JP2004292022A - レベルワウンドコイルの梱包体及びそれからの管供給方法 - Google Patents
レベルワウンドコイルの梱包体及びそれからの管供給方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004292022A JP2004292022A JP2003087978A JP2003087978A JP2004292022A JP 2004292022 A JP2004292022 A JP 2004292022A JP 2003087978 A JP2003087978 A JP 2003087978A JP 2003087978 A JP2003087978 A JP 2003087978A JP 2004292022 A JP2004292022 A JP 2004292022A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coil
- layer
- wound
- level
- winding
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Packages (AREA)
- Winding Filamentary Materials (AREA)
- Unwinding Of Filamentary Materials (AREA)
- Packaging Of Machine Parts And Wound Products (AREA)
- Basic Packing Technique (AREA)
- Buffer Packaging (AREA)
Abstract
【解決手段】LWCの梱包体において、パレット11上に、LWC20を3段縦積みにする。各LWC20においては、銅管1を整列巻きして1層目コイルを形成し、その後、この1層目コイルの上に2層目コイルを前記1層目コイルの外面の銅管間の凹部に嵌め込んで整列巻きし、以後同様にして、合計で奇数層のコイルを巻回する。奇数層目のコイルの巻き数をnとすると、偶数層目のコイルの巻き数は(n−1)であり、奇数層目のコイルの巻き方向と偶数層目のコイルの巻き方向とが相互に逆であり、最外層のコイルの巻き数がnである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアコン等の空調冷凍機の伝熱管、及び建築物用の給湯・給水配管等に使用される銅又は銅合金管等のレベルワウンドコイルの梱包体、及びこのレベルワウンドコイル梱包体からの管供給方法に関し、特に、ETS(Eye To the Sky)方式によりコイルの巻き解くレベルワウンドコイルの梱包体及びそれからの管供給方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
銅又は銅合金管(以下、単に銅管というときは、銅合金管も含む)はエアコン等の空調機器用の伝熱管(内面溝付管及び平滑管等)、及び建築用の給湯配管及び給水配管等に使用されている。この銅管は、製造工程において、例えば、コイル状に巻き取られてから焼鈍が行われて所定の材質に調質され、LWC(レベルワウンドコイル:Level Wound Coil)の状態で保管され、また搬送される。
【0003】
図10は、従来のレベルワウンドコイルの巻回方法を示す断面図であり、図11は、このLWCの巻き取り及び巻き解きを行う縦型アンコイラーを示す斜視図であり、図12は、このLWCの巻き取り及び巻き解きを行う横型アンコイラーを示す斜視図である。図11に示す縦型アンコイラー(回転装置)103は回転軸が水平方向に延びており、図12に示す横型アンコイラー(回転装置)104は回転軸が垂直方向に延びている。但し、図10においては、図示の簡略化のために、管101の断面を円で示す。図10乃至図12に示すように、取り外し可能な内筒102a及び側板102bで構成されるボビン102を、その軸方向を水平又は垂直にして、回転装置(アンコイラー)103又は104に取り付け、この回転装置103,104により、ボビン102を回転方向(巻き取り)の矢印で示す方向に回転駆動する。これにより、銅管101がボビン102に巻き取られる。
【0004】
この場合、図10に示すように、銅管101はボビン102の内筒102aの外周面に、先ず、図示の左端の位置を始端111として、図示の右方向に整列巻きする。この整列巻きとは、銅管101の1ターンと隣接する1ターンとが相互に接触するように、即ち隙間が出ないように密に銅管101を巻回していくことをいう。次いで、右端まで銅管101がきて1層目の巻回が終了した後、今度は、右端から左端に向けて2層目を巻回する。従来、2層目の巻回始端となる銅管部分112は1層目の終端となる銅管部分と側板102bとの間の隙間上に位置し、順次、左方に向けて、1層目のコイルにおける隣接する銅管部分間に形成される凹部に嵌まるようにして2層目の銅管部分が巻回されていく。その後、3層目のコイルは2層目のコイルの上に積層される。このようにして、銅管101を管軸方向に巻回していき、円筒状の1層のコイルを形成した後、その上の2層目の円筒状のコイルを銅管101を管軸方向(反対方向)に巻回していくことにより形成するというような巻き方をトラバース巻きという。従来、トラバース巻きされる各層のコイルの巻き数は、各層で同一であった。このように銅管101を巻回することにより、銅管101の長さに比して体積が小さいコイル110を製作することができ、銅管101の保管及び輸送に必要なスペースの低減が可能となる。このLWC110の質量は1コイル当たり100乃至500kgである。このようにして作製されたLWCは、ボビン102が取り外され、更にコイルの内周面から外周面に銅バンド等で解き止めの処理を施された後、例えばローラーハース型の連続焼鈍炉により所定の調質が施されるように焼鈍される。
【0005】
このように焼鈍されたLWC110を輸送する際には、例えば、再度ボビン102を装着し、又はLWC110のみの状態で、パレット上にLWC110をそのコイル軸を垂直にして載置する。この場合に、1コイルのみをパレット上に載置する場合と、コイル間に緩衝材を介装して複数のコイルを積み上げて載置する場合がある。更に、運搬時の衝撃で荷崩れ又は当たり疵が付かないように、外面を段ボール等で覆うと共に、パレットの4隅又はパレット各辺の中央部に固定のための支柱を立て、コイルを支柱に固定した状態でエアコン組立工場等の銅管使用先に輸送する(例えば、特許文献1乃至4参照)。図13(a)はこの輸送時のLWC110の一例を示す図であり、(b)は使用先におけるLWC110の一例を示す図である。輸送時においては、LWC110は例えばボビン102を取り外されており、巻回状態が崩れないように銅バンド106で固定されていると共に、コイル110間に緩衝材として段ボール製のライナー105が介装されている。
【0006】
このようにして、使用先まで輸送されたLWCの梱包を解き、図11及び図12に示すように、LWC110を回転装置103,104の回転軸に装着する。即ち、このLWC110の梱包を解いた後、図13(b)に示すように、1コイルずつ、LWC110の中心に内筒102aを挿入し、内筒102aに側板102bをねじ等により固定してボビン102を組立て、ボビン102に巻回された状態でLWC110を回転装置103,104に装着する。そして、これらの回転装置103,104の回転軸を回転方向(巻き解き)の矢印にて示す方向に回転駆動し、図10に示すコイル巻回時の終端113の銅管部分を握持して引き出すことにより、コイル110はその外周側から巻き解かれる。
【0007】
このような従来のLWCの巻き取り、輸送及び保管、巻き解き技術においては、以下に示すような問題点がある。即ち、輸送及び保管時において、コイルの中央部付近に巻かれている銅管の外面が変色することがある。即ち、このような変色は、コイルの外観には認められないが、コイルをアンコイル(巻き解き)していくと、変色部分が現れてくる。この変色は酸化膜の形成により発生し、あんこ変色といわれる。銅管101にこのような変色が発生していると、銅管101をろう付けする際の信頼性が低下する虞があると共に、外観上も好ましくないため、使用することができず、廃棄される。このため、変色の発生により、歩留が低下し、生産性が低下する。
【0008】
また、コイル110を回転装置103,104に装着する作業が必要である。この場合、LWC110の質量が大きいため、安全性の確保及びコイル110の変形防止のために十分な注意を払う必要があり、作業能率が低下する原因となる。
【0009】
更に、図11に示す回転装置103を使用して、コイル110をそのコイル軸を水平にして巻き解く際、銅管101の引抜力が大きいと、コイル110を巻き締める状態となる。この巻き締めにより、側板102bに隣接する銅管部分は側板102bと銅管101との隙間に入り込んでしまい、抜け難くなり、この部分が変形してしまうことがしばしば発生し、これが歩留り及び生産性を低下させる要因になっている。また、図11に示す回転装置103においては、コイルを水平の回転軸により片持ち張りの状態で支持すると共に、この回転軸を回転駆動して銅管を送り出す必要があり、構造上複雑であり、装置コストが高いものとなる。
【0010】
更にまた、図12に示す回転装置4を使用して、コイル110をそのコイル軸を垂直にしてコイル外面側から巻き解く際、この場合も銅管101に作用する張力により、コイルに対してコイルが巻き締まる方向の力が作用する。このため、銅管101が相互に擦れて擦り疵又は変形が発生し、これが歩留及び生産性を低下させる要因になる。
【0011】
また、図12に示すように、LWC110をそのコイル軸を垂直にしてアンコイルする場合は、LWC110を載置するためのターンテーブル107が必要になる。このため、図12に示す回転装置104も、装置コストが高いという難点がある。
【0012】
このように、従来、LWC110をアンコイルするために、装置導入のために多大の投資が必要となる。特に、巻き解く管の張力を一定に制御しようとすると、ターンテーブル107を含む回転装置104において、そのターンテーブル107の回転速度を複雑に制御する必要があり、装置コストが極めて高くなる。
【0013】
このような問題を解決するために、ETS(Eye To the Sky)といわれるコイルの巻き解き方法が提案されている。図14はETS方式によるアンコイル方法を示す斜視図である。
【0014】
この方法は、図14に示すように、輸送中にボビンが装着されていた場合は、そのボビンの内筒及び側板を取り外し、またボビンが装着されていない場合はそのまま、LWC110を台114上に載置する。この場合に、LWC110はそのコイル軸を垂直にし、且つ図10に示すようにコイル内面側に存在するコイル巻回時の始端111が上側になるようにして配置される。そして、このコイル巻回時の銅管始端111を引き上げ、台114の上方に設置された湾曲した筒状のガイド115に銅管101を挿入してその進路を変更し、銅管101の使用先に供給する。このように、コイル110が回転することなく、銅管101がコイル110から引き出され、コイル110がその内面側から巻き解かれる。また、コイル110から引き出された直後の銅管101は螺旋状にループを形成しているが、ガイド115を通過して引き出されていく間に、徐々にその巻き癖が解消されていく。なお、0.2%耐力が60〜70N/mm2程度の軟質のりん脱酸銅管をETSによりアンコイルすると、銅管に塑性加工が加わるため0.2%耐力が80〜105N/mm2程度に上昇する。
【0015】
このように、ETSによりアンコイルされる場合は、アンコイル時の内筒及び側板の除去の手間を不要とするために、LWCは通常ボビンなしの状態でパレット上に複数個載置されて輸送され、使用場所において梱包が解かれ、パレットに載せた状態のまま、上段のLWCより順にアンコイルされる。
【0016】
ETSにおいては、側板及び内筒が不要であることから、輸送コストが低減されると共に、梱包及び開梱作業の能率が大幅に向上する。また、アンコイル時には、コイルを回転させる必要がなく、コイル内面側から引出された銅管は螺旋状に上昇して所定の銅管加工場所まで導かれる。このため、縦型アンコイラー又はターンテーブル等の特別な設備が不要となる。また、銅管の使用先においては、LWC受入後、使用場所に運搬して解梱するだけで多段積の状態でも上側のLWCより順にアンコイルできるため、前述の作業能率の問題が大幅に軽減される。
【0017】
また、コイルが内面側から巻き解かれるので、引き出される銅管に作用している張力は、コイルを開放する方向に作用する。即ち、銅管101の張力によりコイルを締め付ける方向に力が作用することがないから、縦型アンコイルにおける管の変形又は横型アンコイルにおける管の擦り疵又は変形が防止され、管の歩留りが大幅に向上すると考えられている。
【0018】
【特許文献1】
実開平4−91891号公報 (第2頁、図1−3)
【特許文献2】
実開平4−19556号公報 (第3頁、図1)
【特許文献3】
実開平2−124859号公報 (第4頁、図1−4)
【特許文献4】
実開平7−21590号公報 (第4−5頁、図1−3)
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の技術には、以下に示すような問題点がある。LWCをETS方式によりアンコイルする場合、ある層においては最上段の銅管から下段に向かって順次巻き解かれ、次の層においては最下段の銅管から上段に向かって順次巻き解かれる。即ち、最上段の銅管から巻き解かれる層と、最下段の銅管から巻き解かれる層とが交互に配置される。このため、1層毎に、最初に巻き解かれるのは最下段の銅管になる。この位置の銅管には上部の銅管による押圧力が作用しており、巻き解くためにはこの押圧力に打ち勝って銅管を引き出してやることが必要になる。そのため、押圧力が大きい場合、管の耐力が小さい場合、又は管に焼きつきが発生している場合等には巻き解きの張力により管の折れ、変形、窪み及び擦り疵等が発生してしまうことがあり、これらが歩留まり向上の障害となっている。また、コイルの巻回が崩れないように止めていた銅バンド106(図13(a)参照)等を外してからアンコイルする必要があり、コイルの巻き終わり端側において銅管がばらけてしまい、これによりアンコイル中の銅管が絡んで疵付き並びに折れ、曲がり及び窪み等の変形が発生し、歩留まり低下の要因となりやすい。
【0020】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、ETSでアンコイルしても管の疵付き並びに折れ、曲がり及び窪み等の変形が発生せず、コイルの荷崩れ及び変色が発生しないレベルワウンドコイルの梱包体及びレベルワウンドコイル梱包体からの管供給方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本願第1発明に係るレベルワウンドコイルの梱包体は、パレットと、このパレット上にそのコイル軸方向が垂直になり且つ巻き始め部位が上側になるようにして1段又は多段に積載されたレベルワウンドコイルと、この1段又は多段のレベルワウンドコイルの全体を包む袋と、この袋の側部に緊張巻きされた帯状の樹脂フィルムと、を有し、前記レベルワウンドコイルは、管を整列巻きして1層目コイルを形成し、その後、この1層目コイルの上に2層目コイルを前記1層目コイルの外面の管間の凹部に嵌め込んで整列巻きし、以後同様にして、2層目コイルの上に3層目コイル、3層目コイルの上に4層目コイルを整列巻きした奇数層のコイルからなるレベルワウンドコイルであって、奇数層目のコイルの巻き数をnとすると、偶数層目のコイルの巻き数は(n−1)であり、奇数層目のコイルの巻き方向と偶数層目のコイルの巻き方向とが相互に逆であり、最外層の巻き数がnであることを特徴とする。
【0022】
本発明においては、レベルワウンドコイルの奇数層目のコイルの巻き数をnとし、偶数層目のコイルの巻き数を(n−1)とし、且つ、1層目(最内層)における巻き始め部位が上側になるようにレベルワウンドコイルを載置することにより、この梱包体におけるレベルワウンドコイルを巻き解くときに、奇数層目のコイルにおいては、上から下に向かって巻き解き、偶数層目のコイルにおいては、下から上に向かって巻き解くことになる。このとき、偶数層目のコイルにおいては、最下段の管の下方に隙間が形成されるため、この最下段の管を引き出すときにそれより上段の管の重みにより拘束されることがなく、円滑に引き出すことができる。また、レベルワウンドコイルを奇数層のコイルにより形成することにより、この梱包体におけるレベルワウンドコイルを巻き解くときに、最外層のコイルを上から下に向かって巻き解くことができる。これにより、管を上方に向かって引き出したときに、この引き出した管と一緒に複数巻き分の管が引き出されて相互に絡み合うことを防止できる。また、最外層のコイルの巻き数をnとすることにより、この最外層のコイルにより、最外層よりも1つ内側の層のコイルが上方及びコイル外側に移動することを拘束することができる。これにより、最外層よりも1つ内側の層のコイルを正常に巻き解くことができる。
【0023】
図10に示す従来のLWC110において、図14に示すように、ETSによりLWC110から管101を引き出そうとすると、前述の如く、周期的に管の折れ、変形、窪み又は擦り疵が発生してしまう。本願発明者等がこの原因を調査したところ、以下の知見を得た。即ち、図10に示すLWC110を、図14に示すようにそのコイル軸を垂直にして配置すると、アンコイル(巻き解き)時において、奇数層のコイルにおける最下段の銅管部分がコイル内面から離脱した後、偶数層のコイルにおける最下段の銅管部分がコイル内面から離脱することになるが、この偶数層のコイルにおける最下段の銅管部分は、この層におけるその上方の銅管部分とコイルの下に設置されている緩衝材(図示せず)との間で挟まれており、上方の銅管部分から緩衝材に向けて押圧されている。このため、引き出しが、この偶数列の最下段に移った時に、銅管101の引き出しに大きな抵抗力が作用し、詰まってしまうような現象となり、銅管101を引き出すために大きな力が必要になり、無理に引き出そうとすると、変形が発生してしまう。
【0024】
これに対して、本願第1発明においては、コイル軸方向を垂直にし、巻き始め部位を上方にしてLWC(レベルワウンドコイル)をパレット上に載置した場合に、2層目のコイルは、1層目のコイルの最後の部分が引き上げられた後、その下側の部位から順次引き上げられていく。この場合に、2層目のコイルの最下段の管部分は、コイル間に設置される緩衝材又はパレットに接触していない。このため、この2層目のコイルの最下段の管部分(最初に引き出される部分)は、その上の管部分と緩衝材又はパレットとの間で拘束されていないため、この2層目のコイルの始端は、円滑に引き出され、コイル内面から離脱する。
【0025】
このように、本発明においては、奇数層のコイルにおける最下段の管部分が引き出されてコイル内面から離脱した後、偶数層のコイルにおける最下段の管部分が引き出されようとするとき、この偶数層のコイルの最下段の管部分は、ボビンの側板には接触しておらず、その上の管部分とパレットとの間で拘束されていないため、この最下段の管部分は円滑に引き出され、コイル内面から離脱する。このため、管の折れ、変形、窪み及び擦り疵が発生しない。
【0026】
本願第2発明に係るレベルワウンドコイルの梱包体は、パレットと、このパレット上にそのコイル軸方向が垂直になり且つ巻き始め部位が下側になるようにして1段又は多段に積載されたレベルワウンドコイルと、この1段又は多段のレベルワウンドコイルの全体を包む袋と、この袋の側部に緊張巻きされた帯状の樹脂フィルムと、を有し、前記レベルワウンドコイルは、管を整列巻きして1層目コイルを形成し、その後、この1層目コイルの上に2層目コイルを前記1層目コイルの外面の管間の凹部とその両隣に配置して整列巻きし、以後同様にして、2層目コイルの上に3層目コイル、3層目コイルの上に4層目コイルを整列巻きした偶数層のコイルからなるレベルワウンドコイルであって、奇数層目のコイルの巻き数をnとすると、偶数層目のコイルの巻き数は(n+1)であり、奇数層目のコイルの巻き方向と偶数層目のコイルの巻き方向とが相互に逆であり、最外層の巻き数が(n+1)であることを特徴とする。
【0027】
本願第2発明においては、コイル軸方向を垂直にし、巻き始め部位を下方にしてLWCをパレット上に載置した場合に、2層目のコイルはその最下段の管部分がパレットに接触してその上段の管部分とパレットとの間で拘束されているが、管を引き出す際に、1層目のコイルの巻き始め部位(下方に配置されている)の管端を上方に引き出したとき、1層目のコイルの最後の引き出し部分は最上段の管部分であり、従って2層目のコイルは最上段の管部分から引き出されることとなる。そして、第2周目で最後に最下段の管が引き出されるときには、その上には管が存在しない。このため、2層目のコイルも円滑に引き出される。3層目のコイルは、その引き出し始端が最下段の管部分であるが、その最下段の管部分は、パレットとの間に間隙があるので、3層目のコイルも円滑に引き出される。このため、管の折れ、変形、窪み及び擦り疵が発生しない。
【0028】
本願第3発明に係るレベルワウンドコイルの梱包体は、パレットと、このパレット上にそのコイル軸方向が垂直になり且つ巻き始め部位が上側又は下側になるようにして1段又は多段に積載されたレベルワウンドコイルと、この1段又は多段のレベルワウンドコイルの全体を包む袋と、この袋の側部に緊張巻きされた帯状の樹脂フィルムと、を有し、前記レベルワウンドコイルは、管を整列巻きして1層目コイルを形成し、その後、この1層目コイルの上に2層目コイルをその巻始端が前記1層目コイルの最終巻及びその直前巻の管間の凹部に嵌め込まれるようにして前記1層目コイルの外面の管間の凹部とその外側に配置して整列巻きし、以後同様にして、2層目コイルの上に3層目コイル、3層目コイルの上に4層目コイルを整列巻きした複数層のコイルからなるレベルワウンドコイルであって、奇数層目のコイルの巻き数をnとすると、偶数層目のコイルの巻き数はnであり、奇数層目のコイルの巻き方向と偶数層目のコイルの巻き方向とが相互に逆であり、巻き始め部位が上側になるように載置されるときはその巻き層の数が奇数であり、又は巻き始め部位が下側になるように載置されるときはその巻き層の数が偶数であり、且つ最外層の巻き数がnであることを特徴とする。
【0029】
本願第3発明においては、巻き始め端が下方になるようにしてパレット上にLWCを載置してもよい。この場合に、奇数列及び偶数列のコイルの最下段の管部分については、第2発明と全く同一の配列となり、第2発明と同様にして管を引き出すことができる。
【0030】
なお、本願第1乃至第3発明において、LWCがETS方式により巻き解かれる場合、偶数層又は奇数層の最下段の管は、上部の管による押圧力又は下部のスペーサー若しくは緩衝材との摩擦力が存在していても離脱できるが、上部の管による押圧力又は下部のスペーサー若しくは緩衝材との摩擦力は小さいほうが望ましい。即ち、各LWCの偶数層と奇数層を合わせた巻き層mの内、LWCの過重を支えるのはm/2であるが、管の材質が銅である場合、各LWCにおいてその質量をm/2で割った値が22以下であることが望ましく、18以下であることが更に望ましい。
【0031】
また、本願第1乃至第3発明においては、このLWCを梱包する際に、パレット上の1段又は多段のレベルワウンドコイルの全体が袋で包まれ、更にその外側を帯状の樹脂フィルムにより緊張巻きされるので、保管及び運搬中に、湿気がコイルの内部に侵入することが抑制され、コイル内部の酸化による変色が防止される。
【0032】
また、前記管は、銅又は銅合金管であってもよい。これにより、この管により伝熱管を作製する場合、熱伝導率が優れた伝熱管を得ることができる。
【0033】
更に、前記パレットと1又は複数個の前記レベルワウンドコイルとの相互間に、緩衝材が介装されていることが好ましい。これにより、前記梱包体の運送中等においてレベルワウンドコイルが損傷することを確実に防止できる。更にまた、最上段の前記レベルワウンドコイルの上面が緩衝材で覆われていることが好ましい。
【0034】
更にまた、前記レベルワウンドコイルと前記パレットとは前記帯状の樹脂フィルムの上から固定部材により相互に固定されていてもよい。
【0035】
更にまた、前記袋が樹脂により形成されていることが好ましい。これにより、レベルワウンドコイルが湿気に曝されることをより確実に防止でき、レベルワウンドコイルが変色することをより確実に防止できる。
【0036】
本願第4発明に係るレベルワウンドコイルの梱包体からの管供給方法は、本願第1発明に係るレベルワウンドコイルの梱包体を、コイル軸方向を垂直にし前記管の巻き始め部位を上側にして載置し、前記緊張巻きされた樹脂製フィルム及び前記袋における前記レベルワウンドコイルの側面を覆う部分を残したまま、前記袋における最上段の前記レベルワウンドコイルの上面を覆う部分の少なくとも一部を除去する工程と、前記巻き始め部位の管端を上方に引き上げて管を引き出す工程と、を有することを特徴とする。
【0037】
本願第5発明に係るレベルワウンドコイルの梱包体からの管供給方法は、本願第2発明に係るレベルワウンドコイルの梱包体を、コイル軸方向を垂直にし前記管の巻き始め部位を下側にして載置し、前記緊張巻きされた樹脂フィルム及び前記袋における前記レベルワウンドコイルの側面を覆う部分を残したまま、前記袋における最上段の前記レベルワウンドコイルの上面を覆う部分の少なくとも一部を除去する工程と、前記巻き始め部位の管端を上方に引き上げて管を引き出す工程と、を有することを特徴とする。
【0038】
本願第6発明に係るレベルワウンドコイルの梱包体からの管供給方法は、本願第3発明に係るレベルワウンドコイルの梱包体を、コイル軸方向を垂直にし前記管の巻き始め部位を上側又は下側にして載置し、前記緊張巻きされた樹脂フィルム及び前記袋における前記レベルワウンドコイルの側面を覆う部分を残したまま、前記袋における最上段の前記レベルワウンドコイルの上面を覆う部分の少なくとも一部を除去する工程と、前記巻き始め部位の管端を上方に引き上げて管を引き出す工程と、を有することを特徴とする。
【0039】
本願第4発明乃至第6発明においては、レベルワウンドコイルをコイル軸方向を垂直にし、前記管の巻き始め部位を上側又は下側にして載置し、前記巻き始め部位の管端を上方に引き上げて管を引き出すだけで、極めて容易に管を引き出すことができ、大がかりな装置が不要であり、設備コストを著しく低減することができる。また、コイルの最外周部の樹脂フィルムによる緊張巻きを保った状態で巻き解きが行われるため、コイルの巻回が崩れないように止めていた銅バンド(図13の106)を外しても、コイルの外周部の銅管は樹脂フィルムにより拘束力を受けていることから、巻き終わり端側(外周側)において銅管がばらけが発生することがなく、この点からも管の絡みによる疵付き並びに折れ、曲がり及び窪み等の変形を防止することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るレベルワウンドコイルの梱包体を構成するレベルワウンドコイル(LWC)20の巻き取り方法を示す断面図であり、図2はこのLWCの上半部を示す模式図であり、図3はこのLWCの巻き解き方法を示す断面図である。なお、図1においては、図示の簡略化のため、銅管1の断面は円で示している。他の図においても同様である。
【0041】
図1に示すように、LWC20においては、銅管ボビン2が設けられており、この銅管ボビン2には、円筒状の内筒2bと、この内筒2bの両端部分に取り付けられた側板2aとが設けられている。内筒2bの長さは、銅管1の外径の整数倍である。即ち、1層目のコイルの巻き数をn、銅管1の外径をDとすると、内筒2bの長さは実質的にnDとなる。そして、このボビン2は図11に示す回転装置103又は図12に示す回転装置104の回転軸に装着されている。
【0042】
先ず、本実施形態におけるLWC20の巻き取り方法及びLWC20の構成について説明する。図1に示すように、先ず、銅管1の端部を内筒2bの外面における図示の左端に位置させ、これを巻回始端21として、トラバース巻きを行う。ボビン2を回転装置103,104により回転駆動し、銅管1を内筒2bに図1の右方向に巻回して整列巻きする。即ち、銅管1を内筒2bに接触させつつ、隣り合う銅管1同士も隙間がなく常に接触するように整列巻きで巻き付けていく。本実施形態においては、内筒2bの長さが銅管1の外径の整数倍となっているため、1層目のコイルを巻回し終わると、1層目の終端の銅管部分は側板2aに接触する。1層目のコイルの巻回が終了すると、2層目は、その始端の銅管部分22を、1層目のコイルの終端(n回目)の銅管とその直前(n−1回目)の銅管との間の凹部に位置させて、順次、図1の左方向に整列巻きで巻回していく。2層目のコイルはその左端の終端において、側板2aとの間に更に1コイルが入るだけの余裕がないため、側板2aとの間に隙間を残したまま、3層目の巻回に移る。従って、2層目のコイルの巻き数は、1層目のコイルの巻き数nより1回少なく、n−1となる。3層目のコイルは、1層目と同じくn回、図1の右方向に巻回する。この場合に、3層目も1層目と同様に、その左端及び右端の銅管部分は側板2aと接触する。4層目は2層目と同様に、始端の銅管部分23を側板2aとの間に隙間があるようにして配置し、図1の左方に銅管を巻回していく。後述の理由により、コイルの巻き層の数が奇数であり、且つ最外層の巻き数の数がnとなるように巻回して1個のLWCとする。
【0043】
このようにして、奇数層目のコイルの巻き数をnとすると、偶数層目のコイルの巻き数は(n−1)であり、奇数層目のコイルの巻き方向と偶数層目のコイルの巻き方向とが相互に逆であり、巻き層の数が奇数であり、且つ最外層の巻き数の数がnであるLWC20が得られる。このようにして作製されたLWCは、最外周に銅バンド等で解き止めの処理をした後、ボビンと内筒を取り外し、所定の調質が施されるように焼鈍される。焼鈍時にLWCに焼付きが発生すると、ETSによりアンコイルするときに管に大きな引き剥がし力が作用するため、折れ、疵、変形等が発生する。このため、焼鈍時に管が焼付かないように、コイルの巻き張力、巻き方向及び積層方向のコイル数、管外面油、焼鈍温度、焼鈍時間、焼鈍雰囲気等を選択することが必要である。
【0044】
なお、銅管1に焼付きが発生しなければ、例えば、銅管1がりん脱酸銅により形成されている場合、焼鈍後の銅管の0.2%耐力が50〜150N/mm2、伸びが35〜55%であり、このような耐力及び伸びを有するLWCの場合は、管に曲がり、折れ、疵等を発生させずに後述のようにETSによりアンコイルすることができる。但し、これは一例であって、本発明は、このような機械的特性を有するLWCに限定されるものではない。
【0045】
次に、上述のようにして巻き取られたLWC20の巻き解き方法について説明する。図3に示すように、LWC20からボビン2を取り外し、LWC20をそのコイル軸を垂直にし、巻回始端21が上方になるようにして載置し、始端21を上方に引き出す。そうすると、LWC20の内面側のコイル(1層目コイル)が巻き解かれて、コイル内面から離脱していく。そして、1層目コイルの最下端(図1においては最右端)の銅管部分がコイル内面から離脱すると、2層目コイルの最下端(図1においては最右端)の巻回始端の銅管部分22がコイル内面から離脱することになる。本実施形態においては、この2層目始端の銅管部分22は、LWC20の下方に配置されているパレット又は緩衝材等と接触しておらず、それらとの間に隙間が形成されているため、銅管部分22はその上方(図1においては左方)の銅管1と、下方のパレット又は緩衝材との間で拘束されていない。このため、銅管部分22は容易に且つ円滑にコイル内面から離脱し、LWC20から円滑に引き出される。
【0046】
なお、LWC20の最外層が偶数層目であると、コイルは下から上に順に巻き解かれていくが、その場合外側に動きを拘束するコイルの層がなく、且つ、上方に存在する銅管の質量が小さいため、巻き解き方によっては複数巻き分の銅管が一緒に持ち上げられ、これらの銅管が絡み合ってしまい、管の折れ及び曲がり等が発生しやすくなる。このような現象の発生は、最外層が上から下に巻き解かれるようにすることにより、即ち、巻き層の数を奇数とすることにより防止することができる。また、最外層より1層内側の層の銅管は、最外層の銅管により上方及びコイル外周方向、即ち、図3に示す上方向及び右方向に移動しようとする動きを拘束されていると、正常に巻き解かれやすい。このため、最外層の銅管はコイルの上端から下端まで巻かれていること、即ち最外層の巻き数がnであることが必要である。
【0047】
なお、従来、各層のコイルの巻き数はnで同一であったが、本実施形態では、奇数層がn、偶数層がn−1である。このようなLWC20を製造するための工程の変更は、トラバース巻きの際の巻き付け角の制御方法の変更及び側板2a間の間隔の変更等の方法により、容易に実施可能である。
【0048】
また、本実施形態においては、LWC20のコイル巻層の数、1層当たりのコイル巻き数n(奇数層目)、LWCの質量には特に制限はない。一般に、巻層の数は10乃至200程度、1層当たりの巻数nは10乃至100回程度の範囲から選択すれば良く、製作されるLWC20の質量は50乃至500kg程度である。
【0049】
更に、管の材質についても、特に制限はない。本発明は、伝熱管及び給湯・建築配管等に使用する銅又は銅合金管のコイルに適用することができる他、アルミニウム又はアルミニウム合金管等、その他の長尺物のコイルにも適用できる。
【0050】
更にまた、管の寸法についても、特に制限はない。但し、管の肉厚が薄すぎると、後述するように、アンコイル時に捻じり力が管に作用するので、管が変形しやすくなる。一般的には、外径が4乃至25mm程度、肉厚が0.15乃至1.5mm程度であることが好ましい。
【0051】
更にまた、管の調質についても、特に制限はない。銅管によりLWCを形成する場合、一般的には、銅管を軟質材又は半硬材に調質することが好ましいが、硬質材に調質することも可能である。なお、硬質材によりLWCを作製した後、焼鈍して軟質材又は半硬材とすることもできる。
【0052】
次に、本実施形態に係るLWCの梱包体の梱包方法について説明する。図4(a)乃至(i)及び図5(a)乃至(c)は、本実施形態における梱包体の梱包方法を工程順に示す側面図である。図1に示す銅管1が巻回されたLWC20において、側板2aを内筒2bから取り外すことによりボビン2を分解し、ボビン2をコイル20から取り外す。その後、図4(a)乃至(i)及び図5(a)乃至(c)に示す工程により、LWC20を梱包する。
【0053】
先ず、図4(a)に示すように、木製又は樹脂製等のパレット11を用意する。次に、図4(b)に示すように、パレット11上に膜厚が例えば50μmのポリエチレンシート12を載せる。次いで、図4(c)に示すように、このポリエチレンシート12上に、例えば厚さが5mmのポリエチレン発泡材からなるクッション材13を載置する。そして、図4(d)に示すように、このクッション材13上に、ボビン2が取り外された銅又は銅合金管1のコイル、即ち、1段目のLWC20をその軸方向を垂直にして載置する。その後、図4(e)に示すように、この1段目のLWC20上に円形のカートン円板15を載置する。次に、図4(f)に示すように、このカートン円板15上に2段目のLWC20を載せ、図4(g)に示すように、この2段目のLWC20上にカートン円板15を載せ、図4(h)に示すように、このカートン円板15上に3段目のLCW20を載せ、図4(i)に示すように、この3段目のLWC20上にカートン円板15を載せる。これにより、カートン円板15を挟んでLWC20を3段に積み重ねる(以下、3段に積み重ねられた銅又は銅合金管コイルを3段コイル16という)。これらのカートン円板15は、LWC20同士間のクッションとなり、輸送時にLWC20を保護する。
【0054】
次に、図5(a)に示すように、厚さが例えば50μmのポリエチレン製の袋17を3段コイル16に被せて、3段コイル16を覆う。次に、図5(b)に示すように、例えば、幅が500mm、厚さが25μmのポリエチレンからなる帯状の樹脂フィルム14を用意し、この樹脂フィルム14の伸張状態を保ちつつ、3段コイル16の周囲、即ち袋17の側面をその上部から下部まで巻回しながら覆い、更にパレット11まで覆う。
【0055】
次いで、図5(c)に示すように、再度、3段コイル16の周囲をその下部から上部まで、伸張状態の樹脂フィルム14で巻回する。これにより、3段コイル16はパレット11と共に2重の樹脂フィルム14によりストレッチ包装される。この場合、樹脂フィルム14は例えば長さが約2倍になるように張力をかけて伸ばしながら巻く。そうすると、樹脂フィルム14は、幅がもとの約7乃至8割程度に細くなる。なお、図5(b)及び(c)においては、図示の便宜上、3段コイル16と袋17との間、及び袋17と樹脂フィルム14との間に隙間が示されているが、実際には、樹脂フィルム14を緊張巻きすることにより、これらの隙間は極めて部分的なものとなり、樹脂フィルム14により3段コイル16の側面が拘束されるようになる。
【0056】
次に、本実施形態に係るLWCの梱包体の構成について説明する。図5(c)に示すように、本実施形態に係る梱包体においては、木製又は樹脂製等のパレット11が設けられており、このパレット11上に、膜厚が例えば50μmのポリエチレンシート12が載置されており、このポリエチレンシート12上に例えば厚さが5mmのポリエチレン発泡材からなるクッション材13が載置されている。そして、このクッション材13上に、3段のLWC20がその中心軸が垂直となるように縦積みされている。そして、各段のLWC20の間及び最上段のLWC20の上部にカートン円板15が設けられている。なお、この3段のLWC20及び4枚のカートン円板15により、3段コイル16が形成されている。また、パレット11、ポリエチレンシート12、クッション材13及び3段コイル16を覆うように、厚さが例えば50μmのポリエチレン製の袋17が被せられており、この袋17の側面を、伸張状態の樹脂フィルム14が巻回して覆っている。これにより、本実施形態の梱包材が形成されている。
【0057】
次に、本実施形態に係るLWCの梱包体からの銅管の供給方法について説明する。使用先において、LWC20をアンコイルして銅管1を後段の加工装置等に連続的に供給する場合は、先ず、図5(c)に示すように梱包された3段コイル16をそのまま使用場所に載置し、最上段のカートン15を裏当材にして、樹脂フィルム14とポリエチレン製の袋17とをカッター等により切断し、除去する。次に、このカートン15を取り外す。即ち、LWCの上面の梱包材のみ除去し、樹脂フィルム14によるLWC側面の緊張巻きは解除しないままとする。
【0058】
その後、図14に示す方法と同様にして、LWC20の巻回始端21を握持して上方に持ち上げ、ガイド115等を経て銅管1を使用場所に供給する。そうすると、前述の如く、コイル20の内面から銅管1が巻き解かれていき、偶数層のコイル列においては、その最初に巻き解かれる銅管部分22がその上層の銅管部分と側板2aとの間に拘束されていないので、奇数層及び偶数層の全てのコイル列がコイル20から円滑に巻き解かれていく。最外層のコイルは、緊張巻きした樹脂フィルムらよりその横方向及び上下方向の動きが拘束されているため乱れることなく、上から下に順次巻き解かれていく。このようにして最上段のLWCがアンコイルされた後、同様にして、2段目及び最下段のLWCがアンコイルされる。
【0059】
なお、ガイド115は、管を挿通させる管状のものに限らず、ろうと状、円錐状、又はロール状のものを使用することができる。
【0060】
本実施形態においては、前述の如く、3段コイル16をパレット11と共に、ポリエチレン袋17及び樹脂フィルム14によりストレッチ包装するので、3段コイル16をほぼ完全に密閉することができる。前述の如く、このようなストレッチ包装(緊張巻き)により、コイルの外周面は樹脂フィルムから拘束力を受けており、コイル外周面のストレッチ包装を保った状態で銅管を巻き解くことにより、コイル外周側における管のばらけを有効に防止することができる。
【0061】
なお、開梱時に樹脂フィルム14は、カートン円板15上でカッター等により切断されるが、このカートン15により保護されているため、3段コイル16を誤って傷つけてしまうことがない。
【0062】
また、本実施形態においては、LWC20(3段コイル16)を樹脂フィルム14によりストレッチ包装することにより、保管中及び搬送中にコイル20の内部に湿気が侵入することを防止でき、コイルに変色が発生することを防止することができる。なお、3段コイル16の外面を被覆する袋17及び樹脂フィルム14は、ポリエチレン製のもの等を使用している。樹脂は若干の透湿性を有するが、多層巻きすることにより、コイル内部に水分が侵入することを防止でき、銅管の変色を防止することができる。樹脂フィルムの厚さは特に制限されるものではないが、10乃至100μm程度のものから選べばよい。通常は30乃至70μm程度のものを使用すると良い。シール効果を高めるために、多層巻きにすることが好ましい。
【0063】
更に、パレット11とコイル20との間に介装するクッション材13及び複数段にコイル20を積載するときにコイル20間に介装する緩衝材としてのカートン円板15は、発泡ポリエチレン製のもの等を使用することができるが、コイル内部の変色の虞がない場合は、これらの緩衝材として段ボール等を使用することができる。なお、LWC20を梱包するときの雰囲気の露点は低い方が望ましく、この梱包時の露点は22℃以下とすることが好ましい。
【0064】
更にまた、必要に応じて、輸送時にLWC20が動かないように、LWC20をパレット11に固定する。例えば、パレット11の4辺の各中央部に、その高さが3段コイル16の高さに略等しいLWC固定用の木製支柱(図示せず)を立設し、更に対向する前記支柱同士の上端部を木製の板材で十字状に固定して補強し、パレットの底部から最上段のLWCの上面まで、支柱及び板材に鉄バンドをかけて締め付ける。
【0065】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。先ず、本実施形態に係るレベルワウンドコイル梱包体を構成するLWC30について説明する。図6は、本第2実施形態のLWC30の巻き取り方法を示す模式図であり、図7は、このLWC30の巻き解き方法を示す模式図である。本実施形態においては、図6に示すように、1層目のコイルにおいて、側壁2aから所定の距離、例えば、銅管1の外径の半分の距離だけ隔てた位置を巻き始め端31とし、この巻き始め端31からn回整列巻きし、その後、1層目の最終巻きの管部分とボビンの側板2aとの間に2層目の始端の管部分を配置して、2層目のコイルを整列巻きにより巻回する。そして、この2層目のコイルの終端の管部分を1層目のコイルの始端の管部分と側板2aとの間に配置し、その後、3層目のコイルを、2層目のコイルの管間の凹部に嵌め込んで整列巻きする。従って、1層目のコイルの巻き数をnとすると、2層目のコイルの巻き数はn+1、2層目のコイルの巻き数はnであり、奇数層目はn回、偶数層目はn+1回の整列巻きとなる。なお、側板2a間の距離は、管の外径の(n+1)倍に設定される。
【0066】
このように構成されたLWC30を、図7に示すように、巻き始め端31を下方にして、そのコイル軸を垂直にしてパレット上に載置する。そして、巻き始め端31から上方に引き出すと、矢印にて示すように下方から順次上方に向かって、1層目(最内層)のコイルが引き出されていき、その最上段の管部分が引き出された後、2層目の最上段の管部分が引き出される。そして、2層目のコイルは、上方から順次下方に向かって引き出されていく。2層目のコイルの最下段が引き出された後、3層目のコイルの最下段の管部分が引き出されるが、この3層目のコイルの最下段の管部分は、パレットとの間に間隙が存在するため、拘束されていない。このため、3層目のコイルも円滑に引き出される。このようにして、本実施形態のLWCも、銅管を円滑に引き出すことができる。
【0067】
なお、最外層が奇数層目であると、コイルは下から上に順に巻き解かれていくが、その場合動きを拘束する外側のコイルの層がなく、且つ管の質量が小さいため、巻き解き方によっては複数の巻回分の銅管1が一緒に持ち上げられ、これらの銅管1が相互に絡み合ってしまい、管の折れ、曲がり等が発生しやすくなる。このような現象の発生は、最外層が上から下に巻き解かれるようにすることで、即ち、巻き層の数を偶数とすることで防止することが可能である。また、最外層より1層内側の層のコイルは最外層のコイルにより、上方及びコイル外周方向、即ち、図7に示す上及び右向きの動きを拘束されていると、正常に巻き解かれやすい。このため、最外層の巻きはコイルの上端から下端まで巻かれていること、即ち最外層の巻き数が(n+1)であることが必要である。
【0068】
本実施形態におけるLWC梱包体における上記以外の構成、及びこの梱包体からの管供給方法は、前述の第1の実施形態と同様である。即ち、1個又は複数個のLWC30を樹脂フィルムにより緊張巻きして製作した梱包体の場合も、LWC20の梱包体において述べたのと同様、梱包体において上部の梱包材のみを除去し、最外層の緊張巻きを保持したまま管を上方に引き出して巻き解きを行うことにより、各LWCの最後まで問題なく巻き解くことが可能である。本実施形態における上記以外の効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0069】
次に、本発明の第3の実施形態に係るレベルワウンドコイル梱包体について説明する。図8は、本第3実施形態におけるLWC40の巻き取り方法を示す模式図であり、図9はこのLWC40の巻き解き方法を示す模式図である。本実施形態においては、図8に示すように、1層目のコイルにおいて、側壁2aから所定の距離、例えば、銅管1の外径の半分の距離だけ隔てた位置を巻き始め端41とし、1層目のコイルをこの巻き始め端41からn回整列巻きし、2層目のコイルの始端の管部分を、1層目のコイルの最終巻き(n回目)の管部分と、その直前の巻き(n−1回目)の管部分との間に配置し、以後、2層目のコイルを整列巻きする。そして、2層目のコイルの終端の管部分を、1層目のコイルの始端の管部分と、側板2aとの間に配置して、2層目の整列巻きを終了する。次いで、3層目、4層目のコイルを、始端の管部分を、下層のコイルの始端の管部分と次の巻きの管部分との間に配置してn回整列巻きする。本実施形態においては、奇数段目及び偶数段目のコイルの巻き数は全てn回である。
【0070】
次に、本実施形態におけるLWC40の巻き解き方法について説明する。図9に示すように、前述の如く構成されたLWC40において、巻き始め端41を上方にして、LWC40をパレット上に載置する。そして、巻き始め端41から管部分を上方に引き出す。そうすると、最下段まで1層目(最内層)のコイルを引き出した後、2層目に移るが、2層目において最初に引き出されてくる管部分は最下段であり、この最下段の管部分はパレットとの間に間隙があるので、銅管1は2層目のコイルから容易に離脱し、円滑に引き出される。このようにして、本実施形態においても、同様に円滑に管を引き出すことができる。
【0071】
なお、本実施形態において、最外層が偶数層目であると、コイルは下から上に順に巻き解かれていくが、その場合動きを拘束する外側のコイルの層がなく、且つ管の質量が小さいため、巻き解き方によっては複数の巻回分の銅管が一緒に持ち上げられ、管の折れ、曲がり等が発生しやすくなる。このような現象の発生は、最外層が上から下に巻き解かれるようにすることで、即ち、巻き層の数を奇数とすることで防止することが可能である。また、最外層より1層内側のコイルは、最外層のコイルにより、上方及びコイル外周方向、即ち、図9に示す上向き及び右向きの動きを拘束されていると正常に巻き解かれやすい。このため、最外層の巻きはコイルの上端から下端まで巻かれていること、即ち最外層の巻き数がnであることが必要である。
【0072】
なお、本実施形態においては、巻き始め端41を下方にして、LWCをパレット上に載置してもよい。この場合に、奇数列目及び偶数列目の最下段の管部分は、パレットとの関係で、図6及び図7に示す第2実施形態の最下段の管部分と同様に配列する。これにより、本第3実施形態においても、巻き始め端41を下方にして、第1層目のコイルを下方から上方に順次引き上げていくと、2層目のコイルは上方から下方に順次引き出され、この2層目コイルの引き出しがその最下段に達したときに、引き出しが3層目のコイルに移るが、3層目のコイルにおける最下段の管部分とパレットとの間には間隙があるので、3層目のコイルも円滑に引き出される。このように、本実施形態のLWCにおいては、その巻き始め端41を上方にしてパレット上に載置してもよいし、巻き始め端41を下方にしてパレット上に載置してもよい。この場合、前述の理由と同様な理由により、巻き層の数は偶数で、且つ最外層の巻き数がnであることが必要である。本実施形態におけるLWC梱包体における上記以外の構成、この梱包体からの管供給方法、及び効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
【0073】
【実施例】
以下、本発明の実施例の効果について、その特許請求の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明する。
【0074】
第1試験例
本第1試験例は、ETS方式で1段積みのLWC梱包体よりアンコイルする実施例である。LWCを構成する銅管はりん脱酸銅軟質材製であり、外径が9.52mmの平滑管(肉厚が0.36mm)である。
【0075】
先ず、種々の寸法の内筒に側板を取り付け、内筒に銅管をトラバース巻きして下記表1に示すLWCを作製した。トラバース巻きされたLWCから内筒及びボビンをはずした後、LWCをローラーハース炉により焼鈍し、軟質コイルとした。なお、表1に示すコイルの質量は巻き方により異なるが、1コイル当たり270〜300kg程度である。このようにして作製したLWCを、緩衝材を引いたパレット上に載置してポリエチレン袋をかぶせ、ポリエチレン樹脂フィルムでストレッチ包装(4層巻き)し、各コイル毎にLWC梱包体を製作した。
【0076】
なお、表1の「巻き方」の欄において、「1」、「2」、「3」は、表1に記載されている条件以外は、夫々前述の第1、第2、第3の実施形態(夫々図1、図6、図8参照)と同様な巻き方をしたことを示し、「従」は、前述の従来例(図10参照)と同様な巻き方をしたことを示す。
【0077】
【表1】
【0078】
上記表1に示すLWC梱包体について、前述のように梱包体の上面を覆うポリエチレン樹脂フィルムとポリエチレン袋を除き、側面のポリエチレンフィルムによる緊張巻きはそのままの状態とした。この状態のまま、LWCを上述のETS方式によりアンコイルした。その後、巻き始めの銅管端部を上方に引き出して、銅管を上面より約2m上方に設置したパイプ状ガイドを通し、1.25m/秒の速度で連続的に引き出した。巻き解き時に引っ掛かり又は銅管の変形等が発生した場合は、その時点で銅管の供給を中止した。この結果を下記表2に示す。
【0079】
【表2】
【0080】
上記表2に示すNo.1、5、9、12は本発明の実施例である。表2に示すように、実施例No.1、5、9、及び12は最後まで引っ掛かり、曲がり及び変形が発生せず、円滑に銅管を供給できた。一方、表2に示すNo.2乃至4、6乃至8、10、11、13は比較例である。比較例No.2乃至4、6乃至8、10、11、13においては、表2に示すように何らかの不具合が生じた。特に、比較例No.4、8及び13は途中で引っ掛かりが発生し、銅管の供給を停止せざるを得なかった。
【0081】
第2試験例
前述の第1試験例においては、平滑銅管を用いたが、本第2試験例においては、外径7mmの内面溝付管(底肉厚0.22mm、溝深さ0.2mm、リード角25°、溝数55)を用いて、前述の表1に示す実施例No.1と同様な条件で梱包体を作製した(奇数層35巻き、偶数層34巻き、巻き層の数35、最外層の巻き数35)。これを実施例No.14とする。その後、この実施例No.14の梱包体について、前述の第1試験例と同様な方法で巻き解きを行い、第1試験例と同様に評価した。この結果、まったく問題なくLWCを巻き解くことができた。
【0082】
第3試験例
本第3試験例は、ETS方式で3段積みのLWC梱包体をアンコイルした試験例である。本第3試験例においては、前述の第1試験例において表1に示す実施例No.1と同様の方法により、1コイル当たり270kgのLWCを3コイル作製した。
【0083】
次に、木製パレットに緩衝材を載置した後、1段目のLWCを巻き始め端が上になるように前記緩衝材上に載置し、その後、緩衝材を間に挟んで、2段目及び3段目のLWCを同様に積載して、3段積みコイルを作製した。
【0084】
次に、この3段積みコイルの最上段に樹脂製緩衝材を設置し、さらに3段積みコイル全体をポリエチレン袋で覆った後、ポリエチレン樹脂フィルムで緊張巻き包装(6層)した。その後、パレット各辺の中央部に板材支柱を固定し、更に支柱上端の対向する支柱間を十字状に板材で固定した。
【0085】
その後さらに、前記パレット底面、支柱及び上部板材を鉄製バンドで巻き、十字状に固定し、載置したLWCを強固に固定した。なお、梱包雰囲気の露点は20℃とした。
【0086】
このようにして作製した梱包体は輸送時の振動を模擬するために、振幅が20cm、最大加速度が490m/s2及び周波数が20Hzの振動を6時間与えて振動試験を行った。その後、前記コイル梱包体を温度が35℃(露点は30℃)の雰囲気に3週間保持した。
【0087】
試験終了後、梱包状態における荷姿の変化を調査した。また、開梱して、荷崩れの有無の調査を行った。その後、更に、ETS方式によるアンコイルを行い、アンコイル時における銅管の引っ掛かり及び変形の発生の有無を調査した。更にまた、アンコイル時、銅管の外面変色の発生の有無についても併せて調査した。
【0088】
この試験結果を下記表3に示す。表3に示すNo.15は本発明の実施例である。実施例No.15においては、梱包したコイルに輸送時の振動負荷を与えても、梱包状態における荷姿は変化しなかった。また、開梱後の荷崩れも発生しなかった。更に、アンコイル時には、全てのコイルについて、最後まで引っ掛かり、曲がり及び変形が発生せず、銅管を円滑に供給することが可能であった。更にまた、高温多湿雰囲気で保持後もコイルの変色が発生しなかった。
【0089】
【表3】
【0090】
【0091】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のLWC梱包体によれば、管の巻回方法を適切に規定したので、LWCをアンコイルする際に、管の折れ、変形、窪み及び擦り疵等の従来のETS方式によるアンコイルで発生していた問題点が解消され、歩留を著しく向上させ、装置コスト等を著しく低減することができる。また、コイル内部の変色の発生が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るレベルワウンドコイル梱包体を構成するレベルワウンドコイル(LWC)20の巻き取り方法を示す断面図である。
【図2】このLWC20の上半部を示す模式図である。
【図3】このLWC20の巻き解き方法を示す模式図である。
【図4】(a)乃至(i)は、本実施形態における梱包体の梱包方法を工程順に示す側面図である。
【図5】(a)乃至(c)は、本実施形態における梱包体の梱包方法を工程順に示す側面図であり、図4(i)の次の工程を示す。
【図6】本発明の第2の実施形態におけるLWC30の巻き取り方法を示す模式図である。
【図7】このLWC30の巻き解き方法を示す模式図である。
【図8】本発明の第3の実施形態のLWC40の巻き取り方法を示す模式図である。
【図9】このLWC40の巻き解き方法を示す模式図である。
【図10】従来のLWCの巻回方法を示す断面図である。
【図11】LWCの巻き取り及び巻き解きを行う縦型アンコイラーを示す斜視図である。
【図12】LWCの巻き取り及び巻き解きを行う横型アンコイラーを示す斜視図である。
【図13】(a)は輸送時のLWCの一例を示す図であり、(b)は使用先におけるLWCの一例を示す図である。
【図14】ETS方式によるアンコイル方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
1、101;銅管
2、102;ボビン
2a、102a;側板
2b、102b;内筒
11;パレット
12;ポリエチレンシート
13;クッション材
14;樹脂フィルム
15;カートン円板
16;3段コイル
17;袋
20、30、40、110;LWC(コイル)
21、31、41、111;始端
22、112;銅管部分
23、113;終端
103;回転装置(縦型アンコイラー)
104;回転装置(横型アンコイラー)
105;ライナー
106;銅バンド
107;ターンテーブル
115;ガイド
Claims (16)
- パレットと、このパレット上にそのコイル軸方向が垂直になり且つ巻き始め部位が上側になるようにして1段又は多段に積載されたレベルワウンドコイルと、この1段又は多段のレベルワウンドコイルの全体を包む袋と、この袋の側部に緊張巻きされた帯状の樹脂フィルムと、を有し、前記レベルワウンドコイルは、管を整列巻きして1層目コイルを形成し、その後、この1層目コイルの上に2層目コイルを前記1層目コイルの外面の管間の凹部に嵌め込んで整列巻きし、以後同様にして、2層目コイルの上に3層目コイル、3層目コイルの上に4層目コイルを整列巻きした奇数層のコイルからなるレベルワウンドコイルであって、奇数層目のコイルの巻き数をnとすると、偶数層目のコイルの巻き数は(n−1)であり、奇数層目のコイルの巻き方向と偶数層目のコイルの巻き方向とが相互に逆であり、最外層の巻き数がnであることを特徴とするレベルワウンドコイルの梱包体。
- パレットと、このパレット上にそのコイル軸方向が垂直になり且つ巻き始め部位が下側になるようにして1段又は多段に積載されたレベルワウンドコイルと、この1段又は多段のレベルワウンドコイルの全体を包む袋と、この袋の側部に緊張巻きされた帯状の樹脂フィルムと、を有し、前記レベルワウンドコイルは、管を整列巻きして1層目コイルを形成し、その後、この1層目コイルの上に2層目コイルを前記1層目コイルの外面の管間の凹部とその両隣に配置して整列巻きし、以後同様にして、2層目コイルの上に3層目コイル、3層目コイルの上に4層目コイルを整列巻きした偶数層のコイルからなるレベルワウンドコイルであって、奇数層目のコイルの巻き数をnとすると、偶数層目のコイルの巻き数は(n+1)であり、奇数層目のコイルの巻き方向と偶数層目のコイルの巻き方向とが相互に逆であり、最外層の巻き数が(n+1)であることを特徴とするレベルワウンドコイルの梱包体。
- パレットと、このパレット上にそのコイル軸方向が垂直になり且つ巻き始め部位が上側又は下側になるようにして1段又は多段に積載されたレベルワウンドコイルと、この1段又は多段のレベルワウンドコイルの全体を包む袋と、この袋の側部に緊張巻きされた帯状の樹脂フィルムと、を有し、前記レベルワウンドコイルは、管を整列巻きして1層目コイルを形成し、その後、この1層目コイルの上に2層目コイルをその巻始端が前記1層目コイルの最終巻及びその直前巻の管間の凹部に嵌め込まれるようにして前記1層目コイルの外面の管間の凹部とその外側に配置して整列巻きし、以後同様にして、2層目コイルの上に3層目コイル、3層目コイルの上に4層目コイルを整列巻きした複数層のコイルからなるレベルワウンドコイルであって、奇数層目のコイルの巻き数をnとすると、偶数層目のコイルの巻き数はnであり、奇数層目のコイルの巻き方向と偶数層目のコイルの巻き方向とが相互に逆であり、巻き始め部位が上側になるように載置されるときはその巻き層の数が奇数であり、又は巻き始め部位が下側になるように載置されるときはその巻き層の数が偶数であり、且つ最外層の巻き数がnであることを特徴とするレベルワウンドコイルの梱包体。
- 前記管は、銅又は銅合金管であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレベルワウンドコイルの梱包体。
- 前記パレットと1又は複数個の前記レベルワウンドコイルとの相互間に、緩衝材が介装されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のレベルワウンドコイルの梱包体。
- 最上段の前記レベルワウンドコイルの上面が緩衝材で覆われていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のレベルワウンドコイルの梱包体。
- 前記レベルワウンドコイルと前記パレットとは前記帯状の樹脂フィルムの上から固定部材により相互に固定されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のレベルワウンドコイルの梱包体。
- 前記袋が樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のレベルワウンドコイルの梱包体。
- 請求項1に記載のレベルワウンドコイルの梱包体を、コイル軸方向を垂直にし前記管の巻き始め部位を上側にして載置し、前記緊張巻きされた樹脂製フィルム及び前記袋における前記レベルワウンドコイルの側面を覆う部分を残したまま、前記袋における最上段の前記レベルワウンドコイルの上面を覆う部分の少なくとも一部を除去する工程と、前記巻き始め部位の管端を上方に引き上げて管を引き出す工程と、を有することを特徴とするレベルワウンドコイルの梱包体からの管供給方法。
- 請求項2に記載のレベルワウンドコイルの梱包体を、コイル軸方向を垂直にし前記管の巻き始め部位を下側にして載置し、前記緊張巻きされた樹脂フィルム及び前記袋における前記レベルワウンドコイルの側面を覆う部分を残したまま、前記袋における最上段の前記レベルワウンドコイルの上面を覆う部分の少なくとも一部を除去する工程と、前記巻き始め部位の管端を上方に引き上げて管を引き出す工程と、を有することを特徴とするレベルワウンドコイルの梱包体からの管供給方法。
- 請求項3に記載のレベルワウンドコイルの梱包体を、コイル軸方向を垂直にし前記管の巻き始め部位を上側又は下側にして載置し、前記緊張巻きされた樹脂フィルム及び前記袋における前記レベルワウンドコイルの側面を覆う部分を残したまま、前記袋における最上段の前記レベルワウンドコイルの上面を覆う部分の少なくとも一部を除去する工程と、前記巻き始め部位の管端を上方に引き上げて管を引き出す工程と、を有することを特徴とするレベルワウンドコイルの梱包体からの管供給方法。
- 前記管は、銅又は銅合金管であることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項に記載のレベルワウンドコイルの梱包体からの管供給方法。
- 前記パレットと1又は複数個の前記レベルワウンドコイルとの相互間に、緩衝材が介装されていることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載のレベルワウンドコイルの梱包体からの管供給方法。
- 最上段の前記レベルワウンドコイルの上面が緩衝材で覆われており、前記袋の一部を除去する工程の後に、前記最上段のレベルワウンドコイルの上面を覆う緩衝材を除去する工程を有することを特徴とする請求項9乃至13のいずれか1項に記載のレベルワウンドコイルの梱包体からの管供給方法。
- 前記レベルワウンドコイルと前記パレットとは前記帯状の樹脂フィルムの上から固定部材により相互に固定されていることを特徴とする請求項9乃至14のいずれか1項に記載のレベルワウンドコイルの梱包体からの管供給方法。
- 前記袋が樹脂により形成されていることを特徴とする請求項9乃至15のいずれか1項に記載のレベルワウンドコイルの梱包体からの管供給方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003087978A JP3599111B2 (ja) | 2003-03-27 | 2003-03-27 | レベルワウンドコイルの梱包体及びそれからの管供給方法 |
MYPI20040217A MY136663A (en) | 2003-01-29 | 2004-01-27 | Method for the supply of pipe from level wound coil, as well as packed product of level wound coil and method for the supply of pipe therefrom |
CNB2004100024318A CN1319836C (zh) | 2003-01-29 | 2004-01-29 | 从盘管供给管的方法、盘管的捆包体及从其供给管的方法 |
KR1020040005725A KR100562618B1 (ko) | 2003-01-29 | 2004-01-29 | 레벨 권선형 코일로부터의 관의 공급 방법, 및 레벨권선형 코일 곤포체와 그것으로부터의 관의 공급 방법 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003087978A JP3599111B2 (ja) | 2003-03-27 | 2003-03-27 | レベルワウンドコイルの梱包体及びそれからの管供給方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004292022A true JP2004292022A (ja) | 2004-10-21 |
JP3599111B2 JP3599111B2 (ja) | 2004-12-08 |
Family
ID=33402228
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003087978A Expired - Lifetime JP3599111B2 (ja) | 2003-01-29 | 2003-03-27 | レベルワウンドコイルの梱包体及びそれからの管供給方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3599111B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011026004A (ja) * | 2009-07-01 | 2011-02-10 | Sekisui Chem Co Ltd | 帯状部材結束体および帯状部材結束体の製造方法 |
-
2003
- 2003-03-27 JP JP2003087978A patent/JP3599111B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011026004A (ja) * | 2009-07-01 | 2011-02-10 | Sekisui Chem Co Ltd | 帯状部材結束体および帯状部材結束体の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3599111B2 (ja) | 2004-12-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4424225B2 (ja) | レベルワウンドコイルからの管供給方法 | |
JP5308355B2 (ja) | レベルワウンドコイルの巻解方法 | |
JP3599105B2 (ja) | レベルワウンドコイル、レベルワウンドコイルの梱包体及びレベルワウンドコイルからの管供給方法 | |
JP4046135B2 (ja) | レベルワウンドコイルのパレット載置体およびレベルワウンドコイルの包装体 | |
JP5213820B2 (ja) | レベルワウンドコイル、レベルワウンドコイルの梱包体 | |
JP2007145538A (ja) | レベルワウンドコイルの積載保持体及びレベルワウンドコイルの巻解方法 | |
JP4133733B2 (ja) | レベルワウンドコイルからの管の供給方法、レベルワウンドコイルの梱包体からの管の供給方法及び管巻き解き装置 | |
JP4311962B2 (ja) | レベルワウンドコイル、レベルワウンドコイルの梱包体、レベルワウンドコイルからの管供給方法、レベルワウンドコイルの梱包体からの管供給方法 | |
JP4001167B2 (ja) | レベルワウンドコイルとその製造方法、およびレベルワウンドコイルの包装体 | |
JP3599111B2 (ja) | レベルワウンドコイルの梱包体及びそれからの管供給方法 | |
KR100562618B1 (ko) | 레벨 권선형 코일로부터의 관의 공급 방법, 및 레벨권선형 코일 곤포체와 그것으로부터의 관의 공급 방법 | |
JP3599110B2 (ja) | レベルワウンドコイルからの管の供給方法及びレベルワウンドコイル梱包体からの管の供給方法 | |
JP4804850B2 (ja) | レベルワウンドコイルの管供給方法 | |
JP4390610B2 (ja) | レベルワウンドコイル、レベルワウンドコイルの梱包体及びレベルワウンドコイルからの管の供給方法 | |
JP5225915B2 (ja) | レベルワウンドコイル、レベルワウンドコイルの梱包体 | |
JP2004142854A (ja) | レベルワウンドコイル積層体、レベルワウンドコイルの梱包体及びレベルワウンドコイルからの管供給方法 | |
JP5260374B2 (ja) | レベルワウンドコイルの梱包体 | |
JP2002370869A5 (ja) | ||
JP4001179B2 (ja) | レベルワウンドコイルとその製造方法、およびレベルワウンドコイルの包装体 | |
JP2008024397A (ja) | レベルワウンドコイルおよびレベルワウンドコイル梱包体 | |
JP5065469B2 (ja) | レベルワウンドコイルの管供給方法 | |
JP4688322B2 (ja) | 梱包された銅又は銅合金管及び銅又は銅合金管の梱包方法 | |
JP4211834B2 (ja) | レベルワウンドコイルとその製造方法、およびレベルワウンドコイルの包装体 | |
JP4211835B2 (ja) | レベルワウンドコイルとその製造方法、およびレベルワウンドコイルの包装体 | |
JP6648924B2 (ja) | レベルワウンドコイルおよびレベルワウンドコイルの製造方法ならびにレベルワウンドコイル巻き解き方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20040806 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20040813 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040907 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040907 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 3599111 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090924 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090924 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100924 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100924 Year of fee payment: 6 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100924 Year of fee payment: 6 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100924 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110924 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110924 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120924 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120924 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130924 Year of fee payment: 9 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |