JP2004291314A - 画像材料用支持体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ドクターによる液のかき落としが、高速でも、長時間安定して操業でき、均質な塗布層を設ける画像材料用支持体の製造方法。
【解決手段】紙基体の両面を樹脂組成物により被覆する画像材料用支持体の製造方法において、裏印刷工程、バックコート液の塗布工程または下引液の塗布工程のいずれかに、上部のスチールドクター2の刃先がグラビアロールにマイナスの角度で接するクローズドドクター及び、ロール表面がセラミックで被覆されたグラビアロール1を用いることにより、グラビアロールの表面摩耗が防げ、塗布性も良好で、高速でも安定操業が出来る。
【選択図】 図1
【解決手段】紙基体の両面を樹脂組成物により被覆する画像材料用支持体の製造方法において、裏印刷工程、バックコート液の塗布工程または下引液の塗布工程のいずれかに、上部のスチールドクター2の刃先がグラビアロールにマイナスの角度で接するクローズドドクター及び、ロール表面がセラミックで被覆されたグラビアロール1を用いることにより、グラビアロールの表面摩耗が防げ、塗布性も良好で、高速でも安定操業が出来る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像材料用支持体の製造方法に関するものである。詳しくは、高速安定操業に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
グラビアロールの表面には凹凸の彫刻加工が施されていて、グラビアパターンは、細かい、厳密にいえば小さな点点の連続である。グラビア塗布は、塗液の調整と彫刻方法によって、全面をローラー塗布したような、全面均一な表面塗布状態を実現することが出来る塗布方法である。塗布操作は、ロールの彫刻、塗布液、塗布速度、塗布される材料などによって決まるので、薄い塗膜を得たい場合には便利な方法であり、広く使用されている。
【0003】
最近ではグラビア方式の塗布装置が生産ラインの一部として、使用されることが多くなって来ており、生産ラインの速度が速くなって来るに伴い、グラビア方式による塗布速度も高速になって来ている。150m/min以下のような従来の画像材料用支持体の製造方法に伴う塗布速度では塗液供給部が開放されている給液パンを使用しても液ハネが生じたり、ロールの回転による攪拌作用での発泡がなく、発泡があるとしても、少なく、均質な塗布面が得られていた。
【0004】
しかし、高速塗布になるに従い、液ハネと塗液の発泡が原因で均質な塗布面が得られなくなり、問題となって来た。このため密閉化された、攪拌作用のない塗液供給部による液付き方式が考えられ、用いられるようになった。ドクターを備え、液供給部をドクターとグラビアロール面で密閉化された液供給ということで、これをクローズドドクターと言うことがある(図4を参照)。しかし、図4に示すようなクローズドドクターにおいては、新たにグラビアロールのセルでの気液置換された気泡がセル内の塗液と混じり、あるいは、上部のドクターの天井に溜まり、ドクターの刃先に移動して、その気泡が塗液内の圧力により塗液供給部に設置されたドクターの刃先2を抜け、塗布面質を悪化させるという問題が生じて来た。
【0005】
そこで、グラビアロールとスチールドクターの刃先の間の隙間が出来にくい構造が考えられ、塗布面の悪化は抑えられた。その構造を図2の改善前後の比較図にて説明する。図はクローズドドクターの上部のドクターがグラビアロールに接する位置関係を示す。即ち、グラビアロール1の中心点Oと上部のドクターの支点11とを結ぶ線とスチールドクターの刃先2とドクターの支点11とを結ぶ線とのなす角度がロールの回転方向に対してマイナスの角度(即ちドクター刃先がロール回転方向に対抗する位置にあるときの角度)でグラビアロール1と接するようにする。そうすると、スチールドクターの刃先2がグラビアロール1を加圧する力(反力)10のグラビアロール1の接線方向の力成分Pはグラビアロールの回転方向に対抗した力となり、グラビアロール1とスチールドクターの刃先2は密着し、隙間が出来ない構造となる(改善後のクローズドドクターということがある)。この構造であると、塗液内の圧力が加わっても、気泡がドクターの刃先を抜けない。また、クローズドドクターの天井に溜まった空気も刃先の方へ移動しなくなる。
【0006】
同様の説明に基けば、改善前のスチールドクターの接し方の場合には、スチールドクター刃2がグラビアロール1と接する反力10のグラビアロールの接線方向の力成分Pはグラビアロール1の回転方向と同調するのでスチールドクター刃2とグラビアロール1の密着性が劣ることとなり、その隙間から塗液の圧力も加わって、塗液内の気泡が刃先を抜け、塗布面質を悪化させることになる。
【0007】
ところが、改善後のクローズドドクターの構造を用いると、スチールドクター刃2はグラビアロールの表面の高速回転に対抗して当たることとなり、通常は表面がクロムメッキのグラビアロールを使用しているので、スチールドクター刃2によって、表面材質がクロムメッキであるグラビアロール1の表面が削れてしまい、少ない塗布量での幅方向の塗布量のバラツキ、幅方向でのムラが品質に影響を及ぼし、安定操業に支障を来たす問題が新たに生じて来た。なお、ドクター刃3は、図2に基けば、グラビアロール1と接する反力10のグラビアロールの接線方向の力成分Pはグラビアロール1の回転方向と同調するのでスチールドクター刃2とグラビアロール1の密着性が少ないため、グラビアロール1の表面を削るということはない。
【0008】
画像材料用支持体の製造ライン(図3に示す)においても、グラビア塗布を用いることができ、製造ライン全体が高速になるに従い、同様な問題が新たに生じて来たので、塗布装置に用いられているより精度の高いグラビアロールへの対策が必要となった。
【0009】
表面材質がセラミックのロールに関しての公知の技術として、ゲートロールコータにおける耐久性と耐蝕性および濡れ性と摩擦係数に優れたセラミック被覆ロールが開示されている(例えば特許文献1参照)。
【0010】
又、走行するプラスチックフィルムに、フィルムの走行方向と逆方向に回転するアプリケーターロールを用いて塗布膜を設けるに際し、両塗布端部にのみグラビアセルを彫刻し、その後セラミック被覆されたアプリケーターロールを用いて、泡による塗布班の発生を防止し、塗布欠陥のない塗布面のフィルムを得る方法が開示されている(例えば特許文献2参照)。
【0011】
更に、印刷機関係、製紙工業、紙加工業における搬送ロール、ガイドロール等の被処理物とロール表面との剥離性(非粘着性)及び耐摩耗性が要求されるロールとして炭素繊維複合材料を母材としたセラミックコート被覆ロールが開示されている(例えば特許文献3参照)。
【0012】
又、ゲートロールコーターにおいて、金属に対する腐食程度が著しいカラー液の場合に、クロム被覆したメタリングロールよりも耐蝕性が格段に優れたセラミックで被覆したロールで耐摩耗性も狙った技術が開示されている(例えば特許文献4参照)。
【0013】
しかし、これら公報には、本発明のようにクローズドドクターと組み合わせ、耐摩耗性及び幅方向の画像材料用支持体に要求される精度の高い均一塗布性を付与する使用の記述はない。
【0014】
【特許文献1】
特開平8−169063号公報
【特許文献2】
特開2001−900号公報
【特許文献3】
特開平8−145044号公報
【特許文献4】
特開平9−132894号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ドクターによる液のかき落としが、高速でも、長時間安定して操業でき、均質な塗布層を設けることができる画像材料用支持体の製造方法を提供する。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、以下の発明に到達した。
即ち、請求項1の発明は、紙基体の両面を樹脂組成物により被覆する画像材料用支持体の製造方法において、画像を設ける側と反対側の紙基体面に、上部のスチールドクターの刃先がグラビアロールにマイナスの角度で接するクローズドドクター及び、ロール表面がセラミックで被覆された文字または画像が彫刻されたグラビアロールを用いて印刷することを特徴とする画像材料用支持体の製造方法である。
【0017】
請求項2の発明は、紙基体の両面を樹脂組成物により被覆する画像材料用支持体の製造方法において、画像を設ける側と反対側の紙基体面を樹脂被覆した後、該樹脂被覆した面に、上部のスチールドクターの刃先がグラビアロールにマイナスの角度で接するクローズドドクター及び、ロール表面がセラミックで被覆されたグラビアロールを用いてバックコート液を塗布することを特徴とする画像材料用支持体の製造方法である。
【0018】
請求項3の発明は、紙基体の両面を樹脂組成物により被覆する画像材料用支持体の製造方法において、画像を設ける側の紙基体面を樹脂被覆した後、該樹脂被覆した面に、上部のスチールドクターの刃先がグラビアロールにマイナスの角度で接するクローズドドクター及び、ロール表面がセラミックで被覆されたグラビアロールを用いて下引き液を塗布することを特徴とする画像材料用支持体の製造方法である。
【0019】
請求項4の発明は、紙基体にダイレクトグラビア印刷方式で、雲母顔料並びに黄、朱、及び紅の色味の顔料若しくは染料を含むインキを用いて、金色の文字または画像を印刷することを特徴とする請求項1に記載の画像材料用支持体の製造方法である。
【0020】
請求項5の発明は、画像を設ける側と反対側の樹脂被覆面に、形状の大きさが85〜300線/インチの彫刻パターンを有するグラビアロールを用いて、バックコート液を塗布し、顔料の塗布量が固形質量にして0.2〜0.5g/m2であるバックコート層を設けることを特徴とする請求項2に記載の画像材料用支持体の製造方法である。
【0021】
請求項6の発明は、画像を設ける側の樹脂被覆面に、形状の大きさが75〜300線/インチの彫刻パターンを有するグラビアロールを用いて、濃度が0.1〜15%のゼラチンを主成分とする下引液を塗布し、固形質量にして0.01〜2g/m2である下引層を設けることを特徴とする請求項3に記載の画像材料用支持体の製造方法である。
【0022】
【発明の実施の形態】
図3に示すような、画像材料用支持体の製造ラインにおいて、グラビア塗布できる工程は印刷、バックコート液の塗布、または下引液の塗布がある。
【0023】
以下、グラビアロールについて説明する。紙基体に印刷する工程の場合、グラビアロールの形状については、印刷の版面上のセルは90〜120メッシュ(1インチ四方に110線)位が好ましい。版の深さは30μm〜60μm位が好ましい。60μmを超えると塗布量が付き過ぎ、後工程の乾燥等に問題が生じる。また、セラミックの場合深く彫刻するのが難しい。
【0024】
紙基体への印刷に使用されるセラミック被覆グラビアロールの作成方法の1例を示すと、金属ロール表面にプラズマジェット溶射により厚さ100μm、密度98%の酸化クロムのセラミック層を形成し、表面の鏡面研磨を行い表面粗さ(Ra)0.05μm以下とする。このセラミック層にコンピューターで制御したレーザー光線を当て所定の文字又は画像を彫刻し、表面を再度研磨して仕上げる。
【0025】
バックコート液を塗布する工程の場合、グラビアロールの形状の大きさは85〜300線/インチの彫刻パターンを有するグラビアロールが好ましく使用される。下引液を塗布する工程の場合、グラビアロールの形状の大きさは75〜300線/インチの彫刻パターンを有するグラビアロールが好ましく使用される。300線を超える細かい彫刻パターンを有する場合、ゼラチンや顔料を主成分として含有する溶液を300m/分以上の高速塗布する際に、塗布ムラが生じ易く、得られる塗布面の均一性が劣り、不適である。75線/インチ未満の彫刻パターンが粗い場合は、そのパターンが転写される。結果、品質上問題となる。
【0026】
また、グラビアロールの深さについては、30μm〜60μm位が好ましい。30μm未満の場合、液付き量が高速塗布加工の時に、充分確保できなくなり、不均一となる。60μmを超えるとグラビアロールの彫刻パターンが現れるようになるし、また、セラミックの場合深く彫刻するのが難しい。
【0027】
下引液を塗布する工程の場合、グラビアロールの表面のセル配置にロールの回転方向に対し斜めに彫刻をした斜線型を用いると、グラビアロールがクローズドドクターを通過する時に、空気がセルの溝を通ってクローズドドクター外に抜け易く、また、給液部での塗液とセルの空気が置換し易い構造のため好ましい。軸方向に対して斜線の角度は30〜70°位が好ましく、セルの溝の巾は1〜20mm位、山の巾は1〜10mmが好ましい。セルの溝の巾が狭く、溝が深い場合には、空気が溝を通って抜け難くなる。
【0028】
次に、グラビアロールとドクターの関係について説明する。上部ドクターとは、図1のクローズドドクターにおいて、2つのドクターの内、グラビアロール1とバックアップロール8のニップ部(印刷部)に近い方のドクターのことを言う。クローズドドクターにおいて、スチールドクターの刃先がグラビアロールに接する角度とは、図2において、グラビアロール1の中心点Oとドクターの支点11とを結ぶ線とスチールドクターの刃先2とドクターの支点11とを結ぶ線とのなす角度を言う。その角度がマイナスとは、グラビアロール1の中心点Oとドクターの支点11とを結ぶ線を基準としてその角度を見た時に、ロールの回転方向と反対方向になる角度を言う。ロールの回転方向と同方向になる角度をプラスの角度という。既に、従来技術で述べたように、スチールドクター刃が回転方向に対抗する位置にある時が好ましい位置で、同調する位置にある時は好ましくない。図1に示すスチールドクターの刃先2とグラビアロールの中心とスチールドクターを結ぶ線とのなす角度がマイナスでマイナス30°の場合の例である。その角度はマイナス10〜60°位が好ましく用いられる。30から45°位がより好ましい。
【0029】
スチールドクター刃先2の押し付け圧力は100〜300g/cm位が好ましく用いられる。180〜250g/cmがより好ましい。強すぎるとドクターの摩耗が早くなり好ましくない。
【0030】
紙基体に印刷する工程の場合について説明する。写真印画紙の裏面に所望に応じて商品名、製造会社名、シンボルマーク等が印刷インキを用いて、印刷される。普通は黒色染料あるいは顔料を含む印刷インキを用い、グラビア印刷されることが多い。
【0031】
印刷インキの組成物については、紙基体に印刷される時の有色顔料または染料の付着量は2〜30mg/m2が好ましい。インキ粘度はザンカップNo.3を使用して測定したインキ粘度が5〜30秒のインキを使用するのが好ましい。粘度が30秒を超える(粘度が高い)と高速印刷なので、紙基体への浸透性が低下するので好ましくない。インキの粘度が5秒を下回る(粘度が低い)と、紙基体へ転移後印字部と紙基体との接着性が劣るためインキ中の有色顔料、染料が脱落する、いわゆる粉落ちが生じ、印字品質が低下する。
【0032】
最近、金色印刷インキを用い、印刷する用途が出てきた。高級感を持たせるということで、輝きまたは光沢のある金色が要求されるようになって来た。この要求には、従来の黄色顔料に基いて開発された金色類似インキの使用では対応出来ない。
【0033】
顔料としては、写真安定性を有する雲母顔料が好ましい。雲母粒子をコートする金属酸化物としては酸化チタンもしくは酸化鉄、酸化マンガンを適宜選んで金色にふさわしい干渉光を得ることが出来る。中でも、二酸化チタンと酸化鉄の2層でコートされた雲母粒子が特に好ましい。この酸化チタンや酸化鉄でコートされた雲母粒子は真珠光沢顔料とも呼ばれ、干渉色を呈することで金色になることが知られている。雲母粒子の粒径は5〜80μmの板状粒子である。雲母粒子のインキに対する含有量はインキ全量に対し20〜40質量%含んでいるのが好ましい。22〜35質量%含んでいるのが更に好ましく、25〜30質量%含んでいると特に好ましい。20質量%未満であると、充分な金属光沢を得られない。40質量%を超えると、インキとして高速印刷に適さない。本発明の塗布方法においては、グラビアロールとドクターが密着しているので、平偏形状の雲母を用いる顔料印刷には、特に好ましい。
【0034】
印刷インキは、色味顔料または色味染料を組み合わせて用いる。黄、朱、紅の色味顔料または染料が1つでも欠けると満足される光沢、純金らしい輝きが得られない。好ましくは、黄顔料または黄染料はインキ全量に対し1〜15質量%、特に2〜10質量%、朱顔料または朱染料は0.1〜0.5質量%、特に0.2〜0.4質量%、紅顔料または紅染料は0.05〜2質量%、特に0.1〜1.0質量%用いると金色らしい高いさえ(鮮明性)が得られる。
【0035】
金色インキの印刷の塗布量としては、乾燥質量にして、2〜7g/m2であるのが好ましく、3〜5.5g/m2位がより好ましい。印刷塗布量が2g/m2未満であると、光沢または輝きのある金色が得られない。7g/m2を超えると乾燥不良等発生して、満足な金色が得られない。
【0036】
黒色顔料または染料を印刷する場合と比べると、金色印刷の場合の塗布量が多いため、(黒色印刷の場合、紙基体に印刷される時の有色顔料または染料の付着量は2〜30mg/m2)ダイレクトグラビア印刷方式が好ましい。オフセットグラビア方式であると金色インキの塗布量が少ないため、金色の光沢または輝きが出ない。
【0037】
バックコート液を塗布する工程の場合について説明する。バックコート層を塗布するのは、帯電防止、筆記性付与、カール防止等のためである。
【0038】
バックコート塗液の組成物については、塗液中の主成分は顔料とバインダーであり、顔料の塗布量は好ましくは乾燥質量にして0.2〜0.5g/m2、より好ましくは0.3〜0.4g/m2である。 0.2g/m2未満だとバックコート層の特性が得にくい。0.5g/m2を超えるとカールの変化と乳剤層の側と反対側の面は粗面であるため、その凹部が埋まってしまうことにより、後工程での搬送性に影響を及ぼす。
【0039】
下引液を塗布する工程の場合について説明する。下引液を塗布するのは、写真乳剤層を形成する表面側の表面に活性化処理を施しても、得られたポリオレフィン樹脂被覆層表面の活性が経時的に低下するという現象があるためであり、一旦表面活性化処理を行った後、その上に下引層を設け、この上に写真乳剤層を塗布する方法が採られている。
【0040】
下引液の塗液の組成物については、塗液中の主成分はゼラチンであり、写真乳剤層に悪影響を与えることなく、ゼラチン下引層と乳剤層との接着性を向上させるには、乾燥質量にして40mg/m2以上のゼラチンを含む下引層の塗布液を均一に塗布乾燥して得られることが好ましく、60〜300mg/m2であることがより好ましい。300mg/m2を超えると、経済的でなく、乳剤層とゼラチン下引層との接着性が弱くなることがあり。乳剤層との硬膜適合性を検討しなければならなくなる。
【0041】
また、塗布するゼラチン塗布液の固形分は0.1〜15質量%が好ましい。ゼラチンの固形分が0.1質量%未満の時は、ドライヤーに乾燥負荷が大きくなり経済性が乏しくなるばかりではなく、高速塗布する場合、塗布ムラが発生し易くなり、写真乳剤との接着に悪影響を及ぼす。
【0042】
また、ゼラチン固形分が15質量%を超える場合は、高粘度を有するため、温度変動により塗布液の粘度変動が大きくなる結果、均一に塗布することが難しくなり、温度低下により増粘するため、塗布ムラになり易く、さらには容易にゲル化を引き起こす等、塗布液の管理が難しく、操業上の問題点も多いばかりでなく、品質を維持することも難しいため実用的ではない。
【0043】
本発明の紙基体は天然パルプを主成分とするものであるが、必要に応じて天然パルプ以外の合成パルプ、合成繊維を混抄しても良い。
【0044】
これらのパルプには各種の添加剤を含有せしめることができる。例えば、乾燥紙力剤としてアニオンまたはカチオンまたは両性のポリアクリルアミド、ポリビニールアルコール、カチオン化澱粉、植物性ガラクトマンナンなど、湿潤紙力剤としてポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン樹脂等、填料としてクレー、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン等、定着剤として塩化アルミニウム、硫酸バンド等の水溶性アルミニウム塩等、pH調節剤として水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸、塩酸等、その他着色顔料、染料、蛍光増白剤などを適宜組み合わせて含有すると有利である。
【0045】
本発明における紙基体を樹脂被覆して画像材料用支持体として用いる場合、用いられる樹脂は押出し塗布、溶剤塗布等の一般的な方法で塗工され、樹脂によっては電子線硬化等の処理を行ってもよい。樹脂はまた予めフィルムにしてからドライラミネーションやウエットラミネーション法で貼り合わせても良い。型付加工は塗工、又は貼り合わされた樹脂層を型付加工されたロール表面に圧着して行うが、押出し塗布は、通常クーリングロールに型付ロールを用いて、塗布と同時に型付する。電子硬化法では樹脂層を型付ロールに圧着しつつ、電子線を照射して硬化させる方法をとる。
【0046】
被覆用樹脂は、ポリエチレンが最も一般的であるが、その他の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等耐水性があり、品質に影響を及ぼさないものは何であっても使用できる。
【0047】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0048】
実施例1
LBKP100質量部の配合したパルプを叩解し、300mlCSFにした。得られたパルプスラリーに、サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプに0.3質量%、強度剤として、ポリアクリルアミドを対パルプに0.6質量%ポリアミドエピクロルヒドリンを対パルプ0.2質量%添加し、紙料とした。
【0049】
紙料を500m/minで走行しているオントップワイヤーが設けられた長網抄紙機のワイヤー上にのせ、紙匹を形成し、乾燥した。その後、乾燥の途中で、変性ポバールの塗液をサイズプレスで塗布し、乾燥して、最終的に得られる紙基体が、水分8.5%、坪量170g/m2、密度1.02g/cm3になるように乾燥及びカレンダーで調節し、写真印画紙用の紙基体を得た。
【0050】
この紙基体の写真乳剤層を塗設する側とは反対側の紙基体面に図1のごときクローズドドクターを備えたグラビア印刷機にて、版面がセラミックで被覆されたグラビアロールを用いて金色インキ組成物を400m/minの印刷速度で印刷した。インキ組成は有機溶剤73.0質量%、水性バインダー2.0質量%、ウレタン2.0質量%、金色雲母20.0質量%、黄、朱及び紅の合計3.0質量%からなり、印刷部において0.4g/m2付着させた。その後熱風ドライヤーにより乾燥した。
【0051】
印刷を施した紙基体の面にコロナ放電処理した後、接着層樹脂として、低密度ポリエチレン(密度0.92g/cm3、MFR=2g/10min)100%と上層樹脂として、高密度ポリエチレン(密度0.96g/cm3 、MFR=7g/10min)100%を320℃で溶融し、共押出機を用いて接着層3μm、上層17μmの厚さに、走行速度400m/minで共押出コーティングした。
【0052】
次にその反対側の紙基体面にコロナ放電処理した後アナターゼ型酸化チタン13質量%を含有する低密度ポリエチレン(アナターゼ型酸化チタンを含まないときの低密度ポリエチレン:密度=0.92g/cm3、MFR=2g/10min)コンパウンド樹脂を樹脂温度320℃で厚さが18μmとなるように走行速度400m/minで押出コーティングして、その後にアナターゼ型酸化チタン17質量%を含有する低密度ポリエチレン(アナターゼ型酸化チタンを含まないときの低密度ポリエチレン:密度=0.92g/cm3、MFR=2g/10min)コンパウンド樹脂を樹脂温度310℃で厚さが10μmとなるように逐次押出コーティングをし、樹脂被覆写真印画紙用支持体を得た。該樹脂被覆写真印画紙用支持体の樹脂層の表面は鏡面に裏面の樹脂層の面質は微粗面に加工した。
【0053】
得られた樹脂被覆した写真印画紙用支持体の乳剤層を塗設する反対側の面にコロナ放電した後、図1のようなクローズドドクターを備えたダイレクトグラビア塗工機にて、ロール面がクロムメッキで被覆されたグラビアロールを用いてバックコート層の塗工組成物を400m/minの塗工速度で塗布した。バックコート塗液の組成は顔料8.5質量%、表面活性剤0.1質量%、水90.4質量%をwetで3.7g/m2塗布し、dryで0.33g/m2付着させ、バックコート層を形成した。その後熱風ドライヤーにより乾燥し、樹脂被覆写真印画紙用支持体を得た。
【0054】
次に樹脂被覆した写真印画紙用支持体の乳剤層を塗設する面にコロナ放電した後に、図1のようなクローズドドクターを備えたダイレクトグラビア塗工機にて、ロール面がクロムメッキで被覆されたグラビアロールを用いて下引層の塗工組成物を400m/minの塗工速度で塗布した。下引層の塗液の組成はゼラチン濃度1.0%(対全量)、硬膜剤が濃度1.0%(対ゼラチン)、海面活性剤が濃度0.1%(対全量)であり、これをwetで5g/m2塗布し、その後熱風ドライヤーにより乾燥し、dryで50mg/m2付着させた。
【0055】
実施例2
バックコート塗布の工程において、ロール表面材質がセラミックで被覆されているグラビアロールを用いた以外は実施例1と同じである。
【0056】
実施例3
バックコート層塗布及び下引層塗布の工程において、ロール表面材質がセラミックで被覆されているグラビアロールを用いた以外は実施例1と同じである。
【0057】
比較例1
印刷の工程において、ロール表面材質がクロムメッキで被覆されているグラビアロールを用いた以外は実施例1と同じである。
【0058】
比較例2
印刷工程、バックコート、下引液の塗布工程において、図4に示す改善前のクローズドドクターを用いた以外は実施例3と同じである。
【0059】
評価結果について説明する。
実施例1〜3、比較例1〜2により樹脂被覆写真印画紙用支持体を製造した時に用いたグラビアロール面の目視での表面摩耗に関しての評価結果と目視での塗布性の評価結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
(注1)改:改善後のクローズドドクターを使用
前:改善前のクローズドドクターを使用
(注2)BC:バックコート
【0062】
グラビアロールの摩耗状態の評価
○:グラビアロールの表面摩耗が起こらなかった。
×:グラビアロールの表面摩耗が起こった。
【0063】
塗布性の評価
○:塗布性が良好であった。
×:塗布性不良であった。
【0064】
表1により明らかな如く、改善後のクローズドドクターを備え、且つ、表面がセラミックで被覆されたグラビアロールを用いることで、グラビアロールの表面摩耗が起こらなく、塗布性も良好で、高速安定操業出来ることがわかる。
【0065】
【発明の効果】
本発明により、高速でも、画像材料用支持体の安定操業が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】グラビアロールとマイナスの角度で接するスチールドクター刃(改善後)を備えたクローズドドクターの図
【図2】スチールドクター刃の接し方の図
【図3】画像材料用支持体の製造ラインの図
【図4】
グラビアロールとプラスの角度で接するスチールドクター刃(改善前)を備えたクローズドドクターの図
【符号の説明】
1 グラビアロール
2 スチールドクター刃先
3 プラスチックドクター刃
4 塗布液
5 ドクターブレード
6 ドクターブレード固定ノブ
7 ドクター軸
8 バックアップロール
9 塗布後の支持体
10 スチールドクター刃の反力
11 スチールドクター刃を支える支点
12 加圧する力(反力)10のグラビアロールの接線方向の力成分P
13 グラビアロールの中心点O
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像材料用支持体の製造方法に関するものである。詳しくは、高速安定操業に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
グラビアロールの表面には凹凸の彫刻加工が施されていて、グラビアパターンは、細かい、厳密にいえば小さな点点の連続である。グラビア塗布は、塗液の調整と彫刻方法によって、全面をローラー塗布したような、全面均一な表面塗布状態を実現することが出来る塗布方法である。塗布操作は、ロールの彫刻、塗布液、塗布速度、塗布される材料などによって決まるので、薄い塗膜を得たい場合には便利な方法であり、広く使用されている。
【0003】
最近ではグラビア方式の塗布装置が生産ラインの一部として、使用されることが多くなって来ており、生産ラインの速度が速くなって来るに伴い、グラビア方式による塗布速度も高速になって来ている。150m/min以下のような従来の画像材料用支持体の製造方法に伴う塗布速度では塗液供給部が開放されている給液パンを使用しても液ハネが生じたり、ロールの回転による攪拌作用での発泡がなく、発泡があるとしても、少なく、均質な塗布面が得られていた。
【0004】
しかし、高速塗布になるに従い、液ハネと塗液の発泡が原因で均質な塗布面が得られなくなり、問題となって来た。このため密閉化された、攪拌作用のない塗液供給部による液付き方式が考えられ、用いられるようになった。ドクターを備え、液供給部をドクターとグラビアロール面で密閉化された液供給ということで、これをクローズドドクターと言うことがある(図4を参照)。しかし、図4に示すようなクローズドドクターにおいては、新たにグラビアロールのセルでの気液置換された気泡がセル内の塗液と混じり、あるいは、上部のドクターの天井に溜まり、ドクターの刃先に移動して、その気泡が塗液内の圧力により塗液供給部に設置されたドクターの刃先2を抜け、塗布面質を悪化させるという問題が生じて来た。
【0005】
そこで、グラビアロールとスチールドクターの刃先の間の隙間が出来にくい構造が考えられ、塗布面の悪化は抑えられた。その構造を図2の改善前後の比較図にて説明する。図はクローズドドクターの上部のドクターがグラビアロールに接する位置関係を示す。即ち、グラビアロール1の中心点Oと上部のドクターの支点11とを結ぶ線とスチールドクターの刃先2とドクターの支点11とを結ぶ線とのなす角度がロールの回転方向に対してマイナスの角度(即ちドクター刃先がロール回転方向に対抗する位置にあるときの角度)でグラビアロール1と接するようにする。そうすると、スチールドクターの刃先2がグラビアロール1を加圧する力(反力)10のグラビアロール1の接線方向の力成分Pはグラビアロールの回転方向に対抗した力となり、グラビアロール1とスチールドクターの刃先2は密着し、隙間が出来ない構造となる(改善後のクローズドドクターということがある)。この構造であると、塗液内の圧力が加わっても、気泡がドクターの刃先を抜けない。また、クローズドドクターの天井に溜まった空気も刃先の方へ移動しなくなる。
【0006】
同様の説明に基けば、改善前のスチールドクターの接し方の場合には、スチールドクター刃2がグラビアロール1と接する反力10のグラビアロールの接線方向の力成分Pはグラビアロール1の回転方向と同調するのでスチールドクター刃2とグラビアロール1の密着性が劣ることとなり、その隙間から塗液の圧力も加わって、塗液内の気泡が刃先を抜け、塗布面質を悪化させることになる。
【0007】
ところが、改善後のクローズドドクターの構造を用いると、スチールドクター刃2はグラビアロールの表面の高速回転に対抗して当たることとなり、通常は表面がクロムメッキのグラビアロールを使用しているので、スチールドクター刃2によって、表面材質がクロムメッキであるグラビアロール1の表面が削れてしまい、少ない塗布量での幅方向の塗布量のバラツキ、幅方向でのムラが品質に影響を及ぼし、安定操業に支障を来たす問題が新たに生じて来た。なお、ドクター刃3は、図2に基けば、グラビアロール1と接する反力10のグラビアロールの接線方向の力成分Pはグラビアロール1の回転方向と同調するのでスチールドクター刃2とグラビアロール1の密着性が少ないため、グラビアロール1の表面を削るということはない。
【0008】
画像材料用支持体の製造ライン(図3に示す)においても、グラビア塗布を用いることができ、製造ライン全体が高速になるに従い、同様な問題が新たに生じて来たので、塗布装置に用いられているより精度の高いグラビアロールへの対策が必要となった。
【0009】
表面材質がセラミックのロールに関しての公知の技術として、ゲートロールコータにおける耐久性と耐蝕性および濡れ性と摩擦係数に優れたセラミック被覆ロールが開示されている(例えば特許文献1参照)。
【0010】
又、走行するプラスチックフィルムに、フィルムの走行方向と逆方向に回転するアプリケーターロールを用いて塗布膜を設けるに際し、両塗布端部にのみグラビアセルを彫刻し、その後セラミック被覆されたアプリケーターロールを用いて、泡による塗布班の発生を防止し、塗布欠陥のない塗布面のフィルムを得る方法が開示されている(例えば特許文献2参照)。
【0011】
更に、印刷機関係、製紙工業、紙加工業における搬送ロール、ガイドロール等の被処理物とロール表面との剥離性(非粘着性)及び耐摩耗性が要求されるロールとして炭素繊維複合材料を母材としたセラミックコート被覆ロールが開示されている(例えば特許文献3参照)。
【0012】
又、ゲートロールコーターにおいて、金属に対する腐食程度が著しいカラー液の場合に、クロム被覆したメタリングロールよりも耐蝕性が格段に優れたセラミックで被覆したロールで耐摩耗性も狙った技術が開示されている(例えば特許文献4参照)。
【0013】
しかし、これら公報には、本発明のようにクローズドドクターと組み合わせ、耐摩耗性及び幅方向の画像材料用支持体に要求される精度の高い均一塗布性を付与する使用の記述はない。
【0014】
【特許文献1】
特開平8−169063号公報
【特許文献2】
特開2001−900号公報
【特許文献3】
特開平8−145044号公報
【特許文献4】
特開平9−132894号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ドクターによる液のかき落としが、高速でも、長時間安定して操業でき、均質な塗布層を設けることができる画像材料用支持体の製造方法を提供する。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、以下の発明に到達した。
即ち、請求項1の発明は、紙基体の両面を樹脂組成物により被覆する画像材料用支持体の製造方法において、画像を設ける側と反対側の紙基体面に、上部のスチールドクターの刃先がグラビアロールにマイナスの角度で接するクローズドドクター及び、ロール表面がセラミックで被覆された文字または画像が彫刻されたグラビアロールを用いて印刷することを特徴とする画像材料用支持体の製造方法である。
【0017】
請求項2の発明は、紙基体の両面を樹脂組成物により被覆する画像材料用支持体の製造方法において、画像を設ける側と反対側の紙基体面を樹脂被覆した後、該樹脂被覆した面に、上部のスチールドクターの刃先がグラビアロールにマイナスの角度で接するクローズドドクター及び、ロール表面がセラミックで被覆されたグラビアロールを用いてバックコート液を塗布することを特徴とする画像材料用支持体の製造方法である。
【0018】
請求項3の発明は、紙基体の両面を樹脂組成物により被覆する画像材料用支持体の製造方法において、画像を設ける側の紙基体面を樹脂被覆した後、該樹脂被覆した面に、上部のスチールドクターの刃先がグラビアロールにマイナスの角度で接するクローズドドクター及び、ロール表面がセラミックで被覆されたグラビアロールを用いて下引き液を塗布することを特徴とする画像材料用支持体の製造方法である。
【0019】
請求項4の発明は、紙基体にダイレクトグラビア印刷方式で、雲母顔料並びに黄、朱、及び紅の色味の顔料若しくは染料を含むインキを用いて、金色の文字または画像を印刷することを特徴とする請求項1に記載の画像材料用支持体の製造方法である。
【0020】
請求項5の発明は、画像を設ける側と反対側の樹脂被覆面に、形状の大きさが85〜300線/インチの彫刻パターンを有するグラビアロールを用いて、バックコート液を塗布し、顔料の塗布量が固形質量にして0.2〜0.5g/m2であるバックコート層を設けることを特徴とする請求項2に記載の画像材料用支持体の製造方法である。
【0021】
請求項6の発明は、画像を設ける側の樹脂被覆面に、形状の大きさが75〜300線/インチの彫刻パターンを有するグラビアロールを用いて、濃度が0.1〜15%のゼラチンを主成分とする下引液を塗布し、固形質量にして0.01〜2g/m2である下引層を設けることを特徴とする請求項3に記載の画像材料用支持体の製造方法である。
【0022】
【発明の実施の形態】
図3に示すような、画像材料用支持体の製造ラインにおいて、グラビア塗布できる工程は印刷、バックコート液の塗布、または下引液の塗布がある。
【0023】
以下、グラビアロールについて説明する。紙基体に印刷する工程の場合、グラビアロールの形状については、印刷の版面上のセルは90〜120メッシュ(1インチ四方に110線)位が好ましい。版の深さは30μm〜60μm位が好ましい。60μmを超えると塗布量が付き過ぎ、後工程の乾燥等に問題が生じる。また、セラミックの場合深く彫刻するのが難しい。
【0024】
紙基体への印刷に使用されるセラミック被覆グラビアロールの作成方法の1例を示すと、金属ロール表面にプラズマジェット溶射により厚さ100μm、密度98%の酸化クロムのセラミック層を形成し、表面の鏡面研磨を行い表面粗さ(Ra)0.05μm以下とする。このセラミック層にコンピューターで制御したレーザー光線を当て所定の文字又は画像を彫刻し、表面を再度研磨して仕上げる。
【0025】
バックコート液を塗布する工程の場合、グラビアロールの形状の大きさは85〜300線/インチの彫刻パターンを有するグラビアロールが好ましく使用される。下引液を塗布する工程の場合、グラビアロールの形状の大きさは75〜300線/インチの彫刻パターンを有するグラビアロールが好ましく使用される。300線を超える細かい彫刻パターンを有する場合、ゼラチンや顔料を主成分として含有する溶液を300m/分以上の高速塗布する際に、塗布ムラが生じ易く、得られる塗布面の均一性が劣り、不適である。75線/インチ未満の彫刻パターンが粗い場合は、そのパターンが転写される。結果、品質上問題となる。
【0026】
また、グラビアロールの深さについては、30μm〜60μm位が好ましい。30μm未満の場合、液付き量が高速塗布加工の時に、充分確保できなくなり、不均一となる。60μmを超えるとグラビアロールの彫刻パターンが現れるようになるし、また、セラミックの場合深く彫刻するのが難しい。
【0027】
下引液を塗布する工程の場合、グラビアロールの表面のセル配置にロールの回転方向に対し斜めに彫刻をした斜線型を用いると、グラビアロールがクローズドドクターを通過する時に、空気がセルの溝を通ってクローズドドクター外に抜け易く、また、給液部での塗液とセルの空気が置換し易い構造のため好ましい。軸方向に対して斜線の角度は30〜70°位が好ましく、セルの溝の巾は1〜20mm位、山の巾は1〜10mmが好ましい。セルの溝の巾が狭く、溝が深い場合には、空気が溝を通って抜け難くなる。
【0028】
次に、グラビアロールとドクターの関係について説明する。上部ドクターとは、図1のクローズドドクターにおいて、2つのドクターの内、グラビアロール1とバックアップロール8のニップ部(印刷部)に近い方のドクターのことを言う。クローズドドクターにおいて、スチールドクターの刃先がグラビアロールに接する角度とは、図2において、グラビアロール1の中心点Oとドクターの支点11とを結ぶ線とスチールドクターの刃先2とドクターの支点11とを結ぶ線とのなす角度を言う。その角度がマイナスとは、グラビアロール1の中心点Oとドクターの支点11とを結ぶ線を基準としてその角度を見た時に、ロールの回転方向と反対方向になる角度を言う。ロールの回転方向と同方向になる角度をプラスの角度という。既に、従来技術で述べたように、スチールドクター刃が回転方向に対抗する位置にある時が好ましい位置で、同調する位置にある時は好ましくない。図1に示すスチールドクターの刃先2とグラビアロールの中心とスチールドクターを結ぶ線とのなす角度がマイナスでマイナス30°の場合の例である。その角度はマイナス10〜60°位が好ましく用いられる。30から45°位がより好ましい。
【0029】
スチールドクター刃先2の押し付け圧力は100〜300g/cm位が好ましく用いられる。180〜250g/cmがより好ましい。強すぎるとドクターの摩耗が早くなり好ましくない。
【0030】
紙基体に印刷する工程の場合について説明する。写真印画紙の裏面に所望に応じて商品名、製造会社名、シンボルマーク等が印刷インキを用いて、印刷される。普通は黒色染料あるいは顔料を含む印刷インキを用い、グラビア印刷されることが多い。
【0031】
印刷インキの組成物については、紙基体に印刷される時の有色顔料または染料の付着量は2〜30mg/m2が好ましい。インキ粘度はザンカップNo.3を使用して測定したインキ粘度が5〜30秒のインキを使用するのが好ましい。粘度が30秒を超える(粘度が高い)と高速印刷なので、紙基体への浸透性が低下するので好ましくない。インキの粘度が5秒を下回る(粘度が低い)と、紙基体へ転移後印字部と紙基体との接着性が劣るためインキ中の有色顔料、染料が脱落する、いわゆる粉落ちが生じ、印字品質が低下する。
【0032】
最近、金色印刷インキを用い、印刷する用途が出てきた。高級感を持たせるということで、輝きまたは光沢のある金色が要求されるようになって来た。この要求には、従来の黄色顔料に基いて開発された金色類似インキの使用では対応出来ない。
【0033】
顔料としては、写真安定性を有する雲母顔料が好ましい。雲母粒子をコートする金属酸化物としては酸化チタンもしくは酸化鉄、酸化マンガンを適宜選んで金色にふさわしい干渉光を得ることが出来る。中でも、二酸化チタンと酸化鉄の2層でコートされた雲母粒子が特に好ましい。この酸化チタンや酸化鉄でコートされた雲母粒子は真珠光沢顔料とも呼ばれ、干渉色を呈することで金色になることが知られている。雲母粒子の粒径は5〜80μmの板状粒子である。雲母粒子のインキに対する含有量はインキ全量に対し20〜40質量%含んでいるのが好ましい。22〜35質量%含んでいるのが更に好ましく、25〜30質量%含んでいると特に好ましい。20質量%未満であると、充分な金属光沢を得られない。40質量%を超えると、インキとして高速印刷に適さない。本発明の塗布方法においては、グラビアロールとドクターが密着しているので、平偏形状の雲母を用いる顔料印刷には、特に好ましい。
【0034】
印刷インキは、色味顔料または色味染料を組み合わせて用いる。黄、朱、紅の色味顔料または染料が1つでも欠けると満足される光沢、純金らしい輝きが得られない。好ましくは、黄顔料または黄染料はインキ全量に対し1〜15質量%、特に2〜10質量%、朱顔料または朱染料は0.1〜0.5質量%、特に0.2〜0.4質量%、紅顔料または紅染料は0.05〜2質量%、特に0.1〜1.0質量%用いると金色らしい高いさえ(鮮明性)が得られる。
【0035】
金色インキの印刷の塗布量としては、乾燥質量にして、2〜7g/m2であるのが好ましく、3〜5.5g/m2位がより好ましい。印刷塗布量が2g/m2未満であると、光沢または輝きのある金色が得られない。7g/m2を超えると乾燥不良等発生して、満足な金色が得られない。
【0036】
黒色顔料または染料を印刷する場合と比べると、金色印刷の場合の塗布量が多いため、(黒色印刷の場合、紙基体に印刷される時の有色顔料または染料の付着量は2〜30mg/m2)ダイレクトグラビア印刷方式が好ましい。オフセットグラビア方式であると金色インキの塗布量が少ないため、金色の光沢または輝きが出ない。
【0037】
バックコート液を塗布する工程の場合について説明する。バックコート層を塗布するのは、帯電防止、筆記性付与、カール防止等のためである。
【0038】
バックコート塗液の組成物については、塗液中の主成分は顔料とバインダーであり、顔料の塗布量は好ましくは乾燥質量にして0.2〜0.5g/m2、より好ましくは0.3〜0.4g/m2である。 0.2g/m2未満だとバックコート層の特性が得にくい。0.5g/m2を超えるとカールの変化と乳剤層の側と反対側の面は粗面であるため、その凹部が埋まってしまうことにより、後工程での搬送性に影響を及ぼす。
【0039】
下引液を塗布する工程の場合について説明する。下引液を塗布するのは、写真乳剤層を形成する表面側の表面に活性化処理を施しても、得られたポリオレフィン樹脂被覆層表面の活性が経時的に低下するという現象があるためであり、一旦表面活性化処理を行った後、その上に下引層を設け、この上に写真乳剤層を塗布する方法が採られている。
【0040】
下引液の塗液の組成物については、塗液中の主成分はゼラチンであり、写真乳剤層に悪影響を与えることなく、ゼラチン下引層と乳剤層との接着性を向上させるには、乾燥質量にして40mg/m2以上のゼラチンを含む下引層の塗布液を均一に塗布乾燥して得られることが好ましく、60〜300mg/m2であることがより好ましい。300mg/m2を超えると、経済的でなく、乳剤層とゼラチン下引層との接着性が弱くなることがあり。乳剤層との硬膜適合性を検討しなければならなくなる。
【0041】
また、塗布するゼラチン塗布液の固形分は0.1〜15質量%が好ましい。ゼラチンの固形分が0.1質量%未満の時は、ドライヤーに乾燥負荷が大きくなり経済性が乏しくなるばかりではなく、高速塗布する場合、塗布ムラが発生し易くなり、写真乳剤との接着に悪影響を及ぼす。
【0042】
また、ゼラチン固形分が15質量%を超える場合は、高粘度を有するため、温度変動により塗布液の粘度変動が大きくなる結果、均一に塗布することが難しくなり、温度低下により増粘するため、塗布ムラになり易く、さらには容易にゲル化を引き起こす等、塗布液の管理が難しく、操業上の問題点も多いばかりでなく、品質を維持することも難しいため実用的ではない。
【0043】
本発明の紙基体は天然パルプを主成分とするものであるが、必要に応じて天然パルプ以外の合成パルプ、合成繊維を混抄しても良い。
【0044】
これらのパルプには各種の添加剤を含有せしめることができる。例えば、乾燥紙力剤としてアニオンまたはカチオンまたは両性のポリアクリルアミド、ポリビニールアルコール、カチオン化澱粉、植物性ガラクトマンナンなど、湿潤紙力剤としてポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン樹脂等、填料としてクレー、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン等、定着剤として塩化アルミニウム、硫酸バンド等の水溶性アルミニウム塩等、pH調節剤として水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸、塩酸等、その他着色顔料、染料、蛍光増白剤などを適宜組み合わせて含有すると有利である。
【0045】
本発明における紙基体を樹脂被覆して画像材料用支持体として用いる場合、用いられる樹脂は押出し塗布、溶剤塗布等の一般的な方法で塗工され、樹脂によっては電子線硬化等の処理を行ってもよい。樹脂はまた予めフィルムにしてからドライラミネーションやウエットラミネーション法で貼り合わせても良い。型付加工は塗工、又は貼り合わされた樹脂層を型付加工されたロール表面に圧着して行うが、押出し塗布は、通常クーリングロールに型付ロールを用いて、塗布と同時に型付する。電子硬化法では樹脂層を型付ロールに圧着しつつ、電子線を照射して硬化させる方法をとる。
【0046】
被覆用樹脂は、ポリエチレンが最も一般的であるが、その他の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂等耐水性があり、品質に影響を及ぼさないものは何であっても使用できる。
【0047】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0048】
実施例1
LBKP100質量部の配合したパルプを叩解し、300mlCSFにした。得られたパルプスラリーに、サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを対パルプに0.3質量%、強度剤として、ポリアクリルアミドを対パルプに0.6質量%ポリアミドエピクロルヒドリンを対パルプ0.2質量%添加し、紙料とした。
【0049】
紙料を500m/minで走行しているオントップワイヤーが設けられた長網抄紙機のワイヤー上にのせ、紙匹を形成し、乾燥した。その後、乾燥の途中で、変性ポバールの塗液をサイズプレスで塗布し、乾燥して、最終的に得られる紙基体が、水分8.5%、坪量170g/m2、密度1.02g/cm3になるように乾燥及びカレンダーで調節し、写真印画紙用の紙基体を得た。
【0050】
この紙基体の写真乳剤層を塗設する側とは反対側の紙基体面に図1のごときクローズドドクターを備えたグラビア印刷機にて、版面がセラミックで被覆されたグラビアロールを用いて金色インキ組成物を400m/minの印刷速度で印刷した。インキ組成は有機溶剤73.0質量%、水性バインダー2.0質量%、ウレタン2.0質量%、金色雲母20.0質量%、黄、朱及び紅の合計3.0質量%からなり、印刷部において0.4g/m2付着させた。その後熱風ドライヤーにより乾燥した。
【0051】
印刷を施した紙基体の面にコロナ放電処理した後、接着層樹脂として、低密度ポリエチレン(密度0.92g/cm3、MFR=2g/10min)100%と上層樹脂として、高密度ポリエチレン(密度0.96g/cm3 、MFR=7g/10min)100%を320℃で溶融し、共押出機を用いて接着層3μm、上層17μmの厚さに、走行速度400m/minで共押出コーティングした。
【0052】
次にその反対側の紙基体面にコロナ放電処理した後アナターゼ型酸化チタン13質量%を含有する低密度ポリエチレン(アナターゼ型酸化チタンを含まないときの低密度ポリエチレン:密度=0.92g/cm3、MFR=2g/10min)コンパウンド樹脂を樹脂温度320℃で厚さが18μmとなるように走行速度400m/minで押出コーティングして、その後にアナターゼ型酸化チタン17質量%を含有する低密度ポリエチレン(アナターゼ型酸化チタンを含まないときの低密度ポリエチレン:密度=0.92g/cm3、MFR=2g/10min)コンパウンド樹脂を樹脂温度310℃で厚さが10μmとなるように逐次押出コーティングをし、樹脂被覆写真印画紙用支持体を得た。該樹脂被覆写真印画紙用支持体の樹脂層の表面は鏡面に裏面の樹脂層の面質は微粗面に加工した。
【0053】
得られた樹脂被覆した写真印画紙用支持体の乳剤層を塗設する反対側の面にコロナ放電した後、図1のようなクローズドドクターを備えたダイレクトグラビア塗工機にて、ロール面がクロムメッキで被覆されたグラビアロールを用いてバックコート層の塗工組成物を400m/minの塗工速度で塗布した。バックコート塗液の組成は顔料8.5質量%、表面活性剤0.1質量%、水90.4質量%をwetで3.7g/m2塗布し、dryで0.33g/m2付着させ、バックコート層を形成した。その後熱風ドライヤーにより乾燥し、樹脂被覆写真印画紙用支持体を得た。
【0054】
次に樹脂被覆した写真印画紙用支持体の乳剤層を塗設する面にコロナ放電した後に、図1のようなクローズドドクターを備えたダイレクトグラビア塗工機にて、ロール面がクロムメッキで被覆されたグラビアロールを用いて下引層の塗工組成物を400m/minの塗工速度で塗布した。下引層の塗液の組成はゼラチン濃度1.0%(対全量)、硬膜剤が濃度1.0%(対ゼラチン)、海面活性剤が濃度0.1%(対全量)であり、これをwetで5g/m2塗布し、その後熱風ドライヤーにより乾燥し、dryで50mg/m2付着させた。
【0055】
実施例2
バックコート塗布の工程において、ロール表面材質がセラミックで被覆されているグラビアロールを用いた以外は実施例1と同じである。
【0056】
実施例3
バックコート層塗布及び下引層塗布の工程において、ロール表面材質がセラミックで被覆されているグラビアロールを用いた以外は実施例1と同じである。
【0057】
比較例1
印刷の工程において、ロール表面材質がクロムメッキで被覆されているグラビアロールを用いた以外は実施例1と同じである。
【0058】
比較例2
印刷工程、バックコート、下引液の塗布工程において、図4に示す改善前のクローズドドクターを用いた以外は実施例3と同じである。
【0059】
評価結果について説明する。
実施例1〜3、比較例1〜2により樹脂被覆写真印画紙用支持体を製造した時に用いたグラビアロール面の目視での表面摩耗に関しての評価結果と目視での塗布性の評価結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
(注1)改:改善後のクローズドドクターを使用
前:改善前のクローズドドクターを使用
(注2)BC:バックコート
【0062】
グラビアロールの摩耗状態の評価
○:グラビアロールの表面摩耗が起こらなかった。
×:グラビアロールの表面摩耗が起こった。
【0063】
塗布性の評価
○:塗布性が良好であった。
×:塗布性不良であった。
【0064】
表1により明らかな如く、改善後のクローズドドクターを備え、且つ、表面がセラミックで被覆されたグラビアロールを用いることで、グラビアロールの表面摩耗が起こらなく、塗布性も良好で、高速安定操業出来ることがわかる。
【0065】
【発明の効果】
本発明により、高速でも、画像材料用支持体の安定操業が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】グラビアロールとマイナスの角度で接するスチールドクター刃(改善後)を備えたクローズドドクターの図
【図2】スチールドクター刃の接し方の図
【図3】画像材料用支持体の製造ラインの図
【図4】
グラビアロールとプラスの角度で接するスチールドクター刃(改善前)を備えたクローズドドクターの図
【符号の説明】
1 グラビアロール
2 スチールドクター刃先
3 プラスチックドクター刃
4 塗布液
5 ドクターブレード
6 ドクターブレード固定ノブ
7 ドクター軸
8 バックアップロール
9 塗布後の支持体
10 スチールドクター刃の反力
11 スチールドクター刃を支える支点
12 加圧する力(反力)10のグラビアロールの接線方向の力成分P
13 グラビアロールの中心点O
Claims (6)
- 紙基体の両面を樹脂組成物により被覆する画像材料用支持体の製造方法において、画像を設ける側と反対側の紙基体面に、上部のスチールドクターの刃先がグラビアロールにマイナスの角度で接するクローズドドクター及びロール表面がセラミックで被覆され、文字または画像が彫刻されたグラビアロールを用いて印刷することを特徴とする画像材料用支持体の製造方法。
- 紙基体の両面を樹脂組成物により被覆する画像材料用支持体の製造方法において、画像を設ける側と反対側の紙基体面を樹脂被覆した後、該樹脂被覆した面に、上部のスチールドクターの刃先がグラビアロールにマイナスの角度で接するクローズドドクター及びロール表面がセラミックで被覆されたグラビアロールを用いてバックコート液を塗布することを特徴とする画像材料用支持体の製造方法。
- 紙基体の両面を樹脂組成物により被覆する画像材料用支持体の製造方法において、画像を設ける側の紙基体面を樹脂被覆した後、該樹脂被覆した面に、上部のスチールドクターの刃先がグラビアロールにマイナスの角度で接するクローズドドクター及びロール表面がセラミックで被覆されたグラビアロールを用いて下引き液を塗布することを特徴とする画像材料用支持体の製造方法。
- 紙基体にダイレクトグラビア印刷方式で、雲母顔料並びに黄、朱、及び紅の色味の顔料若しくは染料を含むインキを用いて、金色の文字または画像を印刷することを特徴とする請求項1に記載の画像材料用支持体の製造方法。
- 画像を設ける側と反対側の樹脂被覆面に、形状の大きさが85〜300線/インチの彫刻パターンを有するグラビアロールを用いて、バックコート液を塗布し、顔料の塗布量が固形質量にして0.2〜0.5g/m2であるバックコート層を設けることを特徴とする請求項2に記載の画像材料用支持体の製造方法。
- 画像を設ける側の樹脂被覆面に、形状の大きさが75〜300線/インチの彫刻パターンを有するグラビアロールを用いて、濃度が0.1〜15%のゼラチンを主成分とする下引液を塗布し、固形質量にして0.01〜2g/m2である下引層を設けることを特徴とする請求項3に記載の画像材料用支持体の製造方法。
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