JP2011021286A - 湿潤二重塗工層の形成方法およびそれを用いた印刷用塗被紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】2層以上の塗被組成物により形成される湿潤二重塗工層の形成方法であり、その形成方法により、塗工欠陥の発生がない優れた操業性と均一なインキ着肉性を始めとする高いオフセット印刷適性を持つ印刷用塗被紙を提供する。
【解決手段】基材上に片面当り2層以上の塗層を設けた印刷用塗被紙において、該基材上に未乾燥状態で下塗り層5aを設け、該下塗り層に高輝度LEDで発生させた光を当てて、入射角の異なる二つの反射光である散乱反射光L1と正反射光L2を検出、算出された固形化度={1−(L1/L2)}×100の値が10〜90%、より好ましくは30〜80%となるよう調整した上に、上塗り層5bとして塗被組成物をカーテン塗布し、湿潤二重層を形成する方法であり、それを用いた印刷用塗被紙である。
【選択図】図1

Description

本発明は新規な印刷用塗被紙とその製造方法に関するものである。本発明に係る印刷用塗被紙は、優れたオフセット印刷適性、特に良好なインキ着肉性を持つものである。
印刷用塗被紙の製造において下塗り層を塗布、乾燥し、さらに上塗り層を塗布、乾燥して重層塗布を行い2層以上の塗層を形成することにより、上塗り層に高機能の塗層を設けることで印刷適性や白紙光沢、印刷光沢を向上させることができるため、近年重層塗被紙、特に2層塗被紙が普及してきている。
このような高機能の重層塗被紙の製造において様々な方法が提案されている。例えば原紙の少なくとも1層または2層以上の下塗り顔料塗層を有し、前記顔料塗層上に上塗り層としてプラスチックピグメントを全固形分に対して25〜95%含有する塗液をカーテン塗布し、表面を平滑化処理する方法(例えば、特許文献1参照)が提案されている。この方法は印刷用塗被紙に一般的に使用されているブレード塗布に対し、塗液の配合、液性の自由度が高く、カーテン塗布の特徴である輪郭塗布によってブレード塗布より均一なインキ着肉性が得られるため高機能の印刷用塗被紙を製造することができるが、カーテン塗布の際に下塗り原紙上の同伴空気に起因する塗工欠陥を防ぐことができず、印刷用塗被紙としては満足するものが得られなかった。
また重層塗被紙の製造方法において、下塗り層塗布と上塗り層塗布の工程の間に乾燥工程を設けず、未乾燥の下塗り層上に上塗り層を塗布する方法がある。この方法を行うと、層間強度を強くし、乾燥工程を部分的に省くことができるので、生産効率が高い。しかしながら、塗布後に両層の層間混合によってインキ着肉性等の印刷適性が低下してしまうといった障害が発生する。これを防止するため基材上に下塗り層としてゼータ電位が0を超える値である塗被組成物を塗布し、未乾燥状態の該下塗り層上に、上塗り層としてゼータ電位が0未満の値である塗被組成物を塗布する方法(例えば、特許文献2参照)が提案されているが、塗工液の配合が限定されてしまい広範な製品の製造には適さない。
特開2008−75200号公報 特開平8−100392号公報
かかる現状に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、塗工欠陥の発生がない優れた操業性と、均一なインキ着肉性を始めとする高いオフセット印刷適性を持つ印刷用塗被紙に関するものである。また、湿潤二重塗工層の形成方法を用いて製造された印刷用塗被紙である。
本発明は、(1)基材上に、少なくとも2層以上の塗被組成物により形成される湿潤二重塗工層であり、該基材上に下塗り層塗被組成物の固形化度が10〜90%となるよう調整した上に、上塗り層塗被組成物をカーテン塗布する湿潤二重塗工層の形成方法である。
固形化度={1−(L1/L2)}×100
(未乾燥状態の下塗り層に高輝度LEDで発生させた光を当てて、入射角の異なる二つの反射光である散乱反射光L1と正反射光L2を検出する。)
(2)該固形化度の値が30〜80%である湿潤二重塗工層の形成方法が好ましい。
さらに、本発明は、(1)または(2)の湿潤二重塗工層の形成方法で得られた塗工層を有する印刷用塗被紙である。
本発明の印刷用塗被紙は未乾燥の下塗り層に上塗り層をカーテン塗布することでカーテン塗布の輪郭塗工による均一な塗層に起因する均一なインキ着肉の発現と強い層間強度および乾燥工程を部分的に省略できることによる生産効率が高さを合わせ持ち、かつ未乾燥下塗り層の固形化度を10〜90%、より好ましくは30〜80%となるよう調整することで層間混合による印刷適性の低下を発生せず、かつ上塗り層カーテン塗布の際に塗工欠陥を生じないことにより、未塗布部分や塗布ムラのない良好な品質の塗布製品となる。
本発明の実施態様の一例を示す全体概略図。 本発明の実施態様の一例を示す拡大図。
以下、本発明の実施の形態について、図面によりさらに詳しく説明するが、本発明は、以下の実施形態に限定されることなく、様々な形態が可能であることはいうまでもない。
図1は、本発明の実施態様の一例を示す全体概略図である。
本発明における下塗り層はウェブ1にファウンテンアプリケーター2から過剰な下塗り塗被組成物5aを供給しブレード3により余剰な塗布液を掻き落としながら湿潤した塗布面を形成する。その後ウェブに近接させたエアカット用ドクター7を通過し、湿潤したままゲル率センサー6の下を通過した後、カーテンコーターヘッド4の下を通過しカーテンコーターヘッド4から供給された上塗り層塗被組成物5bにより、下塗り層と上塗り層からなる湿潤二重層を形成し、その後、乾燥工程を経てロール状に巻き取られて製造される。
図2は本発明の実施態様の一例を示す拡大図であるが未乾燥の下塗り層を設けたウェブ1に近接した固形化度センサー6の発光部8から高輝度LED光を照射し、散乱反射光受光装置9により鉛直方向の散乱反射光L1を、また正反射光受光装置10により正反射光L2を検出、演算して固形化度として表示される。固形化度は未乾燥の下塗り層の固形化状態を測定することができる。これは一般的にはセットと称される状態変化で湿潤した下塗り層は塗布された直後から基材である原紙への選択的な水分吸収と僅かな空気中への蒸発の両方の作用によって時間と共に固形分濃度が上がる。固形分濃度が上がると湿潤した下塗り層表面に照射された光の反射状態が変化する。すなわち固形分濃度が低い場合は湿潤した下塗り層の表面に水分の膜が形成されるため、表面が鏡面状になり正反射の量が多くなる。しかし固形分濃度が高くなっていくと表面の水分膜は失われるために塗層表面が粗い状態となり散乱反射が多くなっていく。ここで上記の散乱反射光L1と正反射光L2で受光する反射光量の比を取ることによって固形化状態の変化の度合いが導き出される。
この固形化度の値は下塗り層塗被組成物の塗布と上塗り層塗被組成物の塗布の間の経過時間、それぞれの塗被組成物の固形分濃度、塗布量、原紙のサイズ性などに影響を受けるが、本発明で鋭意検討した結果、固形化度を10〜90%、より好ましくは30〜80%となるよう調整することで層間混合による印刷適性の低下を発生せず、かつ上塗り層カーテン塗布の際に塗布欠陥を生じないことにより、未塗布部分や塗布ムラのない良好な品質の塗布製品が得られることが判った。固形化度が90%を超える場合は下塗り層表面が鏡面状態、すなわち水分膜が多く形成されている状態となっており固形化が進んでいない状態である。このような状態で上塗り層塗被組成物を塗布すると上塗り層塗被組成物と下塗り層塗被組成物の層間混合が起こり、上塗り層塗被組成物と下塗り層塗被組成物のバインダーマイグレーションによるインキ着肉の悪化や不均一化、塗層構造の変化による白紙光沢の低下、インキセットの変化による印刷光沢の低下などの印刷適性低下が起こる。特に上塗り層塗被組成物として、スチレンアクリル等の中空粒子を含有する高機能塗層を設けた場合に下塗り層塗被組成物との層間混合は印刷品質の大幅な低下をもたらす。また固形化度が10%未満の場合は下塗り層塗被組成物表面が光を散乱する状態、すなわち表面に凹凸が存在する状態となる。このような状態で上塗り層塗被組成物を塗布すると湿潤した下塗り層塗被組成物表面の凹部に存在する同伴空気が上塗り層のカーテン膜自体を乱すことによる比較的マクロな塗布欠陥が発生する。また湿潤した下塗り層塗被組成物と上塗り層塗被組成物の間に侵入した空気がその後の乾燥工程で上塗り層を破壊して比較的ミクロな塗布欠陥を発生し、良好な印刷用塗被紙は得られない。以上から上塗り層塗被組成物を塗布する際の固形化度は10〜90%、より好ましくは30〜80%が望ましい。
本発明による塗被組成物を基材に下塗り層として塗布する方法は、特に限定されるものではなく、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、ショートドウェルコーター、カーテンコーター、スプレーコーター、噴霧式コーター等の通常の各種塗布装置を用いることができる。
本発明による塗被組成物を基材に上塗り層として塗布する方法は、カーテンコーターが望ましい。ここでいうカーテンコーターは、塗布ヘッドから幅方向において、膜厚みが均一なカーテン膜を形成し、連続して走行する支持体に、カーテン膜を塗層として転移させる装置を指すもので、カーテン膜の形成方法として、エクストルージョン式や多層同時塗布可能なスライド式、両者の混合したスライドエクストルージョン式のいずれの方法も採ることができる。
例えばエクストルージョン式については図1において、予め調整された塗布液が給液タンクから給液ポンプによってコーターヘッドへ送られる。カーテンコーターヘッド4の内部は、マニホールド、スリット、スリット出口からなり、それぞれ高精度の仕上げが施されている。供給された塗布液は、マニホールドに満たされ、さらにスリット、スリット出口に送られるときに通過する狭い間隙により、給液ポンプの送液による動圧の影響が軽減され、幅方向における圧力分布が均一化され、垂直な上塗り層塗被組成物のカーテン膜が形成される。
幅方向でプロファイルが均一となった上塗り層塗被組成物のカーテン膜は、図1のように連続走行しているウェブ1と接触し、ウェブ1上に塗布膜を形成する。
形成させた上塗り層塗被組成物のカーテン膜を安定した状態で塗布するためには、ウェブからカーテンコーターヘッド4下部のスリット出口までの高さがある程度必要とされるが、本実施形態においてはその高さを制御することも可能であり、上塗り層塗被組成物のカーテン膜の安定に適した高さは好ましくは60〜250mm、より好ましくは120〜180mmである。カーテン膜高さが好ましい範囲より低いとカーテン膜の落下による衝突力が減少しウェブに同伴してくるエアに対する抵抗力が減るため、塗布ムラを起こしやすくなる恐れがある。また、好ましい範囲より高いと周辺空気の変動など外乱の影響を受けやすくなる恐れがある。
また上塗り層塗被組成物のカーテン膜はウェブ1の同伴してくる空気によってカーテンユレや破壊などの問題を発生することがあるため、同伴空気を抑制するエアカット装置を使用することができる。エアカット装置としては、ブレードなどを直接接触させて同伴空気を除去する接触式のエアカット装置と、ウェブの走行方向とは逆向きのカウンターエアを吹き付けたり、空気をサクションしたりする非接触式に大別されるが、本発明においては未乾燥の下塗り層に上塗り層をカーテン塗布するため、非接触式のエアカット装置しか使用できない。このためエアカット装置の効果は限定的となり、固形化度が10%未満の場合同伴空気による悪影響を防ぎきれない。
本発明において、「塗被組成物」とは、顔料塗被紙用塗布液として無機あるいは有機顔料を分散せしめたものが挙げられる。
本発明において、塗被組成物に用いられる顔料としては、特に限定されるものではなく、例えば、各種カオリン、焼成カオリン、シリカ、アルミナ、タルク、粉砕炭酸カルシウムなどの精製した天然鉱物顔料、サチンホワイト、リトポンなどの複合合成顔料、酸化チタン、沈降性炭酸カルシウム、水酸化アルミナなどの半合成顔料、有機密実顔料、有機中空顔料などの合成樹脂顔料が挙げられる。
塗被組成物に用いられる澱粉としては、通常の澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、酵素変性澱粉やそれらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性澱粉が挙げられる。
また、塗布液に用いられる増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ポリアクリル酸ソーダなどの水溶性高分子、ポリアクリル酸塩、スチレンマレイン酸無水共重合体などの合成重合体、珪酸塩などの無機重合体などが挙げられる。
塗工液に用いられる澱粉以外のバインダーとしては、スチレン−ブタジエン系、アクリル系、酢酸ビニル系などの各種ラテックス、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、尿素またはメラミン/ホルマリン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン/エピクロルヒドリンなどの水溶性合成物、ワックス、カゼイン、大豆蛋白などの天然物およびこれらをカチオン化したものなどが挙げられる。
また、必要に応じて、分散剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤、カチオン化剤、滑剤などの通常使用されている各種助剤、およびこれらの各種助剤をカチオン化したものが好適に用いられる。
本発明において層塗被組成物を塗布するウェブである塗工用基材としては、LBKP、NBKPなどの化学パルプ、GP、PGWRMP、TMP、CTMP、CGPなどの機械パルプ、および故紙パルプなどの各種パルプを含み、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリンなどの各種填料、サイズ剤、定着剤、歩留まり剤、紙力増強剤などの各種配合剤を好適に配合し、酸性、中性、アルカリ性のいずれかで抄造されたものを用いることができる。
本発明に係る原紙においては、ノーサイズプレス原紙、澱粉、ポリビニルアルコールなどでサイズプレスされた原紙などを用いることができる。また、必要とする原紙の密度、平滑度を得るために各種カレンダー処理を施す場合もある。また、一連の操業で塗工、乾燥された印刷用塗被紙は、必要に応じて各種カレンダー処理が施される。
本発明において上層の塗被組成物については、カーテン塗布を行うことが可能な塗被組成物であれば制限なく用いることができるが、塗被組成物の粘度についてはB型粘度が10〜2000cpsの範囲の塗被組成物が好ましい。B型粘度が10cpsより低いとカーテンの成膜性が悪化し、必要な液流量でカーテンが形成されない恐れがある。またB型粘度が2000cpsより高いと液送りが困難で送液の脈動現象が発生してカーテンが安定せず、均一な塗布層が形成できない可能性がある。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお実施例中の部および%は、特に指定のない限り、すべて質量部および質量%を示す。
実施例1
<原紙配合>
LBKP(濾水度440mlcsf) 70部
NBKP(濾水度490mlcsf) 30部
<内添薬品>
炭酸カルシウム(原紙中灰分で表示) 8部
カチオン化澱粉 1.0部
カチオン系ポリアクリルアミド歩留まり向上剤 0.03部
パルプ、内添薬品を上記の配合で調製し、坪量70g/mの原紙を抄造した。
<下塗り塗被組成物の配合>
微粒カオリンクレー 20部
一級カオリンクレー 50部
重質炭酸カルシウム 30部
ポリアクリル酸系分散剤 0.1部
ラテックスバインダー(スチレン・ブタジエン) 10部
燐酸エステル澱粉 5部
水酸化ナトリウム pH9.6に調整
<上塗り塗被組成物の配合>
有機中空粒子(スチレンアクリル 平均粒径1μm) 20部
一級カオリンクレー 50部
重質炭酸カルシウム 30部
ポリアクリル酸系分散剤 0.1部
ラテックスバインダー(スチレン・ブタジエン) 10部
燐酸エステル澱粉 5部
アセチレングリコール系界面活性剤 0.3部
水酸化ナトリウム pH9.6に調整
上記により得られた原紙に対して、下塗り塗被組成物を上記の配合により調製し、ファウンテンアプリケーション/ベベルブレード方式塗工機を用いて片面塗布量が8g/mとなるよう塗布した。その際、下塗り塗被組成物の固形分濃度と塗工速度、上塗り塗被組成物のエクストルージョン型カーテンコーターの位置を調整して、未乾燥の下塗り層の固形化度が35%となるように調整した後、上塗り層塗被組成物をエクストルージョン型カーテンコーターで片面塗布量6g/m塗布、乾燥して印刷用塗被紙を得た。
得られた印刷用塗被紙に対し、オフラインでスーパーカレンダー装置(段数:10段、剛性ロール:外径400mmのチルドロール、弾性ロール:外径400mmのコットンロール、線圧:220kN/m)を用いてカレンダリング処理を施し、実施例1の印刷用塗被紙を製造した。
実施例2
実施例1において、固形化度が75%となるよう条件を設定した以外は実施例1と同様にして、実施例2の印刷塗被紙を製造した。
実施例3
実施例1において、固形化度が12%となるように条件を設定した以外は実施例1と同様にして、実施例3の印刷用塗被紙を製造した。
実施例4
実施例1において、固形化度が88%となるように条件を設定した以外は実施例1と同様にして、実施例4の印刷用塗被紙を製造した。
比較例1
実施例1において、固形化度が8%となるように条件を設定した以外は実施例1と同様にして、比較例1の印刷用塗被紙を製造した。
比較例2
実施例1において、固形化度が92%となるように条件を設定した以外は実施例1と同様にして、比較例2の印刷用塗被紙を製造した。
比較例3
実施例1において、下塗り層塗被組成物を塗布後のラインに熱風乾燥設備を設け、下塗り層塗被組成物を完全に乾燥した以外は実施例1と同様にして、比較例3の印刷用塗被紙を製造した。
比較例4
比較例3において、上塗り層塗被組成物を塗布する方法としてファウンテンアプリケーション/ベベルブレード方式塗工機を用いた以外は比較例3と同様にして、比較例4の印刷用塗被紙を製造した。
上記実施例1〜4および比較例1〜4により得られた印刷用塗被紙について、下記の評価方法により評価し、その結果を表1に示した。
<評価方法>
(1)印刷光沢
得られた印刷用塗被紙に、RI印刷適性試験機を用い、藍色、紅色、黄色(インキ量各0.2cc)の重色ベタ印刷を施した後、グロスメーターにて、光沢を60°−60°反射率で評価した。評価基準を以下に示す。ただし、本発明においては、○以上を発明の対象とした。
◎(非常に良好):印刷光沢が70%以上
○(良好) :印刷光沢が65%以上で70%未満
△(普通) :印刷光沢が55%以上で65%未満
×(不良) :印刷光沢が55%未満
(2)塗被層の均一性
塗被層の均一性は、得られた印刷用塗被紙を約10%塩化アンモニウム溶液で湿らせ、炉内で印刷用塗被紙を300〜400℃まで加熱したときに、この化学薬品によってセルロース繊維が黒くなる。それ故、黒い基体とは対照的に白い塗被層が現れ、この均一性を官能評価した。評価基準を以下に示す。ただし、本発明においては、○以上を発明の対象とした。
◎(非常に良好):白い塗被層がほぼ完全に均一
○(良好) :黒い繊維部分が若干認められるが全体的に均一
△(普通) :黒い繊維部分が全面積の約1/3を占め、部分的に不均一
×(不良) :黒い繊維部分が全面積の半分以上を占め全面不均一
(3)インキ着肉ムラ
印刷光沢の評価時と同様に単色印刷を施して、各印刷用塗被紙における印刷ムラを目視観察した。評価基準を以下に示す。ただし、本発明においては、○以上を発明の対象とした。
◎(非常に良好):インキ着肉ムラが全く観察されない。
○(良好) :インキ着肉ムラがごく僅かに観察されるが、製品として良好。
△(普通) :インキ着肉ムラが観察されるが製品として可のレベル。
×(不良) :インキ着肉ムラが観察され、製品として使用不可。
(4)マクロ塗布欠陥
得られた印刷用塗被紙に発生した1〜3mmの大きさの塗布欠陥の程度を目視評価した。評価基準を以下に示す。ただし、本発明においては、○以上を発明の対象とした。
◎(非常に良好):全く発生なし。
○(良好) :一部分もしくはごく僅かに発生する。
△(普通) :部分的に発生する。
×(不良) :全面に発生する。
(5)ミクロ塗布欠陥
得られた印刷用塗被紙に発生した10〜50μmの大きさの塗布欠陥の程度を電子顕微鏡写真によって評価した。評価基準を以下に示す。ただし、本発明においては、○以上を発明の対象とした。
◎(非常に良好):全く発生なし。
○(良好) :一部分もしくはごく僅かに発生する。
△(普通) :部分的に発生する。
×(不良) :全面に発生する。
Figure 2011021286
評価;
上記表1から明らかなように、実施例1、2は印刷光沢、塗被層の均一性、インキ着肉ムラ、マクロ塗布欠陥、ミクロ塗布欠陥とも良好な結果であった。実施例3はマクロ塗布欠陥、ミクロ塗布欠陥がごく僅かに発生したが許容範囲で他の特性は良好だった。実施例4は印刷光沢がやや低く、インキ着肉ムラが僅かに観察されたが他は良好で製品として問題なかった。比較例1はマクロ塗布欠陥が一部に、ミクロ塗布欠陥が全面に観察され、これに影響された他の特性(印刷光沢および塗被層の均一性)も低下傾向で製品として問題があった。比較例2については塗工欠陥はないがインキ着肉ムラが製品として不可レベルで他の特性も不可レベルだった。比較例3はマクロ塗布欠陥、ミクロ塗布欠陥とも全面に発生し、製品として問題があった。比較例4については塗工欠陥はなく印刷光沢も良好だったが、塗被層が不均一で、これに伴いインキ着肉ムラが不可レベルだった。
1 ウェブ
2 ファウンテンアプリケーター
3 ブレード
4 カーテンコーターヘッド
5a 下塗り層塗被組成物
5b 上塗り層塗被組成物
6 固形化度センサー
7 エアカット用近接ドクター
8 発光部
9 散乱反射光受光部
10 正反射光受光部

Claims (3)

  1. 基材上に、少なくとも2層以上の塗被組成物により形成される湿潤二重塗工層であり、該基材上に形成される下塗り層塗被組成物の固形化度が10〜90%となるよう調整した上に、上塗り層塗被組成物をカーテン塗布して形成することを特徴とする湿潤二重塗工層の形成方法。
    固形化度={1−(L1/L2)}×100
    (未乾燥状態の下塗り層に高輝度LEDで発生させた光を当てて、入射角の異なる二つの反射光である散乱反射光L1と正反射光L2を検出する。)
  2. 該固形化度の値が30〜80%となる請求項1記載の湿潤二重塗工層の形成方法。
  3. 請求項1または2記載の湿潤二重塗工層の形成方法で得られた塗工層を有する印刷用塗被紙。
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