JP2023158774A - 幅プレス装置およびスラブの幅プレス方法 - Google Patents

幅プレス装置およびスラブの幅プレス方法 Download PDF

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龍平 畑田
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Abstract

【課題】幅プレス装置およびスラブの幅プレス方法の提供を目的とする。【解決手段】本発明の幅プレス装置は、温度計と幅プレス機と幅プレス制御部とを有し、幅プレス制御部は、幅プレス機の入側に配設した温度計を用いて加熱炉抽出後のスラブのスラブ表面温度を測定するスラブ温度測定部と、測定されたスラブ表面温度を基に幅プレス荷重予測値を計算する幅プレス荷重計算部と、計算された幅プレス荷重予測値に応じてスラブの幅プレスの可否を判定する幅プレス判定部と、スラブと幅プレス機の幅プレス金型との接触長をスラブ送り量修正値で補正することで接触長を可変に制御する接触長制御部と、幅プレス機のクランク速度をスラブ送り量修正値で補正してクランク速度を低減することで幅プレス時のひずみ速度を制御するひずみ速度制御部と、幅プレス荷重予測値に基づいてスラブの幅プレスを実施する幅プレス実施部とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、熱延鋼板製造において、熱間圧延前のスラブを幅プレスする幅プレス装置および幅プレス装置に用いるスラブの幅プレス方法に関する。
一般に、生産性向上の観点から、熱延鋼板製造では、製鋼工程での鋳造時に、同一幅でスラブを鋳造することが多く、最終製品に合わせてスラブの幅を種々変更することは困難である。
そのため、種々の製品幅に対応すべく、鋳造後の熱間圧延工程において、スラブを加熱した後に、幅プレス装置を用いてスラブの幅プレスを行う。幅プレス装置では、板幅方向に相対峙して設置された一対の幅プレス金型によって、スラブを板幅方向に間欠的に圧下する。これにより、スラブの幅を種々の製品幅に合わせて可変にできるため、所望の製品幅での鉄鋼製品の製造を可能としている。
しかし、製品幅に対応してスラブのプレス量が可変となるため、スラブを幅プレスする際に生じる幅プレス荷重が、幅プレス装置の許容荷重を超過する場合があり、この場合には幅プレス装置を破損する懸念がある。
特許文献1には、熱間圧延での粗圧延機等のエッジャー荷重に関するものではあるが、各圧延パスのエッジャー荷重を調整する技術が開示されている。具体的には、被圧延材を水平ロールとその直前に設けた竪ロールとで圧延する際に、圧延前の被圧延材の圧延温度に応じて、竪ロールにより幅圧延する前の被圧延材の板幅目標値を変更して圧延することで、被圧延材の板幅を制御する。これにより、各圧延パスにおいて適正なエッジャー荷重をかけることを可能とするものである。
特開平10-166018号公報
特許文献1の技術は、被圧延材の温度(圧延温度)による板幅目標値の変更を可能としている。しかしながら、特許文献1は、粗圧延機等での圧延を対象とするものであり、該温度が幅プレスに不適なほど低い場合の対策はなされていないという問題がある。そのため、特許文献1の技術を、本発明で対象とする粗圧延前に行うスラブの幅プレスに適用することができない。
また、加熱後のスラブ温度(スラブ表面温度)が幅プレスに適していない低い温度領域にある場合、そのまま低温抽出スラブを幅プレス装置に進入させて圧下すると、幅プレス荷重が幅プレス装置の許容荷重値を超えてしまい、幅プレス装置の破損につながってしまう。これを防ぐために、スラブ加熱温度の高温化によるスラブの変形抵抗の低下によって、幅プレス時の幅プレス荷重を低下することは可能である。しかし、スラブを過加熱で抽出することは、スラブ加熱時の燃料原単位の悪化にもつながる。
一方で、加熱後のスラブ温度が幅プレス可能温度域であっても、大幅圧下の際に幅プレス装置内におけるスラブの送り量が大き過ぎる場合には、幅プレス金型とスラブとの接触長が長くなり、その結果、幅プレス荷重が大きくなる問題がある。逆に、スラブの送り量が小さ過ぎる場合には、該接触長が短くなり、その結果、スラブがスリップするという問題がある。
本発明は、上述の実情に鑑みてなされたものであり、熱間圧延前におけるスラブの幅プレス時に、スラブ送り量を可変に制御するとともに、過大な幅プレス荷重の負荷を抑制することが可能な、幅プレス装置およびスラブの幅プレス方法の提供を目的とする。
本発明者らは、上述の幅プレス装置破損等の問題を未然に防ぐことができる幅プレスの技術について鋭意検討した。そして、スラブを幅プレスする際に生じる幅プレス荷重が、幅プレス装置の許容荷重を超過する要因に着目した。また、幅プレス可能な温度域にスラブが加熱された場合であっても、幅プレス荷重の負荷が過大となったり、幅プレス時にスラブがスリップしたりすることがあることにも着目した。その結果、幅プレス装置における、スラブと幅プレス金型との接触長を加熱炉抽出後のスラブ温度(スラブ表面温度)に基づいて適切に制御することで、これらの問題が解消できることを見出した。
本発明は、このような知見に基づいて成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 熱間圧延ラインでスラブを幅プレスする幅プレス装置であって、
温度計と、スラブを幅プレスする幅プレス機と、該幅プレス機を制御する幅プレス制御部と、を有し、
前記幅プレス制御部は、
前記幅プレス機の入側に配設した前記温度計を用いて加熱炉抽出後の前記スラブのスラブ表面温度を測定するスラブ温度測定部と、
測定された前記スラブ表面温度を基に、幅プレス荷重予測値を計算する幅プレス荷重計算部と、
計算された前記幅プレス荷重予測値に応じて、前記スラブの幅プレスの可否を判定する幅プレス判定部と、
前記スラブと前記幅プレス機の幅プレス金型との接触長を、プロセスコンピュータ内のテーブル設定値に基づき決定されたスラブ送り量修正値で補正することで、該接触長を可変に制御する接触長制御部と、
前記幅プレス機のクランク速度を前記スラブ送り量修正値で補正し、該クランク速度を低減することで、幅プレス時のひずみ速度を制御するひずみ速度制御部と、
前記幅プレス荷重予測値に基づいて前記スラブの幅プレスを実施する幅プレス実施部と、
を備えることを特徴とする、幅プレス装置。
[2] 前記幅プレス判定部では、
前記幅プレス荷重予測値が前記幅プレス機の装置許容荷重値以下であると判定された場合に、前記幅プレス実施部による前記スラブの幅プレスを実施し、
前記幅プレス荷重予測値が前記装置許容荷重値超であると判定された場合に、前記接触長制御部、あるいは、前記接触長制御部かつ前記ひずみ速度制御部による補正を行い、その後、前記幅プレス実施部による前記スラブの幅プレスを実施することを特徴とする、[1]に記載の幅プレス装置。
[3] 熱間圧延ラインでスラブを幅プレスするスラブの幅プレス方法であって、
幅プレス機の入側に配設した温度計で、加熱炉抽出後の前記スラブのスラブ表面温度を測定するスラブ温度測定工程と、
測定された前記スラブ表面温度を基に、幅プレス荷重予測値を計算する幅プレス荷重計算工程と、
計算された前記幅プレス荷重予測値に応じて、前記スラブの幅プレスの可否を判定する幅プレス判定工程と、
前記スラブと前記幅プレス機の幅プレス金型との接触長を、プロセスコンピュータ内のテーブル設定値に基づき決定されたスラブ送り量修正値で補正することで、該接触長を可変に制御する接触長制御工程と、
前記幅プレス機のクランク速度を前記スラブ送り量修正値で補正し、該クランク速度を低減することで、幅プレス時のひずみ速度を制御するひずみ速度制御工程と、
前記幅プレス荷重予測値に基づいて前記スラブの幅プレスを実施する幅プレス実施工程と、
を有することを特徴とする、スラブの幅プレス方法。
[4] 前記幅プレス判定工程では、
前記幅プレス荷重予測値が前記幅プレス機の装置許容荷重値以下であると判定した場合に、前記幅プレス実施工程による前記スラブの幅プレスを実施し、
前記幅プレス荷重予測値が前記装置許容荷重値超であると判定した場合に、前記接触長制御工程、あるいは、前記接触長制御工程かつ前記ひずみ速度制御工程による補正を行い、その後、前記幅プレス実施工程による前記スラブの幅プレスを実施することを特徴とする、[3]に記載のスラブの幅プレス方法。
本発明によれば、熱間圧延前におけるスラブの幅プレス時に、スラブ送り量を可変に制御するとともに、過大な幅プレス荷重の負荷を抑制することが可能な、幅プレス装置およびスラブの幅プレス方法の提供をできる。これにより、幅プレス装置の許容荷重を超過することなく適切な幅プレスが可能となり、また幅プレス装置の破損を未然に防ぐことができる。
図1は、本発明の一実施形態である幅プレス装置が適用される熱間圧延ラインの一構成例を示す模式図である。 図2は、本発明の一実施形態である幅プレス装置の構成を示す模式図である。 図3は、本発明の一実施形態であるスラブの幅プレス方法を説明するフローチャートである。 図4は、スラブの計算抽出温度(計算SRT)と実測温度の差を示すグラフである。 図5は、各スラブ送り量に対する、幅プレス量と幅プレス荷重との関係を示すグラフである。 図6は、クランク速度による幅プレス荷重の時間変化を示すFEM(有限要素法)データのグラフである。 図7は、クランク速度ごとの定常部平均幅プレス荷重を示すグラフである。
以下、本発明の幅プレス装置およびスラブの幅プレス方法について説明する。なお、本発明は、この実施形態に限定されない。
まず、図1および図2を参照して、本発明の幅プレス装置について説明する。ここでは、一例として、熱延鋼板製造における熱間圧延ラインに本発明の幅プレス装置を適用する。
図1は、本発明の幅プレス装置3が適用される熱間圧延ライン10の一構成例を説明する側面図である。図2は、図1に示す幅プレス装置3の構成を説明する図である。図1および図2中に示す太矢印は、スラブ等の搬送方向を示す。
図1に示す熱間圧延ライン10は、スラブSの搬送方向上流側から順に、加熱炉1、HSB(Hydro Scale Breaker)装置2、幅プレス装置3、粗圧延機5、仕上圧延機6、ランアウトテーブル7、水冷装置8、およびコイラー9を備える。これらは各制御装置(図示せず)により制御される。これらの制御装置は、熱間圧延ラインの操業を管理するプロセスコンピュータ(図示せず)からの命令によって、各設備の動作の制御を行う。
図1に示すように、熱間圧延ライン10では、加熱炉1においてスラブSを加熱した後、HSB装置2によりスラブSの表面に形成されたスケールを除去し、その後、幅プレス装置3によりスラブSを幅プレスする。幅プレスされたスラブ(被圧延材)(図1中の符号S´を参照)は、粗圧延機5で所定の厚さまで圧延(粗圧延)され、その後、仕上圧延機6で所望の厚さ(製品厚)までさらに薄く圧延(仕上圧延)される。仕上圧延後の被圧延材は、ランアウトテーブル7を通過している時に水冷装置8により水冷され、その後、コイラー9によりコイル状に巻き取られる。なお、図示は省略するが、コイル状の被圧延材(図1に示す例では、熱延鋼帯)は、コイルヤードで常温になるまで冷却される。
鉄鋼製品の製造では、上述のように、種々の製品幅に対応すべく、鋳造後の熱間圧延工程での幅プレスによって、種々の製品幅に合わせてスラブ幅を変更している。一般的な熱間圧延ラインとして、例えば、スラブの搬送方向上流側から順に、加熱炉、温度計、HSB装置、幅プレス装置、粗圧延機等の順に配置した熱間圧延ラインが挙げられる。この一般的な熱間圧延ラインにおいてスラブの幅プレスを行う場合、スラブを幅プレスする際の幅プレス荷重が幅プレス装置の許容荷重を超過する恐れがある。本発明者らは、その理由を次のように考える。
この一般的な熱間圧延ラインにおいて幅プレス時に用いるスラブ温度(スラブ表面温度)は、計算抽出温度(以下、「計算SRT」と称する)である。計算SRTとは、加熱炉内の加熱パターンと材炉時間とによって計算される温度である。つまり、計算SRTと実際のスラブ温度は、乖離している可能性がある。さらに、加熱炉よりスラブ抽出後から幅プレスされるまでの間の搬送中におけるスラブと空気との接触や、スケール除去のためのHSB装置における高圧水等の噴射によって、スラブの温度が計算SRTに対してさらに低下している可能性がある。その場合に、スラブの変形抵抗が大きくなる。
これに起因して、幅プレス時に生じる幅プレス荷重が、幅プレス装置の許容荷重を超過すると、幅プレス装置破損に繋がる。スラブの変形抵抗を低下するために、加熱炉でのスラブ加熱温度を高温化して解消することも可能ではあるが、スラブ加熱時の燃料コストが増加する懸念もあることから好ましくない。
また、スラブの過加熱に起因して、スラブ垂れが生じ、その結果、製品の形状悪化や、それに伴う製品歩留まりが低下する問題がある。そのため、スラブは鋼種によって規定された温度以上に加熱することは望ましくない。
一方で、加熱後のスラブ表面温度が幅プレス可能温度域にあっても、幅プレスでの圧下量に対してスラブ送り量が大き過ぎれば、幅プレス金型とスラブとの接触長は長くなる。これに起因して、幅プレス荷重が大きくなると、上述と同様に設備破損の恐れがある。これに対し、該スラブ送り量が小さ過ぎれば、接触長は短くなるが、スラブがスリップする恐れや、適切な幅プレス荷重でスラブを圧下することができない恐れがある。
そこで、本発明者らは、幅プレス時に用いる温度(スラブ表面温度)に着目した。図4を用いて説明する。
一般的に、加熱炉から抽出後のスラブを測温して、幅プレス装置での圧下量やプレス荷重値を予測する。しかし、加熱炉出側周辺で測温した場合、幅プレス時の変形抵抗を正しく把握できないことから、本発明者らは適切な測温位置があることを知見し、種々検討した。その結果、プレス装置の入側に温度計を設置して測温することで、幅プレス直前のスラブ表面温度を測定し、これにより、従来より過不足なく変形抵抗の予測が可能となるという効果を得られることを見出した。
図4には、スラブの計算SRTと実測温度との差を示すグラフを示す。図4では、縦軸を温度(℃)とし、横軸をN数とした。ここでは、一例として、低炭鋼スラブを加熱炉で加熱し、幅プレス直前の位置でスラブの表面の測温を行った。その値を図4中の測温結果に示した。N数は5とした。図4に示すように、計算SRTと、加熱炉抽出後かつ幅プレス直前の位置での実測温度との間には差異があるが、温度の変化量は同じように測定できている。このことから、幅プレス直前の位置での2波長温度計による測定は有用であることがわかった。
また、上述のように、幅プレス可能な温度域にスラブが加熱された場合であっても、幅プレス荷重の低減やスラブのスリップ防止が困難なことがある。本発明者らは、さらに、幅プレスにおける圧下量(幅プレス量)と、幅プレス荷重と、スラブ送り量との関係に着目した。図5を用いて説明する。
ここでは、図4と同様に低炭鋼スラブを対象とし、種々の条件で幅プレスを行った。図5には、幅プレス時の各スラブ送り量に対する幅プレス量と幅プレス荷重との関係をプロットして示した。図5中、縦軸は幅プレス荷重(kN)とし、横軸は幅プレス量(mm)とした。幅プレス荷重は、ロードセル和荷重の値とした。また、幅プレス量は、「スラブ幅-コイルの冷寸幅(コイル冷却後の幅)」として測定した。図5に示すように、スラブ送り量を386mmから330mmに低減することで、幅プレス量250mmでの幅プレス荷重は20000kNから18000kNとなり、10%低減された。このように、適切なスラブ送り量を設定することで、幅プレス荷重を低減させ、幅プレス装置の破損リスクを減らすことができることが分かった。
続いて、上述の知見に基づき成された本発明の幅プレス装置3について、詳細に説明する。図2には、図1に示す熱間圧延ライン10の一部を示す。
本発明の幅プレス装置3は、図1に示す熱間圧延ライン10の搬送経路に沿って搬送されるスラブSを圧下(幅圧下)する装置である。幅プレス装置3は、加熱炉1の下流に配置されるHSB装置2の出側で、かつ、粗圧延機5の入側に配置される。図2に示すように、本発明の幅プレス装置3は、温度計3a、幅プレス機3b、および幅プレス制御部4を備える。
温度計3aは、幅プレス機3b入側で、加熱炉抽出後のスラブ表面温度を測定する。スラブSの測定箇所は、スラブの幅中央位置とすることが好ましい。温度計3aとして、例えば、放射温度計、2波長温度計が挙げられる。本発明では、温度計3aは、2波長温度計とすることが好ましい。2波長温度計では、スラブから発せられる輻射光と絶対温度の関係を用いてスラブの温度を導出する。
スラブは、長時間在炉時に、スラブ表面にスケールが生成したり、また加熱炉から抽出後に、スラブ表面近傍の雰囲気が水蒸気であったり、スラブ表面上の水乗りなどによることに起因して、正確な温度測定が困難な場合がある。そのような理由からも、本発明では、温度計3aとして、水膜に吸収されない2つの短波長を使用した2波長温度計を用いることが好ましい。
測温は、上述の図4で説明したように、計算SRTと実際の温度に差異があることを考慮し、より正確に幅プレス荷重を計算することができるようにするため、温度計3aをHSB装置2の出側かつ幅プレス機3b入側に配置する。例えば、温度計3aは、搬送経路上で、かつ、幅プレス機3bの入側を基準点としてHSB装置2側の方向に向かってスラブ長をすべてカバーできる位置に設置することが好ましい。より好ましくは、幅プレス機3b入側からHSB装置2側に向けて5~10m以内の領域である。また、温度計3aは、スラブSの表面に対して上方に配置することが好ましい。
幅プレス機3bは、図示は省略するが、板幅方向に相対峙して設置された一対の幅プレス金型と、該幅プレス金型の動作を制御する金型駆動部とを有する。金型駆動部により、一対の幅プレス金型は、スラブ幅方向に対称的に往復動作する。この往復動作は、幅プレスの対象となるスラブの最終製品幅に応じて決定される幅プレス量(圧下量)に基づき、制御される。幅プレス機3bの幅プレス量は、後述する幅プレス制御部4により算出される。金型駆動部の制御は、幅プレス制御部4によって管理される。
幅プレス制御部4は、スラブ温度測定部4aと、幅プレス荷重計算部4bと、幅プレス判定部4cと、接触長制御部4dと、ひずみ速度制御部4eと、幅プレス実施部4fと、を有する。幅プレス制御部4は、スラブ温度測定部4a、幅プレス荷重計算部4b、幅プレス判定部4c、接触長制御部4d、ひずみ速度制御部4eおよび幅プレス実施部4fを用いて、適切な幅プレス荷重値や、必要に応じてスラブSと幅プレス金型における適切な接触長およびクランク速度等を求め、得られた適切な幅プレス条件に基づいて幅プレス機3bの動作を制御する。幅プレス制御部4の制御は、プロセスコンピュータによって管理される。
スラブ温度測定部4aは、幅プレス装置入側に配設した温度計3aを用いて、幅プレス機3bの入側での加熱炉抽出後のスラブ表面温度を測定する。測定されたスラブ表面温度は、幅プレス制御部4により、後続の幅プレス荷重計算部4bおよび接触長制御部4dにデータが渡される。
幅プレス荷重計算部4bは、スラブ温度測定部4aにより測定されたスラブ表面温度を基に、幅プレス荷重の値(幅プレス荷重予測値)を計算して求める。算出された幅プレス荷重予測値は、幅プレス制御部4により、後続の幅プレス判定部4bにデータが渡される。
幅プレス判定部4cは、幅プレス荷重計算部4bにより計算された幅プレス荷重予測値に応じて、スラブの幅プレスの可否を判定する。具体的には、計算された幅プレス荷重予測値と、幅プレス機3bの設備上設定されている設定許容値(装置許容荷重値)とを比較して、幅プレスの中止あるいは実施(すなわち、幅プレスの可否)の判断をする。この装置許容荷重値とは、設定閾値である。
接触長制御部4dは、必要に応じて行われる処理部である。接触長制御部4dは、スラブと幅プレス機3bの幅プレス金型との接触長を制御する。接触長制御部4dでは、幅プレス機3bの装置許容荷重値に対して幅プレス荷重予測値が過大荷重とならないように、かつ、スラブがスリップしないように、該接触長の長短を調整する。具体的には、接触長制御部4dは、上記接触長を、予め設定されたプロセスコンピュータ内のテーブル設定値(スラブ温度に基づいて設定されたスラブ送り量設定値)に基づき決定されたスラブ送り量の値(スラブ送り量修正値)で補正することで、この接触長を可変に制御する。
ここで、「スラブ送り量」とは、幅プレス金型でスラブを1回幅プレスする際に、スラブをライン進行方向(搬送方向)に進ませる距離のことである。
ひずみ速度制御部4eも、必要に応じて行われる処理部である。ひずみ速度制御部4eは、幅プレス機3bのクランク速度を、接触長制御部4dにより決定されたスラブ送り量修正値で補正し、該クランク速度を低減することで、幅プレス時のひずみ速度が低減するように制御する。
幅プレス実施部4fは、得られた適切な幅プレス荷重予測値に基づいてスラブの幅プレスを実施する。
なお、幅プレス判定部4cによって、幅プレス荷重予測値が装置許容荷重値以下である(幅プレス可)と判定された場合には、幅プレス実施部4fによるスラブの幅プレスが実施される。一方、幅プレス荷重予測値が装置許容荷重値超である(幅プレス不可)と判定された場合には、接触長制御部4d、あるいは、接触長制御部4dかつひずみ速度制御部4eによる補正を行い、その後、再度幅プレス可否の判定によって幅プレス可であると判定された場合に、幅プレス実施部4cによるスラブの幅プレスを実施する。
上述のように、幅プレス可能な温度域にスラブが加熱された場合であっても、幅プレス荷重の低減やスラブのスリップ防止が困難なことがある。このような場合に、接触長制御4dやひずみ速度制御部4eによって、適切なスラブ送り量やクランク速度に補正することで幅プレス荷重を低減させ、これにより幅プレス装置の破損リスクを減らすことができる。
本発明では、以上の処理部を有する幅プレス制御部4により、幅プレスの実施あるいは中止を判定し、その判定結果に基づいて、幅プレス機3bにおける幅プレス荷重予測値が装置許容荷重値超えとならないようにスラブSの送り量を適切に調整して、スラブと幅プレス金型との接触長を制御することが重要となる。なお、幅プレス制御部4による具体的な処理の説明は、後述の図3を用いて行うため、ここでは省略する。
上述の構成を有する本発明の幅プレス装置3は、幅プレスの実施が可能と判定された場合、幅プレス制御部4によって決定した幅プレス荷重やスラブ送り量(すなわち接触長)やクランク速度に基づき金型駆動部が板幅方向に対峙する一対の幅プレス金型を動作させて、スラブSを板幅方向に間欠的に圧下する。
次に、図3を参照して、本発明のスラブの幅プレス方法について説明する。図3には、本発明のスラブの幅プレス方法の一例を説明するフローチャートを示す。
本発明のスラブの幅プレス方法は、上述の構成を有する本発明の幅プレス装置3(図2を参照)に適用可能である。ここでは、一例として、熱延鋼板製造における熱間圧延ラインに本発明を適用する。そのため、幅プレス装置3に関する説明と重複する内容は省略する。
本発明のスラブの幅プレス方法では、図2に示す幅プレス装置3における幅プレス制御部4が、以下に説明する各工程(ステップs1~s6の処理)を順次実行する。ステップs1は、スラブSが加熱炉1から抽出され、次いでHSB装置2でスラブSのスケール除去が行われた後、幅プレス装置3の温度計3aの測定範囲内にスラブSが進入した時点で開始される。
(ステップs1)
図3に示すように、まず、ステップs1では、スラブ温度測定部4aが、図2に示すHSB装置2の出側且つ幅プレス機3bの入側に配設された温度計3aで、加熱炉抽出後のスラブSのスラブ表面温度を測定する(スラブ温度測定工程)。
例えば、幅プレス機3bの入側で、2波長温度計によりスラブ表面の幅中央位置の温度を測定する。スラブ温度測定部4aは、測定したスラブ表面温度(スラブ表面温度測定値)を幅プレス荷重計算部4bおよび接触長制御部4dへ送る。
(ステップs2)
ステップs1の処理後、ステップs2では、幅プレス荷重計算部4bが、ステップs1で測定されたスラブ表面温度測定値を基に、スラブSを幅プレス(幅圧下)する際に生じる幅プレス荷重予測値の計算を行う(幅プレス荷重計算工程)。
例えば、幅プレス荷重予測値の計算は、2波長温度計で測温したスラブ表面温度測定値を基に、幅プレス金型、スラブ板厚など幾何学的条件およびスラブの変形抵抗、プレス圧下力関数などを用いて計算する。幅プレス荷重予測値の計算は、プロセスコンピュータで計算することができる。ここで「幾何学的条件」とは、板厚と金型形状を指す。
幅プレス荷重予測値の計算は、具体的には、以下のモデル式で計算される。
PPR=Km・Qp・LdP’・Hs/1000 …(1)
ここで、(1)式中に示す、PPR:プレス荷重予測値[kN]、Km:プレス平均変形抵抗[MPa]、Qp:プレス圧下力関数、LdP’:プレス接触弧長’[mm]、Hs:スラブ板厚[mm]、とする。
幅プレス荷重計算部4bは、計算した幅プレス荷重予測値を幅プレス判定部4cへ送る。
(ステップs3)
ステップs2の処理後、ステップs3では、幅プレス判定部4cが、ステップs2で計算された幅プレス荷重予測値に応じて、スラブSの幅プレスの可否を判定する(幅プレス判定工程)。
具体的には、幅プレス荷重予測値が、幅プレス機3bの装置許容荷重値以下であるか否かを判定する。この装置許容荷重値とは、幅プレス機3bの性能により定まる許容荷重値である。例えば、幅プレス機3bの装置許容荷重値は、幅プレス制御部4が保有するデータを保存するテーブルに、予め設定しておくことができる。
ここで、ステップs3の判定結果が「幅プレス可」の場合(図3に示すステップs3の下側の矢印に進む場合)には、後述のステップs6の処理が行われる。なお、「ステップs3の判定結果が「幅プレス可」の場合」とは、幅プレス荷重予測値が幅プレス機の装置許容荷重値以下であると判定した場合を指す。
一方、ステップs3の判定結果が「幅プレス不可」の場合(図3に示すステップs3の右側の矢印に進む場合)には、このまま幅プレスを行うとプレス機3bの破損に繋がる恐れがある。そのため、後述のステップs4の処理を実施することにより、スラブ送り量を変更することでプレス荷重の低減を行い、さらに幅プレス金型とスラブの接触長を短くすることでプレス荷重の低減を図る。
(ステップs4)
ステップs4では、接触長制御部4dが、スラブと幅プレス金型との接触長を、プロセスコンピュータ内のテーブル設定値(スラブ送り量設定値)に基づき決定されたスラブ送り量修正値で補正することで、該接触長を可変に制御する(接触長制御工程)。
具体的には、接触長制御部4dは、幅プレス荷重予測値が幅プレス機3bの装置許容荷重値超えとならないように(すなわち、過大荷重とならないように)、スラブSのスラブ送り量を調整(補正)することによって、スラブSと幅プレス機3b内の幅プレス金型との適切な接触長の値(接触長補正値)を決定する。
スラブ送り量が大きいと、幅プレス金型とスラブとの接触長が長くなり、幅プレス荷重が大きくなってしまう。一方、スラブ送り量が小さいと、幅プレス金型とスラブとの接触長が短くなり点接触になってしまい、スラブがスリップして熱間圧延トラブルの要因となってしまう。そのため、幅プレス金型ごとに面接触となるスラブ送り量の範囲を予め設定する必要がある。また、スラブ送り量は、スラブの鋼種、成分およびスラブ温度によって異なる。このような理由から、予め測定した鋼種ごとのスラブ送り量の設定値(スラブ送り量設定値)を、予めプロセスコンピュータ内のテーブル設定値に、設定しておくことが好ましい。
その後、接触長制御部4dは、決定された接触長補正値に基づいて幅プレス荷重予測値を補正する。
(ステップs41)
ステップs4の後、接触長制御部4dは、幅プレス可否判定(ステップs41)を実施する。ステップs41で、「幅プレス可」と判定された場合には後述のステップs6の処理が行われ、一方、「幅プレス不可」と判定された場合には、さらに後述のステップs5の処理が行われる。ここで、ステップs41の「幅プレス可否判定」とは、上述のステップs3と同様の判定処理、すなわち、補正後の幅プレス荷重予測値が装置許容荷重値以下となるか否かを判定する処理である。
接触長制御部4dは、接触長補正値および補正された幅プレス荷重予測値を幅プレス制御部4へ送る。
(ステップs5)
ステップs5では、ひずみ速度制御部4eが、幅プレス機3bのクランク速度をスラブ送り量修正値で補正し、該クランク速度を低減することで、幅プレス時のひずみ速度を低減するように制御する(ひずみ速度制御工程)。ひずみ速度は、クランク速度を変化させることにより制御可能である。
具体的には、ひずみ速度制御部4eは、幅プレス荷重予測値が幅プレス機3bの装置許容荷重値超えとならないように、幅プレス機3bの幅プレス金型における適切なクランク速度の値(クランク速度補正値)を決定する。
ステップs4の処理を実施した後であっても、なおステップs41の判定で「幅プレス不可」とされた場合には、ひずみ速度制御部4eはステップs5の処理を実施してスラブの幅プレス時のひずみ速度を低下させる。これによって、幅プレス時のスラブの変形抵抗が小さくなることにより、幅プレス荷重を低下させることができる。その結果、大幅圧下する場合でも設備負荷を低減することができる。
その後、ひずみ速度制御部4eは、決定されたクランク速度補正値に基づいて幅プレス荷重予測値を補正する。
ひずみ速度制御工程におけるクランク速度の低下代は、具体的には、クランク速度設定値を基に決定されたクランク速度補正値から、幅プレス荷重予測値が上限を超えない値になるよう補正することで求められる。
(ステップs51、s52)
ステップs5の後、ひずみ速度制御部4eは、幅プレス可否判定(ステップs51)を実施する。ステップs51で、「幅プレス可」と判定された場合には後述のステップs6の処理が行われる。一方、「幅プレス不可」と判定された場合には、さらに後述のステップs52の処理が行われる。ここで、ステップs51の「幅プレス可否判定」とは、上述のステップs3と同様の判定処理、すなわち、補正後の幅プレス荷重予測値が装置許容荷重値以下となるか否かを判定する処理である。
なお、ひずみ速度制御部4eは、クランク速度補正値および補正された幅プレス荷重予測値を幅プレス制御部4へ送る。
一方、ステップs5の処理を実施しても、ステップs51で「幅プレス不可」と判定された場合、ステップs52の処理が行われる。ステップs52の処理では、スラブSを返却することによって幅プレスを中止する。
例えば、スラブが低温抽出となり、スラブ表面温度が低いことに起因して、ステップs51の判定で幅プレス荷重が装置許容荷重値を超えると判断した場合には、幅プレス前にスラブを返却し、幅プレスを中止する。これにより、設備トラブルの要因として挙げられる低抽出温度のスラブの大幅圧下を未然に防止することが可能となる。
(ステップs6)
ステップs3、ステップs41およびステップs51のいずれかによって、「幅プレス可」と判定された場合には、ステップs6が実施される。
ステップs6では、幅プレス制御部4により決定された幅プレス荷重予測値(補正された幅プレス荷重予測値を含む)に基づいて、スラブSの幅プレスを実施する(幅プレス工程)。必要に応じて、ステップs4、あるいは、ステップs4かつステップs5が実施された場合には、幅プレス荷重予測値に加えて、接触長制御工程で得られた接触長補正値、ひずみ速度制御工程で得られたクランク速度補正値に基づき制御された幅プレス条件で、スラブSの幅プレスを実施する。
以上に説明したように、本発明によれば、加熱炉からスラブを抽出後、幅プレス機入側に設置した温度計にてスラブ表面を測温し、この測定したスラブ表面温度に基づいて幅プレス荷重を計算し、この計算された幅プレス荷重値を用いてプレス可否を判定する。そして、幅プレス不可と判定した場合には、幅プレス可能と判定した場合には、設備破損の荷重許容値を超えないようにスラブ送り量を調整するとともに、スラブと幅プレス金型との接触長を制御する。また、スラブ送り量の調整のみでは幅プレス機荷重許容値を超過してしまう場合、更にクランク速度低減によるひずみ速度低減の調整を実施し、幅プレス荷重を低減する。この制御された接触長、クランク速度に基づいて、幅プレスを実施することができる。
すなわち、幅プレス荷重を適切に制御することにより、幅プレスを実施する際にも装置許容荷重値に対して幅プレス荷重が超過しないようスラブ送り量を変更できるため、幅プレス装置の破損を未然に防ぐことができるようになる。スラブ送り量を可変に制御できるため、スラブがスリップして熱間圧延トラブルを生じることも未然に防ぐことができるようにもなる。
また、従来は、加熱炉出側の抽出温度に基づきプレス荷重を予測していたため、幅プレス時の荷重予測の誤差を見込んで、スラブの変形抵抗が小さくなるように過度にスラブの加熱温度を高温に設定していた。しかし、本発明によれば、幅プレス機入側でのスラブ表面温度の正確な測温により、正確な幅プレス荷重の予測値を求めることが可能となる。これにより、低抽出温度スラブの大幅圧下を未然に防止でき、燃料原単位削減効果も得られる。
以下、本発明の実施例を説明する。なお、本発明は、下記の実施例によって制限を受けるものではない。
本実施例では、図1に示す熱間圧延ライン10に、図2に示す本発明の幅プレス装置3を設置して、スラブの幅プレスを行った。幅プレス装置3には本発明のスラブの幅プレス方法を適用し、上述の各処理(ステップs1~s6)を順次実施した。N数は2910とした。
具体的には、プレス入側において2波長温度計でスラブを測温し、測定温度からプロセスコンピュータにて鋼種ごとにプレス荷重を計算し、幅プレス機への進入可否を判定する。
まず、幅プレスを行った際に測定した結果(幅プレス荷重および幅プレス量の実測値)を用いて、各プレス送り量に対する幅圧下量と幅圧下荷重の関係について、検証した。なお、条件は、上述の図5で説明した条件と同様のため省略する。その結果を、図5に示した。図5には、各スラブ送り量に対する幅プレス量と幅プレス荷重の関係をプロットして示した。幅プレス荷重は、ロードセル和荷重の値とした。また、プレス量は、「スラブ幅-コイルの冷寸幅」として測定した。
図5に示すように、プレス送り量を386mmから330mmに低減することで、幅プレス量250mmでの幅圧下荷重が10%低減された。このように、適切な送り量を設定することで、荷重を低減させ、設備破損リスクを減らすことができることが分かった。
続いて、クランク速度による幅プレス荷重の時間変化について、検証した。
ここでは、FEM解析により、幅:1200mm、幅プレス量:350mmの条件で行った。その結果を、図6および図7に示した。
図6のグラフには、クランク速度による幅プレス荷重の時間変化の関係を示すFEMデータを示した。図6中、縦軸は幅プレス荷重(tf)であり、横軸は時間(s)である。図7のグラフには、クランク速度ごとの定常部平均幅圧下荷重を示した。図7中、縦軸は幅プレス荷重(tf)であり、横軸はクランク速度(rpm)である。
図6に示すように、クランク速度の低減により荷重が低下していることがわかった。また、図7に示すように、クランク速度を1/2にすることでスラブ定常部における平均幅プレス荷重を11%減らすことができるという結果が得られた。
1 加熱炉
2 HSB装置
3 幅プレス装置
3a 温度計
3b 幅プレス機
4 幅プレス制御部
5 粗圧延機
6 仕上圧延機
7 ランアウトテーブル
8 水冷装置
9 コイラー
10 熱間圧延ライン
S スラブ
S´ 幅圧下されたスラブ(被圧延材)

Claims (4)

  1. 熱間圧延ラインでスラブを幅プレスする幅プレス装置であって、
    温度計と、スラブを幅プレスする幅プレス機と、該幅プレス機を制御する幅プレス制御部と、を有し、
    前記幅プレス制御部は、
    前記幅プレス機の入側に配設した前記温度計を用いて加熱炉抽出後の前記スラブのスラブ表面温度を測定するスラブ温度測定部と、
    測定された前記スラブ表面温度を基に、幅プレス荷重予測値を計算する幅プレス荷重計算部と、
    計算された前記幅プレス荷重予測値に応じて、前記スラブの幅プレスの可否を判定する幅プレス判定部と、
    前記スラブと前記幅プレス機の幅プレス金型との接触長を、プロセスコンピュータ内のテーブル設定値に基づき決定されたスラブ送り量修正値で補正することで、該接触長を可変に制御する接触長制御部と、
    前記幅プレス機のクランク速度を前記スラブ送り量修正値で補正し、該クランク速度を低減することで、幅プレス時のひずみ速度を制御するひずみ速度制御部と、
    前記幅プレス荷重予測値に基づいて前記スラブの幅プレスを実施する幅プレス実施部と、
    を備えることを特徴とする、幅プレス装置。
  2. 前記幅プレス判定部では、
    前記幅プレス荷重予測値が前記幅プレス機の装置許容荷重値以下であると判定された場合に、前記幅プレス実施部による前記スラブの幅プレスを実施し、
    前記幅プレス荷重予測値が前記装置許容荷重値超であると判定された場合に、前記接触長制御部、あるいは、前記接触長制御部かつ前記ひずみ速度制御部による補正を行い、その後、前記幅プレス実施部による前記スラブの幅プレスを実施することを特徴とする、請求項1に記載の幅プレス装置。
  3. 熱間圧延ラインでスラブを幅プレスするスラブの幅プレス方法であって、
    幅プレス機の入側に配設した温度計で、加熱炉抽出後の前記スラブのスラブ表面温度を測定するスラブ温度測定工程と、
    測定された前記スラブ表面温度を基に、幅プレス荷重予測値を計算する幅プレス荷重計算工程と、
    計算された前記幅プレス荷重予測値に応じて、前記スラブの幅プレスの可否を判定する幅プレス判定工程と、
    前記スラブと前記幅プレス機の幅プレス金型との接触長を、プロセスコンピュータ内のテーブル設定値に基づき決定されたスラブ送り量修正値で補正することで、該接触長を可変に制御する接触長制御工程と、
    前記幅プレス機のクランク速度を前記スラブ送り量修正値で補正し、該クランク速度を低減することで、幅プレス時のひずみ速度を制御するひずみ速度制御工程と、
    前記幅プレス荷重予測値に基づいて前記スラブの幅プレスを実施する幅プレス実施工程と、
    を有することを特徴とする、スラブの幅プレス方法。
  4. 前記幅プレス判定工程では、
    前記幅プレス荷重予測値が前記幅プレス機の装置許容荷重値以下であると判定した場合に、前記幅プレス実施工程による前記スラブの幅プレスを実施し、
    前記幅プレス荷重予測値が前記装置許容荷重値超であると判定した場合に、前記接触長制御工程、あるいは、前記接触長制御工程かつ前記ひずみ速度制御工程による補正を行い、その後、前記幅プレス実施工程による前記スラブの幅プレスを実施することを特徴とする、請求項3に記載のスラブの幅プレス方法。
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