JP2004283878A - 残留応力のバラツキが少なく形状良好な鋼板を得るための矯正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】残留応力のバラツキが少なく形状の良好な鋼板を得るための、鋼板の矯正方法を提供する。
【解決手段】鋼板を複数の矯正ロール間に複数パス回数通過させて矯正するに際し、矯正ロールが9本以下として3パス通過させ、かつ塑性変形率を1パス目:80〜85%、2パス目:70〜75%、3パス目:60〜65%とする。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼板のレベラ矯正方法に関するものであり、特に残留応力のバラツキが小さく形状良好な鋼板を得るための矯正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的な鋼板の製造方法として、例えばスラブを1000〜1200℃程度に加熱し、所定の寸法になるまで熱間圧延(粗圧延及び仕上げ圧延)が行われる。また、TMCP(Thermo−Mechanical Control Process)鋼板の場合には、加速冷却又は直接焼き入れを実施した後、熱間矯正により鋼板を平坦化し、ガス切断、プラズマ切断、レーザ切断又はシャー切断により所定寸法に切断される。
【0003】
この様に幾つかの工程における様々な製造条件のバラツキにより、鋼板には不均一な残留応力が発生する。例えば、加熱時の温度不均一(加熱ムラ)、圧延時の平坦度不良(波や反り)や板厚偏差、表面のスケール性状(スケールの成分や厚み)の不均一に起因する水冷時の冷却ムラ、加速冷却やデスケーリング時の不均一冷却(特に鋼板四周部)、熱間矯正時の零点のズレやロール撓み、空冷時の不均一冷却、熱切断時の熱影響による残留応力及び組織変化・硬化、シャー切断時の切断歪、冷間矯正時の零点のズレやロール撓み、熱処理における表面性状の違い(手入れやショットブラスとの有無)等が、不均一な残留応力発生の原因となる。
【0004】
従来、需要家における加工情報、例えば加工条件、加工方法、加工形状及び加工精度の許容値等に応じて、鋼板の残留歪、残留応力等の特性が制御されることはほとんどなされていなかった。
【0005】
従って、上記残留応力を有する従来の鋼板を需要家側で切断した場合に、切断により残留応力が解放され、鋼板に伸張、収縮、横曲がり、反り等が発生するといった問題が生じていた。残留応力の解放による鋼板の変形が大きい場合には、切断された鋼板の形状や寸法が許容誤差範囲を逸脱する可能性がある。その結果、需要家側で許容範囲外となる部分を切断する必要があり、生産性や歩留まりが低下するという問題が生じていた。また、該鋼板を用いて部材等を製造するに際し、鋼板の変形及び変形のバラツキを考慮して設計しなければならず、設計上の制約が大きいという問題があった。
【0006】
これまでに鋼板の変形および変形のバラツキを小さくする技術として、特許文献1には、広い板厚範囲にわたり、精度の良いストリップ矯正が可能である矯正機が提案されており、該矯正機を用いて矯正するときの圧下条件として、ストリップの塑性変形率が規定されている。
【0007】
また、特許文献2には、条切りキャンバの発生を抑制すべく、板幅中央部と板幅エッジ部との温度差が50℃以内となるよう板幅方向の温度を均一化するとともに、塑性変形率0.5以上でホットレベリングすることが提案されている。
【0008】
特許文献3には、「金属板の矯正方法」として矯正用ロールによって曲げられた金属板の曲率を測定し、該測定値と予め設定した曲率の相違から矯正用ロールの圧下量を制御する方法が提案されており、金属板を的確にかつ効率的に矯正するには、金属板の塑性曲げ程度の指標である塑性変形率を50%以上とする必要があることが示されている。
【0009】
特許文献4では、圧延後の耳波形状を急峻度0.2%以下にするには、前記レベラでの押し込みを塑性変形率0.8以上にしても困難であり、圧延機で板形状を中伸びまたはクオータ波の形状に制御したのち、後続のレベラまたはテンションレベラでその形状を矯正することが有効である旨示されている。
【0010】
また、特許文献5には、ローラレベラによって板厚が連続的に変化するテーパ厚鋼板の平坦矯正を行うに際し、前記ローラレベラにおけるレベラロール群に作用する矯正反力を一定に保ちながら、テーパ厚鋼板の平坦矯正を行うことが提案されており、その実施例には、塑性変形率が80%となるような圧下量で矯正が行われている。
【0011】
特許文献6には、鋼板の熱間ローラ矯正において、矯正ロールの鋼板幅方向の押し込み量の最小値と最大値との差が、形状不良を発生させるときの該差より小さくなるよう熱間ローラ矯正を行うことが提案されており、該熱間ローラ矯正の後に行う冷間ローラ矯正では、塑性率が85%以上となるようにするのがよい旨記載されている。
【0012】
また特許文献7には、ローラレベラによる金属板の矯正方法において、複数配置されている1対の圧下シリンダの個々の矯正荷重が合計荷重の10%以下となるよう矯正荷重を調整するとともに、矯正により金属板に付与される曲げ加工により金属板の降伏する板厚方向の領域が、矯正終了時において板厚の60%以上となるよう、矯正荷重を調整して矯正することが提案されている。
【0013】
更に、特許文献8には、矯正ロールおよびバックアップロールの初期位置の設定を正確に行うことによって、矯正後の鋼板に生ずる形状不良を防止することが提案されている。
【0014】
上述の通り、鋼板の特性を評価する上で、残留応力のバラツキが小さいことが重要な要件となるが、上記従来技術では、変形等を抑えることができても残留応力のバラツキを抑えることまで十分に考慮されておらず、また、残留応力のバラツキを小さくすることができても、形状良好な鋼板を得ることができない場合があった。
【0015】
【特許文献1】
特開平8−206735号公報
【特許文献2】
特開平4−66271号公報
【特許文献3】
特開平6−106241号公報
【特許文献4】
特開平7−265928号公報
【特許文献5】
特開平8−257637号公報
【特許文献6】
特開平11−28517号公報
【特許文献7】
特開2002−102926号公報
【特許文献8】
特開平10−80725号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、残留応力のバラツキが小さく、かつ形状の良好な鋼板を得るための、鋼板の矯正方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る、残留応力のバラツキが少なく形状良好な鋼板を得るための矯正方法とは、鋼板を複数の矯正ロール間に複数パス回数通過させて矯正するに際し、矯正ロールが9本以下の場合には3パス通過させ、かつ塑性変形率を
1パス目:80〜85%、
2パス目:70〜75%、
3パス目:60〜65%
とするところに特徴を有する。
【0018】
また本発明は、鋼板を複数の矯正ロール間に複数パス回数通過させて矯正するに際し、矯正ロールを11本以上の場合には2パス通過させ、かつ塑性変形率を
1パス目:80〜85%、
2パス目:60〜65%
とすることを特徴とする矯正方法も規定する。
【0019】
この様な矯正方法において、通板方向の入り側から3番目の矯正ロールに鋼板を挿入する際、該鋼板全面における最大押し込み量の差を0.4mm以下とすると、本発明で意図する鋼板が得られやすくなるのでよい。
【0020】
尚、上記「塑性変形率」とは、板厚方向で塑性変形している領域の板厚に対する割合をいうものとする。また、上記「最大押し込み量の差」とは、図1(a)または(b)に例示する様に板全面における鋼板面の最大高さと最低高さの差:tを示すものとする。
【0021】
更に、上記「通板方向の入り側から3番目の矯正ロール」とは、図2(矯正ロールが9個の場合を例示)に示す通り、通板方向の入り側から数えて第3番目の矯正ロール(斜線で示すロール)をいう。尚、通板方向が図2(a)に示す左方向の場合と図1(b)に示す右方向の場合とで、第3番目の矯正ロールは異なる(矯正ロールが5個の場合のみ、第3番目の矯正ロールは同一ロールを指す)。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、前述した様な状況の下で様々な角度から検討を行った。その結果、矯正ロールの本数に応じてパス回数を規定し、かつ各パスにおける塑性変形率を規定すればよいことを見出し、上記本発明に想到した。以下、本発明でこの様に矯正方法を規定した理由について詳述する。
【0023】
(1)まず本発明では、鋼板を複数の矯正ロール間に複数パス回数通過させて矯正するに際し、矯正ロール:9本以下で行う場合には、3パス通過させ、かつ塑性変形率を
1パス目:80〜85%、
2パス目:70〜75%、
3パス目:60〜65%とすれば、パス回数等を更に増加せずとも、効率よく鋼板の矯正を行うことができ、残留応力のバラツキが小さく、かつ形状良好な鋼板が得られることを見出した。
【0024】
この様に矯正ロール:9本以下で行う場合には3パス通過させることを必須とする。パス回数が2回以下であると、残留応力のバラツキは低減できても、形状の好ましくないものが得られるからである。
【0025】
また本発明では、3パス分の各塑性変形率も規定しており、パス回数の増加に伴い塑性変形率が小さくなるようにし、各パスにおける塑性変形率が上記範囲内となるよう矯正を行う必要がある。塑性変形率が上記範囲よりも高いと、新たな残留応力歪が生じたり、形状不良部分が新たに生じたりするおそれがあり好ましくない。一方、塑性変形率が上記範囲よりも低いと、残留応力歪を十分に除去できない。
【0026】
尚、残留応力ひずみを除去し、かつ形状の良好な鋼板とするには、少なくとも矯正ロールを5本用いるのがよい。
【0027】
また本発明は、矯正ロール:9本以下で行う場合に、3パスを上記塑性変形率で矯正することを必須としているのであって、更にパス回数を増加させて矯正を行ってもよく、その場合には、得られる鋼板の残留応力歪と形状を想定し、塑性変形率を適宜決定することができる。
【0028】
(2)本発明では、鋼板を複数の矯正ロール間に複数パス回数通過させて矯正するに際し、矯正ロール:11本以上で行う場合には、2パス通過させ、かつ塑性変形率を
1パス目:80〜85%、
2パス目:60〜65%とすれば、この場合も効率よく鋼板の矯正を行うことができ、残留応力のバラツキが小さく、かつ形状良好な鋼板が得られることを見出した。
【0029】
この様に矯正ロール:11本以上で矯正を行う場合には2パス通過させることを必須とする。パス回数が1回のみであると、形状の好ましくないものが得られるからである。
【0030】
また本発明では、2パス分の各塑性変形率も規定しており、この場合もパス回数の増加に伴い塑性変形率が小さくなるようにし、各パスにおける塑性変形率が上記範囲内となるよう矯正を行う必要がある。塑性変形率が上記範囲よりも高いと、新たな残留応力歪が生じたり、形状不良部分が新たに生じたりするおそれがあるからである。一方、塑性変形率が上記範囲よりも低いと、残留応力歪を十分に除去できないので好ましくない。
【0031】
尚、矯正ロールの本数についてその上限は特に規定するものでなく、経済的な観点から本数を決定すればよい。
【0032】
またこの場合も、矯正ロール:11本以上で行う場合に、2パスを上記塑性変形率で矯正することを必須としているのであって、更にパス回数を増加させて矯正を行ってもよく、その場合には、得られる鋼板の残留応力歪と形状を想定して塑性変形率を適宜決定することができる。
【0033】
(3)上述の通りロール本数に応じて矯正パス回数と塑性変形率を規定することに加えて、通板方向の入り側から3番目の矯正ロールに鋼板を挿入する際に、該鋼板全面における最大押し込み量の差を0.4mm以下とするのが望ましいことも見出した。
【0034】
この様に通板方向の入り側から3番目の矯正ロールにおいて上記最大押し込み量の差を規定するのは、3番目の矯正ロールが最も鋼板に荷重を加えるロールであり、該ロールに挿入する際に鋼板全面における最大押し込み量の差を0.4mm以下とすれば、残留応力のバラツキを所望のレベルまで低減し易くなり、また形状の良好なものが得られ易いからである。
【0035】
より好ましくは、上記最大押し込み量の差を、0.2mm以下とするのがよく、最も好ましくは上記最大押し込み量の差を0mmとする。
【0036】
尚、この様に鋼板の最大押し込み量の差を0.4mm以下とするには、図3(本発明の矯正機の一部である、上部矯正ロールに関する装置の模式図)に示す、ワークロール(矯正ロール)21の圧下量を調整するシリンダー24の圧下量を制御すればよい。
【0037】
尚、本発明の矯正方法は、上記規定条件を満たすように行えばよく、用いる鋼板の鋼種、サイズ等についてまで規定するものでない。また本発明は、鋼板の冷間矯正のみを規定するのであって、矯正に用いる鋼板の製造方法、即ち、鋳造や熱間圧延、更には熱間矯正の条件まで規定するものでない。
【0038】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0039】
本発明では、図4に示す工程で、熱間圧延、熱間矯正およびローラレベラによる冷間矯正を行った。加熱炉1による加熱温度は1200℃であり、圧延完了時の温度は780℃であった。圧延後の形状はフラットであった。
【0040】
加速冷却装置5による加速冷却条件は、冷却前温度760℃、冷却後温度550℃、冷却速度7℃/秒であった。さらに、熱間矯正装置6による矯正条件は、圧下設定量が入側12.0mm、出側15.0mmであった。また、矯正温度は540℃であった。熱間矯正後の平坦度もフラットであった。平坦度判定方法は、ローラテーブル上と角棒上でのストレッチャーによる平坦度測定を行った。
【0041】
そして熱間矯正装置6による矯正後に、ローラレベラ10による冷間矯正を、表1に示す条件(矯正する鋼板のサイズ、ロール本数、パス回数、塑性変形率、通板方向の入り側から3番目の矯正ロールに鋼板を挿入する際の、該鋼板全面における最大押し込み量の差)で行い製品鋼板を得た。尚、通板方向の入り側から3番目の矯正ロールに鋼板を挿入する際の、該鋼板全面における最大押し込み量の差は、前記図3に示すシリンダー24の圧下量を適宜調節して制御した。
【0042】
尚、矯正装置(ローラレベラ)10の詳細は、最大矯正荷重5000トン、矯正ロール径360mm×胴長4800mmであった。また矯正速度は20rpmであった。
【0043】
矯正前の鋼板と矯正後の製品鋼板のそれぞれについて、残留応力のバラツキを、図5に示す各測定位置A,B,Cの残留応力の最大値と最小値の差から求めた。そして、矯正後の鋼板のA,B,Cの残留応力の最大値と最小値の差が20MPa以下であるものを残留応力のバラツキが小さいと評価した。
【0044】
また、矯正前の鋼板と矯正後の製品鋼板のそれぞれについて、鋼板の形状を鋼板端部の反りと急峻度で評価した。急峻度の測定は、鋼板の浮き上がり高さ(h)と波のピッチ(p)を測定し、下記式(1) により算出した。そして、鋼板端部の反りが2mm以下で急峻度が0.2%以下の場合を合格(○)とし、鋼板端部の反りが2mmを超えるか急峻度が0.2%を超える場合を×と評価した。これらの測定結果を表1に併記する。
【0045】
急峻度(%)=(h/p)×100 …(1)
尚、上記各実施形態では、鋼板の幅方向の複数の位置で、残留応力のバラツキを評価しているが、これに限定されるものではなく、鋼板の長手方向の複数の位置で、残留応力を測定しても同様の効果が得られる。すなわち、鋼板の長手方向と幅方向とを置き換えても同様の効果が得られる。
【0046】
【表1】
Figure 2004283878
【0047】
表1から次のように考察することができる。尚、以下のNo.は表1におけるNo.を示す。
【0048】
No.1および2は、本発明で規定する方法で鋼板を矯正した結果であり、いずれも矯正後の残留応力のばらつきが小さく、反ることなく形状の良好な鋼板が得られることがわかる。
【0049】
これに対し、No.3〜14は、ロール本数に対するパス回数が本発明の規定外であるか、塑性変形率や最大押し込み量の差が本発明の規定を外れるため、矯正後の残留応力のばらつきが大きく、形状も上反りまたは下反りが生じて形状不良のものとなった。
【0050】
詳細にはNo.3および4は、ロール本数:9本の場合に矯正パス回数が少なくとも3回必要であるところ、No.3では1回のみ、No.4では2回しか行わなかったため十分に矯正することができず、矯正後の残留応力のバラツキが著しく、かつ形状が不良である鋼板となった。
【0051】
No.5〜7は、ロール本数:9本で矯正パス回数が3回とロール本数に対するパス回数は規定を満足しているものの、各パスにおける塑性変形率が本発明の規定を外れている。No.5は、3パス全ての塑性変形率が規定を外れているため、矯正後の残留応力のバラツキが著しくなった。No.6では2パス目と3パス目の塑性変形率が、規定を外れているため、矯正後の残留応力のバラツキが著しく、かつ形状が不良である鋼板となった。またNo.7では、3パス目の塑性変形率が規定を外れたため、矯正後の残留応力のバラツキが著しくなった。
【0052】
No.8および9は、ロール本数:11本で矯正パス回数が2回とロール本数に対するパス回数は規定を満足しているが、各パスにおける塑性変形率が本発明の規定を外れている。No.8では、1パス目と2パス目の塑性変形率が、No.9では2パス目の塑性変形率が規定を外れているため、矯正後の残留応力のバラツキが著しく、No.9では形状も好ましくないものとなった。
【0053】
No.10〜14は、ロール本数に対するパス回数と各パスにおける塑性変形率は本発明の規定を満足しているが、いずれかのパスにおける、通板方向の入り側から3番目の矯正ロールに鋼板を挿入する際の、該鋼板全面における最大押し込み量の差が本発明の規定を上回っているため、矯正後の残留応力のバラツキが著しく、かつ形状が不良となった。詳細には、No.10では1パス目、No.11では2パス目、No.12では3パス目、No.13では1パス目、No.14では2パス目の上記押し込み量の差が大きいため、不具合が生じる結果となった。
【0054】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成されており、該方法により矯正を行えば、矯正後の残留応力のばらつきが少なくかつ形状の良好な鋼板を得ることができ、需要家側で切断等した場合でも、鋼板に伸張、収縮、横曲がり、反り等が生じず、またその後に加工を行った場合でも、精度良く加工を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】板幅方向の最大押し込み量の差を示す図である。
【図2】通板方向の入り側から3番目の矯正ロール(矯正ロールが9個の場合を例示)を示す図である。
【図3】本発明のレベラ矯正機の一部を例示する模式図である。
【図4】本発明の一実施形態における鋼板製造装置の構成を示す図である。
【図5】実施例において鋼板の残留応力の測定箇所を示す図である。
【符号の説明】
1:加熱炉
2:第1圧延装置
3:冷却装置
4:第2圧延装置
5:加速冷却装置
6:熱間矯正装置
7:温度計
8:鋼板
9:熱処理炉
10:矯正装置(ローラレベラ)
11:パルス発生装置(PLG)
12:ディジタルダイレクトコントローラ(DDC)
13:プロセスコンピュータ
14:ラインコンピュータ
15:サーバコンピュータ
16:キャンバ予測コンピュータ
17:座屈予測コンピュータ
18:変形予測コンピュータ
19:ホストコンピュータ
20:鋼板
21:ワークロール(矯正ロール)
22:バックアップロール
23:ハウジング
24:シリンダー

Claims (3)

  1. 鋼板を複数の矯正ロール間に複数パス回数通過させて矯正するに際し、矯正ロールを9本以下として3パス通過させ、かつ塑性変形率を
    1パス目:80〜85%、
    2パス目:70〜75%、
    3パス目:60〜65%
    とすることを特徴とする残留応力のバラツキが少なく形状良好な鋼板を得るための矯正方法。
  2. 鋼板を複数の矯正ロール間に複数パス回数通過させて矯正するに際し、矯正ロールを11本以上として2パス通過させ、かつ塑性変形率を
    1パス目:80〜85%、
    2パス目:60〜65%
    とすることを特徴とする残留応力のバラツキが少なく形状良好な鋼板を得るための矯正方法。
  3. 通板方向の入り側から3番目の矯正ロールに鋼板を挿入する際、該鋼板全面における最大押し込み量の差を0.4mm以下とする請求項1または2に記載の矯正方法。
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