JP2004283041A - パン類の製造法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】パン類の製造工程において、生地を0〜18℃の条件下で発酵させ、かつ300〜480℃の条件下で焼成する、パン類の製造法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パン類の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パン類の製造は、小麦粉等の穀粉と、イースト、食塩、糖類等の副原料とを混捏して調製した生地を、イーストの発酵至適温度帯である24〜38℃の環境下に発酵させた後、180〜240℃のオーブンで焼成する方法により行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年消費者の嗜好が多様化したのに伴い、パン類の差別化を計るために、外観、風味、食感等に工夫を凝らした製品が種々提案されている。しかしながら、これらの製品を得る方法としてはもっぱら副原料として種々の物質を用いたり、あるいは配合調整等によって行われていた。
そこで本発明者等は、原材料で調整ではなく、製パン法の改良によって優れた外観、風味、食味等を有する方法について種々研究を重ねた結果本発明を完成するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、パン類の製造工程において、生地を0〜18℃の条件下で発酵させ、かつ300〜480℃の条件下で焼成することを特徴とするパン類の製造法である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の特長は、製パン工程における発酵工程を0〜18℃、好ましくは5〜10℃の温度条件下で行うことである。この発酵温度が0℃より低くなると発酵が進まず、一方18℃を超えると従来のパン類の香味、食感に近似したものとなる。
また発酵時間は、6〜22時間、好ましくは10〜18時間の範囲で発酵温度との関連で適宜選択すればよい。
さらに製パン工程中にホイロをとる場合は、これらを加味して発酵温度および発酵時間を選択することが好ましい。なおホイロの条件としては通常の温度および湿度条件の他、本発明の発酵工程と同様に低温で行うこともできる。
発酵させる生地の形態としては生地玉、シート状、成形済等のいずれの形態でも好適に実施できる。
【0006】
本発明の第2の特長は、前記発酵条件に加えて、製パン工程における焼成工程を300〜480℃、好ましくは350〜450℃の範囲で行うことである。この焼成温度が300℃より低いと焼色が付かず硬い食感となり、一方480℃を超えると表面が著しく焦げ、中心部が生焼状態となる。
また焼成時間は通常60〜200秒間の範囲が好ましいが、例えば焼成後冷蔵あるいは冷凍保存後再加熱等する場合は前記焼成時間より短くすることが好ましい。
【0007】
本発明のパン類の製造法としては、例えばストレート法、中種法、液種法、サワー種法、酒種法、ホップ種法、中麺法、チョリーウッド法、連続製パン法、冷蔵生地法等の公知の製パン工程に基づいて実施することができる。また本発明の製パン法は、これら従来の製パン法における一部の工程、例えばホイロ工程を省略する等の変法によっても好適に実施することができる。
【0008】
本発明方法に用いられる原料としては、主原料として、強力粉、中力粉、薄力粉等の小麦粉、ライ麦粉等の穀粉の他、副原料として、イースト、イーストフード、糖類、食塩、油脂、鶏卵、乳製品等が挙げられる。
【0009】
使用するイーストとしては、生イースト、ドライイーストが挙げられる。
イーストフードとしては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム等のアンモニウム塩、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、第1リン酸カルシウム等のカルシウム塩、過硫酸アンモニウム、アスコルビン酸等の酸化剤、グルタチオン、システイン等の還元剤、アミラーゼ、プロテアーゼ等の酵素剤、グリセリン脂肪酸エステル、ステアリル乳酸カルシウム等の界面活性剤、塩化ナトリウム、澱粉等の分散剤を適宜組合せた組成物が挙げられる。
【0010】
糖類としては、含蜜糖、分蜜糖、液糖、果糖、転化糖、澱粉糖等が挙げられる。
【0011】
油脂としてはバター、マーガリン、ショートニング、ラード等が挙げられる。
【0012】
鶏卵としては、冷凍卵、液状卵、乾燥卵、濃縮卵等が挙げられる。
【0013】
乳製品としては、市乳、粉乳、練乳、チーズ、生クリーム、ヨーグルト等が挙げられる。
【0014】
また本発明はペクチンを穀粉に対し0.2〜5重量%添加すると香味および食感が著しく向上する。
【0015】
これらのパン類の原材料はパン類の種類、製パン法によって適宜選択して用いることができる。
【0016】
本発明方法によって得られるパン類としては、食パン、菓子パン、デニッシュ・ペストリー、フランス・パン、クロワッサン、バターロール、ブリオッシュ等の種々のパン類が挙げられるが、なかでも特にサンドイッチ、ドック用のパン類に適している。
【0017】
【実施例】
次に本発明をさらに具体的に説明するために実施例を掲げるが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
【0018】
実施例1
小麦粉100重量部にイースト2重量部、食塩2重量部、ショートニング1重量部および水62重量部を加えて混捏を行った。
捏ね上がったパン生地は常温でフロアータイムを30分間とった後80gずつに分割し、丸めを行い、ベンチタイムを20分間とった後扁平なロール状に成形し、8℃の冷蔵室へ入れ12時間発酵を行った。次いで温度400℃のオーブンにて100秒間焼成してパンを得た。
【0019】
実施例2
小麦粉100重量部に、イースト1重量部、食塩2重量部、砂糖2重量部、ショートニング4重量部、ペクチン0.5重量部および水60重量部を加えて混捏を行った。
捏ね上がったパン生地は常温でフロアータイムを10分間とった後、厚さ5mmに均一に圧延し、10cm平方の正方形にカットして、5℃の冷蔵室へ入れ14時間発酵を行った。次いで温度420℃のオーブンにて80秒間焼成してパンを得た。
【0020】
実施例3
小麦粉100重量部に、イースト2.2重量部、食塩1.8重量部、砂糖2重量部、脱脂粉乳2重量部、マーガリン6重量部および水64重量部を加えて混捏を行った。
捏ね上がったパン生地は常温でフロアータイムを60分間とった後、120gずつに分割し、丸めを行い、12℃の冷蔵庫へ入れて8時間の発酵を行った。次いで、直径12cmの円盤状に生地を成形し、温度32℃および湿度75%の条件下で60分の最終発酵を行った後、温度320℃のオーブンにて180秒間焼成してパンを得た。
【0021】
比較例1
小麦粉100重量部に、イースト2重量部、食塩2重量部、ショートニング1重量部および水62重量部を加えて混捏を行った。
捏ね上がったパン生地は常温でフロアータイムを30分間とった後80gずつに分割し、丸めを行い、ベンチタイムを20分間とった後、扁平なロール状に成形し、27℃の恒温室へ入れ、70分間発酵を行った。次いで温度190℃のオーブンにて9分間焼成してパンを得た。
【0022】
比較例2
比較例1において、焼成を温度400℃のオーブンで100秒間行った以外は比較例1と同様に行った。
【0023】
比較例3
比較例1において、発酵を8℃の冷蔵室で12時間行った以外は比較例1と同様に行った。
【0024】
比較例4
小麦粉100重量部に、イースト1重量部、食塩2重量部、砂糖2重量部、ショートニング4重量部および水60重量部を加えて混捏を行った。
捏ね上がったパン生地は常温でフロアータイムを10分間とった後、厚さ5mmに均一に圧延し、10cm平方の正方形にカットして、27℃の恒温室へ入れ1時間発酵を行った。次いで温度200℃のオーブンにて8分間焼成してパンを得た。
【0025】
比較例5
比較例4において焼成を温度420℃のオーブンにて80秒間行った以外は比較例4と同様に行った。
【0026】
比較例6
比較例4において発酵を5℃の冷蔵室へ入れ14時間行い、また焼成を温度200℃のオーブンで8分間行った以外は比較例4と同様に行った。
【0027】
試験例
実施例1〜3および比較例1〜6で得られたパンを10名のパネラーにより表1に示す評価基準により評価した。その評価結果を示せば表2のとおりである。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】
本発明方法によれば、芳醇な発酵の香りが高く、旨味があり、モチモチ感とシットリ感があり、口溶けが良い食感を有し、艶のある膜質で蜂の巣状のすだちを有し、かつ均一な斑点状の焦げを有するパン類を得ることができる。
Claims (1)
- パン類の製造工程において、生地を0〜18℃の条件下で発酵させ、かつ300〜480℃の条件下で焼成することを特徴とする、パン類の製造法。
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JP2003077097A JP4231312B2 (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | パン類の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003077097A JP4231312B2 (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | パン類の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP4231312B2 JP4231312B2 (ja) | 2009-02-25 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003077097A Expired - Lifetime JP4231312B2 (ja) | 2003-03-20 | 2003-03-20 | パン類の製造法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP4231312B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NL2000646C2 (nl) * | 2007-05-11 | 2008-11-13 | Tjitse Jacob Offenga | Werkwijze voor het bakken van brood of broodproducten. |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS5991831A (ja) * | 1982-07-19 | 1984-05-26 | 岡田 定夫 | 焼成パンの製造方法 |
JPS62190040A (ja) * | 1986-02-14 | 1987-08-20 | フイリツプ・ヴイロ | 高含水ナチユラルパンとその製造法及び本方法に使用する殻粉 |
JP2000262205A (ja) * | 1999-03-16 | 2000-09-26 | Shikishima Baking Co Ltd | パン類の製造方法 |
-
2003
- 2003-03-20 JP JP2003077097A patent/JP4231312B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (3)
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NL2000646C2 (nl) * | 2007-05-11 | 2008-11-13 | Tjitse Jacob Offenga | Werkwijze voor het bakken van brood of broodproducten. |
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