JP2004291534A - テープ印刷装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】ラベルテープを使用した場合であってもラベル領域の形状に限定されないラベルを得ることができる。また、ラベルテープを有効に利用する。
【解決手段】印刷データである文字列を入力する際に、文字列の任意の位置にハーフカット位置を指定してハーフカット&改ブロックコードを入力する。そして入力されたハーフカット&改ブロックコードに基づくハーフカット位置を記憶する。印刷実行時に、ラベルテープ11のラベル領域12の範囲内において、記憶されたハーフカット位置に基づいて印刷される文字列の後端部にハーフカットを施す。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長尺テープ状の印刷媒体に対して印刷対象データを印刷することができる印刷装置、及びプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
裏面に接着剤が予め塗布された粘着性の被印刷シートと剥離紙とが剥離可能に重ね合わされた印刷テープの被印刷シート表面に所望の文字列を印刷する印刷装置が知られている。この種の印刷装置では、テープ表面に表題やタイトル名を、その場でかつきれいに印刷でき、その後書類ファイルの背表紙やビデオテープの背面などに粘着できるなどの使い勝手の良さから、業務用或いは家庭用を問わず広く利用されている。
【0003】
この種の印刷装置に使用される印刷テープとしては、テープ幅の異なる印刷テープがあるとともに、通常の印刷テープの他に裏面に接着剤が塗布された粘着性の被印刷シートと剥離紙とが剥離可能に重ね合わされ、被印刷シートにはこれを印刷が行われるラベル領域とそれ以外の周囲領域とに分断する切断ラインが予め形成されたラベルテープ等があり、そのテープ種別は多様である。
【0004】
通常の印刷テープにおいては、印刷後に必要な長さに応じて印刷テープをカットして使用することになるが、印刷テープがカットされた状態では、被印刷シートと剥離紙とが密着しているために剥離紙から被印刷シートを剥離する作業が煩雑である。そこで剥離シートにカットを施さず被印刷シートのみにカットを施すハーフカット機構を備える印刷装置等が提案されている(特許文献1参照)。印刷テープにハーフカットを施すことにより、印刷テープのハーフカットが施された位置を湾曲させるだけで、被印刷シートが剥離紙の端部から剥離するため、剥離紙から被印刷シートを容易に剥離することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−277824号公報
【0006】
【発明の解決しようとする課題】
しかしながら、前述したラベルテープにはラベル領域の被印刷シートを剥離紙から剥離するための切断ラインが予め形成されているため、被印刷シートを容易に剥離するためのハーフカットをラベルテープに施す必要がない。そこでラベルテープに対しては一切ハーフカットを施さないようにすることが考えられる。しかしながら、ハーフカットを一切行わないとするとラベルテープを使用して作成されるラベルの形状はラベル領域の形状に限定され、ラベル領域の形状の一部を利用して様々なラベルを作成したいというユーザのニーズに応えることができなくなる。また、ラベルテープにおいては1回の印刷で1つのラベルが消費される。そのため印刷される文字が少なく、ラベル領域に十分な余白ある場合であってもラベルを1枚消費してしまうことになるため、ラベルテープを有効に利用できない場合がある。
【0007】
そこで本発明は、ラベルテープを使用した場合であってもラベル領域の形状に限定されないラベルを作成することができるとともに、ラベルテープを有効に利用することができるテープ印刷装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記目的を達成するために請求項1に記載のテープ印刷装置は、長尺テープ状の印刷媒体として、長尺状の支持テープ上に印刷対象であるラベル領域が前記支持テープの長手方向に複数配列されたラベルテープを使用可能なテープ印刷装置であって、前記印刷媒体の前記ラベル領域内に対して前記ラベル領域側から施されるハーフカット位置を記憶するためのハーフカット位置記憶手段を備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項7に記載のプログラムは、長尺テープ状の印刷媒体として、長尺状の支持テープ上に印刷対象であるラベル領域が前記支持テープの長手方向に複数配列されたラベルテープを使用可能な前記テープ印刷装置を、前記印刷媒体の前記ラベル領域内に対して前記ラベル領域側から施されるハーフカット位置を記憶するためのハーフカット位置記憶手段として機能させることを特徴とする。
【0010】
請求項1、請求項7によると、ラベルテープが使用されるテープ印刷装置において、ラベルテープにハーフカットを施すことができるため、ラベル領域の形状に限定されないラベルを得ることができる。また、1つのラベル領域に複数枚のラベルを作成することができるため、ラベルテープを有効に利用することができる。
【0011】
請求項2に記載のテープ印刷装置は、印刷を終了する位置に基づいて規定された位置がハーフカット位置として前記ハーフカット位置記憶手段に記憶されることを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載のプログラムは、印刷を終了する位置に基づいて規定された位置がハーフカット位置として前記ハーフカット位置記憶手段に記憶されることを特徴とする。
【0013】
請求項2、請求項8によると、ラベルテープが使用されるテープ印刷装置において、ラベル領域に限定されることなく印刷直後にハーフカットを施すことができるため、ラベル領域の形状に限定されないラベルを得ることができる。また、1つのラベル領域に文字列毎に複数のラベルを作成することができるため、ラベルテープを有効に利用することができる。
【0014】
請求項3に記載のテープ印刷装置は、フルカット位置を記憶するためのフルカット位置記憶手段と、前記フルカット位置記憶手段に記憶されたフルカット位置における前記ラベルテープへのフルカット命令を生成するためのフルカット命令生成手段とをさらに備え、前記フルカット命令生成手段は、前記ラベル領域外に対応したフルカット位置における前記テープへのフルカット命令を生成することを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載のプログラムは、テープ印刷装置を、フルカット位置を記憶するためのフルカット位置記憶手段、及び、前記フルカット位置記憶手段に記憶されたフルカット位置における前記ラベルテープへのフルカット命令を生成するためのフルカット命令生成手段としてさらに機能させ、前記フルカット命令生成手段は、前記ラベル領域外に対応したフルカット位置における前記テープへのフルカット命令を生成することを特徴とする。
【0016】
請求項3、請求項9によると、ラベルテープが使用されるテープ印刷装置において、ラベルテープのラベル領域間にフルカットを施すことでラベル領域毎にラベルを作成することができる。
【0017】
請求項4に記載のテープ印刷装置は、長尺テープ状の印刷媒体として、長尺状の支持テープ上に印刷対象であるラベル領域が前記支持テープの長手方向に複数配列されたラベルテープと、長尺テープ状の受像媒体の任意の位置に印刷可能なノーマルテープとが使用可能なテープ印刷装置であって、印刷するためのデータを記憶する印刷データ記憶手段と、前記印刷データ記憶手段に記憶された印刷データに基づいて、前記印刷媒体に対して印刷される面側から施されるハーフカット位置を記憶するハーフカット位置記憶手段と、使用中の印刷媒体の種類を判断するための判断手段と、使用中の前記印刷媒体が前記ラベルテープであると前記判断手段が判断した場合、前記ハーフカット位置記憶手段に記憶されたハーフカット位置のうち、前記ラベル領域のテープ給送方向における一端部から被印刷部分を介して所定間隔だけ離れた位置で前記印刷媒体へのハーフカット命令を生成するためのハーフカット命令手段とを備えていることを特徴とする。
【0018】
請求項10に記載のプログラムは、長尺テープ状の印刷媒体として、長尺状の支持テープ上に印刷対象であるラベル領域が前記支持テープの長手方向に複数配列されたラベルテープと、長尺テープ状の受像媒体の任意の位置に印刷可能なノーマルテープとが使用可能なテープ印刷装置を、印刷するためのデータを記憶する印刷データ記憶手段、前記印刷データ記憶手段に記憶された印刷データに基づいて、前記印刷媒体に対して印刷される面側から施されるハーフカット位置を記憶するハーフカット位置記憶手段、使用中の印刷媒体の種類を判断するための判断手段、及び、使用中の前記印刷媒体が前記ラベルテープであると前記判断手段が判断した場合、前記ハーフカット位置記憶手段に記憶されたハーフカット位置のうち、前記ラベル領域のテープ給送方向における一端部から被印刷部分を介して所定間隔だけ離れた位置で前記印刷媒体へのハーフカット命令を生成するためのハーフカット命令手段として機能させることを特徴とする。
【0019】
請求項4、請求項10によると、ノーマルテープとラベルテープとが使用されるテープ印刷装置において、ラベルテープが使用される場合に、ラベルテープにハーフカットを施すことができるため、ラベル領域の形状に限定されないラベルを得ることができる。また、1つのラベル領域に複数枚のラベルを作成することができるため、ラベルテープを有効に利用することができる。
【0020】
請求項5に記載のテープ印刷装置は、使用中の前記印刷媒体が前記ラベルテープであると前記判断手段が判断した場合には、印刷を終了する位置に基づいて規定された位置がハーフカット位置として前記ハーフカット位置記憶手段に記憶されることを特徴とする。
【0021】
請求項11に記載のプログラムは、使用中の前記印刷媒体が前記ラベルテープであると前記判断手段が判断した場合には、印刷を終了する位置に基づいて規定された位置がハーフカット位置として前記ハーフカット位置記憶手段に記憶されることを特徴とする。
【0022】
請求項5、請求項11によると、ノーマルテープとラベルテープとが使用されるテープ印刷装置において、ラベルテープが使用される場合に、ラベル領域に限定されることなく印刷直後にハーフカットを施すことができるため、ラベル領域の形状に限定されないラベルを得ることができる。また、1つのラベル領域に文字列毎に複数のラベルを作成することができるため、ラベルテープを有効に利用することができる。
【0023】
請求項6に記載のテープ印刷装置は、フルカット位置を記憶するためのフルカット位置記憶手段と、前記フルカット位置記憶手段に記憶されたフルカット位置における前記ラベルテープへのフルカット命令を生成するためのフルカット命令生成手段とをさらに備え、前記フルカット命令生成手段は、使用中の前記印刷媒体が前記ラベルテープであると前記判断手段が判断した場合には、前記ラベル領域外に対応したフルカット位置における前記ラベルテープへのフルカット命令を生成することを特徴とする。
【0024】
請求項12に記載のプログラムは、テープ印刷装置を、フルカット位置を記憶するためのフルカット位置記憶手段、及び、前記フルカット位置記憶手段に記憶されたフルカット位置における前記ラベルテープへのフルカット命令を生成するためのフルカット命令生成手段としてさらに機能させ、前記フルカット命令生成手段は、使用中の前記印刷媒体が前記ラベルテープであると前記判断手段が判断した場合には、前記ラベル領域外に対応したフルカット位置における前記ラベルテープへのフルカット命令を生成することを特徴とする。
【0025】
請求項6、請求項12によると、ノーマルテープとラベルテープとが使用されるテープ印刷装置において、ラベルテープが使用される場合に、ラベルテープのラベル領域間にフルカットを施すことでラベル領域毎にラベルを作成することができる。
【0026】
なお、請求項7から12に記載されているプログラムは、CD−ROM、MOなどのリムーバブル型記録媒体やハードディスク等の固定型記録媒体に記録して配布可能である他、有線または無線の電気通信手段によってインターネットなどの通信ネットワークを介して配布可能である。
【0027】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態>
以下、本発明に係る第1の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施の形態に係るテープ印刷装置1の外観図である。図1に示すように、テープ印刷装置1の前部の表面にはディスプレイ2とキーボード3とが配置されている。テープ印刷装置1の後部には開閉可能なカバーが設けられ、その内側には印刷ヘッド4(図3参照)を備えたカセット装着部7(図4参照)とが配置されている。
【0028】
テープ印刷装置1の被印刷媒体である印刷テープ10は、表面側に文字や記号が印刷される被印刷面を有し、裏面側に粘着材層を有する長尺テープ状の印刷媒体である被印刷シートと、シリコーン樹脂等により処理された離型性表面を有する剥離シートとを、剥離可能な積層させたものである。印刷テープ10は、ロール状に巻き回された状態でテープカセット8に収納され、このテープカセット8はテープ印刷装置1にカセット装着部7により着脱自在に装着される。印刷テープ10はこのテープ印刷装置1の内部でテープカセット8から引き出されて印刷された後に適切な長さで切断される。切断された印刷テープ10は被印刷シートから剥離シートを剥離されることにより、所望の物品に貼り付け可能なラベルとして用いることができる。このような通常の印刷テープ10をノーマルテープという。
【0029】
次に、印刷テープ印刷装置1で使用される印刷テープ10の一つであるラベルテープ11について図2を参照しつつ説明する。図2は、ラベルテープ11を印刷面側から見た外観図である。ラベルテープ11は印刷テープ10の表面に被印刷面を有し、裏面に粘着剤層を有する被印刷シートと、離型性表面を有する剥離シートとが剥離可能に重ね合わされ、前記被印刷シートは、四隅を曲線状に面取りした矩形状等の所定の平面形状を有するラベル領域12と周囲領域13とを有し、ラベル領域12と周囲領域13との間には切断ライン14によりお互いが分離可能に切断されている。ラベル領域12は、剥離シートから剥離して目的物に貼り付けることによりラベルとして使用することができる。尚、ラベル領域12は矩形状のものだけでなく、円形状のものなど様々な形状のものがある。
【0030】
次にテープ印刷装置1の構成について図3を参照しつつ説明する。図3は、テープ印刷装置1の構成を示すブロック図である。テープ印刷装置1は、ディスプレイ2と、キーボード3と、印刷ヘッド4と、制御部6と、図示しないカセット装着部7とを有している。ディスプレイ2は、周知の液晶ディスプレイから構成される。
【0031】
キーボード3は、テープ印刷装置1の表面に配置され、印刷しようとする文字の入力を行うテキストキー及び決定キー、カーソルの移動を行うカーソルキー、後述するハーフカット位置を指定するハーフカット&改ブロックキー、及びテープ印刷装置1の各種機能を呼び出す機能割付けキー(カット設定キー、印刷キー等)から構成される。
【0032】
印刷ヘッド4は、カセット装着部7内に設けられ、テープカセット8の側面に設けられたテープ露出部に対応する位置に配置されている。印刷ヘッド4には、制御部6により電気的にコントロールされる発熱素子が印刷テープ10の幅方向(印刷テープの長手方向に対して垂直の方向)に沿って多数配置されている。
【0033】
制御部6は、CPU(Central Processing Unit)61と、ROM(Read Only Memory)62と、RAM(Random Access Memory)63と、データバス65と、インターフェースユニット66とから構成される。CPU61は、各種コマンドに従って演算処理を行う中央演算処理装置である。ROM62は、CPU61により、図3の各機能部を実行し、図7から図10のフローチャートを動作させるための演算プログラムが格納されている不揮発性の読出し専用メモリである。RAM63は、CPU61がプログラムを実行する際に使用するデータを一時記憶するための揮発性のメモリである。
【0034】
インターフェースユニット66は、モジュールとして分離された装置と制御部6を直接的、間接的に電気的接続する接続部である。また、データバス65は、CPU61と、ROM62と、RAM63と、インターフェースユニット66とを、それぞれ電気的に接続するデータ転送用ライン群である。制御部6内の全ての転送データはデータバス65を介して転送される。
【0035】
次に、テープ印刷装置1の印刷機構について図4を参照しつつ説明する。図4はテープ印刷装置1内部のカセット装着部7を拡大して示す平面図である。テープカセット8は、テープ印刷装置1内のカセット装着部7に着脱自在に装着される。また、テープカセット8は、上方が開放された箱型の下側部材80の上方に図示しない上側部材を互いに組み付けて構成されており、下側部材80の内部には第1スプール82と、第2スプール83と、第3スプール84と、プラテンローラ85と、圧着ローラ86と、搬送ローラ87とが設けられている。搬送ローラ87は、テープカセット8がカセット装着部7に装着された際に、当該カセット装着部7に配置された図示しない駆動モータとの間で回転駆動力伝達経路が形成されるように配置される。下側部材80の内側には、テープカセット8をカセット装着部7に装着した際に印刷ヘッド4を収容するための中空部であるヘッド収容部89が形成されている。印刷ヘッド4は、テープカセット8を装着すると、ヘッド収容部89内に挿入され、かつプラテンローラ85と接する位置に配置される。印刷テープ10は、ロール状に巻回された状態で第1スプール82に組み付けられている。印刷テープ10には、その幅やラベル領域の形状が異なる複数の種類が存在する。
【0036】
テープカセット8の下側部材80の外側底面には、2つの孔88が施されている。本実施の形態ではテープの種類判別の箇所は4つであり、そのうち中央の2箇所のみに孔88が施され、両側2箇所には孔が施されていない。したがって、テープカセット8をテープ装着部7に装着すると、テープ装着部7内側底面に設けられた図示しないテープ種類検出装置に備えられた4つのピンのうち、中央の2つはテープカセット8底面に施された2つの孔88に貫挿されるが、両側の2つはバネの弾性力に抗してテープカセット8の底面により押圧される。なお、テープカセット8に施される孔88の配置パターン、即ち4箇所に孔88を施すか施さないかの組み合わせはテープの種類毎に異なる。後述するテープ種判断部103は各ピンが押圧されたか否かを検出することによって、装着されているテープカセット8の種類を判別し、これによって、装着されている印刷テープ10の種類を判断する。
【0037】
テープカセット8がテープ装着部7に装着されている場合に、図示しない駆動モータが回転すると、駆動モータと接続されている搬送ローラ87が図4の矢印で示すように時計回りに回転する。そしてテープカセット8の第1スプール82に巻回された印刷テープ10は、搬送ローラ87の回転により生じた駆動力によって巻き解かれつつ、図4の矢印で示す方向に搬送される。第1スプール82から巻き解かれた印刷テープ10は、第2スプール83及び第3スプール84に案内されつつ、プラテンローラ85により印刷ヘッド4と圧接し、圧着ローラ86は搬送ローラ87と圧接する。
【0038】
このようにして、プラテンローラ85と印刷ヘッド4とによって挟持された状態で印刷テープ10が搬送されつつ、印刷ヘッド4に配設された発熱素子に選択的且つ間欠的に通電されることにより所望の画像が形成される。そして所望の画像が形成された後、印刷テープ10は上述のように互いに圧接された搬送ローラ87と圧着ローラ86との間を通過し外部に排出される。外部に排出された印刷テープ10は、テープカッタ71により所望の位置でカットを施される。
【0039】
次に、テープ印刷装置1の各機能部の構成について説明する。テープ印刷装置1は、RAM63によって構成される文字列記憶部(印刷データ記憶手段)91と、カット位置記憶部(フルカット位置記憶手段、ハーフカット位置記憶手段)92と、CPU61によって構成されるカット実行部(フルカット命令生成手段、ハーフカット命令生成手段)101と、カット位置追加部102と、テープ種判断部(判断手段)103とを有している。
【0040】
文字列記憶部91は、RAM63上に構成され、ユーザによりキーボード3から入力された印刷対象となる文字列データを記憶するものである。文字列データは各文字データにより構成され、各文字データはROM62に記憶されているフォントデータに対応したテキストコードと、文字の修飾内容や文字サイズ等を示すデータとから構成される。
【0041】
カット位置記憶部92は、RAM63上に構成され、印刷テープ10に対してカットが施される位置を記憶するものである。印刷テープに施されるカットにはフルカットと、ハーフカットとがある。フルカットは剥離シート及び被印刷シートに対してカットを施す作業である。ハーフカットは被印刷シートのみに対してカットを施す作業である。フルカットを施す位置をフルカット位置、ハーフカットを施す位置をハーフカット位置としてカット位置追加部102により夫々カット位置記憶部92に記憶される。
【0042】
カット実行部101は、カッター71により印刷テープ10に対してフルカットまたはハーフカットを施させるものである。フルカットまたはハーフカットは、カット位置記憶部92に記憶されているフルカット位置またはハーフカット位置に基づいてなされる。
【0043】
具体的には、印刷実行時に印刷ヘッド4により印刷テープ10上に所望の文字列の画像が形成された後に、カット位置記憶部92に記憶されている印刷テープ10上のフルカット位置またはハーフカット位置がテープカッタ71の位置にまで到達するように印刷テープ10を搬送させた後にテープカッタ71によりフルカットまたはハーフカットを施させる。尚、テープラベル11においては、フルカットはラベルテープ11の長手方向におけるラベル領域12の範囲外に、ハーフカットはラベルテープ11の長手方向におけるラベル領域12の範囲内になるように施される。
【0044】
カット位置追加部102は、ユーザの操作に基づいてフルカット位置またはハーフカット位置を夫々カット位置記憶部92に記憶させるものである。カット位置追加部102によりフルカット位置またはハーフカット位置を記憶させる方法には、カット位置設定によりフルカット位置またはハーフカット位置を記憶させる方法と、文字列データにハーフカット&改ブロックコードを入力することによりハーフカット位置を記憶させる方法とがある。
【0045】
まず、カット位置設定によりフルカット位置またはハーフカット位置を記憶させる方法について図5を参照しつつ説明する。図5は、カット位置設定を行う際に表示されるカット位置設定画面110の外観図である。キーボード3の機能割付けキーの一つであるカット設定キーを押下することによりディスプレイ2に図5(a)〜(d)に示すカット位置設定画面110が表示される。カーソルキーを押下する毎に、位置設定画面110の設定内容が図5(a)〜(d)の順に変更される。
【0046】
カット位置設定画面110は、フルカット位置またはハーフカット位置の設定内容を図示しており、図5(a)は、印刷される文字列間にフルカットを施す設定内容を、図5(b)は、印刷される文字列間にハーフカットを施す設定内容を、図5(c)は、印刷される文字列の一端にハーフカットを施し、他端にフルカットを施す設定内容を、図5(d)は、ハーフカット及びフルカットを施さない設定内容を夫々示している。尚、破線部はハーフカットを示している。ユーザは、カーソルキーを押下することにより希望する設定内容の位置設定画面110をディスプレイ2に表示させ、さらに決定キーを押下することによって設定内容を確定させることができる。設定内容が確定すると文字列記憶部91に記憶されている文字列に対応したハーフカット位置及びフルカット位置が夫々カット位置記憶部92に記憶される。
【0047】
位置設定画面110において、後述するテープ種判断部103により装着されている印刷テープ10がノーマルテープと判断された場合には、図5(a)〜(d)に示される設定内容が表示されるが、テープ種判断部103により装着されている印刷テープ10がラベルテープ11と判断された場合には、図5(a)及び図5(d)に示される設定内容のみが表示される。つまり、ラベルテープ11を使用する場合にはハーフカット位置を記憶させることができないようになっている。そして、フルカット位置はラベルテープ11の長手方向におけるラベル領域12の範囲外になるようにカット位置記憶部92に記憶される。
【0048】
次に、文字列データにハーフカット&改ブロックコードを入力することによりハーフカット位置を記憶させる方法について、図6を参照しつつ説明する。図6は、ラベルテープ11における、文字列データにハーフカット&改ブロックコードを入力した場合の印刷例である。尚、破線部はハーフカットを表している。
図6に示すように、印刷対象となる文字列データにハーフカット&改ブロックコードを入力することにより、文字列上の任意の位置にハーフカットを施すことができる。ハーフカット&改ブロックコードを入力するには、印刷対象となる文字列の入力時に、ハーフカットを施したい文字列上の任意の位置にカーソルを移動させるとともにキーボード3のハーフカット&改ブロックキーを押下すればよい。図6の場合の入力コードは、’A’’B’’C’’HB’’D’’E’’CR’’F’’G’’HB’’H’’I’’J’’K’’L’’HB’となっている。’HB’はハーフカット&改ブロックコードを、’CR’は改行コードを夫々示している。この例では「ABC」と「DEFG」との間と、「DEFG」と「HIJKL」との間と、「HIJKL」の後端部に夫々ハーフカット&改ブロックコードが入力されている。
【0049】
ハーフカット&改ブロックコードが入力されると、ハーフカット&改ブロックコードを基準として文字列データがブロック化される。ブロック化とは、文字列データの入力領域を独立した入力編集単位として区画化されることである。図6の例では「ABC」、「DEFG」、及び「HIJKL」が夫々独立したブロックとして区画されている。そして、印刷実行時には、文字列記憶部91からハーフカット&改ブロックコードが読み出され、文字列記憶部91に記憶されている各ブロックに対応したハーフカット位置がカット位置記憶部92に記憶される。
【0050】
そして、カット位置設定による方法と異なり、テープ種判断部103により装着されている印刷テープ10がラベルテープ11と判断された場合であってもハーフカット&改ブロックコードを入力することが可能である。尚、ラベルテープ11にハーフカットを施す場合には、図6に示すようにラベルテープ11の長手方向におけるラベル領域12の範囲内にのみハーフカットが施されるようなハーフカット位置が記憶される。
【0051】
テープ種判断部103は、カセット装着部7に装着されたテープカセット8に収納されている印刷テープ10の種類を判断するものである。テープカセット8は下側部材80の外側底面に施された複数の孔88の配置パターンにより収納している印刷テープ10の種類を示している。印刷テープ10の種類を判断は、テープ装着部7内側底面に設けられたテープ種類検出装置に備えられた4つのピンにより孔88の配置パターンを認識することで判断される。
【0052】
次に、テープ印刷装置1の処理手順について、図面を参照しつつ説明する。まず、テープ印刷装置1の全体の処理手順について図7を参照しつつ説明する。図7はテープ印刷装置1の全体の処理手順を示すフローチャートである。
電源投入により制御装置が動作開始となる。まず、ステップS10(以下、S10と略す。他のステップも同様)に移行し、テープ印刷装置1全体の初期化を行う。具体的には、CPU61、RAM63及びインターフェース66の動作チェックや初期化を行い、更にインターフェース66に接続されているディスプレイ2や印刷ヘッド4の動作チェックやハードウェアの初期化を行う、異常がなければ、RAM63に格納するデータや各部機能の初期化を行う。これらが完了すればディスプレイ2に操作画面を表示させる。
【0053】
その後、S11に移行し、ユーザによりキーボード3からキー入力がされたか否かを判断する。ユーザはディスプレイ2に表示された表示画面を見ながらキーボード3によりキー入力を行うことで、文字列記憶部91に記憶される文字列の文字入力や、テープ印刷装置1の操作が可能となる。テープ印刷装置1は、初期化完了時には文字列の入力が可能な状態で待機しており、ユーザは対象印刷となる文字列をキーボード3に配置されるテキストキーで入力することができる。また、入力待機状態においても印刷キー等の各機能を呼び出す機能割付けキーを入力することで各機能を呼び出すことができる。ユーザによりキーが入力された場合には(S11:YES)、入力されたキーのキーコードをRAM63の作業エリアに記憶してS12に移行する。ユーザによりキーが入力されていない場合には(S11:NO)、再びS11に移行してユーザによるキー入力を待機する。
【0054】
S12では、RAM63の作業エリアに記憶されているS11において入力されたキーのキーコードから、入力されたキーがテキストキーか否かを判断する。S11において入力されたキーがテキストキーである場合には(S12:YES)、S13に移行して入力編集処理を行う。ここで入力編集処理とは、S11において記憶されているキーコードからキーコードに対応しているテキストコードを導出し、そのテキストコードを文字データとして文字列記憶部91に格納する作業である。入力編集処理が完了すると、再びS11に移行してユーザによるキー入力があるまで待機する。S11において入力されたキーがテキストキーでない場合には(S12:NO)、S14に移行する。
【0055】
S14では、S11において入力されたキーがカット設定キーか否かを判断する。S11において入力されたキーがカット設定キーである場合には(S14:YES)、S15に移行して後述するカット位置設定を行う(図8参照)。カット位置の設定が完了すると、再びS11に移行してユーザによる。キー入力があるまで待機する。S11において入力されたキーがカット設定キーでない場合には(S14:NO)、S16に移行する。
【0056】
S16では、S11において入力されたキーが印刷キーか否かを判断する。S11において入力されたキーが印刷キーである場合には(S16:YES)、S17に移行して後述する印刷処理を行う(図9,10参照)。印刷処理が完了すると、再びS11に移行してユーザによるキー入力があるまで待機する。S11において入力されたキーが印刷キーでない場合には(S16:NO)、S18に移行する。
【0057】
S18では、その他の処理を実行する。その他の処理には上記以外の機能呼び出しキーに対する各処理やカーソルキーの処理等が含まれる。その他の処理が完了すると、再びS11に移行してユーザによるキー入力があるまで待機する。制御システムの終了は、テープ印刷装置1の電源スイッチを「OFF」にすることで実現される。
【0058】
次に、図7のフローチャートにおけるS15のカット位置設定の処理手順について、図8を参照しつつ説明する。図8は、カット位置設定の処理手順を示すフローチャートである。まず、S30に移行し、テープ種判断部103により、カセット装着部7に装着されているテープカセット8に収納されている印刷テープ10の種類を検出する。その後、S31に移行し、S30において検出された印刷テープ10の種類がラベルテープ11であるか否かを判断する。検出された印刷テープ10の種類がラベルテープ11でない場合には(S31:NO)、S32に移行し、カット位置追加部102によりディスプレイ2上に位置設定画面110を表示し、ユーザの操作に基づいてフルカット位置及びハーフカット位置をカット位置記憶部92に記憶させる(図5参照)。フルカット位置及びハーフカット位置をカット位置記憶部92に記憶させればカット位置設定を終了する。その後、図8のフローチャートを終了し、図7のフローチャートのS11に移行し、ユーザによるキー入力があるまで待機する。
【0059】
検出された印刷テープ10の種類がラベルテープ11である場合には(S31:YES)、S33に移行し、カット位置追加部102によりディスプレイ2上にフルカットの設定内容を示す位置設定画面110を表示し、ユーザの操作に基づいてフルカット位置のみをカット位置記憶部92に記憶させる(図5(a)参照)。フルカット位置をカット位置記憶部92に記憶させればカット位置設定を終了する。その後、図8のフローチャートを終了し、図7のフローチャートのS11に移行し、ユーザによるキー入力があるまで待機する。
【0060】
次に、図7のフローチャートにおけるS17の印刷処理の処理手順について、図9,10を参照しつつ説明する。図9,10は、印刷処理の処理手順を示すフローチャートである。まず、S40に移行し、テープ種判断部103によりカセット装着部7にテープカセット8が装着されているか否かを判断する。カセット装着部7にテープカセット8が装着されていないと判断された場合には(S40:NO)、S41に移行し、カセット装着部7にテープカセット8の装着を促すメッセージをディスプレイ2に表示させる。その後、再びS40に移行し、テープカセット8がカセット装着部7に装着されるまで繰り返す。カセット装着部7にテープカセット8が装着されている場合には(S40:YES)、S42に移行し、さらにテープ種判断部103によりカセット装着部7に装着されているテープカセット8に収納されている印刷テープ10の種類を検出する。
【0061】
その後、S43に移行し、文字列記憶部91に記憶されている文字列の印刷イメージを発生させる。ここで印刷イメージの発生とは、文字列記憶部91に記憶されている文字のキャラクタデータと、設定された文字サイズと、フォント形状と、太文字や斜体等の文字装飾やフレーム枠等の行修飾の有無とに基づいて、RAM63の作業エリア上に実際の印刷状態に即したドットパターンデータとして展開する作業である。その後、S44に移行し、S43において発生させた印刷イメージが、S42において検出されたカセット装着部7に装着されているテープカセット8に収納されている印刷テープ10の幅方向に収まるか否か判断する。印刷イメージが印刷テープ10の幅方向に収まらない場合には(S44:NO)、S45に移行し、ディスプレイ2にその旨のエラー内容を表示する。その後、図9,10のフローチャートを終了し、図7のフローチャートのS11に移行し、ユーザによるキー入力があるまで待機する。
【0062】
S44において、印刷イメージが印刷テープ10の幅方向に収まる場合には(S44:YES)、S46に移行し、印刷イメージが印刷範囲のテープの長手方向に収まるか否か判断する。印刷イメージが印刷範囲のテープの長手方向に収まらない場合には(S46:NO)、S47に移行し、S42において検出された印刷テープ10の種類がラベルテープ11か否かを判断する。検出された印刷テープ10の種類がラベルテープ11でない場合には(S47:NO)、S45に移行し、ディスプレイ2にその旨のエラー内容を表示する。その後、図9,10のフローチャートを終了し、図7のフローチャートのS11に移行し、ユーザによるキー入力があるまで待機する。
【0063】
S47において、検出された印刷テープ10の種類がラベルテープ11である場合には(S47:YES)、S48に移行し、ラベルテープ11の1枚分のラベル領域に収まる範囲の印刷イメージを再度発生させる。その後、S49に移行し、S48において発生させた印刷イメージがラベルテープ11のラベル領域12に収まるか否かを判断する。印刷イメージがラベルテープ11のラベル領域12に収まる場合には(S49:YES)、S51に移行する。印刷イメージがラベルテープ11のラベル領域12に収まらない場合には(S49:NO)、S45に移行し、ディスプレイ2にその旨のエラー内容を表示する。その後、図9,10のフローチャートを終了し、図7のフローチャートのS11に移行し、ユーザによるキー入力があるまで待機する。
【0064】
S46において、印刷イメージが印刷範囲のテープの長手方向に収まる場合には(S46:YES)、S50に移行し、S42において検出された印刷テープ10の種類がラベルテープ11か否かを判断する。検出された印刷テープ10の種類がラベルテープ11でない場合には(S50:NO)、S52に移行する。検出された印刷テープ10の種類がラベルテープ11である場合には(S50:YES)、S51に移行し、テープラベル11を印刷開始位置にまで搬送する。ラベルテープ11は、そのラベル領域12に印刷を行うため、テープラベル11をラベル領域12の頭だし位置である印刷開始位置にまで搬送する必要がある。その後S52に移行する。
【0065】
S52においては、発生された印刷イメージの印刷を行う。具体的には、発生された印刷イメージに基づいて印刷ヘッド4にデータが転送され、印刷ヘッド4の発熱素子により印刷テープ10上に所望の文字列画像が形成されていく。その後、S53に移行し、印刷イメージの印刷が終了したか否か判断する。印刷イメージの印刷が終了していない場合には(S53:NO)、S54に移行し、印刷テープ10の搬送された位置がカット位置記憶部92に記憶されているハーフカット位置か否かを判断する。印刷テープ10の搬送された位置がハーフカット位置でない場合には(S54:NO)、S52に移行し、印刷を継続する。印刷テープ10の搬送された位置がハーフカット位置である場合には(S54:YES)、S55に移行し、印刷を一時停止する。その後S56に移行し、カット実行部101によりカット位置記憶部92に記憶されているハーフカット位置に基づいて印刷テープ10を搬送した後にハーフカットを施す。その後S52に移行し、さらに印刷を継続する。
【0066】
S53において、印刷イメージの印刷が終了した場合には(S53:YES)、S57に移行し、カット位置記憶部92に未処理のハーフカット位置が記憶されているか否かを判断する。カット位置記憶部92に未処理のハーフカット位置が記憶されている場合には(S57:YES)、S58に移行し、カット実行部101によりカット位置記憶部92に記憶されているハーフカット位置に基づいて印刷テープ10を搬送した後にハーフカットを施す。その後S57に移行し、再びカット位置記憶部92に未処理のハーフカット位置が記憶されているか否かを判断する。カット位置記憶部92に未処理のハーフカット位置が記憶されていない場合には(S57:NO)、S59に移行し、全ての印刷を完了したか否かを判断する。印刷を完了していない場合には(S59:NO)、再びS43に移行し、次の印刷イメージを生成する。全ての印刷を完了した場合には(S59:YES)、S60に移行し、カット実行部101によりカット位置記憶部92に記憶されているフルカット位置に基づいて印刷テープ10を搬送した後にフルカットを施す。その後、図9,10のフローチャートを終了し、図7のフローチャートのS11に移行し、ユーザによるキー入力があるまで待機する。
【0067】
以上、説明したように、本発明の第1の実施の形態によると、ラベル領域12に限定されることなく印刷直後にハーフカットを施すことができるため、ラベル領域12の形状に限定されないラベルを得ることができる。また、1つのラベル領域12に文字列毎に複数のラベルを作成することができるため、ラベルテープ11を有効に利用することができる。
【0068】
<第2の実施の発明>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、テープ印刷装置1Aの構成、及び全体の処理手順以外は、第1の実施の形態と実質的に同等であり、第1の実施の形態に係るテープ印刷装置1の構成、及び全体の処理手順以外の説明が適用できるため詳細は省略する。
【0069】
まず、テープ印刷装置1の構成について図11を参照しつつ説明する。図11は、テープ印刷装置1Aの構成を示すブロック図である。テープ印刷装置1Aは、ディスプレイ2と、キーボード3Aと、印刷ヘッド4と、制御部6と、図示しないカセット装着部7とを有している。ディスプレイ2は、周知の液晶ディスプレイから構成される。尚、キーボード3A以外は、第1の実施の形態に係るキーボード3以外と実質的に同等であり、第1の実施の形態の説明が適用できるため詳細は省略する。
【0070】
キーボード3Aは、テープ印刷装置1の表面に配置され、印刷しようとする文字の入力を行うテキストキー及び決定キー、カーソルの移動を行うカーソルキー、及びテープ印刷装置1の各種機能を呼び出す機能割付けキー(カット設定キー、印刷キー、ハーフカット連続印刷キー等)から構成される。
【0071】
次にテープ印刷装置1Aの各機能部の構成について説明する。尚、カット位置追加部102A以外の説明は、第1の実施の形態に係るテープ印刷装置1のカット位置追加部102以外の各機能部と実質的に同等であり、第1の実施の形態の説明が適用できるため詳細は省略する。
【0072】
カット位置追加部102Aは、ユーザの操作に基づいてフルカット位置及びハーフカット位置をカット位置記憶部92に記憶させるものである。カット位置追加部102Aによるフルカット位置またはハーフカット位置を記憶させる方法には、カット位置設定によりフルカット位置またはハーフカット位置を記憶させる方法と、ハーフカット連続印刷を実行することによりハーフカット位置を記憶させる方法とがある。
【0073】
カット位置設定によりフルカット位置またはハーフカット位置を記憶させる方法は、第1の実施の形態に係るカット位置設定によりフルカット位置またはハーフカット位置を記憶させる方法と実質的に同等であり、第1の実施の形態の説明が適用できるため詳細は省略する。
【0074】
ハーフカット連続印刷を実行することによりハーフカット位置を記憶させる方法について、図6を参照しつつ説明する。図6は、ラベルテープ11において、ハーフカット連続印刷を行った場合の印刷例と実質的に同等である。尚、破線部はハーフカットを表している。
ハーフカット連続印刷は、印刷時において、ユーザにより作成された複数のブロックから任意に選択されたブロックの後端部にハーフカットを施すものである。ここでブロックとは、独立した文字列データの入力編集単位として区画化されたものであり、文字列の入力編集時においてユーザが設定する。後端部にハーフカットを施すブロックを選択するには、文字列入力編集時において、キーボード3のハーフカット連続印刷キーを押下し、その後、後端部にハーフカットを施したいブロックを任意に選択し、決定キーにより確定する。後端部にハーフカットを施すブロックの選択が確定されると、各ブロックの位置に基づいて決定されるハーフカット位置がカット位置記憶部92に記憶される。
【0075】
そして、カット位置設定による方法と異なり、テープ種判断部103により装着されている印刷テープ10がラベルテープ11と判断された場合であってもハーフカット位置を記憶することが可能である。尚、ラベルテープ11にハーフカットを施す場合には、図6に示すようにラベルテープ11の長手方向におけるラベル領域12の範囲内にのみハーフカットが施されるようなハーフカット位置が記憶される。
【0076】
以上、説明したように、本発明の第2の実施の形態によると、ラベル領域12に限定されることなく印刷直後にハーフカットを施すことができるため、ラベル領域12の形状に限定されないラベルを得ることができる。また、1つのラベル領域12に文字列毎に複数のラベルを作成することができるため、ラベルテープ11を有効に利用することができる。
【0077】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、第1及び第2の実施の形態では、印刷されるブロック(文字列)の後にハーフカットを施す構成であるが、このような構成に限定されるものではなく、文字列とは無関係に所定の距離に基づいて規定された位置にハーフカットを施すような構成でもよい。
【0078】
また、第1及び第2の実施の形態では、印刷後にテープカッタ71によりフルカットを施すことが可能な構成であるが、このような構成に限定されるものではなく、テープカッタ71によりフルカットを施すことができない構成でもよい。
【0079】
また、第1及び第2の実施の形態では、ラベルテープ11において、ラベル領域12の範囲外にのみフルカットを施す構成であるが、このような構成に限定されるものではなく、ハーフカットと同様に任意の位置でフルカットを施すことができる構成でもよい。
【0080】
また、第1及び第2の実施の形態では、テープ種判断部103を設けてノーマルテープとラベルテープ11とが使用可能な構成であるが、このような構成に限定されるものではなく、テープ種判断部103を備えないラベルテープ11のみが使用可能な専用機としての構成でもよい。
【0081】
また、第1及び第2の実施の形態では、テープ印刷装置がスタンドアローン型として構成されたものであるが、このような構成に限定されるものではなく、テープ印刷装置の制御部またはその一部を、テープ印刷装置接続されるパーソナルコンピュータ上で機能するプログラムにより実現する構成でもよいし、パーソナルコンピュータ以外の装置に制御部またはその一部を組み込むような構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るテープ印刷装置の外観図である。
【図2】図1に示すテープ印刷装置により印刷可能なラベルテープを印刷面側から見た外観図である。
【図3】図1に示すテープ印刷装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示すテープ印刷装置のカセット装着部を示す平面図である。
【図5】図1に示すテープ印刷装置のカット設定画面の外観図である。
【図6】図1に示すテープ印刷装置により文字列データにハーフカット&改ブロックコードを入力した場合の印刷例である。
【図7】図1に示すテープ印刷装置における全体の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図1に示すテープ印刷装置における印刷処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図1に示すテープ印刷装置におけるカット位置設定の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図1に示すテープ印刷装置におけるカット位置設定の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態に係るテープ印刷装置の内部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 テープ印刷装置
2 ディスプレイ
3 キーボード
6 制御部
8 テープカセット
10 印刷テープ
11 ラベルテープ
101 カット実行部
102 カット位置追加部

Claims (12)

  1. 長尺テープ状の印刷媒体として、長尺状の支持テープ上に印刷対象であるラベル領域が前記支持テープの長手方向に複数配列されたラベルテープを使用可能なテープ印刷装置であって、
    前記印刷媒体の前記ラベル領域内に対して前記ラベル領域側から施されるハーフカット位置を記憶するためのハーフカット位置記憶手段を備えていることを特徴とするテープ印刷装置。
  2. 印刷を終了する位置に基づいて規定された位置がハーフカット位置として前記ハーフカット位置記憶手段に記憶されることを特徴とする請求項1に記載のテープ印刷装置。
  3. フルカット位置を記憶するためのフルカット位置記憶手段と、
    前記フルカット位置記憶手段に記憶されたフルカット位置における前記ラベルテープへのフルカット命令を生成するためのフルカット命令生成手段とをさらに備え、
    前記フルカット命令生成手段は、前記ラベル領域外に対応したフルカット位置における前記テープへのフルカット命令を生成することを特徴とする請求項1または2に記載のテープ印刷装置。
  4. 長尺テープ状の印刷媒体として、長尺状の支持テープ上に印刷対象であるラベル領域が前記支持テープの長手方向に複数配列されたラベルテープと、長尺テープ状の受像媒体の任意の位置に印刷可能なノーマルテープとが使用可能なテープ印刷装置であって、
    印刷するためのデータを記憶する印刷データ記憶手段と、
    前記印刷データ記憶手段に記憶された印刷データに基づいて、前記印刷媒体に対して印刷される面側から施されるハーフカット位置を記憶するハーフカット位置記憶手段と、
    使用中の印刷媒体の種類を判断するための判断手段と、
    使用中の前記印刷媒体が前記ラベルテープであると前記判断手段が判断した場合、前記ハーフカット位置記憶手段に記憶されたハーフカット位置のうち、前記ラベル領域のテープ給送方向における一端部から被印刷部分を介して所定間隔だけ離れた位置で前記印刷媒体へのハーフカット命令を生成するためのハーフカット命令手段とを備えていることを特徴とするテープ印刷装置。
  5. 使用中の前記印刷媒体が前記ラベルテープであると前記判断手段が判断した場合には、印刷を終了する位置に基づいて規定された位置がハーフカット位置として前記ハーフカット位置記憶手段に記憶されることを特徴とする請求項4に記載のテープ印刷装置。
  6. フルカット位置を記憶するためのフルカット位置記憶手段と、
    前記フルカット位置記憶手段に記憶されたフルカット位置における前記ラベルテープへのフルカット命令を生成するためのフルカット命令生成手段とをさらに備え、
    前記フルカット命令生成手段は、使用中の前記印刷媒体が前記ラベルテープであると前記判断手段が判断した場合には、前記ラベル領域外に対応したフルカット位置における前記ラベルテープへのフルカット命令を生成することを特徴とする請求項4または5に記載のテープ印刷装置。
  7. 長尺テープ状の印刷媒体として、長尺状の支持テープ上に印刷対象であるラベル領域が前記支持テープの長手方向に複数配列されたラベルテープを使用可能な前記テープ印刷装置を、
    前記印刷媒体の前記ラベル領域内に対して前記ラベル領域側から施されるハーフカット位置を記憶するためのハーフカット位置記憶手段として機能させることを特徴とするプログラム。
  8. 印刷を終了する位置に基づいて規定された位置がハーフカット位置として前記ハーフカット位置記憶手段に記憶されることを特徴とする請求項7に記載のプログラム。
  9. 前記テープ印刷装置を、
    フルカット位置を記憶するためのフルカット位置記憶手段、及び、
    前記フルカット位置記憶手段に記憶されたフルカット位置における前記ラベルテープへのフルカット命令を生成するためのフルカット命令生成手段としてさらに機能させ、
    前記フルカット命令生成手段は、前記ラベル領域外に対応したフルカット位置における前記テープへのフルカット命令を生成することを特徴とする請求項7または8に記載のプログラム。
  10. 長尺テープ状の印刷媒体として、長尺状の支持テープ上に印刷対象であるラベル領域が前記支持テープの長手方向に複数配列されたラベルテープと、長尺テープ状の受像媒体の任意の位置に印刷可能なノーマルテープとが使用可能な前記テープ印刷装置を、
    印刷するためのデータを記憶する印刷データ記憶手段、
    前記印刷データ記憶手段に記憶された印刷データに基づいて、前記印刷媒体に対して印刷される面側から施されるハーフカット位置を記憶するハーフカット位置記憶手段、
    使用中の印刷媒体の種類を判断するための判断手段、及び、
    使用中の前記印刷媒体が前記ラベルテープであると前記判断手段が判断した場合、前記ハーフカット位置記憶手段に記憶されたハーフカット位置のうち、前記ラベル領域のテープ給送方向における一端部から被印刷部分を介して所定間隔だけ離れた位置で前記印刷媒体へのハーフカット命令を生成するためのハーフカット命令手段として機能させることを特徴とするプログラム。
  11. 使用中の前記印刷媒体が前記ラベルテープであると前記判断手段が判断した場合には、印刷を終了する位置に基づいて規定された位置がハーフカット位置として前記ハーフカット位置記憶手段に記憶されることを特徴とする請求項10に記載のプログラム。
  12. 前記テープ印刷装置を、
    フルカット位置を記憶するためのフルカット位置記憶手段、及び、
    前記フルカット位置記憶手段に記憶されたフルカット位置における前記ラベルテープへのフルカット命令を生成するためのフルカット命令生成手段としてさらに機能させ、
    前記フルカット命令生成手段は、使用中の前記印刷媒体が前記ラベルテープであると前記判断手段が判断した場合には、前記ラベル領域外に対応したフルカット位置における前記ラベルテープへのフルカット命令を生成することを特徴とする請求項10または11に記載のプログラム。
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