JP2005347236A - 電球形蛍光ランプおよび照明装置 - Google Patents

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【課題】一般白熱電球と同一外径寸法内で比較的放電路長を長く確保することができるとともに簡単な構成により光束立上り特性を改善することができる電球形蛍光ランプおよびこの電球形蛍光ランプを使用した照明器具を提供することを目的とする。
【解決手段】一端側に一対の端部が位置するとともに中間部の少なくとも一部が螺線状に形成された一方側のバルブ端部に発光管突出部を有し、発光管突出部を口金側に向けて突出させることで、比較的放電路長であるものの、小形化が可能になるとともに、発光管突出部の一部に発光効率が最大となる水銀蒸気圧を有する温度にすることが可能となる。その結果、従来の水銀蒸気圧が低いアマルガムを使用した場合に比べて、点灯直後の光束立上り特性が向上し、点灯中の発光効率が低下することも抑えられる。さらに、螺旋バルブを採用することにより、白熱電球相当の電球形蛍光ランプを提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光束立上り特性を改善した螺線状に形成された発光管を有する電球形蛍光ランプおよび照明器具に関する。
近年、電球形蛍光ランプは一般白熱電球に相当する程度にまで小形化され、一般白熱電球用器具の光源を電球形蛍光ランプに置換えるという需要が促進されてきている。
この電球形蛍光ランプの一例として、発光管を螺線状に屈曲させることにより大きな放電路長を得て蛍光ランプを小形化したものが知られている。すなわち、白熱電球60W相当サイズでありながら、光出力が白熱電球と同等であり、かつ高効率、長寿命という特徴を有する電球形蛍光ランプが知られている(例えば特許文献1参照)。
しかし、電球形蛍光ランプの小形化に伴って本体の表面積は小さくなるため、発光管の発熱量が過度に多くない場合であっても、発光管の温度は高くなる傾向にある。特に、一般白熱電球に類似した外観とするために発光管をグローブで覆った形態の電球形蛍光ランプは、発光管の温度が100℃を超えてしまうことがある。発光管に純水銀を封入した場合には発光管内の水銀蒸気圧が過度に上昇して光出力が低下する。このため、高温環境下で点灯する蛍光ランプの場合には、インジウム(In)、鉛(Pb)、錫(Sn)およびビスマス(Bi)などと水銀(Hg)との合金であるアマルガムを発光管に封入して水銀蒸気圧が最適となるよう制御し、さらにフィラメント電極の近傍などにインジウム(In)などからなる補助アマルガムを設け、点灯開始直後の水銀蒸気不足を補う技術が提案されている(例えば特許文献2参照)。
一方、水銀蒸気圧を制御するアマルガムを使用することなく立上り特性を改善するために、発光管の一部に最冷部を設けた電球形蛍光ランプも知られている(例えば特許文献3参照)。発光管の一部に最冷部を設けることで、消灯時の低温状態においても管内の水銀蒸気圧を高く保つことができるものである。この従来技術は、ほぼ密閉した状態で外囲器内に点灯装置および発光管を収容するため、外囲器の内部温度は上昇する。しかし、一定の温度以上に高温にならないように、外囲器内空間を仕切板により点灯装置側空間と、発光管側空間に区分するとともに、発光管端部に封着された排気管を点灯装置側空間に5〜20mm延出させることにより排気管に最冷部を設けることが可能となる。
特開2000−228169号 特許掲載第3262168号 実開昭61−63759号
ところで、このような特許文献2記載の主アマルガムと補助アマルガムとの両者を備えた電球形蛍光ランプは、消灯中の発光管内の水銀蒸気圧は、おおよそ数週間から数ヶ月の時間を要して、主アマルガムから補助アマルガムへと水銀が平衡状態になるまで移動を続ける。しかしながら、この間の管内水銀蒸気圧の変動はさほど大きくなく、例えば吸収法を用いた実験によれば、消灯後約10時間以後はほとんど大きな変動はない。また、この水銀蒸気圧は概ね同じ温度では高い水銀蒸気圧を与える主アマルガムの組成によって決定される(平成12年度照明学会全国大会講演予稿集、NO.7)。また、点灯に伴って電極の近傍の補助アマルガムから放出された水銀は、点灯開始から数十秒間に密度拡散によって発光管の放電路の中央方向へと拡散し、概ね数分でほぼ発光管内全域に行き渡り、所望の水銀蒸気圧が得られるか、または最適範囲を超えて蒸気圧過剰の状態になることもある。そして、概ね数十分〜1時間程度でランプ全体が熱平衡に至り、水銀は主アマルガムの温度によって制御される蒸気圧で一定となる。このとき、補助アマルガムは100℃以上、場合によっては200℃以上となっており、補助アマルガム(正確には補助アマルガムを形成していたインジウム(In)などの金属)に吸着されていた水銀は実質的にほとんど全て放出されている。
しかしながら、補助アマルガムを備えた蛍光ランプであっても、点灯直後の水銀蒸気圧を速やかに上昇させて所望の明るさを確保することは困難であり、さらなる光束立上り特性の改善が求められている。
また、特許文献1および3記載の発光管を覆うグローブを有さないいわゆるグローブ無しタイプや、発光管の一部に最冷部を設けた電球形蛍光ランプは、更なる小形化、高出力に伴い、発光管が外気にさらされる状況下であっても、点灯方向によっては、最冷部を形成することが困難となる。また、積極的に発光管の一部に最冷部を設けたとしても、あるいは、コンパクトで狭小なほぼ密閉された外囲器内を仕切板により区分したとしても、発光管が発する熱量はさらに多くなるので、排気管を点灯装置側空間に向け単に突出長5〜20mm程度突出させるだけでは、排気管の一部に最冷部を形成することは困難である。さらには、消灯中比較的水銀蒸気圧が高いものの、再点灯時には管内の水銀蒸気の多くは最冷部に集まっているため、最冷部から水銀蒸気を放出可能な程度に温まるまでに時間を要する。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、一般白熱電球と同一外径寸法内で比較的放電路長を長く確保することができるとともに簡単な構成により光束立上り特性を改善することができる電球形蛍光ランプおよびこの電球形蛍光ランプを使用した照明器具を提供することを目的とする。
請求項1の電球形蛍光ランプは、一端側に一対の端部が位置するとともに中間部の少なくとも一部が螺線状に形成されて他端側に延在し、一対の端部に各々電極を有する発光管と;基板およびこの基板に実装された電子部品を有し、高周波電力を発光管に供給する点灯装置と;一端側に口金、他端側に発光管の一端側を保持する保持部を有し、電子部品の大部分が口金側に配置されるように基板を装着して点灯装置に収容したカバー体と;発光管の少なくとも一方の一端部に発光管内部に連通させて設けられ、その少なくとも一部の表面温度が通常点灯時に40〜80℃となる領域に配設された発光管突出部と;を具備していることを特徴とするものである。
請求項2の電球形蛍光ランプは、一端側に一対の端部が位置するとともに中間部の少なくとも一部が螺線状に形成されて他端側に延在し、一対の端部に各々電極を有する発光管と;基板およびこの基板に実装された電子部品を有し、高周波電力を発光管に出力する点灯装置と;一端側に口金が設けられ、他端側に発光管を保持する保持部を有し、電子部品の大部分が口金側に配置されるように基板を装着して点灯装置を収容したカバー体と;発光管の少なくとも一方の一端部に発光管内部に連通させて設けられ、カバー体内の口金側空間に配設されるよう一端部から25〜70mm延在している発光管突出部と;を具備していることを特徴とするものである。
請求項3記載の電球形蛍光ランプは、一端側に一対の端部が位置するとともに中間部の少なくとも一部が螺線状に形成されて他端側に延在し、一対の端部に各々電極を有する発光管と;基板およびこの基板に実装された電子部品を有し、高周波電力を発光管に出力する点灯装置と;一端側に口金が設けられ、他端側に発光管を保持する保持部を有し、電子部品の大部分が口金側に配置されるように基板を装着して点灯装置を収容したカバー体と;発光管の少なくとも一方の一端部に発光管内部に連通させて設けられ、少なくとも一部が点灯装置の電子部品のうち発熱量が比較的多い素子よりも口金側のカバー体内空間に配設されている発光管突出部と;を具備していることを特徴とするものである。
請求項4記載の電球形蛍光ランプは、一端側に一対の端部が位置するとともに中間部の少なくとも一部が螺線状に形成されて他端側に延在し、一対の端部に各々電極を有する発光管と;基板およびこの基板に実装された平滑用電解コンデンサを含む電子部品を有し、この電解コンデンサの直流電力を出力変換して高周波電力を発光管に出力する点灯装置と;一端側に口金が設けられ、他端側に発光管を保持する保持部を有し、前記電解コンデンサが口金側に配置されるように基板を装着して点灯装置を収容したカバー体と;発光管の少なくとも一方の一端部に発光管内部に連通させて設けられ、少なくとも一部が前記電解コンデンサを除く電子部品よりもカバー体内口金側空間まで延在している発光管突出部と;を具備していることを特徴とするものである。
請求項5記載の電球形蛍光ランプは、一端側に一対の端部が位置するとともに中間部の少なくとも一部が螺線状に形成されて他端側に延在し、一対の端部に各々電極を有する発光管と;基板およびこの基板に実装された電子部品を有し、高周波電力を発光管に出力する点灯装置と;一端側に口金が設けられ、他端側に発光管を保持する保持部を有し、発光管長手方向と略直交するよう基板を装着して点灯装置を収容したカバー体と;発光管の少なくとも一方の一端部に発光管内部に連通させて設けられ、少なくとも一部が前記基板面から5〜50mm離間してカバー体内の口金側空間に延在している発光管突出部と;を具備していることを特徴とするものである。
電球形蛍光ランプは、白熱電球の大きさに近づけるため、点灯装置および発光管を覆う外囲器内のスペースはさらに密閉された狭小空間となり、点灯中の発光管の熱影響により外囲器内の温度はさらに高温になる傾向にある。このような蛍光ランプを構成する発光管の一部をカバー体の口金側に向けて延在させたとしても、発光管の一部である発光管突出部は放電路から離れているものの点灯中高温となる発光管の一部であるため、その熱影響を受けやすい。
一般に蛍光ランプは、通常点灯時の発光管内の水銀蒸気圧が1〜2.4Paであるときに、発光効率が最大となる。純水銀を封入したランプでは、この蒸気圧を得るために発光管の一部を40〜60℃とさせることにより、管内の水銀蒸気圧を最適な状態に保つことができる。
しかし、点灯中高温となるような電球形蛍光ランプは、発光管の一部に40〜60℃の部分を形成させるのは困難である。
本発明者らは、光束立上り特性および安定点灯時の光出力特性を一般蛍光ランプと同等とするために、まずは、発光管突出部の一部の温度および突出長について検討を進めた。
実験により、口金が上向きの状態で点灯した電球形蛍光ランプの各部分ごとの温度を測定したところ、点灯装置の主要部品が集まっている空間の温度は100℃に近いのに対して、それら主要部品よりも口金側の空間の温度は40〜50℃と比較的低くなっていることを突き止めた。これは、収納ケース内の空気がよどんでおり、カバー体内の対流があまり起こっていないため、点灯装置の主要部品よりも口金側付近は比較的温度が低くなると考えられる。ここで、点灯装置の主要部品とは、トランジスタ、インダクタ、トランス、フィルムコンデンサ、抵抗のうち、点灯動作中の発熱量が比較的多く、容積の比較的大きい回路素子を意味し、容積が大きくても比較的発熱量が少ない例えば電解コンデンサのような回路素子は含まれない。すなわち、電解コンデンサが点灯装置の主要部品よりも口金側に突出するように配置されている場合であっても、電解コンデンサの発熱量は比較的少ないため、点灯動作中の発熱量が比較的多い素子よりも口金側であれば、電解コンデンサ付近の空間の温度は比較的低くなる。
蛍光ランプの光出力を最大とするため、発光管突出部が位置する空間温度を通常点灯時に40〜80℃、好ましくは40〜75℃、さらに好ましくは40〜70℃となる温度空間に位置させる必要がある。特に電極を有するバルブ端部から延在する突出部は、点灯中最も高温となる電極が発する熱影響を受けやすい。そのため、点灯中高温となる発光管から25mm以上離間させ、比較的温度の低いカバー体内の口金側空間内に延在する必要がある。発光管突出部の突出長が25mm以下であると点灯中高温となる蛍光ランプ特にフィラメント電極に近づくため、周囲温度が比較的高い空間に発光管突出部が位置するとともに、フィラメント電極近傍のガラスバルブから熱伝導により、その熱影響を受けやすくなってしまう。
一方、発光管突出部の突出長が70mm以上であると、カバー体の高さ方向全長よりも長くなってしまうため、カバー体内に収容することができなくなる。また、カバー体内の口金側であるカバー体の頂部近傍の内部空間の温度は、水銀蒸気圧が最適となる温度よりも低くなる可能性があり、十分な水銀蒸気圧が保たれず、発光効率が低下するおそれがある。また、発光管突出部のほとんどは、カバー体内の口金側空間に位置しているとともに、限られた空間内に実装密度を密にして配置しているため、発光管突出部を収容するスペースを確保することは困難となる。したがって、発光管突出部の突出長は25〜70mmである必要がある。しかし点灯方向によっては、カバー体内の口金側に発光管突出部を突出させたとしても、その一部の温度が80℃場合によっては70℃を超えてしまうおそれもある。
発光管突出部の一部に光出力が最大となる水銀蒸気圧特性を有する温度にするために、カバー体内の口金側に向けて延在した発光管突出部の一部を、カバー体内壁に接触しない程度突出していることが望ましいが、最適蒸気圧となる温度を形成するために、カバー体内壁および口金に接触していても構わない。この場合、熱伝導性に優れた材料例えばシリコーン樹脂を介して発光管突出部を口金に接続すると、両者間の熱的結合は良好となり、発光管突出部の温度低減に効果的である。
さらに、発光管突出部を、比較的温度の低い口金側領域に配設させるために、点灯装置を構成する複数の電子部品が収容されているカバー体内の口金側領域に配設させる他、例えば、カバー体内の円周方向に発光管突出部を延在させ、突出長を長くしても構わない。単に発光管突出部を長く形成することでフィラメント電極から離間距離を確保し、その熱伝導を抑制する方法を用いても構わない。
なお、点灯直後の水銀蒸気圧が純水銀または、純水銀に近い蒸気圧を有するアマルガムの使用が可能となるが、封入される水銀はこれに限定されない。さらに、発光管突出部に封入される主アマルガムは、発光管端部近傍に位置していても、口金側に延在する突出部の中間付近に位置していても構わず、その封入方法や位置決め手段なども特に限定されない。
なお、水銀および主アマルガムを封入するにあたっては、点灯直後の水銀蒸気の拡散を補うため、通常補助アマルガムを発光管内に配置するが、この補助アマルガムは必須ではなく、点灯直後に発光管内に適度な水銀蒸気が起る条件で発光管が構成されるものであれば必ずしも必要ではない。
なお、通常点灯時とは、点灯前の電球形蛍光ランプの周囲温度が25℃程度の常温において、照明器具などに覆われない状態を意味する。
ここで、「発熱量が比較的多い素子」は、その表面温度が安定点灯時において例えば70℃以上となる素子として定義することが可能である。この場合、発熱量自体は少ないが局部的に高温になるような容積が小さい素子は含まれない。「発熱量が比較的多い素子」は、点灯装置で熱ロスを発生させる素子であって、その素子の熱ロスとしての回路損失電力の合計が回路損失電力全体の7割以上を占めることになる。
点灯装置の平滑用電解コンデンサが点灯装置の主要部品よりも口金側空間に突出するように配置されている場合、点灯装置は、発光管突出部の少なくとも一部が平滑用電解コンデンサを除く電子部品よりも口金側に位置するような位置関係でカバー体内に収容される。点灯装置は、平滑用電解コンデンサを備えるものが一般的であるが、これに限定されない。さらに、点灯装置の基板は、カバー体に対して直接的または間接的にかつ、回路基板の主要面と発光管長手方向とが略直交していても、平行していてもカバー内に収納されていれば構わない。
カバー体内の空間の温度は、上述した通り発光管から高さ方向に離間する空間ほど温度が低くなっていることが確認されている。これは、従来技術にも開示されているが、点灯装置の基板が発光管の放射熱を遮断する効果を備えているため、点灯装置の基板面から高さ方向に離間するほど温度が低くなる傾向にある。
また、口金の熱はソケットを介して放熱され易いので、口金内の温度が低くなるとも推定される。
基板面から5mm以上離間した空間の温度は発光管側の基板面近傍の温度よりも低く、基板面から10mm以上離間した位置の空間の温度は約40〜70℃とすることが可能なので、この空間に発光管突出部を位置させることにより、管内の水銀蒸気圧が最大とすることが可能となる。したがってこの空間に発光管突出部の少なくとも一部を位置させることで点灯中の管内最適蒸気圧を最適に制御することができ、光出力を最大とすることができる。発光管突出部は、基板面からの離間距離を5〜50mm、好ましくは10〜50mm、最適には15〜40mm離間するとともに、カバー体内の口金側空間に配置する必要がある。
螺線形バルブは、直管状ガラスバルブのほぼ中央部を加熱溶融させ、直管上ガラスバルブの略中央領域を頂部とし、その頂部と対向する方向に両端を位置させ、1本の放電路を形成しているものや、直管状ガラスバルブを二等分するよう屈曲させ、二等分したガラスバルブの中央領域を頂部とし、螺旋バルブの頂部と対向する方向に一対のバルブ端部および直管バルブの略中央領域の屈曲部分が配置されるいわゆる二重の螺旋形に形成されたものであっても構わない。さらには、直管バルブの一端は、その一端側から他端方向に向け、直管バルブの2/3程度まで螺旋状に屈曲されているとともに残りの1/3の直管バルブは、螺旋状に形成されたほぼ中心軸を通じて一端側方向に延在するような形状であっても構わない。要は、複数の屈曲バルブを連結してなる複数バルブ端部を有する発光管を含まず、1本の直管状ガラスバルブの中間部を螺旋形状に形成されたもの全てを含有する。なお、一対の端部は、互いが略並行するよう直線上に延在するよう封止されていても、螺旋状の延長方向に向けて封止されていても構わない。また、螺旋バルブの一部に積極的に最冷部を形成したものであっても、最冷部を形成されないよう形成されているものであっても構わない。
なお、屈曲バルブはガラス製でなくてもよく、透光性気密容器を形成可能なセラミックスなどの材質で形成することが許容される。
発光管内面には直接または間接的に蛍光体層が被着されている。蛍光体層は、希土類金属酸化物蛍光体、ハロリン酸塩蛍光体などが挙げられるが、これに限らない。しかし、発光効率を向上させるためには赤、青、緑の各色に発光する蛍光体を混合した三波長発光形の蛍光体を使用するのが好ましい。
発光管内に保護膜層を形成し、その上面に蛍光体層を形成する場合、各層の厚さが一対の端部が位置する一端部と頂部が位置する他端部とで逆の関係になるようにするとよい。例えば、保護膜層を他端部側では厚く、一端部側では薄く形成する場合、蛍光体層は一端部側で厚く、他端部側で薄く形成する。この逆でもよい。蛍光ランプの光束維持率は保護膜層と蛍光体層との厚さに影響を受けるため、蛍光体層の薄い部分は保護膜で補い、蛍光体層の厚い部分は保護膜で調整する関係とするのがよいのである。
発光管を構成する螺旋形バルブの両端には電極が封装されている。電極はフィラメントからなる熱陰極、電子放射物質が坦持されたセラミック電極、ニッケルなどから形成された冷陰極などが挙げられる。
発光管には、内部に放電媒体が封入されている。放電媒体としては、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノンなどの不活性ガスおよび水銀からなる。
発光管突出部は、発光管の内径と同一径であっても、発光管よりも縮径されていても、さらには小径のガラスバルブすなわち細管を発光管端部に封着してあってもよい。さらにこのバルブの一部の端部が延在した部分は、主アマルガム封入用として使用されるものであっても、排気管として使用されるものであってもよい。また、バルブ端部の封止方法は、フレアステム封止であっても、圧潰封止であってもその方法は限定されない。
口金は、白熱電球用のE形と称されるねじ込みタイプが通常使用されるが、これに限定されない。また、口金は、カバー体に直接装着される必要はなく、間接的にケースに装着されるものやカバー体の一部が口金を構成するものであってもよい。
請求項1ないし5記載の電球形蛍光ランプによれば、一端側に一対の端部が位置するとともに中間部の少なくとも一部が螺線状に形成された一方側のバルブ端部に発光管突出部を有し、発光管突出部を口金側に向けて突出させることで、比較的放電路長を大きくできつつ、小形化が可能になるとともに、発光管突出部の一部に発光効率が最大となる水銀蒸気圧を有する温度にすることが可能となる。その結果、従来の水銀蒸気圧が低いアマルガムを使用した場合に比べて、点灯直後の光束立上り特性が向上し、点灯中の発光効率が低下することも抑えられる。さらに、螺旋バルブを採用することにより、白熱電球相当の電球形蛍光ランプを提供することができる。
請求項6記載の電球形蛍光ランプは、請求項1ないし5いずれか一記載の電球形蛍光ランプの前記発光管突出部の少なくとも一部は、螺旋状に延在していることを特徴とするものである。
発光管突出部は、螺旋状の延長方向に螺旋状に延在しているとは、螺線バルブから直管部分を残すことなく発光部の螺旋の軌跡を辿るよう螺線形状に延在するよう、バルブ端部から突出していることをいう。すなわち、発光管突出部は、発光部である螺旋バルブ同様に略同等の曲率を有するよう螺旋方向に延在しているもののほか、発光管突出部のうち、カバー体内の口金側空間に位置する部分のみ螺旋状に形成されているものであっても構わない。さらには、口金側空間に位置する少なくとも一部のみが発光部の螺旋の軌跡上に位置するよう円弧を描くよう形成されているものであっても構わない。すなわち、発光管突出部の螺旋部が発光部の螺旋の軌跡を辿る方向に形成されていれば発光管突出部単体で螺旋状に形成されていないもの出あっても構わない。
請求項6記載の電球形蛍光ランプによれば、電極を有するバルブ端部から延在した発光管突出部の突出長を比較的長く確保することができる。
請求項7記載の電球形蛍光ランプは、請求項1ないし6いずれか一記載の電球形蛍光ランプの発光管突出部を口金内にまで延在させ、かつ、口金に熱的に結合していることを特徴とするものである。
熱的に結合させる手段としては、シリコーンを用いることができる。この場合、振動等により発光管突出部が破損するのを防止するために、比較的硬度の小さいシリコーンを用いることが有効である。
請求項7記載の電球形蛍光ランプによれば、発光管突出部の温度低減を一層図ることができ、したがって、より小形化またはより高出力化したものに好適なものとなる。
請求項8記載の電球形蛍光ランプは、請求項1記載の電球形蛍光ランプにおいて、発光管突出部の少なくとも表面部の温度が通常点灯時に40〜70℃になる領域に配設したことを特徴とするものである。
通常点灯時に40〜70℃になる領域としては、例えば、上記の口金内でかつ口金に熱的に接触する領域である。しかし、これ以外にもカバー体の寸法、形状や点灯装置の出力、実装構造等によっては通常点灯時に40〜70℃になる領域を見出すことが可能な場合もある。
請求項8記載の電球形蛍光ランプによれば、発光管突出部の一部の表面温度を確実に発光効率が最大となる水銀蒸気圧を有する温度にすることが可能となる。
請求項9記載の電球形蛍光ランプは、請求項1ないし8いずれか一記載の電球形蛍光ランプの前記発光管を構成する螺旋バルブ内に点灯中の管内水銀蒸気圧を制御する最冷部が形成されているとともに、管内には水銀を含み純水銀と同等の蒸気圧特性を有する放電媒体が封入されていることを特徴とするものである。
純水銀と同等の蒸気圧とは、常温(25℃)における水銀蒸気圧が水銀蒸気圧とに近い蒸気圧であることを意味する。
本発明の電球形蛍光ランプは、水銀蒸気圧を制御するアマルガムを使用するものではなく、純水銀または水銀封入構体として水銀を発光管内に封入したものの使用が可能となる。ここで、水銀封入構体とは、サエス社製の商品名「GEMEDIS」のようなチタン(Ti)−水銀(Hg)合金や、亜鉛(Zn)アマルガムのように発光管点灯中に光出力に影響する程度に水銀を吸収せず、実質的に水銀蒸気圧を制御しない水銀合金の他、ガラスまたはセラミックスなどの無機質材料で形成されて内部に液状水銀が収容された水銀カプセルなどをいう。このような水銀封入構体は、発光管封入後に外部から加熱されることによって、発光管内に水銀を放出するものである。したがって、発光管は主アマルガムによって水銀蒸気圧が制御されるものではないため、水銀蒸気圧特性が一般蛍光ランプのように純水銀が封入されたものとほぼ同等となる。
請求項9記載の電球形蛍光ランプによれば、発光管突出部をカバー体内の口金側の空間まで突出させているので、安定点灯時に最冷部を形成することが可能となり、純水銀と同等の蒸気圧特性を有することができ、安定点灯時の光出力が損われることなく、簡単な構成で光束立上り特性を向上させることが可能となる。
請求項10記載の電球形蛍光ランプは、請求項1ないし8いずれか一記載の電球形蛍光ランプの前記発光管突出部内には主アマルガムが封入されており、この主アマルガムの合金全体に対する水銀(Hg)の含有量が3質量%以上であり、合金を形成する金属はビスマス(Bi)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)および錫(Sn)からなる群のうち少なくとも一種からなることを特徴とするものである。
主アマルガムの水銀蒸気圧特性は、アマルガム形成金属の組成と水銀含有量で決定されるが、アマルガム形成金属として最適なものは、ビスマス(Bi)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)および錫(Sn)である。例えば、ビスマス(Bi)−錫(Sn)−水銀(Hg)、ビスマス(Bi)−錫(Sn)−鉛(Pb)−水銀(Hg)、亜鉛(Zn)−水銀(Hg)などが挙げられるがこれに限らない。また、水銀含有量が主アマルガムの全質量に対して、3質量%以上であれば、主アマルガムの表面に析出する水銀量が多くなることから、光束立上り特性の改善に効果的である。
本発明者らは、光束立上り特性および安定点灯時の光出力特性を改善するために、発光管突出部の一部の温度および突出長についての検討と同様に、安定点灯時の主アマルガムの温度および発光管突出部の温度に着目して検討を進めた。
そこでまずは、点灯中高温となる発光管内に使用する水銀蒸気圧の高いアマルガムの封入場所および温度を検討した。
例えば、Bi-Sn-Hgなどにより構成される主アマルガムを有する電球形蛍光ランプを、周囲空間温度25℃の室内において点灯させた。その時の主アマルガムの温度は、50〜70℃であった。このときの管内の水銀蒸気圧は1.0〜2.4Pa、好ましくは1.5〜2.4Paとなり、発光管内の水銀蒸気圧は最適であった。また、主アマルガムの温度が90〜130℃と高温になってしまっても、Bi−In系などにより形成された主アマルガムは、高温環境においても発光管内の水銀蒸気圧を最適値1Pa前後に制御することが可能となる。
しかし、このような主アマルガムは純水銀よりも水銀蒸気圧が一桁以上低い特性を有しているため、周囲温度約25℃の室内に消灯して放置した後点灯させてみると立ち上がりは良いものではなかった。これは点灯瞬時の水銀蒸気圧が0.1Pa前後であり、自己発熱によって高温雰囲気に至るまでは光束が低いためである。したがって、安定点灯時の主アマルガムの温度を低くできれば、主アマルガムによって水銀蒸気圧を過度に低く制御する必要がなくなり、点灯瞬時の水銀蒸気圧を高くできるので、光束の立上りが改善することが可能となる。
そこで、水銀蒸気圧が高い主アマルガムを封入するために、発光管端部に封着された細管をカバー体内の比較的温度が低い口金側に延長させ、その低温空間に主アマルガムを位置させた電球形蛍光ランプを試作して点灯させた。その結果、点灯直後の光束立上りは良好で、かつ安定点灯時の光束も低下することのない光出力特性が得られた。
発光管突出部を25〜70mm延在することで、管内の水銀蒸気圧を最適に制御可能な温度を、発光管端部に封着された細管に形成することが可能となった。これは、バルブ端部に封入された主アマルガムを口金側に突出させることで、その細管の一部に管内の水銀蒸気圧を最適に保つ50〜60℃を形成することができたからである。これにより、低温時における管内の水銀蒸気圧を高い状態に保つことが可能となるため立上り特性も向上する。
発光管内に封入される水銀は、高温環境において点灯する電球形蛍光ランプにおいて、アマルガムの封入が一般的であるがこれに限定されない。
請求項10記載の電球形蛍光ランプによれば、主アマルガムの組成を最適化することによって、光束立上り特性をより向上させることができる。
請求項11記載の電球形蛍光ランプは、請求項1ないし8または10記載の電球形蛍光ランプの発光管内には補助アマルガムが配設されており、この補助アマルガムを形成する金属基体は、金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、ビスマス(Bi)または錫(Sn)を主成分として形成されたものであることを特徴とするものである。
本発明は、発光管に配設する補助アマルガムを最適化したものである。まず、主アマルガムを口金側に配置し、補助アマルガムが配設されていない発光管を備えた電球形蛍光ランプの光束立上り特性を調べた。すると、点灯直後は一定の明るさが得られるものの、その後光束が低下してしばらく暗い点灯状態が続き、数分経過の後、主アマルガムで制御された水銀蒸気圧で安定点灯することがあった。この現象は、水銀蒸気がバルブ内面に吸着されて一時的に放電空間内に水銀蒸気が不足した状態が続くためと考えられる。すなわち、点灯開始とともにバルブ内に残留していた液状水銀が放電空間内に蒸発して水銀蒸気となるが、バルブ内面の蛍光体材料、保護膜材料またはガラス面などには水銀蒸気を吸着する性質を有するものがあるため、水銀の蒸発量よりも吸着量のほうが多いと水銀蒸気が不足した状態が起き、発光管が暗く点灯する現象が生じる。
この現象は、従来の電球形蛍光ランプの発光管の端部に封着した細管を5〜15mm突出させ、その先端部が回路基板に到達していない細管内に主アマルガムを封入した場合には生じにくく、主アマルガムを口金側に配置まで突出させた場合に生じやすい。すなわち、主アマルガムが口金側に配置されていると、主アマルガムから放出する水銀は、発光管内を介し放電空間に密度拡散によって運ばれてくる。主アマルガムと放電空間との間の発光管突出部分は水銀蒸気拡散経路が長く細いため、拡散速度は大変遅く、結果として発光管が薄ぼんやりと光るように点灯する状態が数分間続くこととになる。
そこで、電球形蛍光ランプの消灯中に放電路内にある程度の水銀量を保有し、点灯開始後に水銀蒸気を供給する手段を設けるために、発光管に補助アマルガムを使用することを検討した。まず、光出力特性を調べるため、主アマルガムおよび補助アマルガムの組成、細管の長さを種々変えて、全光束と光束立上り特性を測定した。その結果、水銀蒸気圧の高い主アマルガムを口金側に配置した電球形蛍光ランプは、安定点灯時の全光束は適正化できることが確認されたが、光束立上がり特性については、補助アマルガムの組成によって改善効果に差があることが分かった。これは、主アマルガムが発光管突出部を介して点灯装置よりも口金側に位置されているため小径の水銀蒸気拡散経路が長くなり、点灯直後の発光管内の水銀蒸気圧が補助アマルガムの水銀吸着力に支配されやすくなるためである。従来の電球形蛍光ランプの場合、点灯直後の発光管内の水銀蒸気圧は、小径の水銀蒸気拡散経路が5〜15mm程度であるので、概ね主アマルガムの水銀蒸気圧特性によって決定される。これに対し、主アマルガムを口金側に配置した電球形蛍光ランプの場合、点灯直後の発光管内の水銀蒸気圧は、補助アマルガムの水銀蒸気圧特性によって決定されやすいと考えられる。
次に、補助アマルガムの最適化について検討した。補助アマルガムは、水銀蒸気圧を大きく低下させないことが重要である。すなわち、従来補助アマルガムとして使用されていたインジウム(In)のような金属は水銀吸着能力が高く、点灯直後に適量の水銀蒸気を放出しにくいので不適当であり、むしろあまり水銀を吸着しない金属を水銀保有手段としての補助アマルガムに使用することが好ましいことを突き止めた。この種の補助アマルガムとしての最適材料としては、金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、ビスマス(Bi)または錫(Sn)等が挙げられる。特に、金(Au)や銀(Ag)が水銀吸着力の観点から好適である。例えば、白熱電球60Wに相当する12Wクラスの電球形蛍光ランプの場合、発光管内の最適水銀蒸気は、質量換算で約2μg程度であるから、補助アマルガムはその10倍の約20μg程度の水銀を吸着可能であれば十分ということになる。
補助アマルガムは、金または銀などの金属箔、ステンレスなどの基体表面またはウエルズにメッキしたもので構成可能であり、電極近傍や放電路中の所望部位に取付けられる。なお、補助アマルガムを形成する金属基体の主成分とは、例えばステンレス、鉄−ニッケル合金などの耐熱性金属などからなる金属板の表面に上述の発光管内の水銀を吸収することでアマルガムを形成する金属をメッキ、塗布、蒸着などにより金属板の表面に塗られた金属を意味し、メッキ、塗布、蒸着する金属板である基体部分は含まれない。
一般的に補助アマルガムは、常温における水銀蒸気圧が純水銀よりも低い主アマルガムを採用したものにおいて、点灯直後フィラメント近傍に配設させることにより、速やかに水銀蒸気を放出するために使用される。しかし、常温における水銀蒸気圧が純水銀のそれに近い水銀媒体を使用したランプにおいては、点灯直後管内の水銀蒸気圧は高いものの、最冷部に集まった水銀から水銀蒸気が放出されるまでの水銀放出媒体として補助アマルガムを採用することにより立下りを抑制することが可能となる。
請求項11記載の電球形蛍光ランプによれば、補助アマルガムの組成を最適化しているので、主アマルガムを口金側に配置した場合であっても、点灯直後の水銀不足による光束の低下が抑制され、光束立上り特性を確実に向上させることができる。
請求項12記載の電球形蛍光ランプは、請求項1ないし11いずれか一記載の電球形蛍光ランプの発光管はカバー体に装着されたグローブに覆われており、その最大径が70mm以下であることを特徴とするものである。
発光管を覆うグローブは、光透過性を有していれば、光拡散性、透明性のいずれであってもよく、模様または着色が施してあるものでもよい。グローブの材質はガラス、プラスチックのいずれでもよい。グローブの形状は任意であるが、一般に普及している白熱電球形状に類似するいわゆるA形と称される形状、ほぼ球形状のいわゆるG形と称される形状、先端球形で円筒状のいわゆるT形と称される形状等を採用することができる。
このようにグローブ付の電球形蛍光ランプの場合、カバー体内の空間の温度が上昇しやすく、水銀蒸気圧の低いアマルガムを使用する必要があり、光束立上り特性が特に悪かった。
請求項12記載の電球形蛍光ランプによれば、白熱電球の寸法および全光束に相当させるための各構成の最適条件が規定されるとともに光束立上り特性の改善効果が得られる。
請求項13の照明器具は、請求項1ないし12いずれか一記載の電球形蛍光ランプと;この電球形蛍光ランプが装着される器具本体と;を具備していることを特徴とする。
請求項13の照明器具は、請求項1ないし12いずれか一記載の電球形蛍光ランプを備えた照明器具を提供することができる。
請求項1ないし5記載の電球形蛍光ランプによれば、一端側に一対の端部が位置するとともに中間部の少なくとも一部が螺線状に形成された一方側のバルブ端部に発光管突出部を有し、発光管突出部を口金側に向けて突出させることで、比較的放電路長であるものの、小形化が可能になるとともに、発光管突出部の一部に発光効率が最大となる水銀蒸気圧を有する温度にすることが可能となる。その結果、従来の水銀蒸気圧が低いアマルガムを使用した場合に比べて、点灯直後の光束立上り特性が向上し、点灯中の発光効率が低下することも抑えられる。さらに、螺旋バルブを採用することにより、白熱電球相当の電球形蛍光ランプを提供することができる。
請求項6記載の電球形蛍光ランプによれば、電極を有するバルブ端部から延在した発光管突出部の突出長を比較的長く確保することができる。
請求項7記載の電球形蛍光ランプによれば、発光管突出部の温度をさらに低減することができる。
請求項8記載の電球形蛍光ランプによれば、発光管突出部の温度を確実に低減できる。
請求項9記載の電球形蛍光ランプによれば、発光管突出部をカバー体内の口金側の空間まで突出させているので、安定点灯時に最冷部を形成することが可能となり、純水銀と同等の蒸気圧特性を有することができ、安定点灯時の光出力が損われることなく、簡単な構成で光束立上り特性を向上させることが可能となる。
請求項10記載の電球形蛍光ランプによれば、主アマルガムの組成を最適化することによって、光束立上り特性をより向上させることができる。
請求項11記載の電球形蛍光ランプによれば、補助アマルガムの組成を最適化しているので、主アマルガムを口金側に配置した場合であっても、点灯直後の水銀不足による光束の低下が抑制され、光束立上り特性を確実に向上させることができる。
請求項12記載の電球形蛍光ランプによれば、白熱電球の寸法および全光束に相当させるための各構成の最適条件が規定されるとともに光束立上り特性の改善効果が得られる。
請求項13の照明器具は、請求項1ないし12いずれか一記載の電球形蛍光ランプを備えた照明器具を提供することができる。
以下、本発明の電球形蛍光ランプの一実施形態を図面を参照して説明する。
図1は電球形蛍光ランプの第1の実施形態の一部断面正面図である。図1は、後述する口金11の一部を除いて口金11の残部、カバー体10、グローブ30を断面した状態を示している。
図1において、Lは電球形蛍光ランプで、この電球形蛍光ランプLは、口金11を有するカバー体10と、カバー体10の一部としてカバー体10の開口部に装着された保持部としてのホルダ12と、カバー体10に収納された点灯装置20と、透光性を有するグローブ30と、このグローブ30に収納された発光管40とを備えている。そして、グローブ30とカバー体10とから構成される外囲器は、定格電力60W形相当の白熱電球などの一般照明用電球の規格寸法に近似する外形に形成されている。すなわち、口金11を含む高さは110〜125mm程度、直径すなわちグローブ30の外形が50〜60mm程度、カバー体10の外形が40mm程度に形成されている。なお、一般照明用電球とはJIS C 7501に定義されるものである。
発光管40の内面には、アルミナ(Al2O3)保護膜(図示しない)とその上に蛍光体層(図示しない)が形成されている。蛍光体層は三波長発光形蛍光体から構成されている。赤色発光蛍光体としては、610nm付近にピーク波長を有するユーロピウム付活酸化イットリウム蛍光体(Y2O3:Eu3+)等が挙げられる。青色発光蛍光体としては、450nm付近にピーク波長を有するユーロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム蛍光体(BaMg2Al16O27:Eu2+)等が挙げられる。緑色発光蛍光体としては、540nm付近にピーク波長を有するセリウム・テルビウム付活リン酸ランタン蛍光体((La,Ce,Tb)PO4)等が挙げられる。なお、三波長発光形蛍光体には、赤、青、緑の各色に発光する上記蛍光体以外に、他の色に発光する蛍光体を混合して所望の色度に発光するように調製してもよい。なお、発光管41の蛍光体層は、後述する螺旋バルブの屈曲形成後に塗布、形成されたものである。
発光管40は、一対のバルブ端部42,43のうち、一端部から螺旋状に屈曲される螺旋部44が形成されているとともに、その螺旋部44の先端部45から端部42,43に向けて螺旋部44のほぼ中心軸を通る戻り部46が形成されている。これにより1本の蛇行状の放電路が形成されている。
発光管40は、管外径は8.0〜13mm好ましくは9.0〜13mm、肉厚は0.5〜1.5mmのガラスバルブである。また、発光管40の放電路長は250〜600mm好ましくは250〜500mmの範囲とし、ランプ入力電力は8〜25Wとされている。螺旋バルブは、製造工程における加熱や点滅温度差によって変形しやすく、連通管の機械的強度が低くなる条件は、ガラスバルブの管外径と肉厚との関係に大きく依存する。管外径が9.0mmよりも小さい場合、またはバルブ肉厚が0.5mmよりも小さい場合には、螺旋バルブの変形以外の要因に基づき発光管自体が破損しやすいため好ましくない。管外径が9.0〜13mm、肉厚が0.5〜1.5mmのガラスバルブを用いた発光管としては、放電路長が250〜500mm、ランプ入力電力が8〜25Wとして設計することで、白熱電球形状に近似した電球形蛍光ランプを構成することが可能となる。さらに、放電路長が大きくなることによって発光管のランプ効率が改善される点灯領域について検討した結果、放電路長が250〜500mm、ランプ入力電力が8〜25Wの範囲内であれば、ランプ効率が特に改善される。
螺旋バルブの加熱加工を容易にするために、螺旋バルブに使用するガラスに鉛成分を混入してガラスの軟化温度を下げることが一般的に行われているが、鉛成分は環境に影響を及ぼす物質であるため、使用はできるだけ控えるのが好ましい。また、屈曲形バルブに使用するガラスにはアルカリ成分としてナトリウム成分(Na2O)が多く混入されているが、屈曲形バルブの加熱加工においてこのナトリウム成分が析出して蛍光体物質と反応し、蛍光体が劣化することが考えられる。したがって、屈曲形バルブには鉛成分を実質的に含まず、Na2Oを10質量%以下とすることで、環境への影響を低減でき、蛍光体の劣化を抑制して光束維持率を改善することが可能となる。屈曲形バルブに使用されるガラスは、質量比で、SiO2が60〜75%、Al2O3が1〜5%、Li2Oが1〜5%、Na2Oが5から10%、K2Oが1〜10%、CaOが0.5〜5%、MgOが0.5〜5%、SrOが0.5〜5%、BaOが0.5〜7%であり、かつSrO/BaO≧1.5およびMgO+BaO≦SrOの条件を満足する組成を有している。このガラスを使用することで、理由は明らかではないが、鉛ガラスを使用した屈曲形バルブから形成された以外は同一条件で製造された発光管よりも光束立上りが向上することが確認された。
螺線バルブの一対の端部42,43は、ピンチシール部などにより、封止されているとともに一対の端部のうち一端部42には内径2〜5mmの細管47が封着されている。螺線バルブの一端部42に封着された細管47内には主アマルガム60が封入されている。
螺線バルブの一対の端部42,43には、電極50としてのフィラメントコイルが、一対のウエルズに支持されて配置されている。一対のウエルズは、バルブ端部にマウントを用いないピンチシールなどにより封着されたジュメット線を介して、螺線バルブの外部に導出されたランプ側ワイヤーに接続されている。そして、発光管から導出された2対すなわち4本のランプ側ワイヤーは、点灯装置に電気的に接続されている。
両端に位置するバルブ端部42,43の電極近傍のウエルズには補助アマルガム61が設けられている。補助アマルガム61は、縦2mm、横7mm、厚さ40μmのステンレスの基板に金(Au)または銀(Ag)を約3mgメッキした形成されたものである。なお、補助アマルガム61は、発光管内に自由落下させたり、バルブ内に形成された補助アマルガム保持手段によって、螺旋バルブの中間領域に配設させても構わない。
螺線バルブの一端に封着された細管47は、その先端がカバー体10内の口金11側に位置するように螺旋バルブの端部からの突出長は15〜50mmの長さとするのが好ましく、本実施形態では直線長さにして約45mmで突出している。細管47は、カバー体10の内壁に当接しないように先端がやや内側に位置するように2箇所で屈曲された屈曲形状を有しており、螺線バルブの一端部から細管先端までの突出高さは約40mmである。
主アマルガム60は、ビスマス(Bi)が50〜65質量%、錫(Sn)が35〜50質量%からなる合金を基体とし、この合金に対して水銀を12〜25質量%含有させたものである。
そして、発光管40は、バルブの高さが50〜60mm、放電路長が200〜350mmに形成されている。
そして、発光管40には、封入ガス比率が99%以上のアルゴンガスが封入圧力400〜800Paで封入される。
以下、口金側を上側、グローブ側を下側として説明する。
発光管40は、発光管固定部材であり、また点灯装置固定部材でもあるホルダ12に取り付けられ、このホルダ12がカバー体10の開口部を覆うようにカバー体10に装着されている。また、ホルダ12には点灯装置20の回路基板21が嵌合手段(図示しない)により取り付けられている。点灯装置20は、水平状、すなわち発光管の長手方向と垂直に配置される円板状の回路基板21を備え、この回路基板21の両面すなわち口金10側である上面および発光管40側である下面に、複数の部品22(電気部品)が実装されて、高周波点灯を行なうインバータ回路(高周波点灯回路)が構成されている。
回路基板21には、直径約6mmの挿通部としての円径状の挿通孔21aが形成されており、この挿通孔21aを介して細管47の先端が口金11側まで延在している。回路基板21の一面側には、平滑用電解コンデンサ22aや、インダクタ、トランス、抵抗やフィルムコンデンサなどからなる電子部品22の大部分が実装されている。回路基板21の発光管40側の他面には、電界効果形トランジスタ(FET)や整流ダイオード(REC)、チップ抵抗など、比較的耐熱温度が高い小形電子素子が実装されている。平滑用電解コンデンサ22aは、電界効果形トランジスタ、トランス、限流インダクタ、抵抗、共振コンデンサなどの発熱量が比較的多い電子部品よりも少なくともその先端部は口金11側に突出している。主アマルガム60は、電解コンデンサ22aを除く電子部品22よりも口金10側であって、電解コンデンサ22aに隣接して位置するように細管47内に収容されている。このとき、主アマルガム60は回路基板21の口金11側の面からの距離が約40mmになるように離間している。
そして、カバー体10は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの耐熱性合成樹脂などにて形成されたカバー本体を備えている。そして、このカバー本体は、下方に拡開する略円筒状をなし、上端部にE26形などの口金が被せられ、接着剤またはかしめなどにより固定されている。
また、グローブ30は、透明あるいは光拡散性を有する乳白色などで、ガラスあるいは合成樹脂により、定格電力60W形相当の一般照明用電球のガラス球とほぼ同一形状の滑らかな曲面状に形成されているとともに、開口部の縁部には、カバー体10の下端の開口部の内側に嵌合する嵌合縁部が形成されている。なお、このグローブ30は、拡散膜などの別部材を組み合わせ、輝度の均一性を向上することもできる。
回路基板21は、略円板状で、発光管40の最大幅の1.2倍以下の直径(最大幅寸法)に形成されている。
そして、点灯装置20は、7〜15Wのランプ電力により発光管40内の電流密度(断面積当たりの電流)が3〜5mA/mm2で点灯させるように構成されている。本実施形態の電球形蛍光ランプは、入力電力定格12Wで、ランプ電流は190mA、ランプ電圧は58Vとなり、発光管からの光出力により全光束が約810lmとなっている。
このように規定された電球形蛍光ランプを、一般照明用電球の照明器具に用いた場合、電球形蛍光ランプの配光が一般照明用電球の配光に近似することで、照明器具内に配設されたソケット近傍の反射体への光照射量が十分に確保され、反射体の光学設計どおりの器具特性を得ることができる。しかも、電球スタンドのように、内部光源のイメージが布製などの光拡散性カバーに映し出される照明器具であっても、電球形蛍光ランプの配光が一般照明用電球の配光に近似することで、違和感なく使用できる。
次に、本実施形態の作用について説明する。図2は、本実施形態の温度分布を示す概略断面図である。この温度分布の測定条件は、周囲温度を25℃の無風状態にて口金上向き点灯とした。このとき、電球形蛍光ランプは入力電力12.1Wの約1割が点灯回路で消費されている。
各部の温度はそれぞれ次のとおりであった。主アマルガム60近傍の細管47表面温度T1は55℃、口金11の内側空間温度T2は53℃、カバー体10中央の空間温度(発熱部品の上端が位置する空間温度)T3は62℃、回路基板21の上面温度T4は98℃、カバー体10の外表面の上部温度T5は62℃、カバー体10外表面中間部温度T6は62℃、発光管40の電極近傍バルブ表面温度T7は158℃、陽光柱表面温度T8は136℃、螺旋部44表面温度T9は106℃、グローブ30外面の上部温度T10は81℃、グローブ30最大外径部外面温度T11は60℃、グローブ30頂部外面温度T12は57℃。
このように、点灯装置20の近傍は、主発熱要素である発光管40の上部に位置するために温度が高くなる。これは熱が上部方向および外径方向へと拡散すること、および点灯装置20のうち主たる発熱部品であるバラスト巻線やトランジスタの近傍には高温の空間ができることを意味している。このような高温領域に実装された部品群よりも口金11側のカバー体10内の空間は比較的温度が低く、この空間に主アマルガム60を位置させることによって、主アマルガム60の温度を低下させている。主アマルガム60に近接する電解コンデンサ22aはほとんど発熱しない部品であり、また口金11近傍の内部空間は50〜60℃程度である。
ちなみに、主アマルガム60が封入された細管47の突出長が約10mmの発光管40を備えた従来例(短細管方式)の主アマルガム60の温度を測定したところ約90℃であった。このように、本実施形態のように主アマルガム60を口金11側に配置させた長細管方式では、主アマルガム60の温度を約30〜40℃低減する効果がある。
本実施形態の電球形蛍光ランプを、100V商用交流電源による点灯、周囲温度を25℃とし、無風状態にて口金上向き点灯とさせた。点灯直後に補助アマルガムから適量の水銀が放出され、水銀不足現象が起こることがなく、光束が早期に立上り、点灯開始から5秒経過時点で安定点灯時の約50%の光出力が得られ、約25秒経過時点で同約85%の光出力が得られることが確認された。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図3は、電球形蛍光ランプの第2実施形態のを示す一部断面正面図である。なお、第1の実施形態と同一の構成または対応する部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態の電球形蛍光ランプは、水銀蒸気圧制御するための主アマルガムを封入せず、亜鉛(Zn)アマルガムからなる水銀封入構体としての定量封入用水銀ペレットを使用して発光管40内に10mg以下の水銀を封入したものである。
発光管40は、直管ガラスバルブのほぼ中央領域を先端部45とし、一対の端部42,43方向に直線部を残すことなく全て螺旋状に形成されている。なお、一方側端部42には発光管突出部として、排気管47が封着されているとともに、排気管47は、螺旋バルブの螺旋延長方向、すなわち螺旋奇跡を辿る方向に延在するよう形成されている。
発光管を保持可能なホルダには、バルブ端部42および排気管47を挿入する図示しない挿入孔が形成されている。この挿入孔は、両端部に直線部を残すことなく螺旋状に形成しているので、その螺旋状の両端部に対応した半円状の傾斜を有する凹部が形成されており、この凹部傾斜に誘導されバルブ端部42,43が保持される。なお、ホルダ凹部の斜視方向から見ると、挿入孔は略真円形の開口部を有している。
なお、バルブ端部42,43から延在する螺線状に形成された排気管は、ホルダ12に形成された一対の挿入孔のうち、一方側の挿入孔に排気管47の先端を挿入し、ねじ込むように挿入している。なお、点灯装置20を構成する複数の電子部品22を実装した回路基板21にも、排気管挿入のための挿入孔21aが形成されている。発光管40の端部42、43は必要に応じてシリコーン材にてホルダ12に固定化される。
本実施形態の蛍光ランプは、主アマルガムによって水銀蒸気圧が制御されるものではないため、水銀蒸気圧特性が一般蛍光ランプのように純水銀が封入されたものとほぼ同等となり、安定点灯時の光出力が損われることなく、光束立上り特性も向上させることが可能となる。
なお、本実施の形態において水銀ペレットを採用したため、口金11上側点灯した場合においては、螺線バルブの螺旋部44内径よりも径大に形成された螺旋バルブ先端部45に形成された最冷部により点灯中の管内の水銀蒸気圧を最適に制御される。一方、口金11下側点灯した場合においては、発光管の電極の熱影響を受けないように排気管をカバー体内の口金側に延出させることで、排気管先端付近の温度を70℃以上にならないよう抑制している。すなわち、回路基板によって発光管の熱が遮断され、対流も起きにくいので口金側の内部空間温度は、発光管側の内部空間ほど高温にはならない。
このように、点灯中発光管が高温となっても発光管内の水銀蒸気圧が過剰にならないよう、余分な水銀は、点灯方向によりカバー体内に延出した排気管先端付近または、螺旋バルブ頂部の最冷部に吸収され、水銀蒸気を適正値に保ち発光効率の低下を防ぐことができる。さらに、水銀蒸気圧が低い主アマルガムを使用した場合に比べて、消灯時の温度状態における水銀蒸気圧が高くなり、点灯直後の光束立上り特性が向上し、点灯中の発光効率が低下することも抑えられる。なお、本実施の形態において、電極近傍に補助アマルガムを配設していないが、第1の実施形態に採用した補助アマルガムを採用することで、光束立上り特性を一層向上させることも可能となる。
以上のような電球形蛍光ランプによると、口金11下側点灯においては、電極から離間し、排気管47を回路基板21の口金11側へ貫通し、カバー体10内まで延出させることで、その一部の温度を50〜70℃とすることができるので、排気管47に形成された最冷部により、発光管40内の水銀蒸気を吸収してバルブ内の水銀蒸気圧を所望の圧力に保つことが可能となる。一方、口金11上側点灯においては、螺線バルブ先端部45の最冷部により水銀蒸気圧を最適に保つことができる。
また、発光管の一対の端部42,43の細管封着付近に排気管封止部を形成すると、封止時の加熱によりクラックが発生して蛍光ランプがスローリークを起こすおそれがあるが、排気管47を長くすることで、封止部にクラックが発生することを抑制できる。
なお、第1の実施の形態および第2の実施の形態の螺旋状の発光管は、図4に示す形状であっても同等の作用を有することができる。
図4(a)に示す螺旋状の発光管40は、1本の直管ガラスのほぼ中心領域を先端部45として、両端部42,43に直線部を残し発光管中間領域内は略同径に螺旋状に形成されている。また、両端部42,43の直線部のうち少なくとも一方側の端部からは、第1の実施形態と同様の発光管突出部としての細管47が封着されている。両端部42,43に直線部を有し、バルブの殆んど螺線状に形成することで、第1の実施形態の螺旋バルブに比べ、外寸法が同等であれば、放電路長をより長く形成することができる。
図4(b)に示す螺旋状の発光管40は、1本の直管ガラスのほぼ中心領域を先端部45として、一対の42,43端部のうち一方側の端部42に直線部を残し、他方側端部43の封止部分まで螺旋状に形成されている。発光管の先端部45は、螺旋部44および直線部に比べて、内径を径大に形成されている。直線部の一方側の端部には、第1の実施の形態と同様の発光管突出部としての細管47が封着されている。発光管突出部を有するバルブ端部のみを直線状とすることで、細管47および発光管を保持するホルダ12に形成された挿入孔など形状を複雑にすることなく、容易に挿入することができる。
図4(c)に示す螺旋状の発光管40は、第2の実施形態の電球形蛍光ランプを構成する発光管と同形状の螺旋状であるが、一方側の端部42に封着された細管47の形状が異なる。バルブ端部42に封着された細管47の長さ方向中間部領域までは、螺旋状の発光管40の延長方向に、螺旋バルブの軌跡を辿る方向に延在しているとともに、細管47中間部から先端領域までを、螺線バルブの長手方向と略平行する方向に直線状に形成されている。
図4(d)に示す発光管は、螺旋部44を図(b)のものとし、端部42、43を図(a)のものとしたものである。
図4(e)に示す発光管40は、図4(c)のものに対して、発光管突出部47を一方側の端部42から直線状で、かつ、螺旋の中心軸と略平行する方向に延在させたものである。
図4の(a)〜(e)に示されるような発光管40において、保護膜層(図示しない。)と蛍光体層(図示しない。)とのそれぞれの膜厚を逆の関係に形成するには、例えば次のように製造する。すなわち、発光管40の先端部45に液排出用の枝管(図示しない。)を連設し、封止する以前の端部42、43および(または枝管)から流入した液状の保護膜材を先端部45を下側にして枝管から流出させつつ乾燥する。この流出、乾燥の過程において、保護膜材は下側にいくほど多く滞留する。すなわち、端部42、43側で相対的に薄く、先端部45側で厚く形成される。しかも、螺旋部44を螺旋軸に沿って断面した場合、各断面の端部42、43側で相対的に薄く、先端部45側で厚く形成される。
つぎに、封止する以前の端部42、43および(または枝管)から流入した液状の蛍光体を端部42、43下側にして端部42、43から流出させつつ乾燥する。この流出、乾燥の過程において、蛍光体は下側にいくほど多く滞留する。すなわち、端部42、43側で相対的に厚く、先端部45側で薄く形成される。しかも、螺旋部44を螺旋軸に沿って断面した場合、各断面の端部42、43側で相対的に厚く、先端部45側で薄く形成される。
この結果、保護膜層と蛍光体層とは製法上生じる膜厚の不均一さを互いに補完し合って合計としての膜厚を均一化の方向に調整でき、光束維持率の向上に寄与する。
なお、保護膜層と蛍光体層との厚さの向きを互いに逆にしてもよい。また、先端部の枝管は最後に切取って連通孔を封止するようにしてもよいし、製造途中で枝管の用途が終わった時点で切取って連通孔を封止するようにしてもよい。
図5は電球形蛍光ランプの第3の実施形態を示す要部の一部断面正面図である。図5の省略部分としては上記の実施形態のものを採用できる。あるいは当業者であれば必要に応じて適宜変更可能である。
本実施形態において、発光管突出部47の先端部には主アマルガム60が封入されており、かつ、先端部の外面部はシリコーン51を介して口金11の内面に熱結合されている。本実施形態のカバー体10の口金11を装着される首部13は、発光管突出部47の先端部と口金11内面とが対向する部分の近傍において段状に切欠かれた切欠き部14を有している。この切欠き部14を挟んで発光管突出部47の先端部が、シリコーン51によって口金11の内面に接続されている。
本実施形態の組立て方法としては、発光管突出部47の先端部(必要に応じて近傍に位置する電解紺コンデンサ等の部品も合わせて)に予めシリコーン樹脂を付着させておき、その後にカバー体10の首部13に口金11を装着し、口金11を首部13の基部にポンチ等の手段にて固着する。
本実施形態の作用は既に述べた事項から明確であるので説明を省略するが、実験結果を以下に示す。
すなわち、発光管として図4(e)のものを用い同じ構造の電球形蛍光ランプを製造し、発光管突出部47の先端部と口金11内面とを熱的に結合しなかった場合と熱結合した場合とについて測定した。
発光管突出部47の先端部と口金11内面とを熱的に結合しなかった場合、入力電圧100V(商用電源電圧、実効値、以下同じ)、入力電流0.351A、入力電力20.4Wで、ランプ電圧86V、ランプ電流0.21A、ランプ電力17.9Wであり、主アマルガム60の温度は79℃であった。これに対し、4gのシリコーン51で発光管突出部47の先端部と口金11内面とを熱結合した場合、入力電圧100V(商用電源電圧、実効値、以下同じ)、入力電流0.378A、入力電力22.2Wで、ランプ電圧95V、ランプ電流0.207A、ランプ電力19.3Wであり、主アマルガム60の温度は69℃と、熱結合させない場合より10℃低減できた。
次に本発明の一実施形態である照明器具を図6を用いて説明する。図6は本発明の照明器具の一実施形態を示す断面概略図である。図においてLは電球形蛍光ランプ、70は埋め込み形照明器具本体である。器具本体70は、基体71と反射板72などより構成されている。
本発明の電球形蛍光ランプの第1の実施形態を示す一部断面正面図 図1の電球形蛍光ランプの点灯時の温度分布を説明する概略断面正面図 電球形蛍光ランプの第2の実施形態を示す一部断面正面図 他の螺線バルブ例を示す正面図 電球形蛍光ランプの第3の実施形態を示す要部の一部断面正面図 本発明の照明装置の一実施形態の概略を示す一部断面図。
符号の説明
L…電球形蛍光ランプ、10…カバー体、11…口金、20…点灯装置、30…グローブ40…発光管、47…発光管突出部、60…主アマルガム、61…補助アマルガム。

Claims (13)

  1. 一端側に一対の端部が位置するとともに中間部の少なくとも一部が螺線状に形成されて他端側に延在し、一対の端部に各々電極を有する発光管と;
    基板およびこの基板に実装された電子部品を有し、高周波電力を発光管に供給する点灯装置と;
    一端側に口金、他端側に発光管の一端側を保持する保持部を有し、電子部品の大部分が口金側に配置されるように基板を装着して点灯装置に収容したカバー体と;
    発光管の少なくとも一方の一端部に発光管内部に連通させて設けられ、その少なくとも一部の表面温度が通常点灯時に40〜80℃となる領域に配設された発光管突出部と;
    を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
  2. 一端側に一対の端部が位置するとともに中間部の少なくとも一部が螺線状に形成されて他端側に延在し、一対の端部に各々電極を有する発光管と;
    基板およびこの基板に実装された電子部品を有し、高周波電力を発光管に出力する点灯装置と;
    一端側に口金が設けられ、他端側に発光管を保持する保持部を有し、電子部品の大部分が口金側に配置されるように基板を装着して点灯装置を収容したカバー体と;
    発光管の少なくとも一方の一端部に発光管内部に連通させて設けられ、カバー体内の口金側空間に配設されるよう一端部から25〜70mm延在している発光管突出部と;
    を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
  3. 一端側に一対の端部が位置するとともに中間部の少なくとも一部が螺線状に形成されて他端側に延在し、一対の端部に各々電極を有する発光管と;
    基板およびこの基板に実装された電子部品を有し、高周波電力を発光管に出力する点灯装置と;
    一端側に口金が設けられ、他端側に発光管を保持する保持部を有し、電子部品の大部分が口金側に配置されるように基板を装着して点灯装置を収容したカバー体と;
    発光管の少なくとも一方の一端部に発光管内部に連通させて設けられ、少なくとも一部が点灯装置の電子部品のうち発熱量が比較的多い素子よりも口金側のカバー体内空間に配設されている発光管突出部と;
    を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
  4. 一端側に一対の端部が位置するとともに中間部の少なくとも一部が螺線状に形成されて他端側に延在し、一対の端部に各々電極を有する発光管と;
    基板およびこの基板に実装された平滑用電解コンデンサを含む電子部品を有し、この電解コンデンサの直流出力を変換して高周波電力を発光管に出力する点灯装置と;
    一端側に口金が設けられ、他端側に発光管を保持する保持部を有し、前記電解コンデンサが口金側に配置されるように基板を装着して点灯装置を収容したカバー体と;
    発光管の少なくとも一方の一端部に発光管内部に連通させて設けられ、少なくとも一部が前記電解コンデンサを除く電子部品よりもカバー体内口金側空間まで延在している発光管突出部と;
    を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
  5. 一端側に一対の端部が位置するとともに中間部の少なくとも一部が螺線状に形成されて他端側に延在し、一対の端部に各々電極を有する発光管と;
    基板およびこの基板に実装された電子部品を有し、高周波電力を発光管に出力する点灯装置と;
    一端側に口金が設けられ、他端側に発光管を保持する保持部を有し、発光管長手方向と略直交するよう基板を装着して点灯装置を収容したカバー体と;
    発光管の少なくとも一方の一端部に発光管内部に連通させて設けられ、少なくとも一部が前記基板面から5〜50mm離間してカバー体内の口金側空間に延在している発光管突出部と;
    を具備していることを特徴とする電球形蛍光ランプ。
  6. 前記発光管突出部は、少なくとも一部は螺旋状に延在していることを特徴とする請求項1ないし5いずれか一記載の電球形蛍光ランプ。
  7. 前記発光管突出部は口金内にまで延在し、かつ、口金に熱的に結合されていることを特徴とする請求項1ないし6いずれか一記載の電球形蛍光ランプ。
  8. 前記発光管突出部の少なくとも一部の表面温度が通常点灯時に40〜70℃となる領域に配設されたことを特徴とする請求項1記載の電球形蛍光ランプ。
  9. 前記発光管を構成する螺旋バルブ内に点灯中の管内水銀蒸気圧を制御する最冷部が形成されているとともに、管内には水銀を含み純水銀と同等の蒸気圧特性を有する放電媒体が封入されていることを特徴とする請求項1ないし8いずれか一記載の電球形蛍光ランプ。
  10. 前記発光管突出部内には主アマルガムが封入されており、この主アマルガムの合金全体に対する水銀(Hg)の含有量が3質量%以上であり、合金を形成する金属はビスマス(Bi)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)および錫(Sn)からなる群のうち少なくとも一種からなることを特徴とする請求項1ないし8いずれか一記載の電球形蛍光ランプ。
  11. 少なくとも一対の端部に封着されたフィラメント電極近傍には補助アマルガムが配設されており、この補助アマルガムを形成する金属基体は、金(Au)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、鉛(Pb)、亜鉛(Zn)、ビスマス(Bi)または錫(Sn)を主成分として形成されたものであることを特徴とする請求項1ないし8または10のいずれか一記載の電球形蛍光ランプ。
  12. 発光管はカバー体に装着されたグローブに覆われており、その最大径が65mm以下であるとともに、口金を含む高さが白熱電球100W相当のランプは140mm以下、60W相当のランプは109mm以下、白熱電球40W相当のランプは98mm以下であることを特徴とする請求項1ないし11いずれか一記載の電球形蛍光ランプ。
  13. 請求項1ないし12いずれか一記載の電球形蛍光ランプと;
    この電球形蛍光ランプが装着される器具本体と;
    を具備していることを特徴とする照明器具。
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JP2012529730A (ja) * 2009-06-09 2012-11-22 レイワ ライティング アンド エレクトリカル コーポレーション 蛍光灯の発光管

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