JP2004289368A - 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、コンピュータプログラム及び記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】画像形成時の階調特性に応じて補正量を決定し、補正を行う際の調整手順を簡略化し、低コスト、効率的にムラを補正する。
【解決手段】YMCK各色、及び文字、写真の各画質モードに対応した複数の濃度階調パターンを転写材上に形成し(S3101)、パターンが出力された転写材をスキャナによりYMCK濃度パターンのRGBデータを読み取る(S3105)。このとき、パターン部のデータと転写材の地肌部のデータを読み取る。次いで、ACCの機差補正値による補正(S3108)と、ムラの検出および補正を行い(S3110)、読み取りデータに対する地肌データによる補正を行った(S3112)後、参照データの高画像濃度部のデータに補正処理を行う(S3114)。そして、以上処理を行われたデータを用いて、YMCK階調補正テーブルを作成し(S3115)、全て作成されると(S3116)、これらの処理を写真、文字の各画質モード毎について実行する(S3117)。
【選択図】 図35

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動階調補正(ACC)のCCD読み取り値を補正する画像処理装置、当該画像処理装置を備えたデジタル方式の複写機、プリンタ、FAXなどの画像形成装置、画像処理方法、コンピュータにダウンロードされ、前記画像処理方法を実施するコンピュータプログラム及びこのコンピュータプログラムがコンピュータによって読み取り可能に記録された記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、コピー機、ファクシミリ、プリンタ、スキャナといった画像形成装置の複合装置として構成された、いわゆるMFP(Multi Function Peripheral)と呼ばれる画像形成複合装置がある。このようなMFPの画像処理部に、SIMD(Single Instruction Multiple Date Stream)型の演算処理部と補助的な演算処理部とを設け、両者を画像処理の種別に応じて使い分けることにより、高速、かつプログラマブルに画像を処理している。SIMD型演算処理部は、処理に使用されるデータを一度に複数入力し、入力した複数のデータを並列的に処理するため、一度に大量のデータが処理することができ、短時間のうちに演算処理ができるという利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、画像処理の1つの階調処理がある。階調処理は入力画像データに基づいて階調性を確保するためのものと、作像時におけるムラを補正するものとがある。実際には、入力画像データに基づいて作像しているときに前記ムラが出力画像にのってくる。そこで、像担持体の作像位置に応じたムラを、画像データに作像位置に応じた補正量を補正することにより、画像濃度バラつきを低減することが行われている。しかしながら、感光体の感度や現像剤の現像特性などは、使用枚数や環境などによって変化するため、作像位置によって異なるムラを一定の補正量で補正すると、補正量が不足したり過剰になったりする場合があった。
【0004】
また、像担持体上のムラの原因として、感光体の主走査方向や副走査方向の感度ムラ、転写ローラの可圧力の長手方向の傾斜、現像ローラの長手方向のギャップの傾斜などがあり、像担持体上に均一の露光エネルギーで露光しても、転写紙上の画像に位置により濃度むら(濃度傾斜)が生じる場合があった。
【0005】
さらに、グレーという無彩色をYMC(K)の3(4)色を重ねて再現する際に、転写紙上の場所によりグレーバランスのずれが生じ、均一なグレーが得られない場合もあった。
【0006】
本発明はこのような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、画像形成装置の使用時の階調特性に応じて補正量を決定することができるようにすることにある。
【0007】
また、他の目的は、前記補正を行う際の調整手順を簡略化し、低コスト、効率的にムラを補正することができるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、第1の手段は、像担持体の画像形成位置に依存する濃度ムラを補正する画像処理装置であって、転写紙上に出力された階調パターン及び濃度が略等しい複数の基準濃度パターンを読み取り、分光感度の異なる複数の信号を出力する画像読み取り手段と、前記画像読み取り手段によって読み取られた前記階調パターン及び前記基準濃度パターンの読み取り信号、並びに画像データを像担持体上の作像位置によって補正する補正手段と、前記作像位置に応じた画像データの補正量を記憶する補正量記憶手段とを備え、前記補正手段は、前記転写紙上に形成された階調パターン及び複数の基準パターンの読み取り値に基づいて、前記作像位置に応じた画像データの補正量を変更すること特徴とする。
【0009】
第2の手段は、像担持体の画像形成位置に依存する濃度ムラを補正する画像処理装置であって、転写紙上に出力された複数の着色材を用いた階調パターン及び濃度が略等しい複数の基準パターンを読み取り、分光感度の異なる複数の信号を出力する画像読み取り手段と、前記画像読み取り手段によって読み取られた前記階調パターンの読み取り信号、及び予め記憶されている参照データに基づいて画像処理パラメータを設定するパラメータ設定手段と、画像データを像担持体上の作像位置によって補正する補正手段と、前記作像位置に応じた画像データの補正量を記憶する補正量記憶手段とを備え、前記補正手段は、前記転写紙上に形成された階調パターン及び基準パターンの読み取りデータに基づいて、前記作像位置に応じた画像データの補正量と、階調パラメータとを変更することを特徴とする。
【0010】
第3の手段は、第1または第2の手段において、前記画像データを並列的に処理する画像並列処理手段をさらに備え、前記画像並列処理手段は、所定のデータ数以下毎に画像データを補正することを特徴とする。
【0011】
第4の手段は、第1または第2の手段において、前記補正手段は、基準となるムラを検出するための基準パターンの階調特性を検知し、前記検知した結果を傾きとして表し、前記傾きから読み取り位置に応じたムラを補正することを特徴とする。
【0012】
第5の手段は、第1または第2の手段において、前記像担持体の画像形成位置に依存する濃度ムラが主走査方向における濃度ムラであることを特徴とする。
【0013】
第6の手段は、第1ないし第5の手段において、前記階調パターン及び濃度が略等しい複数の基準濃度パターンを転写紙上に出力するパターン出力手段を備えていることを特徴とする。
【0014】
第7の手段は、第1ないし第6の手段に係る画像処理装置を含んで画像形成装置を構成したことを特徴とする。
【0015】
第8の手段は、像担持体の画像形成位置に依存する濃度ムラを補正する画像処理方法であって、転写紙上に出力された階調パターン及び濃度が略等しい複数の基準濃度パターンを読み取り、分光感度の異なる複数の信号を出力する第1の工程と、前記第1の工程で読み取られた前記階調パターン及び前記基準濃度パターンの読み取り信号、並びに画像データを像担持体上の作像位置によって補正する第2の工程と、前記作像位置に応じた画像データの補正量を記憶する第3の工程と、前記転写紙上に形成された階調パターン及び複数の基準パターンの読み取り値に基づいて、記憶された前記作像位置に応じた画像データの補正量を変更する第4の工程とを含んでなることを特徴とする。
【0016】
第9の手段は、像担持体の画像形成位置に依存する濃度ムラを補正する画像処理方法であって、転写紙上に出力された複数の着色材を用いた階調パターン及び濃度が略等しい複数の基準パターンを読み取り、分光感度の異なる複数の信号を出力する第1の工程と、前記第1の行程で読み取られた前記階調パターンの読み取り信号、及び予め記憶されている参照データに基づいて画像処理パラメータを設定する第2の工程と、画像データを像担持体上の作像位置によって補正する第3の工程と、前記作像位置に応じた画像データの補正量を記憶する第4の工程と、前記転写紙上に形成された階調パターン及び基準パターンの読み取りデータに基づいて前記作像位置に応じた画像データの補正量及び階調パラメータを変更する第5の工程とを含んでなることを特徴とする。
【0017】
第10の手段は、コンピュータにロードされ、画像形成位置に依存する濃度ムラを補正するためのコンピュータプログラムであって、転写紙上に出力された階調パターン及び濃度が略等しい複数の基準濃度パターンを読み取り、分光感度の異なる複数の信号を出力する第1の手順と、前記第1の手順で読み取られた前記階調パターン及び前記基準濃度パターンの読み取り信号、並びに画像データを像担持体上の作像位置によって補正する第2の手順と、前記作像位置に応じた画像データの補正量を記憶する第3の手順と、前記転写紙上に形成された階調パターン及び複数の基準パターンの読み取り値に基づいて、記憶された前記作像位置に応じた画像データの補正量を変更する第4の手順とを含むことを特徴とする。
【0018】
第11の手段は、コンピュータにロードされ、画像形成位置に依存する濃度ムラを補正するためのコンピュータプログラムであって、転写紙上に出力された複数の着色材を用いた階調パターン及び濃度が略等しい複数の基準パターンを読み取り、分光感度の異なる複数の信号を出力する第1の手順と、前記第1の手順で読み取られた前記階調パターンの読み取り信号、及び予め記憶されている参照データに基づいて画像処理パラメータを設定する第2の手順と、画像データを像担持体上の作像位置によって補正する第3の手順と、前記作像位置に応じた画像データの補正量を記憶する第4の手順と、前記転写紙上に形成された階調パターン及び基準パターンの読み取りデータに基づいて、前記作像位置に応じた画像データの補正量及び階調パラメータを変更する第5の手順とを含むことを特徴とする。
【0019】
第12の手段は、第10または第11の手段において、前記第3の手順が、地肌の補正および/または参照データの補正を行うか否かを判定する手順を含み、前記補正を行う場合には、補正後にYMCK階調補正テーブルを作成することを特徴とする。
【0020】
第13の手段は、第12の手段において、前記YMCK階調補正テーブルを参照してYMCK各色に関して補正した後、各画質モードについて補正を行うことを特徴とする。
【0021】
第14の手段は、第10ないし第13の手段に係るコンピュータプログラムがコンピュータによって読み込み可能に記録媒体に記録されていることを特徴とする。
【0022】
第1、第8及び第10の手段によれば、転写紙上の異なる位置に複数の基準パターンと階調パターンとを形成し、形成したパターンを読み取り手段で読み取る。そして、基準パターンと階調パターンの読み取りデータに基づいて、像担持体上の形成位置に応じた画像データの補正量を算出する。これにより、階調パターンの読み取りデータに応じて、作像位置に応じてムラの補正量を変更することにより、画像形成装置の作像部の階調特性の経時変化や環境変化を補正し、作像位置に応じた濃度むらを精度良く補正することができる。
【0023】
第2、第9及び第11の手段によれば、自動階調補正用のパターンと、作像ムラの補正用のパターンとを一枚の転写紙内に形成し、パターンが形成された転写紙を読み取る際に、それぞれのパターンを読み取り、読み取った画像データに基づいて、階調補正と、濃度むらの補正とを行う。これにより、調整の手間を簡略化することができる。
【0024】
第3の手段によれば、並列処理手段を用いるので、低コスト画像処理装置で実現する。
【0025】
第4手段によれば、ムラを検出するためのパッチ数を数個に減らし、基準となる階調特性に対する補正量を階調処理テーブルへの入力値に対する傾きとして表す。この場合、補正が行われない場合にはスルーのテーブルとなる。すなわち、入力値→出力値とした場合、0→0,1→1、…、255→255となる。この傾きを用いて入力データを補正することにより、簡単な計算で効率的に主走査方向のムラを補正することができる。
【0026】
第5の手段によれば、主走査方向を濃度ムラを補正することにより、副走査方向に拡張し、像担持体の全周にわたる補正が可能となる。
【0027】
第6の手段によれば、画像処理手段自身で補正対象となる像担持体から階調パターン及び濃度が略等しい複数の基準濃度パターンを転写紙上に出力することができるので、自系(自身のシステム)のみで濃度補正が可能となる。
【0028】
第7の手段は、第1ないし第6の手段に係る画像処理装置を含んで画像形成装置を構成したので、画像形成装置自身で像担持体の位置に依存する濃度ムラを補正することができる。
【0029】
第11及び第12の手段によれば、地肌の補正や参照データの補正を勘案して補正し、また、各色、各画質モードについて補正するので、より精度の高い補正が可能になる。
【0030】
第14の手段によれば、コンピュータにダウンロードするだけで容易にプログラムに沿った処理が可能になる。
【0031】
なお、以下の実施形態において、画像読み取り手段はスキャナ420に、補正手段は階調処理回路410に、補正量記憶手段はRAM1503に、パラメータ設定手段は、CPU415に、画像並列処理手段はSIMD型画像データ処理部1500に、パターン出力手段はプリンタ413にそれぞれ対応する。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0033】
図1は本発明の実施形態に係るカラー複写機の概略構成を示す図である。図1において、複写機本体101のほぼ中央部に作像系Aが、作像系Aの上部には光書き込み系Bが、光書き込み系Bの上部には読み取り系Cが、作像系Aの下部には給紙系Dが、作像系Aの側方から上部にかけて制御系Eがそれぞれ配置されている。また、複写機本体101の上部には自動原稿給送装置(ADF)が設けられている。
【0034】
作像系Aは、像担持体としての中間転写ベルト109と、この中間転写ベルト109の上面に沿って設けられたブラック(Black)、シアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)用の4個の感光体ドラム102a,102b,102c,102dと、各感光体ドラム102a〜102dの外周に設けられた各種の作像要素とからなる。作像要素は、各感光体ドラム102a〜102dの外周に沿ってそれぞれ設けられた帯電チャージャ一様帯電された感光体ドラム102a〜102dの表面上に半導体レーザ光を照射して静電潜像を形成するレーザ光学系104、感光体ドラム102a〜102d上の静電潜像に各色カラートナーを供給して現像し、各色毎にトナー像を得る現像装置105,106,107,108、感光体ドラム102a〜102d上に形成された各色毎のトナー像を前記中間転写ベルト109に順次転写するため当該中間転写ベルト109に転写電圧を印加するバイアスローラ(転写ローラ)110a,110b,110c,110d、転写後の感光体ドラム102a〜102dの表面に残留するトナーを除去するクリーニング装置(各感光体ドラム102a〜102dにそれぞれ設けられている)111、及び転写後の感光体ドラム102a〜102dの表面に残留する電荷を除去する除電部を含み、この順で感光体ドラム102a〜102dの外周面に沿って順次配置されている。また、上記中間転写ベルト109には、転写されたトナー像を転写材に転写する電圧を印加するための転写バイアスローラ113及び転写材に転写後に残留したトナー像をクリーニングするためのベルトクリーニング装置114が配設されている。
【0035】
また、中間転写ベルト109の用紙搬送方向下流側には、カラー画像が転写された転写材(用紙)を搬送する搬送ベルト115と、転写材に転写された画像を定着する定着装置116が配置され、さらにその下流側には排紙トレイ117が設けられている。なお、定着装置116は、転写材表面に転写されたトナー像を加熱及び加圧して定着させるもので、前記搬送ベルト115とともに定着系として機能する。
【0036】
読み取り光学系Cは、複写機本体101の上部に配置された原稿載置台としてのコンタクトガラス118、このコンタクトガラス118上の原稿に走査光を照射する露光ランプ120,第1ないし第3ミラー119a,119b,119c、原稿からの反射光を前記第1ないし第3ミラー119a〜119cによって結像レンズ121に導き、光電変換素子であるCCD(Charge Coupled Device)のイメージセンサアレイ122に入光させる。CCDのイメージセンサアレイ122で電気信号に変換された画像信号は図示しない画像処理装置を経て、光書き込み系Bのレーザ光学系104中の半導体レーザのレーザ発振を制御する。なお、露光ランプ120、反射ミラー120a及び第1ミラー119aは第1走行系に、第2及び第3ミラー119b,119cは第2走行系にそれぞれ搭載され、2対1の速度比で移動し、原稿面からイメージセンサアレイ122に入射する読み取り光の光路長が読み取り位置によって変化しないように駆動される。
【0037】
次に、上記複写機本体101に内蔵される制御系Eを図2および図3も参照して説明する。
【0038】
図2は制御系Eの概略構成を示すブロック図である。図2において、制御系Eは、メイン制御部(CPU)130を備え、このメイン制御部130に対して所定のROM131及びRAM132が付設されているとともに、上記メイン制御部130には、図3に示すようにインターフェースI/O133を介して各種センサ制御部160、電源・バイアス制御部161、通信制御部162、駆動制御部163、操作部142及びスキャナ・IPU制御部などが接続され、複写機内の制御、あるいは複写機内外との通信を行う。
【0039】
各種センサ制御部160には、環境センサ138、光学センサ136a,136b,136c、感光体表面電位センサ139及びトナー濃度センサ137が接続され、電源・バイアス制御部161には、電源回路135、現像装置105,106,107,108が接続され、駆動制御部163には、レーザ光学系制御部134、トナー補給回路140及び中間転写ベルト駆動部141が接続されている。レーザ光学系制御部134は、レーザ光学系104のレーザ出力を調整するものであり、また電源回路135は、帯電チャージャ113に対して所定の帯電用放電電圧を与え、電源・バイアス制御部161からは現像装置105,106,107,108に対して所定電圧の現像バイアスを与え、かつバイアスローラ110a〜110dおよび転写バイアスローラ113に対して所定の転写電圧を与えるようになっている。
【0040】
通信制御部162には、インターネットあるいはイントラネット(登録商標)512に通信線518によって接続されるとともに、記憶装置制御部182を介して記憶装置181の制御も司る。
【0041】
なお、光学センサ136a〜136cは、それぞれ感光体102に対向させ、感光体102上のトナー付着量を検知するための光学センサ136a、転写ベルト109に対向させ、転写ベルト109上のトナー付着量を検知するための光学センサ136b、搬送ベルト115に対向させ、搬送ベルト115上のトナー付着量を検知するための光学センサ136cを図示した。なお、実用上は光学センサ136a〜136c(以下、概括的に符号136で示す)のいずれか1カ所を検知すれば良い。
【0042】
光学センサ136は、感光体ドラム102の転写後の領域に近接配置される発光ダイオードなどの発光素子とフォトセンサなどの受光素子とからなり、感光体ドラム102上に形成される検知パターン潜像のトナー像におけるトナー付着量及び地肌部におけるトナー付着量が各色毎にそれぞれ検知されるとともに、感光体除電後のいわゆる残留電位が検知されるようになっている。この光電センサ136からの検知出力信号は、図示を省略した光電センサ制御部に印加されている。光電センサ制御部は、検知パターントナー像におけるトナー付着量と地肌部におけるトナー付着量との比率を求め、その比率値を基準値と比較して画像濃度の変動を検知し、トナー濃度センサ137の制御値の補正を行なっている。
【0043】
更に、トナー濃度センサ137は、現像装置105から108内に存在する現像剤の透磁率変化に基づいてトナー濃度を検知する。トナー濃度センサ137は、検知されたトナー濃度値と基準値と比較し、トナー濃度が一定値を下回ってトナー不足状態になった場合に、その不足分に対応した大きさのトナー補給信号をトナー補給回路140に印加する機能を備えている。電位センサ139は、像担持体である感光体102の表面電位を検知し、中間転写ベルト駆動部141は、中間転写ベルトの駆動を制御する。
【0044】
黒現像器105内に黒トナーとキャリアを含む現像剤が収容されていて、これは、剤撹拌部材の回転によって撹拌され、現像スリーブ上で、現像剤規制部材によってスリーブ上に汲み上げられる現像剤量を調整する。この供給された現像剤は、現像スリーブ上に磁気的に担持されつつ、磁気ブラシとして現像スリーブの回転方向に回転する。
【0045】
図4は画像処理部の構成を示すブロック図である。図4において、420はスキャナ、401はシェーディング補正回路、423はエリア処理回路、402はスキャナγ変換回路、403は画像メモリ、404は画像分離回路、405はMTFフィルタ、406は色変換UCR処理回路、407は変倍回路、408は画像加工(クリエイト)回路、409は画像処理用プリンタγ変換回路、410は階調処理回路、411はインターフェース(I/F)・セレクタ、412は画像形成部用プリンタγ補正回路、413はプリンタ、414はROM、415はCPU、416はRAM、417はシステムコントローラ、418は外部コンピュータ、419はプリンタコントローラ、421はパターン生成回路である。
【0046】
複写すべき原稿は、カラースキャナ420によりR、G、Bに色分解されて一例として10ビット信号で読み取られる。読み取られた画像信号は、シェーディング補正回路401により、主走査方向のムラが補正され、10ビット信号で出力される。エリア処理423では、現在処理を行っている画像データが原稿内のどの領域に属するかを区別するための領域信号を発生させる。この回路で発生された領域信号により、後段の画像処理部で用いるパラメータを切り替える。これらの領域は、指定領域毎に、文字、銀塩写真(印画紙)、印刷原稿、インクジェット、蛍光ペン、地図、熱転写原稿など、それぞれの原稿に最適な色補正係数、空間フィルタ、階調変換テーブルなどの画像処理パラメータをそれぞれ画像領域に応じて設定することができる。
【0047】
スキャナγ変換回路402では、スキャナからの読み取り信号が反射率データから明度データに変換される。画像メモリ403はスキャナγ変換後の画像信号を記憶する。画像分離回路404では、文字部と写真部の判定、及び有彩色・無彩色判定を行う。
【0048】
MTFフィルタ405では、シャープな画像やソフトな画像など、使用者の好みに応じてエッジ強調や平滑化等、画像信号の周波数特性を変更する処理に加えて、画像信号のエッジ度に応じたエッジ強調処理(適応エッジ強調処理)を行う。例えば、文字エッジにはエッジ強調を行い、網点画像にはエッジ強調を行わないという所謂適応エッジ強調をR、G、B信号それぞれに対して行う。
【0049】
図5に適応エッジ強調回路の例を示す。適応エッジ協調回路は、第1の平滑化フィルタ1101、ラプラシアンフィルタ1102、エッジ量検出フィルタ1103、第2の平滑化フィルタ1104、及びテーブル変換部1105を備えている。スキャナγ変換回路402で反射率リニアから明度リニアに変換された画像信号は、第1の平滑化フィルタ回路1101によって平滑化される。平滑化フィルタとしては、例えば、図6に示す係数を使用する。
【0050】
第1の平滑化フィルタ1101で平滑化された画像信号は、次段の3×3のラプラシアンフィルタ1102によって画像データの微分成分が抽出される。ラプラシアンフィルタ1102は具体的には例えば図7に示すような係数である。スキャナγ変換回路402でγ変換をされない10ビットの画像信号のうち、上位8ビット(一例である)成分が、エッジ量検出フィルタ1103により、エッジ検出がなされる。エッジ量検出フィルタの具体例を図8ないし図11に示す。図8は副走査方向エッジ検出フィルタ、図9は主走査方向エッジ検出フィルタ、図10は斜め方向検出フィルタ1、図11は斜め方向検出フィルタ2の例である。これら図8〜図11に示したようなエッジ検出フィルタにより得られたエッジ量のうち、最大値がエッジ度として後段で使用される。エッジ度は、必要に応じて後段の第2の平滑化フィルタ1104により平滑化される。これにより、スキャナの偶数画素と奇数画素の感度差の影響を軽減する。第2の平滑化フィルタとしては、例えば図12に示すような係数が使用される。
【0051】
第2の平滑化フィルタ1104で平滑化された画像信号は、テーブル変換回路1105により、求められたエッジ度をテーブル変換する。このテーブルの値により、線や点の濃さ(コントラスト、濃度を含む)および網点部の滑らかさが指定できる。テーブルの例を図13に示す。エッジ度は、白地に黒い線や点などで最も大きくなり、印刷の細かい網点や、銀塩写真や熱転写原稿などのように画素の境界が滑らかなものになるほど小さくなる。そして、テーブル変換回路1105によって変換されたエッジ度(画像信号C)と、ラプラシアンフィルタ1102の出力値(画像信号B)との積(画像信号D)が、平滑処理後の画像信号(画像信号A)に加算され、画像信号Eとして後段の画像処理回路に伝達される。
【0052】
色変換UCR処理回路406では、入力系の色分解特性と出力系の色材の分光特性の違いを補正し、忠実な色再現に必要な色材YMCの量を計算する色補正処理部と、YMCの3色が重なる部分をBk(ブラック)に置き換えるためのUCR処理部からなる。色補正処理は下式のようなマトリクス演算をすることにより実現できる。
【0053】
【数1】
Figure 2004289368
ここで、R,G,Bは、R,G,Bの補数を示す。マトリクス係数aijは入力系と出力系(色材)の分光特性によって決まる。ここでは、1次マスキング方程式を例に挙げたが、B2,BGのような2次項、あるいはさらに高次の項を用いることにより、より精度良く色補正することができる。また、色相によって演算式を変えたり、ノイゲバウアー方程式を用いるようにしても良い。何れの方法にしても、Y,M,CはB,G,R(またはB,G,Rでもよい)の値から求めることができる。
【0054】
一方、UCR処理は次式を用いて演算することにより行うことができる。
Y’ = Y− α・ min(Y,M,C)
M’ = M− α・ min(Y,M,C)
C’ = C− α・ min(Y,M,C)
Bk = α・ min(Y,M,C)・・・(2)
上式において、αはUCRの量を決める係数で、α=1の時100%UCR処理となる。αは一定値でも良い。例えば、高濃度部では、αは1に近く、ハイライト部(低画像濃度部)では、0に近くすることにより、ハイライト部での画像を滑らかにすることができる。
【0055】
前記の色補正係数は、RGBYMCの6色相をそれぞれ更に2分割した12色相に、更に黒および白の14色相毎に異なる。色相判定回路424は、読み取った画像データがどの色相に判別するかを判定する。判定した結果に基づいて、各色相毎の色補正係数が選択される。
【0056】
変倍回路407では縦横変倍が行われ、画像加工(クリエイト)回路408ではリピート処理などが行われる。プリンタγ補正回路409で、文字、写真などの画質モードに応じて、画像信号の補正が行われる。また、地肌飛ばしなども同時に行うこともできる。プリンタγ補正回路409は、前述したエリア処理回路402が発生した領域信号に対応して切り替え可能な複数本(例えば10本)の階調変換テーブルを有する。この階調変換テーブルは、文字、銀塩写真(印画紙)、印刷原稿、インクジェット、蛍光ペン、地図、熱転写原稿など、それぞれの原稿に最適な階調変換テーブルを複数の画像処理パラメータの中から選択することができる。
【0057】
階調処理回路410はSIMD型のプロセッサによって構成される。図14はSIMD型プロセッサの概略構成を示す説明図である。SIMD(Single Instruction Stream Multiple Data stream)は複数のデータに対し、単一の命令を並列に実行させるもので、複数のPE(プロセッサ・エレメント)より構成される。このSIMD型プロセッサは図17におけるプロセッサ・アレー部1404内に配設される。それぞれのPEはデータを格納するレジスタ(Reg)2001、他のPEのレジスタをアクセスするためのマルチプレクサー(MUX)2002、バレルシフター(Shift Expand)2003、論理演算器(ALU)2004、論理結果を格納するアキュムレーター(A)2005、アキュムレーターの内容を一時的に退避させるテンポラリー・レジスタ(F)2006から構成される。
【0058】
各レジスタ2001はアドレスバスおよびデータバス(リード線およびワード線)に接続されており、処理を規定する命令コード、処理の対象となるデータを格納する。レジスタ2001の内容は論理演算器2004に入力され、演算処理結果はアキュムレータ2005に格納される。結果をPE外部に取り出すために、テンポラリ・レジスタ2006に一旦退避させる。テンポラリ・レジスタ2006の内容を取り出すことにより、対象データに対する処理結果が得られる。命令コードは各PEに同一内容で与え、処理の対象データをPEごとに異なる状態で与え、隣接PEのレジスタ2001の内容をマルチプレクサ2002において参照することによって演算結果は並列処理され、各アキュムレータ2005に出力される。例えば、画像データ1ラインの内容を各画素ごとにPEに配置し、同一の命令コードで演算処理させれば、1画素ずつ逐次処理するよりも短時間で1ライン分の処理結果が得られる。特に、空間フィルタ処理はPEごとの命令コードは演算式そのもので、PE全てに共通に処理を実施することができる。
【0059】
次に、画像処理装置のSIMD型画像データ処理部と逐次画像データ処理部とについて説明する。図15は、SIMD型画像データ処理部1500と、逐次画像データ演算処理部1507との構成を示す図である。本実施形態では、まず、SIMD型画像データ処理部1500について説明し、続いて逐次型画像データ処理部1507について説明する。
【0060】
画像データ並列処理部1500と画像データ逐次処理部1507とは、一方向に配列された複数の画素で構成される複数の画素ラインとして画像を処理するものである。図16は、画素ラインを説明するための図であり、画素ラインa〜dの4本の画素ラインを示している。また、図中に斜線を付して示した画素は、今回処理される注目画素である。本実施形態では、注目画素の誤差拡散処理に当たり、注目画素に対して周囲の画素の影響を、同一の画素ラインに含まれる画素、異なる画素ラインに含まれる画素の両方について考慮している。そして、注目画素とは異なる画素ラインに含まれる画素との間の誤差拡散処理をSIMD型画像データ処理部1500で行い、注目画素と同一の画素ラインに含まれる画素(図中に▲1▼、▲2▼、▲3▼を付して示した画素)との間の誤差拡散処理を逐次型画像データ処理部1507で行う。
【0061】
SIMD型画像データ処理部1500は、SIMD型プロセッサ1506と、SIMD型画像データ処理部1500に画像データおよび制御信号を入力する5つのデータ入出力用バス1501a〜1501eと、データ入出力用バス1501a〜1501eをスイッチングしてSIMD型プロセッサ1506に入力される画像データおよび制御信号を切り替えるとともに、接続されたバスのバス幅を切り替えるバススイッチ1502a,1502b,1502cと、入力された画像データの処理に使用されるデータを記憶する20個のRAM1503と、各々対応するRAM1503を制御するメモリコントローラ1505a、メモリコントローラ1505b、メモリコントローラ1505aまたはメモリコントローラ1505bの制御にしたがってRAM1503をスイッチングする4つのメモリスイッチ1504a,1504b,1504c,1504dとを有している。なお、以上の構成では、バススイッチ1502a〜1502cによって制御されるメモリコントローラをメモリコントローラ1505bとし、バススイッチ1502a〜1502cの制御を受けないメモリコントローラをメモリコントローラ1505aとして区別した。
【0062】
前述のSIMD型プロセッサ1506は、レジスタ0(R0)〜レジスタ23(R23)を備えている。R0〜R23の各々は、SIMD型プロセッサ1506にあるPEとメモリコントローラ1505a,1505bとのデータインターフェースとして機能する。バススイッチ1502aは、R0〜R3に接続されたメモリコントローラ1505bを切り替えてSIMD型プロセッサに制御信号を入力する。また、バススイッチ1502bは、R4,R5に接続されたメモリコントローラ1505を切り替えてSIMD型プロセッサに制御信号を入力する。また、バススイッチ1502cは、R6〜R9に接続されたメモリコントローラ1505を切り替えてSIMD型プロセッサに制御信号を入力する。そして、バススイッチ1502cは、R6〜R9に接続されたメモリコントローラ1505bを切り替えてSIMD型プロセッサに制御信号を入力する。
【0063】
メモリスイッチ1504aは、R0〜R5に接続されたメモリコントローラ1505bを使用してSIMD型プロセッサ1506内部のPEとRAM1503との間で画像データを授受している。また、メモリスイッチ1504bは、R6,R7に接続されたメモリコントローラ1505bを使用してSIMD型プロセッサ1506内部のPEとRAM1503との間で画像データを授受している。また、メモリスイッチ1504cは、R8〜R13に接続されたメモリコントローラ1505aまたはメモリコントローラ1505bを使用してSIMD型プロセッサ1506内部のPEとRAM1503との間で画像データを授受している。そして、メモリスイッチ1504dは、R14〜R19に接続されたメモリコントローラ1505aを使用してSIMD型プロセッサ1506内部のPEとRAM1503との間で画像データを授受している。
【0064】
図示しない画像データ制御部は、画像データとともに画像データを処理するための制御信号をデータ入出力用バス1501a〜1501eを介してバススイッチ1502a〜1502cに入力させる。バススイッチ1502a〜1502cは、制御信号信号に基づいて接続されているバスのバス幅を切り替える。また、間接的に、あるいは直接接続されたメモリコントローラ1505bを制御し、画像データの処理に必要なデータをRAM1503から取り出すようにメモリスイッチ1504a〜1504cをスイッチングさせる。
【0065】
SIMD型画像データ処理部1500は、誤差拡散処理を行う場合、画像データ制御部を介して読取ユニットおよび図示しないセンサ・ボード・ユニットによって作成された画像データを入力する。そして、注目画素が含まれる画素ライン(現画素ライン)よりも前に処理された画素ライン(前画素ライン)に含まれる画素の画素データと所定の閾値との差である誤差データと注目画素の画素データとを加算する。
【0066】
SIMD型画像データ処理部1500では、SIMD型プロセッサ1506を用い、誤差データとの加算を複数の注目画素について並列的に実行する。このため、SIMD型プロセッサ1506に接続されているRAM1503のいずれかには、SIMD型プロセッサ1506で一括して処理される画素の数に対応する複数の誤差データが保存されている。本実施形態では、SIMD型プロセッサ1506において1画素ライン分の加算処理を一括して行うものとし、RAM1503に1画素ライン分の誤差データを保存するものとした。SIMD型プロセッサ1506で一括して処理された1画素ライン分の画像データと誤差データとの加算値は、R20,R21,R23,R22の少なくとも2つから逐次型画像データ処理部1507に1つずつ出力される。また、以上の処理に使用される誤差データは、後述する逐次型画像データ処理部1507によって算出され、SIMD型プロセッサ1506に入力されるものである。
【0067】
一方、逐次型画像データ処理部1507a,1507bは、コンピュータプログラムの制御によらず稼動するハードウェアである。なお、図15では、逐次型画像データ処理部1507をSIMD型プロセッサ1506に2個接続するものとしているが、本実施形態に係る画像処理装置ではこのうちの1507bを逐次行う誤差拡散処理専用に使用するものとし、もう1つの逐次型画像データ処理部1507は、γ変換などのテーブル変換用として用いるように機能特化している。
【0068】
画像処理プロセッサのハードウェア構成について説明する。
図17は、本画像処理プロセッサ1204の内部構成を示すブロック図である。同図において、画像処理プロセッサ1204は、外部とのデータ入出力に関し、複数個の入出力ポート1401を備え、それぞれデータの入力および出力を任意に設定することができる。また、入出力ポート1401と接続するように内部にバス・スイッチ/ローカル・メモリ群1402を備え、使用するメモリ領域、データバスの経路をメモリ制御部1403において制御する。入力されたデータおよび出力のためのデータは、バス・スイッチ/ローカル・メモリ群1402をバッファ・メモリとして割り当て、それぞれに格納し、外部とのI/Fを制御される。バス・スイッチ/ローカル・メモリ群1402に格納された画像データに対してプロセッサ・アレー部1404において各種処理を行い、出力結果(処理された画像データ)を再度バス・スイッチ/ローカル・メモリ群1402に格納する。プロセッサ・アレー部1404における処理手順、処理のためのパラメータ等は、プログラムRAM1405およびデータRAM1406との間でやりとりが行われる。
【0069】
プログラムRAM1405、データRAM1406の内容は、シリアルI/F1408を通じて、図示しないプロセス・コントローラからホスト・バッファ1407にダウンロードされる。また、前記プロセス・コントローラがデータRAM1406の内容を読み出して、処理の経過を監視する。処理の内容を変更したり、システムで要求される処理形態が変更になる場合は、プロセッサ・アレー1404が参照するプログラムRAM1405およびデータRAM1406の内容を更新して対応する。なお、特殊処理1(1409)ではテーブル変換やγ変換などの変換処理が主に行われ、特殊処理2(1410)では誤差拡散処理が行われる。以上述べた構成のうち、プロセッサ・アレー1404が、本実施形態にかかるSIMD型画像データ処理部と逐次型画像データ処理部とに相当する。
【0070】
図18は逐次型画像データ処理部1507bの構成を示すブロック図である。図示した逐次型画像データ処理部1507bは、誤差データ算出部1801と、誤差データ算出部1801が算出した誤差データから一つを選択するマルチプレクサ1807と、マルチプレクサ1807によって選択された誤差データを加工してSIMD型画像データ処理部1500から入力したデータに加算する誤差データ加算部1808とを備えている。また、逐次型画像データ処理部1507bは、誤差データの選択に必要な信号をマルチプレクサ1807に入力するデコーダ1806と、逐次型画像データ処理部1500に対し、あらかじめ設定されている誤差拡散のモード(2値誤差拡散、3値誤差拡散、4値誤差拡散)のうちのいずれによって誤差拡散を実行するか、あるいは誤差拡散処理に使用される演算係数を設定できる誤差拡散処理ハードウェアレジスタ群1805を備えている。さらに、逐次型画像データ処理部1507bは、ブルーノイズ信号発生部1809を備え、誤差拡散処理にブルーノイズを使用するか否かをも誤差拡散処理ハードウェアレジスタ群1805の設定によって選択可能に構成されている。
【0071】
誤差データ算出部1801は、現画素ラインに含まれる画素の画素データと所定の閾値との差である誤差データを算出する構成である。誤差データ算出手段1801は、3つの量子化基準値保存部1803a,1803b,1803cと、3つのコンパレータ1804a,1804b,1804cと、3つのマルチプレクサ1802a,1802b,1802cのそれぞれに接続された閾値テーブル群1810a,1810b,1810cを備えている。閾値テーブル群1810a,1810b,1810cは、例えばそれぞれ6つの閾値テーブルTHxA〜THxF(x=0,1,2)から構成される。これは、誤差拡散処理ハードウェアレジスタ群1805の設定によって選択可能であり、本実施形態における階調処理では、MagentaおよびCyanの画像データの階調処理に用いる画像処理プロセッサと、YellowおよびBlackの画像データを階調処理する画像プロセッサの2つの画像プロセッサを使用する。
【0072】
以下、MagentaおよびCyanの画像データ処理用の画像プロセッサを例にとって説明する。
【0073】
Magenta用にTHxA,THxB,THxC(x=0,1,2)を、Cyan用にTHxD,THxE,THxF(x=0,1,2)を使用する。Magenta用として用いるTHxA〜THxC(x=0,1,2)は、文字、写真、中間などの画像の特徴量による抽出結果に応じて、閾値テーブルがそれぞれ選択されるようにしておくことが可能である。文字部分では主走査もしくは副走査の位置によらない固定閾値を設定した単純な誤差拡散、写真部分では線数が低いディザ閾値を設定した誤差拡散拡散、中間部分では写真部より高線数の閾値を設定した誤差拡散を行うことができ、より好ましい画像を形成することができる。TH0A,TH1A,TH2Aは、同じ特徴量に判定された画素に対する閾値である。Cyan用についても同様である。また、YellowおよびBlackの画像データを処理するプロセッサについては、上の説明のMagentaをYellowに、CyanをBlackに読み替えたものと同様である。
【0074】
ただし、ディザ処理用のスクリーン角は色毎に異なっており、ディザ処理パラメータの一例を図19に示す。
【0075】
本実施形態では、量子化基準値保存部1803a、コンパレータ1804a、閾値テーブル群1810aに接続されたマルチプレクサ1802aが1組となって動作する。また、量子化基準値保存部1803b、コンパレータ1804b、閾値テーブル群1810bに接続されたマルチプレクサ1802bが1組となって動作し、量子化基準値保存部1803c、コンパレータ1804c、閾値テーブル群1810cに接続されたマルチプレクサ1802cが1組となって動作する。
【0076】
逐次型画像データ処理部1507には、画像データと誤差データとの加算値(加算値データ)がSIMD型プロセッサ1506から入力される。この画像データは、今回処理される注目画素の画像データであり、誤差データは、注目画素以前に処理された画素の誤差データである。入力された加算値データは、以前に処理された画素の誤差データに基づいて誤差データ加算部1808が算出した値を加算され、演算誤差低減のために16、または32で除算される。さらに、除算された加算値データは、誤差データ算出部1801の3つのコンパレータ1804a〜1804cのすべてに入力される。なお、誤差データ加算部1808が以前に処理された画素の誤差データに基づいて算出した値については、後述する。
【0077】
コンパレータ1804a〜1804cには、それぞれ接続された閾値テーブル群に接続されているマルチプレクサ1802a〜1802cから閾値が入力される。そして、入力された加算値データから閾値を差し引き、画像データが作成される。また、加算値データからそれぞれの量子化基準値保存部1803a〜1803cに保存されている量子化基準値を差し引いた値を誤差データとしてマルチプレクサ1807に出力する。この結果、マルチプレクサ1807には、合計3つの誤差データが同時に入力することになる。
【0078】
なお、誤差拡散処理にブルーノイズを使用する場合には、ブルーノイズ信号発生部1809がブルーノイズデータを比較的高周期でオン、オフしてブルーノイズを発生する。閾値はコンパレータ1804a〜1804cに入力する以前にブルーノイズから差し引かれる。ブルーノイズを用いた処理により、閾値に適当なばらつきを持たせて画像に独特のテクスチャーが発生することを防ぐことができる。
【0079】
閾値テーブル1802a〜1802cには、それぞれ異なる値の閾値が保存されている。本実施形態では、閾値テーブル1802a〜1802cのうち、閾値テーブル1802aが最も大きい閾値を保存し、次いで閾値テーブル1802b、閾値テーブル1802cの順序で保存される閾値が小さくなるものとした。また、量子化標準値保存部1804a〜1804cは、接続された閾値テーブル1802a〜1802cに応じて保存する量子化基準値が設定されている。たとえば、画像データが0〜255の256値で表される場合、量子化基準値保存部1803aには255が、また、量子化基準値保存部1803bには170が、量子化基準値保存部1803cには85が保存される。
【0080】
コンパレータ1804a〜1804cは、作成した画像データを論理回路1806に出力する。論理回路1806は、このうちから注目画素の画像データを選択してマルチプレクサ1807に入力する。マルチプレクサ1807は、入力された画像データに応じて3つの誤差データのうちのいずれかを注目画素の誤差データとして選択する。選択された誤差データは、SIMD型プロセッサ1506のPEを介してRAM1503のいずれかに入力される。さらに、論理回路(デコーダ)1806が出力した画像データは、マルチプレクサ1807に入力される以前に分岐され、SIMD型プロセッサ1506のPEのいずれかに入力される。本実施形態では、画像データを上位ビット、下位ビットの2ビットで表されるデータとした。このため、この処理では、コンパレータ1804aは使用されていない。なお、本実施形態では、以降、注目画素の画像データを画素データと称する。
【0081】
選択された誤差データは、誤差データ加算部1808に入力される。誤差データ加算部1808は、図16で▲1▼、▲2▼、▲3▼を付して示した画素、つまり注目画素に対して3つ前に処理された画素の誤差データ(図18では誤差データ3と記す)、2つ前に処理された画素の誤差データ(図18では誤差データ2と記す)、1つ前に処理された画素の誤差データ(図18では誤差データ1と記す)を保存している。
【0082】
誤差データ加算部1808は、誤差データ3に演算係数である0または1を乗じる。また、誤差データ2に演算係数である1または2を乗じ、誤差データ1に演算係数である2または4を乗じる。そして、3つの乗算値を足し合わせ、この値(重み付け誤差データ)をSIMD型プロセッサ1506から次ぎに入力した加算値データと足し合わせる。この結果、注目画素に近い位置にある画素ほど注目画素の誤差拡散処理に大きい影響を及ぼすことになり、画素の誤差を適切に拡散し、元画像のイメージに近い画像を形成することができる。
【0083】
以上述べた逐次型画像データ処理部1507における画像データの作成は、一般的にIIR型フィルタシステムと呼ばれる構成を用いて行われている。図20はそのシステム構成を示す図である。IIR型フィルタシステムで用いられる演算式は、
ODn=(1−K)×ODn−1+K・IDn ・・・(3)
ODn:演算後の画素濃度
ODn−1:一つ前の画素データを用いての演算結果
IDn:現画素データ
K:重み係数
と表す。
【0084】
式(3)および図20から明らかなように、演算後の濃度ODnは、1つ前の画素データを用いての演算結果ODn−1と現画素データIDnの値から求められる。一般的にIIR型フィルタシステムは、現画素より以前に処理された画素を用いた演算結果を使用して現画素についての演算を行う、いわゆる逐次変換を行うための専用の回路である。本実施形態に係る画像処理装置の逐次型画像データ処理部507は、後述の図21に示した処理によらず、図20に示したような逐次変換の全般に使用することができる。
【0085】
図22は、誤差拡散処理ハードウェアレジスタ群1805に設定するレジスタを説明するための図である。本実施形態に係る画像処理装置は、図示したレジスタの設定によって
・2値誤差拡散で誤差拡散処理を行うモード(2値誤差拡散モード)
・3値誤差拡散で誤差拡散処理を行うモード(3値誤差拡散モード)
・4値誤差拡散で誤差拡散処理を行うモード(4値誤差拡散モード)
のいずれで誤差拡散処理を行うか選択することができる。また、誤差データ加算部1808で使用される演算係数を設定することができる。さらに、誤差拡散処理にブルーノイズを使用するか否かを選択することもできる。
【0086】
図22に示した誤差拡散処理ハードウェアレジスタ群1805は、量子化基準値保存部1803aの量子化基準値0を設定するレジスタ3001、量子化基準値保存部1803bの量子化基準値1を設定するレジスタ3002、量子化基準値保存部1803cの量子化基準値2を設定するレジスタ3003を備えている。また、誤差拡散処理ハードウェアレジスタ群1805は、閾値テーブル1802cに設定される閾値0を設定するレジスタ3004、閾値テーブル1802bに設定される閾値10〜17を設定するレジスタ3005、閾値テーブル802aに設定される閾値20〜27を設定するレジスタ3006、ブルーノイズ値を設定するレジスタ3007、誤差拡散処理ハードウェアコントロールレジスタ3008を有している。各レジスタには、それぞれ8ビットが割り当てられていて、レジスタ全体は、64ビットのデータ量を持っている。
【0087】
2値誤差拡散モードは、レジスタ3001〜3003のすべてに同一の値を設定する。そして、レジスタ3004、レジスタ3005にFFHを設定することによって実現できる。また、3値誤差拡散モードは、レジスタ3001、レジスタ3002に同一の値を設定し、レジスタ3004にFFHを設定する。さらに、2値誤差拡散モード、3値誤差拡散モードでは、レジスタ3005、レジスタ3006に同一の値を設定するか、異なる値を設定するかによって固定閾値誤差拡散処理と変動閾値誤差拡散処理とを切り替えることができる。
【0088】
誤差拡散処理にブルーノイズを用いる場合は、レジスタ3007にブルーノイズを使用することを示す値を設定する。そして、レジスタ3005にブルーノイズデータのオンオフを示すスイッチングデータを設定する。スイッチングデータが1の場合にはブルーノイズ値を各閾値に加算し、スイッチングデータが0の場合には閾値をそのまま使用する。さらに、誤差データ加算部1808で使用される演算係数は、誤差拡散処理ハードウェアコントロールレジスタの設定値を変更することによって選択できる。
【0089】
次に、前述のSIMD型プロセッサ1506、逐次型画像データ処理部1507bで行われる処理について、フローチャートおよび処理手順を示した図を用いて説明する。図23はSIMD型プロセッサ1506で行われる誤差拡散処理の処理手順を示すフローチャート、図24は逐次型画像データ処理部1507bで行われる誤差拡散処理の処理手順を説明するための図、図25はラインシフトを説明するための図である。
【0090】
図23のフローチャートにおいて、SIMD型プロセッサ1506は、まず、現画像データが1ライン目かどうかを判断し(S2101)、1ライン目である場合には、前2ライン分の誤差加算値を初期化する(S2101)。次いで、今回の誤差拡散演算する画像データが1SIMD目であるかどうかを判断し(S2103)、1SIM目(現ラインの先頭部分の画像データ)である場合には、誤差加算値を初期化する(S2105)。1SIMD目でない場合には、前のSIMDで誤差拡散演算後の誤差データが、現在演算している画像データと同じ色かどうかを判断し(S2104,S2106)、異なる色の場合には、前SIMDの演算結果を前ラインの違う色として保存し(S2107、図25の処理A2)、ブルーノイズテーブルの参照位置も保存し(S2109)、同じ色の前回誤差拡散演算時のブルーノイズ参照位置を呼び出す(S2110)。
【0091】
S2106で同じ色である場合には、同じ色の前ラインの1SIMDの演算結果として保存する(S2108、図25の処理A1)。同じ色かどうかの判断は、例えば、これから誤差拡散演算しようとしている色が、Magenta版の画像データである場合に、違う色の画像データとは、Cyan版の画像データについては違う色として判断し、Magenta版の画像データである場合には、同じ色として判断する。
【0092】
そして、2ライン前の誤差加算値データを前SIMDの1ライン前のデータとして保存し(S2111、図25の処理B)、現SIMDの2ライン前分のデータをメモリから呼び出す(S2112、図25の処理D,E)。次いで、現SIMDのデータを現ラインから呼び出した(図25の処理C)後、誤差加算値を演算する(S2113)。その後、逐次型画像データ処理部1507bにより誤差拡散処理の演算を行う(S2114)。
【0093】
一方、逐次型画像データ処理部1507は、図24に示すように、ステップS2102においてSIMD型プロセッサ1506が出力した加算値データを入力する(ステップS2201)。そして、入力した加算値データに誤差データ加算部1808で生成された重み付け誤差データを加算する(ステップS2202)。重み付け誤差データが加算された加算値データは、16または32で除算され(ステップS2203)、誤差データ算出部1801に入力される。誤差データ算出部1801は、入力したデータに基づいて誤差データおよび画素データを生成し(ステップS2204)、誤差データをマルチプレクサ1807に入力する。また、画素データを、論理回路1806およびSIMD型プロセッサ1506に入力する。
【0094】
マルチプレクサ1807は、論理回路1806から入力した画像データに応じて誤差データを一つ選択する(ステップS2205)。そして、選択した誤差データをSIMD型プロセッサ1506および誤差データ加算部1808に出力する(ステップS2206)。誤差データを入力した誤差データ加算部1808は、誤差データに基づいて重み付け誤差データを算出する(ステップS2207)。逐次型画像データ処理部1507は、入力してくる加算値データに対して逐次的に以上の処理を繰り返し実行する。
【0095】
図21は画像処理部の構成を示すブロック図で、同図を参照して画像処理方式について説明する。
画像処理部は、多階調の画像データ1100を受け取り、その量子化データ1101を出力するもので、量子化処理部1120、画像特徴抽出部1130、量子化閾値発生部1140、量子化処理部1120と画像特徴抽出部1130とのタイミング調整のための信号遅延部1150から構成される。この信号遅延部1150は必要に応じて設けられるものであり、例えば所要ライン数のラインメモリからなる。入力される画像データ1100は、例えばスキャナによって600dpiで読み取られた8ビット/1画素のデータである。一般に、このような画像データ1100は、中間調を滑らかに表現するために平滑化フィルタを通してから入力される。通常、150Lpi程度の画像周期から平滑化されるため、グラビア印刷などで用いられる175Lpi以上の高線数網点画像の周期性成分は画像データ1100には残っていない。
【0096】
量子化処理部1120は、量子化閾値発生部1140で生成された量子化閾値を用いて多階調の画像データを誤差拡散法により量子化するものであり、本実施形態においては図示のように、量子化器(比較器)1121、誤差計算部1122、誤差記憶部1123、誤差拡散マトリクス部1124、誤差加算部1125からなる。画像データ1100は、信号遅延部1150によってタイミングを調整されて誤差加算部1125に入力される。誤差加算部1125によって拡散誤差を加算された画像データは量子化器1121に入力される。量子化器1121は、入力された画像データを量子化閾値発生部1140より与えられる量子化閾値を用いて量子化し、量子化結果を量子化データ1101として出力する。
【0097】
本実施形態においては、2ビットの誤差拡散処理を例にとって説明する。
量子化閾値発生部1140で量子化閾値1〜3(th1〜th2)を生成する。量子化閾値の関係は、
量子化閾値1(th1)≦量子化閾値2(th2)≦量子化閾値3(th3)
とする。量子化器1121は入力された画像データを閾値th1〜th3と比較し、それぞれ、th3より大きい場合に“3”、th2より大きい場合に“2”、th1より大きい場合に“1”、th1より小さい場合に“0”の値をとる2ビットの量子化データ1101を出力するものとして説明する。
【0098】
誤差計算部1122は量子化器1121の量子化誤差を算出するものである。ここでは8ビットの画像データを扱っているため、この誤差計算においては、例えば、量子化データ1101の”3”を255(10進)、“2”を192(10進)、“1”を128(10進)、”0”を0(10進)として扱う。算出された量子化誤差は誤差記憶部1123に一時的に記憶される。この誤差記憶部1123は、注目画素の周辺の処理済み画素に関する量子化誤差を保存するためのものである。本実施形態では、次に述べるように量子化誤差を2ライン先の周辺画素まで拡散させるため、例えば3ラインのラインメモリが誤差記憶部1123として用いられる。
【0099】
誤差拡散マトリクス部1124は、誤差記憶部1123に記憶されている量子化誤差データから次の注目画素に加算する拡散誤差を計算するものである。本実施形態では、誤差拡散マトリクス部1124は、図26に示すような副走査方向が3画素、主走査方向が5画素のサイズの誤差拡散マトリクスを用いて拡散誤差データを算出する。図26において、*印は次の注目画素の位置に相当し、a,b,...,k,lは周辺の12個の処理済み画素の位置に対応した係数(総和は32)である。誤差拡散マトリクス部1124では、それら12個の処理済み画素に対する量子化誤差と対応した係数a〜lとの積和を32で除した値を、次の注目画素に対する拡散誤差として誤差加算部1125に与える。
【0100】
画像特徴抽出部1130は、エッジ検出部1131と領域拡張処理部1132とからなる。エッジ検出部1131は、画像データ1100のエッジ検出を行うもので、本実施形態ではレベル0(エッジ度最大)からレベル8(非エッジ)までのエッジレベルを表す4ビットのエッジデータを出力する。より具体的には、例えば図27に示す4種類の5×5の微分フィルタを用いて、主走査方向、副走査方向、主走査方向から±45°傾いた方向の4方向についてエッジ量を検出し、その中で絶対値が最大のエッジ量を選び、そのエッジ量の絶対値をレベル0からレベル3までの4レベルのエッジレベルに量子化して出力する。
【0101】
領域拡張処理部1132は、エッジ検出部1131により検出されたエッジに対し7画素幅の領域拡張処理を行うもので、エッジ検出部1131より出力されたエッジデータを参照し、注目画素の周囲の7×7画素の領域(主走査方向の前後3画素、副走査方向の前後3画素の範囲)の中で最小のエッジレベル(最大のエッジ度合)を注目画素のエッジレベルとして、それを4ビットのエッジデータとして出力する。このエッジデータは量子化閾値発生部1140に与えられる。
【0102】
量子化閾値発生部1140は、領域拡張処理部1132より出力されたエッジデータで表されるエッジレベルに応じた振動幅で、画像空間上で周期的に振動する量子化閾値を生成し、それを量子化処理部1120の量子化器1121に与えるもので、ディザ閾値発生部1141と、このディザ閾値発生部1141の出力値にエッジデータで示されるエッジレベルに対応した係数(0〜3)を掛ける乗算部1142、及び乗算部1142の出力値に固定値(この実施形態で128としている)を加算する加算部1143から構成される。
【0103】
本実施形態では、ディザ閾値発生部1141は、図28及び図29に示すような1から6までの閾値を小さいものから順に(1が最小、6が最大)ラインを成長させるように配置した4×4のディザ閾値マトリクスを用い、画像空間上で周期的に1から6まで振動するディザ閾値を出力する。ここで、同じ値の画素は同じ閾値を使用している。ディザ閾値周期は、これは600dpiの画像形成の場合には168Lpiに相当する。このようなディザ閾値発生部1141は、前記ディザ閾値マトリクスを格納したROMと、画像データの主、副走査のタイミング信号をカウントして、このROMの読み出しアドレスを発生するカウンタなどによって容易に実現できる。ここで、図28及び図29で1と設定された画素は主走査方向に並べることにより、主走査方向に2画素並んだドットを最初に形成することを表す。このように、安定したドット形成がなされることを意図して、エネルギーが少ない書き込みレベルである1値を2画素並べる。この場合のスクリーン角とラインの成長方向を図30に示した。ラインの成長方向は、図中の“ラインが成長する方向1“に示した。
【0104】
乗算部1142は、画像特徴抽出部1130からのエッジデータで示されるエッジレベルがレベル0(非エッジ)の時に係数3を、レベル1の時に係数2を、レベル2の時に係数1を、レベル3(最大エッジ度合)の時に係数0を、ディザ閾値発生部1141の出力値に乗じる。
【0105】
以上のように構成された画像処理装置の量子化データ1101を例えば電子写真方式のプリンタなどに与えれば、文字、画像の変化点や比較的低線数の網点画像部などは解像性が良く、写真、画像の変化の少ない部分、高線数の網点画像などは滑らかで安定性が良く、それら領域が違和感なく整合した高品位な画像を形成可能である。これについて以下説明する。
【0106】
画像中の文字や線画のエッジ部のような変化が急峻でエッジレベルがレベル3(エッジ度合最高)となる部分では、量子化閾値発生部1140で生成される量子化閾値は固定され、量子化処理部1120で固定閾値を用いた純粋な誤差拡散法による量子化処理が行われるため、解像性の良い画像を形成できる。
【0107】
本実施形態においては、図15に示す逐次処理演算部を有するSIMDプロセッサを2つ使用し、YMCKの画像データに対して、Y(Yellow)の画像データとK(Black)の画像データで1つ逐次処理演算部を有するSIMDプロセッサを使用し、C画像信号Mの画像データの2組の画像データをもう1つの1つ逐次処理演算部を有するSIMDプロセッサを用いて階調処理を行う。そのため、SIMDプロセッサに入力される階調処理前の2つの画像データ(YKもしくはCM)と、SIMDプロセッサから2つの画像データ(YKもしくはCM)を出力する2入力2出力の画像データを処理する。誤差拡散処理を行う場合には、入力した2つの画像データに対して、SIMD処理可能な画像データ数毎に、1つ逐次処理演算部を有するSIMDプロセッサを切り替えて処理を行う。
【0108】
図31は画像プロセッサの状態遷移図である。同図に示すように、画像プロセッサは、コマンド→メイン1(Magenta/Yellow画像データの処理)→メイン2(Cyan/Blackの画像データの処理)→コマンド→メイン1…と処理状態がループしている。
【0109】
図32のフローチャートに基づいて、2入力2出力時の画像処理プロセッサの動作を説明する。
メイン処理1では、MagentaもしくはYellowの画像データの処理を行い、メイン処理2では、Cyanもしくは、Blackの画像データの処理を行う。SIMDプロセッサ1506に対して、Magenta(Yellow)の入力をデータ入出力用バス1501aを用いて入力し、データ入出力用バス1501cを用いて出力する。同様に、Cyan(Black)の画像データの入力を、データ入出力用バス1501bを用いて入力し、データ入出力用バス1501dを用いて出力する。データ入出力用バス1501cはデバッグ用の出力などに用いる。
【0110】
メイン処理1にて、SIMDプロセッサ1506へのデータ入力がある場合には(S2301)、画像データをメモリ1503への取り込み処理を開始する(S2302)。1ライン取り込みが終了した場合には(S2303)、SIMD処理プロセッサ1506が処理できる画像データの単位で階調処理(ここでは誤差拡散処理)を開始する(S2304)。1ライン処理が終了したら(S2305)、1ライン出力を開始する(S2306)。S2302、S2306などの画像データのメモリ取り込み・出力開始処理は、各メモリコントローラ1505a〜1505bへの処理開始コマンドをレジスタに設定し、SIMDプロセッサは次の制御へ移行(状態遷移)する。階調処理(誤差拡散処理)の開始(S2304)は、逐次処理演算部1507bへの開始処理コマンドを誤差拡散処理ハードウェアコントロールレジスタ2008開始コマンドに相当する所定の設定値を書き込むことにより行う。
【0111】
メイン処理2も同様にSIMDプロセッサ1506へのデータ入力がある場合には(S2401)、画像データをメモリ1503への取り込み処理を開始する(S2402)。1ライン取り込みが終了した場合には(S2403)、SIMD処理プロセッサ1506が処理できる画像データの単位で階調処理(ここでは誤差拡散処理)を開始する(S2404)。1ライン処理が終了したら(S2405)、1ライン出力を開始する(S2406)。S2402、S2406などの画像データのメモリ取り込み・出力開始処理は、各メモリコントローラ1505a〜1505bへの処理開始コマンドをレジスタに設定し、SIMDプロセッサは次の制御へ移行(状態遷移)する。階調処理(誤差拡散処理)の開始(S2404)は、逐次処理演算部1507bへの開始処理コマンドを誤差拡散処理ハードウェアコントロールレジスタ2008開始コマンドに相当する所定の設定値を書き込むことにより行う。
【0112】
コマンド処理では、SIMDプロセッサ1506に対する制御CPUからのコマンドの受付処理を行う(S2501,S2502)。
【0113】
画像濃度(階調性)の自動階調補正(ACC:Auto Color Calibration)の呼び出し手順を説明する。
【0114】
図33は操作部142全体を示す正面図である。操作部で自動階調補正メニュー(ACCメニュー)呼び出すと、図34の操作画面が表示される。コピー使用時、あるいはプリンタ使用時用の自動階調補正の[実行]を選択すると、図34に示した操作画面が表示される。コピー使用時を選択した場合には、コピー使用時に使用する階調補正テーブルが、プリンタ使用時を選択するとプリンタ使用時の階調補正テーブルが参照データに基づいて変更される。変更後のYMCK階調補正テーブルで画像形成を行った結果が、望ましくない場合には、処理前のYMCK階調補正テーブルを選択することができるように、[元の値に戻す]キーが図34の画面中に表示されている。
【0115】
図35は画像濃度(階調性)の自動階調補正(ACC)の制御手順を示すフローチャートである。画像濃度の自動階調補正では、ステップS3101で図36の画面中の印刷スタートキーを押し下げると、ステップS3102で図37に示すような、YMCK各色、及び文字、写真の各画質モードに対応した複数の濃度階調パターンを転写材上に形成する。濃度階調パターンは、あらかじめIPUのROM中に記憶・設定がなされている。パターンの書き込み値は、例えば16進数表示で11h,22h,…,EEh,FFh、と00h(転写紙の地肌部)で、図に示したような配置で形成する。濃度階調パターンは、YMCKそれぞれに文字部用および写真部用のプリンタγテーブルを算出するための濃度階調パターンを形成する。文字部用の濃度階調パッチでは、一例として誤差拡散などの階調処理を行い、写真部用の濃度階調パッチでは、前述したDATE処理が行われたパターンを出力する。図では、地肌部を除いて15階調分のパッチを表示しているが、それぞれのパッチは00h−FFhの8ビット信号の任意の値を選択することができる。
【0116】
図37に示した自動階調補正用のパターンを出力した転写紙には、上述した濃度階調パターンに加えて、感光体の感度ムラ、転写などの作像部の感度ムラなどに起因する濃度むらの補正のために、基準パターンを左からLeft、Left−Middle(LM)、Center、Right−Middle(RM)、Rightの計5カ所に例えば33h、44h、55hの3パッチを形成している。その隣にも同様なパッチを形成しているが、これは隣接するパターンによるフレアの影響を主走査方向の場所Left、ML、Center、MR、Rightによらずほぼ同等とするためである。ただし、Center、Right−Middle(RM)のパッチの右隣には黒パッチを配置し、左隣にはYellowパッチを配置しているのに対し、それ以外のLeft、Left−Middle(LM)、RightにはYellowパッチを配置していない。これは、Yellowの明度が高いことによりフレアの影響の絶対値が小さいと見積もられることと、Blackの読み取りの際に、スキャナのRGB信号のうち、Green(もしくはRed)信号を用いるためである。Yellowが主に影響するのはBlue成分であることから、Greeen(もしくはRed)信号を用いることにより、隣接するYellowパッチの影響を低減することができる。
【0117】
ステップS3103で転写材にパターンが出力された後、転写材を原稿台118上に載置するように、操作画面上には図38に示す画面が表示される。画面の指示に従い、パターンが形成された転写紙を原稿台に載置して、図38の画面で“読み取りスタート”を選択するか、または“キャンセルを選択する。”キャンセル“を選択した場合にはここで処理を終える(ステップS3104)。一方、“読み取りスタート”を選択すると、スキャナが走行し、YMCK濃度パターンのRGBデータを読み取る(ステップS3105)。このとき、パターン部のデータと転写材の地肌部のデータを読み取る。次いで、パターン部のデータが正常に読み取られたかを判断し(ステップS3106)。正常に読み取られない場合には、再び図38の画面が表示される。2回正常に読み取られない場合には処理を終了する(ステップS3107)。
【0118】
ステップS3106でデータが正常に読み取られていれば、ステップS3108でACCの機差補正値による補正を行い、ステップS3109でムラの検出および補正を行うか否かを判断し、補正を行うのであれば、ステップS3110でムラの検出および補正を行い、行わないのであればそのままステップS3111の処理にスキップする。
【0119】
ステップS3111では、図34の画面で“地肌の補正”に“実行”が選択されているか否かを判断し、“実行”が選択されている場合には、ステップS3112で読み取りデータに対する地肌データによる補正を行う。次いで、ステップS3113で、図34の画面で“高画像濃度部の補正”に“実行”が選択されているか否かを判断し、“実行”が選択されている場合には、ステップS3114で参照データの高画像濃度部のデータに補正処理を行う。
【0120】
そして、ステップS3115で、以上処理を行われたデータを用いて、YMCK階調補正テーブルを作成し、各色のYMCK階調補正テーブルが全て作成されると(ステップS3116)、これらの処理を写真、文字の各画質モード毎について実行する(ステップS3117)。
【0121】
処理中には、操作画面には図39の画面が表示される。処理終了後のYMCK階調補正テーブルで画像形成を行った結果が、望ましくない場合には、処理前のYMCK階調補正テーブルを選択することができるように、[元に値に戻す]キーが図34の画面中に表示されている。なお、図40は図33の液晶表示画面(タッチパネル)の詳細を示す正面図である。
【0122】
以下、それぞれの処理の詳細を説明する。
【0123】
図37は、ムラを補正するために使用する基準パッチを示す図である。この基準パッチでは、Left0〜15(以後L0〜L15と略す)、Left−Middle0〜15(以後ML0〜ML15と略す)、Center0−15同C0〜C15)、Right−Middle0−15(同MR0〜MR15)、Right 0−15(同R0〜R15)のパッチが使用される。これらのパターンは、写真用の階調処理がなされている。その理由は、写真モードの階調処理のYMCを重ね合わせた場合のグレーバランスの主走査方向の位置のバラつきを低減することを発明の第1の目的としているからである。
【0124】
図41はムラの補正値の算出方法を説明するための4元チャートである。同図において、第1象現(図41の[I])の横軸は階調パッチの書き込み値、縦軸はスキャナの読み取り値でグラフは、階調パッチの読み取り値を表す。第2象現(図41の[II])の横軸はプリンタγ変換テーブルへの入力値で、グラフは自動階調補正(ACC)の調整目標(ターゲット)、もしくはACC実行後のプリンタγの調整結果を表す。第3象現(図41の[III])の縦軸は、階調処理への入力値で、グラフはムラを補正するための補正量を表す。このグラフは求める値を図示したものである。第4象現(図41の[IV])は階調処理の特性である。
【0125】
第1象現のa)〜c)は、それぞれ
a)補正の基準値
b)基準より濃度が濃い場合
c)基準より濃度が薄い場合
を例示したものである。たとえば、図37に示した階調パターンのC0〜C15を基準とし、それ以外のL0〜L15、ML0〜ML15、MR0〜MR15、R0〜R15の読み取り結果のうち、濃度が薄い場合にはb)、濃度が濃い場合にはc)として図示した。
【0126】
ACCのターゲットは、主走査方向のムラにかかわらず一定であるので、ムラがある場合には、第2象現のグラフ出力した結果d)〜f)に示したように主走査方向の位置により出力結果がばらつく。ここで、d)はa)に対するプリンタγテーブルである。このような場合には、YMC三色を重ね合わせた場合などでムラが生じる。それを防ぐために、主走査方向の位置に応じて作像部の感度ムラを補正し、場所によらない画像濃度の調整結果(図41の[II])が得られるように、プリンタγテーブル(図41の[IV])への補正量(同第III象現)を主走査方向の位置によって変更する。第III象現に得られたグラフの傾きを求め、これを補正量の傾きとする。
【0127】
上記のようにして得た主走査位置による補正量の概念図を図42に示す。
【0128】
ACCパターンに形成されたLeft, Left−Middle (LM)、Center、Right−Middle (RM)、Rightの各階調パターンの読み取り値から算出した補正量の傾きをCenterの値を基準にしたグラフを図42a)に示した。図42b)は、ムラの検知パターンのある場所から、検知パターンがない場所へと傾きを補間した結果である。図42b)は、SIMDプロセッサが一度に処理可能な画素数毎に主走査方向の画像幅を区切っている。階調処理前の画像信号を、上記のようにして得られた傾きを用いて補正する。これにより、簡単な計算で効率的に主走査方向のムラを補正することができる。
【0129】
図43はSIMDプロセッサにおけるムラ補正処理の処理手順を示すフローチャートである。この図43に示す処理では、まず、ステップS3201で、画像データをSIMDプロセッサに入力し、ステップS3202で、画像データから画像のエッジ度を算出する(特徴量抽出)。次いで、ステップS3203で主走査方向のムラを補正し、ステップS3204で前述した階調処理を行う。そして、ステップS3205で画像信号をSIMDプロセッサから出力する。
【0130】
図44及び図45は補正用の階調パターンの数を減らした場合の出力例を示す図である。これらは、ムラの補正量を検知するためのLeft,Left−Middle(LM)、Center,Right−Middle(RM)、Rightのムラ検知パターンの数を減らし、階調パターン出力の際のトナーの消費量を減らした階調パターンの例である。
【0131】
図44の階調パターンは、は検知するパターンに隣接してパターンを配置したパターンで、スキャナのフレアの影響がある場合に有効である。すなわち、検知するパターン(一例としてLeft)に隣接したパターン(Left−sub…図中でL−subと記載)がない地肌の場合には、検知するパターンの隣にパターンが存在しない場合に比べて地肌の影響を受けて、明るく(画像濃度が薄く)読まれる可能性がある。それを防ぐためにムラを検知するためのパターン〜Left,RM、Right〜に隣接して同程度の書き込み値のパターン〜Left−sub(L−sub),RM−sub,Right−sub(R−sub)〜を配置した。LMパターン、Centerパターンについては、隣接して階調補正用のBlackパターンがあるために他のパターンとフレアに対する影響は同程度と判断し、形成する必要はないと判断した。
【0132】
図45は、スキャナのフレアの影響が無視できる場合で、この場合は、トナーの消費量を低減するためにムラ検知するパターンLeft,RM、Right〜に隣接するパターン〜Left−sub(L−sub),RM−sub,Right−sub(R−sub)〜を省略した。ムラを検知するためのパターンLeft,Left−Middle(LM)、Center,Right−Middle(RM)、Right3〜5段目のうちの少なくとも1点を用いて、図46の4元チャートに示すように、第3([III])象現の補正量の傾きを求める。
【0133】
地肌の補正について説明する。
【0134】
地肌補正の目的は2つある。1つは、ACC時に使用される転写材の白色度を補正することである。これは、同一の機械に、同じ時に画像を形成しても、使用する転写材の白色度によって、スキャナで読み取られる値が異なるためである。地肌を補正しない場合のデメリットとしては、例えば、白色度が低い、再生紙などをこのACCに用いた場合、再生紙は一般にイエロー成分が多いために、イエローの階調補正テーブルを作成した場合に、イエロー成分が少なくなるように補正する。この状態で、次に、白色度が高いアート紙などでコピーをした場合に、イエロー成分が少ない画像となって望ましい色再現が得られない場合がある。
【0135】
他の1つは、ACC時に用いた転写紙の厚さ(紙厚)が薄い場合には、転写材を押さえ付ける圧板などの色が透けてスキャナに読み取られてしまうことである。例えば、圧板の代わりにADF(Auto Document Feeder)と呼ばれる原稿自動送り装置を装着している場合には、原稿の搬送用にベルトを用いているが、これが使用しているゴム系の材質により、白色度が低く、若干の灰色味がある。そのため、読み取られた画像信号も、見かけ上、全体に高くなった画像信号として読み取られるために、YMCK階調補正テーブルを作成する際に、その分薄くなるように作成する。この状態で、今度は紙厚が厚く、透過性が悪い転写紙を用いた場合には、全体の濃度が薄い画像として再現されるため、必ずしも望ましい画像が得られない。これらの不具合を防ぐために、紙の地肌部の読み取り画像信号からパターン部の読み取り画像信号の補正を行っている。
【0136】
しかし、上記の補正を行わない場合にもメリットがあり、常に再生紙のように、イエロー成分が多い転写紙を用いる場合には、補正をしない方が、イエロー成分が入った色に対しては色再現が良くなる場合ができる。また、常に、紙厚が、薄い転写紙のみしか用いない場合には、薄い紙に合わせた状態に階調補正テーブルが作成されるというメリットがある。
【0137】
上記のように、使用者の状況と好みとに応じて、地肌部の補正をON/OFFを行うことができる。
【0138】
転写紙上に形成した階調パターン(図37)の書き込み値を LD[i](i=0,1,…,9)、形成されたパターンのスキャナでの読み取り値をベクトル型式で
v[t][i]≡(r[t][i],g[t][i],b[t][i])
(t=Y,M,C, or K, i=0,1,…,9)
とする。(r,g,b)の代わりに、明度、彩度、色相角(L*,c*,h*),あるいは、明度、赤み、青み(L*,a*,b*) などで表しても良い。あらかじめROM416またはRAM417中に記憶してある基準となる白の読み取り値を(r[W],g[W],b[W])とする。
【0139】
ACC実行時におけるγ変換処理部410で行われる階調変換テーブル(LUT)の生成方法について説明する。
【0140】
パターンの読み取り値
v[t][i]≡(r[t][i],g[t][i],b[t][i])
において、YMCトナーの各補色の画像信号はそれぞれ
b[t][i],g[t][i],r[t][i]
であるので、それぞれの補色の画像信号のみを用いる。ここでは、後の記載を簡単にするために、
a[t][i](i=0,1,2,…,9;t=C,M,Y,orK)
を用いて表す。階調変換テーブルを作成すると処理が簡単である。なお、ブラックトナーについては、RGBのいずれの画像信号を用いても十分な精度が得られるが、ここでは、G(グリーン)成分を用いる。
【0141】
参照データは、スキャナの読み取り値
v0[t][i]≡(r0[t][i],g0[t][i],b0[t][i])
及び対応するレーザの書き込み値
LD[i](i=1,2,…,m)
の組によって与えられる。 同様に、YMCの補色画像信号のみを用いて、後の記載を簡単にするために、
A[t][n[i]](0 ≦ n[i] ≦ 255; i=1,2,…,m; t = Y,M,C, or K)
と表す。m は参照データの数である。
【0142】
機差補正値の一例を図47に示す。図47の値は、Black(G),Cyan(R),Magenta(G),Yellow (B)のそれぞれのトナーに対応する補正値で、()内は、自動階調補正の時に使用するスキャナのRed(R),Green(G),Blue(B)の信号を示す。それぞれの色のトナーに対し、k(0)、k(1023)は、参照データ値 0及び参照データ値1023(10ビット信号)に対する補正値を表す。
【0143】
補正後の参照データの値を
A1[t][n[i]]
として、図47の値を用いて参照データ
A[t][n[i]]

A1[t][n[i]]=A[t][n[i]]+(k(1023)−k(0))×n[i]/1023+k(0) ・・・(4)
のように補正する。
【0144】
上記の関数を図で表わすと例えば図48のようになる。図47の補正値は、製造時に設定され、機械内に保持されている。また、図49に示す操作部の液晶画面(タッチパネル)からタッチ入力により設定することが可能である。
【0145】
なお、以下では、式4のA1[t][n[i]]を、新たにA[t][n[i]]として使用する。
【0146】
YMCK階調変換テーブルは、前述したa[LD]とROM416中に記憶されている参照データA[n]とを比較することによって得られる。ここで、nは、YMCK階調変換テーブルへの入力値で、参照データA[n]は、入力値nをYMCK階調変換した後のレーザ書き込み値LD[i]で出力したYMCトナー・パターンをスキャナで読み取った読み取り画像信号の目標値である。ここで、参照データは、プリンタの出力可能な画像濃度に応じて補正を行う参照値A[n]と補正を行わない参照値A[n]との2種類の値とからなる。補正を行うかどうかの判断は、予めROMまたはRAM中に記憶されている後述する判断用のデータにより判断される。この補正についての後述する。
【0147】
前述したa[LD]から、A[n]に対応するLDを求めることにより、YMCK階調変換テーブルへの入力値nに対応するレーザ出力値LD[n]を求める。これを、入力値
i=0,1,…,255(8bit信号の場合)
に対して求めることにより、階調変換テーブルを求めることができる。その際、YMCK階調変換テーブルに対する入力値
n=00h,01h …,FFh(16進数)
に対するすべての値に対して、上記の処理を行う代わりに、
ni=0,11h,22h, …,FFh
のようなとびとびの値について上記の処理を行い、それ以外の点については、スプライン関数などで補間を行うか、あるいは、予めROM416中に記憶されているYMCKγ補正テーブルの内、上記の処理で求めた
(0,LD[0]),(11h,LD[11h]),(22h,LD[22h]),…,(FFh,LD[FFh])
の組を通る、最も近いテーブルを選択する。
【0148】
上記の処理を図50の4元チャートに基づいて説明する。図の第1象現(a)の横軸は、YMCK階調変換テーブルへの入力値n、縦軸は、スキャナの読み取り値(処理後)で、前述した参照データA[i]を表す。スキャナの読み取り値(処理後)は、階調パターンをスキャナで読み取った値に対し、RGBγ変換(ここでは変換を行っていない)、階調パターン内の数ヶ所の読み取りデータの平均処理及び加算処理後の値であり、演算精度向上のために、ここでは、12ビットデータ信号として処理する。
【0149】
図50の第2象現(b)の横軸は、縦軸と同じく、スキャナの読み取り値(処理後)を表す。第3象現(c)の縦軸は、レーザ光(LD)の書き込み値を表す。このデータa[LD]は、プリンタ部の特性を表す。また、実際に形成するパターンのLDの書き込み値は、00h(地肌),11h,22h,…,EEh,FFhの16点であり、飛び飛びの値を示すが、ここでは、検知点の間を補間し、連続的なグラフとして扱う。第4象現のグラフ(d)は、YMCK階調変換テーブルLD[i]で、このテーブルを求めることが目的である。グラフ(f)の縦軸・横軸は、グラフ(d)の縦軸・横軸と同じである。検知用の階調パターンを形成する場合には、グラフ(f)に示したYMCK階調変換テーブル(g)を用いる。グラフ(e)の横軸は、第3象現(c)と同じであり、階調パターン作成時のLDの書き込み値と階調パターンのスキャナの読み取り値(処理後)との関係を表すための、便宜上の線形変換を表す。ある入力値nに対して参照データA[n]が求められ、A[n]を得るためのLD出力LD[n]を階調パターンの読み取り値a[LD]を用いて、図中の矢印(l)に沿って求める。
【0150】
インターフェースI/F・セレクタ411は、スキャナ401で読み込んだ画像データを外部の画像処理装置などで処理するために出力したり、外部のホストコンピューターやあるいは画像処理装置からの画像データをプリンタ413で出力するための切り替え機能を有する。
【0151】
以上の画像処理回路はCPU415により制御される。CPU415は、ROM414とRAM416とBUS418で接続されている。また、CPU415はシリアルI/Fを通じて、システムコントローラ417と接続されており、図示しない操作部などからのコマンドが、システムコントローラ417を通じて送信される。送信された画質モード、濃度情報及び領域情報等に基づいて上述したそれぞれの画像処理回路に各種パラメータが設定される。パターン発生回路421は画像処理部で使用する階調パターンを発生させる。
【0152】
レーザ変調回路のブロック図を図51に示す。書き込み周波数は、18.6[MHz]であり、1画素の走査時間は、53.8[nsec]である。8ビットの画像データはルックアップテーブル(LUT)451でγ変換を行うことができる。パルス幅変調回路(PWM)452で8ビットの画像信号の上位3ビットの信号に基づいて8値のパルス幅に変換され、パワー変調回路(PM)453で下位5ビットで32値のパワー変調が行われ、レーザダイオード(LD)454が変調された信号に基づいて発光する。フォトディテクタ(PD)455で発光強度をモニターし、1ドット毎に補正を行う。
【0153】
レーザ光の強度の最大値は、画像信号とは独立に、8ビット(256段階)に可変できる。1画素の大きさに対し、主走査方向のビーム径(これは、静止時のビームの強度が最大値に対し、1/e2に減衰するときの幅として定義される)は、600 DPIでは、1画素42.3[μm]では、ビーム径は主走査方向50[μm]、副走査方向60[μm]が使用される。
【0154】
図52は画像読み取り系のブロック図、図53は原稿読み取り装置(スキャナ)の概略構成図である。以下、これらの図に基づいて画像読み取り系について説明する。
【0155】
原稿は、露光ランプ5501により照射され、原稿面から反射した反射光は、CCD(Charge Coupled Device)5401のRGBフィルタにより色分解されて読み取られ、増幅回路5402により所定レベルに増幅される。CCDドライバ5409は、CCDを駆動するためのパルス信号を供給する。CCDドライバ5409を駆動するために必要なパルス源は、パルスジェネレータ5410で生成され、パルスジェネレータ5410は、水晶発振子などからなるクロックジェネレータ5411を基準信号とする。パルスジェネレータ5410は、サンプルホールド(S/H)回路5403がCCD5401からの信号をサンプルホールドするための必要なタイミングを供給する。S/H回路5403によりサンプルホールドされたアナログカラー画像信号は、A/D変換回路5404で8ビット信号(一例である)にデジタル化される。黒補正回路5405は、CCD5401のチップ間、画素間の黒レベル(光量が少ない場合の電気信号)のばらつきを低減し、画像の黒部にスジやムラを生じることを防ぐ。シェーディング補正回路5406は、白レベル(光量が多い場合の電気信号)を補正する。白レベルは、スキャナ420を均一な白色版の位置に移動して照射した時の白色データに基づき、照射系、光学系やCCD5401の感度ばらつきを補正する。図54に白補正・黒補正の画像信号の概念図を示した。
【0156】
シェーディング補正回路5405からの信号は、画像処理部5407により処理され、プリンタ413で出力される。上記回路は、CPU5414により制御され、ROM5413及びRAM5415に制御に必要なデータを記憶する。CPU5414は、画像形成装置全体の制御を行うシステムコントローラ419とシリアルI/Fにより通信を行っている。CPU5414は、図示しないスキャナ駆動装置を制御し、スキャナ121の駆動制御を行う。
【0157】
増幅回路5402の増幅量は、ある特定の原稿濃度に対して、A/D変換回路5404の出力値が所望の値になるように決定する。一例として、通常のコピー時に原稿濃度が、0.05(反射率で0.891)のものを8ビット信号値で240値として得られるようにする。一方、シェーディング補正時には、増幅率を下げてシェーディング補正の感度を上げる。その理由は、通常のコピー時の増幅率では、反射光が多い場合には、8ビット信号で255値を超える大きさの画像信号となると、255値に飽和してしまい、シェーディング補正に誤差が生じるためである。
【0158】
図55は、増幅回路5402で増幅された画像の読み取り信号がS/H回路5403でサンプルホールドされる状態を示す模式図である。横軸は、増幅後のアナログ画像信号がS/H回路5403を通過する時間で、縦軸は、増幅後のアナログ信号の大きさを表す。所定のサンプルホールド時間5501でアナログ信号がサンプルホールドされて、A/D変換回路5404に信号が送られる。図は前述した白レベルを読み取った画像信号で、増幅後の画像信号は、コピー時は、一例として、A/D変換後の値として240値、白補正時は、180値とした増幅後の画像信号の例である。
【0159】
なお、図53のスキャナ420はシートスルー方式とフラットベッド方式の2つの方式に対応し、しかもこの例の場合、図1とは異なり両面読み取り可能な構成になっている。
【0160】
なお、プログラムはROM131、記憶装置181、プログラムRAM1405等にダウンロードされ、CPU130により実行される。その際、必要なプログラムが記録された例えばCD−ROMなどの情報記録媒体からダウンロードし、あるいはネットワークを介してサーバからダウンロードされて使用される。
【0161】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、画像形成時の階調特性に応じて補正量を決定することができ、また、補正を行う際の調整手順を簡略化し、低コスト、効率的にムラを補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るカラー複写機の概略構成を示す図である。
【図2】図1のカラー複写機の制御系の概略を示すブロック図である。
【図3】図1のカラー複写機の制御構成を示す図である。
【図4】図2のカラー複写機の画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図5】適応エッジ強調回路の例を示すブロック図である。
【図6】平滑化フィルタの係数の例を示す図である。
【図7】ラプラシアンフィルタの係数の例を示す図である。
【図8】副走査方向エッジ検出フィルタの係数の例を示す図である。
【図9】主走査方向エッジ検出フィルタの係数の例を示す図である。
【図10】斜め方向検出フィルタの係数の例を示す図である。
【図11】斜め方向検出フィルタの係数の他の例を示す図である。
【図12】第2の平滑化フィルタの係数の例を示す図である。
【図13】テーブル変換回路で変換されるフィルタ係数とエッジ度との関係を示す図である。
【図14】SIMD型プロセッサの概略構成を示す説明図である。
【図15】SIMD型画像データ処理部及び逐次画像データ演算処理部の構成を示す図である。
【図16】画素ラインを説明するための図である。
【図17】画像処理プロセッサ1204の内部構成を示すブロック図である。
【図18】逐次型画像データ処理部の構成を示すブロック図である。
【図19】シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック各色に対応するディザ処理パラメータを示す図である。
【図20】IIR型フィルタシステムのシステム構成を示す図である。
【図21】画像処理部の構成を示すブロック図である。
【図22】誤差拡散処理ハードウェアレジスタ群に設定するレジスタの説明図である。
【図23】SIMD型プロセッサで行われる誤差拡散処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図24】逐次型画像データ処理部で行われる誤差拡散処理の処理手順を示す説明図である。
【図25】図23の処理で実行されるラインシフトを示す説明図である。
【図26】誤差拡散マトリクス部のマトリクスの状態を示す図である。
【図27】エッジ検出部で使用される微分フィルタの例を示す図である。
【図28】ディザ閾値発生部のディザ閾値マトリクスの例を示す図である。
【図29】ディザ閾値発生部のディザ閾値マトリクスの他の例を示す図である。
【図30】スクリーン角とラインの成長方向を示す説明図である。
【図31】画像プロセッサの状態遷移図である。
【図32】2入力2出力時の画像処理プロセッサの動作手順を示すフローチャートである。
【図33】操作部の全体を示す正面図である。
【図34】操作部のタッチパネルの自動階調補正画面の一例を示す正面図である。
【図35】自動階調補正(ACC)の処理手順を示すフローチャートである。
【図36】操作部のタッチパネルの自動階調補正画面のテストパターン印刷画面を示す正面図である。
【図37】自動階調補正(ACC)の階調パターンの出力例(その1)を示す図である。
【図38】操作部のタッチパネルの自動階調補正画面のテストパターン読み取り画面を示す正面図である。
【図39】操作部のタッチパネルの自動階調補正画面の読み取り処理画面を示す正面図である。
【図40】操作部のタッチパネルのコピー画面の一例を示す正面図である。
【図41】濃度ムラの算出方法を示す4元チャート(その1)である。
【図42】像担持体の主走査位置と補正量との関係を示す概念図である。
【図43】SIMDプロセッサにおける濃度ムラの補正処理手順を示すフローチャートである。
【図44】自動階調補正(ACC)の階調パターンの出力例(その2)を示す図である。
【図45】自動階調補正(ACC)の階調パターンの出力例(その3)を示す図である。
【図46】濃度ムラの算出方法を示す4元チャート(その2)である。
【図47】機差の補正値の例を示す図である。
【図48】自動階調補正(ACC)の機差補正値の補正方法を示す説明図である。
【図49】自動階調補正(ACC)の機差補正値を入力するための液晶画面の正面図である。
【図50】自動階調補正(ACC)の演算方法を示す4元チャートである。
【図51】レーザ変調回路を示すブロック図である。
【図52】画像読み取り系を示すブロック図である。
【図53】原稿読み取り装置(スキャナ)の概略構成を示す図である。
【図54】白補正・黒補正の画像信号の概念図である。
【図55】図53の増幅回路で増幅された画像の読み取り信号がS/H回路でサンプルホールドされる状態を示す模式図である。
【符号の説明】
410 階調処理
413 プリンタ
415 CPU
420 スキャナ
421 パターン生成回路
1204 画像処理プロセッサ
1403 メモリ制御部
1404 プロセッサアレー
1500 SIMD型画像データ処理部
1501a〜1501e データ入出力用バス
1502a〜1502c バススイッチ
1503 RAM
1504a〜1504d メモリスイッチ
1505a,1505b メモリコントローラ
1506 SIMD型プロセッサ
1507a,1507b 逐次型画像データ処理部
1801 誤差データ算出部
1805 誤差拡散処理ハードウエアレジスタ群

Claims (14)

  1. 像担持体の作像位置に依存する濃度ムラを補正する画像処理装置であって、
    転写紙上に出力された階調パターン及び濃度が略等しい複数の基準濃度パターンを読み取り、分光感度の異なる複数の信号を出力する画像読み取り手段と、
    前記画像読み取り手段によって読み取られた前記階調パターン及び前記基準濃度パターンの読み取り信号、並びに画像データを像担持体上の作像位置に応じて補正する補正手段と、
    前記作像位置に応じた画像データの補正量を記憶する補正量記憶手段と、
    を備え、
    前記補正手段は、前記転写紙上に形成された階調パターン及び複数の基準パターンの読み取り値に基づいて、前記作像位置に応じた画像データの補正量を変更すること特徴とする画像処理装置。
  2. 像担持体の作像位置に依存する濃度ムラを補正する画像処理装置であって、
    転写紙上に出力された複数の着色材を用いた階調パターン及び濃度が略等しい複数の基準パターンを読み取り、分光感度の異なる複数の信号を出力する画像読み取り手段と、
    前記画像読み取り手段によって読み取られた前記階調パターンの読み取り信号、及び予め記憶されている参照データに基づいて画像処理パラメータを設定するパラメータ設定手段と、
    画像データを像担持体上の作像位置に応じて補正する補正手段と、
    前記作像位置に応じた画像データの補正量を記憶する補正量記憶手段と、
    を備え、
    前記補正手段は、前記転写紙上に形成された階調パターン及び基準パターンの読み取りデータに基づいて、前記作像位置に応じた画像データの補正量と、階調パラメータとを変更することを特徴とする画像処理装置。
  3. 前記画像データを並列的に処理する画像並列処理手段をさらに備え、
    前記画像並列処理手段は、所定のデータ数以下毎に画像データを補正することを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。
  4. 前記補正手段は、基準となるムラを検出するための基準パターンの階調特性を検知し、前記検知した結果を傾きとして表し、前記傾きから読み取り位置に応じたムラを補正することを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。
  5. 前記像担持体の画像形成位置に依存する濃度ムラが主走査方向における濃度ムラであることを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。
  6. 前記階調パターン及び濃度が略等しい複数の基準濃度パターンを転写紙上に出力するパターン出力手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の画像処理装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  8. 像担持体の画像形成位置に依存する濃度ムラを補正する画像処理方法であって、
    転写紙上に出力された階調パターン及び濃度が略等しい複数の基準濃度パターンを読み取り、分光感度の異なる複数の信号を出力する第1の工程と、
    前記第1の工程で読み取られた前記階調パターン及び前記基準濃度パターンの読み取り信号、並びに画像データを像担持体上の作像位置によって補正する第2の工程と、
    前記作像位置に応じた画像データの補正量を記憶する第3の工程と、
    前記転写紙上に形成された階調パターン及び複数の基準パターンの読み取り値に基づいて、記憶された前記作像位置に応じた画像データの補正量を変更する第4の工程と、
    を含んでなることを特徴とする画像処理方法。
  9. 像担持体の画像形成位置に依存する濃度ムラを補正する画像処理方法であって、
    転写紙上に出力された複数の着色材を用いた階調パターン及び濃度が略等しい複数の基準パターンを読み取り、分光感度の異なる複数の信号を出力する第1の工程と、
    前記第1の行程で読み取られた前記階調パターンの読み取り信号、及び予め記憶されている参照データに基づいて画像処理パラメータを設定する第2の工程と、
    画像データを像担持体上の作像位置によって補正する第3の工程と、
    前記作像位置に応じた画像データの補正量を記憶する第4の工程と、
    前記転写紙上に形成された階調パターン及び基準パターンの読み取りデータに基づいて前記作像位置に応じた画像データの補正量及び階調パラメータを変更する第5の工程と、
    を含んでなることを特徴とする画像処理方法。
  10. コンピュータにロードされ、画像形成位置に依存する濃度ムラを補正するためのコンピュータプログラムにおいて、
    転写紙上に出力された階調パターン及び濃度が略等しい複数の基準濃度パターンを読み取り、分光感度の異なる複数の信号を出力する第1の手順と、
    前記第1の手順で読み取られた前記階調パターン及び前記基準濃度パターンの読み取り信号、並びに画像データを像担持体上の作像位置によって補正する第2の手順と、
    前記作像位置に応じた画像データの補正量を記憶する第3の手順と、
    前記転写紙上に形成された階調パターン及び複数の基準パターンの読み取り値に基づいて、記憶された前記作像位置に応じた画像データの補正量を変更する第4の手順と、
    を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
  11. コンピュータにロードされ、画像形成位置に依存する濃度ムラを補正するためのコンピュータプログラムにおいて、
    転写紙上に出力された複数の着色材を用いた階調パターン及び濃度が略等しい複数の基準パターンを読み取り、分光感度の異なる複数の信号を出力する第1の手順と、
    前記第1の手順で読み取られた前記階調パターンの読み取り信号、及び予め記憶されている参照データに基づいて画像処理パラメータを設定する第2の手順と、
    画像データを像担持体上の作像位置によって補正する第3の手順と、
    前記作像位置に応じた画像データの補正量を記憶する第4の手順と、
    前記転写紙上に形成された階調パターン及び基準パターンの読み取りデータに基づいて、前記作像位置に応じた画像データの補正量及び階調パラメータを変更する第5の手順と、
    を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
  12. 前記第3の手順が、地肌の補正および/または参照データの補正を行うか否かを判定する手順を含み、前記補正を行う場合には、補正後にYMCK階調補正テーブルを作成することを特徴とする請求項10または11記載のコンピュータプログラム。
  13. 前記YMCK階調補正テーブルを参照してYMCK各色に関して補正した後、各画質モードについて補正を行うことを特徴とする請求項12記載のコンピュータプログラム。
  14. 請求項10ないし13のいずれか1項に記載のコンピュータプログラムがコンピュータによって読み込み可能に記録されていることを特徴とする記録媒体。
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