JP2004285655A - 木質材料の接合部補強構造 - Google Patents

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克巳 永原
Kiyoshi Imai
潔志 今井
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Abstract

【課題】意匠上及び母材断面確保の上からも好適な木質材料の接合部補強構造を提供する。
【解決手段】木質材料1,2同士の接合端面に互いに連通する連通孔3,6を形成し、該連通孔3,6に接着剤4を介して連結鋼棒5を挿通することにより両木質材料1,2を接合するようにした接合構造において、両接合端面における連通孔3,6周囲にこれを囲う溝7,8をそれぞれに刻設し、該溝7,8に嵌合して木質材料1,2間にまたがって介在され、前記連結孔3,6の周囲を包囲する補強鋼板9を設けた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木質材料の接合部補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
木造建築物であっても、より高層な建物の建築が望まれている。柱と梁等の木質材料同士の接合には、従来、伝統的な木材継手構造が用いられてきたが、より高層な建物を実現するためには、継手強度の脆弱性や、継手部の加工の面倒さなどの課題が生じていた。
【0003】
そこで、部材断面寸法に制限があり、しかもある程度の強度、剛性を必要とする木質材料同士の接合には、以上の木材継手構造に換えて、鉄筋、ねじ鋼棒などの連結鋼棒を接着剤とともに両木材の接合部間に挿入介在させ、接合部を剛結合する構造が用いられるようになってきた。
【0004】
ところで、これらの鋼棒挿入による接合では、木質材料間に引抜き力が働くと母材である木質材料の繊維方向に割れを生じ、この割れが大きな割れに進展し、抜け出すおそれがあった。このような引抜き現象を防止するために、従来では、前記鉄筋挿入位置周囲において、母材の繊維方向と直交して複数のドリフトピン、ラグスクリュウ、あるいはボルトなどの補助金具を貫通して取り付け、これらの補助金具の定着力により繊維の割れや、割れの伝播を防止する対策がとられてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記補助金具にあっては、単なる割れ止めとしての機能しかなく、加えて母材の表面にこれらの補助金具の先端が露出したのでは、見栄えが悪く意匠的な問題が生じたり、火災時における母材の燃えしろ確保の問題が生ずるため、補助金具の挿通位置における母材の貫通孔表面に先端部が入る大径の穴を形成し、この穴に目隠し用の木栓を埋込む等の処置を施こす必要があり、当該加工跡による見栄えが悪化するのみならず、母材断面を確保する上からも好ましいものではなかった。
【0006】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、母材の割れ止め機能だけでなく、目隠し用の加工跡もなく、意匠上及び母材断面確保の上からも好適な木質材料の接合部補強構造を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、木質材料同士の接合端面に互いに連通する連通孔を形成し、該連通孔に接着剤を介して連結鋼棒を挿通することにより両木質材料を接合するようにした接合構造において、両接合端面における連通孔周囲にこれを囲う溝をそれぞれに刻設し、該溝に嵌合して前記木質材料間にまたがって介在され、前記連結孔の周囲を包囲する補強鋼板を設けたことを特徴とするものである。
【0008】
従って、本発明では、接合箇所の鋼棒に引抜き力が加わった状態で、前記補強鋼板がその周囲を引締めた状態にあるため、繊維方向の割れやその伝播を未然に防止でき、かつ接合状態では接合面によって鋼板が隠されているため、見栄え上の問題がなく、しかも繊維直交方向に孔を形成することがないため、断面確保の上からも有利である。
【0009】
また、本発明では、前記補強鋼板が前記溝形状に応じた断面の鋼管であることにより、孔位置とその周囲は完全に隔離されるため、接着剤のあふれ防止用のシール材として機能し、かつ火炎伝播防止機能なども生ずることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。図1,2は本発明を柱勝ち構造における木製柱及びこれの左右に連結される一対の木製梁の接合補強構造に適用した場合を示すものである。なお、ここで言う「柱勝ち構造」とは、通し柱の側面に梁の端部が当接するように梁を柱に連結した構造である。逆に、梁が横通し、梁の上下面に柱の端部が当接するように柱を梁に連結した構造を「梁勝ち構造」と言う。
【0011】
図において、柱1の梁2に対する接合位置の上部側及び下部側にはそれぞれ平行な一対の連通孔3が形成され、この連通孔3にはエポキシ樹脂などの接着剤4を介して連結鋼棒5が左右対称に突出するように挿通され、各連結鋼棒5の突出端を梁2の接合端面上下に平行に形成された連通孔6に同じく接着剤4を介して挿通し、図1(b)、図2に示すように、接合面を面一に接合することによって柱1と梁2との接合を行っている。なお、図2に示すように、前記連結鋼棒5の挿通位置は梁2の上端及び下端と連結鋼棒5の中心との間の距離を例えば100mm程度とすることが母材の割れを防止することや、火災時の構造安全性を確保する上で好ましい。
【0012】
以上に加え、前記柱1及び梁2の接合端面には予め上部及び下部側の連通孔3,6を包囲する形状を有し、例えば角部を円弧とした水平方向に扁平した長方形の溝7,8がそれぞれ形成され、この各溝7,8の一方には、柱1と梁の双方にまたがって配置される同一長方形断面で溝幅に等しい厚みの短い補強鋼管9が嵌合される。
【0013】
前記溝7,8の深さは補強鋼管9の長さをLとした場合、それぞれ1/2L程度に設定され、柱1及び梁2の接合状態では補強鋼管9は両溝7,8内に嵌合し、上下2本ある連結鋼棒5を接合位置で所定の深さ分包囲した状態としている。
【0014】
従って、連結鋼棒5に対して引抜き力が加わった状態で、接合端面位置では補強鋼管9の存在により、割れやその伝播がなく、所定の接合強度を保つことができる。加えて、従来のように母材繊維方向に直交する孔や木栓などがないため、母材断面確保の点からも、意匠性の観点からも好ましい構造となる。
【0015】
さらには、連結鋼棒5を梁2側の連通孔6に所定の位置まで挿通した後、エポキシ樹脂などの接着剤4を連通孔6内に充填するため、接合面の隙間からこれがあふれ、外部に漏れるおそれが生ずるが、図3に拡大して示すように補強鋼管9が堰となって接着剤4をシールするため無駄がなく、また補強鋼管9の内側に回り込んだ接着剤はそのまま柱1と梁2の接合用の接着剤として有効利用される。
【0016】
また、図4(a)に示すように、木材継手には、上下方向の耐久性を増すためのほぞとほぞ穴結合があるが、前記補強鋼管9は図4(b)に示すように、丁度このほぞとほぞ穴結合と同一結合形態であり、したがって柱1と梁2との間に加わる上下方向の剪断力に対する耐久性も増すものとなる。
【0017】
またさらには、火災発生により、柱1と梁2との接合位置における微小隙間dより火炎が吹込んだ場合、図5(a)に示すように、連結鋼棒5だけの場合には、連結鋼棒5に直接火炎の熱が回り込み、これを灼熱する。この灼熱により連結鋼棒5が劣化するともに周囲の接着剤4の接着性が損われ、接合性が低下しやすい。これに対し、図5(b)に示すように、補強鋼管9が介在されている場合には、ここで火炎の伝達が止り、内部の連結鋼棒5が保護されるため、接合部の信頼性は確保されることになる。
【0018】
なお、以上の実施形態では、柱1の周囲に左右対称に2本の梁2を接合した場合について説明したが、L字型配置や3本のT字型配置、あるいは4本の梁を配置する構造としてもよく、これらのいずれの場合においても交差位置の競合をさけるために連通孔及び溝を上下にずらした配置とすればよい。
【0019】
また本発明は、柱・梁だけでなく、柱同士、梁同士などの接合補強構造に適用可能であり、断面に応じて1ないし複数の連結鋼棒とこれを囲う補強鋼管を接合位置に配置することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明による木質材料の接合部補強構造によれば、母材の割れ止め機能だけでなく、目隠し用の加工跡もなく、意匠上及び母材断面確保の上からも好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は本発明を柱・梁接合に適用した場合を示す一部拡大部分を示す分解図、及び組立図である。
【図2】(a)は同側断面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図3】同補強構造における接着剤シール効果を示す部分拡大図である。
【図4】(a)は木材継手におけるほぞとほぞ穴との関係を示す説明図、(b)はこれと対比する本発明の補強構造の説明図である。
【図5】(a)は火炎発生時における補強鋼管のみによる不具合を示す説明図、(b)は同火炎発生時における本発明構造の説明図である。
【符号の説明】
1 柱
2 梁
3,6 連通孔
4 接着剤
5 連結鋼棒
7,8 溝
9 補強鋼管(鋼材)

Claims (2)

  1. 木質材料同士の接合端面に互いに連通する連通孔を形成し、該連通孔に接着剤を介して連結鋼棒を挿通することにより両木質材料を接合するようにした接合構造において、
    両接合端面における連通孔周囲にこれを囲う溝をそれぞれに刻設し、該溝に嵌合して前記木質材料間にまたがって介在され、前記連結孔の周囲を包囲する補強鋼板を設けたことを特徴とする木質材料の接合部補強構造。
  2. 前記補強鋼板が前記溝形状に応じた断面の鋼管であることを特徴とする請求項1に記載の木質材料の接合部補強構造。
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