JP4424225B2 - レベルワウンドコイルからの管供給方法 - Google Patents

レベルワウンドコイルからの管供給方法 Download PDF

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Description

本発明は、レベルワウンドコイル(LWC:Level Wound Coil)からの管供給方法および包装体とその包装方法に関し、特に、エアコン等の空調用熱交換器の伝熱管、及び建築用の給水配管等に使用される銅又は銅合金管等のレベルワウンドコイルからの管供給方法および包装体とその包装方法に関する。
空調装置等の熱交換器及び建築用の給水配管等には、内面溝付管や平滑管等の伝熱管が使用されている。この伝熱管には、一般に、銅又は銅合金による金属管(以下、単に「銅管」という)が用いられ、その製造工程において、コイル状に巻き取られてから焼鈍が行われて所定の調質材とされ、レベルワウンドコイルの状態で保管され、或いは搬送される。そして、使用時に巻戻しされ、所要の長さで切断して使用される。
上記レベルワウンドコイルの使用時には、銅管引き出し装置(巻き戻し機、アンコイラー)を用いて銅管の引き出しが行われる。例えば、特許文献1に示される銅管引き出し装置があり、この銅管引き出し装置について以下に図を示して説明する。
図5は、従来の銅管引き出し装置を示す図である。(a)は縦型アンコイラー、(b)は横型アンコイラーを使用したものである。図5(a)の銅管引き出し装置(縦型アンコイラー)10Aでは、LWC20が巻回されたボビン21が縦に取り付けられた後、ボビン21から銅管22を引き出し、ガイド11により引き出し方向へガイドし、図示しない切断機によって所定の長さに切断して使用される。
一方、図5(b)の銅管引き出し装置(横型アンコイラー)10Bでは、LWC20が巻回されたボビン21がターンテーブル12上に横に設置された後、ボビン21から銅管22を引き出し、ガイド13により引き出し方向へガイドし、図示しない切断機によって所定の長さに切断して使用される。
図6は、図5に示したボビンに巻き付けられたLWCの詳細構成を示す図である。銅管22により構成されているLWC20は、ボビン21に巻き付けられた状態となっている。ボビン21は、銅管22が複数の層に巻回された円筒状の内胴23と、内胴23の両側に取り付けられた一対の円板状の側板24とにより構成されている。
図5に示した銅管引き出し装置10A,10Bは、構造上の複雑さ等から装置コストが高いという問題がある。そこで、上記問題を解決するために、Eye to the sky(以下、「ETTS」という。)と称される銅管の引き出し方法が上記特許文献1に提案されている。
図7は、ETTSによる銅管の引き出し方法を示す説明図である。複数のLWC32を積載したLWC集合体30は、パレット31上に、複数のLWC32がそのコイル中心軸方向がパレット31上面に対して垂直方向となるように緩衝材33を介して積載されて構成されている。パレット31は、例えば、複数本の木製等による角材31aと、この角材31a上に取り付けられた1枚または複数枚の木製板材31bにより四角形に作られている。また、緩衝材33は、例えば、木材、紙材、樹脂等により、LWC32の直径より大きな円板状に作られている。
1つのLWC32の直径が約1000mmで内径が500〜600mmであり、パレット31を含めたLWC集合体30の全体の高さはおよそ1〜2mである。
次に、図7を参照してETTS方式による銅管引き出し方法を説明する。銅管35は、LWC集合体30の最上段のLWC32の内側から上方に向かって引き出された後、通常、床から1メートルほどのパスライン上で水平な状態で切断されるために、上方に設置されたガイド34によって引き出し方向が変更されて、切断機へと挿入され所望の長さに切断される。ガイド34は、金属管や樹脂管を円形に加工して作られており、その内径は銅管35の外径より大きくされている。パレット31の設置面からガイド34までの高さは、およそ2.5〜3.5mである。
このETTS方式は、図6に示したボビン21を使わずに済むため、ボビン購入費を削減することができる。また、図7に示したようにLWCを回転させる必要がないため、図5に示したアンコイラー、ターンテーブル等が不要になり、設備導入費も大幅に削減できるという特徴を有する。
次に、LWC32を巻く方法について説明する。例えば、図6に示すように、ボビン21の内胴23に、巻き始め箇所を銅管22aとして図の右方向に整列巻きを行う方法がある。この整列巻きとは、銅管22を内胴23に沿って一周するように巻いた後、銅管22が相互に接触するように、即ち、隙間が生じないように密に銅管22を巻いていく方法である。
図6において、銅管を右端まで円筒状に巻いた後、二層目の銅管を右端から左端へ整列巻きして銅管22を管軸方向(反対方向)に巻回する。更に、この二層目のコイルの上に三層目のコイルを積層する。このように、円筒状の一層のコイルを形成した後、その上の二層目の円筒状のコイルを、銅管22を管軸方向(反対方向)に巻回していくことにより形成する巻き方をトラバース巻きという。このように銅管22を巻回することにより、体積が小さいLWCを製作することができ、保管及び輸送に必要なスペースの低減が可能となる。
図8は、LWCの巻き解き方法の一例を示す断面概略図である。図6に示したLWCの巻き方法を用いてボビン21に巻回した後、ボビン21を外し、図7に示した緩衝材33上に載置し、ETTS方式により引き出しを行う様子を示したものであり、まず、始端の銅管22aが、内層側から上方に引き出される。始端の銅管22aより後段の銅管22は、一層目の引き出しが終了すると、二層目は下の段から引き出され、最外層の銅管まで順次引き出しが行われる。
しかし、図8のLWC20の巻き形状では、このLWC20を図7のようにLWC32としてセットしたとき、例えば2層目の下端の銅管22bは、その下部に緩衝材33(或いはパレット31)が存在し、その上部には銅管22が存在するため、緩衝材33(或いはパレット31)と上部の銅管22に挟まれて、摩擦抵抗によって引き出されにくくなる場合がある。引き出し時の摩擦が大きくなると、銅管22が折れ曲がり(キンクが発生し)、製品不良となる。更に、下端の銅管22bから引き出された後、二層目、四層目、・・・の偶数層の最下端でも同様の問題が生じる。
下端の銅管22bの引き出しを容易にした巻き解き方法が、上記特許文献1の図3および図7に示されており、図9および図10にそれを示す。
図9および図10は、下端の銅管の引き出しを容易にした巻き解き方法を示す断面概略図である。図9は、巻き始めの部位を上方とし、奇数巻き層をn、偶数巻き層を(n−1)としたときのLWCの片側の断面を示している。nは2以上の自然数であり、通常は10以上で整列巻きされる。
図9のように、LWC40を内層側から上方に引き出した場合、例えば、上端から引き出された始端の銅管41aは、1周毎に下側の段が引き出され、最下段まで引き出された後、二層目の銅管41が上側に向けて引き出される。このとき、二層目の下端の銅管41bとパレット31や緩衝材33との間には隙間が存在するため、摩擦により銅管41が引き出されにくくなることが少なくなり、安定して銅管41を引き出すことができる。
図10は、図9とは逆に、引き出しの始端の銅管41aをパレット31側に配置し、下側から上側に向かって一層目の銅管41を引き出したときのLWCの片側の断面を示している。一層目の銅管41を引き出した後、二層目の銅管41が下側に向けて引き出される。この巻き形状でも、銅管41が下方向から上方向へ折り返すときに最下段の銅管41が挟まれることがないので、図9と同様に安定して銅管41を引き出すことができる。
特開2002−370869号公報([0009]〜[0012]、[0014]〜[0017]、[0039]、[0042]、[0062]、[0063]、図3、図7、図14)
しかし、従来のLWCからの管供給方法によると、例えば、図9に示した巻き方を行った場合、実際には一層目の最下段から二層目の下端の銅管41bまでの一周は一本の銅管で繋がっているため、銅管は円周上のある部分で鉛直上方に連続的にずれていき、この上方へ移動する遷移長さ(乗り移り長さ)が長いと銅管41の下部の隙間が出来にくくなり、上部の銅管41と下部のパレット31や緩衝材33に挟まれ、銅管41が引き出しにくくなり、銅管41の折れ曲がり(キンク)が生じる場合がある。
また、引き出し先で使用される切断機は、通常、床から1メートル程度の高さのパスライン上で、水平な状態で銅管の切断を行うが、ETTS方式では一旦2.5〜3.5mの高さに引き出し、ガイド34を通して下方に銅管35を導くため、銅管35を切断機にセットするための手間が大きい。
従って、本発明の目的は、ボビンや駆動装置を不要にし、最下段から引き出されるときの銅管の引っ掛かり等のトラブルを解消し、銅管をガイドに通してセットする段取り時間を短縮できるようにしたレベルワウンドコイル(LWC)からの管供給方法および包装体とその包装方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、第1の特徴として、銅管を整列巻きにしたレベルワウンドコイルの1または複数を、前記レベルワウンドコイルのコイル中心軸がパレットの搭載面に平行になるようにして前記パレットに搭載し、前記1または複数のレベルワウンドコイルの端面の内側から前記銅管を引き出して供給する管供給方法であって、前記レベルワウンドコイルから引き出された前記銅管を中空のガイド内を通して前記供給を行うと共に、前記レベルワウンドコイルの引き出し面のコイル中心と前記ガイドの入り口の中心とを結ぶ線と、前記レベルワウンドコイルの中心軸との間の角度が15°以上30°以下であることを特徴とするレベルワウンドコイルからの管供給方法を提供する。
本発明のレベルワウンドコイルからの管供給方法および包装体とその包装方法によれば、ボビンや駆動装置を不要にし、ETTS方式で管供給した場合のコイル最下段から引き出されるときの銅管の引っ掛かり等のトラブルを解消し、かつ銅管をガイドに通して切断機にセットする段取り時間を短縮することができる。
[第1の実施の形態]
(包装体の構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るレベルワウンドコイルの包装体を示す斜視図である。この包装体1は、パレット51と、それぞれが金属管としての銅管を整列巻きして構成されると共にパレット51の上面にそのコイル中心軸がパレット51の搭載面と平行になるように横並びに積載された複数のLWC52と、複数のLWC52の1つから水平方向に引き出された銅管53が挿通されるガイド54と、複数のLWC52をパレット51に固定する帯状の樹脂フィルム55とを備える。
パレット51は、一般的に、複数本の木製等の角材51aと、この角材51a上に取り付けられた1枚または複数枚の木製板材51bにより四角形に作られているが、これに限られず、鉄等の金属製やプラスチック製とすることもできる。
LWC52は、図8〜図10の巻き方がされたLWCのいずれも用いることができる。
複数のLWC52は、移動やパレット51に搭載時に傷等が付くのを防止・衝撃吸収するため、必要に応じて外周面に段ボール材等による緩衝材56が巻き付けられる。パレット51とLWC52の間に緩衝材60(図2参照)を配置する実施形態も可能であり、この場合、LWC52の外周面に緩衝材56を巻き付けなくてもよい。また、パレット上、複数のLWC52の間にも必要に応じて保護等のための緩衝材(図示せず)が設けられる。緩衝材には、ダンボール等の紙材やポリウレタン等の樹脂材などを用いることができる。
ガイド54は、引き出された銅管53を所望の方向へガイドするものであり、必要に応じて管供給方向をあらゆる方向へ変更できる。直管状、カーブ状等の形状のガイドが適宜用いられる。ガイド54は、内部に銅管53を通すことが可能な内径を有する金属管、樹脂管等により構成されている。なお、銅管53に傷等を付けないようにするためには、少なくとも銅管53と接する部分の硬度が銅管53の表面の硬度よりも小さいことが望ましい。
樹脂フィルム55は、パレット51にLWC52を固定できる強度がある材料であれば特に限定されることなく用いることができる。また、パレット51にLWC52を固定できる手段であれば、樹脂製フィルムに限定されるものでもなく、種々の材料による固定手段を採用できる。
(銅管の巻き戻し方法)
図1に示すように、パレット51の搭載面(パレット面)に複数のLWC52を、そのコイル軸とパレット51の搭載面が平行になるようにして搭載し、これらを樹脂フィルム55でパレット51に固定した後、図示の上右側にあるLWC52の内側から銅管53が水平方向に引き出され、ユーザによって、銅管53は図示しない切断機で所望の長さに切断される。引き出し時の巻き癖が切断機に挿入されるまでに解消されない場合には、銅管53を所定の長さのガイドに通し、銅管53の巻き癖を解消する。巻き癖を解消するガイドは、引き出し用ガイド54と一体であっても別体であっても構わない。
銅管53は、LWC52からの引き出しに伴って、内層から最外層まで一層ずつ解きほぐされていく。図1の右側端のLWC52の銅管53が全て解きほぐされると、次に、隣接のLWC52の内側から銅管53が引き出されることにより、パレット51を移動させることなく、銅管53を引き続き引き出すことができる。
また、図1のように1つのパレットに複数のLWC52を搭載した場合や、1又は複数のLWC52を搭載した複数のパレットをコイル中心軸が略同一になるように設置した場合には、ETTS方式では不可能であった包装体の両端面(両側)から(同時に)銅管を供給することが可能になり、顧客においてLWCの設置場所の自由度を拡大できるという利点がある。
なお、銅管53の引き出しにおいては、図1に示すように、LWC52の引き出し面のコイル中心とガイド54の入り口の中心とを結ぶ線と、LWC52の中心軸との間の角度θが45°以内であることが望ましい。この角度θが45°より大きい場合、銅管53の引き出し時にLWC52内の内層上部と引き出した銅管53が強く擦れることがあり、銅管53に傷を付けたり、巻き形状が崩れることがある。
(LWC及び包装体の製造方法)
図2は、製造途中の包装体を示す斜視図である。図2、図3、および図6を参照して、LWC52及び包装体1の製造方法について説明する。
まず、銅管53を、図6に示した内胴23に巻き付ける。左端の銅管22aの位置から巻き始め、上述したトラバース巻きにより、一列に右端まで整列巻きを行ったあと、右端から二層目の整列巻きを行い、さらに三層目を逆方向に整列巻きをして、LWC52を形成する。このときのLWC52の巻き形状は、図9で示されるものでも、図10に示されるものでもよい。
ボビン21に巻き取られたあと、銅管53がほぐれないように、図2のように2箇所以上を銅テ一プまたは銅合金テープ63で結束した後、ボビン21から分離する。その後、LWC52の焼鈍を行い、銅管53の調質を行う。結束用の銅(銅合金)テープ63は、銅管53が使用される直前まで結束したままにされる場合と、包装体製造時に外す場合がある。また、LWC52の焼鈍後、結束用の銅(銅合金)テープ63を外した後に、ポリプロピレン等の樹脂製テープで結束しなおす場合もある。
焼鈍を行った複数のLWC52は、図2に示すように、円板状の緩衝材61を介して縦方向に積み重ねられる。それぞれのLWC52は、固定用の銅(銅合金)テープ63あるいはポリプロピレン等の樹脂製テープで束線されているため、銅管53がほぐれることはない。また、焼鈍による銅管53の調質の程度により、結束テープを外した状態でも銅管53がほぐれない場合もある。複数のLWC52の積み重ねに際しては、LWC52の外径に差異がある場合、LWC52の外径が小さいものを上側に載せる。次に、パレット51を図のように縦位置で沿わせるが、このとき、パレット51と複数のLWC52との間に、シート状の緩衝材60を介挿する。それぞれのLWC52の外周面は緩衝材56で覆う場合と覆わない場合がある。従って、大径および小径のLWC52は相互に緩衝材61を介してコイル端面で接し、コイル側面は緩衝材(60および/または56)を介してパレット51に接するように搭載される。
図2の配置になったLWC52とパレット51の外側を取り巻くように樹脂フィルム55で覆い、パレット51と複数のLWC52とを固定して一体化する。このとき、樹脂フィルム55は、LWC52の端面が塞がらないように、外周面のみに巻き付ける。
複数のLWC52を樹脂フィルム55で固定した後、パレット51が下側になるように、角度を90°変換し、図1のような形態で使用する。銅管53を引き出す際には、固定用の銅(銅合金)テープ63あるいはポリプロピレン等の樹脂製テープを切断する。ただし、包装体製造時に固定用の結束テープを外している場合にはこの限りではない。
図3は、パレットの他の構成例を示す斜視図である。複数のLWC52の自重によって、各LWC52の下側の銅管53が変形する可能性がある場合、図3に示すような固定台70を設けたパレット51を用いる。固定台70は、各LWC52の最も大きい外径の曲率と同じか、それ以上の曲率の曲面を有している。
(第1の実施の形態の効果)
第1の実施の形態によれば、下記の効果を奏する。
(イ)LWC52を横位置にして銅管53をコイル中心軸に対して平行方向に引き出すことにより、引き出される銅管53が隣接する銅管53とパレット51や緩衝材56に挟まれなくなるため、銅管53の引き出しの際に引っ掛かりを生じにくくすることができる。
(ロ)銅管53をLWC52から水平に引き出してガイド54に通し、そのまま、床面から1m程度の高さにある切断機に導入できるので、切断機に導く作業を容易にすることができる。
次に、本発明の実施例1について説明する。上述した第1の実施の形態に係る包装体1を作製し、引き出し容易性(引っかかり回数)の評価を行った。ここでは、LWC52の1個あたりの平均重量を160kgとし、10コイルについてテストを行った。
銅管53としては、外径が7mmで、肉厚が0.25mmの燐脱酸銅による内面溝付管(以下、単に「銅管」という。)を使用し、図9の巻き方で巻かれたLWCを用いた。
一方、比較例1として、図9の巻き方で巻かれたLWCについて、図7に示したETTS方式により、銅管22をボビン21の内層から上方に引き出しを行った。
評価結果を表1に示す。表1は、引き出し時に銅管53が引っかかりを生じた回数を示す。
Figure 0004424225
表1より明らかなように、比較例1では、最下段で引っかかりが生じ、引っかかりは3回発生した。これに対して、実施例1では、引っかかりが生じなかった。通常、銅管の引き出し時に引っかかりが生じた場合、切断機を停止して引っかかりを解消した後、切断機を再起動させなければならない。しかし、本発明によれば、引っかかりが生じないので、効率よく作業を行うことができる。
また、ETTS方式は、図7に示したように、一旦上方に銅管35を引き上げ、ガイド34を通して、再び銅管35を下方に下げて、切断機に銅管35を通す必要がある。ガイド34は床面から2.5〜3.5m程度の高さにあるため、梯子等を用いて銅管を通す作業が必要になる。しかし、本発明によれば、銅管53を水平に引き出すことができるため、銅管53を切断機まで導く作業性の向上度合いが大きい。
次に、本発明の実施例2について説明する。上述した第1の実施の形態に係る包装体1を、LWC52の引き出し面のコイル中心とガイド54の入り口の中心とを結ぶ線と、LWC52の中心軸との間の角度θを変えて作製し、引き出し容易性(引っかかり回数)の評価を行った。ここでは、LWC52の1個あたりの平均重量を160kgとし、それぞれ1コイルについてテストを行った。用いた銅管は実施例1と同様である。評価結果を表2に示す。
Figure 0004424225
表2に示される通り、角度θが15度および30度のときは、引っかかりが発生しなかった。また、角度θが45度のときは、1回だけ引っかかりが発生した。一方、角度θが55度のときには、3回引っかかりが発生した。これより、角度θは45度以下であることが好ましく、30度以下であることがより好ましいことがわかる。
[第2の実施の形態]
(包装体の構成)
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る包装体を示す斜視図である。この包装体1は、第1の実施の形態において、パレット51に代えて、上面に傾斜を設けたパレット80を用いた構成にしたものであり、その他の構成は第1の実施の形態と同様である。切断機のパスラインが引き出しラインよりも上方にある場合、本実施の形態のように、パレット80に傾斜を付けることにより、銅管53が円滑に引き出しやすくなる。
[他の実施の形態]
図4では、パレット80に傾斜を付けたが、図1の傾斜のないパレット51上に緩衝材の厚みを調節すること等によりLWC52に傾斜をつけて搭載することで第2の実施の形態に係る包装体と同様の効果を得ることができる。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想を逸脱あるいは変更しない範囲内で種々な変形が可能である。
本発明の第1の実施の形態に係るレベルワウンドコイルの包装体を示す斜視図である。 製造途中の包装体を示す斜視図である。 パレットの他の構成例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る包装体を示す斜視図である。 従来の銅管引き出し装置を示し、(a)は縦型アンコイラー、(b)は横型アンコイラーの斜視図である。 図5に示したボビンに巻き付けられたLWCの詳細構成を示す図である。 ETTS法による銅管の引き出し方法を示す説明図である。 LWCの巻き解き方法の一例を示す断面概略図である。 下端の銅管の引き出しを容易にした巻き解き方法を示す断面概略図である。 下端の銅管の引き出しを容易にした巻き解き方法を示す断面概略図である。
符号の説明
1 包装体
10A 銅管引き出し装置(縦型アンコイラー)
10B 銅管引き出し装置(横型アンコイラー)
11 ガイド
12 ターンテーブル
13 ガイド
21 ボビン
22 銅管
22a 始端の銅管
22b 下端の銅管
23 内胴
24 側板
30 LWC集合体
31 パレット
31a 角材
31b 木製板材
33 緩衝材
34 ガイド
35 銅管
41 銅管
41a 始端の銅管
41b 下端の銅管
51 パレット
51a 角材
51b 木製板材
52 LWC
53 銅管
54 ガイド
55 樹脂フィルム
56,60,61 緩衝材
63 銅(銅合金)テープ
70 固定台
80 パレット

Claims (1)

  1. 銅管を整列巻きにしたレベルワウンドコイルの1または複数を、前記レベルワウンドコイルのコイル中心軸がパレットの搭載面に平行になるようにして前記パレットに搭載し、
    前記1または複数のレベルワウンドコイルの端面の内側から前記銅管を引き出して供給する管供給方法であって、
    前記レベルワウンドコイルから引き出された前記銅管を中空のガイド内を通して前記供給を行うと共に、前記レベルワウンドコイルの引き出し面のコイル中心と前記ガイドの入り口の中心とを結ぶ線と、前記レベルワウンドコイルの中心軸との間の角度が15°以上30°以下であることを特徴とするレベルワウンドコイルからの管供給方法。
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