性がありより好ましい。
【0041】
本発明の成分分析装置を得るための具体的な製造方法を、以下に示す。
【0042】
分離膜に粘着剤付のPET(PETに両面テープを張り合わせたもの)等の基板を接着し、分離膜の幅のサイズに切断することにより作製する。また、自己粘着性のある、LDPE等の保護フィルムを使用することもできる。この場合、もともと基板自体に粘着性があるので、分離膜に特に接着層を配さずとも接着することができる。但し、この場合には、粘着性を強化するために、さらにケーシングを施すとよい。
【0043】
試薬を分離膜に保持させる方法としては、分離膜自体に試薬を直接含浸させたり、分離膜に試薬をコーティングする方法が挙げられる。例えば、本発明のように非対称構造の分離膜を使用する場合、大孔径側からペン様の線引き機で試薬液を線引きすると分離膜内に試薬が含浸されたタイプのものが、小孔径側から試薬液を線引きすると試薬液の粘度等や孔径の条件を調節することにより分離膜上に試薬層がコーティングされたタイプのものが形成できる。
【0044】
また、試薬をバインダーに保持させてフィルム化した膜を分離膜に積層させて、試薬を分離膜に保持させることもできる。ここで、使用するバインダーとしては、例えば、疎水性ポリマー、親水性ポリマー、エマルジョンなどが使用できる。疎水性ポリマーには、酢酸セルロース、エチルセルロース等が使用できる。親水性ポリマーには、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、無水マレイン酸メチルビニルエーテル共重合体等が使用できる。エマルジョンには、ウレタン系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、アクリル系エマルジョン、酢酸ビニル共重合系エマルジョン、プロピオン酸ビニル系エマルジョン等が使用できる。
【0045】
そして、上記のように、試薬をバインダーに保持させてフィルム化した膜を分離膜に積層させる場合、該フィルム化した分析試薬からなる膜を、分離膜の孔径のより細かい側にコーティングし積層させてもよい。
【0046】
また、その他、試薬液を分離膜に点着して乾燥させたり、又は試薬を含浸させた膜、あるいは試薬をコーティングした膜を別に用意し、それらの膜を分離膜に貼り付けたり、基板で押さえたりすることにより、試薬層を分離膜に積層させて、試薬を分離膜に保持させることもできる。
【0047】
また、本発明の成分分析装置では、前記分離膜の露出部位にさらに試料から有形成分を分離するための分離膜であるプレフィルター(但し、非対称構造の分離膜を除く)を前記分離膜に積層するとよい。
【0048】
該プレフィルターとしては、ガラスフィルター、紙、人口繊維等が使用できる。ガラスフィルターとしては、ミリポア社AP20、ワットマン社GF/G6などが使用できる。紙としては、ポール社のヘマセップなどが使用できる。
【0049】
このように、分離膜の前にプレフィルターを配置した状態で、試料を適用すると、有形成分のつまりを抑制することができ、分離膜の細かい面(下面)全面を濡らす試料量をより多くすることができる。つまりを防止できると、試料供給口から適用する試料の使用量も増やすことができ、より分析に供する試料量を確保することができる。
【0050】
本発明の成分分析装置は、試料を上記露出部位に適用し上記有形成分を分離する膜内を積層面に沿った方向に移動させると、有形成分を分離した後の試料が上記分析試薬が保持された部分に到達したときに、試料中の被測定成分と分析試薬とが反応する。
【0051】
こうして、上記分析試薬が保持された部分で生じた、試料中の被測定成分と分析試薬との反応を観察すれば、試料中の被測定成分に関する分析結果を検出することができる。
【0052】
このように、本発明の成分分析装置は、積層方向(いわゆる縦方向)に孔径の大きさが異なる非対称の孔構造を有する分離膜(以下、非対称性分離膜ともいう)を使用し、積層面に沿った方向(いわゆる横方向)に試料を移動させることにより、有形成分の分離、分離後の試料の移動、試料中の被測定成分と分析試薬との反応を行えるようにしたことが特徴である。
【0053】
非対称性分離膜を使用したことで、効率よくかつ効果的に有形成分を試料から分離することができ、さらに積層面に沿った方向に移動する試料は分離膜の下面(孔の細かい面)を選択的に移動するため、有形成分の妨害なく有形成分が除かれた試料のみで分離膜の細かい面全面を濡らすことができる。それにより、確実に試料中の被測定成分と分析試薬とを反応させることができ、精度良くかつ安定した分析結果を得ることができる。一方、分離膜が非対称性の膜でない場合には、試料を積層面に沿った方向に展開させると、上面下面問わず同一の速度で試料が展開されることにより、有形成分の詰まりが生じると試料が分離膜の末端まで到達しない場合が生じる。それでは、試料から有形成分を充分分離することができず、有形成分が測定に悪影響を及ぼし、精度良くかつ安定した分析を行うことはできない。
【0054】
また、本発明により、効率よくかつ効果的に有形成分を分離した試料を積層面に沿った方向に分離膜の下面を選択的に移動させ、分離膜の細かい面全面を試料で確実に濡らすことができる。よって、本発明は、少量の試料の適用でも、充分分析に寄与する量を確保することができ良好な分析を行うことができる。
【0055】
上記の本発明の成分分析装置は、シンプルな構造で、コンパクトで、部品点数も少なく、コストも削減された、簡易に製造できる、より実用的な成分分析装置となっている。
【0056】
次に、本発明の成分分析装置のさらなる好ましい態様について説明する。
【0057】
本発明の成分分析装置では、上記分析試薬を保持した部分を複数箇所形成することができる。試薬の保持部分が複数あれば、それぞれの保持部分で試薬の種類を替えれば、試薬の種類に応じた分析項目が選択できる。つまり、多項目の測定が行え、1回の試料の適用に対して複数の種類の分析結果を得ることができる。
【0058】
本発明は、上記のように分離膜の細かい面全面を試料で確実に濡らすことができるため、試薬の保持部分を複数形成させても、すべての保持部分に確実に試料を展開させることができる。よって、試薬保持部分を複数形成した本発明の成分分析装置は、実用化を図るうえでより有効な成分分析装置となっている。
【0059】
また、本発明の成分分析装置では、第2の基板には、開口部が形成されていてもよい。詳しくは、後述のように分析試薬が保持された部位に対応する第2基板の位置に開口部が形成されているとよい。
【0060】
<血漿成分分析装置>
上記した成分分析装置を用い、特に試料として血液を用いた血漿成分分析装置は、本発明の成分分析装置の利点をより活かすことができる。
【0061】
本発明の血漿成分分析装置は、全血中の血漿と赤血球とを分離し、分離した血漿中の被測定成分を検出するための装置である。
【0062】
本発明の血漿成分分析装置の構成は、上記の成分分析装置の箇所で説明した通りである。
【0063】
つまり、本発明の血漿成分分析装置は、第1の基板と血漿分離膜(特に血漿成分分析装置では、有形成分を分離する膜を血漿分離膜ともいう)とを積層し、
前記血漿分離膜は、血液が適用されるための露出部位を第1の基板側に有し、前記血漿分離膜には、血漿中の被測定成分と反応する分析試薬が保持されており、
前記血漿分離膜は、微孔質で、前記露出部位のある側の方に、より大きい孔を有する非対称構造を有しており、
血液を前記露出部位に適用し前記血漿分離膜内を積層面に沿った方向に移動させると、赤血球から分離した血漿が前記分析試薬が保持された部分に到達したときに、血漿中の被測定成分と分析試薬とが反応することができるものである。
【0064】
本発明の血漿成分分析装置において、特に以下で説明するもの以外は、第1の基板、第2の基板、接着層、分離膜、分析試薬、製造法等、上記成分分析装置で説明した構成が同様に適用できる。
【0065】
以下、特に血漿成分分析装置に適用した場合について説明する。
【0066】
本発明の血漿分離膜は、血漿と赤血球とを分離することができる膜である。
【0067】
該血漿分離膜は、非対称の孔構造を有している。
【0068】
該非対称構造の血漿分離膜は、好ましくは、親水性の微孔質で、実質的に疎水性ポリマーと親水性ポリマーとからなり、親水性ポリマーがポリマーマトリックスの中に又は上に固定されているとよい。ここで、疎水性ポリマーとしては、ポリスルホン又はポリエーテルスルホンが、親水性ポリマーとしては、ポリビニルピロリドンが挙げられる。
【0069】
具体的には、プライムケアースペック(スペクトラル社製)の、S/G膜、C/S膜、C/Q膜、又はX膜等が好ましく使用できる。
【0070】
本発明の血漿分離膜の膜厚は、20〜500μm、好ましくは50〜350μmの範囲であるとよい。また、該血漿分離膜の孔径は、0.1〜500μm、好ましくは0.1〜100μmの範囲であるとよい。但し、血液が加えられるより大きい孔の孔径は、2〜500μm、好ましくは10〜100μmであり、膜の反対側(積層方向の逆側)のより小さい孔の孔径は、0.1〜10μm、好ましくは0.1〜5μmであるとよい。また、該血漿分離膜の大きさは、1〜10mm×10〜50mm、好ましくは1.5〜2.5mm×15〜25mmであるとよい。
【0071】
本発明の血漿成分分析装置における分析試薬としては、血漿中の被測定成分と反応して被測定成分の有無を検出することができれば特に制限されないが、好ましくは発色する色素である、沈殿性色素を用いるとよい。
【0072】
この沈殿性色素としては、前記成分分析装置の箇所でも述べたが、4−クロロ−1−ナフトール、o−フェニレンジアミン、テトラメチルベンチジン(TMBZ)等の酸化反応に使用可能な色素が挙げられる。本発明では、膜に保持させた場合の状態や発色強度を考慮すると、4−クロロ−1−ナフトールの使用がより好ましい。沈殿性色素を使用することにより、血漿の移動とともに色素が流れることなく、より精度の高い測定結果を得ることができる。
【0073】
血漿成分分析装置において、試料供給口(以下、血漿成分分析装置では、試料供給口を血液供給口ともいう)の大きさを調節すると、血漿の展開時間や血球、血漿のそれぞれの展開量を調節することができるため、その点を充分考慮して血液供給口を形成するとよい。例えば、上記第1の基板を短くすることにより、血液供給口を形成する場合には、血液供給口の長さは、血漿分離膜の長さの5〜50%、好ましくは15〜25%を目安に形成するとよい。例えば、血漿分離膜の長さが20mm程度の場合、血液供給口の長さは、4mm程度とするのがよい。また、血液供給口の幅は、血漿分離膜の幅と同じ幅でよい。
【0074】
また、血漿成分分析装置において、試薬層を別に設けた場合には、血漿が移動しても、試薬が流れにくくなるため、測定精度が向上する。オキシダーゼ反応の様に、反応に酵素を必要とする場合には、試薬を直接空気に触れさせる構成とすることにより、反応を迅速に行わせることができる。
【0075】
また、本発明の血漿成分分析装置では、前記血漿分離膜の露出部位にさらに血漿と赤血球とを分離するための血漿分離膜であるプレフィルター(但し、非対称構造の血漿分離膜を除く)を前記血漿分離膜に積層するとよい。
【0076】
該プレフィルターとしては、前記成分分析装置の箇所でも述べたが、ガラスフィルター、紙、人口繊維等が使用できる。ガラスフィルターとしては、ミリポア社AP20、ワットマン社GF/G6などが使用できる。紙としては、ポール社のヘマセップなどが使用できる。
【0077】
このように、血漿分離膜の前にプレフィルターを配置した状態で、血液を適用すると、血球づまりを抑制することができ、血漿分離膜の細かい面(下面)全面を濡らす血漿量をより多くすることができる。血球づまりを防止できると、血液供給口から適用する血液の使用量も増やすことができ、より分析に供する血漿量を確保することができる。
【0078】
こうして本発明の血漿成分分析装置を用い、上記分析試薬が保持された部分で生じた、血漿中の被測定成分と分析試薬との反応を観察すれば、血漿中の被測定成分に関する分析結果を検出することができる。
【0079】
このように、本発明の血漿成分分析装置は、積層方向(いわゆる縦方向)に孔径の大きさが異なる非対称の孔構造を有する血漿分離膜(以下、非対称性血漿分離膜ともいう)を使用し、積層面に沿った方向(いわゆる横方向)に血漿を移動させることにより、血漿分離、血漿移動、血漿中の被測定成分と分析試薬との反応を行えるようにしたことが特徴である。
【0080】
非対称性血漿分離膜を使用したことで、効率よくかつ効果的に血球と血漿とが分離し、さらに積層面に沿った方向に移動する血漿は血漿分離膜の下面(孔の細かい面)を選択的に移動するため、血球の妨害なく血漿のみで血漿分離膜の細かい面全面を濡らすことができる。それにより、確実に血漿中の被測定成分と分析試薬とを反応させることができ、精度良くかつ安定した分析結果を得ることができる。一方、血漿分離膜が非対称性の膜でない場合には、血液を積層面に沿った方向に展開させると、上面下面問わず同一の速度で血液が展開されることにより、血球の詰まりが生じると血漿が血漿分離膜末端まで到達しない場合が生じる。それでは、血球と血漿の分離も良くなく、精度良くかつ安定した分析を行うことはできない。
【0081】
また、本発明により、効率よくかつ効果的に分離した血漿を積層面に沿った方向に血漿分離膜の下面を選択的に移動させ、血漿分離膜の細かい面全面を血漿で確実に濡らすことができる。よって、本発明は、少量の血液の適用でも、充分分析に寄与する血漿量を確保することができ良好な分析を行うことができる。
【0082】
上記の本発明の血漿成分分析装置は、シンプルな構造で、コンパクトで、部品点数も少なく、コストも削減された、簡易に製造できる、より実用的な血漿成分分析装置となっている。
【0083】
【発明の実施の形態】
本発明のより好ましい成分分析装置の形態である血漿成分分析装置について、以下説明する。
【0084】
該血漿成分分析装置の実施の一形態を図1に示す。
【0085】
図1(a)〜(c)には、本発明の血漿成分分析装置の断面図がそれぞれ記載されている。
【0086】
基板(1)と血漿分離膜(2)が積層されている。
【0087】
また、血漿分離膜(2)には、血液が適用されるための露出部位である血液供給口(4)が形成されている。図1(a)、(b)は、第1の基板の長さを血漿分離膜の長さより短くすることにより露出部位を形成しており、図1(c)は、第1の基板に開口部を設け露出部位を形成している。
【0088】
血漿分離膜(2)には、分析試薬が保持された部分(5)が形成されている。図1(a)は、分析試薬を血漿分離膜内に保持させており、図1(b)、(c)は、分析試薬層を血漿分離膜上に積層させることにより保持させている。
【0089】
全血液を血液供給口(4)に適用し血漿分離膜内を積層面に沿った方向(A方向)に移動させると、赤血球から分離した血漿が分析試薬が保持された部分(5)に到達したときに、血漿中の被測定成分と分析試薬とが反応する。図中、符号5の部分が反応した領域を表している。
【0090】
そこで、その反応の結果、生じた状態の変化(発色状況)を観察することにより、分析結果を得る。
【0091】
図1において、非対称孔構造を有する血漿分離膜(2)は、より大きい孔が、血液が適用される側(露出部位のある側)(図中、符号aで示す側)にくるように配置される。
【0092】
本発明の血漿成分分析装置の実施の他の形態を図2に示す。
【0093】
図2(a)〜(c)には、本発明の血漿成分分析装置の別の態様の断面図がそれぞれ記載されている。
【0094】
基板(1)、血漿分離膜(2)、基板(3)の順で積層されている。
【0095】
基板(3)が加わっている他は、図1と同様である。尚、図2(b)、(c)において、試薬層と基板(3)の積層状態を明らかにするため図面上は血漿分離膜(2)と基板(3)に隙間が開いているように図示しているが、実際は、試薬層は薄く形成されているため隙間はなくほぼうまっている状態となっている。
【0096】
さらに、本発明の血漿成分分析装置の実施の他の形態を図3及び4に示す。
【0097】
図3には、本発明の血漿成分分析装置のさらに別の態様の断面図がそれぞれ記載されており、図4は、図3(c)に記載の血漿成分分析装置の斜視図となっている。
【0098】
図3(a)は、基板(1)と血漿分離膜(2)との間には、接着層(6)が配されている。基板(1)と血漿分離膜(2)は、その間介在された接着層(6)により接着されている。図3(b)、(c)は、基板(1)と血漿分離膜(2)、血漿分離膜(2)と基板(3)との間には、接着層(6)、接着層(7)が配されている。基板(1)と血漿分離膜(2)は、その間介在された接着層(6)により、血漿分離膜(2)と基板(3)は、その間介在された接着層(7)により、それぞれ接着されている。
【0099】
図3及び図4に記載の装置は、積極的に接着層が設けられている他は、図1や図2に記載の装置と同様である。
【0100】
さらに、本発明の血漿成分分析装置の実施の他の形態を図5に示す。
【0101】
図5(a)、(b)では、分析試薬を保持した部分が複数箇所形成されている。
【0102】
さらに、本発明の血漿成分分析装置の実施の他の形態を図6に示す。
【0103】
図6(a)〜(d)では、第2の基板(3)に開口部がそれぞれ形成されている。
【0104】
図6(a)のように第2の基板の開口部に分析試薬が保持された部分が形成されているとよい。図6中、符号8は第2の基板に覆われていない部分を示す。また、図6(b)のように、該開口部に分析試薬が保持された部位を配した後、さらに第2の基板の下に例えば透明な基材等第3の基板(9)を貼り付けることも可能である。また、図6(c)や図6(d)のように、第2の基板の開口部は、複数形成されていてもよい。
【0105】
さらに、本発明の血漿成分分析装置の実施の他の形態を図7に示す。
【0106】
図7では、血漿分離膜の露出部位にさらに血漿と赤血球とを分離するための血漿分離膜であるプレフィルター(但し、非対称構造の血漿分離膜を除く)(10)が血漿分離膜に積層されている。
【0107】
【発明の効果】
本発明により、効率よくかつ効果的に測定に不都合な有形成分を試料から分離することができ、精度良くかつ安定した分析が行える成分分析装置を提供することができた。
【0108】
本発明の成分分析装置は、微量の試料の適用でも、充分分析に寄与する試料量を確保することができるものとなっている。
【0109】
本発明の成分分析装置は、複数の成分分析を一度に確実に行うことができる態様となっているため、多項目分析ができる応用範囲の広いより実用的な装置となっている。
【0110】
また、本発明により、シンプルな構造で、コンパクトで、部品点数も少なく、コストも削減された、簡易に製造できる、より実用的な成分分析装置を提供することができた。
【0111】
さらに本発明により、効率よくかつ効果的に血球と血漿を分離することができ、精度良くかつ安定した分析が行える血漿成分分析装置を提供することができた。
【0112】
本発明の血漿成分分析装置は、微量の血液の適用でも、充分分析に寄与する血漿量を確保することができるものとなっている。
【0113】
本発明の血漿成分分析装置は、血液の適用量を増やしても、血球づまりのない、より多くの血漿量を確保できる態様にもなっている。
【0114】
さらに、本発明の血漿成分分析装置は、複数の成分分析を一度に確実に行うことができる態様となっているため、多項目分析ができる応用範囲の広いより実用的な装置となっている。
【0115】
また、本発明により、シンプルな構造で、コンパクトで、部品点数も少なく、コストも削減された、簡易に製造できる、より実用的な血漿成分分析装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
(b) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
(c) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
【図2】(a) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
(b) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
(c) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
【図3】(a) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
(b) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
(c) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
【図4】本発明の血漿成分分析装置の斜視図を示す。
【図5】(a) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
(b) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
【図6】(a) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
(b) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
(c) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
(d) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
【図7】本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
【符号の簡単な説明】
1、基板
2、血漿分離膜
3、基板
4、血液供給口
5、分析試薬が保持された部分
6、7、接着層
8、第2の基板に覆われていない部分
9、基板
10、プレフィルター
【発明の属する技術分野】
本発明は、有形成分を含む試料から有形成分を分離し、分離後の試料中の被測定成分を検出するための装置に関し、より好ましくは血球成分と血漿成分とを含む血液(以下、「全血」ともいう)から血漿を分離し、分離した血漿中の被測定成分を検出するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、多くの診断が血液を用いて行われる。この場合、赤血球は光反射又は透過の測定に頼る診断試験の散乱光又は透過光の測定に不都合な影響を与える場合があるため、多くの場合血漿又は血清をサンプルとして用いる必要がある。
【0003】
従来から、全血液から血漿又は血清を分離するための方法や装置、そして分離した血漿成分中の被測定成分を検出するための方法や装置に関する提案が種々なされている。
【0004】
血液から血漿を分離し、分離した血漿中の被測定成分を検出する血液分離及び成分分析に関する装置及び方法が開示されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0005】
しかし、これらに記載の装置は血球と血漿の分離が充分ではなく、血漿のみを精度良く測定するには充分な装置であるとはいえなかった。
【0006】
また、実用化のうえからは、装置の構造はシンプルで、小型化でき、部品点数も少なく、部品加工も容易にできる、低コストな装置であることが望まれるが、上記の従来の血漿分離及び成分分析装置は、実用的な装置であるとはいえなかった。
【0007】
そこで、血球と血漿の分離が充分に行われ血漿中の所望の被測定成分が良好に検出できる装置であって、分離効率も良く微量の血液でも精度高く分析できる装置であって、構造がシンプルで、コンパクトな、部品点数も少なく、コストも削減された簡易に製造できる、より実用的な血漿成分分析装置が望まれていた。
【0008】
【特許文献1】
特許公報2729503号公報
【特許文献2】
特公平6−64054号公報
【特許文献3】
特開平10−78430号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記観点からなされたものであり、測定上不都合な影響を与える有形成分を含む試料を測定対象とする場合に、試料中の被測定成分を良好に検出できる装置であって、構造がシンプルで、コンパクトで、コストを抑え簡易に製造できる実用的な成分分析装置を提供することを課題とする。
【0010】
特に本発明は、試料として血液を対象とした成分分析装置であって、血球と血漿の分離が良好に行われ、血液のデッドボリュームを抑え、微量の血液の使用でも充分反応に供することができる血漿を効率よく供給することができ、高精度な分析を可能とする、シンプルでコストを抑え簡易に製造できる実用的な血漿成分分析装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、以下に記載する構造の装置とすることで、上記課題を解決する成分分析装置が提供できることを見出し、本発明の完成に至った。
【0012】
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)試料中の有形成分を分離し、分離後の試料中の被測定成分を検出するための装置であって、
第1の基板と有形成分を分離する膜とを積層し、
前記有形成分を分離する膜は、試料が適用されるための露出部位を第1の基板側に有し、
前記有形成分を分離する膜には、試料中の被測定成分と反応する分析試薬が保持されており、
前記有形成分を分離する膜は、微孔質で、前記露出部位のある側の方に、より大きい孔を有する非対称構造を有しており、
試料を前記露出部位に適用し前記有形成分を分離する膜内を積層面に沿った方向に移動させると、有形成分を分離した後の試料が前記分析試薬が保持された部分に到達したときに、試料中の被測定成分と分析試薬とが反応することを特徴とする、成分分析装置。
(2)前記成分分析装置は、さらに第2の基板を有し、第1の基板と有形成分を分離する膜と第2の基板がこの順で積層されていることを特徴とする、(1)に記載の成分分析装置。
(3)前記基板がプラスチックシートであることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の成分分析装置。
(4)第1の基板と有形成分を分離する膜、又は有形成分を分離する膜と第2の基板は、それぞれその間介在された接着層により接着されていることを特徴とする、(1)〜(3)の何れかに記載の成分分析装置。
(5)前記分析試薬は前記有形成分を分離する膜内に又は前記有形成分を分離する膜上に保持されていることを特徴とする、(1)〜(4)の何れかに記載の成分分析装置。
(6)分析試薬からなる層を前記有形成分を分離する膜に積層することにより、前記分析試薬が前記有形成分を分離する膜上に保持されていることを特徴とする、(5)に記載の成分分析装置。
(7)前記分析試薬からなる層は、試薬をバインダーに保持させてフィルム化した膜である、(6)に記載の成分分析装置。
(8)前記フィルム化した分析試薬からなる膜を前記有形成分を分離する膜の孔径のより細かい側にコーティングにより積層することを特徴とする、(7)に記載の成分分析装置。
(9)前記分析試薬を保持した部分が複数箇所形成されていることを特徴とする、(5)〜(8)の何れかに記載の成分分析装置。
(10)前記第2の基板には開口部が形成されていることを特徴とする、(2)〜(9)の何れかに記載の成分分析装置。
(11)前記分析試薬を保持する部分に対応して、前記第2の基板の開口部が形成されていることを特徴とする、(10)に記載の成分分析装置。
(12)前記分析試薬が試料中の被測定成分と反応して発色する色素であることを特徴とする、(1)〜(11)の何れかに記載の成分分析装置。
(13)前記色素が沈殿性色素であることを特徴とする、(12)に記載の成分分析装置。
(14)前記有形成分を分離する膜の露出部位にさらに試料から有形成分を分離するための膜であるプレフィルター(但し、非対称構造の有形成分を分離する膜を除く)を前記有形成分を分離する膜に積層することを特徴とする、(1)〜(13)の何れかに記載の成分分析装置。
(15)(1)〜(14)に記載の成分分析装置を用いて、全血中の血漿と赤血球とを分離し、分離した血漿中の被測定成分を検出することを特徴とする、血漿成分分析装置。
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】
<成分分析装置>
本発明の成分分析装置は、試料中の有形成分を分離し、分離後の試料中の被測定成分を検出するための装置である。
【0015】
ここで、本発明の分析装置の測定対象である試料としては、測定上不都合な有形成分を分離したうえで測定を望む試料であれば、特に制限されない。例えば、環境測定において、粒子状の異物が含まれている土壌、河川から採取した試料等を対象とすることができる。尚、試料は液体状態で装置に適用されるため、試料液を得るため必要に応じ試料に液媒体が加えられる場合がある。
【0016】
本発明でいう試料には、試料自体が液体状態の試料液も、液媒体を加え液体状態とした試料液のいずれも含むものである。
【0017】
また、人から採取される試料も対象とすることができる。好ましくは、血液を試料とすることができる(但し、血液を試料とする場合は、以下で詳しく説明する)。
【0018】
本発明における第1の態様の成分分析装置は、第1の基板と有形成分を分離する膜(以下、分離膜ともいう)とが積層されている。
【0019】
上記基板は分離膜を保持する機能を有している部材が選択でき、具体的には、プラスチックシート、各種成形部材等が挙げられる。また、上記基板は液体が滲み出なければ、穴があいた形状であってもよい。
【0020】
ここで、プラスチックシートは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、アクリル、ポリ塩化ビニル、プロピオン酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、エポキシ樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアリレート樹脂、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、ナイロン6,11,12、ポリオキシメチレン、PBTB(ポリブチレンテレフタレート)、ポリメチルペンテン(PMP、商品名TPX)等が使用できる。
【0021】
尚、基板の膜厚は、10〜500μm、好ましくは25〜200μmであるとよい。
【0022】
本発明の第2の態様の成分分析装置は、さらに第2の基板を有し、第1の基板と分離膜と第2の基板がこの順で積層されている。
【0023】
第2の基板は、上記した第1の基板と同様な基板が使用できる。
【0024】
第1と第2の基板を有する成分分析装置において、基板の少なくとも一方は透明な基板が適用されるが、両方が透明である必要はなく、反応状態を観察する側に配置しない基板は、白色であってもよい。
【0025】
本発明の成分分析装置は、上記第1の基板上に分離膜が積層されているか、又は第1の基板と第2の基板との間に該分離膜が配置され第1の基板と分離膜と第2の基板がこの順で積層されていればよく、基板と分離膜とは、全面を接着層を配して接着させてもよいし、周囲にのみ接着剤をつけて接着させてもよい。また、上記基板が接着機能も併せ持つ素材を選択した場合には、別に接着層を設ける必要はなく、また、接着層を別に形成させなくても基板に接着剤を塗布する構成とすることも出来る。また、超音波溶着等基板の一部を溶かして溶着することも可能である。
【0026】
ただし、本発明のより好ましい態様は、第1の基板と分離膜、又は分離膜と第2の基板との間にそれぞれ接着層を配し、第1の基板と分離膜、又は分離膜と第2の基板は、それぞれその間介在された接着層により接着されている構造からなる成分分析装置である。
【0027】
ここで、上記接着層の材料としては、例えば、両面接着テープ、各種粘着剤等が使用できる。
【0028】
両面接着テープとしては、例えば、日東電工製HJ−3160Wが使用できる。
【0029】
また、接着層の厚みは、1〜1000μm、好ましくは2〜200μmの範囲であるとよい。
【0030】
次に本発明の分離膜は、測定上不都合な有形成分を分離することができる膜である。
【0031】
該分離膜は、微孔質で、いわゆる試料が適用される側(本発明では、以下で記載する露出部位のある側ともいう)に、より大きい孔を有する非対称の孔構造を有している。
【0032】
本発明の分離膜には、試料中の被測定成分と反応する分析試薬が保持されている。
【0033】
本発明において分析試薬を分離膜に保持するとは、分析試薬を分離膜内に保持させる場合の他、分離膜上に保持させる場合も含む。分離膜上に保持させるとは、分離膜に分析試薬が付着している場合や分析試薬からなる層が分離膜に接して配され、分析試薬層と分離膜層が積層している場合をいう。
【0034】
上記分析試薬としては、試料中の被測定成分と反応して被測定成分の有無を検出することができれば特に制限されないが、好ましくは発色、変色等により、反応の前後で色が変化する試薬等を用いることができる。
【0035】
本発明では、好ましくは、発色色素を用いることができる。また、中でも試料の移動に伴い色素が流れることのないよう、非水溶性の色素等からなる沈殿性色素であることがより好ましい。
【0036】
この沈殿性色素としては、具体的に4−クロロ−1−ナフトール、o−フェニレンジアミン、テトラメチルベンチジン(TMBZ)等の酸化反応に使用可能な色素が挙げられる。本発明では、膜に保持させた場合の状態や発色強度を考慮すると、4−クロロ−1−ナフトールの使用がより好ましい。
【0037】
分離膜には、試料が適用されるための外部に該分離膜が露出する露出部位を有している。この露出部位から試料が適用されるため、言い換えると露出部位は、試料供給口となっている。該試料供給口は、第1の基板側に形成される。
【0038】
つまり、本発明において、第1の基板は、分離膜を保持するだけでなく、分離膜に露出部位を形成する機能も併せ持っている。
【0039】
具体的には、第1の基板の長さを分離膜のそれより短くすると、分離膜が第1の基板で覆われない露出部分が形成できる。その露出部分がいわゆる試料供給口となる。この場合、試料供給口の長さは、分離膜より第1の基板が短い分が相当し、試料供給口の幅は、特別な処理を施さない限り、分離膜の幅が相当する。
【0040】
また、第1の基板に積極的に開口部を形成することにより、分離膜が露出した部分、いわゆる試料供給口を形成することもできる。この場合、開口部の形状は、特に制限はなく、円形、三角形、台形、又は四角形何れであってもよい。但し、円形、四角形が汎用性がありより好ましい。
【0041】
本発明の成分分析装置を得るための具体的な製造方法を、以下に示す。
【0042】
分離膜に粘着剤付のPET(PETに両面テープを張り合わせたもの)等の基板を接着し、分離膜の幅のサイズに切断することにより作製する。また、自己粘着性のある、LDPE等の保護フィルムを使用することもできる。この場合、もともと基板自体に粘着性があるので、分離膜に特に接着層を配さずとも接着することができる。但し、この場合には、粘着性を強化するために、さらにケーシングを施すとよい。
【0043】
試薬を分離膜に保持させる方法としては、分離膜自体に試薬を直接含浸させたり、分離膜に試薬をコーティングする方法が挙げられる。例えば、本発明のように非対称構造の分離膜を使用する場合、大孔径側からペン様の線引き機で試薬液を線引きすると分離膜内に試薬が含浸されたタイプのものが、小孔径側から試薬液を線引きすると試薬液の粘度等や孔径の条件を調節することにより分離膜上に試薬層がコーティングされたタイプのものが形成できる。
【0044】
また、試薬をバインダーに保持させてフィルム化した膜を分離膜に積層させて、試薬を分離膜に保持させることもできる。ここで、使用するバインダーとしては、例えば、疎水性ポリマー、親水性ポリマー、エマルジョンなどが使用できる。疎水性ポリマーには、酢酸セルロース、エチルセルロース等が使用できる。親水性ポリマーには、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、無水マレイン酸メチルビニルエーテル共重合体等が使用できる。エマルジョンには、ウレタン系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、アクリル系エマルジョン、酢酸ビニル共重合系エマルジョン、プロピオン酸ビニル系エマルジョン等が使用できる。
【0045】
そして、上記のように、試薬をバインダーに保持させてフィルム化した膜を分離膜に積層させる場合、該フィルム化した分析試薬からなる膜を、分離膜の孔径のより細かい側にコーティングし積層させてもよい。
【0046】
また、その他、試薬液を分離膜に点着して乾燥させたり、又は試薬を含浸させた膜、あるいは試薬をコーティングした膜を別に用意し、それらの膜を分離膜に貼り付けたり、基板で押さえたりすることにより、試薬層を分離膜に積層させて、試薬を分離膜に保持させることもできる。
【0047】
また、本発明の成分分析装置では、前記分離膜の露出部位にさらに試料から有形成分を分離するための分離膜であるプレフィルター(但し、非対称構造の分離膜を除く)を前記分離膜に積層するとよい。
【0048】
該プレフィルターとしては、ガラスフィルター、紙、人口繊維等が使用できる。ガラスフィルターとしては、ミリポア社AP20、ワットマン社GF/G6などが使用できる。紙としては、ポール社のヘマセップなどが使用できる。
【0049】
このように、分離膜の前にプレフィルターを配置した状態で、試料を適用すると、有形成分のつまりを抑制することができ、分離膜の細かい面(下面)全面を濡らす試料量をより多くすることができる。つまりを防止できると、試料供給口から適用する試料の使用量も増やすことができ、より分析に供する試料量を確保することができる。
【0050】
本発明の成分分析装置は、試料を上記露出部位に適用し上記有形成分を分離する膜内を積層面に沿った方向に移動させると、有形成分を分離した後の試料が上記分析試薬が保持された部分に到達したときに、試料中の被測定成分と分析試薬とが反応する。
【0051】
こうして、上記分析試薬が保持された部分で生じた、試料中の被測定成分と分析試薬との反応を観察すれば、試料中の被測定成分に関する分析結果を検出することができる。
【0052】
このように、本発明の成分分析装置は、積層方向(いわゆる縦方向)に孔径の大きさが異なる非対称の孔構造を有する分離膜(以下、非対称性分離膜ともいう)を使用し、積層面に沿った方向(いわゆる横方向)に試料を移動させることにより、有形成分の分離、分離後の試料の移動、試料中の被測定成分と分析試薬との反応を行えるようにしたことが特徴である。
【0053】
非対称性分離膜を使用したことで、効率よくかつ効果的に有形成分を試料から分離することができ、さらに積層面に沿った方向に移動する試料は分離膜の下面(孔の細かい面)を選択的に移動するため、有形成分の妨害なく有形成分が除かれた試料のみで分離膜の細かい面全面を濡らすことができる。それにより、確実に試料中の被測定成分と分析試薬とを反応させることができ、精度良くかつ安定した分析結果を得ることができる。一方、分離膜が非対称性の膜でない場合には、試料を積層面に沿った方向に展開させると、上面下面問わず同一の速度で試料が展開されることにより、有形成分の詰まりが生じると試料が分離膜の末端まで到達しない場合が生じる。それでは、試料から有形成分を充分分離することができず、有形成分が測定に悪影響を及ぼし、精度良くかつ安定した分析を行うことはできない。
【0054】
また、本発明により、効率よくかつ効果的に有形成分を分離した試料を積層面に沿った方向に分離膜の下面を選択的に移動させ、分離膜の細かい面全面を試料で確実に濡らすことができる。よって、本発明は、少量の試料の適用でも、充分分析に寄与する量を確保することができ良好な分析を行うことができる。
【0055】
上記の本発明の成分分析装置は、シンプルな構造で、コンパクトで、部品点数も少なく、コストも削減された、簡易に製造できる、より実用的な成分分析装置となっている。
【0056】
次に、本発明の成分分析装置のさらなる好ましい態様について説明する。
【0057】
本発明の成分分析装置では、上記分析試薬を保持した部分を複数箇所形成することができる。試薬の保持部分が複数あれば、それぞれの保持部分で試薬の種類を替えれば、試薬の種類に応じた分析項目が選択できる。つまり、多項目の測定が行え、1回の試料の適用に対して複数の種類の分析結果を得ることができる。
【0058】
本発明は、上記のように分離膜の細かい面全面を試料で確実に濡らすことができるため、試薬の保持部分を複数形成させても、すべての保持部分に確実に試料を展開させることができる。よって、試薬保持部分を複数形成した本発明の成分分析装置は、実用化を図るうえでより有効な成分分析装置となっている。
【0059】
また、本発明の成分分析装置では、第2の基板には、開口部が形成されていてもよい。詳しくは、後述のように分析試薬が保持された部位に対応する第2基板の位置に開口部が形成されているとよい。
【0060】
<血漿成分分析装置>
上記した成分分析装置を用い、特に試料として血液を用いた血漿成分分析装置は、本発明の成分分析装置の利点をより活かすことができる。
【0061】
本発明の血漿成分分析装置は、全血中の血漿と赤血球とを分離し、分離した血漿中の被測定成分を検出するための装置である。
【0062】
本発明の血漿成分分析装置の構成は、上記の成分分析装置の箇所で説明した通りである。
【0063】
つまり、本発明の血漿成分分析装置は、第1の基板と血漿分離膜(特に血漿成分分析装置では、有形成分を分離する膜を血漿分離膜ともいう)とを積層し、
前記血漿分離膜は、血液が適用されるための露出部位を第1の基板側に有し、前記血漿分離膜には、血漿中の被測定成分と反応する分析試薬が保持されており、
前記血漿分離膜は、微孔質で、前記露出部位のある側の方に、より大きい孔を有する非対称構造を有しており、
血液を前記露出部位に適用し前記血漿分離膜内を積層面に沿った方向に移動させると、赤血球から分離した血漿が前記分析試薬が保持された部分に到達したときに、血漿中の被測定成分と分析試薬とが反応することができるものである。
【0064】
本発明の血漿成分分析装置において、特に以下で説明するもの以外は、第1の基板、第2の基板、接着層、分離膜、分析試薬、製造法等、上記成分分析装置で説明した構成が同様に適用できる。
【0065】
以下、特に血漿成分分析装置に適用した場合について説明する。
【0066】
本発明の血漿分離膜は、血漿と赤血球とを分離することができる膜である。
【0067】
該血漿分離膜は、非対称の孔構造を有している。
【0068】
該非対称構造の血漿分離膜は、好ましくは、親水性の微孔質で、実質的に疎水性ポリマーと親水性ポリマーとからなり、親水性ポリマーがポリマーマトリックスの中に又は上に固定されているとよい。ここで、疎水性ポリマーとしては、ポリスルホン又はポリエーテルスルホンが、親水性ポリマーとしては、ポリビニルピロリドンが挙げられる。
【0069】
具体的には、プライムケアースペック(スペクトラル社製)の、S/G膜、C/S膜、C/Q膜、又はX膜等が好ましく使用できる。
【0070】
本発明の血漿分離膜の膜厚は、20〜500μm、好ましくは50〜350μmの範囲であるとよい。また、該血漿分離膜の孔径は、0.1〜500μm、好ましくは0.1〜100μmの範囲であるとよい。但し、血液が加えられるより大きい孔の孔径は、2〜500μm、好ましくは10〜100μmであり、膜の反対側(積層方向の逆側)のより小さい孔の孔径は、0.1〜10μm、好ましくは0.1〜5μmであるとよい。また、該血漿分離膜の大きさは、1〜10mm×10〜50mm、好ましくは1.5〜2.5mm×15〜25mmであるとよい。
【0071】
本発明の血漿成分分析装置における分析試薬としては、血漿中の被測定成分と反応して被測定成分の有無を検出することができれば特に制限されないが、好ましくは発色する色素である、沈殿性色素を用いるとよい。
【0072】
この沈殿性色素としては、前記成分分析装置の箇所でも述べたが、4−クロロ−1−ナフトール、o−フェニレンジアミン、テトラメチルベンチジン(TMBZ)等の酸化反応に使用可能な色素が挙げられる。本発明では、膜に保持させた場合の状態や発色強度を考慮すると、4−クロロ−1−ナフトールの使用がより好ましい。沈殿性色素を使用することにより、血漿の移動とともに色素が流れることなく、より精度の高い測定結果を得ることができる。
【0073】
血漿成分分析装置において、試料供給口(以下、血漿成分分析装置では、試料供給口を血液供給口ともいう)の大きさを調節すると、血漿の展開時間や血球、血漿のそれぞれの展開量を調節することができるため、その点を充分考慮して血液供給口を形成するとよい。例えば、上記第1の基板を短くすることにより、血液供給口を形成する場合には、血液供給口の長さは、血漿分離膜の長さの5〜50%、好ましくは15〜25%を目安に形成するとよい。例えば、血漿分離膜の長さが20mm程度の場合、血液供給口の長さは、4mm程度とするのがよい。また、血液供給口の幅は、血漿分離膜の幅と同じ幅でよい。
【0074】
また、血漿成分分析装置において、試薬層を別に設けた場合には、血漿が移動しても、試薬が流れにくくなるため、測定精度が向上する。オキシダーゼ反応の様に、反応に酵素を必要とする場合には、試薬を直接空気に触れさせる構成とすることにより、反応を迅速に行わせることができる。
【0075】
また、本発明の血漿成分分析装置では、前記血漿分離膜の露出部位にさらに血漿と赤血球とを分離するための血漿分離膜であるプレフィルター(但し、非対称構造の血漿分離膜を除く)を前記血漿分離膜に積層するとよい。
【0076】
該プレフィルターとしては、前記成分分析装置の箇所でも述べたが、ガラスフィルター、紙、人口繊維等が使用できる。ガラスフィルターとしては、ミリポア社AP20、ワットマン社GF/G6などが使用できる。紙としては、ポール社のヘマセップなどが使用できる。
【0077】
このように、血漿分離膜の前にプレフィルターを配置した状態で、血液を適用すると、血球づまりを抑制することができ、血漿分離膜の細かい面(下面)全面を濡らす血漿量をより多くすることができる。血球づまりを防止できると、血液供給口から適用する血液の使用量も増やすことができ、より分析に供する血漿量を確保することができる。
【0078】
こうして本発明の血漿成分分析装置を用い、上記分析試薬が保持された部分で生じた、血漿中の被測定成分と分析試薬との反応を観察すれば、血漿中の被測定成分に関する分析結果を検出することができる。
【0079】
このように、本発明の血漿成分分析装置は、積層方向(いわゆる縦方向)に孔径の大きさが異なる非対称の孔構造を有する血漿分離膜(以下、非対称性血漿分離膜ともいう)を使用し、積層面に沿った方向(いわゆる横方向)に血漿を移動させることにより、血漿分離、血漿移動、血漿中の被測定成分と分析試薬との反応を行えるようにしたことが特徴である。
【0080】
非対称性血漿分離膜を使用したことで、効率よくかつ効果的に血球と血漿とが分離し、さらに積層面に沿った方向に移動する血漿は血漿分離膜の下面(孔の細かい面)を選択的に移動するため、血球の妨害なく血漿のみで血漿分離膜の細かい面全面を濡らすことができる。それにより、確実に血漿中の被測定成分と分析試薬とを反応させることができ、精度良くかつ安定した分析結果を得ることができる。一方、血漿分離膜が非対称性の膜でない場合には、血液を積層面に沿った方向に展開させると、上面下面問わず同一の速度で血液が展開されることにより、血球の詰まりが生じると血漿が血漿分離膜末端まで到達しない場合が生じる。それでは、血球と血漿の分離も良くなく、精度良くかつ安定した分析を行うことはできない。
【0081】
また、本発明により、効率よくかつ効果的に分離した血漿を積層面に沿った方向に血漿分離膜の下面を選択的に移動させ、血漿分離膜の細かい面全面を血漿で確実に濡らすことができる。よって、本発明は、少量の血液の適用でも、充分分析に寄与する血漿量を確保することができ良好な分析を行うことができる。
【0082】
上記の本発明の血漿成分分析装置は、シンプルな構造で、コンパクトで、部品点数も少なく、コストも削減された、簡易に製造できる、より実用的な血漿成分分析装置となっている。
【0083】
【発明の実施の形態】
本発明のより好ましい成分分析装置の形態である血漿成分分析装置について、以下説明する。
【0084】
該血漿成分分析装置の実施の一形態を図1に示す。
【0085】
図1(a)〜(c)には、本発明の血漿成分分析装置の断面図がそれぞれ記載されている。
【0086】
基板(1)と血漿分離膜(2)が積層されている。
【0087】
また、血漿分離膜(2)には、血液が適用されるための露出部位である血液供給口(4)が形成されている。図1(a)、(b)は、第1の基板の長さを血漿分離膜の長さより短くすることにより露出部位を形成しており、図1(c)は、第1の基板に開口部を設け露出部位を形成している。
【0088】
血漿分離膜(2)には、分析試薬が保持された部分(5)が形成されている。図1(a)は、分析試薬を血漿分離膜内に保持させており、図1(b)、(c)は、分析試薬層を血漿分離膜上に積層させることにより保持させている。
【0089】
全血液を血液供給口(4)に適用し血漿分離膜内を積層面に沿った方向(A方向)に移動させると、赤血球から分離した血漿が分析試薬が保持された部分(5)に到達したときに、血漿中の被測定成分と分析試薬とが反応する。図中、符号5の部分が反応した領域を表している。
【0090】
そこで、その反応の結果、生じた状態の変化(発色状況)を観察することにより、分析結果を得る。
【0091】
図1において、非対称孔構造を有する血漿分離膜(2)は、より大きい孔が、血液が適用される側(露出部位のある側)(図中、符号aで示す側)にくるように配置される。
【0092】
本発明の血漿成分分析装置の実施の他の形態を図2に示す。
【0093】
図2(a)〜(c)には、本発明の血漿成分分析装置の別の態様の断面図がそれぞれ記載されている。
【0094】
基板(1)、血漿分離膜(2)、基板(3)の順で積層されている。
【0095】
基板(3)が加わっている他は、図1と同様である。尚、図2(b)、(c)において、試薬層と基板(3)の積層状態を明らかにするため図面上は血漿分離膜(2)と基板(3)に隙間が開いているように図示しているが、実際は、試薬層は薄く形成されているため隙間はなくほぼうまっている状態となっている。
【0096】
さらに、本発明の血漿成分分析装置の実施の他の形態を図3及び4に示す。
【0097】
図3には、本発明の血漿成分分析装置のさらに別の態様の断面図がそれぞれ記載されており、図4は、図3(c)に記載の血漿成分分析装置の斜視図となっている。
【0098】
図3(a)は、基板(1)と血漿分離膜(2)との間には、接着層(6)が配されている。基板(1)と血漿分離膜(2)は、その間介在された接着層(6)により接着されている。図3(b)、(c)は、基板(1)と血漿分離膜(2)、血漿分離膜(2)と基板(3)との間には、接着層(6)、接着層(7)が配されている。基板(1)と血漿分離膜(2)は、その間介在された接着層(6)により、血漿分離膜(2)と基板(3)は、その間介在された接着層(7)により、それぞれ接着されている。
【0099】
図3及び図4に記載の装置は、積極的に接着層が設けられている他は、図1や図2に記載の装置と同様である。
【0100】
さらに、本発明の血漿成分分析装置の実施の他の形態を図5に示す。
【0101】
図5(a)、(b)では、分析試薬を保持した部分が複数箇所形成されている。
【0102】
さらに、本発明の血漿成分分析装置の実施の他の形態を図6に示す。
【0103】
図6(a)〜(d)では、第2の基板(3)に開口部がそれぞれ形成されている。
【0104】
図6(a)のように第2の基板の開口部に分析試薬が保持された部分が形成されているとよい。図6中、符号8は第2の基板に覆われていない部分を示す。また、図6(b)のように、該開口部に分析試薬が保持された部位を配した後、さらに第2の基板の下に例えば透明な基材等第3の基板(9)を貼り付けることも可能である。また、図6(c)や図6(d)のように、第2の基板の開口部は、複数形成されていてもよい。
【0105】
さらに、本発明の血漿成分分析装置の実施の他の形態を図7に示す。
【0106】
図7では、血漿分離膜の露出部位にさらに血漿と赤血球とを分離するための血漿分離膜であるプレフィルター(但し、非対称構造の血漿分離膜を除く)(10)が血漿分離膜に積層されている。
【0107】
【発明の効果】
本発明により、効率よくかつ効果的に測定に不都合な有形成分を試料から分離することができ、精度良くかつ安定した分析が行える成分分析装置を提供することができた。
【0108】
本発明の成分分析装置は、微量の試料の適用でも、充分分析に寄与する試料量を確保することができるものとなっている。
【0109】
本発明の成分分析装置は、複数の成分分析を一度に確実に行うことができる態様となっているため、多項目分析ができる応用範囲の広いより実用的な装置となっている。
【0110】
また、本発明により、シンプルな構造で、コンパクトで、部品点数も少なく、コストも削減された、簡易に製造できる、より実用的な成分分析装置を提供することができた。
【0111】
さらに本発明により、効率よくかつ効果的に血球と血漿を分離することができ、精度良くかつ安定した分析が行える血漿成分分析装置を提供することができた。
【0112】
本発明の血漿成分分析装置は、微量の血液の適用でも、充分分析に寄与する血漿量を確保することができるものとなっている。
【0113】
本発明の血漿成分分析装置は、血液の適用量を増やしても、血球づまりのない、より多くの血漿量を確保できる態様にもなっている。
【0114】
さらに、本発明の血漿成分分析装置は、複数の成分分析を一度に確実に行うことができる態様となっているため、多項目分析ができる応用範囲の広いより実用的な装置となっている。
【0115】
また、本発明により、シンプルな構造で、コンパクトで、部品点数も少なく、コストも削減された、簡易に製造できる、より実用的な血漿成分分析装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
(b) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
(c) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
【図2】(a) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
(b) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
(c) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
【図3】(a) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
(b) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
(c) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
【図4】本発明の血漿成分分析装置の斜視図を示す。
【図5】(a) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
(b) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
【図6】(a) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
(b) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
(c) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
(d) 本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
【図7】本発明の血漿成分分析装置の断面図を示す。
【符号の簡単な説明】
1、基板
2、血漿分離膜
3、基板
4、血液供給口
5、分析試薬が保持された部分
6、7、接着層
8、第2の基板に覆われていない部分
9、基板
10、プレフィルター
Claims (15)
- 試料中の有形成分を分離し、分離後の試料中の被測定成分を検出するための装置であって、
第1の基板と有形成分を分離する膜とを積層し、
前記有形成分を分離する膜は、試料が適用されるための露出部位を第1の基板側に有し、
前記有形成分を分離する膜には、試料中の被測定成分と反応する分析試薬が保持されており、
前記有形成分を分離する膜は、微孔質で、前記露出部位のある側の方に、より大きい孔を有する非対称構造を有しており、
試料を前記露出部位に適用し前記有形成分を分離する膜内を積層面に沿った方向に移動させると、有形成分を分離した後の試料が前記分析試薬が保持された部分に到達したときに、試料中の被測定成分と分析試薬とが反応することを特徴とする、成分分析装置。 - 前記成分分析装置は、さらに第2の基板を有し、第1の基板と有形成分を分離する膜と第2の基板がこの順で積層されていることを特徴とする、請求項1に記載の成分分析装置。
- 前記基板がプラスチックシートであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の成分分析装置。
- 第1の基板と有形成分を分離する膜、又は有形成分を分離する膜と第2の基板は、それぞれその間介在された接着層により接着されていることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の成分分析装置。
- 前記分析試薬は前記有形成分を分離する膜内に又は前記有形成分を分離する膜上に保持されていることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の成分分析装置。
- 分析試薬からなる層を前記有形成分を分離する膜に積層することにより、前記分析試薬が前記有形成分を分離する膜上に保持されていることを特徴とする、請求項5に記載の成分分析装置。
- 前記分析試薬からなる層は、試薬をバインダーに保持させてフィルム化した膜である、請求項6に記載の成分分析装置。
- 前記フィルム化した分析試薬からなる膜を前記有形成分を分離する膜の孔径のより細かい側にコーティングにより積層することを特徴とする、請求項7に記載の成分分析装置。
- 前記分析試薬を保持した部分が複数箇所形成されていることを特徴とする、請求項5〜8の何れかに記載の成分分析装置。
- 前記第2の基板には開口部が形成されていることを特徴とする、請求項2〜9の何れかに記載の成分分析装置。
- 前記分析試薬を保持する部分に対応して、前記第2の基板の開口部が形成されていることを特徴とする、請求項10に記載の成分分析装置。
- 前記分析試薬が試料中の被測定成分と反応して発色する色素であることを特徴とする、請求項1〜11の何れかに記載の成分分析装置。
- 前記色素が沈殿性色素であることを特徴とする、請求項12に記載の成分分析装置。
- 前記有形成分を分離する膜の露出部位にさらに試料から有形成分を分離するための膜であるプレフィルター(但し、非対称構造の有形成分を分離する膜を除く)を前記有形成分を分離する膜に積層することを特徴とする、請求項1〜13の何れかに記載の成分分析装置。
- 請求項1〜14に記載の成分分析装置を用いて、全血中の血漿と赤血球とを分離し、分離した血漿中の被測定成分を検出することを特徴とする、血漿成分分析装置。
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