JPH11290946A - 厚鋼板の矯正方法 - Google Patents
厚鋼板の矯正方法Info
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- JPH11290946A JPH11290946A JP10106573A JP10657398A JPH11290946A JP H11290946 A JPH11290946 A JP H11290946A JP 10106573 A JP10106573 A JP 10106573A JP 10657398 A JP10657398 A JP 10657398A JP H11290946 A JPH11290946 A JP H11290946A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 仕上げ圧延された鋼板を搬送テーブル上を搬
送させて熱間矯正する際に、鋼板内に温度不均一性があ
ると、空冷後鋼板に残留応力が発生して形状不良を招く
ので、これを防止することを目的とする。 【解決手段】 熱間圧延終了後の厚鋼板を熱間矯正する
際の熱間圧延終了後に厚鋼板の表面温度を測定し、その
測定結果を用いて矯正時の温度分布を制御する方法にお
いて、矯正時の鋼板内の最高温度を該鋼種のA1 変態点
の30℃以下に制御することを特徴とする矯正方法であ
る。
送させて熱間矯正する際に、鋼板内に温度不均一性があ
ると、空冷後鋼板に残留応力が発生して形状不良を招く
ので、これを防止することを目的とする。 【解決手段】 熱間圧延終了後の厚鋼板を熱間矯正する
際の熱間圧延終了後に厚鋼板の表面温度を測定し、その
測定結果を用いて矯正時の温度分布を制御する方法にお
いて、矯正時の鋼板内の最高温度を該鋼種のA1 変態点
の30℃以下に制御することを特徴とする矯正方法であ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間圧延された鋼
板をオンラインで熱間矯正する際の矯正方法に関するも
のである。
板をオンラインで熱間矯正する際の矯正方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】仕上げ圧延された鋼板を搬送テーブル上
を搬送させて熱間矯正する際に、鋼板内に温度不均一性
があると、空冷後鋼板に残留応力が発生して形状不良が
発生することが知られている。熱間矯正時における温度
不均一性の原因としては、スラブの加熱時における加熱
不均一性、圧延時の温度不均一性、デスケーリングにお
ける冷却の不均一性、鋼板搬送時の自然放冷において板
端部で発生する温度不均一性が考えられる。
を搬送させて熱間矯正する際に、鋼板内に温度不均一性
があると、空冷後鋼板に残留応力が発生して形状不良が
発生することが知られている。熱間矯正時における温度
不均一性の原因としては、スラブの加熱時における加熱
不均一性、圧延時の温度不均一性、デスケーリングにお
ける冷却の不均一性、鋼板搬送時の自然放冷において板
端部で発生する温度不均一性が考えられる。
【0003】従来、これを解決するために熱間矯正時
に、温度分布を一様にすること、鋼板中央部を弱冷却す
ること、通常低温となっている鋼板の幅端部を加熱する
こと等が検討されてきた。また、特開平8−30004
0号公報には、ロール矯正機入側の鋼板の平均温度が該
鋼種のA3 変態開始点とA1 変態点の範囲内に有る時点
で矯正を開始するという方法が開示されている。
に、温度分布を一様にすること、鋼板中央部を弱冷却す
ること、通常低温となっている鋼板の幅端部を加熱する
こと等が検討されてきた。また、特開平8−30004
0号公報には、ロール矯正機入側の鋼板の平均温度が該
鋼種のA3 変態開始点とA1 変態点の範囲内に有る時点
で矯正を開始するという方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】熱間圧延終了後から熱
間矯正機を経て放冷されるプロセスにおける鋼板組織変
態を考慮した熱弾塑性変形解析を実施した結果、上記の
ような方法では、鋼板の平坦度の向上程度は、再矯正発
生率を大幅に低減するには不十分であることが判明し
た。本発明の目的は、再矯正発生率を大幅に低減するこ
とが可能なまでに矯正後の鋼板の残留応力を低減するこ
とができる矯正方法を提供することである。
間矯正機を経て放冷されるプロセスにおける鋼板組織変
態を考慮した熱弾塑性変形解析を実施した結果、上記の
ような方法では、鋼板の平坦度の向上程度は、再矯正発
生率を大幅に低減するには不十分であることが判明し
た。本発明の目的は、再矯正発生率を大幅に低減するこ
とが可能なまでに矯正後の鋼板の残留応力を低減するこ
とができる矯正方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を熱間圧延終了
後から熱間矯正機を経て放冷されるプロセスにおける鋼
板組織変態を考慮した熱弾塑性変形解析により、下記の
発明をするに至った。すなわち、熱間圧延終了後の厚鋼
板を熱間矯正する際の熱間圧延終了後に厚鋼板の表面温
度を測定し、その測定結果を用いて矯正時の温度分布を
制御する方法において、矯正時の鋼板内の最高温度を該
鋼種のA1 変態点の30℃以下に制御することを特徴と
する矯正方法である。
後から熱間矯正機を経て放冷されるプロセスにおける鋼
板組織変態を考慮した熱弾塑性変形解析により、下記の
発明をするに至った。すなわち、熱間圧延終了後の厚鋼
板を熱間矯正する際の熱間圧延終了後に厚鋼板の表面温
度を測定し、その測定結果を用いて矯正時の温度分布を
制御する方法において、矯正時の鋼板内の最高温度を該
鋼種のA1 変態点の30℃以下に制御することを特徴と
する矯正方法である。
【0006】この矯正方法で再矯正率が低減できる理由
を以下に説明する。炭素鋼をオーステナイト状態に加熱
して冷却した場合、鋼材の変形の原因となる現象には、
変態時の鋼材結晶の組織膨張、鋼材内の温度偏差に
よる熱応力による弾塑性変形、変態時に熱応力などの
応力が付加された場合に起こる変態塑性変形の3つがあ
る。従来、の変態塑性変形は考慮されていなかったた
め、実現象を解析により十分に表現できなかった。本発
明者はこの要因を盛り込んで解析を行った。
を以下に説明する。炭素鋼をオーステナイト状態に加熱
して冷却した場合、鋼材の変形の原因となる現象には、
変態時の鋼材結晶の組織膨張、鋼材内の温度偏差に
よる熱応力による弾塑性変形、変態時に熱応力などの
応力が付加された場合に起こる変態塑性変形の3つがあ
る。従来、の変態塑性変形は考慮されていなかったた
め、実現象を解析により十分に表現できなかった。本発
明者はこの要因を盛り込んで解析を行った。
【0007】ここで、鋼板初期温度は790℃で冷却は
自然放冷するとした。なお、鋼板は上下面で異なる自然
対流冷却条件を適用した。また、変態開始温度を780
℃、A1 変態終了温度を640℃と計算により求めた。
図1は、端部が中央部より低温状態となっている鋼板を
矯正しない場合の、圧延終了後から常温になるまでの応
力・変形状況を中央部と端部について具体的に例示した
ものである。また、図2は、端部が中央部より低温状態
となっている鋼板を矯正した場合の、圧延終了後から常
温になるまでの応力・変形状況を中央部と端部について
具体的に例示したものである。さらに、図3は、本発明
を適用した際の鋼板の中央部端部の応力と変形の時間変
化を示したものである。
自然放冷するとした。なお、鋼板は上下面で異なる自然
対流冷却条件を適用した。また、変態開始温度を780
℃、A1 変態終了温度を640℃と計算により求めた。
図1は、端部が中央部より低温状態となっている鋼板を
矯正しない場合の、圧延終了後から常温になるまでの応
力・変形状況を中央部と端部について具体的に例示した
ものである。また、図2は、端部が中央部より低温状態
となっている鋼板を矯正した場合の、圧延終了後から常
温になるまでの応力・変形状況を中央部と端部について
具体的に例示したものである。さらに、図3は、本発明
を適用した際の鋼板の中央部端部の応力と変形の時間変
化を示したものである。
【0008】図1において、の熱間圧延終了後、変態
が開始するまでの時間帯では、搬送時の冷却で板端部が
中央部より冷却され、中央部より熱収縮が進んで板端部
に引っ張り応力が働いている。の変態が始まった時間
帯では、変態時の結晶組織膨張、変態塑性変形で、板端
部が塑性的に延びて引っ張り応力を緩和する。の変態
が終了した時点から一定時間までは、搬送時の冷却で板
端部が中央部より冷却され、中央部より熱収縮が進んで
板端部に引っ張り応力が働いている。の時間帯では、
板端部は、中央部より冷却が早いために熱収縮により中
央部より収縮した状態にあり、引っ張り応力が働いてい
たが、冷却が進み、板端部と板中央部の温度差が減少
し、熱収縮が鋼板全体で進むため、冷却初期に塑性的に
延びた板端部が中央部より長くなり、圧縮応力が働いて
いる。
が開始するまでの時間帯では、搬送時の冷却で板端部が
中央部より冷却され、中央部より熱収縮が進んで板端部
に引っ張り応力が働いている。の変態が始まった時間
帯では、変態時の結晶組織膨張、変態塑性変形で、板端
部が塑性的に延びて引っ張り応力を緩和する。の変態
が終了した時点から一定時間までは、搬送時の冷却で板
端部が中央部より冷却され、中央部より熱収縮が進んで
板端部に引っ張り応力が働いている。の時間帯では、
板端部は、中央部より冷却が早いために熱収縮により中
央部より収縮した状態にあり、引っ張り応力が働いてい
たが、冷却が進み、板端部と板中央部の温度差が減少
し、熱収縮が鋼板全体で進むため、冷却初期に塑性的に
延びた板端部が中央部より長くなり、圧縮応力が働いて
いる。
【0009】すなわち、図1の矯正を行わない場合、常
温になるに従い、端部と中央部の温度偏差は小さくなり
熱応力は低下するが、変態時に塑性伸びを生じているた
めに、端部には圧縮応力が発生し、鋼板は変形するので
ある。
温になるに従い、端部と中央部の温度偏差は小さくなり
熱応力は低下するが、変態時に塑性伸びを生じているた
めに、端部には圧縮応力が発生し、鋼板は変形するので
ある。
【0010】図2において、の熱間圧延終了後、変態
が開始するまでの時間帯では、搬送時の冷却で板端部が
中央部より冷却され、中央部より熱収縮が進んで板端部
に引っ張り応力が働いている。の変態が始まった時間
帯では、変態時の結晶組織膨張、変態塑性変形で、板端
部が塑性的に延びて引っ張り応力の増加が緩和される。
ここで、矯正により、熱間圧延後〜矯正までに生じた鋼
板内応力は解消される。この矯正後に、鋼材組織の変態
膨張、及び鋼板端部と中央部の温度偏差に起因する熱応
力により変態塑性が生じ、塑性変形が残ることになる。
の変態が終了した時点から一定時間までは、搬送時の
冷却で板端部が中央部より冷却され、中央部より熱収縮
が進んで板端部に引っ張り応力が働いている。の時間
帯では、板端部は、中央部より冷却が早いために熱収縮
により中央部より収縮した状態にあり、引っ張り応力が
働いていたが、冷却が進み、板端部と板中央部の温度差
が減少し、熱収縮が鋼板全体で進むため、冷却初期に塑
性的に延びた板端部が中央部より長くなり、圧縮応力が
働いている。
が開始するまでの時間帯では、搬送時の冷却で板端部が
中央部より冷却され、中央部より熱収縮が進んで板端部
に引っ張り応力が働いている。の変態が始まった時間
帯では、変態時の結晶組織膨張、変態塑性変形で、板端
部が塑性的に延びて引っ張り応力の増加が緩和される。
ここで、矯正により、熱間圧延後〜矯正までに生じた鋼
板内応力は解消される。この矯正後に、鋼材組織の変態
膨張、及び鋼板端部と中央部の温度偏差に起因する熱応
力により変態塑性が生じ、塑性変形が残ることになる。
の変態が終了した時点から一定時間までは、搬送時の
冷却で板端部が中央部より冷却され、中央部より熱収縮
が進んで板端部に引っ張り応力が働いている。の時間
帯では、板端部は、中央部より冷却が早いために熱収縮
により中央部より収縮した状態にあり、引っ張り応力が
働いていたが、冷却が進み、板端部と板中央部の温度差
が減少し、熱収縮が鋼板全体で進むため、冷却初期に塑
性的に延びた板端部が中央部より長くなり、圧縮応力が
働いている。
【0011】上記のような現象が起こっている故に、本
発明者は、熱間圧延終了後の厚鋼板を熱間矯正する際
に、矯正時の鋼板内部の最高温度を該鋼種のA1 変態点
以下として、変態時に低い応力でも発生する変形を抑止
し、さらに、矯正時に発生する変形発熱をも考慮して、
矯正時の温度をA1 変態点の30℃以下とする矯正方法
を考案した。なお、鋼板矯正時に発生する熱による鋼材
温度の上昇は、本発明者らが種々調査したところ、30
℃以下となることが判明したので、矯正後にA1変態点
を超えないように、矯正前の温度をA1 変態点の30℃
以下となるようにした。
発明者は、熱間圧延終了後の厚鋼板を熱間矯正する際
に、矯正時の鋼板内部の最高温度を該鋼種のA1 変態点
以下として、変態時に低い応力でも発生する変形を抑止
し、さらに、矯正時に発生する変形発熱をも考慮して、
矯正時の温度をA1 変態点の30℃以下とする矯正方法
を考案した。なお、鋼板矯正時に発生する熱による鋼材
温度の上昇は、本発明者らが種々調査したところ、30
℃以下となることが判明したので、矯正後にA1変態点
を超えないように、矯正前の温度をA1 変態点の30℃
以下となるようにした。
【0012】図3において、の熱間圧延終了後、変態
が開始するまでの時間帯では、搬送時の冷却で板端部が
中央部より冷却され、中央部より熱収縮が進んで板端部
に引っ張り応力が働いている。の変態が始まった時間
帯では、変態時の結晶組織膨張、変態塑性変形で、板端
部が塑性的に延びて引っ張り応力の増加が緩和される。
の変態が終了してから一定時間までは、搬送時の冷却
で板端部が中央部より冷却され、中央部より熱収縮が進
んで板端部に引っ張り応力が働いている。この時点で、
鋼板内温度を一様にして、矯正を行えば、この時点で熱
間圧延後〜矯正までに生じた鋼板内応力は解消される。
の時間帯では、板端部は、中央部より冷却が早いため
に熱収縮により中央部より収縮した状態にあり、引っ張
り応力が働いている。しかし、この応力レベルは低いた
めに塑性変形は起こらない、では、冷却が進み、板端
部と板中央部の温度差が減少し、熱収縮が鋼板全体で進
み、で生じた引っ張り応力が解消し、矯正後の形状、
すなわち、鋼板内応力はなく、良い形状の鋼板となる。
が開始するまでの時間帯では、搬送時の冷却で板端部が
中央部より冷却され、中央部より熱収縮が進んで板端部
に引っ張り応力が働いている。の変態が始まった時間
帯では、変態時の結晶組織膨張、変態塑性変形で、板端
部が塑性的に延びて引っ張り応力の増加が緩和される。
の変態が終了してから一定時間までは、搬送時の冷却
で板端部が中央部より冷却され、中央部より熱収縮が進
んで板端部に引っ張り応力が働いている。この時点で、
鋼板内温度を一様にして、矯正を行えば、この時点で熱
間圧延後〜矯正までに生じた鋼板内応力は解消される。
の時間帯では、板端部は、中央部より冷却が早いため
に熱収縮により中央部より収縮した状態にあり、引っ張
り応力が働いている。しかし、この応力レベルは低いた
めに塑性変形は起こらない、では、冷却が進み、板端
部と板中央部の温度差が減少し、熱収縮が鋼板全体で進
み、で生じた引っ張り応力が解消し、矯正後の形状、
すなわち、鋼板内応力はなく、良い形状の鋼板となる。
【0013】
【発明の実施の形態】図4に本発明を実施する圧延ライ
ンの略構成を示す。1は仕上圧延機、2は温度計、3は
矯正前鋼板温度制御装置、4は熱間矯正機、5は鋼板を
示す。この熱間矯正機4は、ロール径が280mm中で、
上側に4本、下側に5本のロールで構成されている。
ンの略構成を示す。1は仕上圧延機、2は温度計、3は
矯正前鋼板温度制御装置、4は熱間矯正機、5は鋼板を
示す。この熱間矯正機4は、ロール径が280mm中で、
上側に4本、下側に5本のロールで構成されている。
【0014】徐冷時のA3 変態の開始温度は780℃、
A1 変態終了温度は640℃である。強度が40kgf ク
ラスの圧延ままの一般材を用いて、熱間矯正機4の入り
側における鋼板の温度条件を変えて、熱間矯正を行っ
た。
A1 変態終了温度は640℃である。強度が40kgf ク
ラスの圧延ままの一般材を用いて、熱間矯正機4の入り
側における鋼板の温度条件を変えて、熱間矯正を行っ
た。
【0015】圧延終了後の温度測定後の計算は次のよう
にして行っている。文献(鉄鋼の変態挙動、1989.
10月、日本鉄鋼協会材料研究委員会偏p11)の金属
組織変態進行モデルと、文献(材料学会誌、第5巻39
9号p1352)の変態塑性のモデルを熱応力を計算す
る有限要素法に組み込み、圧延までのプロセス条件(加
熱炉抽出後からの時間、圧延パス数、圧延後の時間)を
組み入れて、あらかじめ、各鋼種、板厚毎の温度変化変
態進行状況、さらには、その変態状況、温度分布に見合
った冷却条件を付加した計算を行い、数表化しておき、
オンラインではその数表をもとに、圧延後の鋼板の表面
温度の測定結果と合わせて鋼板の温度制御条件を決定す
る。
にして行っている。文献(鉄鋼の変態挙動、1989.
10月、日本鉄鋼協会材料研究委員会偏p11)の金属
組織変態進行モデルと、文献(材料学会誌、第5巻39
9号p1352)の変態塑性のモデルを熱応力を計算す
る有限要素法に組み込み、圧延までのプロセス条件(加
熱炉抽出後からの時間、圧延パス数、圧延後の時間)を
組み入れて、あらかじめ、各鋼種、板厚毎の温度変化変
態進行状況、さらには、その変態状況、温度分布に見合
った冷却条件を付加した計算を行い、数表化しておき、
オンラインではその数表をもとに、圧延後の鋼板の表面
温度の測定結果と合わせて鋼板の温度制御条件を決定す
る。
【0016】ケース1においては、熱間圧延終了後、鋼
板温度制御装置前で、ライン型放射温度計により、幅方
向温度分布と温度の絶対値を測定した。この際、板端部
が中央部より温度が低い図5のような状態となってい
た。矯正機に入る前で、鋼板全体がA1 変態点の30℃
以下となり、且つ鋼板内温度分布が±10℃以内になる
ような板の端部、中央部の各部位での冷却速度と冷却ガ
ス流量分布を数表から求めた結果、鋼板温度制御装置に
より、冷却装置のガス量を鋼板幅方向にあらかじめ計算
した分布となるように調整し冷却した。この際の条件
は、圧延後から矯正機までの間に、板端部から200mm
内側の部分すべてを材料試験値に影響を与えないように
空気21.2m3 /m2 /分で冷却した。そして、矯正
機で矯正し、常温まで自然放冷した。ここでは、鋼板温
度制御装置の制御方法として、ガスジェットによる空冷
を行ったが、水冷、あるいは、端部を電気加熱するなど
の方法も採ることが可能である。
板温度制御装置前で、ライン型放射温度計により、幅方
向温度分布と温度の絶対値を測定した。この際、板端部
が中央部より温度が低い図5のような状態となってい
た。矯正機に入る前で、鋼板全体がA1 変態点の30℃
以下となり、且つ鋼板内温度分布が±10℃以内になる
ような板の端部、中央部の各部位での冷却速度と冷却ガ
ス流量分布を数表から求めた結果、鋼板温度制御装置に
より、冷却装置のガス量を鋼板幅方向にあらかじめ計算
した分布となるように調整し冷却した。この際の条件
は、圧延後から矯正機までの間に、板端部から200mm
内側の部分すべてを材料試験値に影響を与えないように
空気21.2m3 /m2 /分で冷却した。そして、矯正
機で矯正し、常温まで自然放冷した。ここでは、鋼板温
度制御装置の制御方法として、ガスジェットによる空冷
を行ったが、水冷、あるいは、端部を電気加熱するなど
の方法も採ることが可能である。
【0017】ケース2においては、鋼板の温度をケース
1と同様な方法で鋼板内温度分布が±10℃以内になる
ようにしたが、温度域としては、A1 変態点以下ではあ
るが、その温度は、変態点以下20℃になるように鋼板
の温度を調整した場合である。この際のガス吹き付け条
件は、圧延後から矯正機までの間に、板端部から200
mm内側の部分すべてを空気19.5m3 /m2 /分で冷
却した。
1と同様な方法で鋼板内温度分布が±10℃以内になる
ようにしたが、温度域としては、A1 変態点以下ではあ
るが、その温度は、変態点以下20℃になるように鋼板
の温度を調整した場合である。この際のガス吹き付け条
件は、圧延後から矯正機までの間に、板端部から200
mm内側の部分すべてを空気19.5m3 /m2 /分で冷
却した。
【0018】ケース3においては、鋼板の温度をケース
1と同様な方法で鋼板内温度分布が±10℃以内になる
ようにしたが、温度域としては、A1 変態点以上になる
ように鋼板の温度を調整した場合である。この際のガス
吹き付け条件は、圧延後から矯正機までの間に、板橋部
から200mm内側の部分すべてを空気10.5m3 /m
2 /分で冷却した。
1と同様な方法で鋼板内温度分布が±10℃以内になる
ようにしたが、温度域としては、A1 変態点以上になる
ように鋼板の温度を調整した場合である。この際のガス
吹き付け条件は、圧延後から矯正機までの間に、板橋部
から200mm内側の部分すべてを空気10.5m3 /m
2 /分で冷却した。
【0019】ケース4は、温度調整も行わず、温度域も
A1 変態点以上に有る場合である。ケース1〜4のいず
れの場合にも、鋼板が常温になってからレーザー距離計
を用いた平坦度計により板形状の良否を判定した。
A1 変態点以上に有る場合である。ケース1〜4のいず
れの場合にも、鋼板が常温になってからレーザー距離計
を用いた平坦度計により板形状の良否を判定した。
【0020】
【表1】
【0021】結果を表1に示す。表1には、鋼板の寸
法、圧延仕上温度、矯正機前の鋼板の最高温度・最低温
度、板形状判定を示した。板形状の判定結果に見られる
ように、ケース1は板形状が良好であったが、ケース
2、3、4は不良となり、再矯正が必要であった。
法、圧延仕上温度、矯正機前の鋼板の最高温度・最低温
度、板形状判定を示した。板形状の判定結果に見られる
ように、ケース1は板形状が良好であったが、ケース
2、3、4は不良となり、再矯正が必要であった。
【0022】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
による矯正方法によれば、矯正後の鋼板の残留応力を大
幅に低減できる。また、その結果再矯正発生率を大幅に
低減できる。
による矯正方法によれば、矯正後の鋼板の残留応力を大
幅に低減できる。また、その結果再矯正発生率を大幅に
低減できる。
【図1】圧延終了後から矯正をしない場合の常温になる
までの鋼板の応力変形状況図。
までの鋼板の応力変形状況図。
【図2】圧延終了後から矯正した場合の常温になるまで
の鋼板の応力変形状況図。
の鋼板の応力変形状況図。
【図3】本発明を実施した際の鋼板の応力変形状況図。
【図4】本発明を実施する圧延設備の概要図。
【図5】圧延終了後の鋼板表面温度分布図。
1 熱間圧延機 2 温度計 3 鋼板温度制御装置 4 矯正機 5 鋼板
Claims (1)
- 【請求項1】 熱間圧延終了後の厚鋼板を熱間矯正する
際の熱間圧延終了後に厚鋼板の表面温度を測定し、その
測定結果を用いて矯正時の温度分布を制御する方法にお
いて、矯正時の鋼板内の最高温度を該鋼種のA1 変態点
の30℃以下に制御することを特徴とする厚鋼板の矯正
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10106573A JPH11290946A (ja) | 1998-04-16 | 1998-04-16 | 厚鋼板の矯正方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10106573A JPH11290946A (ja) | 1998-04-16 | 1998-04-16 | 厚鋼板の矯正方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11290946A true JPH11290946A (ja) | 1999-10-26 |
Family
ID=14436994
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10106573A Withdrawn JPH11290946A (ja) | 1998-04-16 | 1998-04-16 | 厚鋼板の矯正方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11290946A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001137943A (ja) * | 1999-11-18 | 2001-05-22 | Nippon Steel Corp | 金属板の平坦度制御方法及び装置 |
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