JP2007211357A - オフセット輪転印刷用塗工紙 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、オフセット輪転印刷の熱乾燥工程におけるひじわの発生を抑制し、かつ印刷適性の良好なオフセット輪転印刷用塗工紙を提供する。
【解決手段】原紙上に、少なくとも顔料および接着剤を含有する塗工層を少なくとも2層以上設けたオフセット輪転印刷用塗工紙において、該塗工層の最下層中に顔料成分として、平均粒子径0.5〜3.0μmの中空樹脂粒子を含有することを特徴とするオフセット輪転印刷用塗工紙。該最下層の塗工方法としてはフィルムトランスファー方式が好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、オフセット輪転印刷用塗工紙に関するものであり、さらに詳しくはオフセット輪転印刷時の熱乾燥工程後に発生するひじわを抑制し、かつ優れた印刷適性を有するオフセット輪転印刷用塗工紙に関するものである。
近年、オフセット印刷の分野では、増大する印刷物の需要や省力化にあわせ、印刷の同時多色化や高速化が進められており、印刷用紙に対する操業性および印刷品質の要望がますます厳しくなっている。特に、オフセット輪転(以後、オフ輪と称する)印刷では生産性を重視するため印刷速度がより高速になり、それに伴っていわゆるピッキング、ひじわ、およびブリスター等のトラブルに対応する技術が求められている。
これらの発生原因については、これまで多くの研究がなされている。ブリスターは、塗工紙にオフセット印刷を施した場合、高温強制乾燥時に塗工原紙に含まれていた水分が急激に蒸発して、塗工層が膨れた状態のことである。これは、印刷部においては蒸気の逃げ場が十分ではないために、蒸気が紙層強度に勝り、紙層を剥離して膨張したものである。ブリスターの発生に関わる要因は、塗工紙の水蒸気透過性や紙層間強度などが関係するといわれている。
一方、ひじわは、塗工紙にオフ輪印刷後、紙上のインキを高温で強制乾燥する際に発生する紙の流れ方向の波うち状のしわであり、印刷物の外観品質を著しく損なうものである。この原因については、2つの考え方がある。一つは、テンションじわであり、オフ輪印刷時に用紙にテンションが加わるために発生したしわが、オフセットインキにより固定化するという考え方である。もう一つは、オフ輪印刷の乾燥工程において、印刷部と非印刷部の乾燥収縮量の差によりしわが発生する考え方である。インキで覆われた印刷部と非印刷部では、熱乾燥時、非印刷部のほうが紙中水分の蒸発速度が速いため、先に収縮が始まり、両者の収縮量に差が生じるのである。
この様なひじわの現象を抑制するために、いくつかの手法が提案されている。オフ輪印刷用塗工紙における原紙のパルプのフリーネスを特定範囲に保持すると共に、当該原紙の透気度も通気性の良い領域に規制する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、フリーネスと透気度は逆相関することから、生産コスト内での操業性を考慮すると調節は困難である。
また、原紙の内部層間強度と巻取り水分を規定し、ひじわを軽減する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)が、内部層間強度を下げることはブリスターの発生を助長することになる。これを防ぐには塗工紙水分を低くする必要があるが、その後の折り工程で塗工層の表面が割れる現象が発生しやすくなる。また、巻き取り水分は多くの要因により変動しやすく、これを調整することは製造上困難である。
さらに、特定のケン化度のポリビニルアルコール(以下、PVAと称する)を規定量塗工した原紙を使用することでオフ輪印刷における熱乾燥時の収縮を抑制し、ひじわを軽減する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。また、特定の粘度を有するPVA水溶液を原紙に塗布するなどして、オフ輪用塗工紙の乾燥収縮力を特定範囲内に収めることでひじわを軽減する方法等も提案されている(例えば、特許文献4参照)。これらの方法は、PVAの樹脂皮膜で原紙を被覆することにより、該塗工紙の印刷後に施される熱乾燥時に、非印刷部からの水分の蒸発を抑制し、印刷部と非印刷部の乾燥収縮差を解消することを目的としている。しかしながら、このようなオフ輪印刷用塗工紙は、ひじわの抑制には効果的である反面、吸油着肉の悪化に伴い印刷ムラが発生しやすくなったり、上塗り層に特徴的な細孔が発生するなどして、印刷品質が損なわれることがある。また、PVAは蒸煮が必要であり、粘度が極めて高く、例えば、85モル%以上のケン化度で重合度500のPVAの30質量%のB型粘度(60rpm、液温20℃)は、10000mPa・s以上であり、ハンドリングや実操業が困難となる。なお、該PVA水溶液の粘度を下げるため、希釈して濃度を下げると、塗工時の乾燥負荷が大きくなり、生産性の低下に繋がる。
そして、塗工紙の表面層に特定の表面サイズ剤とプラスチックピグメントを規定量含有することにより、ひじわを抑制し、優れた印刷適性が得られるという方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。しかし、表面層にサイズ剤が存在することで、オフセット印刷時に湿し水の吸水性低下による着肉性不良、同じくインキ吸収性の低下によるインキセット性不良がみられる。また、プラスチックピグメントを含有する表面層皮膜は表面サイズ剤で形成されており、印刷時の表面強度も不十分である。更に、プラスチックピグメントを高配合すると、塗工面に面感(光沢感などに代表される、用紙からうける目視での印象)ムラを生じ易く、商品価値の低下を招く。これは、プラスチックピグメントが無機顔料と異なり粒度分布がシャープであることと、透明感を持つためだと考えられる。一方、操業性の面では、プラスチックピグメントを高配合すると、例えば、ブレードコーターで塗工すると凝集物が発生し、ストリークを多発させてしまう。加えて、仕上げ工程のカレンダーロールに過剰に貼り付くことで、ロール汚れを発生させてしまう。
これらの理由から、オフ輪印刷用塗工紙において、ひじわの抑制に効果があり、その他の品質、及び操業性を十分に満足するものが望まれてきた。
特開昭58−186700号公報 特開平9−291496号公報 特開平11−350391号公報 特開2000−45199号公報 特開2004−91986号公報
本発明の目的は、オフ輪印刷の熱乾燥工程におけるひじわの発生を抑制し、かつ優れた印刷適性を有するオフ輪印刷用塗工紙を提供するものである。
本発明者は上記のごとき現状を踏まえて鋭意検討した結果、本発明のオフ輪印刷用塗工紙を発明するに至った。
すなわち、本発明のオフ輪印刷用塗工紙は少なくとも顔料および接着剤を含有する塗工層を少なくとも2層以上設けたオフ輪印刷用塗工紙において、該塗工層の最下層中に顔料成分として、粒子径0.5〜3.0μmの中空樹脂粒子を含有することを特徴とするものである。
上記発明において、最下層はフィルムトランスファー塗工方式で原紙上に設けることが好ましい。
本発明によれば、オフ輪印刷の熱乾燥工程におけるひじわの発生を抑制し、かつ優れた印刷適性を有するオフ輪印刷用塗工紙を提供することが可能となる。
以下、本発明のオフ輪印刷用塗工紙について詳細に説明する。
本発明のオフ輪印刷用塗工紙は、原紙上に、少なくとも顔料および接着剤を含有する塗工層を少なくとも2層以上設けたオフ輪印刷用塗工紙において、該塗工層の最下層中に顔料成分として、平均粒子径0.5〜3.0μmの中空樹脂粒子を含有することにより、オフ輪印刷時のひじわが抑制され、更には優れた印刷適性が得られる。
本発明において、塗工層の最下層に存在する中空樹脂粒子は、その内部に空気を含むことで熱伝導率が低く、断熱性を有している。故に、この中空樹脂粒子を含有する最下層は、断熱層の役割を果たし、オフ輪印刷の高温乾燥時に原紙への熱伝導を抑制し、ひいては原紙中水分の蒸発速度を遅延させることにより、結果的に印刷部と非印刷部の収縮差が縮まるものと考えられる。また、中空樹脂粒子は原紙繊維間に充填して原紙繊維間の空隙を減少させると考えられ、熱の移動を妨げる意味で断熱層を形成するには有効な材料である。
本発明に使用する中空樹脂粒子の粒子径は、0.5〜3.0μmが好ましい。0.5μm未満であると空気の含有量が少ないために断熱効果が小さく、3.0μmを超えると粒子配列時の空隙が大きくなり、熱の移動や水分の移動を容易にさせて、ひじわの抑制が不十分となる。これら中空樹脂粒子は、1種単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記中空樹脂粒子の組成は、スチレンを主としたポリマーであり、アクリル、ブタジエンなどのモノマーを含む共重合体であっても良い。また、中空樹脂粒子は、代表的にはアルカリ/酸二段処理法等の製造方法により得られる。また、中空樹脂粒子のガラス転移点は、熱や圧力による変形が過度にならないために、好ましくは30℃以上、更に好ましくは60℃以上が必要である。これらは、適宜製造したものであっても良いし、市販品であっても良い。該市販品としては、例えば、ローム・アンド・ハース社製のポリマー・ローペイク等が好適に挙げられる。
本発明において、塗工層の最下層には、上記中空樹脂粒子以外に接着剤として、スチレン/ブタジエン系、アクリル系、酢酸ビニル系等の各種共重合体ラテックス、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ユリア又はメラミン/ホルマリン樹脂、ポリアミンポリアミド/エピクロルヒドリン等の水溶性合成物、酸化澱粉、カチオン化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉等のエーテル化澱粉、デキストリン等の各種澱粉、カゼイン、大豆蛋白等の天然物及びこれらをカチオン化したもの等を使用するのが好ましい。これらの中でも、スチレン/ブタジエン系ラテックス、及びポリビニルアルコール(PVA)が皮膜形成能の点で好ましい。これら接着剤の配合量は、中空樹脂粒子のひじわ抑制効果を妨げない程度に使用するのが良い。
塗工層の最下層の塗工量は、特に制限されるものではないが、好ましくは、ひじわ抑制効果の意味から多い方が有利と言える。特に好ましい範囲は、中空樹脂粒子の乾燥質量分として0.5g〜5g/m2であるが、塗工量が片面あたり0.5g/m2未満では、ひじわ抑制効果の発現が小さくなり、塗工量が片面あたり5g/m2を超えて多い場合には、ひじわ抑制効果は大きくなるが、液コストの増加、塗工適性不良、及び塗工後の乾燥負荷が大きくなる。
本発明に係わる最下層の塗工方法としては、フィルムトランスファーコーターが好ましい。高速塗工方式として一般的なブレード方式でも塗工可能であるが、該最下層液は中空樹脂粒子を多く含有するためブレード方式であるとスタラグマイト、ブリーディング、ストリーク等の塗工トラブルが発生し易い。また、エアナイフ方式でも塗工可能であるが、通常この塗工方式の塗工濃度は他方式に比べて低いため、塗工液の浸透ムラが起き易く、よって塗工顔料の原紙表面での均一な断熱層の形成には不利となる。このような理由で、フィルムトランスファーコーターが好ましく、具体的には、ロッドメタリング方式のフィルムトランスファーコーター、ブレードメタリング方式のフィルムトランスファーコーター、そしてゲートロールコーター等が挙げられる。
本発明に係わる該最下層を形成するための塗工液は、塗工に際しての塗工適性を調節するために流動調節剤や消泡剤等を適宜組み合わせ混合しても良い。
本発明に係わる中空樹脂粒子を含有する塗工層は、複数の塗工層のうち原紙に直接接する層、つまり最下層に位置することを特徴とする。原紙の直近にあって断熱効果を果たすには有効であるし、逆に最上層に位置すると印刷適性に悪影響を及ぼす。
本発明において、塗工層の最上層(以後、印刷用塗工層と称する)は、顔料と接着剤を主成分とするが、顔料としては、特に限定されるものではなく、例えば、各種カオリン、タルク、粉砕炭酸カルシウムなどの精製した天然鉱物顔料、サチンホワイト、リトポンなどの複合合成顔料、酸化チタン、沈降性炭酸カルシウム、水酸化アルミナなどの半合成顔料、プラスチック顔料などの合成顔料が挙げられる。
印刷用塗工層の塗工液に用いられる接着剤としては、スチレン/ブタジエン系、アクリル系、酢酸ビニル系などの各種共重合体SBRラテックス、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ユリアまたはメラミン/ホルマリン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミン/エピクロルヒドリンなどの水溶性合成物、酸化澱粉、カチオン化澱粉、尿素リン酸エステル化澱粉、ヒドロキシエチルエーテル化澱粉等のエーテル化澱粉、デキストリン等の各種澱粉、カゼイン、大豆蛋白等の天然物及びこれらをカチオン化したもの等が挙げられる。
また、印刷用塗工層の塗工液には、適宜、増粘剤を用いる場合があるが、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カゼイン、ポリアクリル酸ソーダなどの水溶性高分子、ポリアクリル酸塩、スチレン/マレイン酸無水共重合体などの合成重合体、珪酸塩などの無機重合体などが挙げられる。
更に、必要に応じて、分散剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤など、通常使用されている各種助剤、およびこれらの各種助剤をカチオン化したものが好適に用いられる。
そして、印刷用塗工層の塗工液の塗工に際しては、一般の塗工紙製造に使用される塗工装置、例えばブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、カーテンコーター、ダイスロットコーター、グラビアコーター、サイズプレスコーター等によって塗工される。塗工時の印刷用塗工層の塗工液の固形分濃度は一般に40〜70質量%で、操業性を考慮すると50〜65質量%で調整され、塗工量としては乾燥質量で一般に片面あたり5〜20g/m2の範囲に調整するのがよい。
本発明に用いられる原紙としては、LBKP、NBKPなどの化学パルプ、GP、PGW、TGW、TMP、CTMP、CGPなどの機械パルプ、および故紙パルプなどの各種パルプを含み、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリンなどの各種填料、サイズ剤、定着剤、歩留り剤、紙力増強剤などの各種配合剤を好適に配合し、酸性、中性、アルカリ性のいずれかでも抄造できる。
使用される抄紙機としては、長網方式、円網方式、ツインワイヤー方式、ハイブリッド方式、ギャップフォーマー型、ロールフォーマー型などの各種形式の抄紙機を用いて抄造することができる。
本発明の原紙においては、ノーサイズプレス原紙、澱粉、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミドなどの天然あるいは合成バインダーによりサイズプレスされた原紙(ただし本発明においてサイズプレス層は塗工層に含めない)などを用いることができる。また、必要とする原紙の密度、平滑度を得るためにマシンカレンダー等の各種カレンダー処理を施す場合も有る。
一連の操業で、塗工、乾燥された塗工紙は、必要に応じてスーパーカレンダー、ソフトカレンダー等の各種カレンダー処理が施される。
以下に実施例により本発明をより具体的に説明するが、これらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断らない限り、例中の部および%はそれぞれ質量部および質量%を示す。
(実施例1)
<原紙配合>
・LBKP(濾水度440mlcsf) 70部
・NBKP(濾水度490mlcsf) 30部
<内添薬品>
・市販軽質炭酸カルシウム(*原紙中灰分で表示) *8部
・市販カチオン化澱粉 1.0部
・市販カチオン系ポリアクリルアミド歩留まり向上剤 0.03部
パルプ、内添薬品を上記の配合で調製し、坪量70g/m2の原紙を抄造した。
<最下層形成用塗工液>
・市販中空樹脂粒子 100部
(粒子径1.0μm、HP−91、ローム・アンド・ハース社製)
・市販SBRラテックス 10部
<印刷用塗工層形成用塗工液>
・市販微粒カオリンクレー 45部
・市販一級カオリンクレー 20部
・市販重質炭酸カルシウム 35部
・市販ポリアクリル酸系分散剤 0.1部
・市販SBRラテックス 10部
・市販燐酸エステル澱粉 5部
・水酸化ナトリウム pH9.6に調整
上記により得られた原紙に対して、最下層形成用塗工液をロッドメタリング方式のフィルムトランスファーコーター(表1、及び2ではFTと称する)により、塗工速度800m/分で塗工液を中空樹脂粒子分として片面あたり1.0g/m2(両面合計で2.0g/m2)塗工し、乾燥して最下層塗工紙を得た。また、印刷用塗工層形成用塗工液を上記の配合により調製し、ファウンテンアプリケーション/ブレード方式塗工機を用いて、塗工速度1200m/分で塗工液を片面あたり10g/m2(両面合計で20g/m2)塗工し、乾燥して塗工紙を得た。
得られた塗工紙に対し、オフラインでスーパーカレンダー装置(段数:10段、剛性ロール:外径400mmのチルドロール、弾性ロール:外径400mmのコットンロール、線圧:220kN/m)を用いてカレンダリング処理を施し、実施例1のオフ輪印刷用塗工紙を製造した。
(実施例2)
実施例1において、最下層形成用塗工液中の中空樹脂粒子の粒子径を2.8μmのものに変更した以外は、すべて実施例1と同様にして実施例2のオフ輪印刷用塗工紙を製造した。
(実施例3)
実施例1において、最下層形成用塗工液中の中空樹脂粒子の粒子径を0.55μmのものに変更した以外は、すべて実施例1と同様にして実施例3のオフ輪印刷用塗工紙を製造した。
(実施例4)
実施例1において、最下層形成用塗工液中の市販SBRラテックスの配合量を100部に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして実施例4のオフ輪印刷用塗工紙を製造した。
(実施例5)
実施例1において、最下層形成用塗工液中の塗工量を中空樹脂粒子分として片面あたり0.5g/m2(両面合計で1.0g/m2)に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして実施例5のオフ輪印刷用塗工紙を製造した。
(実施例6)
実施例1において、最下層形成用塗工液中の塗工量を中空樹脂粒子分として片面あたり4.0g/m2(両面合計で8.0g/m2)に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして実施例6のオフ輪印刷用塗工紙を製造した。
(実施例7)
実施例1において、最下層形成用塗工液中の塗工量を中空樹脂粒子分として片面あたり0.3g/m2(両面合計で0.6g/m2)に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして実施例7のオフ輪印刷用塗工紙を製造した。
(実施例8)
実施例1において、最下層形成用塗工液中の塗工量を片面あたり6.0g/m2(両面合計で12.0g/m2)に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして実施例8のオフ輪印刷用塗工紙を製造した。
(実施例9)
実施例1において、最下層形成用塗工液中の市販SBRラテックスを市販PVAに変更し、配合量を3部とした以外は、すべて実施例1と同様にして実施例9のオフ輪印刷用塗工紙を製造した。
(実施例10)
実施例1において、最下層形成用塗工液の塗工方式をファウンテンアプリケーション/ブレード方式(表1、及び表2ではBLと称する)に変更した以外は、すべて実施例1と同様にして実施例10のオフ輪印刷用塗工紙を製造した。
(比較例1)
実施例1において、最下層形成用塗工液中の中空樹脂粒子の粒子径を0.4μmのものに変更した以外は、すべて実施例1と同様にして比較例1のオフ輪印刷用塗工紙を製造した。
(比較例2)
実施例1において、最下層形成用塗工液中の中空樹脂粒子の粒子径を4.2μmのものに変更した以外は、すべて実施例1と同様にして比較例2のオフ輪印刷用塗工紙を製造した。
(比較例3)
実施例1において、最下層形成用塗工液中の中空樹脂粒子を密実型で粒子径0.32μmのものに変更した以外は、すべて実施例1と同様にして比較例3のオフ輪印刷用塗工紙を製造した。
(比較例4)
実施例1において、最下層形成用塗工液中の中空樹脂粒子を密実型で粒子径0.8μmのものに変更した以外は、すべて実施例1と同様にして比較例4のオフ輪印刷用塗工紙を製造した。
(比較例5)
実施例1において、最下層形成用塗工液と印刷用塗工層形成用塗工液の塗工順序を逆にした以外は、すべて実施例1と同様にして比較例5のオフ輪印刷用塗工紙を製造した。
(比較例6)
実施例1において、最下層形成用塗工液は塗工せず、印刷用塗工層形成用塗工液のみを塗工した以外は、すべて実施例1と同様にして比較例6のオフ輪印刷用塗工紙を製造した。
上記実施例1〜10および比較例1〜6により得られたオフ輪印刷用塗工紙について、下記の評価方法により評価し、その結果を表1及び表2に示した。
<ひじわ>
オフセット輪転印刷機(三菱重工業(株)製、リソピアBT−2−600型)を用い、オフセット輪転用印刷インキ(大日本インキ化学工業(株)製、ウェブワールドテラスNの、黒、藍、紅、黄の各色)を使用して印刷し、4色印刷部分の流れ方向のひじわを以下の基準で目視評価した。
◎ :ほとんどひじわの発生は認められない。
○ :ごく軽度のひじわの発生は認められる。
○〜△:ややひじわの発生は認められるが、実用上問題ない程度。
△ :ひじわの発生が認められ、印刷物としての美観を損ねる。
× :大きなひじわの発生が認められる。
ただし、本発明においては○〜△以上を発明の対象とした。
<印刷ムラ>
オフセット輪転印刷機(三菱重工業(株)製、リソピアBT−2−600型)を用い、オフセット輪転用印刷インキ(大日本インキ化学工業(株)製、ウェブワールドテラスNの、黒、藍、紅、黄の各色)を使用して印刷し、4色印刷部分を以下の基準で目視評価した。
◎:非常に良好(ムラ、ガサツキ等がみられない)。
○:良好(ムラ、ガサツキ等が軽微にみられるが、ほとんど問題ない)。
△:やや劣る(ムラ、ガサツキ等が若干みられる)。
×:劣る(ムラ、ガサツキ等が多くみられ、商業印刷物としては問題がある)。
ただし、本発明においては○以上を発明の対象とした。
<Wet着肉性>
オフセット輪転印刷機(三菱重工業(株)製、リソピアBT−2−600型)を用い、オフセット輪転用印刷インキ(大日本インキ化学工業(株)製、ウェブワールドテラスNの、黒、藍、紅、黄の各色)を使用して印刷した中で、藍単色印刷部分のWet着肉性を以下の基準で目視評価した。
◎:非常に良好。
○:良好。
△:やや劣る。
×:劣る。
ただし、本発明においては○以上を発明の対象とした。
<表面強度>
オフセット輪転印刷機(三菱重工業(株)製、リソピアBT−2−600型)を用い、オフセット輪転用印刷インキ(大日本インキ化学工業(株)製、ウェブワールドテラスNの、黒、藍、紅、黄の各色)を使用して印刷した中で、藍単色印刷部分の表面強度を以下の基準で目視評価した。
◎:非常に良好。
○:良好。
△:やや劣る。
×:劣る。
ただし、本発明においては○以上を発明の対象とした。
<塗工適性>
最下層形成用塗工液を塗工したときの塗工適性について目視評価を行った。フィルムトランスファーコーターにおいてはガムアップや剥離パターンのないもの、ブレードコーターにおいてはスタラグマイト、ブリーディング、ストリークのないものを塗工適性が良好と判断し、以下の基準で判断した。
○ :良好(特に問題なく、高速塗工できる)。
○〜△:普通(一部問題あるが、実用上生産可能)。
△ :やや劣る(一部問題があり、高速塗工やロングラン塗工には不適)。
× :劣る(塗工適性に大きな問題があり、生産性が大幅に悪化する)。
ただし、本発明においては○〜△以上を発明の対象とした。
Figure 2007211357
Figure 2007211357
表1、及び表2に示した結果から明らかなように、実施例1〜10では、粒子径0.5〜3.0μmの中空樹脂粒子を含有する最下層形成用塗工液を塗工した場合、良好なひじわの抑制と優れた印刷適性を実現している。但し、実施例7では塗工量が少ないためひじわ抑制効果がやや劣る傾向にあった。逆に、実施例8の様に塗工量が多くなるとひじわの抑制度も大きくなるが、塗工適性は若干劣る。また、実施例10では最下層形成用塗工液の塗工方法をブレード方式にしているが、これも塗工適性に若干問題があった。一方、比較例1は、中空樹脂粒子の粒子径を小さくしたものであるが、断熱性の不足から、ひじわ抑制効果が劣っていた。比較例2は、中空樹脂粒子の粒子径を大きくしたものであるが、ひじわ抑制効果と塗工適性に問題がみられた。比較例3及び比較例4では中空樹脂粒子の替わりに密実樹脂粒子を使用しているが、断熱性の不足からひじわ抑制力が不足した。比較例5は、本発明の最下層を最上層に設置した場合であるが、ひじわ抑制力はあるものの、印刷適性全般に問題があることがわかる。また、比較例6は、本発明の最下層の無い場合であるが、ひじわ抑制効果が著しく劣っていた。
本発明により、少なくとも顔料および接着剤を含有する塗工層を少なくとも2層以上設けたオフセット輪転印刷用塗工紙において、該塗工層の最下層中に顔料成分として、粒子径0.5〜3.0μmの中空樹脂粒子を含有することにより、良好なひじわ抑制効果と優れた印刷適性を有することができる。また、該最下層の塗工方法としては、フィルムトランスファー方式で原紙上に設けることが好ましく、良好な塗工適性を得ることができる。
本発明により得られたオフ輪印刷用塗工紙は、熱乾燥工程におけるひじわの発生を抑制し、かつ印刷適性が良好で、従来品に比べ商品価値を一層高めることになる。

Claims (2)

  1. 原紙上に、少なくとも顔料および接着剤を含有する塗工層を少なくとも2層以上設けたオフセット輪転印刷用塗工紙において、該塗工層の最下層中に顔料成分として、粒子径0.5〜3.0μmの中空樹脂粒子を含有することを特徴とする請求項1記載のオフセット輪転印刷用塗工紙。
  2. 上記最下層をフィルムトランスファー塗工方式で原紙上に設けてなる請求項1または2記載のオフセット輪転印刷用塗工紙。
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