JP2004292554A - 膜形成用組成物及びその製造方法、並びに、膜形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体素子などにおける層間絶縁膜として適当で均一な厚さ及び均一な多孔質構造を有する塗膜が形成可能であり、かつ、耐熱性に優れ、クラックが生じ難く、更に誘電率特性に優れた塗膜を形成可能な膜形成用組成物及びその製造方法、並びに、本発明の膜形成用組成物を用い、均一な多孔質構造を有する膜を形成することが可能な膜形成方法を提供する。
【解決手段】(A)熱分解性のオリゴマー若しくは熱分解性のポリマーを結合した炭化水素含有熱硬化性前駆体と、(B)有機溶剤と、を少なくとも含むことを特徴とする膜形成用組成物及びその製造方法、並びに、これを用いた膜形成方法。
【選択図】 なし
【解決手段】(A)熱分解性のオリゴマー若しくは熱分解性のポリマーを結合した炭化水素含有熱硬化性前駆体と、(B)有機溶剤と、を少なくとも含むことを特徴とする膜形成用組成物及びその製造方法、並びに、これを用いた膜形成方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁膜形成用材料の作製に用いられる膜形成用組成物に関し、さらに詳しくは、半導体素子などにおける層間絶縁膜材料として、適当な均一な厚さを有する塗膜が形成可能であり、クラックが生じ難く、誘電率特性などに優れた絶縁膜形成用材料、特に多孔質絶縁膜の形成に適した膜形成用組成物及びその製造方法、並びに、該膜形成用組成物を用いた膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子などにおける層間絶縁膜としては、CVD法などの真空プロセスで形成されたシリカ(SiO2)膜が多用されている。そして、近年、より均一な層間絶縁膜を形成することを目的として、SOG(Spin on Glass)膜と呼ばれるテトラアルコキシランの加水分解生成物を主成分とする塗布型の絶縁膜も使用されるようになっている。また、半導体素子などの高集積化に伴い、有機SOGと呼ばれるポリオルガノシロキサンを主成分とする低誘電率の層間絶縁膜が開発されている。
【0003】
しかし、無機材料の膜の中で最も低い誘電率を示すCVD−SiO2膜でも、誘電率は約4程度である。また、低誘電率CVD膜として最近検討されているSiOF膜の誘電率は約3.3〜3.5であるが、この膜は吸湿性が高く、使用しているうちに誘電率が上昇するという問題がある。
【0004】
一方、2.5〜3.0と低い値の誘電率を示す有機高分子膜は、ガラス転移温度が200〜350℃と低く、熱膨張率も大きいことから、配線へのダメージが問題となっている。また、有機SOG膜では、多層配線パターン形成時においてもレジスト剥離などに用いられている酸素プラズマアッシングによって酸化してしまい、クラックを生じるという欠点がある。
【0005】
さらに、有機SOGを含む有機系樹脂は、配線材料であるアルミニウム及びアルミニウムを主体とした合金や、銅及び銅を主体とした合金に対する密着性が低い。このため、配線脇にボイド(配線と絶縁材料との間にできる空隙)が生じ、該ボイドへ水分が侵入して配線腐食を招く可能性がある。更に、この配線脇ボイドは多層配線を形成するためのビアホール開口時に位置ずれが生じた際、配線層間でのショートの原因となり、信頼性を低下させる問題がある。
【0006】
かかる状況下、絶縁性、耐熱性、及び耐久性に優れた絶縁膜材料として、炭化水素含有マトリックス前駆体及び気孔発生剤を含有する低誘電率の多孔質マトリックス材料が提案されている。より具体的には、熱硬化性ベンゾシクロブテン(BCB)又はそれらの部分重合体(例えば、特許文献1参照。)、及びポリアリーレン組成物(例えば、特許文献2参照。)などが知られている。
【0007】
しかしながら、単に気孔発生剤を別に添加したものでは、成膜時、若しくは熱硬化時に気孔発生剤が移動したり、凝集したりすることにより、均質な多孔質化を達成できず、誘電率のばらつきやクラックの発生などが起こり問題となっている。また、熱硬化時に気孔発生体が架橋性マトリックス前駆体と反応してポリマー鎖のブロック又はペンダント状置換を形成する場合にも、上記気孔発生剤の移動や凝集を抑制することはできず、これらの改善が求められている。同様の理由により、成膜温度・時間の条件を厳しくコントロールしないと微細孔の径が変動したり、径の分布が広がったりする問題も生じている。これらの問題は、均質な膜形成、クラックの抑制、低誘電率化という絶縁材料に求められる特性を劣化させるものであり、さらなる改善が求められている。
【0008】
【特許文献1】
米国特許4,812,588号公報
【特許文献2】
特表2002−530505号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、半導体素子などのさらなる高集積化や多層化に伴い、より優れた導体間の電気絶縁性が要求されており、より低誘電率で、かつクラック耐性や耐熱性に優れる層間絶縁膜材料が求められるようになっている。しかし、上述のような公知の炭化水素含有マトリックスと気孔発生剤との組み合わせからなる絶縁膜形成材料では、依然、耐熱性、耐クラック性、及び誘電率特性が不十分であった。
【0010】
従って本発明は、上記問題点を解決するため、半導体素子などにおける層間絶縁膜として適当で均一な厚さ及び均一な多孔質構造を有する塗膜が形成可能であり、かつ、耐熱性に優れ、クラックが生じ難く、更に誘電率特性に優れた塗膜を形成可能な膜形成用組成物及びその製造方法、並びに、本発明の膜形成用組成物を用い、均一な多孔質構造を有する膜を形成することが可能な膜形成方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記の<1>〜<10>の構成により達成されることが見出された。
【0012】
<1> (A)熱分解性のオリゴマー若しくは熱分解性のポリマーを結合した炭化水素含有熱硬化性前駆体と、(B)有機溶剤と、を少なくとも含むことを特徴とする膜形成用組成物である。
【0013】
<2> 前記炭化水素含有熱硬化性前駆体が、2種以上の化合物を反応させることによって得られ、かつ、前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーが前記2種以上の化合物のいずれかに結合していることを特徴とする上記<1>の膜形成用組成物である。
【0014】
<3> 前記炭化水素含有熱硬化性前駆体が、少なくとも(a)2つ以上のジエン基を含む多官能性化合物と(b)2つ以上のジエノフィル基を含む多官能性化合物との反応生成物であって、かつ前記(a)2つ以上のジエン基を含む多官能性化合物及び/又は(b)2つ以上のジエノフィル基を含む多官能性化合物に、前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーが結合していることを特徴とする上記<1>又は<2>の膜形成用組成物である。
【0015】
<4> 前記炭化水素含有熱硬化性前駆体が、少なくとも下記一般式(I)で表される化合物と下記一般式(II)で表される化合物との反応生成物であり、かつ、下記一般式(I)及び下記一般式(II)における、R,X,Y,及びZの少なくとも1つに、前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーが置換されていることを特徴とする上記<1>〜<3>の膜形成用組成物である。
【0016】
【化5】
[一般式(I)中、Rは各々独立して、水素原子、又は置換されていてもよいアリールを表し、Xは置換されていてもよいアリーレンを表す。]
【0017】
【化6】
[一般式(II)中、Yは、水素原子、又は置換されていてもよいアリールを表し、Zは、置換されていてもよい芳香族残基を表す。aは2以上の整数を表す。]
【0018】
<5> 前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーの熱分解温度が、前記炭化水素含有熱硬化性前駆体の硬化温度よりも高いことを特徴とする上記<1>〜<4>の膜形成用組成物である。
【0019】
<6> (A)熱分解性のオリゴマー若しくは熱分解性のポリマーを結合した炭化水素含有熱硬化性前駆体と、(B)有機溶剤と、を少なくとも含む膜形成用組成物の製造方法であって、前記炭化水素含有熱硬化性前駆体が、2種以上の化合物を反応させることによって得られ、かつ、前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーが前記2種以上の化合物のいずれかに結合していることを特徴とする膜形成用組成物の製造方法である。
【0020】
<7> 前記炭化水素含有熱硬化性前駆体が、少なくとも(a)2つ以上のジエン基を含む多官能性化合物と、(b)2つ以上のジエノフィル基を含む多官能性化合物との反応生成物であって、かつ前記(a)2つ以上のジエン基を含む多官能性化合物及び/又は前記(b)2つ以上のジエノフィル基を含む多官能性化合物に、前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーが結合していることを特徴とする上記<6>の膜形成用組成物の製造方法である。
【0021】
<8> 前記炭化水素含有熱硬化性前駆体が、少なくとも下記一般式(I)で表される化合物と下記一般式(II)で表される化合物との反応生成物であり、かつ、下記一般式(I)及び下記一般式(II)における、R,X,Y,及びZの少なくとも1つに、前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーが置換されていることを特徴とする上記<6>又は<7>の膜形成用組成物の製造方法である。
【0022】
【化7】
[一般式(I)中、Rは各々独立して、水素原子、又は置換されていてもよいアリールを表し、Xは置換されていてもよいアリーレンを表す。]
【化8】
[一般式(II)中、Yは、水素原子、又は置換されていてもよいアリールを表し、Zは、置換されていてもよい芳香族残基を表す。aは2以上の整数を表す。]
<9> (A)熱分解性のオリゴマー若しくは熱分解性のポリマーを結合した炭化水素含有熱硬化性前駆体と、(B)有機溶剤と、を少なくとも含む膜形成用組成物を、基板上に塗布・乾燥して塗膜を形成する塗膜形成工程と、前記塗膜を加熱して硬化させる硬化工程と、前記硬化した塗膜を前記硬化工程よりも高い温度で加熱する熱分解工程と、を含むことを特徴とする膜形成方法である。
【0023】
<10> 前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーの熱分解温度が、前記炭化水素含有熱硬化性前駆体の硬化温度よりも高いことを特徴とする上記<9>の膜形成方法である。
【0024】
本発明の絶縁膜形成用組成物は、上述の通り、熱分解性のオリゴマー若しくは熱分解性のポリマー(以下、これらを総称して「熱分解性成分」という場合がある。)を結合した炭化水素含有熱硬化性前駆体を含有することが大きな特徴である。すなわち、本発明における炭化水素含有熱硬化性前駆体は、熱処理による架橋反応によって有機溶剤に可溶な状態から、三次元的な構造をとり、高分子化されることで、絶縁膜が形成され、優れた低誘電率化が達成される。この硬化時に、共有結合等で導入されている熱分解性のオリゴマー若しくは熱分解性のポリマーがスペーサーとして作用し、炭化水素含有熱硬化性前駆体間に微小空間を与える。このため、熱分解性のオリゴマー及び熱分解性のポリマーが導入(特に共有結合で導入)されていることから、均質で微細な多孔質構造を形成可能となり、成膜条件の変動(温度、時間)に対しても幅広いラチチュードを有する絶縁材料を与えることが可能なことが見出された。
【0025】
【発明の実施の形態】
《膜形成溶組成物》
以下、本発明の膜形成用組成物及びその製造方法について詳述する。
上述の通り本発明の膜形成用組成物は、(A)熱分解性のオリゴマー若しくは熱分解性のポリマー(熱分解性成分)を結合した炭化水素含有熱硬化性前駆体と、(B)有機溶剤と、を少なくとも含むことを特徴とする。
【0026】
〈炭化水素含有熱硬化性前駆体〉
(熱分解性オリゴマー若しくは熱分解性ポリマー)
熱分解性のオリゴマー若しくはポリマーである熱分解性成分としては、重量平均分子量が500以上500,000以下である化合物のうち、アルキレンオキサイド構造を有する繰り返し単位を有する化合物、糖鎖構造を有する繰り返し単位を有する化合物、ビニルアミド系重合体、(メタ)アクリレート系重合体、芳香族ビニル系重合体などを挙げることができる。また、上記熱分解性成分は、上記炭化水素含有熱硬化性前駆体に共有結合で導入されていることが好ましい。
【0027】
−アルキレンオキサイド構造を有する化合物−
上記アルキレンオキサイド構造としては、ポリエチレンオキサイド構造、ポリプロピレンオキサイド構造、ポリテトラメチレンオキサイド構造、ポリブチレンオキシド構造などが挙げられる。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのエーテル型化合物、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩などのエーテルエステル型化合物、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエーテルエステル型化合物などを挙げることができる。
【0028】
−糖鎖構造を有する化合物−
上記糖鎖構造を有する化合物としてはシクロデキストリン、デンプン、ショ糖エステル、オリゴ糖、グルコース、フルクトース、マンニット、デンプン糖、D−ソルビット、デキストラン、ザンサンガム、カードラン、プルラン、シクロアミロース、異性化糖、マルチトール、酢酸セルロース、セルロース、カルボキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キチン、キトサンを挙げることができる。
【0029】
本発明で使用する上記糖鎖構造を有する化合物は、その水酸基、又はアミノ基の一部又は全部を変性することが好ましい。水酸基の化学変性としては、エーテル化、エステル化、トリアルキルシリル変性、ウレタン化を含む変性が挙げられる。また、アミノ基の化学変性としては、アミド結合、尿素結合、イミド結合の導入が挙げられる。糖鎖構造を有する化合物のうち、分解後の孔径が小さくその制御も可能となることから、シクロデキストリンが好ましく、さらに上記化学変性としてはトリアルキルシリル変性やウレタン化が好ましく、特にトリメチルシリル変性が好ましい。上記糖鎖構造を有する化合物をトリメチルシル基で変性するには、糖鎖構造を有する化合物にトリメチルクロロシランやトリメチルクロロシリルアセトアミドなどのトリメチルシリル化剤を反応させればよく、通常、上記糖鎖構造を有する化合物の水酸基の5〜100%を置換すればよい。上記糖鎖構造を有する化合物をウレタン基で結合するには、上記糖鎖構造を有する化合物にフェニルイソシアナートやヘキシルイソシアナートなどのウレタン化剤を反応させればよく、通常、例えばシクロデキストリンの場合にはその水酸基の5〜100%反応させればよい。
【0030】
−ビニルアミド系重合体−
上記ビニルアミド重合体としては、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルピロリドン、ポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)、ポリ(N、N−ジメチルアクリルアミド)などが挙げられる。
【0031】
−(メタ)アクリレート系重合体−
上記(メタ)アクリレート系重合体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステルを主成分としたラジカル重合性モノマーの重合体を挙げることができる。
【0032】
−芳香族ビニル系重合体−
上記芳香族ビニル系重合体としては、ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリα−メチルスチレンなどが挙げられる。
【0033】
上記熱分解性成分は、上述の通り炭化水素含有熱硬化性前駆体に共有結合で導入されていることが好ましい。導入の態様としては、炭化水素含有熱硬化性前駆体の全てのユニットに導入されても良いが、上記熱分解性成分の特性に合わせて、炭化水素含有熱硬化性前駆体の一部のユニットに導入することが好ましい。また、後述する炭化水素含有熱硬化性前駆体が、少なくとも(a)2つ以上のジエン基を含む多官能性化合物と(b)2つ以上のジエノフィル基を含む多官能性化合物との反応生成物である場合には、(a)2つ以上のジエン基を含む多官能性化合物及び/又は(b)2つ以上のジエノフィル基を含む多官能性化合物に熱分解性成分が結合していることが好ましい。但し、(a)2つ以上のジエン基を含む多官能性化合物及び/又は(b)2つ以上のジエノフィル基を含む多官能性化合物の全てのユニットに上記熱分解性成分が結合している必要はなく、目的とした絶縁材料の特性(多孔化度、微細径、誘電率)に合わせて上記熱分解性成分の導入量は調整することが好ましい。該調整の方法としては、熱分解性のオリゴマー、若しくはポリマーの分子量を適宜調整するか、異なる分子量、構造の熱分解性成分を導入した炭化水素含有熱硬化性前駆体を複数用いるか、若しくは、上記熱分解性成分を導入した炭化水素含有熱硬化性前駆体と、これら上記熱分解成分からなる熱分解性基を結合していない炭化水素含有熱硬化性前駆体を混合して用いることができる。
【0034】
上記共有結合等で導入する熱分解性成分の量は、炭化水素含有熱硬化性前駆体に対して、2質量%以上80質量%以下が好ましく、5質量%以上60質量%以下が更に好ましく、5質量%以上30質量%以下が特に好ましい。
【0035】
(炭化水素含有熱硬化性前駆体)
上記炭化水素含有熱硬化性前駆体は極性基を有さない熱硬化性の化合物であればいずれの化合物を用いることができ、例えば、熱硬化性ベンゾシクロブテン(BCB)若しくはそれらの部分重合体等を好適に挙げることができ、ポリアリーレン前駆体も好適に用いることができる。上記炭化水素含有熱硬化性前駆体として、より具体的には、例えば、シクロペンタジエノン化合物とアセチレン化合物との部分重合体などが挙げられる。さらに、ポリアリーレンエーテル前駆体も好適に用いることができる。
【0036】
また、上記炭化水素含有熱硬化性前駆体は、共有結合で導入された上記熱分解性のオリゴマー若しくは熱分解性のポリマーを有する単量体化合物を、有機溶剤に可溶な範囲で部分的に重合、高分子量化させたものを用いることができ、例えば、上記炭化水素含有熱効果性前駆体としては、少なくとも1種以上の前記熱分解性成分が結合した化合物を含む2種以上の化合物を反応させることによって得ることができる。
上記炭化水素含有硬化性前駆体を生成するために反応させる化合物としては、例えば、(a)2つ以上のジエン基を含む多官能性化合物、(b)2つ以上のジエノフィル基を含む多官能性化合物などが好適にが挙げられ、(a)2つ以上のジエン基を含む多官能性化合物と(b)2つ以上のジエノフィル基を含む多官能性化合物との反応生成物であり、且つ、前記(a)2つ以上のジエン基を含む多官能性化合物及び/又は(b)2つ以上のジエノフィル基を含む多官能性化合物のいずれかに上記熱分解性成分が結合している化合物は、上記炭化水素含有硬化性前駆体として好適に用いることができる。
【0037】
上記炭化水素含有熱硬化性前駆体として、より具体的には、少なくとも下記一般式(I)で表される化合物と下記一般式(II)で表される化合物との反応生成物であり、かつ、下記一般式(I)及び下記一般式(II)における、R,X,Y,及びZの少なくとも1つに、前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーが置換されていることが好ましい。
【0038】
【化9】
[一般式(I)中、Rは各々独立して、水素原子、又は置換されていてもよいアリールを表し、Xは置換されていてもよいアリーレンを表す。]
【0039】
【化10】
[一般式(II)中、Yは、水素原子、又は置換されていてもよいアリールを表し、Zは、置換されていてもよい芳香族残基を表す。aは2以上の整数を表す。]
【0040】
上記一般式(I)式中、Rは各々独立して水素原子又は置換基を有していてもよいアリールを表す。上記アリールは、具体的にはフェニル基が挙げられ、置換基としては、炭素数1〜6の直鎖、分岐、環状のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖、分岐、環状のアルコキシ基が好ましく、より具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
また、一般式(I)中Xは置換されていてもよいアリーレンを表し、具体的には以下に示す2価の芳香族基が好ましい。
【0041】
【化11】
【0042】
一般式(II)において、Yは水素原子又は置換されていてもよいアリールを表し、好ましくは水素原子、フェニル基である。また、好ましい置換基としては、炭素数1〜6の直鎖、分岐、環状のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖、分岐、環状のアルコキシ基が好ましく、より具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
一般式(II)中、Zは置換されても良い芳香族残基を表し、具体的には、2〜a価の芳香族基が挙げられ、例えば、以下に示す基を挙げることができる。
【0043】
【化12】
【0044】
但し、本発明においては、一般式(I)及び一般式(II)における、R,X,Y及びZの少なくとも1つに上記熱分解性成分が結合した化合物を少なくとも用いることが必要である。
【0045】
以下、本発明における炭化水素含有熱硬化性前駆体の具体例(例示化合物P−1〜P−8)を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0046】
【化13】
【0047】
【化14】
【0048】
【化15】
【0049】
【化16】
【0050】
【化17】
【0051】
【化18】
【0052】
【化19】
【0053】
【化20】
【0054】
前記具体例で示されるように、上記熱分解性成分を、炭化水素含有熱硬化性前駆体を形成するモノマー成分に化学結合させた後、加熱により部分的に硬化させることで、目的の熱分解性のオリゴマー若しくは熱分解性のポリマーを結合した炭化水素含有熱硬化性前駆体を得ることができる。
【0055】
〈有機溶剤〉
本発明の膜形成組成物は、上記炭化水素含有硬化性前駆体を以下に示す有機溶剤に溶解することで提供される。
【0056】
本発明の膜形成組成物は、以下の有機溶剤に溶かして基板上に塗布される。上記有機溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ジメチルイミダゾリジノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、イソプロパノール、エチレンカーボネート、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が好ましく、これらの溶剤を単独あるいは混合して使用することができる。
【0057】
上記有機溶剤の中でも、好ましい有機溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレンカーボネート、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、キシレン、メシチレン、ジイソプロピルベンゼンを挙げることができる。
【0058】
このようにして得られる本発明の膜形成用組成物の全固形分濃度は、好ましくは、2〜30質量%であり、使用目的に応じて適宜調整される。本発明の膜形成用組成物の全固形分濃度が2〜30質量%であると、塗膜の膜厚が適当な範囲となり、保存安定性もより向上する。
【0059】
《膜形成方法》
上述のようにして得られる本発明の膜形成用組成物を用いて基板上に層間絶縁膜を形成することができる。具体的に、本発明の膜形成方法は、本発明の膜形成用組成物を、基板上に塗布して塗膜を形成する塗膜形成工程と、前記塗膜を加熱して硬化させる硬化工程と、前記硬化した塗膜を前記硬化工程よりも高い温度で加熱する熱分解工程と、を含むことを特徴とする。
上記膜形成工程における上記基板としては、シリコンウエハ、SiO2 ウエハ、SiNウエハなどが挙げられ、該基板に塗布する際には、スピンコート、浸漬法、ロールコート法、スプレー法などの塗装手段を用いることができる。
上記絶縁膜の膜厚としては、乾燥膜厚として、1回塗りで厚さ0.05〜1.5μm程度、2回塗りでは厚さ0.1〜3μm程度の塗膜を形成することができる。
また、上記膜形成工程においては、基板上に本発明の膜形成用組成物を塗布した後乾燥するのが好ましい。この場合、乾燥温度としては、室温〜300℃程度が好ましく、乾燥時間としては1分〜30分程度が好ましい。
【0060】
上記硬化工程においては、基板上に形成された塗膜を常温で乾燥するか、あるいは80〜400℃程度の温度で、通常、5〜300分程度加熱して乾燥することにより、硬化させることができる。この際の加熱方法としては、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用することが出来、加熱雰囲気としては、大気下、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空下、酸素濃度をコントロールした減圧下などで行うことができる。
【0061】
上記硬化工程における塗膜の加熱は上記炭化水素含有熱硬化性前駆体が硬化するのに十分な温度と時間を必要とするが、上記熱分解性のオリゴマー若しくは上記熱分解性のポリマーの分解(熱分解工程)より前に、膜を硬化させることが好ましい。塗膜が架橋硬化した後、上記熱分解工程により熱分解性のオリゴマー若しくはポリマーを分解することで、多孔質構造を形成することができる。この加熱分解過程は、通常350℃以上、好ましくは400℃以上で行われる。
また、上記硬化工程における加熱温度(t1)と、上記熱分解工程における加熱温度(t2)との差(Δt=t2−t1)は、30℃以上が好ましく、50℃以上が特に好ましい。この際、良質な多孔質構造を有する膜を形成するために、上記硬化工程における加熱によって熱分解性成分が分解しないよう、本発明の膜形成用組成物における上記熱分解性成分の熱分解温度が上記炭化水素含有熱硬化性前駆体の硬化温度よりも高くなるように、上記熱分解性成分や炭化水素含有熱硬化性前駆体の種類、分子量又はガラス転移温度等を設定するのが好ましい。
【0062】
このようにして得られる層間絶縁膜は、絶縁性に優れ、塗布膜の均一性、誘電率特性、塗膜の耐クラック性、塗膜の表面硬度に優れることから、LSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAMなどの半導体素子用層間絶縁膜、半導体素子の表面コート膜などの保護膜、多層配線基板の層間絶縁膜、液晶表示素子用の保護膜や絶縁防止膜などの用途に有用である。
【0063】
【実施例】
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中の部及び「%」は、特記しない限り、「質量%」を示す。
【0064】
[実施例1]
上記炭化水素含有熱硬化性前駆体の例示化合物P−1のシクロヘキサノン溶液(濃度20%)を0.1μmのテフロン(R)フィルタでろ過した後、シリコンウエハ上にスピンコートし、膜厚1μmの塗膜を形成した(塗膜形成工程)。この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で300℃、120秒間加熱し、更に400℃のホットプレートに移してから300秒間加熱し膜を硬化させた(硬化工程)。更にこのシリコンウエハを、450℃のクリーンオーブンに入れ、20分間加熱し、絶縁膜を形成した(熱分解工程)。透過型顕微鏡(TEM)で絶縁膜の断面を観察したところ、良質な多孔質構造が形成されているのを確認することができた。
【0065】
[実施例2〜4、比較例1〜2]
実施例1における炭化水素含有熱硬化性前駆体(上記例示化合物P−1)を、それぞれ下記表1に記載の炭化水素含有熱硬化性前駆体に変更した以外は実施例1と同様にして、膜形成用組成物ををシリコンウエハ上にスピンコートし、実施例1と同様の処理を行った。これらの硬化膜の耐クラック性、誘電率、PCT後の誘電率を評価し、表2に示した。透過型顕微鏡(TEM)で各々の絶縁膜の断面を観察したところ、実施例2〜4の絶縁膜については、良質な多孔質構造が形成されているのを確認することができたが、比較例1〜2については、多孔質構造をえることができなかった。
【0066】
【表1】
【0067】
※1 炭化水素含有熱硬化性前駆体中の熱分解性成分(例示化合物中のR1に相当)の質量%
※2 炭化水素含有熱硬化性前駆体中の熱分解性成分(例示化合物中のR1に相当)の重量平均分子量
※3 ポリスチレンを下記R―1の炭化水素含有熱硬化性前駆体に混合した。
※4 ポリメチルメタクリレートを下記R−1の炭化水素含有熱硬化性前駆体に混合した。
【0068】
【化21】
【0069】
《評価》
実施例中における膜形成用組成物の評価は、次のようにして測定した。
【0070】
〔重量平均分子量(Mw)〕
下記条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した。
・試料…テトラヒドロフランを溶媒として使用し、試料0.01gを、2mlのテトラヒドロフランに溶解して調製した。
・標準ポリスチレン…東ソー社製の標準ポリスチレン(製品名TSKスタンダード)を使用した。
・装置…東ソー社製の高速ゲル浸透クロマトグラム(HLC−8220GPC)
・カラム…東ソー社製のTSK−gel(GMX)
・測定温度…40℃ 流速:1ml/分
【0071】
〔耐クラック性〕
上記より得られた絶縁膜の外観をピーク社製ポケットマイクロルーペ(50倍)で観察し、下記基準で評価した。
〔基準〕
○;塗膜表面にクラックが認められない。
×;塗膜表面にクラックが認められる。
【0072】
〔誘電率〕
上記から得られた絶縁膜が形成された基板上にアルミニウムを蒸着し、誘電率評価用基板を作製した。誘電率は、横川・ヒューレットパッカード(株)製の「HP16451B電極」及び「HP4284AプレシジョンLCRメーター」、並びに、「ソーラトロン社製システム1296/1260」を用いて、10kHzにおける容量値から算出した。また、PCT(JDECJESD22−A102−B条件:121℃、100%RH、15psig)を96h行い、その後誘電率の測定及び算出を行った。
【0073】
【表2】
【0074】
上記表2の結果から明らかなように、本発明の膜形成組成物を用いて形成された絶縁膜は、耐クラック性に優れ、低い誘電率を示し、かつPCT(耐熱、耐湿)試験後の誘電率も低く保たれており、絶縁膜材料として有用であることがわかった。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、半導体素子などにおける層間絶縁膜として適当で均一な厚さ及び均一な多孔質構造を有する塗膜が形成可能であり、かつ、耐熱性に優れ、クラックが生じ難く、更に誘電率特性に優れた塗膜を形成可能な膜形成用組成物及びその製造方法、並びに、本発明の膜形成用組成物を用い、均一な多孔質構造を有する膜を形成することが可能な膜形成方法を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁膜形成用材料の作製に用いられる膜形成用組成物に関し、さらに詳しくは、半導体素子などにおける層間絶縁膜材料として、適当な均一な厚さを有する塗膜が形成可能であり、クラックが生じ難く、誘電率特性などに優れた絶縁膜形成用材料、特に多孔質絶縁膜の形成に適した膜形成用組成物及びその製造方法、並びに、該膜形成用組成物を用いた膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子などにおける層間絶縁膜としては、CVD法などの真空プロセスで形成されたシリカ(SiO2)膜が多用されている。そして、近年、より均一な層間絶縁膜を形成することを目的として、SOG(Spin on Glass)膜と呼ばれるテトラアルコキシランの加水分解生成物を主成分とする塗布型の絶縁膜も使用されるようになっている。また、半導体素子などの高集積化に伴い、有機SOGと呼ばれるポリオルガノシロキサンを主成分とする低誘電率の層間絶縁膜が開発されている。
【0003】
しかし、無機材料の膜の中で最も低い誘電率を示すCVD−SiO2膜でも、誘電率は約4程度である。また、低誘電率CVD膜として最近検討されているSiOF膜の誘電率は約3.3〜3.5であるが、この膜は吸湿性が高く、使用しているうちに誘電率が上昇するという問題がある。
【0004】
一方、2.5〜3.0と低い値の誘電率を示す有機高分子膜は、ガラス転移温度が200〜350℃と低く、熱膨張率も大きいことから、配線へのダメージが問題となっている。また、有機SOG膜では、多層配線パターン形成時においてもレジスト剥離などに用いられている酸素プラズマアッシングによって酸化してしまい、クラックを生じるという欠点がある。
【0005】
さらに、有機SOGを含む有機系樹脂は、配線材料であるアルミニウム及びアルミニウムを主体とした合金や、銅及び銅を主体とした合金に対する密着性が低い。このため、配線脇にボイド(配線と絶縁材料との間にできる空隙)が生じ、該ボイドへ水分が侵入して配線腐食を招く可能性がある。更に、この配線脇ボイドは多層配線を形成するためのビアホール開口時に位置ずれが生じた際、配線層間でのショートの原因となり、信頼性を低下させる問題がある。
【0006】
かかる状況下、絶縁性、耐熱性、及び耐久性に優れた絶縁膜材料として、炭化水素含有マトリックス前駆体及び気孔発生剤を含有する低誘電率の多孔質マトリックス材料が提案されている。より具体的には、熱硬化性ベンゾシクロブテン(BCB)又はそれらの部分重合体(例えば、特許文献1参照。)、及びポリアリーレン組成物(例えば、特許文献2参照。)などが知られている。
【0007】
しかしながら、単に気孔発生剤を別に添加したものでは、成膜時、若しくは熱硬化時に気孔発生剤が移動したり、凝集したりすることにより、均質な多孔質化を達成できず、誘電率のばらつきやクラックの発生などが起こり問題となっている。また、熱硬化時に気孔発生体が架橋性マトリックス前駆体と反応してポリマー鎖のブロック又はペンダント状置換を形成する場合にも、上記気孔発生剤の移動や凝集を抑制することはできず、これらの改善が求められている。同様の理由により、成膜温度・時間の条件を厳しくコントロールしないと微細孔の径が変動したり、径の分布が広がったりする問題も生じている。これらの問題は、均質な膜形成、クラックの抑制、低誘電率化という絶縁材料に求められる特性を劣化させるものであり、さらなる改善が求められている。
【0008】
【特許文献1】
米国特許4,812,588号公報
【特許文献2】
特表2002−530505号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、半導体素子などのさらなる高集積化や多層化に伴い、より優れた導体間の電気絶縁性が要求されており、より低誘電率で、かつクラック耐性や耐熱性に優れる層間絶縁膜材料が求められるようになっている。しかし、上述のような公知の炭化水素含有マトリックスと気孔発生剤との組み合わせからなる絶縁膜形成材料では、依然、耐熱性、耐クラック性、及び誘電率特性が不十分であった。
【0010】
従って本発明は、上記問題点を解決するため、半導体素子などにおける層間絶縁膜として適当で均一な厚さ及び均一な多孔質構造を有する塗膜が形成可能であり、かつ、耐熱性に優れ、クラックが生じ難く、更に誘電率特性に優れた塗膜を形成可能な膜形成用組成物及びその製造方法、並びに、本発明の膜形成用組成物を用い、均一な多孔質構造を有する膜を形成することが可能な膜形成方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記の<1>〜<10>の構成により達成されることが見出された。
【0012】
<1> (A)熱分解性のオリゴマー若しくは熱分解性のポリマーを結合した炭化水素含有熱硬化性前駆体と、(B)有機溶剤と、を少なくとも含むことを特徴とする膜形成用組成物である。
【0013】
<2> 前記炭化水素含有熱硬化性前駆体が、2種以上の化合物を反応させることによって得られ、かつ、前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーが前記2種以上の化合物のいずれかに結合していることを特徴とする上記<1>の膜形成用組成物である。
【0014】
<3> 前記炭化水素含有熱硬化性前駆体が、少なくとも(a)2つ以上のジエン基を含む多官能性化合物と(b)2つ以上のジエノフィル基を含む多官能性化合物との反応生成物であって、かつ前記(a)2つ以上のジエン基を含む多官能性化合物及び/又は(b)2つ以上のジエノフィル基を含む多官能性化合物に、前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーが結合していることを特徴とする上記<1>又は<2>の膜形成用組成物である。
【0015】
<4> 前記炭化水素含有熱硬化性前駆体が、少なくとも下記一般式(I)で表される化合物と下記一般式(II)で表される化合物との反応生成物であり、かつ、下記一般式(I)及び下記一般式(II)における、R,X,Y,及びZの少なくとも1つに、前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーが置換されていることを特徴とする上記<1>〜<3>の膜形成用組成物である。
【0016】
【化5】
[一般式(I)中、Rは各々独立して、水素原子、又は置換されていてもよいアリールを表し、Xは置換されていてもよいアリーレンを表す。]
【0017】
【化6】
[一般式(II)中、Yは、水素原子、又は置換されていてもよいアリールを表し、Zは、置換されていてもよい芳香族残基を表す。aは2以上の整数を表す。]
【0018】
<5> 前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーの熱分解温度が、前記炭化水素含有熱硬化性前駆体の硬化温度よりも高いことを特徴とする上記<1>〜<4>の膜形成用組成物である。
【0019】
<6> (A)熱分解性のオリゴマー若しくは熱分解性のポリマーを結合した炭化水素含有熱硬化性前駆体と、(B)有機溶剤と、を少なくとも含む膜形成用組成物の製造方法であって、前記炭化水素含有熱硬化性前駆体が、2種以上の化合物を反応させることによって得られ、かつ、前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーが前記2種以上の化合物のいずれかに結合していることを特徴とする膜形成用組成物の製造方法である。
【0020】
<7> 前記炭化水素含有熱硬化性前駆体が、少なくとも(a)2つ以上のジエン基を含む多官能性化合物と、(b)2つ以上のジエノフィル基を含む多官能性化合物との反応生成物であって、かつ前記(a)2つ以上のジエン基を含む多官能性化合物及び/又は前記(b)2つ以上のジエノフィル基を含む多官能性化合物に、前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーが結合していることを特徴とする上記<6>の膜形成用組成物の製造方法である。
【0021】
<8> 前記炭化水素含有熱硬化性前駆体が、少なくとも下記一般式(I)で表される化合物と下記一般式(II)で表される化合物との反応生成物であり、かつ、下記一般式(I)及び下記一般式(II)における、R,X,Y,及びZの少なくとも1つに、前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーが置換されていることを特徴とする上記<6>又は<7>の膜形成用組成物の製造方法である。
【0022】
【化7】
[一般式(I)中、Rは各々独立して、水素原子、又は置換されていてもよいアリールを表し、Xは置換されていてもよいアリーレンを表す。]
【化8】
[一般式(II)中、Yは、水素原子、又は置換されていてもよいアリールを表し、Zは、置換されていてもよい芳香族残基を表す。aは2以上の整数を表す。]
<9> (A)熱分解性のオリゴマー若しくは熱分解性のポリマーを結合した炭化水素含有熱硬化性前駆体と、(B)有機溶剤と、を少なくとも含む膜形成用組成物を、基板上に塗布・乾燥して塗膜を形成する塗膜形成工程と、前記塗膜を加熱して硬化させる硬化工程と、前記硬化した塗膜を前記硬化工程よりも高い温度で加熱する熱分解工程と、を含むことを特徴とする膜形成方法である。
【0023】
<10> 前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーの熱分解温度が、前記炭化水素含有熱硬化性前駆体の硬化温度よりも高いことを特徴とする上記<9>の膜形成方法である。
【0024】
本発明の絶縁膜形成用組成物は、上述の通り、熱分解性のオリゴマー若しくは熱分解性のポリマー(以下、これらを総称して「熱分解性成分」という場合がある。)を結合した炭化水素含有熱硬化性前駆体を含有することが大きな特徴である。すなわち、本発明における炭化水素含有熱硬化性前駆体は、熱処理による架橋反応によって有機溶剤に可溶な状態から、三次元的な構造をとり、高分子化されることで、絶縁膜が形成され、優れた低誘電率化が達成される。この硬化時に、共有結合等で導入されている熱分解性のオリゴマー若しくは熱分解性のポリマーがスペーサーとして作用し、炭化水素含有熱硬化性前駆体間に微小空間を与える。このため、熱分解性のオリゴマー及び熱分解性のポリマーが導入(特に共有結合で導入)されていることから、均質で微細な多孔質構造を形成可能となり、成膜条件の変動(温度、時間)に対しても幅広いラチチュードを有する絶縁材料を与えることが可能なことが見出された。
【0025】
【発明の実施の形態】
《膜形成溶組成物》
以下、本発明の膜形成用組成物及びその製造方法について詳述する。
上述の通り本発明の膜形成用組成物は、(A)熱分解性のオリゴマー若しくは熱分解性のポリマー(熱分解性成分)を結合した炭化水素含有熱硬化性前駆体と、(B)有機溶剤と、を少なくとも含むことを特徴とする。
【0026】
〈炭化水素含有熱硬化性前駆体〉
(熱分解性オリゴマー若しくは熱分解性ポリマー)
熱分解性のオリゴマー若しくはポリマーである熱分解性成分としては、重量平均分子量が500以上500,000以下である化合物のうち、アルキレンオキサイド構造を有する繰り返し単位を有する化合物、糖鎖構造を有する繰り返し単位を有する化合物、ビニルアミド系重合体、(メタ)アクリレート系重合体、芳香族ビニル系重合体などを挙げることができる。また、上記熱分解性成分は、上記炭化水素含有熱硬化性前駆体に共有結合で導入されていることが好ましい。
【0027】
−アルキレンオキサイド構造を有する化合物−
上記アルキレンオキサイド構造としては、ポリエチレンオキサイド構造、ポリプロピレンオキサイド構造、ポリテトラメチレンオキサイド構造、ポリブチレンオキシド構造などが挙げられる。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのエーテル型化合物、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩などのエーテルエステル型化合物、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエーテルエステル型化合物などを挙げることができる。
【0028】
−糖鎖構造を有する化合物−
上記糖鎖構造を有する化合物としてはシクロデキストリン、デンプン、ショ糖エステル、オリゴ糖、グルコース、フルクトース、マンニット、デンプン糖、D−ソルビット、デキストラン、ザンサンガム、カードラン、プルラン、シクロアミロース、異性化糖、マルチトール、酢酸セルロース、セルロース、カルボキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キチン、キトサンを挙げることができる。
【0029】
本発明で使用する上記糖鎖構造を有する化合物は、その水酸基、又はアミノ基の一部又は全部を変性することが好ましい。水酸基の化学変性としては、エーテル化、エステル化、トリアルキルシリル変性、ウレタン化を含む変性が挙げられる。また、アミノ基の化学変性としては、アミド結合、尿素結合、イミド結合の導入が挙げられる。糖鎖構造を有する化合物のうち、分解後の孔径が小さくその制御も可能となることから、シクロデキストリンが好ましく、さらに上記化学変性としてはトリアルキルシリル変性やウレタン化が好ましく、特にトリメチルシリル変性が好ましい。上記糖鎖構造を有する化合物をトリメチルシル基で変性するには、糖鎖構造を有する化合物にトリメチルクロロシランやトリメチルクロロシリルアセトアミドなどのトリメチルシリル化剤を反応させればよく、通常、上記糖鎖構造を有する化合物の水酸基の5〜100%を置換すればよい。上記糖鎖構造を有する化合物をウレタン基で結合するには、上記糖鎖構造を有する化合物にフェニルイソシアナートやヘキシルイソシアナートなどのウレタン化剤を反応させればよく、通常、例えばシクロデキストリンの場合にはその水酸基の5〜100%反応させればよい。
【0030】
−ビニルアミド系重合体−
上記ビニルアミド重合体としては、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルピロリドン、ポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)、ポリ(N、N−ジメチルアクリルアミド)などが挙げられる。
【0031】
−(メタ)アクリレート系重合体−
上記(メタ)アクリレート系重合体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステルを主成分としたラジカル重合性モノマーの重合体を挙げることができる。
【0032】
−芳香族ビニル系重合体−
上記芳香族ビニル系重合体としては、ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリα−メチルスチレンなどが挙げられる。
【0033】
上記熱分解性成分は、上述の通り炭化水素含有熱硬化性前駆体に共有結合で導入されていることが好ましい。導入の態様としては、炭化水素含有熱硬化性前駆体の全てのユニットに導入されても良いが、上記熱分解性成分の特性に合わせて、炭化水素含有熱硬化性前駆体の一部のユニットに導入することが好ましい。また、後述する炭化水素含有熱硬化性前駆体が、少なくとも(a)2つ以上のジエン基を含む多官能性化合物と(b)2つ以上のジエノフィル基を含む多官能性化合物との反応生成物である場合には、(a)2つ以上のジエン基を含む多官能性化合物及び/又は(b)2つ以上のジエノフィル基を含む多官能性化合物に熱分解性成分が結合していることが好ましい。但し、(a)2つ以上のジエン基を含む多官能性化合物及び/又は(b)2つ以上のジエノフィル基を含む多官能性化合物の全てのユニットに上記熱分解性成分が結合している必要はなく、目的とした絶縁材料の特性(多孔化度、微細径、誘電率)に合わせて上記熱分解性成分の導入量は調整することが好ましい。該調整の方法としては、熱分解性のオリゴマー、若しくはポリマーの分子量を適宜調整するか、異なる分子量、構造の熱分解性成分を導入した炭化水素含有熱硬化性前駆体を複数用いるか、若しくは、上記熱分解性成分を導入した炭化水素含有熱硬化性前駆体と、これら上記熱分解成分からなる熱分解性基を結合していない炭化水素含有熱硬化性前駆体を混合して用いることができる。
【0034】
上記共有結合等で導入する熱分解性成分の量は、炭化水素含有熱硬化性前駆体に対して、2質量%以上80質量%以下が好ましく、5質量%以上60質量%以下が更に好ましく、5質量%以上30質量%以下が特に好ましい。
【0035】
(炭化水素含有熱硬化性前駆体)
上記炭化水素含有熱硬化性前駆体は極性基を有さない熱硬化性の化合物であればいずれの化合物を用いることができ、例えば、熱硬化性ベンゾシクロブテン(BCB)若しくはそれらの部分重合体等を好適に挙げることができ、ポリアリーレン前駆体も好適に用いることができる。上記炭化水素含有熱硬化性前駆体として、より具体的には、例えば、シクロペンタジエノン化合物とアセチレン化合物との部分重合体などが挙げられる。さらに、ポリアリーレンエーテル前駆体も好適に用いることができる。
【0036】
また、上記炭化水素含有熱硬化性前駆体は、共有結合で導入された上記熱分解性のオリゴマー若しくは熱分解性のポリマーを有する単量体化合物を、有機溶剤に可溶な範囲で部分的に重合、高分子量化させたものを用いることができ、例えば、上記炭化水素含有熱効果性前駆体としては、少なくとも1種以上の前記熱分解性成分が結合した化合物を含む2種以上の化合物を反応させることによって得ることができる。
上記炭化水素含有硬化性前駆体を生成するために反応させる化合物としては、例えば、(a)2つ以上のジエン基を含む多官能性化合物、(b)2つ以上のジエノフィル基を含む多官能性化合物などが好適にが挙げられ、(a)2つ以上のジエン基を含む多官能性化合物と(b)2つ以上のジエノフィル基を含む多官能性化合物との反応生成物であり、且つ、前記(a)2つ以上のジエン基を含む多官能性化合物及び/又は(b)2つ以上のジエノフィル基を含む多官能性化合物のいずれかに上記熱分解性成分が結合している化合物は、上記炭化水素含有硬化性前駆体として好適に用いることができる。
【0037】
上記炭化水素含有熱硬化性前駆体として、より具体的には、少なくとも下記一般式(I)で表される化合物と下記一般式(II)で表される化合物との反応生成物であり、かつ、下記一般式(I)及び下記一般式(II)における、R,X,Y,及びZの少なくとも1つに、前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーが置換されていることが好ましい。
【0038】
【化9】
[一般式(I)中、Rは各々独立して、水素原子、又は置換されていてもよいアリールを表し、Xは置換されていてもよいアリーレンを表す。]
【0039】
【化10】
[一般式(II)中、Yは、水素原子、又は置換されていてもよいアリールを表し、Zは、置換されていてもよい芳香族残基を表す。aは2以上の整数を表す。]
【0040】
上記一般式(I)式中、Rは各々独立して水素原子又は置換基を有していてもよいアリールを表す。上記アリールは、具体的にはフェニル基が挙げられ、置換基としては、炭素数1〜6の直鎖、分岐、環状のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖、分岐、環状のアルコキシ基が好ましく、より具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
また、一般式(I)中Xは置換されていてもよいアリーレンを表し、具体的には以下に示す2価の芳香族基が好ましい。
【0041】
【化11】
【0042】
一般式(II)において、Yは水素原子又は置換されていてもよいアリールを表し、好ましくは水素原子、フェニル基である。また、好ましい置換基としては、炭素数1〜6の直鎖、分岐、環状のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖、分岐、環状のアルコキシ基が好ましく、より具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
一般式(II)中、Zは置換されても良い芳香族残基を表し、具体的には、2〜a価の芳香族基が挙げられ、例えば、以下に示す基を挙げることができる。
【0043】
【化12】
【0044】
但し、本発明においては、一般式(I)及び一般式(II)における、R,X,Y及びZの少なくとも1つに上記熱分解性成分が結合した化合物を少なくとも用いることが必要である。
【0045】
以下、本発明における炭化水素含有熱硬化性前駆体の具体例(例示化合物P−1〜P−8)を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0046】
【化13】
【0047】
【化14】
【0048】
【化15】
【0049】
【化16】
【0050】
【化17】
【0051】
【化18】
【0052】
【化19】
【0053】
【化20】
【0054】
前記具体例で示されるように、上記熱分解性成分を、炭化水素含有熱硬化性前駆体を形成するモノマー成分に化学結合させた後、加熱により部分的に硬化させることで、目的の熱分解性のオリゴマー若しくは熱分解性のポリマーを結合した炭化水素含有熱硬化性前駆体を得ることができる。
【0055】
〈有機溶剤〉
本発明の膜形成組成物は、上記炭化水素含有硬化性前駆体を以下に示す有機溶剤に溶解することで提供される。
【0056】
本発明の膜形成組成物は、以下の有機溶剤に溶かして基板上に塗布される。上記有機溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ジメチルイミダゾリジノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、イソプロパノール、エチレンカーボネート、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が好ましく、これらの溶剤を単独あるいは混合して使用することができる。
【0057】
上記有機溶剤の中でも、好ましい有機溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレンカーボネート、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、キシレン、メシチレン、ジイソプロピルベンゼンを挙げることができる。
【0058】
このようにして得られる本発明の膜形成用組成物の全固形分濃度は、好ましくは、2〜30質量%であり、使用目的に応じて適宜調整される。本発明の膜形成用組成物の全固形分濃度が2〜30質量%であると、塗膜の膜厚が適当な範囲となり、保存安定性もより向上する。
【0059】
《膜形成方法》
上述のようにして得られる本発明の膜形成用組成物を用いて基板上に層間絶縁膜を形成することができる。具体的に、本発明の膜形成方法は、本発明の膜形成用組成物を、基板上に塗布して塗膜を形成する塗膜形成工程と、前記塗膜を加熱して硬化させる硬化工程と、前記硬化した塗膜を前記硬化工程よりも高い温度で加熱する熱分解工程と、を含むことを特徴とする。
上記膜形成工程における上記基板としては、シリコンウエハ、SiO2 ウエハ、SiNウエハなどが挙げられ、該基板に塗布する際には、スピンコート、浸漬法、ロールコート法、スプレー法などの塗装手段を用いることができる。
上記絶縁膜の膜厚としては、乾燥膜厚として、1回塗りで厚さ0.05〜1.5μm程度、2回塗りでは厚さ0.1〜3μm程度の塗膜を形成することができる。
また、上記膜形成工程においては、基板上に本発明の膜形成用組成物を塗布した後乾燥するのが好ましい。この場合、乾燥温度としては、室温〜300℃程度が好ましく、乾燥時間としては1分〜30分程度が好ましい。
【0060】
上記硬化工程においては、基板上に形成された塗膜を常温で乾燥するか、あるいは80〜400℃程度の温度で、通常、5〜300分程度加熱して乾燥することにより、硬化させることができる。この際の加熱方法としては、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用することが出来、加熱雰囲気としては、大気下、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空下、酸素濃度をコントロールした減圧下などで行うことができる。
【0061】
上記硬化工程における塗膜の加熱は上記炭化水素含有熱硬化性前駆体が硬化するのに十分な温度と時間を必要とするが、上記熱分解性のオリゴマー若しくは上記熱分解性のポリマーの分解(熱分解工程)より前に、膜を硬化させることが好ましい。塗膜が架橋硬化した後、上記熱分解工程により熱分解性のオリゴマー若しくはポリマーを分解することで、多孔質構造を形成することができる。この加熱分解過程は、通常350℃以上、好ましくは400℃以上で行われる。
また、上記硬化工程における加熱温度(t1)と、上記熱分解工程における加熱温度(t2)との差(Δt=t2−t1)は、30℃以上が好ましく、50℃以上が特に好ましい。この際、良質な多孔質構造を有する膜を形成するために、上記硬化工程における加熱によって熱分解性成分が分解しないよう、本発明の膜形成用組成物における上記熱分解性成分の熱分解温度が上記炭化水素含有熱硬化性前駆体の硬化温度よりも高くなるように、上記熱分解性成分や炭化水素含有熱硬化性前駆体の種類、分子量又はガラス転移温度等を設定するのが好ましい。
【0062】
このようにして得られる層間絶縁膜は、絶縁性に優れ、塗布膜の均一性、誘電率特性、塗膜の耐クラック性、塗膜の表面硬度に優れることから、LSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAMなどの半導体素子用層間絶縁膜、半導体素子の表面コート膜などの保護膜、多層配線基板の層間絶縁膜、液晶表示素子用の保護膜や絶縁防止膜などの用途に有用である。
【0063】
【実施例】
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中の部及び「%」は、特記しない限り、「質量%」を示す。
【0064】
[実施例1]
上記炭化水素含有熱硬化性前駆体の例示化合物P−1のシクロヘキサノン溶液(濃度20%)を0.1μmのテフロン(R)フィルタでろ過した後、シリコンウエハ上にスピンコートし、膜厚1μmの塗膜を形成した(塗膜形成工程)。この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で300℃、120秒間加熱し、更に400℃のホットプレートに移してから300秒間加熱し膜を硬化させた(硬化工程)。更にこのシリコンウエハを、450℃のクリーンオーブンに入れ、20分間加熱し、絶縁膜を形成した(熱分解工程)。透過型顕微鏡(TEM)で絶縁膜の断面を観察したところ、良質な多孔質構造が形成されているのを確認することができた。
【0065】
[実施例2〜4、比較例1〜2]
実施例1における炭化水素含有熱硬化性前駆体(上記例示化合物P−1)を、それぞれ下記表1に記載の炭化水素含有熱硬化性前駆体に変更した以外は実施例1と同様にして、膜形成用組成物ををシリコンウエハ上にスピンコートし、実施例1と同様の処理を行った。これらの硬化膜の耐クラック性、誘電率、PCT後の誘電率を評価し、表2に示した。透過型顕微鏡(TEM)で各々の絶縁膜の断面を観察したところ、実施例2〜4の絶縁膜については、良質な多孔質構造が形成されているのを確認することができたが、比較例1〜2については、多孔質構造をえることができなかった。
【0066】
【表1】
【0067】
※1 炭化水素含有熱硬化性前駆体中の熱分解性成分(例示化合物中のR1に相当)の質量%
※2 炭化水素含有熱硬化性前駆体中の熱分解性成分(例示化合物中のR1に相当)の重量平均分子量
※3 ポリスチレンを下記R―1の炭化水素含有熱硬化性前駆体に混合した。
※4 ポリメチルメタクリレートを下記R−1の炭化水素含有熱硬化性前駆体に混合した。
【0068】
【化21】
【0069】
《評価》
実施例中における膜形成用組成物の評価は、次のようにして測定した。
【0070】
〔重量平均分子量(Mw)〕
下記条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した。
・試料…テトラヒドロフランを溶媒として使用し、試料0.01gを、2mlのテトラヒドロフランに溶解して調製した。
・標準ポリスチレン…東ソー社製の標準ポリスチレン(製品名TSKスタンダード)を使用した。
・装置…東ソー社製の高速ゲル浸透クロマトグラム(HLC−8220GPC)
・カラム…東ソー社製のTSK−gel(GMX)
・測定温度…40℃ 流速:1ml/分
【0071】
〔耐クラック性〕
上記より得られた絶縁膜の外観をピーク社製ポケットマイクロルーペ(50倍)で観察し、下記基準で評価した。
〔基準〕
○;塗膜表面にクラックが認められない。
×;塗膜表面にクラックが認められる。
【0072】
〔誘電率〕
上記から得られた絶縁膜が形成された基板上にアルミニウムを蒸着し、誘電率評価用基板を作製した。誘電率は、横川・ヒューレットパッカード(株)製の「HP16451B電極」及び「HP4284AプレシジョンLCRメーター」、並びに、「ソーラトロン社製システム1296/1260」を用いて、10kHzにおける容量値から算出した。また、PCT(JDECJESD22−A102−B条件:121℃、100%RH、15psig)を96h行い、その後誘電率の測定及び算出を行った。
【0073】
【表2】
【0074】
上記表2の結果から明らかなように、本発明の膜形成組成物を用いて形成された絶縁膜は、耐クラック性に優れ、低い誘電率を示し、かつPCT(耐熱、耐湿)試験後の誘電率も低く保たれており、絶縁膜材料として有用であることがわかった。
【0075】
【発明の効果】
本発明によれば、半導体素子などにおける層間絶縁膜として適当で均一な厚さ及び均一な多孔質構造を有する塗膜が形成可能であり、かつ、耐熱性に優れ、クラックが生じ難く、更に誘電率特性に優れた塗膜を形成可能な膜形成用組成物及びその製造方法、並びに、本発明の膜形成用組成物を用い、均一な多孔質構造を有する膜を形成することが可能な膜形成方法を提供することができる。
Claims (10)
- (A)熱分解性のオリゴマー若しくは熱分解性のポリマーを結合した炭化水素含有熱硬化性前駆体と、(B)有機溶剤と、を少なくとも含むことを特徴とする膜形成用組成物。
- 前記炭化水素含有熱硬化性前駆体が、2種以上の化合物を反応させることによって得られ、かつ、前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーが前記2種以上の化合物のいずれかに結合していることを特徴とする請求項1に記載の膜形成用組成物。
- 前記炭化水素含有熱硬化性前駆体が、少なくとも(a)2つ以上のジエン基を含む多官能性化合物と(b)2つ以上のジエノフィル基を含む多官能性化合物との反応生成物であって、かつ前記(a)2つ以上のジエン基を含む多官能性化合物及び/又は(b)2つ以上のジエノフィル基を含む多官能性化合物に、前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーが結合していることを特徴とする請求項1又は2に記載の膜形成用組成物。
- 前記炭化水素含有熱硬化性前駆体が、少なくとも下記一般式(I)で表される化合物と下記一般式(II)で表される化合物との反応生成物であり、かつ、下記一般式(I)及び下記一般式(II)における、R,X,Y,及びZの少なくとも1つに、前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーが置換されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の膜形成用組成物。
- 前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーの熱分解温度が、前記炭化水素含有熱硬化性前駆体の硬化温度よりも高いことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の膜形成用組成物。
- (A)熱分解性のオリゴマー若しくは熱分解性のポリマーを結合した炭化水素含有熱硬化性前駆体と、(B)有機溶剤と、を少なくとも含む膜形成用組成物の製造方法であって、前記炭化水素含有熱硬化性前駆体が、2種以上の化合物を反応させることによって得られ、かつ、前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーが前記2種以上の化合物のいずれかに結合していることを特徴とする膜形成用組成物の製造方法。
- 前記炭化水素含有熱硬化性前駆体が、少なくとも(a)2つ以上のジエン基を含む多官能性化合物と(b)2つ以上のジエノフィル基を含む多官能性化合物との反応生成物であって、かつ前記(a)2つ以上のジエン基を含む多官能性化合物及び/又は前記(b)2つ以上のジエノフィル基を含む多官能性化合物に、前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーが結合していることを特徴とする請求項6に記載の膜形成用組成物の製造方法。
- 前記炭化水素含有熱硬化性前駆体が、少なくとも下記一般式(I)で表される化合物と下記一般式(II)で表される化合物との反応生成物であり、かつ、下記一般式(I)及び下記一般式(II)における、R,X,Y,及びZの少なくとも1つに、前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーが置換されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の膜形成用組成物の製造方法。
- (A)熱分解性のオリゴマー若しくは熱分解性のポリマーを結合した炭化水素含有熱硬化性前駆体と、(B)有機溶剤と、を少なくとも含む膜形成用組成物を、基板上に塗布して塗膜を形成する塗膜形成工程と、前記塗膜を加熱して硬化させる硬化工程と、前記硬化した塗膜を前記硬化工程よりも高い温度で加熱する熱分解工程と、を含むことを特徴とする膜形成方法。
- 前記熱分解性のオリゴマー若しくは前記熱分解性のポリマーの熱分解温度が、前記炭化水素含有熱硬化性前駆体の硬化温度よりも高いことを特徴とする請求項9に記載の膜形成方法。
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