JP2004292179A - 大型KNbO3単結晶の製造方法 - Google Patents

大型KNbO3単結晶の製造方法 Download PDF

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Kazuhiro Yamada
一博 山田
Hiroyuki Kamio
浩行 神尾
Masao Uchida
雅夫 内田
Junji Hirohashi
淳二 廣橋
Shigeharu Fujii
重治 藤井
Shiro Shichijo
司朗 七条
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Abstract

【課題】本発明では、工業的に有用な大型結晶の育成に際し、主に、第1、第2の転移で亀裂が発生しないような冷却条件を提供し、収率を向上させることを課題とする。
【解決手段】KNbO単結晶を製造する方法において、結晶成長に引き続き室温へ冷却する過程で、クラックの無い大型KN単結晶を作成するために、KNbO 単結晶の育成方法において、降温過程での育成中の単結晶の高さ方向の温度勾配がキューリー点以上で2.5℃/cm〜10℃/cmとなるように制御し、キューリー点未満でで2.5℃/cm以下となるように制御することを特徴とするKNbO単結晶の製造方法である。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
光通信や情報処理に用いられる光学結晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
KNbO単結晶は、比線形光学定数を始めとして、圧電定数や電気光学定数が大きく近年、デバイス応用が注目されつつあり、大型な結晶が望まれている。従来は、Journal of Crystal Growth 78(1986)413:Wu XING 他などで明らかにされているように、約100g未満の小型な結晶が育成され、その性質が研究されているに留まっていた。
【0003】
KNbO単結晶の性質として、融点は約1060℃であり、結晶は主に、KO過剰な溶液からTSSG法により育成されるのが一般的である。結晶は育成されてから、室温にまで冷却される間に、約420℃で立方晶から正方晶へ第1の転移、約200℃で、正方晶から斜方晶へ第2の転移を起こすことが知られている。第1の転移は、常誘電体から強誘電体への転移であり、キューリー点でもある。
【0004】
KNbO結晶を育成し、冷却する過程で、上記第1の転移、第2の転移をへることにより、結晶はマルチドメイン状態になることが知られている。このマルチドメイン状態は、後に、ポーリング処理を行なうことにより、実用上有益なシングルドメイン状態にできる。しかし、結晶に亀裂が発生していると、有効にポーリング処理が行なわれないばかりか光学用途では散乱体となり、したがって、有効に利用できる結晶の収率が著しく損なわれ好ましくない。
【0005】
結晶に亀裂が入らないような製造条件について、例えばJournal of Crystal Growth 78(1986)413:Wu XING 他において、育成炉の構造ならびに冷却時の条件が開示されている。結晶の大きさは約15×22×40mmで重量は約60gである。特に、冷却時の条件に関しては、軸方向の温度勾配を最小にして、480℃まで20℃/hで冷却し、それから室温まで3〜5℃/hで冷却した場合は亀裂が入り好ましくなく、軸方向温度勾配を20±10℃/cmにして480℃まで30℃/hで冷却し、それ以降室温まで5℃/hで冷却した場合、亀裂発生がすくなく、良好な結晶が得られると報告している。
【0006】
工業的に、KNbO単結晶を利用する場合は、収率よく結晶を育成することに加え、生産性も考慮すると大型の結晶を育成することが好ましい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、工業的に有用な大型結晶の育成に際し、主に、降温時で亀裂が発生しないような冷却条件を提供し、収率を向上させることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明はKNbO 単結晶の育成方法において、降温過程での育成中の単結晶の高さ方向の温度勾配がキューリー点以上で2.5℃/cm〜10℃/cmとなるように制御し、キューリー点未満で2.5℃/cm以下となるように制御することを特徴とするKNbO単結晶の製造方法である。
【0009】
本発明に用いる育成炉が独立して温度制御できるヒータを少なくとも3段有し、育成炉内の下部より雰囲気ガスを導入し、ドーナツ型のリフレクターが育成中の単結晶の上部に設けられていることが好ましい。
【0010】
また育成するKNbO単結晶の重量が100g以上あることが、本発明の効果が顕著に現れ好ましい。
【0011】
本発明によると降温過程で亀裂のはいりやすいキュリー点近傍での温度制御により亀裂のない大型結晶が得られる。また温度勾配は結晶の上下方向とは関係しない。上下どちらが高くても低くてもよい。そのなかで上部を低くする方が制御しやすく好ましい。
【0012】
本発明者らは、大型の結晶を作成に際して降温時にキュリー点を通過する時の制御が亀裂防止に重要であることを見出した。すなわち本発明者らは冷却時480℃以下の温度条件につき、上記、先行技術を含む温度勾配、冷却速度にてテストを繰り返した。そして、特徴的な温度勾配条件について、育成結晶に似たガラス物体(ダミー結晶)を炉内に挿入し、このダミー結晶の各部分の温度とダミー結晶上方の温度を測定して、数種類の炉内構造およびヒータ温度設定により、冷却時の温度条件を測定した。図1にダミー結晶5およびシード4と温度測定位置との関係を示す。結晶上部20mmの位置に温度センサー1、結晶のシード側すなわち結晶上表面に温度センサー2、ダミー結晶底表面に温度センサー3をそれぞれ設置した。そしてこの温度測定で各部位での温度と育成炉のヒータなどの条件との関係を求めた。そして次に実際に各種条件で結晶を育成して冷却中に単結晶に亀裂が入る条件を克明に調べ亀裂の有無と条件に特徴的な範囲を見出して、本発明に至った。
【0013】
【発明の実施の形態】
用いた育成炉は図2に示すように、炉心管11の周囲に3つのヒータ13を備え、るつぼ14が設置されている。前述のように、育成された結晶が冷却される位置にダミー結晶を設置し、第1ヒータ、第2ヒータ、第3ヒータの温度設定を変えて、ダミー結晶の表面に設置した熱電対により各所の温度を測定した。雰囲気の温度ゆらぎ測定は、ダミー結晶から20mm上の位置に熱電対を設置して測定した。表1には測定した1例を示す。この例で示されるように、温度設定により結晶の温度分布が変えられることが明らかである。
【0014】
この測定結果を利用して、次に実際にKNbO単結晶を育成して冷却中に亀裂が発生しない条件を鋭意検討した。表2 に検討結果を示す。
【0015】
軸方向温度勾配が小さい場合には室温まで冷却した結晶に亀裂が多数入っていた(No.1〜No.6)。しかし、温度勾配をつけたまま室温にまで冷却した場合においても、亀裂は依然発生してしまった(No.9)。従って、100g以上の大型結晶の場合は従来の方法では不充分であり、本発明のように、転移が終了したら速やかに温度勾配をできるだけ小さくすることが必要である。
【0016】
キュリー点以上、キュリー点以下の温度勾配の制御は3つのヒータの温度設定で行える。
【0017】
育成炉が独立して温度制御できるヒータを少なくとも3段有し、炉内の下部より、雰囲気ガスを導入し、ドーナツ型のリフレクター12を育成中の単結晶の上部に設けることにより、温度制御は行いやすくなる。
【0018】
(実施例1)
図2の100φるつぼ14に原料として、炭酸カリウムと五酸化ニオブを混合したものを1.8kg投入し、3段の抵抗過熱ヒーター13を有する育成炉を使用して結晶を育成した。結晶サイズが50×50×25mm程度に成長した段階で、結晶をメルトから切り離し、冷却を開始した。第1の転移が開始する前の約450℃段階で結晶での温度勾配が2.7℃/cmになるように、3段のヒータ温度を設定した。3段のヒータは上から第1、第2、第3とし、具体的には第1ヒータから、430℃/420℃/420℃とした。この時、結晶上部の温度ゆらぎは標準偏差σで約4℃であった。
【0019】
第1の転移が開始して、ドメインバンダリが移動しなくなる温度になった時点で、結晶の温度勾配は1℃/cmになるように設定した。具体的には、400℃/345℃/345℃と第1ヒータにプラスバイアスの設定とした。このまま、全体の設定を低くして第2の転移を通過させ、室温まで冷却した。できた結晶は、ドメインバンダリが数カ所はいっているが、亀裂なく、透明であった。これを表2のNo7に示す。
【0020】
(実施例2)
発明の実施形態1と同様にして結晶を育成した。第1の転移が開始する前の約450℃段階で結晶での温度勾配が3.2℃/cmになるように、3段のヒータ温度を設定した。具体的には第1ヒータから、420℃/430℃/430℃とした。この時、結晶上部の温度ゆらぎは標準偏差σで約4℃であった。
【0021】
第1の転移が開始して、ドメインバンダリが移動しなくなる温度になった時点で、結晶の温度勾配は1.6℃/cmになるように設定した。具体的には、400℃/360℃/360℃と第1ヒータにプラスバイアスの設定とした。これを表2のNo10に示す。
同様に温度勾配を変えて表のNo7とNo8の結果を得た。
【0022】
(比較例1)
発明の実施形態1と同様にして結晶を育成した。第1の転移開始まえに、結晶の温度勾配が0℃/cmになるように、3段のヒータ温度を設定した。具体的には、第1ヒータから、470℃/380℃/380℃とした。この時、結晶上部の温度ゆらぎは標準偏差σで約4℃であった。このまま、全体の設定を低くして第1、第2の転移を通過させ室温まで冷却した。できた結晶は、全体に白濁し細かい亀裂が全面にはいっていて、使用が不可能であった。これを表2のNo1に示す。
【0023】
同様に温度勾配を変えてNo2からNo6までの結果を得た。
【0024】
【表1】
Figure 2004292179
【0025】
【表2】
Figure 2004292179
【0026】
【発明の効果】
本発明により亀裂のない結晶から、ポーリング処理により、シングルドメイン状態の結晶を収率良く得られるようになり、工業的には効果甚大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】温度測定時の温度センサーとダミー結晶の位置関係を示す図である。
【図2】本発明に用いた育成炉の断面を示す図である。
【符号の説明】
1、2、3:温度センサー、 4: シード、 5: ダミー結晶
11: 炉心管、 12:リフレクタ、
13 :ヒータ、 14:るつぼ

Claims (3)

  1. KNbO 単結晶の育成方法において、降温過程での育成中の単結晶の高さ方向の温度勾配がキューリー点以上で2.5℃/cm〜10℃/cmとなるように制御し、キューリー点未満でで2.5℃/cm以下となるように制御することを特徴とするKNbO単結晶の製造方法。
  2. 育成に用いる育成炉が、独立して温度制御できるヒータを少なくとも3段有し、育成炉内の下部より雰囲気ガスを導入し、ドーナツ型のリフレクターが育成中の単結晶の上部に設けられている請求項1に記載のKNbO単結晶の製造方法。
  3. 育成するKNbO単結晶の質量が100g以上ある請求項1または2に記載のKNbO単結晶の製造方法。
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