JP3348497B2 - ベーカリー類の製造方法 - Google Patents
ベーカリー類の製造方法Info
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Description
法、より詳しくは、トランスグルタミナーゼ(以下、T
Gaseと略記する。)を製品表面に作用させた、かり
かりとしたいわゆるクリスピーな好ましい食感を持ち、
具材やソース、クリームなどを製品にトッピングした際
も、その水分が生地中にしみこんで軟らかくなり過ぎる
ことのない、クリスピーな好ましい食感を長時間維持す
ることが可能なパン、ピザ、菓子、シリアルなどのベー
カリー類の製造方法に関する。
の外皮(以下、クラストと言う。)がかりっとしまたは
ぱりっとしてクリスピーな食感を持つことが好ましいこ
ととして一般に受け入れられている。
クリスピー感は、焼き上げ直後は好ましい食感である
が、時間を経過するとともに失われてしまう。焼き立て
のパンや菓子を直接販売する店以外は、スーパーマーケ
ットやその他の小売店で、袋詰めで流通されたりする大
量生産のパンや菓子を購入しなくてはならず、多くの消
費者は焼き立てのベーカリー製品のクリスピー感を楽し
むことができなかった。
ピングしたり、中に詰めたりして食べるピザやケーキ、
パイ類などにおいては、水分が製品の生地にしみこん
で、さっくりとしたまたはかりっとした好ましい食感を
損なうことがある。これを防止するために、最終発酵の
温度及び時間や焼成の温度、湿度などを調節して口どけ
良いクリスピーなピザを製造する方法や(特開昭58−
9643参照)、製品の表面に油脂をコーティングして
水分がしみこみにくいクリスピーな製品とする方法(特
開平2−156847及び特開平5−103581参
照)などが工夫されているが、製造工程が複雑になった
り、充分な改良効果が得られなかったりして、根本的な
解決には至っていない。
な問題点を解決すべく鋭意研究の結果、TGaseがタ
ンパク質またはペプチド鎖内のグルタミン残基のγ−カ
ルボキシアミド基と一級アミンとのアシル転移反応を触
媒し、一級アミンがタンパク質のリジン残基である場合
は、ε−(γ−Glu)−Lys架橋結合を形成させる
作用があることに着目した。その結果、ベーカリー製品
の生地表面にTGaseを作用させてタンパク質間に架
橋が形成されることで、かりっとした好ましいクリスピ
ーな食感を長時間維持し、具材やソース、クリームなど
をトッピングしたり、中に詰めた際にも、その水分が生
地中に移行して食感を損なうことがないベーカリー類を
製造することに成功し、本発明を完成した。
した生地の、焼成、油ちょう、蒸しまたは茹で工程の前
に、トランスグルタミナーゼ溶液を成形した生地の表面
に塗布またはスプレーして該酵素を作用せしめる工程を
含むことを特徴とするベーカリー類の製造方法に関す
る。
に限定されるものではなく、例えば、小麦粉、ライ麦
粉、ライ小麦粉、大麦粉、もろこし粉、コーングリッ
ツ、米粉などが例示される。この中でも、小麦粉及びも
ろこし粉が用いられるのが一般的であることは周知の通
りである。
類とは、穀類粉末を主原料とし、これに必要に応じて砂
糖、卵、牛乳、脱脂粉乳、油脂類及びその他を副原料と
して加え、さらに必要であれば、乳化剤、膨張剤、香料
などの添加物を加えて調製した生地を焼成し、油ちょう
し、または蒸して最終製品とし、または茹で工程を経て
最終製品とする。
ザクラスト、菓子類、シリアル類を挙げることができ
る。
のではないが、フランスパン、ドイツパンなどの硬いク
ラストを特徴とするいわゆるハードロール類が特に好ま
しい対象である。
き続いてソース、具材をのせて焼き上げて製品ピザとす
るものはもちろん、加熱焼成したピザクラストのみを冷
蔵または冷凍保存したもの、加熱焼成したピザクラスト
にソースやその他の具材をトッピングした状態で冷蔵ま
たは冷凍保存した冷蔵ピザおよび冷凍ピザ、などを含
む。
コーン系及びポテト系スナック菓子、スポンジケーキ、
パウンドケーキ、カステラ、パイ、シュー菓子、クレー
プ、プレッツェル、ドーナッツ、蒸しパンなどを挙げる
ことができる。また、せんべい、あられなどのいわゆる
米菓も、一般にはベーカリー類とは呼ばれないが、穀類
粉末を主原料として焼成または油ちょうする点で、本発
明に関してはベーカリー類の範疇に含まれる。
ートミールなどを挙げることができる。
ッキー等は焼成により最終製品とするものであり、ドー
ナツ、揚げあられ、せんべい等は油ちょうにより最終製
品とするものであり、蒸しパン、中華まん等は蒸しによ
り最終製品とするものであり、そしてベーグル(元はユ
ダヤ系の国のパン)等は中間に茹で工程を経て最終製品
とするものである。
冷凍パン生地が流通に置かれ、あるいは未加熱のピザク
ラストのみまたはこれにソースやその他の具材をトッピ
ングした状態で冷蔵または冷凍して流通に置かれること
もしばしば見られるが、これらの冷蔵または冷凍生地で
表面にTGase溶液を塗布またはスプレーしたもので
も本発明の目的を達成できることはもちろんで、従っ
て、一般に、焼成、油ちょう、蒸し、または茹で工程に
付すべき、穀類粉末を主原料とした成形生地を、その表
面にTGase溶液を塗布またはスプレーした後に冷蔵
または冷凍したことを特徴とするベーカリー類の冷蔵ま
たは冷凍生地も、本願発明の範囲に含まれることはもち
ろんである。
e活性を有する限り、その起源を特には問わず、例え
ば、ストレプトベルチシリウム属(Streptoverticilliu
m 属)などに属する微生物由来のもの(以下、BTGa
seと略記する。特開昭64−27471参照)、モル
モットなどの哺乳動物由来のもの(MTGaseと略記
する。特開昭58−14964参照)タラなどの魚類由
来のもの(関信夫ら、昭和63年度日本水産学会秋期大
会講演要旨集167頁参照)、バイオテクノロジーを利
用してジーンクローニングによって得られるもの(特開
昭63−132000参照)などを用いることができ
る。
としては、水にTGaseを溶解したものが広く利用で
きるが、TGase以外に何らかの成分、例えば、糖
類、アミノ酸、塩類などと共に水に溶解したものも用い
ることができる。また、TGaseを緩衝液に溶解した
ものも利用できる。牛乳、卵、その他のベーカリー製品
の原料に添加可能な液体にTGaseを溶解して使用す
ることもできる。
濃度は0.1〜50U/ml、好ましくは1〜10U/
mlである。濃度が低過ぎるとTGase使用の効果が
得られず、逆に高過ぎると硬くなって噛み切りにくくな
ったり、歯切れの悪い食感となったり、イーストを用い
た発酵生地では膨張の程度が悪くなったりしてしまう。
う、焼成、蒸しまたは茹で前の穀類粉末を主原料とした
成形生地に対するTGaseの実際の使用量は、その成
形生地の配合、表面積、体積などにより異なる。例え
ば、フランスパンの場合では、生地100g当り、TG
aseの使用量は0.1〜50U、好ましくは1〜20
Uである。酵素の添加量が前記範囲より少ない場合は十
分に好ましいクリスピー感が得られず、また前記範囲を
超える場合はクラストが硬くなりすぎて好ましい食感が
得られない。具体的な所与の場合における適当な使用量
は、当業者であれば簡単な事前トライアルにより容易に
見い出すことができる。
は、次のように測定され、かつ、定義される。すなわ
ち、温度37℃でpH6.0のトリス緩衝液中、ベンジ
ルオキシカルボニル−L−グルタミルグリシン及びヒド
ロキシルアミンを基質とする反応系でTGaseを作用
せしめ、生成したヒドロキサム酸をトリクロロ酢酸存在
下で鉄錯体を形成させた後、525nmにおける吸光度
を測定し、ヒドロキサム酸量を検量線により求め、1分
間に1μモルのヒドロキサム酸を生成せしめた酵素をT
Gaseの活性単位、1ユニット(1U)とする(前掲
特開昭64−27471参照)。
る方法としては、例えば刷毛のような道具を用いてTG
ase溶液を成形したベーカリー製品生地の表面に塗布
する、霧吹きで吹き付ける、といったマニュアルの方法
がある。また、これらの工程をオートメーション化して
製造ラインに組み込むことも可能である。または、TG
ase溶液の入ったバットやトレイの中で成形したベー
カリー製品の生地を転がしたり浸漬したりして、生地表
面にTGase溶液を塗布することも可能である。
成形生地の表面に作用させるには、TGaseを塗布ま
たはスプレーした生地はTGaseの作用条件下におけ
ばよいことはもちろんで、例えば、このようにした生地
を0〜70℃、好ましくは10〜50℃にて10分乃至
1日、好ましくは30分乃至2時間保持することで行な
うことができる。
るには、上に説明したような、穀類粉末を主原料とした
生地の、焼成、油ちょう、蒸しまたは茹で工程(最終製
品化工程)の前に、トランスグルタミナーゼ溶液を成形
した生地の表面に塗布またはスプレーして該酵素を作用
せしめる工程を置くことを除いては、原材料を含めて全
て従来公知の方法を適宜採用することで行なうことがで
きる。また、この工程も、従来の方法に新たに付加して
行なう場合もあるが、従来の製造方法における適当な工
程に兼用させることもできる場合もある(例えば、後掲
実施例1および2において、フランスパンの製造に当
り、従来のホイロを取る工程にTGaseを作用させる
工程を兼ねさせるなど)。
を塗布またはスプレーして製造されるベーカリー類につ
いては、その生地の組成に特に制限はなく、従来使用さ
れている油脂、砂糖、卵、脱脂粉乳などの配合について
も好みで増減できることはもちろんである。また、各種
の添加剤も好みで添加できるから、TGase溶液を塗
布またはスプレーし、一定時間酵素反応させるという簡
単な工程を加える以外には、特に従来の製造方法を変更
することなく、既存のベーカリー製品に対してクリスピ
ー感を付与することができるのである。
類については、先に説明したように、製造工程における
適当な段階で冷凍保存することもできる。したがって、
冷凍パン生地、冷凍ピザ、冷凍パイシートに関しても本
発明による方法を用いることも可能である。特に、これ
らの冷凍ベーカリー製品の場合、解凍したときに生地が
べたついて作業性が悪くなったり、食感を損なうことが
多いが、TGase溶液を塗布またはスプレーすること
によりこのような生地のべたつきも防止することができ
る。また、冷凍パン生地においては、解凍時に生地がや
わらかくなり(いわゆる「だれ」)、保形性及び膨張が
悪くなる現象が知られており、この生地のだれを防ぐた
めの対策が要求されている。本発明の方法によりTGa
seを塗布またはスプレーすると生地表面が硬くなって
保形性がよくなり、冷凍パン生地のだれ防止のためにも
有用である。
ール類の場合は、焼成前にクープと呼ばれる特有の切り
目を刻むのが一般的である。クープを入れる理由は、火
の通りをよくし、生地が充分ふくらむようにするためで
あるが、TGase溶液を塗布またはスプレーすると、
TGaseの酵素作用によりパンの表面が硬くなるの
で、クープナイフを入れるときにナイフに生地がまとわ
りつくことがなく、シャープで美しいクープを刻むこと
ができる。このため、焼き上ったときに、クープが美し
く開き、切り目の内部から生地が溢れ出すようにふくら
んでおり、フランスパンとしてより優れた外観を持つも
のを調製することが可能である。
する。
らかじめ水の一部で懸濁しておいた)及びイーストフー
ドをミキサーに入れ、水を加えて低速で1分攪拌した。
ついで、高速で1分、中速で4分混捏し、2分休止して
から、中速で1分混捏して生地を作った。捏上げ温度は
24〜25℃になるようにした。この生地を28℃の発
酵室に入れて約2時間発酵させると生地は約3倍量に膨
張したので、ここでガス抜きを行い、引き続き28℃で
1時間発酵させた。発酵終了後300gずつに分割し、
丸めて室温(25℃)でベンチタイムを20分とった。
se溶液(5U/mlになるよう水に溶解したもの)を
霧吹きで約4mlうっすらとまんべんなくパンの表面が
濡れる程度にスプレーした。対照としては、同様に水を
スプレーしたもの(対照品1)及び何もスプレーしない
もの(対照品2)を調製した。これらを、温度33℃で
50分ホイロをとってから、フランスパン特有の切れ目
であるクープを入れて全体に霧を吹き、十分に蒸気を入
れて210℃にしたオーブンで25分間焼成した。
に厚さ2cmにスライスして、10名のパネラー(男女
各5名計10名)により官能評価を行った。クラストの
硬さ、クリスピー感、食感の好ましさ、風味の好まし
さ、及び外観の好ましさを絶対評価し、各人の評点の平
均値を求めた。下記第2表に結果を示す。
スプレーしたフランスパン(本発明)の方がクリスピー
感に優れ、好ましいと判断された。また、TGaseを
スプレーしても、パン自体の風味や味を低下させる影響
はなく、むしろ、そのかりっとした食感のために風味も
好ましいと受け入れられた。
ー品(本発明)の方が対照品よりも好ましいと判断され
た。TGaseをスプレーすると、TGaseの酵素作
用によりパンの表面が硬くなり、クープナイフを入れる
ときにナイフに生地がまとわりつくことなく、シャープ
で美しいクープを刻むことができる。この為、焼き上っ
たときに、クープが美しく開き、対照品よりも好ましい
外観のフランスパンとなった。
イースト(あらかじめ水の一部で懸濁しておいた)、及
びイーストフードをミキサーに入れ、水を加えて低速で
2分攪拌した。ついで、高速で30秒混捏した。中種生
地の捏上げ温度は23〜23.5℃とした。これを、2
6℃の発酵室に入れ、3時間発酵させて中種を得た。発
酵終点の生地温度は27℃であった。この中種と上記し
た本捏の生地材料を合し、低速2分、高速1分、そして
中速3分で混合してから2分休止し、引き続いて中速で
1分混捏して生地を作った。生地の本捏後の温度は2
4.5℃であった。生地をひとまとめにして、室温25
℃でフロアタイムを45分とり、40gずつに分割して
まるめた。ベンチタイムを室温25℃で20分とった
後、プチクーペの形に成型した。
くらいにTGase溶液(5U/mlになるよう水に溶
解したもの)を刷毛につけて約1.5ml塗布した。対
照としては、同様に水を塗布したもの(対照品1)及び
何もしないもの(対照品2)を調製した。これらを、温
度33℃で50分ホイロをとってから、クープを入れて
全体に霧を吹き、十分に蒸気を入れて210℃にしてた
オーブンで20分間焼成した。
に厚さ2cmにスライスして、実施例1におけると同様
の方法で官能評価を行った。結果を下記第4表に示す。
直捏法で調製したときと同様に、TGase溶液をスプ
レーしたフランスパン(本発明)の方がクリスピー感に
優れ、好ましいと判断された。また、TGaseをスプ
レーしても、パン自体の風味や味を低下させる影響はな
く、むしろ、そのかりっとした食感のために風味も好ま
しいと受け入れられた。外観の好ましさも、TGase
スプレー品の方が優れていた。
形に成形後、TGase溶液をスプレーしたフランスパ
ン生地を急速冷凍して冷凍保存した。
が、冷凍前、すなわち、冷凍せずに直ちに焼成した場
合、と同様に好ましいクリスピー感をもったパンが得ら
れた。
調製してから解凍して焼成するとき、対照品は解凍する
と生地が軟らかくなり(いわゆる生地のだれ)、元の円
筒形のフランスパンの形が偏平になってしまった。これ
に対してTGaseスプレー品(本発明)は、製品表面
がTGaseの働きで硬くなっているため、生地がだれ
にくく、冷凍パン生地を解凍して焼成するときにも成型
したフランスパンとしての形を崩すことなく焼き上げる
ことができた。
Gase溶液の成形生地表面への塗布あるいはスプレー
と併用して、生地中へのTGaseの添加を行った場合
にも同様のクリスピーな食感が得られた。冷凍パン生地
に対し、TGase溶液のスプレーあるいは塗布と生地
中へのTGase添加とを併用したときは、冷凍パン生
地を解凍する際の生地のだれが、対照品に比べて顕著に
抑制されていた。
せた。生地は約2倍に膨張した。これを、80gずつに
分割して丸め、室温(25℃)で20分間生地を休めた
後、厚さ8mmになるようめん棒で平たく延ばし、フォ
ークで空気抜きの穴をあけた。
Gase溶液(1U/mlになるように水に溶解したも
の)約2mlを霧吹きでうっすらとまんべんなく生地の
上の表面が濡れる程度にスプレーした。そのまま15分
ほど放置して、上面が乾いたら上下を返して下面にも同
様にTGase溶液をスプレーした。対照としては、同
様に水をスプレーしたもの(対照品1)及び何もスプレ
ーしないもの(対照品2)を調製した。下面をスプレー
してから室温で45分間放置した後、発酵により膨張し
て厚くなった生地を再度めん棒で延ばして8mmの厚さ
にした。得られた生クラストに、トマトソースを塗り、
チーズ、サラミ、マッシュルーム及びピーマンをのせ
て、オーブンで200℃で15分焼成してピザを得た。
ネラー(男女5名)により官能評価を行った。クラスト
の硬さ、クリスピー感、食感の好ましさ及び風味の好ま
しさ、を絶対評価し、各人の評点の平均値を求めた。結
果を下記第6表に示す。
スプレーしたピザ(本発明)は、ピザソースの水分の移
行によるクラストのふやけも少なく、クリスピー感に優
れ、対照品に比して好ましいと判断された。また、TG
aseをスプレーしても、ピザ自体の風味や味を低下さ
せる影響はなく、むしろ、そのかりっとした食感のため
に風味も好ましいと受け入れられた。
ー品(本発明)1種及び対照品2種のピザ生地を調製し
た。調製したピザ生地をそのまま140℃で6分間加熱
し、半焼成したピザクラストを冷却後、ピザソースとチ
ーズ、サラミ、マッシュルーム及びピーマンの具材をの
せて急速冷凍した。
オーブントースターにて解凍、加熱し、実施例4におけ
ると同様にして官能評価を行った。
は、生地のべたつきが感じられ、また、ピザソースの水
分の移行により生地がふやけて、ピザ本来のクリスピー
な好ましい食感が損なわれていた。これに対して、TG
aseスプレー品(本発明)は生地中へのソースのしみ
こみが少なく、生地もべたつかず、クリスピーで好まし
い食感を有しており、対照品に比べて有意に好まれた。
間生地を寝かせてから、3mmの厚さに延展し、型抜き
した。なお、クッキー1個当りの重量は約5gであっ
た。
面に、TGase溶液(2U/mlになるように水に溶
解したもの)を刷毛で約0.5ml塗布し、天板に並べ
た。室温(25℃)で1時間放置した後で、170℃で
12分焼成した。対照としては、同様に水を塗布したも
の(対照品1)及び何も塗布しないもの(対照品2)を
調製した。
部を採り、10名のパネラー(男女各5名)により官能
評価を行ったところ、TGaseを塗布したクッキー
(本発明)は対照品に比べてさくさくとしており、有意
に好まれた。
等を入れずに室温で2日間放置し、同様に10名のパネ
ラー(男女各5名)により官能評価を行った。その結
果、対照品は焼き立てのクリスピー感が損なわれ、軟ら
かくなっているのに対して、TGaseを塗布したクッ
キー(本発明)はクリスピー感を維持しており、有意に
好まれた。
法を、大量生産のラインに組み込んだときも、TGas
eを塗布したクッキーは対照品に比べて、クリスピー感
に優れており有意に好まれた。この場合は、クッキー表
面の照りを出すための卵液を塗る工程にTGase溶液
の塗布を組み込むことが可能であった。
気圧力0.5kg/cm2 で10分間蒸練して生地を調
製した。この生地を圧延機を使用して厚さ0.6〜0.
7mmのシート上に圧延し、次に型抜きロールにより長
径20mm、短径10mmの楕円状の小片に型抜き成形
した。
るように水に溶解したもの)を約5mlスプレーし、3
0℃で30分間放置して酵素作用を生起させた後で、1
40℃で5分間温風乾燥して水分含量10%にした。対
照として、同様に水をスプレーしたもの(対照品1)及
び何もスプレーしないもの(対照品2)を調製した。次
いで、高温気流焙焼機を使用して260℃で15秒間焙
焼してコーンフレークを製造した。
そのままの食感及び牛乳をかけた時の食感を10名のパ
ネラー(男女各5名)により絶対評価し、各人の評点の
平均値を求めた。結果を下記第9表に示す。
プレーしたコーンフレーク(本発明)は、牛乳をかけて
もかりっとしていて、食べ終わるまでそのクリスピー感
が持続するため、対照品に比べて有意に好まれた。対照
品はそのままの食感はクリスピーであるが、牛乳をかけ
るとふやけて軟らかくなってしまう傾向にあった。
aseの溶液をベーカリー類の成形生地表面にスプレー
または塗布してから焼成、油ちょう、蒸しまたは茹で加
工する、という極めて簡便な方法により、クリスピーな
好ましい食感をもった、また具材やソースの水分がしみ
混みにくい表面のベーカリー類の製造が可能となった。
Claims (4)
- 【請求項1】 穀類粉末を主原料とした生地の、焼成、
油ちょう、蒸しまたは茹で工程の前に、トランスグルタ
ミナーゼ溶液を成形した生地の表面に塗布またはスプレ
ーして該酵素を作用せしめる工程を含むことを特徴とす
るベーカリー類の製造方法。 - 【請求項2】 成形した生地の表面にトランスグルタミ
ナーゼ溶液を塗布またはスプレーしてホイロをとる工程
を含むことを特徴とするフランスパンの製造法。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の方法で製造され
たベーカリー類。 - 【請求項4】 焼成、油ちょう、蒸し、または茹で工程
に付すべき、穀類粉末を主原料とした成形生地を、その
表面にトランスグルタミナーゼ溶液を塗布またはスプレ
ーした後に冷蔵または冷凍したことを特徴とするベーカ
リー類の冷蔵または冷凍生地。
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JP33712393A JP3348497B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | ベーカリー類の製造方法 |
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ID=18305660
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JP33712393A Expired - Fee Related JP3348497B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | ベーカリー類の製造方法 |
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1993
- 1993-12-28 JP JP33712393A patent/JP3348497B2/ja not_active Expired - Fee Related
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