JP2007244235A - パン類の製造方法 - Google Patents

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弘道 佐藤
Chieko Nakamoto
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Akira Kasahara
明 笠原
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Abstract

【課題】 香りが良く、味にコクがあって良好な風味を有し、歯切れおよび口溶けが良好で食感に優れ、しかも時間が経っても風味および食感の低下が小さくて老化しにくい焼きたてのパン類を、消費者にタイムリーに供給したり、家庭などで簡単に製造することのできるパン類の製造方法の提供。
【解決手段】 サワー種を添加したパン用穀粉組成物を用いて焼成前までの一連の製パン工程を行って得られる未焼成の成型パン生地を、雰囲気温度250〜300℃で半焼成した後、保存し、用事に雰囲気温度170〜240℃で再焼成してパン類を製造する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、パン類の製造方法および半焼成パン類に関する。より詳細には、本発明は、香りが良く、味にコクがあって良好な風味を有し、歯切れおよび口溶けが良好で食感に優れ、しかも時間が経っても風味および食感の低下が小さくて老化しにくい焼きたてのパン類を、消費者にタイムリーに供給したり、家庭などで簡単に製造することのできるパン類の製造方法、およびそのための半焼成パン類に関する。
パン類は老化が速く、焼きたての風味や食味は焼成後の時間経過と共に急速に失われてゆく。パン生地を仕込んでからパン類を得るには、一般に4〜8時間もの長い時間を必要とする。そのため、消費者に美味しいパン類をタイムリーに提供するためには、夜間労働や早朝労働を行うことが必要であり、これが製パン産業に従事する労働者の労働条件の悪化や製パンコストの上昇などを招いている。近年、焼きたてのフレッシュなパンに対する消費者の需要が増している。更に、パンの種類の増大や多様化に対しても消費者の需要がますます高まっている。それと併せて、パン類の製造コストの削減の要求も一層強くなっており、製パン産業では、多品種少量生産およびパン製造の合理化や省力化を行いながら、焼きたてのフレッシュなパンを消費者にタイムリーに供給することが求められている。
また、パン類を店頭で購入するだけでなく、焼きたてのパン類を、家庭などで手間や時間をかけずに、簡単に製造することのできるパン製品が求められている。
焼きたてのパン類を消費者にタイムリーに供給したり、家庭などで焼きたてのパン類を短時間で簡単に製造できるようにするために、製パンの最終工程である焼成を完全に行わずに半焼成(いわゆる白焼き)の状態に止めておき、その状態で、室温、冷蔵温度または冷凍温度で保存し、販売店や飲食店などで顧客にパン類を供給する際や家庭でパンを食する際に、再焼成(最終焼成)を行って、焼きたてのパン類を製造する方法が従来から知られている。
半焼成を利用した前記の製パン技術としては、従来、(1)パン生地を発酵させ、成型した後に200〜260℃で本来の焼き上げ時間の60〜98%に相当する時間で焼き上げ、余剰水分を1〜10%保有させた状態で密封包装するかまたは冷凍して保存し、用事に再焼成する方法(特許文献1を参照)、(2)パン生地を発酵させ、成型した後に135〜150℃の低温で10〜15分間半焼成し、それを包装した後に冷蔵保存し、用事に再焼成する方法(特許文献2を参照)、(3)リーンな配合(低配合)で調製したパン生地を発酵させ、成型した後に200〜260℃で本来の焼き上げ時間の60〜98%に相当する時間で焼き上げた後、パンの外皮に水分を付与して冷凍保存し、用事に解凍して再焼成する方法(特許文献3を参照)、(4)小麦粉を主体とする原料粉に、卵白、グルテンおよびトランスグルタミナーゼのうちの2種以上を添加した半焼成用パン組成物(特許文献4を参照)などが知られている。
半焼成を利用した上記した従来技術による場合は、必要なときに消費者に焼きたてのパン類をタイムリーに供給したり、家庭などでも必要な特に短時間で簡単に焼きたてのパン類を製造することができるが、製パン工程の最後に一段で焼成を行う通常の製パン方法で得られるパン類に比べて、風味や食感の点で劣っており、また再焼成後に短時間のうちに風味や食感の低下が生じて老化し易く、パン品質の点で未だ十分に満足のゆくものではなかった。
特公昭50−16856号公報 特開昭51−15650号公報 特開昭54−26346号公報 特開平11−155468号公報
本発明の目的は、半焼成したパン生地を保存しておいて用事に再焼成する上記した方法を採用して、香りが良く、味にコクがあって風味に優れ、歯切れおよび口溶けが良好で食感に優れ、しかも時間が経っても風味・食感の低下が小さくて耐老化性に優れるパン類を短時間で簡単に且つタイムリーに製造することの製パン方法を提供することである。
さらに、本発明の目的は、そのための半焼成パン製品を提供することである。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく検討を重ねてきた。その結果、前記した半焼成工程を採用してパン類を製造するに当たって、原料であるパン用穀粉とその他の原料にサワー種とイーストの両方を添加して得られるパン生地を用いて、250℃以上の特定の高温雰囲気下で半焼成し、それを保存しておいて、用事に170〜240℃の雰囲気温度下に再焼成(最終焼成)すると、香りが良く、味にコクがあって風味に優れ、歯切れおよび口溶けが良好で食感に優れ、しかも時間が経っても風味・食感の低下(老化)の小さい、高品質のパン類を短時間で簡単に且つタイムリーに製造できることを見出した。
さらに、本発明者らは、前記した方法でパン類を製造する際に、その半焼成を、3〜35分間の範囲内で且つ成型パン生地の内部温度が80℃以上100℃未満の範囲にあるような時間で行うと、また再焼成を3〜35分間の範囲内で且つ再焼成終了時のパンの内部温度が80〜98℃になっているような時間で行うと、風味、食感および耐老化性に一層優れるパン類が得られることを見出し、それらの知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1) パン用穀粉にイーストおよびサワー種を添加して焼成前までの一連の製パン工程を行って得られる未焼成の成型パン生地を、雰囲気温度250〜300℃で半焼成した後、保存し、用事に雰囲気温度170〜240℃で再焼成することを特徴とするパン類の製造方法;である。
そして、本発明は、
(2) 半焼成を3〜35分間の範囲内で且つ成型パン生地の内部温度が80℃以上100℃未満の範囲にある時間で行い、再焼成を3〜35分間の範囲内で且つ再焼成時のパンの内部温度が80〜98℃の範囲にある時間で行う前記(1)のパン類の製造方法である。
さらに、本発明は、
(3) パン用穀粉にイーストおよびサワー種を添加して、焼成前までの一連の製パン工程を行って得られる未焼成の成型パン生地を、雰囲気温度250〜300℃で半焼成して得られる半焼成パン類;および、
(4) 半焼成が3〜35分間の範囲内で且つ成型パン生地の内部温度が80℃以上100℃未満の範囲になる時間で行われたものである前記(4)の半焼成パン類;
である。
本発明の製パン方法による場合は、香りが良く、味にコクがあって風味に優れ、歯切れおよび口溶けが良好で食感に優れ、しかも時間が経っても風味および食感の低下の小さい、高品質のパン類を、パン販売店、飲食店、食堂、家庭などにおいて、必要なときに、短時間で簡単に且つタイムリーに製造することができる。
本発明の半焼成パン類を購入した消費者は、製パンに長い時間をかけたり、熟練を要することなく、必要なときに当該半焼成パン類を再焼成するだけで、焼きたてのおいしいパン類を、簡単に且つ短時間で製造することができる。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明で用いるサワー種は、パン類の製造に従来から用いられているサワー種であればいずれでもよく、代表例としては小麦サワー種(ホワイトサワー)、ライ麦サワー種(ライサワー)、さらにルバン種、老麺、ザワーなどを挙げることができる。
パンの種類などに応じて、適当なサワー種を選択して用いることができる。例えば、小麦サワー種は、食パン、バターロールやホットドッグロールなどのソフトロール、菓子パン(アンパン、ジャムパン、クリームパン、デニッシュペストリー、バンズ、パネトーネ、シュトーレン、ブリオッシュ、クロワッサン、チャバッタ、ブローチェンなど)、フランスパンなどの製造に適しており、ライ麦サワー種は、ライ麦パン、ブンバーニッケル、ミッシュブロート、カンパーニュなどの製造に適している。また、全粒粉パンなどでは、小麦サワー種、ライ麦サワー種のいずれも適している。
小麦サワー種は、例えば、小麦粉を発酵させて得られる初種(pH3.5〜4.2)または初種に水を加えて抽出処理した抽出液を、小麦粉と水との混合物(通常、小麦粉100質量部に対して水を40〜150質量部程度、好ましくは100〜150質量部の割合で混合)に添加して均一に混合し(通常、小麦粉100質量部に対する初種の使用割合は1〜50質量部、特に2〜10質量部程度)、それを25〜35℃の温度で4〜24時間、好ましくは15〜20時間発酵させて調製することができる。
また、ライ麦サワー種も、小麦粉の代わりにライ麦粉を用いて前記と同様の操作を行って調製することができる。
上記において、小麦サワー種の調製に用いられる初種は、小麦粉およびそれとほぼ同量の水との混合物を所定の温度で所定の時間発酵(通常25〜35℃で24時間程度発酵)させて1番種をつくり、当該1番種の所定量を小麦粉およびそれとほぼ同量の水との混合物に加えて(通常1番種の添加量は小麦粉の10質量%前後)、更に所定の温度で所定の時間発酵させて2番種をつくり、その2番種を用いて前記と同じ発酵操作を発酵物が所定のpHになるまで複数回繰り返して(通常全体で5回程度繰り返す)ことによって製造される。ライ麦サワー種の調製に用いられる初種も、小麦粉の代わりにライ麦粉を用いて同様にして製造される。
小麦サワー種の調製に用いられる初種、およびライ麦サワー種の調製に用いられる初種としては、従来から既に種々の製品が市販されており、具体例としては、小麦サワー種用の初種として、「スタートグートW」(戸倉商事株式会社販売)の他に、「パン種ベーシック」(オリエンタル酵母工業株式会社販売)などが、またライ麦サワー種用の初種として、「スタートグートR」(戸倉商事株式会社販売)、「アクティブサワーR」(オリエンタル酵母工業株式会社販売)などが挙げられる。
本発明では市販の初種を用いてサワー種を調製し、そのサワー種を使用して本発明の製パン方法を行うことができる。
パン用穀粉組成物へのサワー種の添加量は、製造するパンの種類、サワー種の種類、製パン法などによって異なり得るが、小麦サワー種の場合には、パン用穀粉組成物中の穀粉100質量部に対して、サワー種を2〜100質量部、特に5〜25質量部の割合で添加し、ライ麦サワー種の場合には10〜150質量部の割合で添加することが、製パン時の生地の取り扱い性、最終的に得られるパン類の品質(特に風味・食感とその耐老化性)が良好になり、発酵時間を短縮でき生産性が良くなるなどの点から好ましい。サワー種とイーストを併用して半焼成および再焼成工程を経てパン類を製造する本発明の方法による場合は、イーストフードの添加量を減らすかまたはイーストフードを全く用いずにパン類を製造することができる。
イーストの添加量(乾物換算;ドライイーストとしたときの添加量)は、一般にパン用穀粉組成物中の穀粉100質量部に対して、0.5〜5質量部、特に1〜4質量部であることが好ましい。
なお、サワー種中には、乳酸菌などの菌類と共にイーストが含まれているが、前記したイーストの添加量は、サワー種中に元々含まれているイーストを計算に入れず、サワー種とは別に添加するイーストの量をいう。
イーストの種類は特に制限されず、汎用イースト、冷凍耐性イースト、冷蔵耐性イースト、ドライイースト、インスタントイーストなどのいずれもが使用できる。
本発明で用いるパン用穀粉組成物は、サワー種を添加するか、またはサワー種とイーストを添加する以外は特に制限されず、製造するパンの種類などに応じて、従来から採用されているのと同様の配合を採用することができる。
穀粉としては、例えば、パン用小麦粉、全粒粉、ライ麦粉、オーツ粉、コーンフラワー、亜麻仁粉、米粉、各種澱粉類、食物繊維、それらの混合粉などを使用することができ、目的とするパンの種類などに応じてパン用穀粉類を適宜選択して使用することができる。
パン用小麦粉としては、強力粉、準強力粉、それらの混合物などを挙げることができ、必要に応じて中力粉、薄力粉などを併用してもよい。
また、本発明で用いるパン用穀粉組成物は、副材料として、食塩、砂糖やその他の糖類、ショートニング、バター、マーガリンなどの油脂類、モルト粉末やモルトシロップ、イーストフード、バイタルグルテン;脱脂粉乳、全脂粉乳、チーズ粉末、ヨーグルト粉末、ホエー粉末などの乳製品、卵や卵製品;穀物粒(例えば、小麦、ライ麦、大麦、米、えん麦など)、豆類、野菜、イモ類、ビタミン類、ミネラル類、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、硫酸アンモニウムなどの1種または2種以上を必要に応じて含有することができる。
本発明では、サワー種とイーストを添加したパン用穀粉組成物を用いて焼成前までの一連の製パン工程を行って、未焼成の成型パン生地をつくる。
未焼成の成型パン生地をつくるための製パン方法や製パン工程は特に制限されず、常法に従って行うことができ、代表的には、直捏法、中種法、液種法などを挙げることができる。
未焼成の成型パン生地を製造する際の、加水量、混捏、発酵、ガス抜き、分割、ベンチタイム、ホイロなどの各工程における作業方法や作業条件(温度、処理時間など)は特に制限されず、製造するパン類の種類や製パン法の種類などに応じて、従来と同様の作業方法や作業条件を採用することができる。
上記一連の製パン工程を行って得られる未焼成の成型パン生地を、雰囲気温度250〜300℃で半焼成する。
通常の製パン法では、焼成は一般に200〜230℃の雰囲気温度で行なわれており、本発明において半焼成時に採用している「雰囲気温度250〜300℃」は、通常よりも高い温度である。本発明では、成型パン生地の半焼成を250〜300℃という高い雰囲気温度で行うことによって、半焼成時に成型パン生地中の水分が通常よりも少なくなるため、半焼成した成型パン生地を保存し、用事に再焼成(最終焼成)したときに、生地から飛散する水分の量が少量になり、ベタつきがなくて、風味・食感、外観に優れ、しかも老化の遅いパン類を得ることができる。
サワー種とイーストを添加したパン用穀粉組成物を用いて半焼成工程を行う本発明において、成型パン生地の半焼成時の雰囲気温度が250℃よりも低いと、半焼成に要する焼成時間が長くなるため、その間の水分の飛散が多くなり、得られるパン類もパサついて、風味・食感が不良になる。一方、半焼成時の雰囲気温度が300℃よりも高いと、成型パン生地の内部温度が上がらず、十分に澱粉のα化が進まないうちに焼き色がついてしまうため、再焼成(最終焼成)を行って得られるパン類は、焼き色が強く付きすぎ、その一方で内部は澱粉のα化が不十分になって、外観不良であるばかりか、風味・食感も不良になり易い。
成型パン生地の半焼成は、雰囲気温度250〜300℃、特に250〜280℃で行うことが、風味・食感に一層優れ、しか耐老化性にも優れるパン類が得られる点から好ましい。
ここで、本発明における「半焼成」とは、成型パン生地を、完全に焼成したパン類(完成品)にするには不十分な状態に焼成することを意味する。また、前記「雰囲気温度」とは、成型パン生地を配置して焼成する装置(例えばオーブン、焼成釜など)の内部の温度をいう。
成型パン生地の半焼成の程度は、半焼成して得られる成型パン生地の表面の色が、完全に焼成して得られるパンの焼き色を100としたときに、50〜90程度、好ましくは70〜90程度になるようにして行うことが好ましい。
半焼成時の雰囲気温度、製造するパンの種類、成型パン生地のサイズや形などによって異なり得るが、半焼成を250〜300℃の雰囲気内で行う本発明では、半焼成を、3〜35分間の範囲内で且つ成型パン生地の内部温度が100℃を超えない時間、特に80℃以上100℃未満の範囲になる時間、好ましくは85〜95℃の範囲になる時間で行うと、半焼成時に適当な焼き色をつけながら、成型パン生地内部の澱粉のα化も進み、再焼成(最終焼成)時における風味や水分の飛散が抑えられ、得られるパン類の風味や食感、耐老化性が良好になる。
例えば、食パンの場合は、成型した食パン生地を250〜300℃、特に250〜280℃の雰囲気温度で、20〜35分間分間焼成することによって、半焼成された食パン生地を円滑に得ることができる。
また、例えば菓子パン類やバターロールなどの比較的サイズの小さいパン類の場合は、成型したパン生地を250〜300℃、特に250〜260℃の雰囲気温度で、4〜7分間焼成することによって、半焼成されたパン生地を円滑に得ることができる。
半焼成した成型パン生地は、再焼成して消費者などに供給する必要が生じたり、再焼成して家庭などで食する必要が生ずる用事まで、半焼成の状態で保存する。保存は常温、冷蔵温度、冷凍温度のいずれで行ってもよい。冷蔵温度で保存する場合は一般に0〜10℃で保存し、冷凍温度で保存する場合は−10〜−40℃程度、例えば−20℃で保存する。
半焼成した成型パン生地は、包装せずにそのまま露出した状態で保存してもよいが、湿分や水分を通さない包材(例えば湿分非透過性のプラスチックフィルムや、プラスチックと他の材料との積層フィルムなどからなる包材など)を用いて包装するか、湿分や水分を通さない容器内(湿分非透過性のプラスチック容器、ガラス容器、セラミック容器、金属製容器など)に収容して保存することが、保存中の水分の飛散を防止する点や保存性の点で好ましい。半焼成した成型パン生地を包材で包んだり容器に入れて包装して、常温または冷蔵温度で保存する際に、窒素ガスを充填して包装したり、脱酸素剤を包材や容器内に入れて包装すると、常温または冷蔵温度での長期保存が可能になる。
保存しておいた半焼成パン類は、消費者に焼成して供給する必要が生じたときや、焼成して食する必要が生じたときなどの用事に、再焼成して完成したパン類にする。
半焼成した成型パン生地が常温で保存されていた場合は、そのまま再焼成すればよい。
また、半焼成パン類が冷蔵保存されていた場合は、半焼成パン類の温度を常温(室温)にした後に、また半焼成パン類が冷凍保存されていた場合は解凍し、更に生地温度を常温(室温)にした後に、再焼成することが、高品質のパン類が得られる点から好ましい。
本発明では、保存しておいた半焼成成型パン生地の再焼成を雰囲気温度170〜240℃で行なう。
再焼成時の雰囲気温度が170℃よりも低いと、焼成が不十分になり、風味、食感、外観が不良になり易い。一方、再焼成時の雰囲気温度が240℃よりも高いと、焼き過ぎになって、風味が低減し、硬くボソついた状態になって食感が低下し、焼き色が強すぎて外観不良などが生じ易くなる。
再焼成は、雰囲気温度170〜200℃で行うことが、風味、食感に一層優れ、しかも、耐老化性に優れるパン類が得られる点から好ましい。
再焼成時間は、パンの種類、成型パン生地のサイズ、形、半焼成の程度などによって異なり得るが、3〜35分間の範囲内、特に4〜25分間の範囲内で且つ再焼成終了時のパンの内部温度が80〜98℃の範囲、特に80〜95℃の範囲になるような焼成時間を採用することが、風味、食感、外観、耐老化性などにより優れるパン類が得られる点から好ましい。
例えば、食パンの場合は、上記の条件下で半焼成した食パン生地を、雰囲気温度170〜240℃、特に180〜200℃で、10〜30分間、特に10〜20分間焼成することによって、風味、食感、外観に優れ、しかも老化しにくい食パンを円滑に得ることができる。
また、例えば菓子パン類やロールパン類(バターロールなど)の比較的サイズの小さいパン類の場合は、上記の条件下で半焼成した成型パン生地を、雰囲気温度170〜240℃、特に170〜200℃で、3〜10分間、特に4〜7分間焼成することによって、風味、食感、外観に優れ、しかも老化しにくい、菓子パン類やロールパン類などを円滑に得ることができる。
また、本発明では、上記した半焼成−保存−再焼成という一連の工程を行わずに、半焼成後の成型パン生地を、そのまま常温、冷蔵温度または冷凍温度で保存、流通、販売してもよい。その場合には、半焼成後の成型パン生地を用いて、それぞれの店舗、飲食店、食堂、家庭などにおいて、必要なときに、上記した再焼成を行って、焼きたてのパン類をタイムリーに製造することができる。
本発明では、製造するパンの種類は特に制限されず、油脂類や糖類等の配合量の少ないリーンな配合のパン類、油脂類や糖類等の配合量の多いリッチな配合のパン類のいずれのパン類の製造に対しても使用でき、いずれのパン類の場合も、風味、食感に優れ、しかも老化しにくい、高品質のパン類を得ることができる。
限定されるものではないが、本発明によって製造し得るパン類としては、例えば、ワンローフ、角形食パン、プルマンブレッド、バゲット、グリッシーニ、フランスパン、ライブレッド、カンパーニュ、チャバッタ、ブローチェンなどのブレッド類;ハードロール、カイザーロール、ウインナーロール、プレーチヒエンなどのハードロール類;ソフトロール、ブリオッシュ、クロワッサン、クレセント、バターロール、スイートロールなどのソフトロール類;コーヒーケーキ、アップルロール、シュトーレンなどのスイートドウ類;バンズ類;マフィン類;あんパン、ジャムパン、クリームパン、チョコレートパン、メロンパンなどの菓子パン類などを挙げることができる。
以下に実施例などにより本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の例により何ら限定されない。
《調製例1》[小麦サワー種の調製]
(1) 小麦サワー種用の初種(戸倉商事株式会社販売「スタートグートW」)20gをよくほぐし、そこに温度30℃のぬるま湯200gを加えて10分間放置した後、すり潰しながらよく混ぜた後、茶漉しを使用して固形物と液体に分離して液体を回収した。その際に茶漉しに残った固形物はよく押し潰して、できるだけ液体を分離して前記の液体と一緒にした。
(2) 小麦粉1000g、ぬるま湯(30℃)1000gおよび食塩3gを混合し、そこに前記(1)で回収した液体を加えて、均一に混合した後、低速で1分間、高速で2分間混捏し、それを28℃の温度で15〜18時間保持して発酵させて、小麦サワー種を調製した。これにより得られた小麦サワー種は、4℃で冷蔵保存した(この小麦サワー種は、小麦サワー種の調製後7日以内に使い切るようにした)。
《実施例1》[バターロールの製造]
(1) パン用強力小麦粉、砂糖、食塩、バター、全脂粉乳、卵、ドライイーストおよび上記の調製例1で調製した小麦サワー種を用いて、下記の表1に示すバターロール用の製パン配合を準備した。
(2) 上記(1)の製パン配合を用いて、下記の表1に示すバターロールの製パン工程(直捏法)に従って、バターロールを製造した。
(3) 上記(2)で得られたバターロールの品質を下記の表2に示す評価基準に従って10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表1に示すとおりであった。
なお、パンの品質の評価は再焼成(最終焼成)して1時間後に行ない、またパンの耐老化性の評価は、再焼成(最終焼成)して得られたパンを室温(25℃)で24時間放置したときの風味および食感を下記の表2に示す評価基準にしたがって同じ10名のパネラーに点数評価してもらって、その平均値を採ることにより行なった。
パン品質の評価に当たっては、サワー種を添加せずにイーストを単独で使用して常法によって製造したパン(イーストを単独で用いて半焼成せずに最終段階で焼成して製造した対照例のパン)の焼成1時間後の品質を基準(3点)にした(以下の実施例および比較例も同じ)。
《比較例1》[バターロールの製造]
(1) パン用強力小麦粉、砂糖、食塩、バター、全脂粉乳、卵およびドライイーストを用いて、下記の表1に示すバターロール配合を採用して、下記の表1に示す製パン工程に従って、バターロールを製造した。
(2) 上記(1)で得られたバターロールの品質を下記の表2に示す評価基準に従って10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表1に示すとおりであった。
《比較例2》[バターロールの製造]
(1) 実施例1において、半焼成時の雰囲気温度を240℃にし、半焼成時間を5分間に変更した以外は、実施例1と同じバターロール配合を採用して、実施例1と同様にしてバターロールを製造した。
(2) 上記(1)で得られたバターロールの品質を下記の表2に示す評価基準に従って10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表1に示すとおりであった。
《対照例1》[バターロールの製造]
(1) パン用強力小麦粉、砂糖、食塩、バター、全脂粉乳、卵およびドライイーストを用いて下記の表1に示すバターロール配合を準備し、それを用いて下記の表1に示す製パン工程に従って、バターロールを製造した。
なお、この対照例1では、表1に記載するように、半焼成およびその後の保存を行なわずに、成型パン生地をホイロ後のそのまま1段で焼成(最終焼成)してバターロールを製造した。
(2) 上記(1)で得られたバターロールの品質を下記の表2に示す評価基準に従って10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表1に示すとおりであった。
Figure 2007244235
Figure 2007244235
上記の表1の結果にみるように、サワー種とイーストを添加したバターロール用穀粉組成物を用いて、本発明で規定する250〜300℃の範囲内の雰囲気温度で半焼成し、保存した後に、本発明で規定する170〜240℃の範囲内の雰囲気温度で再焼成して得られた実施例1のバターロールは、サワー種を添加しないで同様にして製造した比較例1のバターロールに比べて、またサワー種を添加したが半焼成を250℃よりも低い温度で行なった比較例2のバターロールに比べて、風味、食感および耐老化性の全てにおいて優れている。しかも、実施例1で得られたバターロールは、サワー種を添加していない通常のバターロール配合を採用して、半焼成を行なわずに最終段階で焼成を1段で行なって得られた対照例1のバターロールに比べても、風味および食味の点で優れており、しかも耐老化性の点でも対照例1のバターロールよりも優れている。
《実施例2》[菓子パン(アンパン)の製造]
(1) パン用強力小麦粉、砂糖、食塩、バター、ショートニング、全脂粉乳、卵、モルト、ドライイースト、イーストフードおよび上記の調製例1で調製した小麦サワー種を用いて、下記の表3に示す菓子パン配合を採用して、下記の表3に示す中種法による製パン工程に従って、菓子パン(アンパン)を製造した。
(2) 上記(1)で得られた菓子パンの品質を上記の表2に示す評価基準に従って10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表3に示すとおりであった。なお、菓子パンの品質の評価は再焼成(最終焼成)して1時間後に行ない、また菓子パンの耐老化性の評価は、再焼成(最終焼成)して得られた菓子パンを室温(25℃)で24時間放置したときの風味および食感を上記の表2に示す評価基準にしたがって同じ10名のパネラーに点数評価してもらって、その平均値を採ることにより行なった。
《比較例3》[菓子パン(アンパン)の製造]
(1) パン用強力小麦粉、砂糖、食塩、バター、ショートニング、全脂粉乳、卵、モルト、ドライイースト、イーストフードを用いて、下記の表3に示す菓子パン配合を採用して、下記の表3に示す中種法による製パン工程に従って、菓子パン(アンパン)を製造した。
(2) 上記(1)で得られた菓子パンの品質を上記の表2に示す評価基準に従って10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表3に示すとおりであった。
《比較例4》[菓子パン(アンパン)の製造]
(1)実施例2において、半焼成時の雰囲気温度を220℃にし、半焼成時間を8分間に変更した以外は、実施例2と同じ菓子パン配合を採用して、実施例2と同様にして中種法によって菓子パンを製造した。
(2) 上記(1)で得られた菓子パンの品質を上記の表2に示す評価基準に従って10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表3に示すとおりであった。
《対照例2》[菓子パン(アンパン)の製造]
(1) 比較例3と同じ菓子パン配合を採用して、下記の表3に示す中種法による製パン工程に従って菓子パンを製造した。
なお、この対照例2では、表3に記載するように、半焼成およびその後の保存を行なわずに、成型パン生地をホイロ後のそのまま1段で焼成(最終焼成)して菓子パンを製造した。
(2) 上記(1)で得られた菓子パンの品質を上記の表2に示す評価基準に従って10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表3に示すとおりであった。
Figure 2007244235
上記の表3の結果にみるように、サワー種とイーストを添加した菓子パン用穀粉組成物を用いて、本発明で規定する250〜300℃の範囲内の雰囲気温度で半焼成し、保存した後に、本発明で規定する170〜240℃の範囲内の雰囲気温度で再焼成して得られた実施例2の菓子パンは、サワー種を添加しないで同様にして製造した比較例3の菓子パンに比べて、またサワー種を添加したが半焼成を250℃よりも低い温度で行なった比較例4の菓子パンに比べて、風味、食感および耐老化性の全てにおいて優れている。しかも、実施例1で得られた菓子パンは、サワー種を添加していない通常の菓子パン配合を採用して、半焼成を行なわずに最終段階で焼成を1段で行なって得られた対照例2の菓子パンに比べても、風味・食味および耐老化性の点で優れている。
《実施例3》[食パンの製造]
(1) パン用強力小麦粉、砂糖、食塩、バター、ドライイーストおよび上記の調製例1で調製した小麦サワー種を用いて、下記の表4に示す食パン用の製パン配合を準備した。
(2) 上記(1)の製パン配合を用いて、下記の表4に示す食パンの製パン工程(直捏法)に従って、食パンを製造した。
(3) 上記(2)で得られた食パンの品質を上記の表2に示す評価基準に従って10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表4に示すとおりであった。なお、食パンの品質の評価は再焼成(最終焼成)して1時間後に行ない、また食パンの耐老化性の評価は、再焼成(最終焼成)して得られた食パンを室温(25℃)で24時間放置したときの風味および食感を上記の表2に示す評価基準にしたがって同じ10名のパネラーに点数評価してもらって、その平均値を採ることにより行なった。
《比較例5》[食パンの製造]
(1) パン用強力小麦粉、砂糖、食塩、バターおよびドライイーストを用いて、下記の表4に示す食パン用の製パン配合を準備し、下記の表4に示す食パンの製パン工程(直捏法)に従って、食パンを製造した。
(2) 上記(1)で得られた食パンの品質を上記の表2に示す評価基準に従って10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表4に示すとおりであった。
《比較例6》[食パンの製造]
(1)実施例3において、半焼成時の雰囲気温度を240℃にし、半焼成時間を33分間に変更した以外は、実施例3と同じ食パン配合を採用して、実施例3と同様にして食パンを製造した。
(2) 上記(1)で得られた食パンの品質を上記の表2に示す評価基準に従って10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表4に示すとおりであった。
《対照例3》[食パンの製造]
(1) パン用強力小麦粉、砂糖、食塩、バターおよびドライイーストを用いて下記の表14示す食パン配合を準備し、それを用いて、下記の表4に示す製パン工程に従って、食パンを製造した。
なお、この対照例3では、表4に記載するように、半焼成およびその後の保存を行なわずに、成型パン生地をホイロ後のそのまま1段で焼成(最終焼成)して食パンを製造した。
(2) 上記(1)で得られた食パンの品質を下記の表2に示す評価基準に従って10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表4に示すとおりであった。
Figure 2007244235
上記の表4の結果にみるように、サワー種とイーストを添加した食パン用穀粉組成物を用いて、本発明で規定する250〜300℃の範囲内の雰囲気温度で半焼成し、保存した後に、本発明で規定する170〜240℃の範囲内の雰囲気温度で再焼成して得られた実施例3の食パンは、サワー種を添加しないで同様にして製造した比較例5の食パンに比べて、またサワー種を添加したが半焼成を250℃よりも低い温度で行なった比較例6の食パンに比べて、風味、食感および耐老化性の全てにおいて優れており、しかもサワー種を添加していない通常の食パン配合を採用して、半焼成を行なわずに最終段階で焼成を1段で行なって得られた対照例3の食パンに比べても、風味、食感および耐老化性の全てにおいて優れている。
《実施例4》[フランスパンの製造]
(1) パン用中力小麦粉、食塩、インスタントイースト、モルトエキスおよび上記の調製例1で調製した小麦サワー種を用いて、下記の表5に示すフランスパン用の製パン配合を準備した。
(2) 上記(1)の製パン配合を用いて、下記の表5に示すフランスパンの製パン工程に従って、フランスパンを製造した。
(3) 上記(2)で得られたフランスパンの品質を上記の表2に示す評価基準に従って10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表5に示すとおりであった。なお、フランスパンの品質の評価は再焼成(最終焼成)して1時間後に行ない、また食パンの耐老化性の評価は、再焼成(最終焼成)して得られたフランスパンを室温(25℃)で24時間放置したときの風味・食感を上記の表2に示す評価基準にしたがって同じ10名のパネラーに点数評価してもらって、その平均値を採ることにより行なった。
《比較例7》[フランスパンの製造]
(1) パン用中力小麦粉、食塩、インスタントイースト、モルトエキスを用いて、下記の表5に示すフランスパン用の製パン配合を準備し、下記の表5に示すフランスパンの製パン工程(直捏法)に従って、食パンを製造した。
(2) 上記(1)で得られたフランスパンの品質を上記の表2に示す評価基準に従って10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表5に示すとおりであった。
《比較例8》[フランスパンの製造]
(1)実施例4において、半焼成時の雰囲気温度を230℃にし、半焼成時間を30分間に変更した以外は、実施例4と同じフランスパン配合を採用して、実施例4と同様にしてフランスパンを製造した。
(2) 上記(1)で得られたフランスパンの品質を上記の表2に示す評価基準に従って10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表5に示すとおりであった。
《対照例4》[フランスパンの製造]
(1) パン用中力小麦粉、食塩、インスタントイーストおよびモルトエキスを用いて下記の表5示すフランスパン配合を準備し、それを用いて、下記の表5に示す製パン工程に従って、フランスパンを製造した。
なお、この対照例4では、表5に記載するように、半焼成およびその後の保存を行なわずに、成型パン生地をホイロ後のそのまま1段で焼成(最終焼成)してフランスパンを製造した。
(2) 上記(1)で得られたフランスパンの品質を上記の表2に示す評価基準に従って10名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採ったところ、下記の表5に示すとおりであった。
Figure 2007244235
上記の表5の結果にみるように、サワー種とイーストを添加した食パン用穀粉組成物を用いて、本発明で規定する250〜300℃の範囲内の雰囲気温度で半焼成し、保存した後に、本発明で規定する170〜240℃の範囲内の雰囲気温度で再焼成して得られた実施例4のフランスパンは、サワー種を添加しないで同様にして製造した比較例7のフランスパンに比べて、またサワー種を添加したが半焼成を250℃よりも低い温度で行なった比較例8のフランスパンに比べて、風味、食感および耐老化性の全てにおいて優れている。しかも、実施例4で得られたフランスパンは、サワー種を添加していない通常の食パン配合を採用して、半焼成を行なわずに最終段階で焼成を1段で行なって得られた対照例4のフランスパンに比べても、風味、食感および耐老化性の全てにおいて優れている。
本発明による場合は、香りが良く、味にコクがあって良好な風味を有し、歯切れおよび口溶けが良好で食感に優れ、しかも時間が経っても風味および食感の低下が小さくて老化しにくい焼きたてのパン類を、消費者にタイムリーに供給したり、家庭などで簡単に製造することができるので、極めて有用である。

Claims (4)

  1. パン用穀粉にイーストおよびサワー種を添加して、焼成前までの一連の製パン工程を行って得られる未焼成の成型パン生地を、雰囲気温度250〜300℃で半焼成した後、保存し、用事に雰囲気温度170〜240℃で再焼成することを特徴とするパン類の製造方法。
  2. 半焼成を3〜35分間の範囲内で且つ成型パン生地の内部温度が80℃以上100℃未満の範囲である時間で行い、再焼成を3〜35分間の範囲内で且つ再焼成時のパンの内部温度が80〜98℃の範囲にある時間で行う請求項1に記載のパン類の製造方法。
  3. パン用穀粉にイーストおよびサワー種を添加して、焼成前までの一連の製パン工程を行って得られる未焼成の成型パン生地を、雰囲気温度250〜300℃で半焼成して得られる半焼成パン類。
  4. 半焼成が、3〜35分間の範囲内で且つ成型パン生地の内部温度が80℃以上100℃未満の範囲になる時間で行われたものである請求項3に記載の半焼成パン類。


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