JP2015104730A - クラッド金属板の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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【課題】2組のクラッド金属板を1組ずつに剥離させた際に各クラッド金属板に反りが発生することを抑制すること。【解決手段】本発明に係るクラッド金属板の製造方法は、母材1及び合わせ材2を重ね合わせたクラッド金属板を1組として、クラッド金属板2組を上下対称に合わせて圧延、冷却、熱間矯正、及び冷間矯正した後、2組のクラッド金属板に分離することによってクラッド金属板を製造するクラッド金属板の製造方法であって、ローラレベラを用いて2組のクラッド金属板を冷間矯正するに際し、母材1及び合わせ材2の板厚tB,tCから2番目のロールでの塑性変形率ηを算出し、2番目のロールでの塑性変形率が算出された塑性変形率ηになるように2組のクラッド金属板を冷間矯正するステップを含むことを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、2組のクラッド金属板を上下対称に合わせてサンドイッチ状にしてクラッド金属板を製造するクラッド金属板の製造方法及び製造装置に関する。
近年、金属板は、橋梁、建築物、船舶、及び海洋構造物等の巨大建造物の部材として用いられている。このため、金属板には、建造物の安全性を担保するために高い耐食性及び防食性が要求される。例えば、近年のエネルギー問題により需要の高まりを見せている洋上風力発電機では、パイプ状に成形された金属板がタワー部の構造部材として用いられている。タワー部は海底を基礎とした構造になっているために、金属板には常に海水と接触している部分が存在する。海水による金属板の腐食対策として、例えば金属板としてステンレス板が用いられるが、タワー部の全てをステンレス板で製造しようとするとコスト高になる。
そこで、金属板の製造メーカーは、海水と接触する部分等の耐食性が求められる部分、すなわちパイプの外周部分をステンレス板、海水と接触しないパイプの内周部分を安価な金属板とすることによって低コスト化を図っている。この場合、ステンレス板と金属板との2種類の金属板を重ね合わせたクラッド金属板をパイプ状に成形したクラッドパイプが用いられている。クラッド金属板は、合わせ材と母材とからなる2種類の金属板を真空溶接又は爆着等によって接合し、圧延、冷却、及び熱間矯正のプロセスを経て製造される。また、熱間矯正後のクラッド金属板の平坦度が不良である場合には、冷間矯正が行われる。
ところで、クラッド金属板を形成する2種類の金属板の降伏応力や線膨張係数等の物性値が異なると、圧延時や冷却時に反り等の形状不良が生じてしまう。このため、2種類の金属板を重ね合わせたクラッド金属板を1組として、2組のクラッド金属板を上下対称に合わせてサンドイッチ状にしてクラッド金属板を製造するサンドクラッドと呼ばれるクラッド金属板の製造方法が用いられる場合がある。
サンドクラッドによって製造されたクラッド金属板を出荷する際には、1組のクラッド金属板に戻すために、サンドクラッド金属板を剥離させる必要があるが、剥離後のクラッド金属板の板厚方向の残留応力分布に起因してクラッド金属板に反りが生じる場合がある。そして、反り高さの大きさが形状検査基準を超えると、クラッド金属板の再矯正が必要になるために、製造コストの増加や納期遅れ等の問題が生じてしまう。ここで、剥離後のクラッド金属板に反りを引き起こす残留応力が製造段階で生じるメカニズムは以下の通りである。
すなわち、熱間矯正後のクラッド金属板の温度が常温になるまでの間にクラッド金属板は熱収縮する。クラッド金属板の熱収縮量は線膨張係数によって異なるために、線膨張係数が異なる2枚の金属板を重ね合わせたクラッド金属板の場合、熱収縮量に応じて残留応力が生じる。このため、2種類の金属板を接合したクラッド金属板を製造する場合、必ず残留応力又は残留応力に起因した反りが発生してしまう。
このような背景から、特許文献1には、2種類の金属板を合わせた1組のクラッド金属板の常温時における反り量をゼロとするために必要な上下面の温度差を線膨張係数の差、母材及び合わせ材の板厚、熱間矯正入側の温度により演算し、熱間矯正機に備えられた上下水冷装置の水流密度を制御し、常温となった際にクラッド金属板に反りが生じないようにするクラッド金属板の製造方法が記載されている。
特公平2−4374号公報
しかしながら、2組のクラッド金属板を上下対称に合わせてサンドイッチ状にした状態では、上下面は同じ金属板であり、線膨張係数が同じであるため、特許文献1に記載されているような2種類の金属板の線膨張係数の際に応じた温度制御を適用することはできない。すなわち、特許文献1記載の方法によれば、2組のクラッド金属板を1組ずつに剥離させる際に各クラッド金属板に反りが生じないようにすることはできない。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、2組のクラッド金属板を1組ずつに剥離させた際に各クラッド金属板に反りが発生することを抑制可能なクラッド金属板の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係るクラッド金属板の製造方法は、異なる2種類の金属板である母材及び合わせ材を重ね合わせたクラッド金属板を1組として、該クラッド金属板2組を上下対称に合わせて圧延、冷却、熱間矯正、及び冷間矯正した後、2組のクラッド金属板に分離することによってクラッド金属板を製造するクラッド金属板の製造方法であって、ローラレベラを用いて2組のクラッド金属板を冷間矯正するに際し、以下の数式(1)に示す関数fを用いて前記母材及び合わせ材の板厚t,tから2番目のロールでの塑性変形率ηを算出し、2番目のロールでの塑性変形率が算出された塑性変形率ηになるように2組のクラッド金属板を冷間矯正するステップを含むことを特徴とする。
Figure 2015104730
本発明に係るクラッド金属板の製造方法は、上記発明において、ローラレベラを用いて2組のクラッド金属板を冷間矯正するに際し、以下の数式(2)に示す関数fを用いて前記母材及び合わせ材の板厚t,t、降伏応力σe,B,σe,C、線膨張係数α,α、ヤング率E,E、及び熱間矯正後の2組のクラッド金属板の上面温度TSURから2番目のロールでの塑性変形率ηを算出し、2番目のロールでの塑性変形率が算出された塑性変形率ηになるように2組のクラッド金属板を冷間矯正するステップを含むことを特徴とする。
Figure 2015104730
上記した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係るクラッド金属板の製造装置は、異なる2種類の金属板である母材及び合わせ材を重ね合わせたクラッド金属板を1組として、該クラッド金属板2組を上下対称に合わせて圧延、冷却、熱間矯正、及び冷間矯正した後、2組のクラッド金属板に分離することによってクラッド金属板を製造するクラッド金属板の製造装置であって、ローラレベラを用いて2組のクラッド金属板を冷間矯正するに際し、以下の数式(3)に示す関数fを用いて前記母材及び合わせ材の板厚t,tから2番目のロールでの塑性変形率ηを算出し、2番目のロールでの塑性変形率が算出された塑性変形率ηになるように2組のクラッド金属板を冷間矯正する手段を備えることを特徴とする。
Figure 2015104730
本発明に係るクラッド金属板の製造方法及び製造装置によれば、2組のクラッド金属板を1組ずつに剥離させた際に各クラッド金属板に反りが発生することを抑制できる。
図1は、クラッド金属板の構成を示す断面図である。 図2は、サンドクラッド金属板の構成を示す断面図である。 図3Aは、ローラレベラの構成を示す正面図である。 図3Bは、ローラレベラの構成を示す側面図である。 図4は、サンドクラッド金属板の板厚方向の残留応力分布の一例を示す図である。 図5は、サンドクラッド金属板の矯正時の塑性変形率とサンドクラッド金属板を剥離した際に生じるクラッド金属板の反り高さとの関係の一例を示す図である。 図6Aは、塑性変形率70%で矯正した場合のサンドクラッド金属板の状態での板厚方向の残留応力分布の一例を示す図である。 図6Bは、塑性変形率70%で矯正した場合のサンドクラッド金属板の上半分のクラッド金属板の残留応力分布の一例を示す図である。 図7Aは、塑性変形率50%で矯正した場合のサンドクラッド金属板の状態での板厚方向の残留応力分布の一例を示す図である。 図7Bは、塑性変形率50%で矯正した場合のサンドクラッド金属板の上半分のクラッド金属板の残留応力分布の一例を示す図である。
2組のクラッド金属板、すなわちサンドクラッド金属板を剥離する際に生じる反りは、サンドクラッド金属板の冷却過程においてクラッド金属板を形成する2種類の金属板の線膨張係数の差によって生じる板厚方向の残留応力分布に起因している。なお、クラッド金属板とは、図1に示すように、母材1と合わせ材2とからなる2種類の金属板を真空溶接又は爆着によって接合し、圧延、冷却、及び熱間矯正や冷間矯正等のプロセスを経て製造された金属板を意味する。また、サンドクラッド金属板とは、図2に示すように、2組のクラッド金属板を上下対称に合わせてサンドイッチ状にしたものを意味する。
金属板の板厚方向の残留応力を低減する方法としては、ローラレベラを利用した矯正が一般的であり、高い塑性変形率ηで矯正することによって残留応力の大ききを低減できることは従来から知られている。ここで、塑性変形率ηとは、ローラレベラの入側から2番目のレベリングロールで曲げが加わった際の金属板の板厚方向の塑性変形域の割合であり、ローラレベラでの曲げの大きさを表す指標として一般的に用いられる指標である。
なお、ローラレベラとは、図3A,3Bに示すような構成する装置を意味する。図3A,図3Bはそれぞれ、ローラレベラの構成を示す正面図及び側面図である。図3A,図3Bに示すように、ローラレベラ10は、鋼板Sが通過するパスラインに沿って上下方向に千鳥状に配置された複数の上下レベリングロール11U,11Dを有し、上下レベリングロール11U,11Dによって繰り返し曲げを付与することにより鋼板Sの形状不良を矯正するものである。
上下レベリングロール11U,11Dはそれぞれ、上下バックアップロール12U,12Dによって支持されており、さらに上下バックアップロール12U,12Dは一体の上下フレーム13U,13Dに支持されている。また、上フレーム13Uの上部には、上下レベリングロール11U,11Dの幅方向に沿って複数のウェッジ14が設けられている。ウェッジ14は、矯正反力によって上下レベリングロール11U,11Dの幅方向に生じるたわみを調整するため、上下レベリングロール2U,2Dの幅方向の圧下量を独立に調整する。
このローラレベラ10を利用して、鋼板Sを矯正する際には、上レベリングロール11U又は下レベリングロール11Dをフレームごと傾斜させ、入側の上下レベリングロール11U,11Dの間隔が出側の上下レベリングロール11U,11Dの間隔よりも狭い状態にして鋼板Sを通板する。入側及び出側の上下レベリングロール11U,11Dによる圧下量はローラレベラ10の上部に取り付けられた入側及び出側の油圧シリンダ15により個別に設定することができる。
しかしながら、サンドクラッド金属板のように板厚方向に不均一な残留応力分布を有している金属板の場合、塑性変形率ηの大きさによっては矯正後に反りの生じない残留応力分布にならない場合があり、単純に塑性変形率ηのみに基づいて矯正することは適切ではない。そこで、本発明の発明者らは、レベラ解析モデルを用いて矯正前に残留応力を有するサンドクラッド金属板を種々の塑性変形率ηで矯正した場合の矯正後の残留応力を計算し、サンドクラッド金属板を剥離した後のクラッド金属板の反り高さを評価した。本計算で用いたレベラ解析モデルは、板厚方向及び板幅方向に要素を分割したスリットモデルであり、各要素における繰り返し曲げ変形挙動を解析的に解くものであり、矯正後の各要素における残留応力を計算し、反り高さに換算している。
計算の一例として、板厚、降伏応力、ヤング率、線膨張係数、熱間矯正後のクラッド金属板の上面温度及び母材と合わせ材の界面温度を母材及び合わせ材でそれぞれ以下に示す表1のように与え、この条件の金属板が常温(25℃)となった際の板厚方向の残留応力分布を計算した。計算結果を図4に示す。ここで、図4中、プラス符号の残留応力が引張残留応力、マイナス符号の残留応力は圧縮残留応力を示す。そして、計算された板厚方向の残留応力を入力データとしてサンドクラッド金属板の矯正後の残留応力を計算し、剥離後のクラッド金属板の残留応力分布からクラッド金属板の反り高さを計算した。
Figure 2015104730
図5に種々の塑性変形率ηで矯正した場合の矯正後のサンドクラッド金属板を剥離した際に生じるクラッド金属板の反り高さを示す。図5に示すように、剥離後に生じるクラッド金属板の反り高さは塑性変形率ηによって異なり、従来までは残留応力の低減に有効だと考えられていた70%又は80%の塑性変形率ηでは、44mm/5m(板長さ5mあたり44mmの反り高さ)以上の大きな反りが発生した。また、反り高さが最小となる塑性変形率η(図5の例では約50%)があることが確認された。
図6Aは、剥離後の反り高さが44mm/5mとなった塑性変形率70%で矯正した場合のサンドクラッド金属板の状態での板厚方向の残留応力分布を示し、図6Bは、剥離後、すなわちサンドクラッド金属板の上半分のクラッド金属板の残留応力分布を示している。また、図7Aは、剥離後の反り高さが1mm/5mと全条件中で最小となった塑性変形率50%で矯正した場合のサンドクラッド金属板の状態での板厚方向の残留応力分布を示し、図7Bは、剥離後、すなわちサンドクラッド金属板の上半分のクラッド金属板の残留応力分布を示している。
剥離後のクラッド金属板の反りは残留応力分布によって生じる。図4に示すような残留応力分布を有するサンドクラッド金属板を剥離させた場合、サンドクラッド金属板の上半分を例にとると、上面が引張残留応力、下面が圧縮残留応力の残留応力分布となっているために剥離後のクラッド金属板は上反りとなる。このような残留応力分布を有するクラッド金属板の反りを防止するためには、サンドクラッド金属板に大きな曲げひずみを付与し、大きな圧縮残留応力が作用している板厚中心部を降伏させて残留応力を極力小さくすればよい。しかしながら、ローラレベラによる矯正では、耐荷重等の制約もあり、塑性変形率ηの最大値は80〜70%程度である。このため、板厚中心部に曲げひずみを付与することができず、板厚中心部には矯正前とほぼ同程度の残留応力が残ってしまう。
そこで、本発明の発明者らは、鋭意研究を重ねてきた結果、圧縮残留応力分布が作用している領域の近傍に同程度の大きさの引張残留応力を作用させることによって、残留応力の反りへの影響を打ち消し合うことができることを知見した。そして、本発明の発明者らは、この知見を考慮した上で矯正後の残留応力を解析し、本計算例においては塑性変形率を50%に設定することによってクラッド金属板の反り高さを最小にすることができた。一方、塑性変形率を70%に設定した場合には、圧縮残留応力が作用している領域の近傍では引張残留応力が作用している領域が小さく、クラッド金属板に大きな反りが生じてしまう結果となった。これらの結果より、サンドクラッド金属板を剥離させた際に反りが生じない、又は反り高さが最小となるようにローラレベラ矯正条件を設定する最良の形態を想到した。
この知見を実際の操業に適用するためには、合わせ材に作用している残留応力(本計算例の場合は圧縮残留応力)と同じ板厚方向の距離だけ母材に逆符号の残留応力(本計算例の場合は引張残留応力)を作用させ、矯正前に持っていた残留応力を残すことによって、所望の残留応力分布を得ることができる。つまり。合わせ材に作用している残留応力と同じ板厚方向の距離の範囲内の母材領域には曲げひずみが加わらないような矯正条件を設定することが必要になる。すなわち、以下の数式(3)に示す関数fを用いて塑性変形率ηを決定すればよい。ここで、数式(3)中、tは母材の板厚、tは合わせ材の板厚を示す。
Figure 2015104730
しかしながら、最適な塑性変形率ηは、母材及び合わせ材の板厚、降伏応力、線膨張係数、ヤング率、及び熱間矯正後のサンドクラッド金属板の上面温度に応じて数式(4)に示す関数fにより決定される塑性変形率ηとは若干異なってくる場合がある。このため、これらサンドクラッド金属板の条件に応じて数式(4)に示す関数fにより決定される塑性変形率ηに補正を加えることにより、最適な塑性変形率ηを算出することが可能となり、剥離後に反りが生じないクラッド金属板を製造することができる。すなわち、クラッド金属板に反りを生じさせないための塑性変形率ηは以下の数式(5)に示す関数fにより表すことができる。ここで、数式(5)中、σは降伏応力、αは線膨張係数、Eはヤング率、TSURはサンドクラッド金属板の上面温度であり、添え字Bは母材、添え字Cは合わせ材を表す。
Figure 2015104730
以上より、本発明に係るクラッド金属板の製造方法の流れは以下に示すようになる。すなわち、本発明に係るクラッド金属板の製造方法では、始めに、クラッド金属板を形成する2種類の金属板の板厚、降伏応力、ヤング率、線膨張係数、及び熱間矯正後のサンドクラッド金属板の上面温度を用いて矯正後に2組のクラッド金属板を剥離させた際に生じる反りが最小になる塑性変形率ηを算出する。そして、矯正中の塑性変形率が算出された塑性変形率ηになるようにローラレベラの入側から2番目の圧下量を設定し、ローラレベラにサンドクラッド金属板を通板する。これにより、剥離させた際に処理が生じない又は反り高さが小さいクラッド金属板を製造することができる。
本発明の製造方法と従来の製造方法とを適用し、線膨張係数が異なる2種類の金属板からなるクラッド金属板を合わせて製造したサンドクラッド金属板を矯正し、サンドクラッド金属板を剥離させた後のクラッド金属板の反り高さを測定した。試験に用いた金属板は母材を炭素鋼、合わせ材をチタン合金としており、それぞれ以下の表2に示す物性値を有している。そして、これらの金属板を真空溶接し、クラッド金属板2組を合わせてサンドクラッド金属板とし、圧延、冷却、熱間矯正、冷間矯正、及び剥離のプロセスを経てクラッド金属板を製造した。熱間矯正後の金属板の温度は母材で347℃であった。ここで、表2に示す合わせ材及び母材の板厚は、剥離後のクラッド金属板におけるそれぞれの厚みを示している。
Figure 2015104730
次に、サンドクラッド金属板を常温まで自然放冷した後、上述の数式(5)より剥離後の反り高さが最小となると予測された塑性変形率50%(実施例1)、上述の数式(4)より計算された塑性変形率65%(実施例2)、及び比較のために塑性変形率70%(比較例)でサンドクラッド金属板を矯正した。矯正後、ガス切断によってサンドクラッド金属板を1組ずつのクラッド金属板に剥離した後、定盤上にクラッド金属板を載置し、スケールを用いてクラッド金属板の反り高さを計測した。各塑性変形率で矯正したサンドクラッド金属板の剥離後の反り高さを以下の表3に示す。
Figure 2015104730
表3に示すように、計算により反り高さが最小となると予測された実施例1の塑性変形率50%の条件では、剥離後のクラッド金属板の反り高さは1mm/5m(板長さ5mあたり1mmの反り高さ)と小さく、また、実施例2でも剥離後のクラッド金属板の反り高さは3mm/5m(板長さ5mあたり3mmの反り高さ)と形状検査基準を満足していた。これに対して、塑性変形率70%の条件では、剥離後のクラッド金属板の反り高さ44mm/5m(板長さ5mあたり44mmの反り高さ)と大きく、形状検査基準を満足しなかった。以上のことから、本発明の製造方法により、サンドクラッド金属板を剥離した後のクラッド金属板の反り高さを小さくできることが確認された。
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはなく、上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。すなわち、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
10 ローラレベラ
11U 上レベリングロール
11D 下レベリングロール
12U 上バックアップロール
12D 下バックアップロール
13U 上フレーム
13D 下フレーム
14 ウェッジ
15 油圧シリンダ
S 鋼板

Claims (3)

  1. 異なる2種類の金属板である母材及び合わせ材を重ね合わせたクラッド金属板を1組として、該クラッド金属板2組を上下対称に合わせて圧延、冷却、熱間矯正、及び冷間矯正した後、2組のクラッド金属板に分離することによってクラッド金属板を製造するクラッド金属板の製造方法であって、
    ローラレベラを用いて2組のクラッド金属板を冷間矯正するに際し、以下の数式(1)に示す関数fを用いて前記母材及び合わせ材の板厚t,tから2番目のロールでの塑性変形率ηを算出し、2番目のロールでの塑性変形率が算出された塑性変形率ηになるように2組のクラッド金属板を冷間矯正するステップを含むことを特徴とするクラッド金属板の製造方法。
    Figure 2015104730
  2. ローラレベラを用いて2組のクラッド金属板を冷間矯正するに際し、以下の数式(2)に示す関数fを用いて前記母材及び合わせ材の板厚t,t、降伏応力σe,B,σe,C、線膨張係数α,α、ヤング率E,E、及び熱間矯正後の2組のクラッド金属板の上面温度TSURから2番目のロールでの塑性変形率ηを算出し、2番目のロールでの塑性変形率が算出された塑性変形率ηになるように2組のクラッド金属板を冷間矯正するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のクラッド金属板の製造方法。
    Figure 2015104730
  3. 異なる2種類の金属板である母材及び合わせ材を重ね合わせたクラッド金属板を1組として、該クラッド金属板2組を上下対称に合わせて圧延、冷却、熱間矯正、及び冷間矯正した後、2組のクラッド金属板に分離することによってクラッド金属板を製造するクラッド金属板の製造装置であって、
    ローラレベラを用いて2組のクラッド金属板を冷間矯正するに際し、以下の数式(3)に示す関数fを用いて前記母材及び合わせ材の板厚t,tから2番目のロールでの塑性変形率ηを算出し、2番目のロールでの塑性変形率が算出された塑性変形率ηになるように2組のクラッド金属板を冷間矯正する手段を備えることを特徴とするクラッド金属板の製造装置。
    Figure 2015104730
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