JP2004287863A - モノに関連付けられたサービスを発見するためのシステム及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】モノの組み合わせに対してサービスを関連付けて提供すると共に、それらのサービスの検索及び利用を簡単な操作で実行可能にするシステム及び方法を提供する。
【解決手段】本発明のサービス提供システムは、モノに対応付けられたID(第1のID)またはそれらのIDの組み合わせに対応するID(第2のID)に対して関連付けられたサービスを検索するためのものであって、サービスの要求を受け付けるよう構成されたサービス制御手段と、サービス制御手段の指示に応答して、上記第1のIDに関連付けられた上記第1または第2のIDを検索するためのID管理手段と、サービス制御手段の指示に応答して、上記第1または第2のIDに関連付けられたサービスに関する情報を検索するためのサービス管理手段とを備える。かかる構成によれば、モノの組み合わせに対して関連付けられたサービスを簡単に検索して利用することが可能になる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のサービス提供システムは、モノに対応付けられたID(第1のID)またはそれらのIDの組み合わせに対応するID(第2のID)に対して関連付けられたサービスを検索するためのものであって、サービスの要求を受け付けるよう構成されたサービス制御手段と、サービス制御手段の指示に応答して、上記第1のIDに関連付けられた上記第1または第2のIDを検索するためのID管理手段と、サービス制御手段の指示に応答して、上記第1または第2のIDに関連付けられたサービスに関する情報を検索するためのサービス管理手段とを備える。かかる構成によれば、モノの組み合わせに対して関連付けられたサービスを簡単に検索して利用することが可能になる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報やサービスを提供するためのシステム及び方法に関し、特に、1または複数のモノの組み合わせに対して情報やサービスを関連付けて提供するためのシステム及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
モノに固有の識別番号を付して、その識別番号からそのモノに関する情報を取り出して在庫管理などに利用するシステムが、例えば下記の文献に記載されている。しかしながら、これらの従来のシステムは、各々独立した識別番号から個別に特定される情報を取り出すことはできるが、それらの識別番号から特定される物にサービスを関連付けて提供するようにはなっていない。
【0003】
そこで、本願出願人は先の特許出願2002−109629「サービス提供システム及びサービス提供方法」において、さまざまなものに識別子を関連付け、この識別子を読み取ってそのものに関連付けられているサービスを検索し提供するシステムを提案した。先の出願のシステムでは、1つのもの、すなわち識別子に対して情報やサービスを関連付けて提供するように構成されている。
【0004】
【非特許文献1】
日経コミュニケーション2003年2月3日号、「あらゆるモノに極小無線タグを内蔵−ネット経由の商品追跡も可能ID使用に日米2方式が名乗り」、p78−80
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
複数のモノの組み合わせに対して、組み合わせ中の個々のモノに関連付けられているものとは別の情報やサービスを関連付けて提供することができれば、ユーザはそのモノを特定するための識別子を組み合わせを指定することにより、1つのモノから情報やサービスを検索して指定することしかできない場合に比べて、柔軟な指定を行うことができるので便利である。また、サービスの提供者にとっても、わかりやすく柔軟なサービスの指定方法を提供できるという利点がある。
【0006】
例えば、あるオフィスAの識別子とあるプリンタBの識別子(ここでプリンタBの識別子は例えばプリンタBというモデルを識別するものであり、プリンタの個体を識別するものではないとする)を指定することにより、オフィスAにあるプリンタBという特定のプリンタの個体で、あるドキュメントを印刷するといった作業を行うことができればユーザにとっては便利である。また、モノの識別子を情報またはサービス提供エンティティへのポインタとして利用することにより、複数のサービスを組み合わせて実行する際に各サービスの手続き情報そのものをやり取りする場合に比べて、システム全体の処理負荷の軽減を図ることができる。
【0007】
更に、新たなサービスを関連付けようとするモノにそのような関連付けを行うために必要となる識別子に対応付けられ、識別子を検索するキー情報を提供するタグをモノに添付する代りに、既存の識別子の組み合わせでサービスを指定することができれば、このような新たな識別子用のタグをモノに添付するなどのタグ管理上の手間を省力することも可能となる。なお、タグについては後述する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本明細書においてモノとは、工業製品、建築物などの物理的な実体を持つ物だけでなく、サービスやデータなどの物理的実体を持たない概念上のものも含む、あらゆる「もの」を意味する。
【0009】
本発明では、モノを識別するための識別子としてグローバルID(以下、単にIDと称する)を使用する。
【0010】
ここで、タグとIDの対応付け及びID間の関連付けの概念について例を用いて説明する。なお、タグとはモノから直接的に得られる識別情報である。タグは必要に応じて商品にすでに付与されバーコードなどで表示されている既存の商品コード、製品の型番、シリアル番号などを使用したり、あるいは新規に付与するにしても、どのような手段で具体的にモノの上で表示するかによってフォーマットが異なることがあるなど、全てのモノに対して一貫した体系とすることが困難であるため、モノから直接得られるタグをそのままIDとするのではなく、タグを1ないし複数段階変換したものをIDとして使用することが好ましい。
【0011】
図2(A)では、ある空間Aにtag_aというタグが付されており、その空間内には、ある製品(プリンタPとする)があって、その製品にtag_1というタグが付されている。tag_1は、同一機種のプリンタに共通に付されるタグであるものとする。
【0012】
また、別の空間Bには、tag_bというタグが付されており、その空間内には、製品P’(プリンタPと同じ機種のプリンタ)と製品Q(例えばパソコン)があって、それぞれにtag_1、tag_2というタグが付されている。
【0013】
ここで、tag_a、tag_b、tag_1、tag_2にそれぞれ、IDa、IDb、ID1、ID2というIDをそれぞれ割り当て、これらのうちの2つのIDの組み合わせとして、IDa+ID1、IDb+ID1、IDb+ID2という3つの組み合わせを考え、それぞれに対してIDa1、IDb1、IDb2というIDを対応付ける。
【0014】
これらのIDに対して、入力ID、出力ID、ウェイトの組からなる図2(B)に示すような表を作成する。ここでのウェイトは、出力IDに対する入力IDの数で決まり、1をその入力IDの数で除したものである。
【0015】
このようにすると、例えば、入力IDaに対しては出力としてIDaとIDa1が取り出される。ウェイトの大きい方を優先的に取り出すことにすれば、IDaが優先的に取り出される。IDa+ID1では、ヒットするのはIDa1だけである。したがって、例えば、IDa1に、空間A内のプリンタPに対してあるサービスを割り当てれば、IDaとID1という2つのIDを指定することにより、そのようなサービスを検索することができることになる。このように、空間と物とを関連付けたサービスをIDの組み合わせに対応付けることもできる。
【0016】
本発明の1実施形態では、タグとIDとの対応関係を表すテーブルがタグ認識サーバに、図2(B)のような入力ID、出力ID、及びウェイトの組からなるテーブルがID管理サーバに格納される。また、上記IDの組み合わせに対応するIDa1などのIDも後述するようにID管理サーバによって生成される。
【0017】
本願発明のサービス提供システムまたはサービス提供方法は以下のような態様を有する。第1乃至第12の態様はサービス提供システムに係る態様であり、第13乃至第18の態様はサービス提供方法に係る態様である。
【0018】
第1の態様は、モノに対応付けられたID(第1のID)またはそれらのIDの組み合わせに対応するID(第2のID)に対して関連付けられたサービスを検索するサービス提供システムであって、サービスの要求を受け付けるよう構成されたサービス制御手段と、サービス制御手段の指示に応答して、上記第1のIDに関連付けられた上記第1または第2のIDを検索するためのID管理手段と、 サービス制御手段の指示に応答して、上記第1または第2のIDに関連付けられたサービスに関する情報を検索するためのサービス管理手段とを備える。
【0019】
第1の態様によれば、モノの組み合わせに対して関連付けられたサービスを、対応するIDの組み合わせを指定することにより検索することができるので、ユーザは、それぞれのサービスを個別に利用する必要がなくなり、効率的にサービスを利用することが可能になる。
【0020】
第2の態様は、第1の態様のサービス提供システムにおいて、サービス制御手段がタグ情報を受け取るよう構成されており、さらに、サービス制御手段の指示に応答して、タグ情報を上記第1のIDに変換するためのタグ認識手段を備える。
【0021】
第3の態様は、第2の態様のサービス提供システムが、さらに、タグ情報を取得して、サービス制御手段に送るための端末装置を備える。第3の態様によれば、ユーザは端末装置でモノのタグ情報を読み取るという簡単な操作を行うことにより、そのモノに関連付けられたサービスを検索することが可能になる。
【0022】
第4の態様は、第1乃至第3のいずれかの態様のサービス提供システムが、サービスを提供するためのサービス提供手段をさらに備える。
【0023】
第5の態様は、第1乃至第4のいずれかの態様のサービス提供システムにおいて、ID管理手段が、複数のIDを検索した場合に、それらのIDに対して優先順位を付け、優先順位の最も高いIDをサービス制御手段に返すよう構成される。第5の態様によれば、優先順位の低いIDに関連付けられたサービスの検索が回避されるので、ユーザは、所望のサービスのみをより迅速に利用することが可能になる。
【0024】
第6の態様は、第2乃至第5のいずれかの態様のサービス提供システムにおいて、サービス制御手段が、タグ認識手段によって変換された上記第1のIDと、ID管理手段によって検索された上記第1または第2のIDとを受け取るよう構成される。
【0025】
第7の態様は、第3乃至第6のいずれかの態様のサービス提供システムにおいて、サービス制御手段が、端末装置からユーザ情報を取得し、ユーザ情報とタグ認識手段から受け取った上記第1のIDとから、ユーザ毎のIDリストを作成するよう構成される。第7の態様によれば、記憶容量の小さな機器でも端末装置として利用できるとともに、同一人が状況に応じて複数の端末装置を使い分けるという使用形態で有用である。
【0026】
第8の態様は、第5乃至第7のいずれかの態様のサービス提供システムにおいて、ID管理手段が、IDリストに含まれるIDを入力IDとして、各入力IDに対応するIDを検索し、検索されたIDに対応する入力IDの数に基づいて、検索されたIDに優先順位を付けるよう構成される。第8の態様によれば、IDリストに含まれるIDの集合に対する一致の程度が高い組み合わせIDに高い優先度を与えることができるので、多くの場合に妥当な組み合わせIDをユーザに対して提示することが可能となる。
【0027】
第9の態様は、第8の態様のサービス提供システムにおいて、ID管理手段がさらに、入力IDとその入力IDに対応して検索されたIDとの組み合わせによって決まるウェイトを有しており、対応する入力IDの数が同じであるIDが複数検索された場合には、さらにウェイトの大きさに基づいて優先順位を付けるよう構成される。第9の態様によれば、IDリストに含まれるIDの集合に対する一致の程度が同じ組み合わせIDのうちで、IDリスト中の一致が取れたIDからなる集合が組合せられているIDの集合に対して占める割合が大きなものに高い優先度を与えることができるので、人間の直感に更に良く適合する妥当性の高い優先順位付けが可能となる。
【0028】
第10の態様は、第3乃至第9のいずれかの態様のサービス提供システムにおいて、サービス制御手段が、検索されたサービスに関する情報を端末装置に送るよう構成される。
【0029】
第11の態様は、第10の態様のサービス提供システムにおいて、サービス制御手段が、端末装置の指示に基づいて、サービス提供手段にアクセスするよう構成される。
【0030】
第12の態様は、第1乃至第11のいずれかの態様のサービス提供システムにおいて、ID管理手段が、上記第1のIDの組み合わせに対応する上記第2のIDが存在しない場合には、サービス制御手段の指示に応答して、上記第2のIDを生成するよう構成される。
【0031】
第13の態様は、モノに対応付けられたID(第1のID)またはそのIDの組み合わせに対応するID(第2のID)に対して関連付けられたサービスを提供するためのサービス提供方法であって、端末装置からのサービスの要求を受け付けるステップと、上記第1のIDに関連付けられた上記第1または第2のIDを検索するステップと、上記第1または第2のIDに関連付けられたサービスに関する情報を検索するステップを含む。
【0032】
第14の態様は、第13の態様のサービス提供方法が、さらに、タグ情報を取得するステップと、タグ情報を上記第1のIDに変換するステップとを含む。
【0033】
第15の態様は、第13または第14の態様のサービス提供方法が、さらに、上記検索された情報に基づいてサービスを提供するステップを含む。
【0034】
第16の態様は、第13乃至第15のいずれかの態様のサービス提供方法が、さらに、上記第1のIDを登録するステップと、上記第2のIDを登録するステップと、上記第1または第2のIDに関連付けられたサービスに関する情報を生成するステップと、上記第1または第2のIDに関連付けられたサービスを準備するステップを含む。第16の態様によれば、個々のモノに対応付けられたID(第1のID)の組み合わせに対応するID(第2のID)にサービスを関連付けることができるので、複数のモノの組み合わせに対して、組み合わせ中の個々のモノに関連付けられているものとは別のサービスを提供することが可能になる。
【0035】
第17の態様は、第15または第16の態様のサービス提供方法におけるサービスを提供するステップが、さらに、上記検索された情報を端末装置に送るステップと、その送られた情報を端末装置で選択するステップと、その選択された情報に基づいてその情報に対応するサービスにアクセスするステップを含む。
【0036】
第18の態様は、第13乃至第17のいずれかの態様のサービス提供方法における第1または第2のIDを検索するステップが、さらに、上記第1のIDに関連するIDを出力IDとして検索するステップと、同じ出力IDに対応する入力IDの数をカウントするステップと、入力IDの数が多い順に、入力IDと出力IDの組を並べるステップを含む。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下では、「サービス」という用語には、ある対象に対して何らかの処理を伴うサービスだけでなく、情報そのものの提示も含まれるものとする。
【0038】
図1は本発明によるサービス提供システムの1実施形態の構成を概念的に示した図である。端末装置10は、モノに付されたタグを読み取ってサービス制御装置20に送ることができるように構成されており、ユーザが持ち運び可能な携帯型のものとすることができる。端末装置10には、バーコードリーダやRF−IDなどの読み取り手段を設けることができ、これによって、数字や文字コードあるいはイメージ情報として何らかの媒体に埋め込まれたタグ情報を読み取ることができる。また、端末装置10とサービス制御装置20とは、周知の公衆回線や専用回線等の通信経路を介して接続され、サービス制御装置20は、端末装置10から受信したタグをタグ認識サーバ30に送信する。タグ認識サーバ30は、タグとそのタグに対応するIDとの組をテーブル(以下、タグ−IDテーブルと記載)として有しており、サービス制御装置20から受け取ったタグに対応するIDをそのテーブルから取り出すことができる。
【0039】
サービス制御装置20は、タグ認識サーバ30から変換されたIDを受け取り、それをIDリストとして保持する。サービス制御装置20は、さらに、端末装置10からタグと共にまたは個別に送られてくる端末情報からユーザを識別することができ、ユーザが端末装置10を使って送ったタグに対応するIDのリスト(IDリスト)をユーザ毎に作成し保持することができる。例えば、あるユーザAが、tag_aとtag_bという2つのタグ(これらのタグは、それぞれ、id_a、id_bというIDに対応するものとする)を端末装置10でサービス管理サーバ50に送って、これらのタグに関連した情報またはサービスを提供するよう要求した場合には、ユーザAに対して、(id_a、id_b)というIDリストが作成されて保持されることになる。サービス制御装置20は、このIDリストをID管理サーバ40に送信する。
【0040】
なお、IDリストは、サービス制御装置20に保持する代りに、例えば端末装置10で保持するようにしてもよい。IDリストを上述のようにサービス制御装置20側に保持することの利点は以下の通りである。
1)端末装置10は携帯電話など小型・軽量であることが重視されるので、IDリストを端末装置10側に置こうとすると、IDリスト自体やその管理のためのプログラムが占有するメモリ領域の確保が困難な場合がある。サービス制御装置側でIDリストを保持すればそのような問題は起きない。
2)ユーザが複数の端末装置を使い分ける場合、IDリストをサービス制御装置20側で保持する構成では、ユーザがサービス検索・利用のセッションが終わった後でもIDリストをサービス制御装置側に保存し、ユーザが別の端末装置から新たなセッションを開始した場合に以前のセッションの間に取り込んだIDのリストを再利用することができる。例えば、職場ではパーソナルコンピュータを用いてこの種の検索を行い、外出時には携帯電話やPDAなどのモバイル機器で検索を行うという作業形態に適した構成である。
【0041】
ID管理サーバ40は、IDとそのIDに対応する出力IDとを、入力IDと出力IDの組からなるテーブル(以下、入力−出力IDテーブルと記載)として有している。このテーブルには、さらに、上述したウェイトを含めることができる。ウェイトを用いることによって、その入力IDが出力IDを構成するにあたってどれくらい必要度があるかを表すことができる。
【0042】
ID管理サーバ40は、サービス制御装置20から受け取ったIDリストに含まれているIDを入力IDとしてそれに対応する出力IDをそのテーブルから検索し、さらに出力IDに対して優先順位をつける。出力IDには、入力IDそのものと組み合わせIDとがある。組み合わせIDとは、その入力IDを含む複数の入力IDの組み合わせに対して関連付けられたサービスに対応付けられたIDをいう。すなわち、上述したように、本発明では、複数の入力IDの組み合わせに対してもサービスを対応付けることができ、そのサービスに関連付けられたIDとしてタグから変換されたIDとは別のID(組み合わせID)を割り当てる。出力IDには、組み合わせIDの有無に関係なく、受け取ったIDリストに含まれる入力IDそれ自体が含まれる。
【0043】
この組み合わせIDは、ID管理サーバ40によって生成される。すなわち、サービス制御装置20が、いくつかのIDを含むIDリストに対する新しい組み合わせIDの割り当てをID管理サーバ40に要求し、この要求に応答してID管理サーバ40が、そのIDリストに含まれているIDを入力IDとして出力IDを生成する。この出力IDが組み合わせIDである。この場合、ID管理サーバ40は、(入力ID、出力ID、ウェイト)の組を自己のテーブルに登録する。
【0044】
サービス管理サーバ50は、IDとそのIDに関連付けられたチケットとの組をテーブル(以下、ID−チケットテーブルと記載)として有している。サービス管理サーバ50は、このテーブルから、サービス制御装置20から送られてくるIDに対応するチケットを検索することができる。このチケットには、サービス提供情報が記載されており、例えば、ID、モノやサービスの名称(商品名など)、モノの提供者(メーカーなど)、サービス提供先(ネットワーク上のURLなど)、サービス提供者などの情報を含めることができる。
【0045】
サービス管理サーバ50は、取り出したチケットをサービス制御装置20に送り、サービス制御装置20は、チケットに含まれる情報を端末装置10に送る。ユーザは、送られた情報から選択して、その情報に対応するサービスを提供するようサービス制御装置20に指示することができる。サービス制御装置20は、チケットに記載されたサービス提供先のアドレス(URLなど)からサービス提供先にアクセスし、サービスの内容が単なる情報の提示であれば、その情報を端末がダウンロードできるようにし、サービスの内容が、ある商品のカタログを印刷するという処理であれば、その印刷サービス(プログラム)を起動する、などといった処理を行う。
【0046】
「各サーバへのデータの登録」
タグ認識サーバ30、ID管理サーバ40、サービス管理サーバ50は、それぞれ、上述のようにテーブルを有している。従って、予めそのテーブルに必要なデータを登録しておく必要があるが、これらの登録はサービス提供業者が行うことができる。
【0047】
タグ認識サーバ30のタグ−IDテーブルには、タグとそれに対応するIDを組とするデータを登録する。例えば、ある特定のプリンタの機種(プリンタPとする)に付けられているタグがtag_pであるとし、このタグに対応するIDがid_pの場合には、tag_pとid_pの組をタグ−IDテーブルに登録する。
【0048】
ID管理サーバ40の入力−出力IDテーブルには、入力ID、出力ID及びウェイトの組を登録する。
【0049】
「ID管理サーバにおける出力IDの検索手順」
上述したように、ID管理サーバ40はサービス制御装置20から送られたIDリストに基づいて出力IDを検索し、複数の出力IDが検索された場合には、さらにそれらの出力IDに優先順位をつけて、優先順位の高いもののみをサービス制御装置20に返すIDとして取り出すことができる。ID管理サーバ40が入力IDから出力IDを検索して、優先順位の高い出力IDを取り出すまでの手順を以下に例示するが、以下では、入力ID数とウェイトの大きさとに基づいて優先順位を決定している。
【0050】
1)受け取ったIDリストに含まれる各IDを各入力IDとして、入力−出力IDテーブル中の各入力IDに対応する行を検索する。
【0051】
2)出力IDが同じものをまとめる。このとき、各ウェイトを合計していくと同時に、出力が同じIDごとに、その同じ出力IDはいくつの入力IDから得られたか、つまり、いくつの行にその同じ出力IDが含まれていたかを入力ID数としてカウントしておく。
【0052】
3)入力ID数が多い順にソートし、同じ入力ID数となったものはさらに出力IDごとのウェイトの大きい順にソートする。
【0053】
4)IDリストに含まれているIDの総数と同じ個数の入力ID数を有する出力IDがある場合には、それらの出力IDのみを選択し、ない場合には、入力ID数が最大のものを選択する。選択された出力IDが複数の場合にはウェイトの合計が最大のものを取出す。こうして取り出された出力IDがサービス管理サーバ50におけるチケットの検索に用いられるIDとなる。なお、ただ1つの出力IDを取出す代りに、3)でのソート結果の上位数個のIDを取出す、あるいは組み合わせIDを全て取り出し、ユーザへは上位のものから順に提示するなどの取り出し方法、提示方法を採用することもできる。
【0054】
ここで、3)のソートの意味を説明する。
【0055】
−入力ID数でソートする意味
以下の実施形態を見ればわかるように、組み合わせIDをもたらす全てのIDをユーザが入力せず、その一部のIDだけを入力した場合でもその組み合わせIDがヒットするような検索方法が採用されている。実施形態においてこのような「部分一致」的な検索方法を採用しているのは、完全一致を要求すると、特に組合せられるIDの個数が多くなった場合に自分が検索したい組み合わせIDに対応付けられたサービスがどのようなIDの組合せでヒットするかをユーザが正確に把握するのが困難な場合が多いと考えられるからである。このような「部分一致的」な検索では、IDリストを与えると、与えられたIDリスト中のIDの部分集合を含む組み合せIDが多数発見されることが予想される。そこで、入力ID数が大きいということは、IDリスト中のID全体の集合のうちの上述の部分集合の大きさがIDリスト中のID全体に占める割合が大きいということである。このように、IDリスト側から見た適合率が大きな組み合わせIDがユーザが求めているものである可能性が高いとみなしている。
【0056】
もちろん、検索の結果、複数の組み合わせIDに対して完全一致が起こった場合であっても、IDリストに多数のIDが入っている場合には、ユーザは多数のIDの組み合わせによる組み合わせIDを検索したいだろうとみなすことは多くの場合に妥当であると考えられる。
【0057】
−出力IDごとのウェイトでソートする意味
上述のIDリスト側から見た適合率が同じであっても、例えば10個のIDの組み合わせによってもたらされる組み合わせIDと50個の組み合わせによる組み合わせIDでは、与えられたIDリスト中の同数のID、例えば9個のID、との一致が取れたとしても同程度の一致であると考えることはできない。つまり、前者では組み合わせのほとんどのIDと一致しているのに対して、後者では一致しているIDは組合せられるIDの2割にも満たない個数だからである。つまり、IDリスト側から見た適合度が同じであっても、組み合わせID側から見た適合度は異なっているのである。
【0058】
出力毎のウェイトとは、IDリスト中の一致が取れたIDの個数を組合せられているIDの総数で割ったものであり、組み合わせID側から見た適合度を数値的に表現したものであると考えることができる。以下の実施形態では、IDリスト側から見た適合度が同じ場合には、ウェイトが大きい、すなわち組み合わせID側から見た適合度が大きい方を優先させるという、直感に合っている優先順位の付け方を採用している。
【0059】
以下、本発明の1実施形態として、図1に示す構成からなるサービス検索システムによるサービスの検索の具体例を2つ説明する。
【0060】
「データの登録及び検索の例1」
ある店A に tag_a というタグがついているものとする。tag_aに対してid_aというIDを割り当て、このタグとIDの組をタグ認識サーバ30のタグ−IDテーブルに登録する。
【0061】
店Aに関するサービス(例えば、店Aの紹介のウェブページなど)についてのチケットを作成し、id_aとこの作成したチケットの組をサービス管理サーバ50のID−チケットテーブルに登録する。
【0062】
店AにプリンタPが設置されており、プリンタP には tag_pというタグがついているものとする。プリンタPと同機種のプリンタにはこれと同じタグがつけられている。tag_pに対応するID(id_pとする)、及びこのIDに対応付けられたサービスについてのチケットは、通常はプリンタPの製造販売業者などが既にそれぞれタグ認識サーバ30のタグ−IDテーブル、及びサービス管理サーバ50のID−チケットテーブルに登録済みである。なお、プリンタPのIDに対応付けられているチケットは、例えばプリンタの情報にアクセスするための手順が格納されている場所のURL(サービスエンティティアクセスプロトコル格納先ポインタ)とその手順にしたがってプリンタの機種名や製造元情報、プリンタの仕様などの情報を提供している場所のURL(サービスエンティティポインタ)を含んでいる。もしプリンタPにIDが対応付けられていない場合には新規にそのIDを登録する。この場合、プリンタPについてのサービス(ID id_pに対応付けてID−チケットテーブルに登録するサービス)は特に登録する必要はないが、プリンタPについて独自のサービスを対応付けたい場合には、そのID id_pとそのサービスについてのチケットの組をID−チケットテーブルに登録してもよい。
【0063】
ここで、id_aとid_pというIDの組み合わせに対して、「店AのプリンタPで印刷する」というサービスを提供できるようにしておく。顧客はこのサービスを利用することにより、所望のカタログやチラシなどをプリンタPで印刷することができる。このサービスに関連付けられた組み合わせIDとして、ID管理サーバ40によって生成された新たなIDであるid_ap を割り当て、id_ap に対応するチケットとして、上記印刷サービスを提供するサイトに接続するための情報を作成して、サービス管理サーバ50に登録する。
【0064】
上記IDのうちID管理サーバ40にまだ登録されていないものがあれば、(入力ID、出力ID、ウェイト)の組としてID管理サーバ40のテーブルに登録する。今の例で、新たに生成されたid_apというIDがまだID管理サーバ40に登録されていない場合には、ID管理サーバ40は、id_a、id_pをそれぞれ入力IDとし、出力IDをid_apとする、(入力ID、出力ID、ウェイト)の組を新たに生成して登録する。具体的に示すと、ID管理サーバ40の入力−出力IDテーブルに新たに登録されるデータは、
id_a, id_ap, 1/2
id_p, id_ap, 1/2
の2つの組となる。尚、入力IDはid_aとid_pの2つなのでウェイトは1/2になる。
【0065】
次に、id_ap に関連付けられたサービスを提供するサイトへ接続するための情報をチケットとして作成して、サービス管理サーバ50のID−チケットテーブルに登録する。
【0066】
ここで、ユーザがtag_aを端末装置10で読み取り、サービス制御装置20にサービスの要求をした場合の処理手順について説明する。尚、店Aを表すtag_aの読み取りは、既知の手段を用いて行うことができる。例えば、店A内に配置されたRF−IDや赤外線ビーコンと端末装置10との通信によって、ユーザが店A内に入ったときに端末装置10が自動的に取得するようにしてもよいし、ユーザが端末装置10を使って店A内の壁などの物に付けられたタグを自発的に読み取るようにしてもよい。
【0067】
tag_aを受け取ったサービス制御装置20は、タグ認識サーバ30にtag_aに対応するIDを取り出すようタグ認識サーバ30に指示する。タグ認識サーバ30は、タグ−IDテーブルを検索し、tag_aに対応する id_a を取得してサービス制御装置20に送り返す。各ユーザは、サービス制御装置20上に1つまたは複数のIDリスト(空のリストであってもよい)を持っていて、そのうちの1つをデフォルト(既定)の取得IDリストとして設定できる(何も設定しなければ、適宜選択されたIDリストがデフォルトの取得IDリストとなる)。今のユーザがタグを読み込むと先ずデフォルトの取得ID(IDリスト1とする)にそのタグのIDが追加される。ユーザはそのIDを端末装置上の操作によって別のIDリストに複写、移動することもできる。タグの読み込みや他のIDリストからのIDの移動などによってIDのリストの状態が変化した時、ID管理サーバ40で当該IDリスト中のIDについて以下で具体的に説明する検索を行う。
【0068】
すなわち、サービス制御装置20はIDリスト1をID管理サーバ40に送り、それに含まれているID(今の場合は、id_aのみ)に関連する出力IDを検索するようID管理サーバ40に指示する。この場合ID管理サーバ40は、以下のような処理を行う。
【0069】
id_a についての入力ID、出力ID、ウェイトの組は、
1)id_a, id_a, 1
id_a, id_ap, 1/2
である。
【0070】
2)出力IDは id_aとid_apであり、同じものはないのでこれ以上はまとめられない。(入力ID数)×入力IDの形式で入力IDの列を表し、入力ID数でソートすると、
1×(id_a), id_a, 1
1×(id_a), id_ap, 1/2
となる。
【0071】
3)さらに、出力ID毎のウェイトでソートすると、
1×(id_a), id_a, 1
1×(id_a), id_ap, 1/2
となる。
【0072】
4)今の場合、上記2つのいずれの組もIDリストに含まれているIDの数と、入力ID数とが同じなので、ID管理サーバ40により最終的に取り出される出力IDは、id_aとid_ap である。ID管理サーバ40は、これらのIDを出力IDとしてサービス制御装置20に送る。
【0073】
サービス制御装置20は、id_aと id_ap をサービス管理サーバ50に送り、対応するチケットを検索するように指示する。サービス管理サーバ50は、ID−チケットテーブルを検索して、id_aから得られた例えば店Aの紹介ページの情報を含むチケットを取得し、id_apから「店AのプリンタPで印刷する」というサービスに関する情報が書かれたチケットを取得する。後者のチケットには、id_apが「店AのプリンタPで印刷するというサービス」を示すIDであるという情報の他にも、そのサービスを利用するために必要な情報、例えば、印刷を開始させるための手順が格納されている場所のURL(サービスエンティティアクセスプロトコル格納先ポインタ)とその手順にしたがって印刷するサービスを提供している場所のURL(サービスエンティティポインタ)などが含まれている。
【0074】
サービス制御装置20は、ユーザの端末装置10に対してチケットに含まれている情報を送る。すなわち、端末装置10に対して、id_aに対応するチケットから得られた情報(店Aの紹介ページの情報)と、id_apに対応するチケットから得られた情報(「店AのプリンタPで印刷する」というサービスがあるという情報及びそのサービスにアクセスするための情報)を送る。端末装置10はそれらの情報を表示画面に表示することができる。
【0075】
尚、サービス制御装置20は、ID管理サーバ40に出力IDの検索を指示する前に、タグ認識サーバ30から取得したid_a に対応するサービスを検索するようサービス管理サーバ50に指示することもできる。この場合は、サービス制御装置20は、ID管理サーバ40を介することなく、サービス管理サーバ50から、id_aに関連付けられている店Aの紹介ページの情報を含むチケットを直接取得することができる。
【0076】
続いて、ユーザが、端末装置10でtag_pを読み取ってサービス制御装置20にサービスの要求をした場合の処理手順について説明する。
【0077】
サービス制御装置20は、tag_pを受け取ると、それらのタグをタグ認識サーバ30に送って対応するIDを取得するよう指示する。タグ認識サーバ30は、タグ−IDテーブルを検索して、tag_pに対応するIDとして、id_p を取得して、サービス制御装置20に送り返す。
【0078】
サービス制御装置20は、id_pを今のユーザのIDリスト1に追加する。サービス制御装置20は、id_pをサービス管理サーバ50に送って上述したid_pに対応するチケットを得る。
【0079】
サービス制御装置20は、IDリスト1をID管理サーバ40に送り、IDリスト1に含まれているid_a、id_pに対応する出力IDを検索するようID管理サーバ40に指示する。ID管理サーバ40は、サービス制御装置20の指示に応答して以下の1)乃至4)の処理を行って出力IDを取り出す。
【0080】
1) id_a, id_p についての入力ID、出力ID、ウェイトの組として、該当する、
id_a, id_a, 1
id_a, id_ap, 1/2
id_p, id_ap, 1/2
の3つを取り出す。
2)id_apという同じ出力IDを含む組が2つあるのでその同じ出力IDを有するそれらの組を1つにまとめ、さらに、(入力ID数)×入力IDの形式で入力IDの列を表して、
1×(id_a), id_a, 1
2×(id_a+id_p), id_ap, 1/2+1/2
を生成する。
【0081】
3)入力ID数でソートして、
2×(id_a+id_p), id_ap, 1/2+1/2
1×(id_a), id_a, 1
を生成する。
【0082】
4)IDリストに含まれているIDの数がid_aとid_pの2つなので、入力ID数が2のもののみ残す。結果、id_ap (これが最も優先順位の高いIDである)のみが出力IDとして検索され、これらが、サービス制御装置20に送り返される。
【0083】
サービス制御装置20はid_apをサービス管理サーバ50に送り、対応するチケットを取得するよう指示する。サービス管理サーバ50は、id_apに対応するチケットをサービス制御装置20に送り返す。サービス制御装置20は、チケットに含まれる情報を端末装置10に送り、端末装置10はそれらの情報を表示する。ユーザは表示された情報が自分の望むサービスに関するものである場合には、そのサービスを提供するよう端末装置10を介してサービス制御装置20に要求することができる。サービス制御装置20は、id_apに対応する印刷サービスを提供しているサイトに接続し、ユーザが印刷サービスを利用できるようにする。具体的には、このようにして印刷サービスを提供しているサイトに接続されると、その後はユーザがこのサイトと対話して、例えば何を印刷したいかなどの必要な情報を入力し、店AのプリンタPへ出力させる。
【0084】
なお、この場合、店AのプリンタPから読み出させたタグから得られるIDは、特定の個体のプリンタのIDではなく、プリンタの機種に対応するIDである。このように同じIDのプリンタが多数存在するにもかかわらず、別のID(ここではそのプリンタが設置されている場所である店AのID)と組合せることで今ここにある個体としてのプリンタを指定できる。従って、プリンタPに個体を識別するためのタグを付ける必要はない。また更なる利点として、店Aで現在サービスに使用しているプリンタPが故障した場合、同機種の別の代替プリンタ(やはり機種を識別するタグがついている)に交換するだけで上述のサービスを継続できる。これとは対照的に、プリンタに個体識別タグを付け、このタグを読み出すことでその個体のIDが得られるようになっている場合には、直ちに、故障したプリンタから代替プリンタへ個体識別タグを移し替えたりあるいはサービス管理サーバ50に登録しておいた当該ID−チケットの対応関係中のIDをこの代替プリンタのIDに変更するという処置を取る必要がある。一般的に、同じ機能を発揮するものに交換する可能性がある程度高いなどの場合には、個体識別タグを付与する代りに、機種(同等品)識別IDと他のIDの組み合わせという形態で特定のモノを指定する方が管理が簡単になるなど便利なことが多い。
【0085】
「データの登録及び検索の例2」
オフィス1にファイルサーバ1が設置されており、オフィス2にプリンタ1が設置されているものとする。
【0086】
ファイルサーバ1に tag_f というタグがついており、同機種のファイルサーバにはこれと同じタグがついているとする。tag_f に対してid_fというIDを割り当て、このタグとIDの組をタグ認識サーバ30のタグ−IDテーブルに登録しておく。
【0087】
id_fに対して、このIDがファイルサーバであることを示す情報が書かれたチケットを作成してこのチケットをサービス管理サーバ50に登録しておく。
【0088】
プリンタ1に tag_pというタグがつけられており、同機種のプリンタにはこれと同じタグがつけられているものとする。tag_p に対して id_pというIDを割り当て、このタグとIDの組をタグ認識サーバ30のタグ−IDテーブルに登録しておく。id_pに対して、このIDがプリンタ1であることを示す情報が書かれたチケットを作成し、このチケットをサービス管理サーバ50に登録しておく。
【0089】
ここで、id_fとid_pというIDの組み合わせに対して、「ファイルサーバからプリンタへの印刷を制御する」というサービスを提供できるようにしておく。これはtag_fというタグが付されているファイルサーバの機種からtag_pというタグが付されているプリンタの機種への印刷を制御するサービスである。
【0090】
このサービスをid_fとid_pとを組み合わせたIDとして新たに生成されたid_fpに関連付ける。そして、上記「データの登録及び検索の例1」の場合と同様にして、これらのIDの対応関係(入力ID、出力ID、ウェイトの組)がID管理サーバ40に登録される。この場合は、id_f及びid_pが入力IDであり、id_fpはそれらの出力IDになる。具体的には、以下のような(入力ID、出力ID、ウェイト)の組がID管理サーバ40に登録されることになる。
【0091】
id_f, id_f, 1
id_p, id_p, 1
id_f, id_fp, 1/2
id_p, id_fp, 1/2
また、id_fpに対応して、「ファイルサーバからプリンタへの印刷を制御するサービス」にアクセスするための情報を含むチケットを作成して、サービス管理サーバ50に登録する。
【0092】
次に、オフィス1にtag_o1というタグをつける。tag_o1に対してid_o1というIDを割り当て、このタグとIDの組をタグ認識サーバ30のタグ−IDテーブルに登録しておく。id_o1に対して、このIDがオフィス1であることを示す情報が書かれたチケットを作成し、そのチケットをサービス管理サーバ50に登録しておく。
【0093】
今の例ではオフィス1にファイルサーバ1が設置されていることから、「オフィス1のファイルサーバ1にアクセスする」というサービスを提供するものとする。このサービスをid_o1とid_fとを組み合わせたIDとして新たに生成されたid_o1fに関連付ける。これらのIDの対応関係はID管理サーバ40に登録される。この場合は、ID管理サーバ40は入力ID id_o1及びid_fの組み合わせに関連付けて組み合わせID id_o1fを生成し、これらの対応関係を登録する。具体的には、以下のような(入力ID、出力ID、ウェイト)の組がID管理サーバ40に登録されることになる。
【0094】
id_o1, id_o1, 1
id_o1, id_o1f, 1/2
id_f, id_o1f, 1/2
尚、id_f, id_f, 1 の組はすでに登録されているので追加しない。また、サービス管理サーバ50のid_o1fに対応するチケットには、「オフィス1にあるファイルサーバ1へアクセスするサービス」にアクセスするための情報を記載する。
【0095】
次に、オフィス2にtag_o2というタグをつける。tag_o2に対してid_o2というIDを割り当てて、このタグとIDの組をタグ認識サーバ30のタグ−IDテーブルに登録しておく。id_o2に対して、このIDがオフィス2を示すという情報が書かれたチケットを作成し、そのチケットをサービス管理サーバ50に登録しておく。
【0096】
今の例では、オフィス2にプリンタ1が設置されていることから、「オフィス2のプリンタ1にアクセスする」というサービスを提供するものとする。このサービスをid_o2とid_pとを組み合わせたIDとして新たに生成されたid_o2p に関連付ける。これらのIDの対応関係はID管理サーバ40に登録される。この場合は、ID管理サーバ40は入力ID id_o2及びid_pの組み合わせに関連付けて組み合わせID id_o2pを生成し、これらの対応関係を登録する。具体的には、以下のような(入力ID、出力ID、ウェイト)の組がID管理サーバ40に登録されることになる。
【0097】
id_o2, id_o2, 1
id_o2, id_o2p, 1/2
id_p, id_o2p, 1/2
尚、id_p, id_p, 1はすでに登録されているので追加しない。また、サービス管理サーバ50のid_o2pに対応するチケットには、「オフィス2のプリンタ1にアクセスするサービス」にアクセスするための情報が含まれている。
【0098】
以下、オフィス1のファイルサーバ1にはユーザのファイルが置かれているものとし、ユーザが、端末装置10でオフィス1及びファイルサーバ1のタグを読み取って、サービス制御装置20に対してサービス要求をした場合の処理手順について説明する。
【0099】
取得したタグ tag_o1, tag_f は、サービス制御装置20を介してタグ認識サーバ30に送られ、タグ認識サーバ30はそのタグ−IDテーブルからid_o1, id_f を検索して、サービス制御装置20に送り返す。サービス制御装置20は、既に述べたように、受け取ったこれらのIDをデフォルトのIDリスト(ここではIDリスト2とする)に入れる。現時点では、IDリスト2のIDの要素は、id_o1とid_fのみである。
【0100】
次にユーザがオフィス2を訪問し、オフィス2のタグ tag_o2 を端末装置10で読み取る。tag_o2の読み取りは、上述の「データの登録及び検索の例1」の場合と同様の既知の手段により行うことができる。
【0101】
サービス制御装置20は、端末から送られたタグ(tag_o2)をタグ認識サーバ30に送り、対応するIDを取得するよう指示する。タグ認識サーバ30は、タグ−IDテーブルを検索して tag_o2からid_o2 を検索し、これをサービス制御装置20に送り返す。このIDは、上記IDリスト2に追加され、この時点で、IDリスト2の要素は(id_o1, id_f, id_o2)となる。
【0102】
次に、ユーザは、オフィス2にあるプリンタ1で印刷したいと考え、プリンタ1のタグ tag_p を読みとる。同様に、サービス制御装置20を介してこのタグがタグ認識サーバ30に送られ、タグ認識サーバ30は、tag_pに対応するIDであるid_pを検索して、サービス制御装置20に送り返す。このIDも同様にIDリスト2に追加される。この時点で、IDリスト2の要素は、(id_o1, id_f, id_o2, id_p)となる。このIDリスト2をID管理サーバ40に渡すと、ID管理サーバ40は以下のような処理を行う。
【0103】
1)id_o1, id_f, id_o2, id_p を入力IDとして、(入力ID、出力ID、ウェイト)の組からなるテーブルを検索し、マッチする組として
id_f, id_fp, 1/2
id_p, id_fp, 1/2
id_o1, id_o1, 1
id_f, id_f, 1
id_o1, id_o1f, 1/2
id_f, id_o1f, 1/2
id_o2, id_o2, 1
id_p, id_p, 1
id_o2, id_o2p, 1/2
id_p, id_o2p, 1/2
を得る。
【0104】
2)出力IDが同じものをまとめ、入力ID数×入力IDの形式で入力IDの列を表して、
2×(id_f+id_p), id_fp, 1×(1/2+1/2)
1×(id_o1), id_o1, 1
1×(id_f), id_f, 1
2×(id_o1+id_f), id_o1f, 1×(1/2+1/2)
1×(id_o2), id_o2, 1
1×(id_p), id_p, 1
2×(id_o2+id_p), id_o2p, 1×(1/2+1/2)
を生成する。
【0105】
3)入力ID数でソートし、
2×(id_f+id_p), id_fp, 1×(1/2+1/2)
2×(id_o1+id_f), id_o1f, 1×(1/2+1/2)
2×(id_o2+id_p), id_o2p, 1×(1/2+1/2)
1(id_o1), id_o1, 1
1(id_f), id_f, 1
1(id_o2), id_o2, 1
1(id_p), id_p, 1
を生成する。
【0106】
4)従って、以下の出力IDの列
id_fp, id_o1f, id_o2p (入力ID数2)
id_o1, id_f, id_o2, id_p (入力ID数1)
を得る。
【0107】
ID管理サーバ40は、これらの上位のもの(入力ID数が2であるもの)を優先順位が最も高いIDとしてサービス制御装置20に送る。サービス制御装置20は取得したこれらのIDをサービス管理サーバ50に送って、対応するチケットを検索するよう指示する。上述したようにそれらのIDに対応するチケットには、以下のような情報が含まれている。
id_fpに対応するチケット:ファイルサーバからプリンタへの印刷を制御するサービスにアクセスするための情報
id_o1fに対応するチケット:オフィス1にあるファイルサーバ1へアクセスするサービスにアクセスするための情報
id_o2pに対応するチケット:オフィス2のプリンタ1にアクセスするサービスにアクセスするための情報。
【0108】
サービス制御装置20は、これらのチケットに記載された情報をユーザの端末に送る。この場合、ユーザには利用可能なサービスにはどのようなものがあるかが分かればよいので、チケットの情報をそのまま送るよりも、例えば、印刷サービス、オフィス1のファイルサーバ1、オフィス2のプリンタ1というような、ユーザが提供される情報を直感的に理解可能な形式にして送るのが好ましい。ユーザの端末装置10には、これらの情報が選択可能なメニューとして表示される。
【0109】
ユーザはオフィス1にあるファイルサーバ1に格納されている自分のファイルをオフィス2にあるプリンタ1で印刷したいので、自己の端末装置10に表示されたメニューから先ず印刷サービスを選択する。これに応答して、サービス制御装置20は、対応するチケットに記載されたサービス提供サイト60に接続して、そのサイトにある印刷サービスにid_o1fとid_o2pを渡す。id_o1fとid_o2p を渡された印刷サービスは、サービス管理サーバ50を検索して、それぞれ、オフィス1にあるファイルサーバ1に接続する情報とオフィス2にあるプリンタ1に接続する情報を得ることができる。これらの情報を使って印刷サービスはオフィス1にあるファイルサーバ1にもオフィス2にあるプリンタ1にも接続できる。ユーザが端末から印刷サービスを選択すると、印刷サービスは、オフィス1にあるファイルサーバ1に接続してどのようなファイルがあるかを取得し、それらのファイル情報をユーザの端末装置10に送る。
【0110】
端末装置10は送られたファイル情報を表示し、ユーザは表示されたファイル情報から印刷したいファイルを選択して、そのファイルの印刷を実行する旨の要求を出すとサービス制御装置20はその情報を印刷サービスに渡し、印刷サービスはファイルサーバ1からそのファイルを取り出して、オフィス2にあるプリンタ1で印刷を行うことができる。
【0111】
なお、上の説明では、オフィス、プリンタ、ファイルサーバのいずれか1つのIDのみに対応付けられたチケットも登録するものとして説明を行ったが、登録しておくべき最小限のチケットは、これらのIDの組み合わせに対応付けられたチケットだけであることに注意されたい。
【0112】
以下にサービス制御装置や端末装置が具備することが可能な他の機能について説明する。
【0113】
サービス制御装置は保持しているユーザ毎のIDリストをそのユーザの端末装置に送ることができる。この場合、端末装置がIDリストを保持する必要がないのでその分端末装置の資源を有効に使用することができる。また、ユーザは、端末装置を操作することにより、サービス制御装置内のIDリストから指定したIDを削除することもできる。この場合、ユーザがそのIDリストを選択してサービスの検索の指示をサービス制御装置に送ると、サービス制御装置はその削除された状態のIDリストをID管理装置に送り、以下上記と同様にしてサービスの提供が行われる。
【0114】
また、IDリストを利用することで、ユーザは、以前利用したサービスを再度利用する場合に、自己の端末装置で何度も同じタグを読み取る必要がなくなる。端末装置からの要求に応じてサービス制御装置が端末装置にIDリストを送ると、端末装置にはサービス制御装置から送られたIDリスト(1または複数)が表示される。ユーザは端末装置に表示された1または複数のIDリストの中から所望のリストを選択してサービス制御装置に送信する。この場合、サービス制御装置は、タグ認識サーバ30に指示を出すことなく、その選択されたIDリストをID管理サーバ40に送り、以下、上記と同様にしてユーザはサービスを利用することができる。
【0115】
さらにサービス制御装置は、ユーザのIDリストにそのIDリストに対応する出力IDを含め、端末装置に送ることもできる。ユーザは、端末装置に表示された出力IDを選択してサービス制御装置に送ると、サービス制御装置は、直接、サービス管理サーバ50にその出力IDを送って対応するチケットを取得することができる。この場合、サービス制御装置は、タグ認識サーバ30にもID管理サーバ40にもアクセスする必要がなく処理負荷が軽減される。
【0116】
【発明の効果】
本発明によれば、複数のモノの組み合わせに対して関連付けられたサービスを提供することができると共に、ユーザは、それらのモノに対応付けられた各IDを指定するという簡単な操作で、それらのサービスを利用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態のシステム構成を示す略図である。
【図2】タグとIDの対応関係、及びID間の関連付けの一例を示す図である。
【符号の説明】
10 端末装置
20 サービス制御装置
30 タグ認識サーバ
40 ID管理サーバ
50 サービス管理サーバ
60 サービス提供サイト
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報やサービスを提供するためのシステム及び方法に関し、特に、1または複数のモノの組み合わせに対して情報やサービスを関連付けて提供するためのシステム及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
モノに固有の識別番号を付して、その識別番号からそのモノに関する情報を取り出して在庫管理などに利用するシステムが、例えば下記の文献に記載されている。しかしながら、これらの従来のシステムは、各々独立した識別番号から個別に特定される情報を取り出すことはできるが、それらの識別番号から特定される物にサービスを関連付けて提供するようにはなっていない。
【0003】
そこで、本願出願人は先の特許出願2002−109629「サービス提供システム及びサービス提供方法」において、さまざまなものに識別子を関連付け、この識別子を読み取ってそのものに関連付けられているサービスを検索し提供するシステムを提案した。先の出願のシステムでは、1つのもの、すなわち識別子に対して情報やサービスを関連付けて提供するように構成されている。
【0004】
【非特許文献1】
日経コミュニケーション2003年2月3日号、「あらゆるモノに極小無線タグを内蔵−ネット経由の商品追跡も可能ID使用に日米2方式が名乗り」、p78−80
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
複数のモノの組み合わせに対して、組み合わせ中の個々のモノに関連付けられているものとは別の情報やサービスを関連付けて提供することができれば、ユーザはそのモノを特定するための識別子を組み合わせを指定することにより、1つのモノから情報やサービスを検索して指定することしかできない場合に比べて、柔軟な指定を行うことができるので便利である。また、サービスの提供者にとっても、わかりやすく柔軟なサービスの指定方法を提供できるという利点がある。
【0006】
例えば、あるオフィスAの識別子とあるプリンタBの識別子(ここでプリンタBの識別子は例えばプリンタBというモデルを識別するものであり、プリンタの個体を識別するものではないとする)を指定することにより、オフィスAにあるプリンタBという特定のプリンタの個体で、あるドキュメントを印刷するといった作業を行うことができればユーザにとっては便利である。また、モノの識別子を情報またはサービス提供エンティティへのポインタとして利用することにより、複数のサービスを組み合わせて実行する際に各サービスの手続き情報そのものをやり取りする場合に比べて、システム全体の処理負荷の軽減を図ることができる。
【0007】
更に、新たなサービスを関連付けようとするモノにそのような関連付けを行うために必要となる識別子に対応付けられ、識別子を検索するキー情報を提供するタグをモノに添付する代りに、既存の識別子の組み合わせでサービスを指定することができれば、このような新たな識別子用のタグをモノに添付するなどのタグ管理上の手間を省力することも可能となる。なお、タグについては後述する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本明細書においてモノとは、工業製品、建築物などの物理的な実体を持つ物だけでなく、サービスやデータなどの物理的実体を持たない概念上のものも含む、あらゆる「もの」を意味する。
【0009】
本発明では、モノを識別するための識別子としてグローバルID(以下、単にIDと称する)を使用する。
【0010】
ここで、タグとIDの対応付け及びID間の関連付けの概念について例を用いて説明する。なお、タグとはモノから直接的に得られる識別情報である。タグは必要に応じて商品にすでに付与されバーコードなどで表示されている既存の商品コード、製品の型番、シリアル番号などを使用したり、あるいは新規に付与するにしても、どのような手段で具体的にモノの上で表示するかによってフォーマットが異なることがあるなど、全てのモノに対して一貫した体系とすることが困難であるため、モノから直接得られるタグをそのままIDとするのではなく、タグを1ないし複数段階変換したものをIDとして使用することが好ましい。
【0011】
図2(A)では、ある空間Aにtag_aというタグが付されており、その空間内には、ある製品(プリンタPとする)があって、その製品にtag_1というタグが付されている。tag_1は、同一機種のプリンタに共通に付されるタグであるものとする。
【0012】
また、別の空間Bには、tag_bというタグが付されており、その空間内には、製品P’(プリンタPと同じ機種のプリンタ)と製品Q(例えばパソコン)があって、それぞれにtag_1、tag_2というタグが付されている。
【0013】
ここで、tag_a、tag_b、tag_1、tag_2にそれぞれ、IDa、IDb、ID1、ID2というIDをそれぞれ割り当て、これらのうちの2つのIDの組み合わせとして、IDa+ID1、IDb+ID1、IDb+ID2という3つの組み合わせを考え、それぞれに対してIDa1、IDb1、IDb2というIDを対応付ける。
【0014】
これらのIDに対して、入力ID、出力ID、ウェイトの組からなる図2(B)に示すような表を作成する。ここでのウェイトは、出力IDに対する入力IDの数で決まり、1をその入力IDの数で除したものである。
【0015】
このようにすると、例えば、入力IDaに対しては出力としてIDaとIDa1が取り出される。ウェイトの大きい方を優先的に取り出すことにすれば、IDaが優先的に取り出される。IDa+ID1では、ヒットするのはIDa1だけである。したがって、例えば、IDa1に、空間A内のプリンタPに対してあるサービスを割り当てれば、IDaとID1という2つのIDを指定することにより、そのようなサービスを検索することができることになる。このように、空間と物とを関連付けたサービスをIDの組み合わせに対応付けることもできる。
【0016】
本発明の1実施形態では、タグとIDとの対応関係を表すテーブルがタグ認識サーバに、図2(B)のような入力ID、出力ID、及びウェイトの組からなるテーブルがID管理サーバに格納される。また、上記IDの組み合わせに対応するIDa1などのIDも後述するようにID管理サーバによって生成される。
【0017】
本願発明のサービス提供システムまたはサービス提供方法は以下のような態様を有する。第1乃至第12の態様はサービス提供システムに係る態様であり、第13乃至第18の態様はサービス提供方法に係る態様である。
【0018】
第1の態様は、モノに対応付けられたID(第1のID)またはそれらのIDの組み合わせに対応するID(第2のID)に対して関連付けられたサービスを検索するサービス提供システムであって、サービスの要求を受け付けるよう構成されたサービス制御手段と、サービス制御手段の指示に応答して、上記第1のIDに関連付けられた上記第1または第2のIDを検索するためのID管理手段と、 サービス制御手段の指示に応答して、上記第1または第2のIDに関連付けられたサービスに関する情報を検索するためのサービス管理手段とを備える。
【0019】
第1の態様によれば、モノの組み合わせに対して関連付けられたサービスを、対応するIDの組み合わせを指定することにより検索することができるので、ユーザは、それぞれのサービスを個別に利用する必要がなくなり、効率的にサービスを利用することが可能になる。
【0020】
第2の態様は、第1の態様のサービス提供システムにおいて、サービス制御手段がタグ情報を受け取るよう構成されており、さらに、サービス制御手段の指示に応答して、タグ情報を上記第1のIDに変換するためのタグ認識手段を備える。
【0021】
第3の態様は、第2の態様のサービス提供システムが、さらに、タグ情報を取得して、サービス制御手段に送るための端末装置を備える。第3の態様によれば、ユーザは端末装置でモノのタグ情報を読み取るという簡単な操作を行うことにより、そのモノに関連付けられたサービスを検索することが可能になる。
【0022】
第4の態様は、第1乃至第3のいずれかの態様のサービス提供システムが、サービスを提供するためのサービス提供手段をさらに備える。
【0023】
第5の態様は、第1乃至第4のいずれかの態様のサービス提供システムにおいて、ID管理手段が、複数のIDを検索した場合に、それらのIDに対して優先順位を付け、優先順位の最も高いIDをサービス制御手段に返すよう構成される。第5の態様によれば、優先順位の低いIDに関連付けられたサービスの検索が回避されるので、ユーザは、所望のサービスのみをより迅速に利用することが可能になる。
【0024】
第6の態様は、第2乃至第5のいずれかの態様のサービス提供システムにおいて、サービス制御手段が、タグ認識手段によって変換された上記第1のIDと、ID管理手段によって検索された上記第1または第2のIDとを受け取るよう構成される。
【0025】
第7の態様は、第3乃至第6のいずれかの態様のサービス提供システムにおいて、サービス制御手段が、端末装置からユーザ情報を取得し、ユーザ情報とタグ認識手段から受け取った上記第1のIDとから、ユーザ毎のIDリストを作成するよう構成される。第7の態様によれば、記憶容量の小さな機器でも端末装置として利用できるとともに、同一人が状況に応じて複数の端末装置を使い分けるという使用形態で有用である。
【0026】
第8の態様は、第5乃至第7のいずれかの態様のサービス提供システムにおいて、ID管理手段が、IDリストに含まれるIDを入力IDとして、各入力IDに対応するIDを検索し、検索されたIDに対応する入力IDの数に基づいて、検索されたIDに優先順位を付けるよう構成される。第8の態様によれば、IDリストに含まれるIDの集合に対する一致の程度が高い組み合わせIDに高い優先度を与えることができるので、多くの場合に妥当な組み合わせIDをユーザに対して提示することが可能となる。
【0027】
第9の態様は、第8の態様のサービス提供システムにおいて、ID管理手段がさらに、入力IDとその入力IDに対応して検索されたIDとの組み合わせによって決まるウェイトを有しており、対応する入力IDの数が同じであるIDが複数検索された場合には、さらにウェイトの大きさに基づいて優先順位を付けるよう構成される。第9の態様によれば、IDリストに含まれるIDの集合に対する一致の程度が同じ組み合わせIDのうちで、IDリスト中の一致が取れたIDからなる集合が組合せられているIDの集合に対して占める割合が大きなものに高い優先度を与えることができるので、人間の直感に更に良く適合する妥当性の高い優先順位付けが可能となる。
【0028】
第10の態様は、第3乃至第9のいずれかの態様のサービス提供システムにおいて、サービス制御手段が、検索されたサービスに関する情報を端末装置に送るよう構成される。
【0029】
第11の態様は、第10の態様のサービス提供システムにおいて、サービス制御手段が、端末装置の指示に基づいて、サービス提供手段にアクセスするよう構成される。
【0030】
第12の態様は、第1乃至第11のいずれかの態様のサービス提供システムにおいて、ID管理手段が、上記第1のIDの組み合わせに対応する上記第2のIDが存在しない場合には、サービス制御手段の指示に応答して、上記第2のIDを生成するよう構成される。
【0031】
第13の態様は、モノに対応付けられたID(第1のID)またはそのIDの組み合わせに対応するID(第2のID)に対して関連付けられたサービスを提供するためのサービス提供方法であって、端末装置からのサービスの要求を受け付けるステップと、上記第1のIDに関連付けられた上記第1または第2のIDを検索するステップと、上記第1または第2のIDに関連付けられたサービスに関する情報を検索するステップを含む。
【0032】
第14の態様は、第13の態様のサービス提供方法が、さらに、タグ情報を取得するステップと、タグ情報を上記第1のIDに変換するステップとを含む。
【0033】
第15の態様は、第13または第14の態様のサービス提供方法が、さらに、上記検索された情報に基づいてサービスを提供するステップを含む。
【0034】
第16の態様は、第13乃至第15のいずれかの態様のサービス提供方法が、さらに、上記第1のIDを登録するステップと、上記第2のIDを登録するステップと、上記第1または第2のIDに関連付けられたサービスに関する情報を生成するステップと、上記第1または第2のIDに関連付けられたサービスを準備するステップを含む。第16の態様によれば、個々のモノに対応付けられたID(第1のID)の組み合わせに対応するID(第2のID)にサービスを関連付けることができるので、複数のモノの組み合わせに対して、組み合わせ中の個々のモノに関連付けられているものとは別のサービスを提供することが可能になる。
【0035】
第17の態様は、第15または第16の態様のサービス提供方法におけるサービスを提供するステップが、さらに、上記検索された情報を端末装置に送るステップと、その送られた情報を端末装置で選択するステップと、その選択された情報に基づいてその情報に対応するサービスにアクセスするステップを含む。
【0036】
第18の態様は、第13乃至第17のいずれかの態様のサービス提供方法における第1または第2のIDを検索するステップが、さらに、上記第1のIDに関連するIDを出力IDとして検索するステップと、同じ出力IDに対応する入力IDの数をカウントするステップと、入力IDの数が多い順に、入力IDと出力IDの組を並べるステップを含む。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下では、「サービス」という用語には、ある対象に対して何らかの処理を伴うサービスだけでなく、情報そのものの提示も含まれるものとする。
【0038】
図1は本発明によるサービス提供システムの1実施形態の構成を概念的に示した図である。端末装置10は、モノに付されたタグを読み取ってサービス制御装置20に送ることができるように構成されており、ユーザが持ち運び可能な携帯型のものとすることができる。端末装置10には、バーコードリーダやRF−IDなどの読み取り手段を設けることができ、これによって、数字や文字コードあるいはイメージ情報として何らかの媒体に埋め込まれたタグ情報を読み取ることができる。また、端末装置10とサービス制御装置20とは、周知の公衆回線や専用回線等の通信経路を介して接続され、サービス制御装置20は、端末装置10から受信したタグをタグ認識サーバ30に送信する。タグ認識サーバ30は、タグとそのタグに対応するIDとの組をテーブル(以下、タグ−IDテーブルと記載)として有しており、サービス制御装置20から受け取ったタグに対応するIDをそのテーブルから取り出すことができる。
【0039】
サービス制御装置20は、タグ認識サーバ30から変換されたIDを受け取り、それをIDリストとして保持する。サービス制御装置20は、さらに、端末装置10からタグと共にまたは個別に送られてくる端末情報からユーザを識別することができ、ユーザが端末装置10を使って送ったタグに対応するIDのリスト(IDリスト)をユーザ毎に作成し保持することができる。例えば、あるユーザAが、tag_aとtag_bという2つのタグ(これらのタグは、それぞれ、id_a、id_bというIDに対応するものとする)を端末装置10でサービス管理サーバ50に送って、これらのタグに関連した情報またはサービスを提供するよう要求した場合には、ユーザAに対して、(id_a、id_b)というIDリストが作成されて保持されることになる。サービス制御装置20は、このIDリストをID管理サーバ40に送信する。
【0040】
なお、IDリストは、サービス制御装置20に保持する代りに、例えば端末装置10で保持するようにしてもよい。IDリストを上述のようにサービス制御装置20側に保持することの利点は以下の通りである。
1)端末装置10は携帯電話など小型・軽量であることが重視されるので、IDリストを端末装置10側に置こうとすると、IDリスト自体やその管理のためのプログラムが占有するメモリ領域の確保が困難な場合がある。サービス制御装置側でIDリストを保持すればそのような問題は起きない。
2)ユーザが複数の端末装置を使い分ける場合、IDリストをサービス制御装置20側で保持する構成では、ユーザがサービス検索・利用のセッションが終わった後でもIDリストをサービス制御装置側に保存し、ユーザが別の端末装置から新たなセッションを開始した場合に以前のセッションの間に取り込んだIDのリストを再利用することができる。例えば、職場ではパーソナルコンピュータを用いてこの種の検索を行い、外出時には携帯電話やPDAなどのモバイル機器で検索を行うという作業形態に適した構成である。
【0041】
ID管理サーバ40は、IDとそのIDに対応する出力IDとを、入力IDと出力IDの組からなるテーブル(以下、入力−出力IDテーブルと記載)として有している。このテーブルには、さらに、上述したウェイトを含めることができる。ウェイトを用いることによって、その入力IDが出力IDを構成するにあたってどれくらい必要度があるかを表すことができる。
【0042】
ID管理サーバ40は、サービス制御装置20から受け取ったIDリストに含まれているIDを入力IDとしてそれに対応する出力IDをそのテーブルから検索し、さらに出力IDに対して優先順位をつける。出力IDには、入力IDそのものと組み合わせIDとがある。組み合わせIDとは、その入力IDを含む複数の入力IDの組み合わせに対して関連付けられたサービスに対応付けられたIDをいう。すなわち、上述したように、本発明では、複数の入力IDの組み合わせに対してもサービスを対応付けることができ、そのサービスに関連付けられたIDとしてタグから変換されたIDとは別のID(組み合わせID)を割り当てる。出力IDには、組み合わせIDの有無に関係なく、受け取ったIDリストに含まれる入力IDそれ自体が含まれる。
【0043】
この組み合わせIDは、ID管理サーバ40によって生成される。すなわち、サービス制御装置20が、いくつかのIDを含むIDリストに対する新しい組み合わせIDの割り当てをID管理サーバ40に要求し、この要求に応答してID管理サーバ40が、そのIDリストに含まれているIDを入力IDとして出力IDを生成する。この出力IDが組み合わせIDである。この場合、ID管理サーバ40は、(入力ID、出力ID、ウェイト)の組を自己のテーブルに登録する。
【0044】
サービス管理サーバ50は、IDとそのIDに関連付けられたチケットとの組をテーブル(以下、ID−チケットテーブルと記載)として有している。サービス管理サーバ50は、このテーブルから、サービス制御装置20から送られてくるIDに対応するチケットを検索することができる。このチケットには、サービス提供情報が記載されており、例えば、ID、モノやサービスの名称(商品名など)、モノの提供者(メーカーなど)、サービス提供先(ネットワーク上のURLなど)、サービス提供者などの情報を含めることができる。
【0045】
サービス管理サーバ50は、取り出したチケットをサービス制御装置20に送り、サービス制御装置20は、チケットに含まれる情報を端末装置10に送る。ユーザは、送られた情報から選択して、その情報に対応するサービスを提供するようサービス制御装置20に指示することができる。サービス制御装置20は、チケットに記載されたサービス提供先のアドレス(URLなど)からサービス提供先にアクセスし、サービスの内容が単なる情報の提示であれば、その情報を端末がダウンロードできるようにし、サービスの内容が、ある商品のカタログを印刷するという処理であれば、その印刷サービス(プログラム)を起動する、などといった処理を行う。
【0046】
「各サーバへのデータの登録」
タグ認識サーバ30、ID管理サーバ40、サービス管理サーバ50は、それぞれ、上述のようにテーブルを有している。従って、予めそのテーブルに必要なデータを登録しておく必要があるが、これらの登録はサービス提供業者が行うことができる。
【0047】
タグ認識サーバ30のタグ−IDテーブルには、タグとそれに対応するIDを組とするデータを登録する。例えば、ある特定のプリンタの機種(プリンタPとする)に付けられているタグがtag_pであるとし、このタグに対応するIDがid_pの場合には、tag_pとid_pの組をタグ−IDテーブルに登録する。
【0048】
ID管理サーバ40の入力−出力IDテーブルには、入力ID、出力ID及びウェイトの組を登録する。
【0049】
「ID管理サーバにおける出力IDの検索手順」
上述したように、ID管理サーバ40はサービス制御装置20から送られたIDリストに基づいて出力IDを検索し、複数の出力IDが検索された場合には、さらにそれらの出力IDに優先順位をつけて、優先順位の高いもののみをサービス制御装置20に返すIDとして取り出すことができる。ID管理サーバ40が入力IDから出力IDを検索して、優先順位の高い出力IDを取り出すまでの手順を以下に例示するが、以下では、入力ID数とウェイトの大きさとに基づいて優先順位を決定している。
【0050】
1)受け取ったIDリストに含まれる各IDを各入力IDとして、入力−出力IDテーブル中の各入力IDに対応する行を検索する。
【0051】
2)出力IDが同じものをまとめる。このとき、各ウェイトを合計していくと同時に、出力が同じIDごとに、その同じ出力IDはいくつの入力IDから得られたか、つまり、いくつの行にその同じ出力IDが含まれていたかを入力ID数としてカウントしておく。
【0052】
3)入力ID数が多い順にソートし、同じ入力ID数となったものはさらに出力IDごとのウェイトの大きい順にソートする。
【0053】
4)IDリストに含まれているIDの総数と同じ個数の入力ID数を有する出力IDがある場合には、それらの出力IDのみを選択し、ない場合には、入力ID数が最大のものを選択する。選択された出力IDが複数の場合にはウェイトの合計が最大のものを取出す。こうして取り出された出力IDがサービス管理サーバ50におけるチケットの検索に用いられるIDとなる。なお、ただ1つの出力IDを取出す代りに、3)でのソート結果の上位数個のIDを取出す、あるいは組み合わせIDを全て取り出し、ユーザへは上位のものから順に提示するなどの取り出し方法、提示方法を採用することもできる。
【0054】
ここで、3)のソートの意味を説明する。
【0055】
−入力ID数でソートする意味
以下の実施形態を見ればわかるように、組み合わせIDをもたらす全てのIDをユーザが入力せず、その一部のIDだけを入力した場合でもその組み合わせIDがヒットするような検索方法が採用されている。実施形態においてこのような「部分一致」的な検索方法を採用しているのは、完全一致を要求すると、特に組合せられるIDの個数が多くなった場合に自分が検索したい組み合わせIDに対応付けられたサービスがどのようなIDの組合せでヒットするかをユーザが正確に把握するのが困難な場合が多いと考えられるからである。このような「部分一致的」な検索では、IDリストを与えると、与えられたIDリスト中のIDの部分集合を含む組み合せIDが多数発見されることが予想される。そこで、入力ID数が大きいということは、IDリスト中のID全体の集合のうちの上述の部分集合の大きさがIDリスト中のID全体に占める割合が大きいということである。このように、IDリスト側から見た適合率が大きな組み合わせIDがユーザが求めているものである可能性が高いとみなしている。
【0056】
もちろん、検索の結果、複数の組み合わせIDに対して完全一致が起こった場合であっても、IDリストに多数のIDが入っている場合には、ユーザは多数のIDの組み合わせによる組み合わせIDを検索したいだろうとみなすことは多くの場合に妥当であると考えられる。
【0057】
−出力IDごとのウェイトでソートする意味
上述のIDリスト側から見た適合率が同じであっても、例えば10個のIDの組み合わせによってもたらされる組み合わせIDと50個の組み合わせによる組み合わせIDでは、与えられたIDリスト中の同数のID、例えば9個のID、との一致が取れたとしても同程度の一致であると考えることはできない。つまり、前者では組み合わせのほとんどのIDと一致しているのに対して、後者では一致しているIDは組合せられるIDの2割にも満たない個数だからである。つまり、IDリスト側から見た適合度が同じであっても、組み合わせID側から見た適合度は異なっているのである。
【0058】
出力毎のウェイトとは、IDリスト中の一致が取れたIDの個数を組合せられているIDの総数で割ったものであり、組み合わせID側から見た適合度を数値的に表現したものであると考えることができる。以下の実施形態では、IDリスト側から見た適合度が同じ場合には、ウェイトが大きい、すなわち組み合わせID側から見た適合度が大きい方を優先させるという、直感に合っている優先順位の付け方を採用している。
【0059】
以下、本発明の1実施形態として、図1に示す構成からなるサービス検索システムによるサービスの検索の具体例を2つ説明する。
【0060】
「データの登録及び検索の例1」
ある店A に tag_a というタグがついているものとする。tag_aに対してid_aというIDを割り当て、このタグとIDの組をタグ認識サーバ30のタグ−IDテーブルに登録する。
【0061】
店Aに関するサービス(例えば、店Aの紹介のウェブページなど)についてのチケットを作成し、id_aとこの作成したチケットの組をサービス管理サーバ50のID−チケットテーブルに登録する。
【0062】
店AにプリンタPが設置されており、プリンタP には tag_pというタグがついているものとする。プリンタPと同機種のプリンタにはこれと同じタグがつけられている。tag_pに対応するID(id_pとする)、及びこのIDに対応付けられたサービスについてのチケットは、通常はプリンタPの製造販売業者などが既にそれぞれタグ認識サーバ30のタグ−IDテーブル、及びサービス管理サーバ50のID−チケットテーブルに登録済みである。なお、プリンタPのIDに対応付けられているチケットは、例えばプリンタの情報にアクセスするための手順が格納されている場所のURL(サービスエンティティアクセスプロトコル格納先ポインタ)とその手順にしたがってプリンタの機種名や製造元情報、プリンタの仕様などの情報を提供している場所のURL(サービスエンティティポインタ)を含んでいる。もしプリンタPにIDが対応付けられていない場合には新規にそのIDを登録する。この場合、プリンタPについてのサービス(ID id_pに対応付けてID−チケットテーブルに登録するサービス)は特に登録する必要はないが、プリンタPについて独自のサービスを対応付けたい場合には、そのID id_pとそのサービスについてのチケットの組をID−チケットテーブルに登録してもよい。
【0063】
ここで、id_aとid_pというIDの組み合わせに対して、「店AのプリンタPで印刷する」というサービスを提供できるようにしておく。顧客はこのサービスを利用することにより、所望のカタログやチラシなどをプリンタPで印刷することができる。このサービスに関連付けられた組み合わせIDとして、ID管理サーバ40によって生成された新たなIDであるid_ap を割り当て、id_ap に対応するチケットとして、上記印刷サービスを提供するサイトに接続するための情報を作成して、サービス管理サーバ50に登録する。
【0064】
上記IDのうちID管理サーバ40にまだ登録されていないものがあれば、(入力ID、出力ID、ウェイト)の組としてID管理サーバ40のテーブルに登録する。今の例で、新たに生成されたid_apというIDがまだID管理サーバ40に登録されていない場合には、ID管理サーバ40は、id_a、id_pをそれぞれ入力IDとし、出力IDをid_apとする、(入力ID、出力ID、ウェイト)の組を新たに生成して登録する。具体的に示すと、ID管理サーバ40の入力−出力IDテーブルに新たに登録されるデータは、
id_a, id_ap, 1/2
id_p, id_ap, 1/2
の2つの組となる。尚、入力IDはid_aとid_pの2つなのでウェイトは1/2になる。
【0065】
次に、id_ap に関連付けられたサービスを提供するサイトへ接続するための情報をチケットとして作成して、サービス管理サーバ50のID−チケットテーブルに登録する。
【0066】
ここで、ユーザがtag_aを端末装置10で読み取り、サービス制御装置20にサービスの要求をした場合の処理手順について説明する。尚、店Aを表すtag_aの読み取りは、既知の手段を用いて行うことができる。例えば、店A内に配置されたRF−IDや赤外線ビーコンと端末装置10との通信によって、ユーザが店A内に入ったときに端末装置10が自動的に取得するようにしてもよいし、ユーザが端末装置10を使って店A内の壁などの物に付けられたタグを自発的に読み取るようにしてもよい。
【0067】
tag_aを受け取ったサービス制御装置20は、タグ認識サーバ30にtag_aに対応するIDを取り出すようタグ認識サーバ30に指示する。タグ認識サーバ30は、タグ−IDテーブルを検索し、tag_aに対応する id_a を取得してサービス制御装置20に送り返す。各ユーザは、サービス制御装置20上に1つまたは複数のIDリスト(空のリストであってもよい)を持っていて、そのうちの1つをデフォルト(既定)の取得IDリストとして設定できる(何も設定しなければ、適宜選択されたIDリストがデフォルトの取得IDリストとなる)。今のユーザがタグを読み込むと先ずデフォルトの取得ID(IDリスト1とする)にそのタグのIDが追加される。ユーザはそのIDを端末装置上の操作によって別のIDリストに複写、移動することもできる。タグの読み込みや他のIDリストからのIDの移動などによってIDのリストの状態が変化した時、ID管理サーバ40で当該IDリスト中のIDについて以下で具体的に説明する検索を行う。
【0068】
すなわち、サービス制御装置20はIDリスト1をID管理サーバ40に送り、それに含まれているID(今の場合は、id_aのみ)に関連する出力IDを検索するようID管理サーバ40に指示する。この場合ID管理サーバ40は、以下のような処理を行う。
【0069】
id_a についての入力ID、出力ID、ウェイトの組は、
1)id_a, id_a, 1
id_a, id_ap, 1/2
である。
【0070】
2)出力IDは id_aとid_apであり、同じものはないのでこれ以上はまとめられない。(入力ID数)×入力IDの形式で入力IDの列を表し、入力ID数でソートすると、
1×(id_a), id_a, 1
1×(id_a), id_ap, 1/2
となる。
【0071】
3)さらに、出力ID毎のウェイトでソートすると、
1×(id_a), id_a, 1
1×(id_a), id_ap, 1/2
となる。
【0072】
4)今の場合、上記2つのいずれの組もIDリストに含まれているIDの数と、入力ID数とが同じなので、ID管理サーバ40により最終的に取り出される出力IDは、id_aとid_ap である。ID管理サーバ40は、これらのIDを出力IDとしてサービス制御装置20に送る。
【0073】
サービス制御装置20は、id_aと id_ap をサービス管理サーバ50に送り、対応するチケットを検索するように指示する。サービス管理サーバ50は、ID−チケットテーブルを検索して、id_aから得られた例えば店Aの紹介ページの情報を含むチケットを取得し、id_apから「店AのプリンタPで印刷する」というサービスに関する情報が書かれたチケットを取得する。後者のチケットには、id_apが「店AのプリンタPで印刷するというサービス」を示すIDであるという情報の他にも、そのサービスを利用するために必要な情報、例えば、印刷を開始させるための手順が格納されている場所のURL(サービスエンティティアクセスプロトコル格納先ポインタ)とその手順にしたがって印刷するサービスを提供している場所のURL(サービスエンティティポインタ)などが含まれている。
【0074】
サービス制御装置20は、ユーザの端末装置10に対してチケットに含まれている情報を送る。すなわち、端末装置10に対して、id_aに対応するチケットから得られた情報(店Aの紹介ページの情報)と、id_apに対応するチケットから得られた情報(「店AのプリンタPで印刷する」というサービスがあるという情報及びそのサービスにアクセスするための情報)を送る。端末装置10はそれらの情報を表示画面に表示することができる。
【0075】
尚、サービス制御装置20は、ID管理サーバ40に出力IDの検索を指示する前に、タグ認識サーバ30から取得したid_a に対応するサービスを検索するようサービス管理サーバ50に指示することもできる。この場合は、サービス制御装置20は、ID管理サーバ40を介することなく、サービス管理サーバ50から、id_aに関連付けられている店Aの紹介ページの情報を含むチケットを直接取得することができる。
【0076】
続いて、ユーザが、端末装置10でtag_pを読み取ってサービス制御装置20にサービスの要求をした場合の処理手順について説明する。
【0077】
サービス制御装置20は、tag_pを受け取ると、それらのタグをタグ認識サーバ30に送って対応するIDを取得するよう指示する。タグ認識サーバ30は、タグ−IDテーブルを検索して、tag_pに対応するIDとして、id_p を取得して、サービス制御装置20に送り返す。
【0078】
サービス制御装置20は、id_pを今のユーザのIDリスト1に追加する。サービス制御装置20は、id_pをサービス管理サーバ50に送って上述したid_pに対応するチケットを得る。
【0079】
サービス制御装置20は、IDリスト1をID管理サーバ40に送り、IDリスト1に含まれているid_a、id_pに対応する出力IDを検索するようID管理サーバ40に指示する。ID管理サーバ40は、サービス制御装置20の指示に応答して以下の1)乃至4)の処理を行って出力IDを取り出す。
【0080】
1) id_a, id_p についての入力ID、出力ID、ウェイトの組として、該当する、
id_a, id_a, 1
id_a, id_ap, 1/2
id_p, id_ap, 1/2
の3つを取り出す。
2)id_apという同じ出力IDを含む組が2つあるのでその同じ出力IDを有するそれらの組を1つにまとめ、さらに、(入力ID数)×入力IDの形式で入力IDの列を表して、
1×(id_a), id_a, 1
2×(id_a+id_p), id_ap, 1/2+1/2
を生成する。
【0081】
3)入力ID数でソートして、
2×(id_a+id_p), id_ap, 1/2+1/2
1×(id_a), id_a, 1
を生成する。
【0082】
4)IDリストに含まれているIDの数がid_aとid_pの2つなので、入力ID数が2のもののみ残す。結果、id_ap (これが最も優先順位の高いIDである)のみが出力IDとして検索され、これらが、サービス制御装置20に送り返される。
【0083】
サービス制御装置20はid_apをサービス管理サーバ50に送り、対応するチケットを取得するよう指示する。サービス管理サーバ50は、id_apに対応するチケットをサービス制御装置20に送り返す。サービス制御装置20は、チケットに含まれる情報を端末装置10に送り、端末装置10はそれらの情報を表示する。ユーザは表示された情報が自分の望むサービスに関するものである場合には、そのサービスを提供するよう端末装置10を介してサービス制御装置20に要求することができる。サービス制御装置20は、id_apに対応する印刷サービスを提供しているサイトに接続し、ユーザが印刷サービスを利用できるようにする。具体的には、このようにして印刷サービスを提供しているサイトに接続されると、その後はユーザがこのサイトと対話して、例えば何を印刷したいかなどの必要な情報を入力し、店AのプリンタPへ出力させる。
【0084】
なお、この場合、店AのプリンタPから読み出させたタグから得られるIDは、特定の個体のプリンタのIDではなく、プリンタの機種に対応するIDである。このように同じIDのプリンタが多数存在するにもかかわらず、別のID(ここではそのプリンタが設置されている場所である店AのID)と組合せることで今ここにある個体としてのプリンタを指定できる。従って、プリンタPに個体を識別するためのタグを付ける必要はない。また更なる利点として、店Aで現在サービスに使用しているプリンタPが故障した場合、同機種の別の代替プリンタ(やはり機種を識別するタグがついている)に交換するだけで上述のサービスを継続できる。これとは対照的に、プリンタに個体識別タグを付け、このタグを読み出すことでその個体のIDが得られるようになっている場合には、直ちに、故障したプリンタから代替プリンタへ個体識別タグを移し替えたりあるいはサービス管理サーバ50に登録しておいた当該ID−チケットの対応関係中のIDをこの代替プリンタのIDに変更するという処置を取る必要がある。一般的に、同じ機能を発揮するものに交換する可能性がある程度高いなどの場合には、個体識別タグを付与する代りに、機種(同等品)識別IDと他のIDの組み合わせという形態で特定のモノを指定する方が管理が簡単になるなど便利なことが多い。
【0085】
「データの登録及び検索の例2」
オフィス1にファイルサーバ1が設置されており、オフィス2にプリンタ1が設置されているものとする。
【0086】
ファイルサーバ1に tag_f というタグがついており、同機種のファイルサーバにはこれと同じタグがついているとする。tag_f に対してid_fというIDを割り当て、このタグとIDの組をタグ認識サーバ30のタグ−IDテーブルに登録しておく。
【0087】
id_fに対して、このIDがファイルサーバであることを示す情報が書かれたチケットを作成してこのチケットをサービス管理サーバ50に登録しておく。
【0088】
プリンタ1に tag_pというタグがつけられており、同機種のプリンタにはこれと同じタグがつけられているものとする。tag_p に対して id_pというIDを割り当て、このタグとIDの組をタグ認識サーバ30のタグ−IDテーブルに登録しておく。id_pに対して、このIDがプリンタ1であることを示す情報が書かれたチケットを作成し、このチケットをサービス管理サーバ50に登録しておく。
【0089】
ここで、id_fとid_pというIDの組み合わせに対して、「ファイルサーバからプリンタへの印刷を制御する」というサービスを提供できるようにしておく。これはtag_fというタグが付されているファイルサーバの機種からtag_pというタグが付されているプリンタの機種への印刷を制御するサービスである。
【0090】
このサービスをid_fとid_pとを組み合わせたIDとして新たに生成されたid_fpに関連付ける。そして、上記「データの登録及び検索の例1」の場合と同様にして、これらのIDの対応関係(入力ID、出力ID、ウェイトの組)がID管理サーバ40に登録される。この場合は、id_f及びid_pが入力IDであり、id_fpはそれらの出力IDになる。具体的には、以下のような(入力ID、出力ID、ウェイト)の組がID管理サーバ40に登録されることになる。
【0091】
id_f, id_f, 1
id_p, id_p, 1
id_f, id_fp, 1/2
id_p, id_fp, 1/2
また、id_fpに対応して、「ファイルサーバからプリンタへの印刷を制御するサービス」にアクセスするための情報を含むチケットを作成して、サービス管理サーバ50に登録する。
【0092】
次に、オフィス1にtag_o1というタグをつける。tag_o1に対してid_o1というIDを割り当て、このタグとIDの組をタグ認識サーバ30のタグ−IDテーブルに登録しておく。id_o1に対して、このIDがオフィス1であることを示す情報が書かれたチケットを作成し、そのチケットをサービス管理サーバ50に登録しておく。
【0093】
今の例ではオフィス1にファイルサーバ1が設置されていることから、「オフィス1のファイルサーバ1にアクセスする」というサービスを提供するものとする。このサービスをid_o1とid_fとを組み合わせたIDとして新たに生成されたid_o1fに関連付ける。これらのIDの対応関係はID管理サーバ40に登録される。この場合は、ID管理サーバ40は入力ID id_o1及びid_fの組み合わせに関連付けて組み合わせID id_o1fを生成し、これらの対応関係を登録する。具体的には、以下のような(入力ID、出力ID、ウェイト)の組がID管理サーバ40に登録されることになる。
【0094】
id_o1, id_o1, 1
id_o1, id_o1f, 1/2
id_f, id_o1f, 1/2
尚、id_f, id_f, 1 の組はすでに登録されているので追加しない。また、サービス管理サーバ50のid_o1fに対応するチケットには、「オフィス1にあるファイルサーバ1へアクセスするサービス」にアクセスするための情報を記載する。
【0095】
次に、オフィス2にtag_o2というタグをつける。tag_o2に対してid_o2というIDを割り当てて、このタグとIDの組をタグ認識サーバ30のタグ−IDテーブルに登録しておく。id_o2に対して、このIDがオフィス2を示すという情報が書かれたチケットを作成し、そのチケットをサービス管理サーバ50に登録しておく。
【0096】
今の例では、オフィス2にプリンタ1が設置されていることから、「オフィス2のプリンタ1にアクセスする」というサービスを提供するものとする。このサービスをid_o2とid_pとを組み合わせたIDとして新たに生成されたid_o2p に関連付ける。これらのIDの対応関係はID管理サーバ40に登録される。この場合は、ID管理サーバ40は入力ID id_o2及びid_pの組み合わせに関連付けて組み合わせID id_o2pを生成し、これらの対応関係を登録する。具体的には、以下のような(入力ID、出力ID、ウェイト)の組がID管理サーバ40に登録されることになる。
【0097】
id_o2, id_o2, 1
id_o2, id_o2p, 1/2
id_p, id_o2p, 1/2
尚、id_p, id_p, 1はすでに登録されているので追加しない。また、サービス管理サーバ50のid_o2pに対応するチケットには、「オフィス2のプリンタ1にアクセスするサービス」にアクセスするための情報が含まれている。
【0098】
以下、オフィス1のファイルサーバ1にはユーザのファイルが置かれているものとし、ユーザが、端末装置10でオフィス1及びファイルサーバ1のタグを読み取って、サービス制御装置20に対してサービス要求をした場合の処理手順について説明する。
【0099】
取得したタグ tag_o1, tag_f は、サービス制御装置20を介してタグ認識サーバ30に送られ、タグ認識サーバ30はそのタグ−IDテーブルからid_o1, id_f を検索して、サービス制御装置20に送り返す。サービス制御装置20は、既に述べたように、受け取ったこれらのIDをデフォルトのIDリスト(ここではIDリスト2とする)に入れる。現時点では、IDリスト2のIDの要素は、id_o1とid_fのみである。
【0100】
次にユーザがオフィス2を訪問し、オフィス2のタグ tag_o2 を端末装置10で読み取る。tag_o2の読み取りは、上述の「データの登録及び検索の例1」の場合と同様の既知の手段により行うことができる。
【0101】
サービス制御装置20は、端末から送られたタグ(tag_o2)をタグ認識サーバ30に送り、対応するIDを取得するよう指示する。タグ認識サーバ30は、タグ−IDテーブルを検索して tag_o2からid_o2 を検索し、これをサービス制御装置20に送り返す。このIDは、上記IDリスト2に追加され、この時点で、IDリスト2の要素は(id_o1, id_f, id_o2)となる。
【0102】
次に、ユーザは、オフィス2にあるプリンタ1で印刷したいと考え、プリンタ1のタグ tag_p を読みとる。同様に、サービス制御装置20を介してこのタグがタグ認識サーバ30に送られ、タグ認識サーバ30は、tag_pに対応するIDであるid_pを検索して、サービス制御装置20に送り返す。このIDも同様にIDリスト2に追加される。この時点で、IDリスト2の要素は、(id_o1, id_f, id_o2, id_p)となる。このIDリスト2をID管理サーバ40に渡すと、ID管理サーバ40は以下のような処理を行う。
【0103】
1)id_o1, id_f, id_o2, id_p を入力IDとして、(入力ID、出力ID、ウェイト)の組からなるテーブルを検索し、マッチする組として
id_f, id_fp, 1/2
id_p, id_fp, 1/2
id_o1, id_o1, 1
id_f, id_f, 1
id_o1, id_o1f, 1/2
id_f, id_o1f, 1/2
id_o2, id_o2, 1
id_p, id_p, 1
id_o2, id_o2p, 1/2
id_p, id_o2p, 1/2
を得る。
【0104】
2)出力IDが同じものをまとめ、入力ID数×入力IDの形式で入力IDの列を表して、
2×(id_f+id_p), id_fp, 1×(1/2+1/2)
1×(id_o1), id_o1, 1
1×(id_f), id_f, 1
2×(id_o1+id_f), id_o1f, 1×(1/2+1/2)
1×(id_o2), id_o2, 1
1×(id_p), id_p, 1
2×(id_o2+id_p), id_o2p, 1×(1/2+1/2)
を生成する。
【0105】
3)入力ID数でソートし、
2×(id_f+id_p), id_fp, 1×(1/2+1/2)
2×(id_o1+id_f), id_o1f, 1×(1/2+1/2)
2×(id_o2+id_p), id_o2p, 1×(1/2+1/2)
1(id_o1), id_o1, 1
1(id_f), id_f, 1
1(id_o2), id_o2, 1
1(id_p), id_p, 1
を生成する。
【0106】
4)従って、以下の出力IDの列
id_fp, id_o1f, id_o2p (入力ID数2)
id_o1, id_f, id_o2, id_p (入力ID数1)
を得る。
【0107】
ID管理サーバ40は、これらの上位のもの(入力ID数が2であるもの)を優先順位が最も高いIDとしてサービス制御装置20に送る。サービス制御装置20は取得したこれらのIDをサービス管理サーバ50に送って、対応するチケットを検索するよう指示する。上述したようにそれらのIDに対応するチケットには、以下のような情報が含まれている。
id_fpに対応するチケット:ファイルサーバからプリンタへの印刷を制御するサービスにアクセスするための情報
id_o1fに対応するチケット:オフィス1にあるファイルサーバ1へアクセスするサービスにアクセスするための情報
id_o2pに対応するチケット:オフィス2のプリンタ1にアクセスするサービスにアクセスするための情報。
【0108】
サービス制御装置20は、これらのチケットに記載された情報をユーザの端末に送る。この場合、ユーザには利用可能なサービスにはどのようなものがあるかが分かればよいので、チケットの情報をそのまま送るよりも、例えば、印刷サービス、オフィス1のファイルサーバ1、オフィス2のプリンタ1というような、ユーザが提供される情報を直感的に理解可能な形式にして送るのが好ましい。ユーザの端末装置10には、これらの情報が選択可能なメニューとして表示される。
【0109】
ユーザはオフィス1にあるファイルサーバ1に格納されている自分のファイルをオフィス2にあるプリンタ1で印刷したいので、自己の端末装置10に表示されたメニューから先ず印刷サービスを選択する。これに応答して、サービス制御装置20は、対応するチケットに記載されたサービス提供サイト60に接続して、そのサイトにある印刷サービスにid_o1fとid_o2pを渡す。id_o1fとid_o2p を渡された印刷サービスは、サービス管理サーバ50を検索して、それぞれ、オフィス1にあるファイルサーバ1に接続する情報とオフィス2にあるプリンタ1に接続する情報を得ることができる。これらの情報を使って印刷サービスはオフィス1にあるファイルサーバ1にもオフィス2にあるプリンタ1にも接続できる。ユーザが端末から印刷サービスを選択すると、印刷サービスは、オフィス1にあるファイルサーバ1に接続してどのようなファイルがあるかを取得し、それらのファイル情報をユーザの端末装置10に送る。
【0110】
端末装置10は送られたファイル情報を表示し、ユーザは表示されたファイル情報から印刷したいファイルを選択して、そのファイルの印刷を実行する旨の要求を出すとサービス制御装置20はその情報を印刷サービスに渡し、印刷サービスはファイルサーバ1からそのファイルを取り出して、オフィス2にあるプリンタ1で印刷を行うことができる。
【0111】
なお、上の説明では、オフィス、プリンタ、ファイルサーバのいずれか1つのIDのみに対応付けられたチケットも登録するものとして説明を行ったが、登録しておくべき最小限のチケットは、これらのIDの組み合わせに対応付けられたチケットだけであることに注意されたい。
【0112】
以下にサービス制御装置や端末装置が具備することが可能な他の機能について説明する。
【0113】
サービス制御装置は保持しているユーザ毎のIDリストをそのユーザの端末装置に送ることができる。この場合、端末装置がIDリストを保持する必要がないのでその分端末装置の資源を有効に使用することができる。また、ユーザは、端末装置を操作することにより、サービス制御装置内のIDリストから指定したIDを削除することもできる。この場合、ユーザがそのIDリストを選択してサービスの検索の指示をサービス制御装置に送ると、サービス制御装置はその削除された状態のIDリストをID管理装置に送り、以下上記と同様にしてサービスの提供が行われる。
【0114】
また、IDリストを利用することで、ユーザは、以前利用したサービスを再度利用する場合に、自己の端末装置で何度も同じタグを読み取る必要がなくなる。端末装置からの要求に応じてサービス制御装置が端末装置にIDリストを送ると、端末装置にはサービス制御装置から送られたIDリスト(1または複数)が表示される。ユーザは端末装置に表示された1または複数のIDリストの中から所望のリストを選択してサービス制御装置に送信する。この場合、サービス制御装置は、タグ認識サーバ30に指示を出すことなく、その選択されたIDリストをID管理サーバ40に送り、以下、上記と同様にしてユーザはサービスを利用することができる。
【0115】
さらにサービス制御装置は、ユーザのIDリストにそのIDリストに対応する出力IDを含め、端末装置に送ることもできる。ユーザは、端末装置に表示された出力IDを選択してサービス制御装置に送ると、サービス制御装置は、直接、サービス管理サーバ50にその出力IDを送って対応するチケットを取得することができる。この場合、サービス制御装置は、タグ認識サーバ30にもID管理サーバ40にもアクセスする必要がなく処理負荷が軽減される。
【0116】
【発明の効果】
本発明によれば、複数のモノの組み合わせに対して関連付けられたサービスを提供することができると共に、ユーザは、それらのモノに対応付けられた各IDを指定するという簡単な操作で、それらのサービスを利用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態のシステム構成を示す略図である。
【図2】タグとIDの対応関係、及びID間の関連付けの一例を示す図である。
【符号の説明】
10 端末装置
20 サービス制御装置
30 タグ認識サーバ
40 ID管理サーバ
50 サービス管理サーバ
60 サービス提供サイト
Claims (18)
- モノに対応付けられたID(第1のID)または前記IDの組み合わせに対応するID(第2のID)に対して関連付けられたサービスを検索するサービス提供システムであって、
サービスの要求を受け付けるよう構成されたサービス制御手段と、
前記サービス制御手段の指示に応答して、前記第1のIDに関連付けられた前記第1または第2のIDを検索するためのID管理手段と、
前記サービス制御手段の指示に応答して、前記第1または第2のIDに関連付けられたサービスに関する情報を検索するためのサービス管理手段とを備える、サービス提供システム。 - 前記サービス制御手段がタグ情報を受け取るよう構成されており、前記サービス制御手段の指示に応答して、前記タグ情報を前記第1のIDに変換するためのタグ認識手段をさらに備える、請求項1のサービス提供システム。
- 前記タグ情報を取得して、前記サービス制御手段に送るための端末装置をさらに備える、請求項2のサービス提供システム。
- 前記サービスを提供するサービス提供手段をさらに備える、請求項1乃至3のいずれかのサービス提供システム。
- 前記ID管理手段は、複数のIDを検索した場合に、それらのIDに対して優先順位を付け、優先順位の最も高いIDを前記サービス制御手段に返す、請求項1乃至4のいずれかのサービス提供システム。
- 前記サービス制御手段は、前記タグ認識手段によって変換された前記第1のIDと前記ID管理手段によって検索された前記第1または第2のIDを受け取るよう構成される、請求項2乃至5のいずれかのサービス提供システム。
- 前記サービス制御手段は、前記端末装置からユーザ情報を取得し、前記ユーザ情報と前記タグ認識手段から受け取った前記第1のIDとから、ユーザ毎のIDリストを作成するよう構成される、請求項3乃至6のいずれかのサービス提供システム。
- 前記ID管理手段は、前記IDリストに含まれるIDを入力IDとして、各入力IDに対応するIDを検索し、検索された前記IDに対応する前記入力IDの数に基づいて、前記検索されたIDに前記優先順位を付ける、請求項5乃至7のいずれかのサービス提供システム。
- 前記ID管理手段は、さらに、前記入力IDと該入力IDに対応して検索されたIDとの組み合わせによって決まるウェイトを有しており、対応する入力IDの数が同じであるIDが複数検索された場合には、さらに前記ウェイトの大きさに基づいて前記優先順位を付ける、請求項8のサービス提供システム。
- 前記サービス制御手段は、前記検索されたサービスに関する情報を前記端末装置に送る、請求項3乃至9のいずれかのサービス提供システム。
- 前記サービス制御手段は、前記端末装置の指示に基づいて、前記サービス提供手段にアクセスする、請求項10のサービス提供システム。
- 前記ID管理手段は、前記第1のIDの組み合わせに対応する前記第2のIDが存在しない場合には、前記サービス制御手段の指示に応答して、前記第2のIDを生成する、請求項1乃至11のいずれかのサービス提供システム。
- モノに対応付けられたID(第1のID)または前記IDの組み合わせに対応するID(第2のID)に対して関連付けられたサービスを提供するためのサービス提供方法であって、
端末装置からのサービスの要求を受け付けるステップと、
前記第1のIDに関連付けられた前記第1または第2のIDを検索するステップと、
前記第1または第2のIDに関連付けられたサービスに関する情報を検索するステップを含む、サービス提供方法。 - タグ情報を取得するステップと、
前記タグ情報を前記第1のIDに変換するステップとをさらに含む、請求項13のサービス提供方法。 - 前記検索された情報に基づいて、前記サービスを提供するステップをさらに含む、請求項13または14のサービス提供方法。
- 前記第1のIDを登録するステップと、
前記第2のIDを登録するステップと、
前記第1または第2のIDに関連付けられたサービスに関する情報を生成するステップと、
前記第1または第2のIDに関連付けられたサービスを準備するステップとをさらに含む、請求項13乃至15のいずれかのサービス提供方法。 - 前記サービスを提供するステップが、さらに、
前記検索された情報を前記端末装置に送るステップと、
前記端末装置で前記送られた情報を選択するステップと、
前記選択された情報に基づいて前記情報に対応するサービスにアクセスするステップとをさらに含む、請求項15または16のサービス提供方法。 - 前記第1または第2のIDを検索するステップが、
前記第1のIDに関連するIDを出力IDとして検索するステップと、
同じ出力IDに対応する入力IDの数をカウントするステップと、
前記入力IDの数が多い順に、前記入力IDと出力IDの組を並べるステップとをさらに含む、請求項13乃至17のいずれかのサービス提供方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003079286A JP2004287863A (ja) | 2003-03-24 | 2003-03-24 | モノに関連付けられたサービスを発見するためのシステム及び方法 |
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Publications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008047007A (ja) * | 2006-08-21 | 2008-02-28 | Dainippon Printing Co Ltd | 情報提示システム |
JP2014059882A (ja) * | 2008-12-26 | 2014-04-03 | Rakuten Inc | 情報提供装置、情報提供方法、およびプログラム |
JP2022159377A (ja) * | 2018-03-05 | 2022-10-17 | 株式会社リコー | 情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法及びプログラム |
-
2003
- 2003-03-24 JP JP2003079286A patent/JP2004287863A/ja active Pending
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