JP2004288385A - 無電極蛍光ランプ、無電極電球形蛍光ランプおよび照明装置 - Google Patents

無電極蛍光ランプ、無電極電球形蛍光ランプおよび照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】点灯直後の光束立上り特性が向上した小形の無電極蛍光ランプおよび、無電極電球形蛍光ランプならびに、これらを具備した照明装置を提供する。
【解決手段】水銀蒸気圧の高い主アマルガムを使用したため、常温時においても蛍光ランプ内の水銀蒸気圧を比較的高くできるとともに、消灯中の管内の蒸気圧を低減するほど水銀を吸着させない金補助アマルガムを配置することで光束立ち上がり特性をさらに向上することができる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光束立ち上がり特性を改善した無電極蛍光ランプ、無電極電球形蛍光ランプおよびそれらを具備した照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年蛍光ランプおよび電球形蛍光ランプは、よりコンパクトに細径化することで、一般白熱電球に相当する程度にまで小形化され、ランプ技術および点灯回路技術の発展によりランプ効率も向上してきている。しかし、密閉されるような照明器具に装着されたり、一般白熱電球に類似した外観となるように発光管をグローブで覆った形態の蛍光ランプは、一層の小形化に伴い、点灯中の温度が高温になる傾向にある。このような点灯時に高温となる蛍光ランプには、インジウム、鉛、錫、およびビスマスなどと水銀との合金である主アマルガムを発光管内に封入して水銀蒸気圧を制御し、発光効率を向上させている。
【0003】
一方、励磁コイルに高周波電流を流すことにより形成される高周波電磁界を発生させることで、コンパクトに形成された発光管内の放電ガスを励起して紫外線を発光させる無電極ランプも知られている。このような無電極ランプも有電極ランプと同様に、小形化で高出力となるものは、点灯中高温になる傾向にある。そのため、通常点灯時の水銀蒸気圧を最適にする目的のために発光管内に主アマルガムを導入したり、点灯初期の光出力を改善するために補助アマルガムを封入したりしている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
また、発光管の一部に最冷部を設け、その近傍に比較的蒸気圧が高い主アマルガムを封入させて、消灯時の低温状態においても管内の水銀蒸気圧を高く保つことで光束立ち上がり特性を改善した無電極蛍光ランプも知られている(例えば特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−36386号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平9−147809号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1のような主アマルガムとインジウム補助アマルガムとの両者を設けた蛍光ランプは消灯中、インジウム補助アマルガムにより管内の水銀蒸気圧が制御される。これは、インジウムの水銀吸着能力が高いためである。水銀を吸着した補助アマルガムは、点灯直後、電極の熱影響を受け水銀を放出する。しかし、発光管内の水銀蒸気圧は、純水銀におけるそれよりも、1桁以上も低いためインジウムからなる補助アマルガムにより制御されているため点灯瞬時の光束が極端に低くなってしまう。このような理由から点灯瞬時の光束を高く保つことが困難であり、光束立上り特性の改善が必要であることが判った。
【0008】
一方、特許文献2のように補助アマルガムを用いず、点灯中に最冷部となる発光管内に主アマルガムを封入したランプは、消灯中も発光管内の水銀蒸気圧が比較的高く保たれているので始動直後の光束立上り特性は、特許文献1のランプに比べて改善されている。しかし、消灯中最冷部に付着した水銀が放電プラズマからの輻射および励磁コイルの自己発熱などの熱影響を受け、水銀を放出するには時間がかかるため、点灯直後の光束立ち上がり特性に問題を生じていた。
【0009】
このように最冷部制御の蛍光ランプの立ち上がりを改善するために補助アマルガムの封入も可能である。しかし、特許文献1のように水銀との結着力が強いインジウム補助アマルガムは、消灯中の管内の水銀を必要以上に吸着し、管内水銀蒸気圧を低下させるおそれがある。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、点灯直後の光束立上り特性が向上した小形の無電極蛍光ランプおよび、無電極電球形蛍光ランプならびに、これらを具備した照明装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の無電極蛍光ランプは、無電極形の発光管と;発光管内に放電を生起可能な放電生起手段と;発光管内に封入され、常温における水銀蒸気圧が0.10〜0.24Paの蒸気圧を有する水銀媒体と;発光管内に封入された、金、銀、パラジウム、白金、鉛、亜鉛、ビスマス、ニッケル、アルミニウムまたは錫のうち、少なくとも一種類の金属を主成分とするアマルガムと;を具備していることを特徴とするものである。
【0012】
一般に蛍光ランプは、通常点灯時の発光管内の水銀蒸気圧が0.8〜1.6Paであるときに、発光効率が最大となる。純水銀を封入したランプでは、この蒸気圧を得るために発光管の一部を40〜50℃とさせることにより、管内の水銀蒸気圧を最適な状態に保つことができる。しかし、点灯中高温となるような小形で高出力の無電極蛍光ランプにあっては、通常は発光管の一部に40〜50℃の部分を形成させるのは難しい。しかし、発光管の一部を放電路から離間させ、点灯中比較的温度の低い空間にまで突設させるか、または発光管の管壁負荷を低くすることにより、発光管の一部を40〜70℃程度とすることが可能となる。このような無電極蛍光ランプであれば、純水銀に近い蒸気圧特性を有するいわゆる水銀蒸気圧の高い主アマルガムや、水銀ペレットを使用することが可能となる。
【0013】
本発明者らは、上述のように通常点灯時に発光管の一部が70℃以下となるように構成された発光管内に、水銀蒸気圧が比較的高い主アマルガムを封入させ、更なる光束立ち上がり特性を改善するべく実験を行なった。
【0014】
まずは消灯中、管内の水銀蒸気圧を比較的高い状態に保ちつつ、点灯直後の光束立上がり特性を改善するために最適な補助アマルガムの組成を検討した。本実験に採用した発光管は、略球形状の外観で、球形の中心軸には有底筒状のくぼみ空洞部を有し、ランプを口金上向き点灯したときに、略球形バルブ先端の温度が70℃以下になるように構成されている。
【0015】
まず、従来の無電極蛍光ランプに使用されている水銀吸着力の強いインジウム補助アマルガムを励磁コイル近傍に封着させたランプを点灯させた。
【0016】
インジウム補助アマルガムを使用したランプの光束立ち上がり特性は、改善されるどころか補助アマルガムなしのランプよりも立ち上がりが悪くなる結果であった。
【0017】
これは、インジウムのような金属は水銀吸着能力が高いため、消灯直後は、水銀蒸気圧が高い状態で保たれていているものの、発光管内の浮遊水銀を必要以上に吸着してしまい、管内の蒸気圧が低くなってしまうためである。
【0018】
したがって、特に水銀蒸気圧が高い主アマルガムを使用した場合においては、消灯中の発光管内の水銀蒸気圧を大きく低下させない、すなわち、あまり水銀を吸着しない金属を補助アマルガムに使用することが望ましいことを突きとめた。
【0019】
水銀をあまり吸着しない、水銀蒸気圧がインジウムより高い材料としては、金、銀、パラジウム、白金、鉛、亜鉛、ビスマス、ニッケル、アルミニウムまたは錫などが挙げられる。
【0020】
次に、補助アマルガムを封着せずに、水銀蒸気圧が高い主アマルガムを封入した無電極電球形蛍光ランプを周囲温度25℃の雰囲気で消灯し、1日放置後の光束立上り特性を調べてみた。すると、点灯直後は定格点灯の40%程度、点灯30秒後で約80%の明るさが得られた。しかし、同じ条件で3ヶ月放置したものについては、80%の明るさが得られるまでに約4分を要した。これは消灯後しばらくの間は、水銀蒸気が発光管内の蛍光体層や保護膜などに付着し、放電により再放出しやすい状態にあるからである。しかし、消灯して長期間放置された発光管は完全に冷却され、蛍光体層や保護膜などに付着されていた水銀のほとんどが主アマルガムに吸収され、発光管内の水銀蒸気圧が0.1Pa前後にほぼ一定化されてしまう。このため、管内の蒸気圧が定格点灯の80%の明るさとなる1Pa程度の蒸気圧になるまでに時間がかかる。特に、水銀蒸気圧が高いアマルガムを封入した無電極電球形蛍光ランプは、消灯中に最冷部に付着した水銀を放電プラズマからの輻射などの熱影響を受けにくく、放電による熱により徐々に暖められるため、所望の明るさを出力可能な水銀蒸気圧になるには時間を要するのである。
【0021】
さらに、同じ点灯条件でランプ消灯中、相対的に水銀吸着力の小さい金補助アマルガムを励磁コイル近傍に封着させ、水銀蒸気圧の高い主アマルガムを封入した無電極電球形蛍光ランプを点灯させた。その結果消灯後1日放置したもの、3ヶ月放置したランプの明るさは、点灯直後定格点灯の40%程度、点灯30秒後には80%の明るさを得ることができた。
【0022】
上述のように、消灯後長期間放置された発光管内の水銀のほとんどは主アマルガムに吸着されている。しかし、主アマルガムが放電により暖められ、所望の明るさを出力可能な水銀蒸気圧となる間、金補助アマルガムが吸着した水銀を放出し、管内の水銀蒸気圧を補っているためと考えられる。
【0023】
このように、放電路から離間した比較的温度の低い部分に主アマルガムを封入したり、発光管の管壁負荷が比較的低く発光管の一部に最冷部が形成されるような無電極電球形蛍光ランプは、放電による熱影響を受け、水銀を放出するまでに時間がかかる。そのため、このような無電極電球形蛍光ランプの光束立ち上がり特性を改善するには、消灯中の管内の水銀蒸気圧を高い状態に保つ必要がある。すなわち、発光管内に封入する主アマルガムの蒸気圧は、例えば消灯し数ヶ月間放置したとしても、常温において0.15Pa以上であることが望ましい。さらに、水銀蒸気圧が高い主アマルガムを封入するにあたっては、水銀吸着力が相対的に小さい補助アマルガムを用いる必要がある。
【0024】
ここで、水銀媒体とは、例えばビスマス−錫−水銀などからなる水銀の蒸気圧に近い、比較的水銀蒸気圧が高い主アマルガムなどの水銀合金のほか、水銀封入構体として水銀を発光管内に封入したものの使用が可能となる。ここで、水銀封入構体とは、サエス社製の商品名「GEMEDIS」のようなチタン−水銀合金や、水銀ペレットのような亜鉛水銀であってもよい。なお、常温における純水銀の蒸気圧は0.24Paである。
【0025】
常温における水銀蒸気圧とは、点灯前の無電極蛍光ランプの周囲温度が25℃程度の室内において発光管内の水銀蒸気圧を測定したものをいう。
【0026】
アマルガムの構成は、ステンレスなどの基体の表面に金または銀などをメッキが施されている。また、アマルガムを形成する金属の主成分とは、例えばステンレス、鉄−ニッケル合金などの耐熱性金属などからなる金属板の表面に上述の発光管内の水銀を吸収することでアマルガムを形成する金属をメッキ、塗布、蒸着などにより金属板の表面に塗られた金属を意味し、メッキ、塗布、蒸着する金属板である基体部分は含まれない。
【0027】
発光管はガラス製でなくてもよく、透光性気密容器を形成可能なセラミックスなどの材質で形成することが許容される。
【0028】
発光管の内面には直接または間接的に蛍光体層が被着されている。蛍光体層は、希土類金属酸化物蛍光体、ハロリン酸塩蛍光体などが挙げられるが、これに限らない。しかし、発光効率を向上させるためには赤、青、緑の各色に発光する蛍光体を混合した三波長発光形の蛍光体を使用するのが好ましい。
【0029】
蛍光ランプには、内部に放電媒体が封入されている。放電媒体としては、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノンなどの不活性ガスおよび水銀からなる。
【0030】
カバー体は、一端に口金が取付けられるとともに、他端に発光管を支持する保持体を備えたものであり、内部に点灯装置の収容空間を形成する収容部が形成されている。
【0031】
口金は、白熱電球用のE形と称されるねじ込みタイプが通常使用されるが、これに限定されない。また、口金は、カバー体に直接装着される必要はなく、間接的にケースに装着されるものやカバー体の一部が口金を構成するものであってもよい。
【0032】
点灯装置は、カバー体内に収容されるものである。点灯装置の基板は、カバー体に対して直接的または間接的に取付けられて収納されている。点灯装置は、平滑用電解コンデンサを備えるものが一般的であるが、これに限定されない。
【0033】
請求項1記載の無電極蛍光ランプによれば、水銀媒体を封入した蛍光ランプにおいて、消灯中管内の水銀蒸気圧を低減させないようなアマルガムを使用することにより、更なる光束立ち上がり特性が向上するとともに、消灯後長期にわたり放置されたとしても立上り特性が向上することができる。
【0034】
請求項2記載の無電極蛍光ランプは、請求項1記載の無電極蛍光ランプの安定点灯時の発光管の管壁負荷が1000W/m以下であることを特徴とするものである。
【0035】
管壁負荷の定義は、放電空間に対向した容器の表面積あたりのランプ入力電力であり、放電路が形成されない部位例えば排気管などの容器内表面積は除いていても構わない。
【0036】
無電極蛍光ランプの形状は小形化に伴い、放電空間である発光表面積も小さくなる。しかし、光出力を低下することなく高出力を維持するためには、入力電力を高める必要がある。しかし、小形で高出力な蛍光ランプは入力電力が過大となるため、点灯とともに励磁コイルおよび発光管の温度が上昇する傾向にある。したがって、管内に純水銀を封入することができないランプには、アマルガム形式で封入する必要がある。アマルガムを封入した蛍光ランプは、周囲温度25℃程度での水銀蒸気圧は低いため、点灯初期の立上がりが良いものではない。立上り特性を改善するには周囲温度25℃における水銀蒸気圧が高いアマルガムまたは水銀封入構体を封入する必要がある。純水銀に近い蒸気圧を有するアマルガムを封入するには、発光管の管壁負荷が1000W/m以上であると安定点灯時の発光管温度は高くなるため封入が難しい。したがって、安定点灯時の発光管の温度を所望の温度以上に高めず、バルブ外面に最冷部を設けるためには、管壁負荷を1000W/m以下とする必要がある。
【0037】
請求項2記載の無電極蛍光ランプによれば、管壁負荷を1000W/m以下とすることで、常温における水銀蒸気圧の高い水銀媒体の封入が可能となるため、光束立上り特性が向上する。
【0038】
請求項3記載の無電極電球形蛍光ランプは、全体が略球形に形成されるとともに、外面の一部から内部に向かう凹部を有する発光管と;発光管内に封入され、常温における水銀蒸気圧が0.10〜0.24Paの蒸気圧を有する水銀媒体と;発光管内に封入された金、銀、パラジウム、白金、鉛、亜鉛、ビスマス、ニッケル、アルミニウムまたは錫のうち、少なくとも一種類の金属を主成分とする補助アマルガムと;発光管の凹部に配設され、誘導結合放電を利用して発光管内に放電を生起可能な励磁コイルと;励磁コイルを付勢し、発光管を点灯させる点灯装置が収納されるとともに、一方側に口金が他方側に前記発光管の凹部を覆う覆い部がそれぞれ形成されたカバー体と;を具備しており、通常点灯時略球形発光管側に最冷部が形成されることを特徴とするものである。
【0039】
請求項3の無電極電球形蛍光ランプによれば、放電領域に近い外面略球形発光管に最冷部を形成することで、始動後放電プラズマからの輻射などの放電による熱影響を受け、水銀を速やかに放出が可能となるため、光束立上り特性が改善される。
【0040】
請求項4記載の照明装置は、請求項1ないし3いずれか一記載の無電極蛍光ランプまたは無電極電球形蛍光ランプと;この無電極蛍光ランプまたは無電極電球形蛍光ランプが装着された器具本体と;を具備していることを特徴とするものである。
【0041】
請求項4記載の照明装置は、請求項1ないし3いずれか一記載の無電極蛍光ランプまたは無電極電球形蛍光ランプの作用を有することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
図1は第1の本実施形態の無電極電球形蛍光ランプの一部断面図である。
【0043】
図1において、10は無電極電球形蛍光ランプで、この無電極電球形蛍光ランプ10は、口金11aを有するカバー体11と、カバー体11内に収納される点灯装置12を一端側に具備し、他端側に発光管13が配設される保持部としてのホルダ14と、外観略球形状の発光管13とを備えている。そして、発光管13とカバー体11とから構成される外囲器は、定格電力60W形相当の白熱電球などの一般照明用電球の規格寸法に近似する外形に形成されている。すなわち、口金11aを含む高さは110〜140mm程度、直径すなわち発光管の外形が50〜70mm程度、カバー体11の外形が50mm程度に形成されている。なお、一般照明用電球とはJIS C 7501に定義されるものである。
【0044】
発光管13はガラスなどの透光性材料により、外側は略球形に形成されており、球形の略中心に向かうよう、有底筒状のくぼみ空洞部13aを有している。さらに、くぼみ空洞部13aの中心軸に沿うよう底面中央から底面に対向する開口側に向かい排気管15が突出形成されている。
【0045】
発光管13内のくぼみ空洞部13aの開口側すなわち、有底面と対向する側の略円形をなす開口縁部13bには、主アマルガム16が封入され、開口縁部13bの内壁に封着されている。
【0046】
主アマルガム16は、ビスマスが50〜65質量%、錫が35〜50質量%からなる合金を基体とし、この合金に対して水銀を12〜25質量%含有させたものである。また、発光管13内の放電空間に面したくぼみ空洞部13aには、支持部材としてのワイヤ17aが取り付けられ、点灯初期に自己に吸着した水銀を放出して光束立上り特性を向上させるための金を主成分とした補助アマルガム17が取付けられている。
【0047】
発光管13の内面、つまり略球形状内壁面とくぼみ空洞部13aの外側面には、アルミナ(Al)保護膜(図示しない)とその上に三波長蛍光形蛍光体からなる蛍光体層(図示しない)が形成されている。
【0048】
発光管13の加熱加工を容易にするために、発光管13に使用するガラスに鉛成分を混入してガラスの軟化温度を下げることが一般的に行われているが、鉛成分は環境に影響を及ぼす物質であるため、使用はできるだけ控えるのが好ましい。
【0049】
そして、発光管13内には、封入ガス比率が99%以上のアルゴンガスが封入圧力100〜300Paで封入される。
【0050】
一方側に点灯装置12が、他方側に発光管13が取り付けられるホルダ14の一方側には、円形の点灯装置12を搭載する円盤部14aを有し、他方側には、励磁コイル18が巻きつけられる芯としての中空円筒部14bが円盤部14aの略中央から突出するよう一体形成されている。芯は発光管13の略球形状に囲まれた有底筒状のくぼみ空洞部13aに配設されるとともに、芯内部の中空部に排気管15が配置され、芯外周部には高周波磁界を発生する励磁コイル18が巻かれている。この励磁コイル18内には、図示しない円筒形のフェライトの棒状コアを収容している。
【0051】
円盤部14aに搭載される点灯装置12は、円盤部14aとほぼ同形状の回路基板12aと、この回路基板12aに実装される複数の電子部品12bから構成されている。
【0052】
カバー体11は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性合成樹脂などにて形成されたカバー本体11bを備えている。そして、このカバー本体11bは、下方に拡開する略円筒状をなし、下方の開口部を覆うように発光管13に装着されていることで、点灯装置12が収容される。さらに、上端部にE26形などの口金11aが被せられ、接着剤またはかしめなどにより固定されている。
【0053】
次に本実施形態の無電極電球形蛍光ランプ10の製造組立工程について説明する。
【0054】
まず、コイル18が巻かれ点灯装置12が取付けられたホルダ14を用意する。点灯装置12が取り付けられた円盤部14aの他方側に発光管13を取り付ける際、カバー体11内側開口縁部と発光管13およびホルダ14をシリコーン樹脂19などの接着剤で固着させ、口金11aをカバー体11に取りつけ無電極電球形蛍光ランプ10は完成する。
【0055】
また、補助アマルガム17はワイヤ17aに取付けられているが、補助アマルガム17の配置場所、形状および、形成方法などは特に限定されない。さらに、発光管13、励磁コイル18、点灯装置12およびカバー体11の組立方法についても特に限定されない。
【0056】
このように組み立てられた点灯装置12は、10〜20Wのランプ電力により発光管13の管壁負荷が500〜1000W/mで点灯させるように構成されている。本実施形態の無電極電球形蛍光ランプ10は、入力電力定格12Wで、発光管13には、11Wの電力が高周波で加わり、発光管13からの光出力により全光束が約800lmとなっている。さらに、励磁コイル18に電流が流れると、コイル18および発光管13は発熱し、放電路内に放電が形成され蛍光ランプは点灯するが、放電空間表面積が14000mmであるので、管壁負荷が790W/ mとなり、発光管13の一部に50℃程度の領域が形成される。したがって、水銀蒸気圧の高い主アマルガム16の使用が可能となり、常温時においても蛍光ランプ内の水銀蒸気圧を比較的高くできるとともに、消灯中の管内の蒸気圧を低減するほど水銀を吸着させない金補助アマルガム17を配置することで光束立ち上がり特性をさらに向上することができる。
【0057】
そこで、定格点灯の80%の全光束に達するまでの立ち上がり特性を、本実施形態および比較品である無電極電球形蛍光ランプを点灯させ測定を行なった。測定の条件は100V商用交流電源による点灯、周囲温度を25℃とし、無風状態にて口金上向き点灯とした。このときの消費電力は約12Wであった。比較例1は、本実施の形態と同様の主アマルガムを使用し、インジウムを主成分とした補助アマルガムを備えたもの、比較例2は、本実施の形態と同様の主アマルガムを使用し補助アマルガムを取り除いたもの、比較例3は、本実施の形態の主アマルガムよりも蒸気圧の低いビスマス−鉛−インジウム−水銀からなる主アマルガム、金を主成分とした補助アマルガムを使用したもの、比較例4は、比較例3と同様の主アマルガムを使用し、インジウムを主成分とする補助アマルガムを使用したものである。
【0058】
図2は、その測定結果を示すグラフであり、点灯開始からの経過時間ごとの光束の変化を表している。点灯直後の光束は、
本実施の形態>比較例2>比較例3≧比較例4>比較例1
の順番となった。
【0059】
しかし、点灯開始から1秒経過したあたりから、比較例2〜4の光束が急速に低下し、点灯開始から1秒経過までは、
本実施形態>比較例2>比較例1>比較例4>比較例3
の順番となった。点灯開始から2秒経過したあたりから、比較例1〜4は徐々に効率は上がっていくものの、全光束の40%に達するまで10秒以上かかる結果となった。
【0060】
これに対し、本実施形態の蛍光ランプは、水銀蒸気圧の高い主アマルガムを使用しているので、消灯中の水銀蒸気圧は高く、さらに点灯直後に補助アマルガムから適量の水銀が放出されるので、水銀不足現象が起こることがなく、光束が早期に立上り、点灯開始から1秒以内で安定点灯時の約50%の光出力が得られることが確認された。
【0061】
次に本発明の第2の実施形態である無電極電球形蛍光ランプ10を図3を用いて説明する。なお、第一の実施形態の無電極電球形蛍光ランプ10とは、排気管15および回路基板12aの形状、主アマルガム16の封入個所を除いては同一構成につき、同一符号を付し、重複する説明については省略する。
【0062】
図3に示す無電極電球形蛍光ランプ10は、口金11aを有するカバー体11と、カバー体11内に収納される点灯装置12を一端側に具備し、他端側に発光管が配設される保持部としてのホルダ14と、外観略球形状の発光管13とを備えている。
【0063】
発光管13は略球形に形成された外側面を有し球形の略中心に向かうよう、有底筒状のくぼみ空洞部13aを有している。さらに、くぼみ空洞部13aの中心軸に沿うよう底面中央から底面に対向する開口側に向かい排気管15が突出形成されている。この排気管15は、後述する回路基板12aに形成した開口を貫通し、カバー体11および基板12a上の実装部品12bに接触しないようカバー体11内の口金11a近傍に配設するよう突出している。
【0064】
蛍光ランプを点灯させる点灯装置12は、ホルダ14の円盤部14aとほぼ同形状の回路基板12aと、この回路基板12aに実装される複数の電子部品12bから構成されており、回路基板12aには、排気管15が貫通可能な開口12cを有している。
【0065】
上述の発光管13をホルダ14の一方側に取り付け、他方側に点灯装置12を取り付ける。その際、回路基板12aの開口12cに排気管15を貫通させるとともに、回路基板12aを円盤部14aに固定させる。次にカバー体11内側開口縁部と発光管13およびホルダ14をシリコーン樹脂19などの接着剤で固着させ、口金11aをカバー体11に取りつけ無電極電球形蛍光ランプ10は完成する。
【0066】
このように組み立てられた無電極電球形蛍光ランプ10は、入力電力定格23Wで、発光管13には、20Wの電力が高周波で加わり、発光管13からの光出力により全光束が約1300lmとなっている。さらに、励磁コイル18に電流が流れると、コイル18および発光管13は発熱し、放電路内に放電が形成され蛍光ランプは点灯するが、放電空間表面積が15000mmであるので、管壁負荷が1300W/ mとなり、カバー体11内空間まで突出した排気管先端近傍に最冷部が形成される。
【0067】
このように、小形で高出力の無電極電球形蛍光ランプ10においても、点灯中高温となる放電空間から離間させ、比較的温度の低いカバー体11内空間まで排気管15を突出させることで、排気管15の一部に最冷部を形成することが可能となった。したがって、水銀蒸気圧の高い主アマルガム16を排気管内15に封入することが可能となり、常温時においても管内の水銀蒸気圧を比較的高くできるとともに、消灯中の管内の蒸気圧を低減するほど水銀を吸着させない金補助アマルガム17を配置することで光束立ち上がり特性をさらに向上することができる。
【0068】
次に本発明の一実施形態である照明器具を図4を用いて説明する。図4は本発明の照明器具の一実施形態を示す断面概略図である。図において10は無電極電球形蛍光ランプ、20は埋め込み形照明器具本体である。器具本体20は、基体21と反射板22などより構成されている。
【0069】
【発明の効果】
請求項1記載の無電極蛍光ランプによれば、水銀媒体を封入した蛍光ランプにおいて、消灯中管内の水銀蒸気圧を低減させないようなアマルガムを使用することにより、更なる光束立ち上がり特性が向上するとともに、消灯後長期にわたり放置されたとしても立上り特性が向上することができる。
【0070】
請求項2記載の無電極蛍光ランプによれば、管壁負荷を1000W/m以下とすることで、常温における水銀蒸気圧の高い水銀媒体の封入が可能となるため、光束立上り特性が向上する。
【0071】
請求項3の無電極電球形蛍光ランプによれば、請求項1または2と同様の作用を有するとともに、放電領域に近い外面略球形発光管に最冷部を形成することで、始動後放電プラズマからの輻射などの放電による熱影響を受け、水銀を速やかに放出が可能となるため、光束立上り特性が改善される。
【0072】
請求項4記載の照明装置は、請求項1ないし3いずれか一記載の無電極蛍光ランプの作用を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の無電極電球形蛍光ランプの一部切欠き側面図。
【図2】本実施の形態および比較例1ないし4の無電極電球形蛍光ランプの光束立ち上がり特性を測定したグラフ。
【図3】第2の実施形態の無電極電球形蛍光ランプの一部切欠き側面図。
【図4】本実施の形態照明器具の実施形態を示す側面一部断面図。
【符号の説明】
10…無電極電球形蛍光ランプ、11…カバー体、12…点灯装置、
13…発光管、18…励磁コイル、16…主アマルガム、
17…補助アマルガム

Claims (4)

  1. 無電極形の発光管と;
    発光管内に放電を生起可能な放電生起手段と;
    発光管内に封入され、常温における水銀蒸気圧が0.10〜0.24Paの蒸気圧を有する水銀媒体と;
    発光管内に封入された、金、銀、パラジウム、白金、鉛、亜鉛、ビスマス、ニッケル、アルミニウムまたは錫のうち、少なくとも一種類の金属を主成分とするアマルガムと;
    を具備していることを特徴とする無電極蛍光ランプ。
  2. 安定点灯時の発光管の管壁負荷が1000W/m以下であることを特徴とする請求項1記載の無電極蛍光ランプ。
  3. 全体が略球形に形成されるとともに、外面の一部から内部に向かう凹部を有する発光管と;
    発光管内に封入され、常温における水銀蒸気圧が0.10〜0.24Paの蒸気圧を有する水銀媒体と;
    発光管内に封入された金、銀、パラジウム、白金、鉛、亜鉛、ビスマス、ニッケル、アルミニウムまたは錫のうち、少なくとも一種類の金属を主成分とするアマルガムと;
    発光管の凹部に配設され、誘導結合放電を利用して発光管内に放電を生起可能な励磁コイルと;
    励磁コイルを付勢し、発光管を点灯させる点灯装置が収納されるとともに、一方側に口金が他方側に前記発光管の凹部を覆う覆い部がそれぞれ形成されたカバー体と;
    を具備しており、通常点灯時略球形発光管側に最冷部が形成されることを特徴とする無電極電球形蛍光ランプ。
  4. 請求項1ないし3いずれか一記載の無電極蛍光ランプまたは、無電極電球形蛍光ランプと;
    この無電極蛍光ランプまたは無電極電球形蛍光ランプが装着された器具本体と;
    を具備していることを特徴とする照明装置。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008243527A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Matsushita Electric Works Ltd 無電極放電灯および照明器具
WO2014054933A1 (es) * 2012-10-03 2014-04-10 Santoyo Pérez Rodrigo Fuente luminosa sin uso de electricidad

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