JP2004286393A - 冷蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、除霜ヒータを用いずとも冷蔵用蒸発器の除霜を確実に得るとともに、冷蔵室を適正温度に保持する冷蔵庫を提供することを目的とする。
【解決手段】F,Rエバ13,10を有し、Rエバ10を冷蔵貯蔵室5の下部に配設させた冷蔵庫の形態において、F冷却運転中にRファン11を運転させるとともに、他の移行条件(S6〜S8)の他に、RDセンサ34の検知温度が除霜終了温度以上に達したことが記憶手段42に記録されていれば(S9)、冷却移行手段41によりF冷却運転からR冷却運転に移行させる(S1)。
【選択図】 図1
【解決手段】F,Rエバ13,10を有し、Rエバ10を冷蔵貯蔵室5の下部に配設させた冷蔵庫の形態において、F冷却運転中にRファン11を運転させるとともに、他の移行条件(S6〜S8)の他に、RDセンサ34の検知温度が除霜終了温度以上に達したことが記憶手段42に記録されていれば(S9)、冷却移行手段41によりF冷却運転からR冷却運転に移行させる(S1)。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵用蒸発器と冷凍用蒸発器を備えた冷凍サイクルを有し、切替弁を用いて冷蔵用蒸発器又は冷凍用蒸発器に冷媒流を切り替えて交互に冷却する冷蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の家庭用冷蔵庫では、その大型化に伴い省電力設計とされており、その中で冷蔵用蒸発器、冷凍用蒸発器を有する構成が考えられている。その中で、出願人は、コストアップ低減のため冷蔵用蒸発器の除霜ヒータを廃止しても、冷蔵用蒸発器の除霜を行い得る冷蔵庫の制御方法について発明した(例えば、特許文献1)。
ここで図面に基づいて上記構成の冷蔵庫を説明する。図8に示すように、冷蔵庫本体50は冷蔵室51a、野菜室51bを設けた冷蔵貯蔵室51と、図示しない製氷室、切替室52a、冷凍室52bを有する冷凍貯蔵室52を備えている。冷蔵貯蔵室51の下部、冷凍貯蔵室52の中央部の庫内奥側には、それぞれ冷蔵用蒸発器53と冷凍用蒸発器55を配置して各々の貯蔵空間を冷却するように構成されており、図示しない切替弁によって、冷媒を冷凍用蒸発器55に流すF冷却運転と、冷媒を冷蔵用蒸発器53にR冷却運転とに切り替えて冷却制御している。
なお、冷蔵貯蔵室51および冷凍貯蔵室52の温度は、冷蔵室51および冷凍室52bのそれぞれに設けられた温度センサにより検知され、また、冷蔵用蒸発器53の温度は、冷媒配管に取り付けられた温度センサにより検知されている。
【0003】
上記F冷却運転からR冷却運転に移行するには、図9に示すように、F冷却中(S102)、冷凍室52bの室内温度が冷却停止温度(庫内温度が低くなり冷却が不要な温度、例えば−22℃)より低くなった場合(S103)、または運転積算時間がT1(例えば30分)を経過して(S104)、冷蔵室51aが冷却開始温度(庫内温度が高くなり冷却が必要な温度、例えば4℃)より高くなったときに(S105)、冷蔵用蒸発器53の温度が除霜終了温度(蒸発器に付着した霜が全て融解する温度、例えば3℃)以上に達していると(S106)、切替弁の切替動作を行いR冷却運転に移行するようになっている(S101)。
なお、ステップ106において、冷蔵用蒸発器53の温度が除霜終了温度に達した場合には、冷蔵室51aの温度が冷却開始温度に達していなくとも、除霜が完了されたとしてF冷却運転を停止する。
このとき、F冷却中は、冷蔵用蒸発器53と冷蔵貯蔵室51内の空気を熱交換する冷蔵用ファン57を回転させているため、冷蔵用蒸発器53の除霜を促す。一方、ステップ106において、冷蔵用蒸発器53の除霜が終了するまでR冷却に移行することはないため、除霜ヒータがなくともF冷却中に冷蔵用蒸発器53の除霜を確実に行うことができるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−303474公報(段落[0028]〜[0031]、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成の場合、冷蔵用蒸発器53の除霜は確実に行うことはできるが、冷蔵用蒸発器53を冷蔵貯蔵室51の下部、ここでは野菜室51bの背面に設けた冷蔵庫の形態においては、冷蔵室51aの温度が上昇してもF冷却からR冷却に移行できず、冷蔵室51aの温度が上昇し過ぎてしまうという弊害が生じる。
【0006】
この現象について図10を参照して説明する。R冷却中においては、冷蔵貯蔵室51は冷却されているため、各室内温度は下降するとともに、冷蔵用蒸発器53の温度は略一定に保たれている。
このとき、冷蔵室51aの室温が冷却停止温度まで達して、その他の条件を満たしたときにF冷却に移行するが、このとき冷蔵貯蔵室51の冷却運転は停止されているため室温は上昇する。また、冷蔵用蒸発器53は、冷蔵用ファン57の運転により除霜しながら温度上昇し、やがて除霜終了温度まで達すると冷蔵用ファン57の運転を停止する。
【0007】
しかし、冷蔵用ファン57の運転中では、冷蔵貯蔵室51の冷却は停止されているものの蒸発器に付着した霜と、室内空気との熱交換により、冷蔵貯蔵室51の温度は上昇し難く、冷蔵用蒸発器53の温度が除霜終了温度に達した時点においても、冷蔵室51aの温度は、例えば1.5℃程度に、野菜室51bの温度は、例えば4℃程度になっている。このとき、冷蔵用ファン57の運転が停止されると、空気の強制循環は停止し、冷蔵室51aの冷温の空気は下方の野菜室51b側に自発降下していくことになる。
【0008】
すると、冷蔵貯蔵室51の上部に位置する冷蔵室51aの温度は除々に上昇していくことになるが、冷たい空気が下降している野菜室51bおよび冷蔵用蒸発器53の近辺の温度は低くなるか、または停滞することになるため、一時的に、除霜終了温度を検知しても、その後、除霜終了温度以下のまま停滞することが生じる。
このため、冷蔵用蒸発器53の温度は除霜終了温度に達しない状態が継続することになり、この間、冷蔵室51aの温度が上昇してもR冷却に切り替えることができず、冷蔵室51aの温度が上昇し過ぎてしまうという弊害が生じる。
【0009】
本発明は上記問題を考慮してなされたものであり、除霜ヒータを用いずとも冷蔵用蒸発器の除霜を確実に得るとともに、冷蔵室を適正温度に保持する冷蔵庫を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、冷蔵貯蔵室と冷凍貯蔵室を配設した本体と、前記冷蔵貯蔵室を冷却するとともに冷蔵貯蔵室の下部に配設した冷蔵用蒸発器と、前記冷凍貯蔵室を冷却する冷凍用蒸発器と、冷媒の流れを冷蔵用蒸発器と冷凍用蒸発器とに切り替える切替弁と、前記冷蔵用蒸発器で生成された冷気を前記冷蔵貯蔵室内に送風する冷蔵用ファンと、前記冷蔵用蒸発器の温度を検知する冷蔵用蒸発器温度センサと、前記冷蔵貯蔵室内の温度を検知する冷蔵温度センサと、前記切替弁により、冷媒の流れを前記冷凍用蒸発器あるいは前記冷蔵用蒸発器に移行させる冷却移行手段と、前記冷凍用蒸発器に冷媒を流し前記冷凍貯蔵室の冷却中に、前記冷蔵用蒸発器温度センサの検知温度が第1の所定温度以上に達したことを記録する記憶手段とを備え、前記冷蔵用ファンを前記冷凍貯蔵室の冷却中に運転させるとともに、前記冷却移行手段は、前記冷凍用蒸発器から前記冷蔵用蒸発器に移行させるときに、前記記憶手段に前記冷蔵用蒸発器温度センサの検知温度が所定温度以上に達したことが記録されていれば、冷媒の流れを前記冷凍用蒸発器から前記冷蔵用蒸発器に移行させることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の1実施形態について、図面に基づいて説明する。図3に示すように、冷蔵庫本体1は、外箱2と、内箱3と、これらの間に充填された断熱材4とからなる断熱箱体で構成されている。この冷蔵庫本体1内には、冷蔵貯蔵室5、冷凍貯蔵室6が設けられており、冷蔵貯蔵室5内には、冷蔵室5a、野菜室5b、冷凍貯蔵室6内には切替室6a、冷凍室6bが上から順に設けられている。なお、切替室の隣には、図示しない製氷室が配設されている。
【0012】
また、冷蔵室5aの前面には、ヒンジ開閉式の断熱扉5a´が設けられている。野菜室5b、切替室6a、冷凍室6b、のそれぞれの前面には、引出し式の断熱扉5b´、6a´、6b´が設けられている。そして、冷蔵室5a、野菜室5bとの間は、仕切り板7により仕切られ、野菜室5bと切替室6a及び製氷室との間、さらに切替室6a及び製氷室6bとの間は、断熱仕切壁8および9により仕切られている。
更に、野菜室5bの背部には冷蔵用蒸発器10(以下、Rエバとする)と冷蔵用ファン11(以下、Rファンとする)が配置されている。このRファン11が駆動されると、Rエバ10により冷却された冷気は、送風ダクト12を介して冷蔵室5a内に供給された後、野菜室5bを経て循環し各室を冷却する構成となっている。
【0013】
また、冷凍貯蔵室6の背部には上から順に冷凍用ファン14(以下、Fファンとする)、冷凍用蒸発器13(以下、Fエバ13とする)、及びFエバ13を加熱し除霜するF除霜ヒータ15などが配設されている。この場合、Fファン14が駆動されると、Fエバ13により冷却された冷気は、製氷室及び冷凍室6b内に供給、循環し各室を冷却する構成となっている。
冷蔵庫本体1底部には、機械室16が形成されている。この機械室16内には、圧縮機17、除霜水を受けて蒸発させる蒸発皿18、ワイヤコンデンサからなる凝縮器20、圧縮機17及び凝縮器20を冷却する放熱用ファンを構成する機械室用ファン19(以下、Cファンとする)などが配設されている。
【0014】
図4に示すように、冷凍サイクル21は、圧縮機17、凝縮器20、切替手段を構成する切替弁22、Rキャピラリチューブ23、Rエバ10、Fキャピラリチューブ24、Fエバ13、アキュームレータ26を順次接続している。そして切替弁22からはRエバ10とFエバ13に伴列に、連結パイプ25を設け、Rエバ10とFキャピラリチューブ24間に接続している。
この場合、切替弁22は、凝縮器20から連結パイプ25を介してFキャピラリチューブ24及びFエバ13のみに冷媒を供給するF冷却運転と、凝縮器20からRキャピラリチューブ23を介してRエバ10、Fエバ13の順に冷媒を供給するR冷却運転とに切り替える機能を有している。また上記冷媒は、可燃性冷媒(例えば、HC冷媒)を使用している。
【0015】
図6は、本実施例の冷蔵庫1の電気的構成を示す図である。この図6に示すように、制御装置36は、マイクロコンピュータを主体に構成されており、冷蔵庫1の運転全般を制御する機能を有している。この制御装置36は、冷蔵室5a内の温度を検出する冷蔵温度センサ30(以下、Rセンサとする)、冷凍室6b内の温度を検出する冷凍温度センサ31(以下、Fセンサとする)、切替室6a内の温度を検出する切替室温度センサ32(以下、Sセンサとする)、庫外の温度を検出する外気温センサ33、Rエバ10の温度を検出する冷蔵用蒸発器温度センサ34(以下、RDセンサとする)、Fエバ13の温度を検出する冷凍用蒸発器温度センサ35(以下、FDセンサとする)からの各温度検出信号を受け入れるように構成されている。
そして、制御装置36は、圧縮機17、切替弁22、Rファン11、Fファン14、Cファン19、ダンパ装置38、F除霜ヒータ15とを駆動回路39を介して駆動するように構成されている。このうち、圧縮機17、Rファン11、Fファン14、Cファン19は駆動回路39に内蔵されたインバータ回路によりそれぞれ可変速駆動されるように構成されている。
【0016】
さて、上記した冷蔵庫において、冷蔵貯蔵室5を冷却するR冷却運転を実行する場合には、制御装置36の冷却移行手段41により、切替弁22を上記したR冷却運転に切り替えると共に、Rファン11、Cファン19を駆動させる。これにより、圧縮機17で圧縮された高温高圧のガス化された冷媒は凝縮器20に送られ、ここで放熱して液化しながら切替弁22、Rキャピラリチューブ23を介してRエバ10に送られる。そして、液冷媒は、Rエバ10内で蒸発し、その際に周囲の熱を奪う。これに伴い、Fエバ10の周囲の空気が冷却され、この冷却された冷気が、Rファン11の送風作用により冷蔵貯蔵室5に供給され、各室を冷却する。またRファン11は、F冷却運転中にも駆動し、Rエバ10に付着した霜の除霜を促進し、この除霜により霜は昇華し、この冷気を冷蔵貯蔵室5内に循環するため冷蔵貯蔵室5の湿度が向上される。
【0017】
冷凍貯蔵室6を冷却するF冷却運転を実行する場合には、制御装置36の冷却移行手段40により、切替弁22をF冷却運転に切り替えると共に、Fファン14及びCファン19を駆動させる。これにより、圧縮機17で圧縮され高温高圧のガス化された冷媒は凝縮器20に送られ、ここで放熱して液化しながら切替弁22、連結パイプ25、Fキャピラリチューブ24を介してFエバ13に送られる。そして、液冷媒はFエバ13内で蒸発し、Fエバ13の周囲の空気が冷却され、この冷却された冷気がFファン14の送風作用により冷凍貯蔵室6に供給され、各室を冷却する。なお切替室6aは、設定された温度となるようにダンパ装置38によって冷気の供給量が調節されるように構成されている。
【0018】
このようなF冷却運転とR冷却運転を交互に実行することにより、各室が冷却されるが、この構成の場合、R・F冷却運転を個々のRエバ10、Fエバ13で冷却するため、特にRエバ10の蒸発温度を、冷蔵貯蔵室5温に近い比較的高い蒸発温度に設定して運転することが可能であるため、冷凍サイクル21の効率を向上させることができ、ひいては省電力とすることができる。
また、Fエバ13に付着した霜を除霜する除霜運転は、F冷却運転積算時間がt5(例えば、6時間)以上経過したとき、次にR冷却運転に切り替えるタイミングで、F除霜ヒータ15に通電を開始する。そして、FDセンサ35の検知温度が除霜終了温度、例えば3℃まで上昇したことを検知した時点でF除霜ヒータ15を断電して除霜運転を終了する。
【0019】
上記除霜運転中はF除霜ヒータ15の通電により冷凍貯蔵室6の温度が上昇するため、F冷却中に、F冷却運転積算時間がt3、例えば8時間以上経過したときに、冷凍室52bの冷却停止温度を、例えば2K下げて通常よりも低い温度に冷却してから、除霜を開始することにより除霜運転による温度上昇を抑制する、いわゆるプリクールを行っている。
一方、記憶手段42は、F冷却運転中に、RDセンサ34の検知温度がRエバ10の除霜が完了する除霜終了温度(本発明でいう所定温度)、例えば3℃以上に達した場合に、このことを記録するととともに、F冷却運転からR冷却運転に移行されたときにこの記録はリセットされるようになっている。
【0020】
次に、上記構成の冷蔵庫における動作について、図1のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1では、冷却移行手段41により、切替弁22を動作させて、R冷却運転からF冷却運転に、またはF冷却運転からR冷却運転に切替える(S1)。以下、R冷却運転からF冷却運転に移行された場合について説明する。
ステップ2において、F冷却が開始されると(S2)、時間積算タイマ37をカウントさせるとともに、Rファン11、Fファン14、Cファン19を運転させる。なお、Rファン11の動作については後述する。
【0021】
ステップ3では、除霜運転開始のタイミングか否か、具体的には、F冷却運転積算タイマがt3以上経過したか否かを検出し(S3)、t3以上であれば次のR冷却運転に移行するタイミングで除霜運転を行うためにステップ5に進む。T3以上でなければ、除霜運転は必要ないとしてステップ6に進む。
ステップ4では、上記したようにプリクールを行うべく、設定されている冷却停止温度を2K下げて冷却停止温度を変更する(S4)。例えば、冷却停止温度が−22℃とすると、−24℃に下げる。
【0022】
ステップ5では、ステップ4において冷却停止温度を下げただけでは、ステップ7,8の条件により冷凍貯蔵室6をプリクールしていなくともR冷却運転に移行される条件が満たされるため、R冷却運転への移行条件であるRエバ10の除霜終了温度を2K高く設定する(S5)。例えば、除霜終了温度が3℃とすると5℃に設定する。これにより、冷凍貯蔵室6を十分に冷却してから除霜運転を開始することができる。
【0023】
ステップ6では、冷凍貯蔵室6が冷却されると、Fセンサ31の検知温度が、予め設定されている庫内の設定温度(例えば、−20℃)より下降し、冷却停止温度(設定温度−2K、例えば−22℃)に達したか否かを検出し(S6)、冷却停止温度に達していれば、冷却は不要と判断してステップ9に進む。一方、冷却停止温度に達していなければ、冷却が必要であると判断してステップ7に進む。
ステップ7では、カウントされたF冷却運転開始からの積算時間がt1(例えば、30分)以上経過したか否かを検出し、30分以上経過していれば最低限F冷却運転を行ったとしてステップ8に進む。
【0024】
ステップ8では、ステップ6においてF冷却運転は必要であると判断されても、冷却運転を行っていない冷蔵貯蔵室5側のRセンサ30が冷却開始温度(設定温度+1K、例えば4℃)より高い温度を検知した場合には、F冷却運転よりもR冷却運転を優先的に行う必要があるため、ステップ7においてF冷却運転において必要最小限の冷却を行った後、Rセンサ30が冷却開始温度に達したか否かを検出して(S8)、冷却開始温度に達していれば、ステップ9に進む。また、達していなければステップ3に戻る。
【0025】
ステップ9では、記憶手段42に、F冷却運転中に、RDセンサ34の検知温度が除霜終了温度に達した情報が記録されているか否かを検出する(S9)。
これは、F冷却運転中に、Rエバ10の除霜が終了してRDセンサ34の検知温度が一旦、除霜終了温度に達しても、その後、Rエバ10温が除霜終了温度以下に停滞することでR冷却運転に移行できないという弊害を防止するものである。
F冷却運転中に、RDセンサ34が除霜終了温度に達した場合、除霜が完了されたとして省電力化のためにRファン11の運転を停止するが、今まで循環されていた空気の流れが止まるため、冷蔵室5aの冷たい空気は下方の野菜室5bおよび送風ダクト12を介してRエバ10側に下降する。
【0026】
すると、冷蔵貯蔵室51の上部に位置する冷蔵室51aの温度は除々に上昇していくことになるが、冷たい空気が下降している野菜室51bおよびRエバ10の近辺の温度は低くなるか、または低温空気が停滞することになるため、RDセンサ34の検知温度は周囲の温度影響を受けて除霜終了温度以下に停滞することになる。
この場合、RDセンサ34は一旦、除霜終了温度以上の温度を検知しており、Rエバ10の除霜は完了しているが、従来の冷蔵庫では、R冷却運転に移行するタイミングのときにRDセンサ34の検知温度が除霜終了温度以上に達していなければ移行することができなかったため、この間、冷蔵室5aの温度が上昇してもR冷却運転に切り替えることができず、冷蔵室5aの温度が上昇し過ぎてしまうという弊害が生じるものであった。
【0027】
そこで、一度でも、RDセンサ34の検知温度が除霜終了温度以上に達した場合には、除霜は完了しているとして、かかる情報を記憶手段42に記録させておき、その他の移行条件、ここではステップ6〜8を満たしていれば、R冷却運転に移行させるように構成した。これにより、確実にRエバ10の除霜を行うことができるとともに、除霜が完了した後、冷蔵室5aの温度が冷却開始温度に達すれば迅速に冷却運転に移行することができるため、冷蔵室5aの温度を的確に保持することができるのである。
したがって、記憶手段42にかかる記録がなければ、除霜は完了していないとしてステップ3に戻り、記録があれば、除霜は完了しているとともにR冷却運転が必要であるとしてステップ10に進む。
【0028】
ステップ10では、F冷却運転が終了したため、記憶手段42に記録されている情報をリセットして(S10)、ステップ11に進む。
ステップ11では、上記したように除霜運転開始のタイミングか否かを検出し(S11)、除霜運転開始のタイミングでなければステップ1に進み、冷却移行手段41によりR冷却運転からF冷却運転に移行させる。一方、除霜運転開始のタイミングであればステップ12に進み、除霜運転を行って(S12)、ステップ1に進む。このとき、F冷却運転を行うか、R冷却運転を行うかは、Rセンサ30およびFセンサ31の検知温度とそれぞれの設定温度との温度差が大きい方から冷却運転を開始することが好ましい。
【0029】
さて、ステップ13において、R冷却運転が開始されると(S13)、制御装置36に内蔵されている時間積算タイマ37がカウントされる。
ステップ14では、そのまま冷蔵貯蔵室5が冷却されると、Rセンサ30の検出温度が、予め設定されている庫内の設定温度(例えば、2℃)より下降し、冷却停止温度(設定温度−1K、例えば1℃)に達したか否かを検出し、達していれば冷却は不要と判断してステップ1に進む。
【0030】
一方、Rセンサ30の検知温度が冷却停止温度に達していない場合でも、冷却を行っていない冷凍貯蔵室6の室温が上昇して冷却を移行した方が好ましいことがあるので、ステップ15では、冷蔵貯蔵室5の冷却を行うのに最低限必要な時間(R冷却運転開始からの積算時間)がt2(例えば、20分)以上経過したか否かを検出し(S15)、このときt2以上経過していればステップ16に進む。
ステップ16では、冷却していない側のF温度センサ31が冷却開始温度(設定温度+2K、例えば−18℃)より高い温度を検知したか否かを検出し(S16)、冷却開始温度以上であれば、F冷却運転が必要と判断して、ステップ1に進む。
【0031】
次に、F冷却運転中におけるRファン11の制御方法について、図2のフローチャートを参照して説明する。
ステップ20では、F冷却運転の開始とともにRファン11を低速、例えば1400rpmで回転させる(S20)。また、R冷却運転において運転させている場合には継続的に運転させてもよい。
ステップ21では、除霜運転開始のタイミングか否か、具体的には、F冷却運転積算タイマがt3以上経過したか否かを検出し(S3)、t3以上であればステップ22に進み。t3以上でなければ、ステップ23に進む。
【0032】
ステップ22では、Rファン11の回転数を高く設定する(S22)。例えば、低速運転中であれば、中速運転、ここでは1600rpmに変更する。これは、F冷却中のRファン11の運転によりRエバ10の除霜を行うことができるが、融解した霜の水分がRエバ10に多く付着していると、その後の冷却運転においても着霜量が多くなり冷凍能力に影響を与えることになるため、Fエバ13を除霜する除霜運転の周期に合わせて、Rファン11の回転数を高くすることにより、熱交換効率を高めてRエバ10の除霜を確実に行わしめ、かかる不具合を解消することができる。また、必要最小限の能力でRファン11の運転を行うことにより省電力化が可能となる。
【0033】
ステップ23では、Rエバ10の温度、具体的にはRDセンサ34の検知温度が除霜終了温度以上に達したか否かを検出する(S23)。除霜温度以上に達していれば、Rエバ10に付着した霜が融解され除霜が完了したとしてステップ24に進み、除霜終了温度に達していなければ、ステップ20に戻り継続してRファン11を運転させる。
ステップ24では、RDセンサ34の検知温度が除霜終了温度以上に達した情報を記憶手段42に記録して(S24)、ステップ25に進む。
【0034】
ステップ25では、時間積算タイマ37より、ステップ24において記憶手段42に記録されてからの時間が所定時間t4、例えば1分以上経過したか否かを検出して(S25)、t4以上経過していれば、ステップ26に進み、Rファン11を停止させる(S26)。
ステップ27では、Rエバ10の温度、具体的にはRDセンサ34の検知温度が除霜終了温度以下に達したか否かを検出する(S27)。
ステップ23において除霜の完了を検出しても、上述したように冷気の下降による温度低下の他に、高温度の食品が投入されたり、信号ノイズの影響を受けて、除霜は完了していないが一時的にRDセンサ34の検知温度のみが上昇する場合が想定され、かかる場合にRファン11を停止させおくと、Rエバ10の除霜を行うことができなくなるという不具合が生じる。
【0035】
このため、再度、RDセンサ34の検知温度が除霜終了温度以下に達したか否かを検出し、除霜終了温度以下になれば除霜が完了していない可能性があるとしてRファン11を再運転させるためにステップ28に進み、除霜終了温度以上であれば、そのままステップ26を継続する。
【0036】
ステップ28では、時間積算タイマ37より、ステップ26においてRファン11を停止させてからの時間が所定時間t5、例えば1分以上経過したか否かを検出して(S28)、t5以上経過していれば、ステップ20に戻り、Rファン11の運転を再開させる(S20)。一方、t5以上経過していなければ、ステップ27に戻る。
これは、ステップ25も同様に、RDセンサ34の検知温度が除霜終了温度の近傍である場合、Rファン11の運転と停止が瞬時に切り替わり、ファンに異音が発生するなどの、いわゆるチャタリングの問題が生じるため、RDセンサ34の検知温度が除霜終了温度に達しても、所定時間t4,t5はRファン11の動作を継続させることにより、かかるチャタリングを抑制することができる。
なお、ステップ25,28の代わりにRファン11の動作温度である除霜終了温度にヒステリシスを設けても同様の効果を奏する。この場合、例えば、Rファンを運転開始させる温度を除霜終了温度−1Kとし、Rファンを停止させる温度を除霜終了温度+1Kとする。
【0037】
上述したように、F,Rエバ13,10を有し、Rエバ10を冷蔵貯蔵室5の下部に配設させた冷蔵庫の形態において、F冷却運転中にRファン11を運転させるとともに、他の条件の他に、RDセンサ34の検知温度が除霜終了温度以上に達したことが記憶手段42に記録されていれば、冷却移行手段41によりF冷却運転からR冷却運転に移行させているため、Rエバ10に除霜ヒータを用いずとも、確実にRエバ10の除霜を行うことができるとともに、除霜が完了した後、冷蔵室5aの温度が冷却開始温度に達すれば迅速に冷却運転を移行することができるため、冷蔵室5aの温度を的確に保持することができるのである。
【0038】
また、RDセンサ34の検知温度が除霜終了温度以上に達したときにRファン11を停止させるが、ノイズなどの影響により一時的にRDセンサ34の検知温度のみが上昇してRエバ10の除霜が完了していない状態であっても、記憶手段42に上記情報を記録された以降に、RDセンサ34の検知温度が除霜終了温度以下に達したときに、Rファン11を再度運転させるようにしているため、ノイズなどの影響を受けても除霜が終了するまではR冷却に移行することはないため、確実にRエバ10の除霜を行うことができる。
【0039】
この場合、RDセンサ34の検知温度が除霜終了温度以上または以下になっても、所定時間t4,t5経過するまでは、Rファン11の運転または停止状態を継続させているため、Rファン11の運転と停止が瞬時に切り替わり、ファンに異音が発生するなどのチャタリングによる不具合を解消することができる。
また、プリクールを行う際には、R冷却運転への移行条件であるRエバ10の除霜終了温度を高く設定することにより、冷凍貯蔵室6を十分に冷却してから除霜運転を開始することができるため、除霜運転による冷凍貯蔵室6の温度上昇を抑制することができる。さらに、F冷却中で融解した霜の水分がRエバ10に多く付着したまま、冷却されると着霜量が多くなり冷凍能力に影響を与えることになるが、Fエバ13の除霜周期毎にRエバ10の除霜終了温度を高く設定しているため、この周期毎に完全にRエバの除霜を行うことができ、Rエバ10の除霜を確実に且つ効果的に行うことができる。
【0040】
この場合、Rファン11の回転数を高くすることにより、さらに蒸発器との熱交換効率を高くすることができるため、確実に除霜を行うことができる。
さらに、冷媒に可燃性冷媒を使用している場合、冷媒漏れ時において、爆発の原因となる可能性が高い除霜ヒータを廃止することができるため、安全性が高くなり、もって可燃性冷媒を使用しても信頼性の高い冷蔵庫が得ることができる。
【0041】
上記した本実施形態は、本発明の1実施形態に過ぎず、発明の要旨を逸脱しない限り様々な変更が可能である。
例えば、冷凍サイクル21の構成で説明をしたが、図5に示すように、Rエバ10とFエバ13とを並列に接続し、Fエバ13の圧縮機17入口側に逆止弁41を設けた構成であっても、F冷却運転、R冷却運転になんら変わりはないため、上記構成の冷凍サイクル21´であっても、同様に本発明の効果を有する。
【0042】
また、除霜終了温度、冷却開始温度、冷却停止温度、所定時間などは、冷蔵庫の容積、及び断熱性能によって最適値は変化するためこの限りでない。
さらに、F冷却運転中のRファン11の運転は断続的であってもよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、除霜ヒータを用いずとも冷蔵用蒸発器の除霜を確実に得るとともに、冷蔵室を適正温度に保持する冷蔵庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図2】本発明のRファンの動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態を示す冷蔵庫断面図である。
【図4】本発明の実施形態を示す冷凍サイクルの説明図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示す冷凍サイクルの説明図である。
【図6】本発明の冷蔵庫制御のブロック図である。
【図7】本発明の冷蔵庫の温度変化を示すグラフである。
【図8】従来の冷蔵庫を示す断面図である。
【図9】従来の冷蔵庫冷却運転を示すフローチャートである。
【図10】従来の冷蔵庫の温度変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1…冷蔵庫 5…冷蔵貯蔵室 5a…冷蔵室
5b…野菜室 6…冷凍貯蔵室 6b…冷凍室
10…Rエバ 11…Rファン 13…Fエバ
15…F除霜ヒータ 22…切替弁 30…Rセンサ
31…Fセンサ 34…RDセンサ 35…FDセンサ
36…制御装置 37…時間積算タイマ 41…冷却移行手段
42…記憶手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷蔵用蒸発器と冷凍用蒸発器を備えた冷凍サイクルを有し、切替弁を用いて冷蔵用蒸発器又は冷凍用蒸発器に冷媒流を切り替えて交互に冷却する冷蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の家庭用冷蔵庫では、その大型化に伴い省電力設計とされており、その中で冷蔵用蒸発器、冷凍用蒸発器を有する構成が考えられている。その中で、出願人は、コストアップ低減のため冷蔵用蒸発器の除霜ヒータを廃止しても、冷蔵用蒸発器の除霜を行い得る冷蔵庫の制御方法について発明した(例えば、特許文献1)。
ここで図面に基づいて上記構成の冷蔵庫を説明する。図8に示すように、冷蔵庫本体50は冷蔵室51a、野菜室51bを設けた冷蔵貯蔵室51と、図示しない製氷室、切替室52a、冷凍室52bを有する冷凍貯蔵室52を備えている。冷蔵貯蔵室51の下部、冷凍貯蔵室52の中央部の庫内奥側には、それぞれ冷蔵用蒸発器53と冷凍用蒸発器55を配置して各々の貯蔵空間を冷却するように構成されており、図示しない切替弁によって、冷媒を冷凍用蒸発器55に流すF冷却運転と、冷媒を冷蔵用蒸発器53にR冷却運転とに切り替えて冷却制御している。
なお、冷蔵貯蔵室51および冷凍貯蔵室52の温度は、冷蔵室51および冷凍室52bのそれぞれに設けられた温度センサにより検知され、また、冷蔵用蒸発器53の温度は、冷媒配管に取り付けられた温度センサにより検知されている。
【0003】
上記F冷却運転からR冷却運転に移行するには、図9に示すように、F冷却中(S102)、冷凍室52bの室内温度が冷却停止温度(庫内温度が低くなり冷却が不要な温度、例えば−22℃)より低くなった場合(S103)、または運転積算時間がT1(例えば30分)を経過して(S104)、冷蔵室51aが冷却開始温度(庫内温度が高くなり冷却が必要な温度、例えば4℃)より高くなったときに(S105)、冷蔵用蒸発器53の温度が除霜終了温度(蒸発器に付着した霜が全て融解する温度、例えば3℃)以上に達していると(S106)、切替弁の切替動作を行いR冷却運転に移行するようになっている(S101)。
なお、ステップ106において、冷蔵用蒸発器53の温度が除霜終了温度に達した場合には、冷蔵室51aの温度が冷却開始温度に達していなくとも、除霜が完了されたとしてF冷却運転を停止する。
このとき、F冷却中は、冷蔵用蒸発器53と冷蔵貯蔵室51内の空気を熱交換する冷蔵用ファン57を回転させているため、冷蔵用蒸発器53の除霜を促す。一方、ステップ106において、冷蔵用蒸発器53の除霜が終了するまでR冷却に移行することはないため、除霜ヒータがなくともF冷却中に冷蔵用蒸発器53の除霜を確実に行うことができるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−303474公報(段落[0028]〜[0031]、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成の場合、冷蔵用蒸発器53の除霜は確実に行うことはできるが、冷蔵用蒸発器53を冷蔵貯蔵室51の下部、ここでは野菜室51bの背面に設けた冷蔵庫の形態においては、冷蔵室51aの温度が上昇してもF冷却からR冷却に移行できず、冷蔵室51aの温度が上昇し過ぎてしまうという弊害が生じる。
【0006】
この現象について図10を参照して説明する。R冷却中においては、冷蔵貯蔵室51は冷却されているため、各室内温度は下降するとともに、冷蔵用蒸発器53の温度は略一定に保たれている。
このとき、冷蔵室51aの室温が冷却停止温度まで達して、その他の条件を満たしたときにF冷却に移行するが、このとき冷蔵貯蔵室51の冷却運転は停止されているため室温は上昇する。また、冷蔵用蒸発器53は、冷蔵用ファン57の運転により除霜しながら温度上昇し、やがて除霜終了温度まで達すると冷蔵用ファン57の運転を停止する。
【0007】
しかし、冷蔵用ファン57の運転中では、冷蔵貯蔵室51の冷却は停止されているものの蒸発器に付着した霜と、室内空気との熱交換により、冷蔵貯蔵室51の温度は上昇し難く、冷蔵用蒸発器53の温度が除霜終了温度に達した時点においても、冷蔵室51aの温度は、例えば1.5℃程度に、野菜室51bの温度は、例えば4℃程度になっている。このとき、冷蔵用ファン57の運転が停止されると、空気の強制循環は停止し、冷蔵室51aの冷温の空気は下方の野菜室51b側に自発降下していくことになる。
【0008】
すると、冷蔵貯蔵室51の上部に位置する冷蔵室51aの温度は除々に上昇していくことになるが、冷たい空気が下降している野菜室51bおよび冷蔵用蒸発器53の近辺の温度は低くなるか、または停滞することになるため、一時的に、除霜終了温度を検知しても、その後、除霜終了温度以下のまま停滞することが生じる。
このため、冷蔵用蒸発器53の温度は除霜終了温度に達しない状態が継続することになり、この間、冷蔵室51aの温度が上昇してもR冷却に切り替えることができず、冷蔵室51aの温度が上昇し過ぎてしまうという弊害が生じる。
【0009】
本発明は上記問題を考慮してなされたものであり、除霜ヒータを用いずとも冷蔵用蒸発器の除霜を確実に得るとともに、冷蔵室を適正温度に保持する冷蔵庫を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、冷蔵貯蔵室と冷凍貯蔵室を配設した本体と、前記冷蔵貯蔵室を冷却するとともに冷蔵貯蔵室の下部に配設した冷蔵用蒸発器と、前記冷凍貯蔵室を冷却する冷凍用蒸発器と、冷媒の流れを冷蔵用蒸発器と冷凍用蒸発器とに切り替える切替弁と、前記冷蔵用蒸発器で生成された冷気を前記冷蔵貯蔵室内に送風する冷蔵用ファンと、前記冷蔵用蒸発器の温度を検知する冷蔵用蒸発器温度センサと、前記冷蔵貯蔵室内の温度を検知する冷蔵温度センサと、前記切替弁により、冷媒の流れを前記冷凍用蒸発器あるいは前記冷蔵用蒸発器に移行させる冷却移行手段と、前記冷凍用蒸発器に冷媒を流し前記冷凍貯蔵室の冷却中に、前記冷蔵用蒸発器温度センサの検知温度が第1の所定温度以上に達したことを記録する記憶手段とを備え、前記冷蔵用ファンを前記冷凍貯蔵室の冷却中に運転させるとともに、前記冷却移行手段は、前記冷凍用蒸発器から前記冷蔵用蒸発器に移行させるときに、前記記憶手段に前記冷蔵用蒸発器温度センサの検知温度が所定温度以上に達したことが記録されていれば、冷媒の流れを前記冷凍用蒸発器から前記冷蔵用蒸発器に移行させることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の1実施形態について、図面に基づいて説明する。図3に示すように、冷蔵庫本体1は、外箱2と、内箱3と、これらの間に充填された断熱材4とからなる断熱箱体で構成されている。この冷蔵庫本体1内には、冷蔵貯蔵室5、冷凍貯蔵室6が設けられており、冷蔵貯蔵室5内には、冷蔵室5a、野菜室5b、冷凍貯蔵室6内には切替室6a、冷凍室6bが上から順に設けられている。なお、切替室の隣には、図示しない製氷室が配設されている。
【0012】
また、冷蔵室5aの前面には、ヒンジ開閉式の断熱扉5a´が設けられている。野菜室5b、切替室6a、冷凍室6b、のそれぞれの前面には、引出し式の断熱扉5b´、6a´、6b´が設けられている。そして、冷蔵室5a、野菜室5bとの間は、仕切り板7により仕切られ、野菜室5bと切替室6a及び製氷室との間、さらに切替室6a及び製氷室6bとの間は、断熱仕切壁8および9により仕切られている。
更に、野菜室5bの背部には冷蔵用蒸発器10(以下、Rエバとする)と冷蔵用ファン11(以下、Rファンとする)が配置されている。このRファン11が駆動されると、Rエバ10により冷却された冷気は、送風ダクト12を介して冷蔵室5a内に供給された後、野菜室5bを経て循環し各室を冷却する構成となっている。
【0013】
また、冷凍貯蔵室6の背部には上から順に冷凍用ファン14(以下、Fファンとする)、冷凍用蒸発器13(以下、Fエバ13とする)、及びFエバ13を加熱し除霜するF除霜ヒータ15などが配設されている。この場合、Fファン14が駆動されると、Fエバ13により冷却された冷気は、製氷室及び冷凍室6b内に供給、循環し各室を冷却する構成となっている。
冷蔵庫本体1底部には、機械室16が形成されている。この機械室16内には、圧縮機17、除霜水を受けて蒸発させる蒸発皿18、ワイヤコンデンサからなる凝縮器20、圧縮機17及び凝縮器20を冷却する放熱用ファンを構成する機械室用ファン19(以下、Cファンとする)などが配設されている。
【0014】
図4に示すように、冷凍サイクル21は、圧縮機17、凝縮器20、切替手段を構成する切替弁22、Rキャピラリチューブ23、Rエバ10、Fキャピラリチューブ24、Fエバ13、アキュームレータ26を順次接続している。そして切替弁22からはRエバ10とFエバ13に伴列に、連結パイプ25を設け、Rエバ10とFキャピラリチューブ24間に接続している。
この場合、切替弁22は、凝縮器20から連結パイプ25を介してFキャピラリチューブ24及びFエバ13のみに冷媒を供給するF冷却運転と、凝縮器20からRキャピラリチューブ23を介してRエバ10、Fエバ13の順に冷媒を供給するR冷却運転とに切り替える機能を有している。また上記冷媒は、可燃性冷媒(例えば、HC冷媒)を使用している。
【0015】
図6は、本実施例の冷蔵庫1の電気的構成を示す図である。この図6に示すように、制御装置36は、マイクロコンピュータを主体に構成されており、冷蔵庫1の運転全般を制御する機能を有している。この制御装置36は、冷蔵室5a内の温度を検出する冷蔵温度センサ30(以下、Rセンサとする)、冷凍室6b内の温度を検出する冷凍温度センサ31(以下、Fセンサとする)、切替室6a内の温度を検出する切替室温度センサ32(以下、Sセンサとする)、庫外の温度を検出する外気温センサ33、Rエバ10の温度を検出する冷蔵用蒸発器温度センサ34(以下、RDセンサとする)、Fエバ13の温度を検出する冷凍用蒸発器温度センサ35(以下、FDセンサとする)からの各温度検出信号を受け入れるように構成されている。
そして、制御装置36は、圧縮機17、切替弁22、Rファン11、Fファン14、Cファン19、ダンパ装置38、F除霜ヒータ15とを駆動回路39を介して駆動するように構成されている。このうち、圧縮機17、Rファン11、Fファン14、Cファン19は駆動回路39に内蔵されたインバータ回路によりそれぞれ可変速駆動されるように構成されている。
【0016】
さて、上記した冷蔵庫において、冷蔵貯蔵室5を冷却するR冷却運転を実行する場合には、制御装置36の冷却移行手段41により、切替弁22を上記したR冷却運転に切り替えると共に、Rファン11、Cファン19を駆動させる。これにより、圧縮機17で圧縮された高温高圧のガス化された冷媒は凝縮器20に送られ、ここで放熱して液化しながら切替弁22、Rキャピラリチューブ23を介してRエバ10に送られる。そして、液冷媒は、Rエバ10内で蒸発し、その際に周囲の熱を奪う。これに伴い、Fエバ10の周囲の空気が冷却され、この冷却された冷気が、Rファン11の送風作用により冷蔵貯蔵室5に供給され、各室を冷却する。またRファン11は、F冷却運転中にも駆動し、Rエバ10に付着した霜の除霜を促進し、この除霜により霜は昇華し、この冷気を冷蔵貯蔵室5内に循環するため冷蔵貯蔵室5の湿度が向上される。
【0017】
冷凍貯蔵室6を冷却するF冷却運転を実行する場合には、制御装置36の冷却移行手段40により、切替弁22をF冷却運転に切り替えると共に、Fファン14及びCファン19を駆動させる。これにより、圧縮機17で圧縮され高温高圧のガス化された冷媒は凝縮器20に送られ、ここで放熱して液化しながら切替弁22、連結パイプ25、Fキャピラリチューブ24を介してFエバ13に送られる。そして、液冷媒はFエバ13内で蒸発し、Fエバ13の周囲の空気が冷却され、この冷却された冷気がFファン14の送風作用により冷凍貯蔵室6に供給され、各室を冷却する。なお切替室6aは、設定された温度となるようにダンパ装置38によって冷気の供給量が調節されるように構成されている。
【0018】
このようなF冷却運転とR冷却運転を交互に実行することにより、各室が冷却されるが、この構成の場合、R・F冷却運転を個々のRエバ10、Fエバ13で冷却するため、特にRエバ10の蒸発温度を、冷蔵貯蔵室5温に近い比較的高い蒸発温度に設定して運転することが可能であるため、冷凍サイクル21の効率を向上させることができ、ひいては省電力とすることができる。
また、Fエバ13に付着した霜を除霜する除霜運転は、F冷却運転積算時間がt5(例えば、6時間)以上経過したとき、次にR冷却運転に切り替えるタイミングで、F除霜ヒータ15に通電を開始する。そして、FDセンサ35の検知温度が除霜終了温度、例えば3℃まで上昇したことを検知した時点でF除霜ヒータ15を断電して除霜運転を終了する。
【0019】
上記除霜運転中はF除霜ヒータ15の通電により冷凍貯蔵室6の温度が上昇するため、F冷却中に、F冷却運転積算時間がt3、例えば8時間以上経過したときに、冷凍室52bの冷却停止温度を、例えば2K下げて通常よりも低い温度に冷却してから、除霜を開始することにより除霜運転による温度上昇を抑制する、いわゆるプリクールを行っている。
一方、記憶手段42は、F冷却運転中に、RDセンサ34の検知温度がRエバ10の除霜が完了する除霜終了温度(本発明でいう所定温度)、例えば3℃以上に達した場合に、このことを記録するととともに、F冷却運転からR冷却運転に移行されたときにこの記録はリセットされるようになっている。
【0020】
次に、上記構成の冷蔵庫における動作について、図1のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1では、冷却移行手段41により、切替弁22を動作させて、R冷却運転からF冷却運転に、またはF冷却運転からR冷却運転に切替える(S1)。以下、R冷却運転からF冷却運転に移行された場合について説明する。
ステップ2において、F冷却が開始されると(S2)、時間積算タイマ37をカウントさせるとともに、Rファン11、Fファン14、Cファン19を運転させる。なお、Rファン11の動作については後述する。
【0021】
ステップ3では、除霜運転開始のタイミングか否か、具体的には、F冷却運転積算タイマがt3以上経過したか否かを検出し(S3)、t3以上であれば次のR冷却運転に移行するタイミングで除霜運転を行うためにステップ5に進む。T3以上でなければ、除霜運転は必要ないとしてステップ6に進む。
ステップ4では、上記したようにプリクールを行うべく、設定されている冷却停止温度を2K下げて冷却停止温度を変更する(S4)。例えば、冷却停止温度が−22℃とすると、−24℃に下げる。
【0022】
ステップ5では、ステップ4において冷却停止温度を下げただけでは、ステップ7,8の条件により冷凍貯蔵室6をプリクールしていなくともR冷却運転に移行される条件が満たされるため、R冷却運転への移行条件であるRエバ10の除霜終了温度を2K高く設定する(S5)。例えば、除霜終了温度が3℃とすると5℃に設定する。これにより、冷凍貯蔵室6を十分に冷却してから除霜運転を開始することができる。
【0023】
ステップ6では、冷凍貯蔵室6が冷却されると、Fセンサ31の検知温度が、予め設定されている庫内の設定温度(例えば、−20℃)より下降し、冷却停止温度(設定温度−2K、例えば−22℃)に達したか否かを検出し(S6)、冷却停止温度に達していれば、冷却は不要と判断してステップ9に進む。一方、冷却停止温度に達していなければ、冷却が必要であると判断してステップ7に進む。
ステップ7では、カウントされたF冷却運転開始からの積算時間がt1(例えば、30分)以上経過したか否かを検出し、30分以上経過していれば最低限F冷却運転を行ったとしてステップ8に進む。
【0024】
ステップ8では、ステップ6においてF冷却運転は必要であると判断されても、冷却運転を行っていない冷蔵貯蔵室5側のRセンサ30が冷却開始温度(設定温度+1K、例えば4℃)より高い温度を検知した場合には、F冷却運転よりもR冷却運転を優先的に行う必要があるため、ステップ7においてF冷却運転において必要最小限の冷却を行った後、Rセンサ30が冷却開始温度に達したか否かを検出して(S8)、冷却開始温度に達していれば、ステップ9に進む。また、達していなければステップ3に戻る。
【0025】
ステップ9では、記憶手段42に、F冷却運転中に、RDセンサ34の検知温度が除霜終了温度に達した情報が記録されているか否かを検出する(S9)。
これは、F冷却運転中に、Rエバ10の除霜が終了してRDセンサ34の検知温度が一旦、除霜終了温度に達しても、その後、Rエバ10温が除霜終了温度以下に停滞することでR冷却運転に移行できないという弊害を防止するものである。
F冷却運転中に、RDセンサ34が除霜終了温度に達した場合、除霜が完了されたとして省電力化のためにRファン11の運転を停止するが、今まで循環されていた空気の流れが止まるため、冷蔵室5aの冷たい空気は下方の野菜室5bおよび送風ダクト12を介してRエバ10側に下降する。
【0026】
すると、冷蔵貯蔵室51の上部に位置する冷蔵室51aの温度は除々に上昇していくことになるが、冷たい空気が下降している野菜室51bおよびRエバ10の近辺の温度は低くなるか、または低温空気が停滞することになるため、RDセンサ34の検知温度は周囲の温度影響を受けて除霜終了温度以下に停滞することになる。
この場合、RDセンサ34は一旦、除霜終了温度以上の温度を検知しており、Rエバ10の除霜は完了しているが、従来の冷蔵庫では、R冷却運転に移行するタイミングのときにRDセンサ34の検知温度が除霜終了温度以上に達していなければ移行することができなかったため、この間、冷蔵室5aの温度が上昇してもR冷却運転に切り替えることができず、冷蔵室5aの温度が上昇し過ぎてしまうという弊害が生じるものであった。
【0027】
そこで、一度でも、RDセンサ34の検知温度が除霜終了温度以上に達した場合には、除霜は完了しているとして、かかる情報を記憶手段42に記録させておき、その他の移行条件、ここではステップ6〜8を満たしていれば、R冷却運転に移行させるように構成した。これにより、確実にRエバ10の除霜を行うことができるとともに、除霜が完了した後、冷蔵室5aの温度が冷却開始温度に達すれば迅速に冷却運転に移行することができるため、冷蔵室5aの温度を的確に保持することができるのである。
したがって、記憶手段42にかかる記録がなければ、除霜は完了していないとしてステップ3に戻り、記録があれば、除霜は完了しているとともにR冷却運転が必要であるとしてステップ10に進む。
【0028】
ステップ10では、F冷却運転が終了したため、記憶手段42に記録されている情報をリセットして(S10)、ステップ11に進む。
ステップ11では、上記したように除霜運転開始のタイミングか否かを検出し(S11)、除霜運転開始のタイミングでなければステップ1に進み、冷却移行手段41によりR冷却運転からF冷却運転に移行させる。一方、除霜運転開始のタイミングであればステップ12に進み、除霜運転を行って(S12)、ステップ1に進む。このとき、F冷却運転を行うか、R冷却運転を行うかは、Rセンサ30およびFセンサ31の検知温度とそれぞれの設定温度との温度差が大きい方から冷却運転を開始することが好ましい。
【0029】
さて、ステップ13において、R冷却運転が開始されると(S13)、制御装置36に内蔵されている時間積算タイマ37がカウントされる。
ステップ14では、そのまま冷蔵貯蔵室5が冷却されると、Rセンサ30の検出温度が、予め設定されている庫内の設定温度(例えば、2℃)より下降し、冷却停止温度(設定温度−1K、例えば1℃)に達したか否かを検出し、達していれば冷却は不要と判断してステップ1に進む。
【0030】
一方、Rセンサ30の検知温度が冷却停止温度に達していない場合でも、冷却を行っていない冷凍貯蔵室6の室温が上昇して冷却を移行した方が好ましいことがあるので、ステップ15では、冷蔵貯蔵室5の冷却を行うのに最低限必要な時間(R冷却運転開始からの積算時間)がt2(例えば、20分)以上経過したか否かを検出し(S15)、このときt2以上経過していればステップ16に進む。
ステップ16では、冷却していない側のF温度センサ31が冷却開始温度(設定温度+2K、例えば−18℃)より高い温度を検知したか否かを検出し(S16)、冷却開始温度以上であれば、F冷却運転が必要と判断して、ステップ1に進む。
【0031】
次に、F冷却運転中におけるRファン11の制御方法について、図2のフローチャートを参照して説明する。
ステップ20では、F冷却運転の開始とともにRファン11を低速、例えば1400rpmで回転させる(S20)。また、R冷却運転において運転させている場合には継続的に運転させてもよい。
ステップ21では、除霜運転開始のタイミングか否か、具体的には、F冷却運転積算タイマがt3以上経過したか否かを検出し(S3)、t3以上であればステップ22に進み。t3以上でなければ、ステップ23に進む。
【0032】
ステップ22では、Rファン11の回転数を高く設定する(S22)。例えば、低速運転中であれば、中速運転、ここでは1600rpmに変更する。これは、F冷却中のRファン11の運転によりRエバ10の除霜を行うことができるが、融解した霜の水分がRエバ10に多く付着していると、その後の冷却運転においても着霜量が多くなり冷凍能力に影響を与えることになるため、Fエバ13を除霜する除霜運転の周期に合わせて、Rファン11の回転数を高くすることにより、熱交換効率を高めてRエバ10の除霜を確実に行わしめ、かかる不具合を解消することができる。また、必要最小限の能力でRファン11の運転を行うことにより省電力化が可能となる。
【0033】
ステップ23では、Rエバ10の温度、具体的にはRDセンサ34の検知温度が除霜終了温度以上に達したか否かを検出する(S23)。除霜温度以上に達していれば、Rエバ10に付着した霜が融解され除霜が完了したとしてステップ24に進み、除霜終了温度に達していなければ、ステップ20に戻り継続してRファン11を運転させる。
ステップ24では、RDセンサ34の検知温度が除霜終了温度以上に達した情報を記憶手段42に記録して(S24)、ステップ25に進む。
【0034】
ステップ25では、時間積算タイマ37より、ステップ24において記憶手段42に記録されてからの時間が所定時間t4、例えば1分以上経過したか否かを検出して(S25)、t4以上経過していれば、ステップ26に進み、Rファン11を停止させる(S26)。
ステップ27では、Rエバ10の温度、具体的にはRDセンサ34の検知温度が除霜終了温度以下に達したか否かを検出する(S27)。
ステップ23において除霜の完了を検出しても、上述したように冷気の下降による温度低下の他に、高温度の食品が投入されたり、信号ノイズの影響を受けて、除霜は完了していないが一時的にRDセンサ34の検知温度のみが上昇する場合が想定され、かかる場合にRファン11を停止させおくと、Rエバ10の除霜を行うことができなくなるという不具合が生じる。
【0035】
このため、再度、RDセンサ34の検知温度が除霜終了温度以下に達したか否かを検出し、除霜終了温度以下になれば除霜が完了していない可能性があるとしてRファン11を再運転させるためにステップ28に進み、除霜終了温度以上であれば、そのままステップ26を継続する。
【0036】
ステップ28では、時間積算タイマ37より、ステップ26においてRファン11を停止させてからの時間が所定時間t5、例えば1分以上経過したか否かを検出して(S28)、t5以上経過していれば、ステップ20に戻り、Rファン11の運転を再開させる(S20)。一方、t5以上経過していなければ、ステップ27に戻る。
これは、ステップ25も同様に、RDセンサ34の検知温度が除霜終了温度の近傍である場合、Rファン11の運転と停止が瞬時に切り替わり、ファンに異音が発生するなどの、いわゆるチャタリングの問題が生じるため、RDセンサ34の検知温度が除霜終了温度に達しても、所定時間t4,t5はRファン11の動作を継続させることにより、かかるチャタリングを抑制することができる。
なお、ステップ25,28の代わりにRファン11の動作温度である除霜終了温度にヒステリシスを設けても同様の効果を奏する。この場合、例えば、Rファンを運転開始させる温度を除霜終了温度−1Kとし、Rファンを停止させる温度を除霜終了温度+1Kとする。
【0037】
上述したように、F,Rエバ13,10を有し、Rエバ10を冷蔵貯蔵室5の下部に配設させた冷蔵庫の形態において、F冷却運転中にRファン11を運転させるとともに、他の条件の他に、RDセンサ34の検知温度が除霜終了温度以上に達したことが記憶手段42に記録されていれば、冷却移行手段41によりF冷却運転からR冷却運転に移行させているため、Rエバ10に除霜ヒータを用いずとも、確実にRエバ10の除霜を行うことができるとともに、除霜が完了した後、冷蔵室5aの温度が冷却開始温度に達すれば迅速に冷却運転を移行することができるため、冷蔵室5aの温度を的確に保持することができるのである。
【0038】
また、RDセンサ34の検知温度が除霜終了温度以上に達したときにRファン11を停止させるが、ノイズなどの影響により一時的にRDセンサ34の検知温度のみが上昇してRエバ10の除霜が完了していない状態であっても、記憶手段42に上記情報を記録された以降に、RDセンサ34の検知温度が除霜終了温度以下に達したときに、Rファン11を再度運転させるようにしているため、ノイズなどの影響を受けても除霜が終了するまではR冷却に移行することはないため、確実にRエバ10の除霜を行うことができる。
【0039】
この場合、RDセンサ34の検知温度が除霜終了温度以上または以下になっても、所定時間t4,t5経過するまでは、Rファン11の運転または停止状態を継続させているため、Rファン11の運転と停止が瞬時に切り替わり、ファンに異音が発生するなどのチャタリングによる不具合を解消することができる。
また、プリクールを行う際には、R冷却運転への移行条件であるRエバ10の除霜終了温度を高く設定することにより、冷凍貯蔵室6を十分に冷却してから除霜運転を開始することができるため、除霜運転による冷凍貯蔵室6の温度上昇を抑制することができる。さらに、F冷却中で融解した霜の水分がRエバ10に多く付着したまま、冷却されると着霜量が多くなり冷凍能力に影響を与えることになるが、Fエバ13の除霜周期毎にRエバ10の除霜終了温度を高く設定しているため、この周期毎に完全にRエバの除霜を行うことができ、Rエバ10の除霜を確実に且つ効果的に行うことができる。
【0040】
この場合、Rファン11の回転数を高くすることにより、さらに蒸発器との熱交換効率を高くすることができるため、確実に除霜を行うことができる。
さらに、冷媒に可燃性冷媒を使用している場合、冷媒漏れ時において、爆発の原因となる可能性が高い除霜ヒータを廃止することができるため、安全性が高くなり、もって可燃性冷媒を使用しても信頼性の高い冷蔵庫が得ることができる。
【0041】
上記した本実施形態は、本発明の1実施形態に過ぎず、発明の要旨を逸脱しない限り様々な変更が可能である。
例えば、冷凍サイクル21の構成で説明をしたが、図5に示すように、Rエバ10とFエバ13とを並列に接続し、Fエバ13の圧縮機17入口側に逆止弁41を設けた構成であっても、F冷却運転、R冷却運転になんら変わりはないため、上記構成の冷凍サイクル21´であっても、同様に本発明の効果を有する。
【0042】
また、除霜終了温度、冷却開始温度、冷却停止温度、所定時間などは、冷蔵庫の容積、及び断熱性能によって最適値は変化するためこの限りでない。
さらに、F冷却運転中のRファン11の運転は断続的であってもよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、除霜ヒータを用いずとも冷蔵用蒸発器の除霜を確実に得るとともに、冷蔵室を適正温度に保持する冷蔵庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図2】本発明のRファンの動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態を示す冷蔵庫断面図である。
【図4】本発明の実施形態を示す冷凍サイクルの説明図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示す冷凍サイクルの説明図である。
【図6】本発明の冷蔵庫制御のブロック図である。
【図7】本発明の冷蔵庫の温度変化を示すグラフである。
【図8】従来の冷蔵庫を示す断面図である。
【図9】従来の冷蔵庫冷却運転を示すフローチャートである。
【図10】従来の冷蔵庫の温度変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1…冷蔵庫 5…冷蔵貯蔵室 5a…冷蔵室
5b…野菜室 6…冷凍貯蔵室 6b…冷凍室
10…Rエバ 11…Rファン 13…Fエバ
15…F除霜ヒータ 22…切替弁 30…Rセンサ
31…Fセンサ 34…RDセンサ 35…FDセンサ
36…制御装置 37…時間積算タイマ 41…冷却移行手段
42…記憶手段
Claims (2)
- 冷蔵貯蔵室と冷凍貯蔵室を配設した本体と、前記冷蔵貯蔵室を冷却するとともに冷蔵貯蔵室の下部に配設した冷蔵用蒸発器と、前記冷凍貯蔵室を冷却する冷凍用蒸発器と、冷媒の流れを冷蔵用蒸発器と冷凍用蒸発器とに切り替える切替弁と、前記冷蔵用蒸発器で生成された冷気を前記冷蔵貯蔵室内に送風する冷蔵用ファンと、前記冷蔵用蒸発器の温度を検知する冷蔵用蒸発器温度センサと、前記冷蔵貯蔵室内の温度を検知する冷蔵温度センサと、前記切替弁により、冷媒の流れを前記冷凍用蒸発器あるいは前記冷蔵用蒸発器に移行させる冷却移行手段と、前記冷凍用蒸発器に冷媒を流し前記冷凍貯蔵室の冷却中に、前記冷蔵用蒸発器温度センサの検知温度が第1の所定温度以上に達したことを記録する記憶手段とを備え、前記冷蔵用ファンを前記冷凍貯蔵室の冷却中に運転させるとともに、前記冷却移行手段は、前記冷凍用蒸発器から前記冷蔵用蒸発器に移行させるときに、前記記憶手段に前記冷蔵用蒸発器温度センサの検知温度が所定温度以上に達したことが記録されていれば、冷媒の流れを前記冷凍用蒸発器から前記冷蔵用蒸発器に移行させることを特徴とする冷蔵庫。
- 前記冷蔵用蒸発器温度センサの検知温度が第1の所定温度以上に達したときに前記冷蔵用ファンを停止させるとともに、前記記憶手段に前記冷蔵用蒸発器温度センサの検知温度が第1の所定温度以上に達したことが記録された以降に、前記冷蔵用蒸発器温度センサの検知温度が所定温度以下に達したときに、前記冷蔵用ファンを再度運転させることを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
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- 2003-03-25 JP JP2003081848A patent/JP2004286393A/ja active Pending
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