JP2004282173A - 色変換テーブルの作成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】測定するカラーパッチを可能な限り抑え、且つ、特にグレー近傍の出力色の調整を高精度で行うことが可能な色変換テーブル作成方法を提供することにある。
【解決手段】複数の基本色の所定のパラメータの第1の組み合わせによる出力色の色特性の値を測定し、さらに、測定した色特性の値のから補間して第1の組み合わせより多い第2の組み合わせに対する色特性の値の第1のテーブルを作成し、第1のテーブルのグレー及びグレー近傍の色特性の値で補間により求められたものを、測定値に置き換えて色変換テーブルを作成することを特徴とする
【選択図】 図2
【解決手段】複数の基本色の所定のパラメータの第1の組み合わせによる出力色の色特性の値を測定し、さらに、測定した色特性の値のから補間して第1の組み合わせより多い第2の組み合わせに対する色特性の値の第1のテーブルを作成し、第1のテーブルのグレー及びグレー近傍の色特性の値で補間により求められたものを、測定値に置き換えて色変換テーブルを作成することを特徴とする
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、色変換テーブルの作成方法に関し、特に、カラー画像出力装置の出力色の色調整に用いられる色変換テーブルの作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、網点タイプのカラープルーフプリンタではCMYKの各色材の色が印刷インキ色に近いため、網点太りの違いの補正(ドットゲインカーブ補正)を、CMYKの各色について網点面積率の測定結果に基づいて行うことで、ある程度まで印刷機に対して色を合わせることが可能であった。しかし、レッドR、グリーンG、ブルーBの2次色、CMY3色による黒、CMYK4色による黒やそれらの付近の色については、印刷機と色の出方が異なり、厳密な色合わせは困難であった。そこで、例えば、いわゆるカラーマネージメントシステムが提案され、校正用カラープリンタの色を印刷機の色に合わせ込む等の色調整が可能になった。ここで、カラーマネージメントシステムの一例として、校正用カラープリンタや印刷機における複数の基本色のパラメータの組み合わせに対する色特性の値のルックアップテーブル(CMYK→L*a*b* LUT)や複数の色特性の値に対する複数の基本色のパラメータの組み合わせのルックアップテーブル(L*a*b*→CMYK LUT)の出力装置の出力色特性を表すデバイスカラープロファイルを用いて行われる(Cはシアン(青緑色)、Mはマゼンタ(赤紫色)、Yはイエロー(黄色)、Kはブラック(黒色)であり、L*a*b*値は色を表す3次元空間で、a*b*平面により色度・彩度が表され、L*はa*b*平面に直交し明度を表し、LUTはルックアップテーブルである。また、パラメータとは、いわゆる階調、網点面積率や濃度等のいずれかである。)。例えば、印刷機のCMYK→L*a*b* LUTと校正用カラープリンタのL*a*b*→CMYK LUTを用いて、印刷機のCMYKのパラメータの組み合わせに対する校正用カラープリンタのCMYKのパラメータの組み合わせのCMYK→CMYK LUTにより、校正用カラープリンタの色を印刷機の色に合わせ込む。
【0003】
しかしながら、上述のルックアップテーブルを作成するために、校正用カラープリンタや印刷機でCMYKを組み合わせた複数のカラーパッチを出力し、出力されたカラーパッチの色特性を測定する必要があり、色調整をより高精度に行うためには、測定するカラーパッチの数を多くする必要があった。
【0004】
また、測定するカラーパッチをできる限り抑え、測定していないCMYKの組み合わせについては、測定結果から補間して求めルックアップテーブルを作成する方法がある(例えば、特願2001−263315号明細書(段落〔0046〕−〔0056〕、第16図)。)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように測定するカラーパッチをできる限り抑え、さらに測定結果から補間して求め、作成したルックアップテーブルを用いて行う色調整では、補間して求めた色特性と校正用カラープリンタや印刷機などの実際の色特性との差から、特に色合わせが重要とされるグレー近傍で色が少々異なって出力される場合があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、測定するカラーパッチを可能な限り抑え、且つ、特にグレー近傍の出力色の調整を高精度で行うことが可能な色変換テーブルの作成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、カラー画像出力装置のカラー画像の色調整に用いられる色変換テーブルの作成方法であって、複数の基本色の所定のパラメータの第1の組み合わせによる出力色の色特性の値と、前記第1の組み合わせには含まれない所定のパラメータの組み合わせによるグレーを含む出力色と更に前記グレー近傍の前記第1の組み合わせには含まれない所定のパラメータの組み合わせによる出力色を含む出力色の色特性の値とを測定する段階と、前記測定された第1の組み合わせによる出力色の色特性の値を用いて、前記第1の組み合わせを含み且つ前記第1の組み合わせより多い第2の組み合わせに対する色特性の値の第1のテーブルを作成する段階と、前記グレー及び前記グレー近傍の出力色の所定のパラメータの組み合わせを前記第1のテーブルから抽出し、前記抽出された組み合わせの前記第1のテーブルにおける色特性の値を、前記グレー及び前記グレー近傍の出力色を測定して得られた色特性の値に置き換えて第2のテーブルを作成し、これを前記色変換テーブルとする段階と、を含むことを特徴としている。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、カラー画像出力装置のカラー画像の色調整に用いられる色変換テーブルの作成方法であって、複数の基本色の所定のパラメータの第1の組み合わせによる出力色の色特性の値と、前記第1の組み合わせには含まれない所定のパラメータの組み合わせによるグレーを含む出力色と更に前記グレー近傍の前記第1の組み合わせには含まれない所定のパラメータの組み合わせによる出力色を含む出力色の色特性の値とを測定する段階と、前記測定された第1の組み合わせによる出力色の色特性の値を用いて、前記第1の組み合わせを含み且つ前記第1の組み合わせより多い第2の組み合わせに対する色特性の値の第1のテーブルを作成する段階と、前記グレー及び前記グレー近傍の出力色の所定のパラメータの組み合わせを前記第1のテーブルから抽出し、前記抽出された組み合わせの前記第1のテーブルにおける色特性の値を、前記グレー及び前記グレー近傍の出力色を測定して得られた色特性の値に置き換えて第2のテーブルを作成する段階と、前記第2のテーブルを用いて複数の色特性の値に対する複数の基本色の組み合わせの第3のテーブルを作成し、これを前記色変換テーブルとする段階と、を含むことを特徴としている。
【0009】
また、請求項3記載の発明は、前記第1及び第2の複数の基本色の所定のパラメータの組み合わせは、前記所定のパラメータが0から最大値までにわたるものであることを特徴としている。
【0010】
また、請求項4記載の発明は、前記複数の基本色は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)であることを特徴としている。
【0011】
また、請求項5記載の発明は、前記グレーは、少なくともイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)それぞれの所定のパラメータが均等であることを特徴としている。
【0012】
また、請求項6記載の発明は、前記グレーの近傍の出力色は、前記グレーの近傍で、前記グレーのY、M、Cの所定のパラメータを基準にしてCとM、YとCおよびMとYをそれぞれ変化させてできるCM、YCおよびMY座標平面の各平面上に、C、MまたはYのそれぞれが所定の間隔でもって格子を形成するような組み合わせによることを特徴としている。
【0013】
また、請求項7記載の発明は、前記色特性の値は、表色系の値のL*a*b*値であることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の特徴は、例えば印刷機と校正用カラープリンタの出力色を合わせるために用いる校正用カラープリンタや印刷機における複数の基本色のパラメータの組み合わせに対する色特性の値のルックアップテーブル(CMYK→L*a*b* LUT)や複数の色特性の値に対する複数の基本色のパラメータの組み合わせのルックアップテーブル(L*a*b*→CMYK LUT)の出力色特性を表すデバイスカラープロファイルにより色変換を行う色変換テーブルを特にグレーの再現精度が向上するように作成することで、且つ、作成の際の測定するカラーパッチを可能な限り抑えることを可能にするものである。
【0015】
ここで、Cはシアン(青緑色)、Mはマゼンタ(赤紫色)、Yはイエロー(黄色)、Kはブラック(黒色)であり、L*a*b*値は色を表す3次元空間で、a*b*平面により色度・彩度が表され、L*はa*b*平面に直交し明度を表し、LUTはルックアップテーブルである。また、パラメータとは、いわゆる階調、網点面積率等であり、以下の実施の形態では、最小値を0、最大値を100とする数値で表す。0は白であり、100は例えば網点面積率であれば100%すなわちベタを表すものである。
【0016】
(装置構成)
以下、本発明の実施形態の一例について図1から図18を参照しながら説明する。まず、本実施の形態の装置構成の一例を示す。
【0017】
図1は、本発明の色調整を実施する実施形態の一例を示したブロック図である。図1に示すように、主にパソコン10とカラー画像出力装置としての校正用カラープリンタ20から構成される。パソコン10は、マイクロプロセッサからなる演算処理部11、メモリからなる第1記憶部12、ハードディスクからなる第2記憶部13、外部との通信手段であるインターフェイス14、ディスプレイからなる表示部15、キーボードからなる操作部16、これらを通信可能にする内部バス17からなる。また、パソコン10と校正用カラープリンタ20は、画像情報等を転送可能にするためのバス30により、接続されている。このような構成により、例えばインターフェイス14から入力された画像データに所定の処理を行い、校正用カラープリンタ20に転送し、校正用カラープリンタ20で画像を出力する。
【0018】
また、パソコンには、インターフェイス14を介して測定器18が備えられ、測定器18を用いて出力されたカラーパッチ(出力色)を測定して色特性の値である表色系の値L*a*b*値をパソコン10に転送するようになされている。
【0019】
また、第2記憶部13には、インターフェイス14を介して転送されるカラーパッチの測定結果を格納する測定テーブル131と、校正用カラープリンタ20についての、後述する本発明の第1のテーブルとしてのCMYK→L*a*b*LUT(1)132、本発明の第2のテーブルとしてのCMYK→L*a*b* LUT(2)134、本発明の第3のテーブルとしてのL*a*b*→CMYK LUT133の3つのLUT、及び、印刷機についてのCMYK→L*a*b* LUT135とL*a*b*→CMYK LUT136の2つのLUTが格納されている。また、測定テーブル131に格納されたカラーパッチの測定結果を用いて、CMYK→L*a*b* LUT(1)132を計算するプログラム、CMYK→L*a*b* LUT(1)132と測定テーブル131に格納された測定値からCMYK→L*a*b* LUT(2)134を作成するプログラム、及び、CMYK→L*a*b* LUT(2)134からL*a*b*→CMYK LUT133を作成するプログラムが格納されている。また,印刷機のCMYK→L*a*b* LUT135、L*a*b*→CMYK LUT136と、校正用カラープリンタ20のCMYK→L*a*b* LUT(2)134、L*a*b*→CMYK LUT133とを用いて色調整を行うためのプログラムを格納している。この他、全体の制御プログラム及びフォントデータ、並びに色別分版処理(特色分版)のための制御プログラム、処理の途中経過などを一時的に記憶するワークメモリなどの各種メモリ領域を含む。
【0020】
(色変換テーブル)
次に、本発明の特徴である色変換テーブルについて述べる。図2は本発明の特徴である色変換テーブル作成方法の各ステップを示すフローチャートである。ここで、本発明でいう色変換テーブルとは、校正用カラープリンタ20のCMYK→L*a*b* LUT(2)134及びL*a*b*→CMYK LUT133のことである。最初に、図2により各LUT作成方法の各ステップを概略的に説明する。また、以下の説明は本実施形態に含む校正用カラープリンタ20を用いて行うが、例えば印刷機など他のカラー画像出力装置についても同様に行うことが可能である。
【0021】
まず、校正用カラープリンタ20でカラーパッチ及びグレーパッチとそのグレー近傍のパッチを出力し、そのパッチのL*a*b*値を測定器18で測定し、第2記憶部13の測定テーブル131に格納し(ステップS21、以下S21と省略し、他のステップも同様に省略する)、カラーパッチの測定結果に基づいてCMYK→L*a*b* LUT(1)132を作成する(S22)。次に、CMYK→L*a*b* LUT(1)132の中から、グレーパッチとそのグレー近傍のパッチに対応するC,M,Y,Kの組み合わせを抽出し、そのL*a*b*値を測定結果のL*a*b*値に置き換えて、CMYK→L*a*b* LUT(2)134を作成し、第2記憶部13に格納する(S23)。さらに,CMYK→L*a*b* LUT(2)134を用いてL*a*b*→CMYK LUT133を作成し、第2記憶部13に格納する(S24)。このようにして本発明の色変換テーブルであるCMYK→L*a*b* LUT(2)134及びL*a*b*→CMYK LUT133が作成される。
【0022】
つぎに、図3〜図18を参照しつつ上述の各種テーブル等の作成方法について詳細に説明する。ここで、CMYK→L*a*b* LUT(1)132及びCMYK→L*a*b* LUT(2)134は、CMYKの色の値を表色系の値L*a*b*に変換するもので、L*a*b*→CMYK LUT133は、表色系の値L*a*b*をCMYKの色の値に変換するものである。また、L*a*b*→CMYK LUT133はL*a*b*の全色座標空間の中で、デバイスによるCMYK混色の色再現可能範囲は限られるため、色再現可能範囲内にどのようにL*a*b*の全色座標空間を写像するのか写像方法を何通りか変化させ、複数個持たせて、入力デバイスの種類に応じて選択して用いるのが一般的である。
【0023】
(S21)
まず、C、M、Y、Kそれぞれのパラメータを最小値0から最大値100までを5分割し、0、20、40、60、80、100の6段階をとり、C×M×Y×K:6×6×6×6=1296点の組合せについてカラーパッチ(例えば図4のようなカラーチャート)を校正用カラープリンタ20で印刷し、6×6×6×6=1296点の各パッチを順番に測定してL*a*b*値を測定テーブル131に格納する。
【0024】
また、図4に含まれないグレーパッチ及びそのグレーの近傍のパッチを含むカラーチャートとして、図16に示すようなC,M,Yのパラメータの組み合わせのグレー及びグレーの近傍のパッチ285個を出力し、測定器18で測定してL*a*b*値を同じく測定テーブル131に格納しておく。図16に示すC,M,Yの組み合わせの中で例えばC=20,M=20,Y=20のパッチなどは図4のカラーチャートにも同じ組み合わせが含まれているが、C,M,Yのパラメータを規則的に変化させるように図16の組み合わせを決めているためであり、またこのように図4と図16の両方に含まれる組み合わせは285個の中で28個のみであるため追加となる測定数はわずかである。
【0025】
本実施の形態では、K=0のみについてグレーパッチ及びそのグレーの近傍のパッチを含むカラーチャートを測定して使用する例を示すが、図16に示すC,M,Yのパラメータの組み合わせにK=10,20,30,・・・などのKを加えた組み合わせのパッチを測定して同様に使用してもよい。
【0026】
また、図16の組み合わせによるチャートの一例を図17に示す。図17に示すように、チャートには、A〜Pの段を示す符号及び各段のパッチにはNo.を付した。この符号及びNo.は、図16の「段/No.」と対応させてある。
【0027】
さらに、図16に付した「データNo.」と、図18を用いて各パッチの説明をする。図18には、図16で付したNo.と対応したNo.を付した。データNo.1は、C、M、Yが均等なグレーである。ここで、「均等な」とは、本実施の形態ではC、M、Y、Kの最小値が0、最大値が100と同じであるため、グレーのC、M、Yは等しい値で「均等な」となるが、最大値が異なれば最大値に対する比率が等しい値が「均等な」になる。No.2〜37は、図18に示すように、グレーを原点としたCM平面、MY平面、CY平面の各平面上でC、M、Yそれぞれを均等の間隔(図18では10間隔)でNo.1に対してC、MまたはYを加算して各平面上に格子を形成する組み合わせとなっている。
【0028】
(S22)
CMYK→L*a*b* LUT132は、例えば、図3に示すようになり、CMYKのLUT入力点に対しL*a*b*値が入る4次元入力/3次元出力であり、具体的には(S21)で測定した各カラーパッチのL*a*b*値を求めてLUTにし、例えば、次のような方法で決めることができる。
【0029】
4次元入力/3次元出力LUTは、11×11×11×11の格子点の間の点について、6×6×6×6=1296点の各パッチを11×11×11×11の格子点に補間を行って変換する。図5に示すように、黒丸●を格子点(測定点)とし、△印と×印を夫々補間すべき点とすると、△印のように前後2点ずつ格子点が存在する場合と、×印のように前後に1点及び3点ある場合とでは、異なった補間式を使用する。
【0030】
ここで補間すべき点の表色系をLm*am*bm*とし、各サンプル点の表色系をLi*ai*bi*(i=1〜4)としたとき、前者(△印)の場合は例えばi=2と3の間の点については以下のような補間式で、
Lm*=−(1/16)L1*+(9/16)L2*+(9/16)L3*−(1/16)L4*
am*=−(1/16)a1*+(9/16)a2*+(9/16)a3*−(1/16)a4*
bm*=−(1/16)b1*+(9/16)b2*+(9/16)b3*−(1/16)b4*
と補間される。
【0031】
また、後者(×印)の場合には例えばi=1と2の間の点については次の補間式で、
Lm*=(5/16)L1*+(15/16)L2*−(5/16)L3*−(1/16)L4*
am*=(5/16)a1*+(15/16)a2*−(5/16)a3*−(1/16)a4*
bm*=(5/16)b1*+(15/16)b2*−(95/16)b3*−(1/16)b4*
と補間される。
【0032】
図6にCMY3次元についての補間処理の順序の一例を示す。図6に示す番号▲1▼、▲2▼、▲3▼(それぞれ図6のローマ数字に対応)順序で補間処理を行うことによってCMY6×6×6を11×11×11に補間する。更に、CMY6×6×6の11×11×11への補間を6つのレベルのKのすべてについて行った後で、CMY11×11×11の各点について、Kの6点を11点に補間する計算を図5に示す方法と同様にして行う。これによって、実際は6×6×6×6=1296点のパッチしか測定していないにも拘わらず11×11×11×11=14641点まで拡張してCMYKの組合せについてL*a*b*値を求めることができる。そして、11×11×11×11の組み合わせのCMYKの組み合わせとそれぞれのL*a*b*値によりCMYK→L*a*b* LUT(1)132が作成される。また、(S21)の図16に示したCMYKの組み合わせについても、L*a*b*値が上述の補間により求められて、この11×11×11×11の組み合わせによるCMYK→L*a*b* LUT(1)132に含まれることになる。
【0033】
(S23)
次に、CMYK→L*a*b* LUT(1)132のCMYKの組合せ中の図16に示した組み合わせを抽出し、その組み合わせについてのL*a*b*値を(S21)で測定した測定値に置き換え、CMYK→L*a*b* LUT(2)134を作成する。
【0034】
つまり、CMYK→L*a*b* LUT(1)132の中の図16に示した組み合わせについてのL*a*b*値は、(S22)のようにして行った補間で得たものであるから、実際の出力とは異なる場合があるので、グレー近傍の出力を測定した測定値に置き換えることで、CMYK→L*a*b* LUT(2)134を用いて色調整を行った場合に、特にグレー近傍の精度が向上することになる。ここで、図16に示すC,M,Yの組み合わせの中で例えばC=20,M=20,Y=20などの合計28個は図4の組み合わせにも同じ組み合わせが含まれているが、この同じ組み合わせについては図16の他の組み合わせと同様に置き換えてもよいし、置き換えなくても良い。ただし、図4に示す組み合わせと図16に示す組み合わせを1枚目と2枚目の別々の画像として出力する場合には、2枚の間で出力ばらつきなどによるわずかな差が生じることがある。この場合、この同じ組み合わせについての置き換えを行わない場合には、その組み合わせのみ1枚目の測定値となり、その近傍の組み合わせの2枚目の測定値との間で出力ばらつきによる誤差が生じてしまうことになり、出力画像の品質が低下する場合がある。
【0035】
(S24)
一方、L*a*b*→CMYK LUT133は、図7に示すように3次元入力/4次元出力LUTであり、33×33×33の格子点の間の点について補間を行って変換する。また、その手順を図8に示し、図8に基づいて説明する。
【0036】
図8に示すように、上記3次元入力/4次元出力LUTを求める方法は次の各S01〜S04から構成される。簡単のため、基本色をC、Mの2色として説明する。なお、C、M、Y、Kはいずれも0〜255の値をとるものとする。
【0037】
(S01)
前述のCMYK→L*a*b* LUT(2)134のC×M×Y×K:11×11×11×11についてのL*a*b*値である4次元データから、まず、C×M×Y:11×11×11についてのL*a*b*値である3次元データへの変換を行う。このために、本出願人による特許第2898030号の明細書に記されている方法を用いることができる。たとえば、CMYの最小値から求められるグレー成分を強調するためにKが加えられるようにしてCMYの最小値に基づいてKを求め、CMYにそのKを加えた場合についてのL*a*b*値をもとめることにより行う。
【0038】
Kは次の式によって求めることができる。CMYの最小値をmin[C、M、Y]とすると、
K=1.6(min[C、M、Y]−50)
ただし、K<0であればK=0である。
【0039】
また、このKがCMYに加えられたときのL*a*b*値は例えば次のようにして求めることができる。C=M=Y=70の場合を例にとると、
K=1.6×(70−50)=32であり、
この32がC×M×Y×K:11×11×11×11のKの11点(0,10,20,30,40,50,60,70,80,90,100)の4つめの30と5つ目の40の間になることから、11×11×11×11点のなかのC=M=Y=70(8点目)、K=30(4点目)の点のL*a*b*値と、C=M=Y=70(8点目)、K=40(5点目)の点のL*a*b*値との2つから補間して計算する。C=M=Y=70(8点目)、K=30(4点目)のL*a*b*値であるL1*a1*b1*についての重みw1を、w1=1.0−(32−30)/(40−30)としてC=M=Y=70(8点目)、K=40(5点目)のL*a*b*値であるL2*a2*b2*についての重みw2を、w2=(32−30)/(40−30)とすると、補間後のL*a*b*値、Lm*am*bm*は、
Lm*=w1×L1*+w2×L2*
am*=w1×a1*+w2×a2*
bm*=w1×b1*+w2×b2*
によって求めることができる。
【0040】
これは、C=M=Y=70の場合であるが、これをC×M×Y:11×11×11=1331点について行うことにより、C×M×Y×K:11×11×11×11の4次元のデータから、C×M×Y:11×11×11の3次元のデータを作成することができる。
【0041】
(S02)
つぎにS01のC×M×Y:11×11×11の3次元データを用いて、L*a*b*→CMY LUT(1)を計算する。図9は、CMYの内のMとCの2次元11×11の組合せ(Y=0)について、縦軸にL*を横軸にa*をプロットしたものである。実際には3次元であるが簡単のため2次元で示す。
【0042】
このCMYの分布に対して、求めようとするターゲット点[L*(0〜100)a*(−127〜128)b*(−127〜128):33×33×33=35937の各LUT入力点]のL*a*b*が目標値T’として与えられる。目標値T’が図9に示すように格子点a’〜d’で囲まれる領域にあるとき、MCの座標系におけるMCの組合せ(目標値T)は図10に示すように格子点a〜dで囲まれる領域内にあるものと推定される。そして、目標値Tが格子点a〜dによって形成される領域のどこにあるかは、図9の表色系を図10の座標系に対応付けながら、収束演算処理をして求める。このように収束演算処理をするのは、図10の座標系から図9の表色系への変換が既知であるにもかかわらずこの逆の変換は非常に複雑で未だ良好な変換式が知られていないためである。
【0043】
次に、図11の格子点a〜dによって形成される領域SP0を4つの領域SP1〜SP4に等分する。5個の分割点e〜iは、既に求められている周囲の格子点を利用して重み平均によって算出する。そして、この分割点e〜iに対応する値をL*a*b*表色系に変換したときの値を図12の表色系にプロットし、プロットされた分割点e’〜i’によって形成された4つの領域SP1’〜SP4’のうちどの領域に目標値T’があるかを求める。図12に示すように領域SP2’にあるときには、図11に示すように目標値Tは領域SP2’に対応したSP2にあるものと推定する。
【0044】
つぎに推定された領域SP2をSP5〜SP8に等分する。5個の分割点j〜nは既に求められている周囲の格子点又は分割点を利用して重み平均によって算出する。そして、この分割点j〜nに対応する値をL*a*b*表色系に変換したときの値を図12の表色系にプロットし、プロットされた分割点j’〜n’によって形成された4つの領域SP5’〜SP8’のうちどの領域に目標値T’があるかを求める。図12に示すように領域SP8’にあるときには、図11に示すように目標値Tは領域SP8’に対応した領域SP8にあるものと推定する。
【0045】
つぎに、推定された領域SP8を4つの領域SP9からSP12に等分する。5個の分割点o〜sは既に求められている周囲の格子点又は分割点を利用して重み平均によって算出する。そして、この分割点o〜sに対応する値をL*a*b*表色系に変換したときの値を図12の表色系にプロットし、プロットされた分割点o’〜s’によって形成された4つの領域SP9’〜SP12’のうちどの領域に目標値T’があるかを求める。図12に示すように領域SP10’にあるときには、図11に示すように目標値Tは領域SP10’に対応した領域SP10にあるものと推定する。
【0046】
以上のような領域の分割を繰り返すことによって格子は次第に小さくなり、ついには収束する。そして、収束した領域を形成する4つの格子点又は分割点を平均することによって目標値Tが求められ、従って求めようとする出力色を示す基本色の組合せを求めることができる。
【0047】
また、本実施の形態では、上述のような収束演算による方法を記したが、本出願人による特許第2895086号の明細書に記載されているような補間方法を用いても良い。
【0048】
ところで、目標値T’が図13に示すようにL*a*b*表色系の頂点W’、C’、M’、B’で形成される色再現範囲の外にあるときには、この目標値T’を色再現範囲に移動する必要がある。この場合、目標値T’を無彩色方向に移動させ、図14に示すように無彩色方向の色再現範囲の境界との交点の座標を目標値とし、図15に示すようにT’に対応する目標値Tを算出する。
【0049】
なお、目標値T’は必ずしも境界に移動させる必要はなく、色再現範囲内に移動されればよい。また、ここでは説明のためにC×Mの2次元について例を示したが、実際にはC×M×Yの三次元について行い、L*a*b*の33×33×33点の各LUT入力点を目標値T’としてC、M、Yの値を1点ずつ計算する必要がある。
【0050】
(S03)
S02で求めたL*a*b*→CMY LUT(1)のL*a*b*の33×33×33点についてのC,M,Yは、S01で求めたC×M×Y:11×11×11の3次元データに対応するCMYであり、S01と同じ方法でCMYからKを求める。
K=1.6(min[C、M、Y]−50)
ただし、K<0であればK=0である。
【0051】
(S04)
上述のようにして求められたL*a*b*の33×33×33点の各LUT入力点についてのCMYK値をLUT化し、L*a*b*→CMYK LUT133とする。
【0052】
このような変換テーブルを用いて色調整を行うことにより、グレーの出力の測定値に基づく補正が行われるため、特にグレーの色合わせを高精度に行うことができる。
【0053】
つまり、CMYK→L*a*b* LUT(1)132の中の図16に示した組み合わせについてのL*a*b*値は、(S22)のようにして行った補間で得たものであるから、実際の出力とは異なる場合があるので、グレー近傍の出力を測定した測定値に置き換えることで、CMYK→L*a*b* LUT(2)134やL*a*b*→CMYK LUT133を用いて色調整を行った場合に、特にグレー近傍の精度が向上することになる。
【0054】
また、(S22)の様な補間による方法を用いずに、11×11×11×11の組み合わせの格子点の測定結果から、11×11×11×11の組み合わせについてCMYK→L*a*b* LUT作成しようとすれば、11×11×11×11=14641点のカラーパッチを測定することが必要になるが、本発明によれば、6×6×6×6=1296点のカラーパッチを測定に、わずか285点のグレー及びグレー近傍のパッチを測定するだけで、特にグレーの色調整を高精度で行うことができる。
【0055】
また、上述の実施の形態では、K=0の場合のC、M、Yが均等な組み合わせのグレー及びそのグレー近傍のL*a*b*値を置き換える例を示したが、K=0以外の場合のC、M、Yが均等な組み合わせの、例えばC、M、Y、Kの組み合わせが(10,10,10,20)のようなグレー及びそのグレー近傍を測定したL*a*b*値を置き換えてもよい。
【0056】
本実施の形態の印刷機の色を校正用カラープリンタで色再現する場合においては、別に作成した印刷機のCMYK→L*a*b* LUT135と、本実施の形態で作成した校正用カラープリンタのL*a*b*→CMYK LUT133を用いて画像データの色変換を行なう。印刷機のCMYK→L*a*b* LUT135とL*a*b*→CMYK LUT136についても、本実施の形態で記した校正用カラープリンタのCMYK→L*a*b* LUT(2)134とL*a*b*→CMYK LUT133と同様にして作成することが可能である。
【0057】
また、基本色がCMYK4色の代わりにCMY3色またはRGB3色の場合にも同様に適用できる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の色調整方法によれば、測定するカラーパッチを可能な限り抑え、且つ、特にグレー近傍の出力色の調整を高精度で行うことが可能な色変換テーブル作成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る装置の構成の一例について示すブロック図である。
【図2】本実施の形態における色変換テーブルの作成方法の手順のフローチャートである。
【図3】本実施の形態においてCMYKの組み合わせを表色系の値L*a*b*に変換するLUTの説明図である。
【図4】本実施の形態におけるカラーパッチ及びグレーのパッチ像の一例を示す図である。
【図5】本実施の形態においてCMYのパラメータと表色系の値による軌跡上のサンプル点と補間する点の分布を示した図である。
【図6】本実施の形態においてCMYの組み合わせを表色系の値に変換する際の補間処理の順番を示した図である。
【図7】本実施の形態において表色系の値L*a*b*をCMYKの色の値に変換するLUTの説明図である。
【図8】本実施の形態におけるL*a*b*→CMYK LUTの3次元入力/4次元出力LUTを求める手順のフローチャートである。
【図9】本実施の形態においてC、Mの表色系の座標における目標値T’を示す座標図である。
【図10】本実施の形態においてC、Mの色の組合せの座標における目標値Tを示す座標図である。
【図11】本実施の形態においてC、Mの色の組合せの座標における目標値Tを推定するための収束演算処理の座標図である。
【図12】本実施の形態においてC、Mの表色系の座標における目標値T’を推定するための収束演算処理の座標図である。
【図13】本実施の形態において目標値T’が色再現範囲の外にある場合のC、Mの表色系の座標における目標値T’を示す図である。
【図14】本実施の形態において目標値T’が色再現範囲の外にある場合のC、Mの表色系の座標における目標値T’を示す座標図で、目標値T’を色再現範囲の内に移動させたことを示す座標図である。
【図15】本実施の形態において色再現範囲の外にある目標値T’を色再現範囲の内に移動させた場合のC、Mの色の組合せの座標における目標値Tを示す図である。
【図16】本実施の形態におけるグレー及びグレー近傍のパッチのC、M、Y、Kのパラメータの組み合わせを示す説明図である。
【図17】本実施の形態におけるグレー及びグレー近傍のパッチ像の一例を示す図である。
【図18】図16に示したデータNo.のNo.1からNo.37を付したパッチについてのCMY座標空間上での位置関係を示す図である。
【符号の説明】
10 パソコン
11 演算処理部
12 第一記憶部
13 第二記憶部
14 インターフェイス
15 表示部
16 操作部
17 内部バス
18 測定器
20 校正用カラープリンタ
30 バス
【発明の属する技術分野】
本発明は、色変換テーブルの作成方法に関し、特に、カラー画像出力装置の出力色の色調整に用いられる色変換テーブルの作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、網点タイプのカラープルーフプリンタではCMYKの各色材の色が印刷インキ色に近いため、網点太りの違いの補正(ドットゲインカーブ補正)を、CMYKの各色について網点面積率の測定結果に基づいて行うことで、ある程度まで印刷機に対して色を合わせることが可能であった。しかし、レッドR、グリーンG、ブルーBの2次色、CMY3色による黒、CMYK4色による黒やそれらの付近の色については、印刷機と色の出方が異なり、厳密な色合わせは困難であった。そこで、例えば、いわゆるカラーマネージメントシステムが提案され、校正用カラープリンタの色を印刷機の色に合わせ込む等の色調整が可能になった。ここで、カラーマネージメントシステムの一例として、校正用カラープリンタや印刷機における複数の基本色のパラメータの組み合わせに対する色特性の値のルックアップテーブル(CMYK→L*a*b* LUT)や複数の色特性の値に対する複数の基本色のパラメータの組み合わせのルックアップテーブル(L*a*b*→CMYK LUT)の出力装置の出力色特性を表すデバイスカラープロファイルを用いて行われる(Cはシアン(青緑色)、Mはマゼンタ(赤紫色)、Yはイエロー(黄色)、Kはブラック(黒色)であり、L*a*b*値は色を表す3次元空間で、a*b*平面により色度・彩度が表され、L*はa*b*平面に直交し明度を表し、LUTはルックアップテーブルである。また、パラメータとは、いわゆる階調、網点面積率や濃度等のいずれかである。)。例えば、印刷機のCMYK→L*a*b* LUTと校正用カラープリンタのL*a*b*→CMYK LUTを用いて、印刷機のCMYKのパラメータの組み合わせに対する校正用カラープリンタのCMYKのパラメータの組み合わせのCMYK→CMYK LUTにより、校正用カラープリンタの色を印刷機の色に合わせ込む。
【0003】
しかしながら、上述のルックアップテーブルを作成するために、校正用カラープリンタや印刷機でCMYKを組み合わせた複数のカラーパッチを出力し、出力されたカラーパッチの色特性を測定する必要があり、色調整をより高精度に行うためには、測定するカラーパッチの数を多くする必要があった。
【0004】
また、測定するカラーパッチをできる限り抑え、測定していないCMYKの組み合わせについては、測定結果から補間して求めルックアップテーブルを作成する方法がある(例えば、特願2001−263315号明細書(段落〔0046〕−〔0056〕、第16図)。)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように測定するカラーパッチをできる限り抑え、さらに測定結果から補間して求め、作成したルックアップテーブルを用いて行う色調整では、補間して求めた色特性と校正用カラープリンタや印刷機などの実際の色特性との差から、特に色合わせが重要とされるグレー近傍で色が少々異なって出力される場合があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、測定するカラーパッチを可能な限り抑え、且つ、特にグレー近傍の出力色の調整を高精度で行うことが可能な色変換テーブルの作成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、カラー画像出力装置のカラー画像の色調整に用いられる色変換テーブルの作成方法であって、複数の基本色の所定のパラメータの第1の組み合わせによる出力色の色特性の値と、前記第1の組み合わせには含まれない所定のパラメータの組み合わせによるグレーを含む出力色と更に前記グレー近傍の前記第1の組み合わせには含まれない所定のパラメータの組み合わせによる出力色を含む出力色の色特性の値とを測定する段階と、前記測定された第1の組み合わせによる出力色の色特性の値を用いて、前記第1の組み合わせを含み且つ前記第1の組み合わせより多い第2の組み合わせに対する色特性の値の第1のテーブルを作成する段階と、前記グレー及び前記グレー近傍の出力色の所定のパラメータの組み合わせを前記第1のテーブルから抽出し、前記抽出された組み合わせの前記第1のテーブルにおける色特性の値を、前記グレー及び前記グレー近傍の出力色を測定して得られた色特性の値に置き換えて第2のテーブルを作成し、これを前記色変換テーブルとする段階と、を含むことを特徴としている。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、カラー画像出力装置のカラー画像の色調整に用いられる色変換テーブルの作成方法であって、複数の基本色の所定のパラメータの第1の組み合わせによる出力色の色特性の値と、前記第1の組み合わせには含まれない所定のパラメータの組み合わせによるグレーを含む出力色と更に前記グレー近傍の前記第1の組み合わせには含まれない所定のパラメータの組み合わせによる出力色を含む出力色の色特性の値とを測定する段階と、前記測定された第1の組み合わせによる出力色の色特性の値を用いて、前記第1の組み合わせを含み且つ前記第1の組み合わせより多い第2の組み合わせに対する色特性の値の第1のテーブルを作成する段階と、前記グレー及び前記グレー近傍の出力色の所定のパラメータの組み合わせを前記第1のテーブルから抽出し、前記抽出された組み合わせの前記第1のテーブルにおける色特性の値を、前記グレー及び前記グレー近傍の出力色を測定して得られた色特性の値に置き換えて第2のテーブルを作成する段階と、前記第2のテーブルを用いて複数の色特性の値に対する複数の基本色の組み合わせの第3のテーブルを作成し、これを前記色変換テーブルとする段階と、を含むことを特徴としている。
【0009】
また、請求項3記載の発明は、前記第1及び第2の複数の基本色の所定のパラメータの組み合わせは、前記所定のパラメータが0から最大値までにわたるものであることを特徴としている。
【0010】
また、請求項4記載の発明は、前記複数の基本色は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)であることを特徴としている。
【0011】
また、請求項5記載の発明は、前記グレーは、少なくともイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)それぞれの所定のパラメータが均等であることを特徴としている。
【0012】
また、請求項6記載の発明は、前記グレーの近傍の出力色は、前記グレーの近傍で、前記グレーのY、M、Cの所定のパラメータを基準にしてCとM、YとCおよびMとYをそれぞれ変化させてできるCM、YCおよびMY座標平面の各平面上に、C、MまたはYのそれぞれが所定の間隔でもって格子を形成するような組み合わせによることを特徴としている。
【0013】
また、請求項7記載の発明は、前記色特性の値は、表色系の値のL*a*b*値であることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の特徴は、例えば印刷機と校正用カラープリンタの出力色を合わせるために用いる校正用カラープリンタや印刷機における複数の基本色のパラメータの組み合わせに対する色特性の値のルックアップテーブル(CMYK→L*a*b* LUT)や複数の色特性の値に対する複数の基本色のパラメータの組み合わせのルックアップテーブル(L*a*b*→CMYK LUT)の出力色特性を表すデバイスカラープロファイルにより色変換を行う色変換テーブルを特にグレーの再現精度が向上するように作成することで、且つ、作成の際の測定するカラーパッチを可能な限り抑えることを可能にするものである。
【0015】
ここで、Cはシアン(青緑色)、Mはマゼンタ(赤紫色)、Yはイエロー(黄色)、Kはブラック(黒色)であり、L*a*b*値は色を表す3次元空間で、a*b*平面により色度・彩度が表され、L*はa*b*平面に直交し明度を表し、LUTはルックアップテーブルである。また、パラメータとは、いわゆる階調、網点面積率等であり、以下の実施の形態では、最小値を0、最大値を100とする数値で表す。0は白であり、100は例えば網点面積率であれば100%すなわちベタを表すものである。
【0016】
(装置構成)
以下、本発明の実施形態の一例について図1から図18を参照しながら説明する。まず、本実施の形態の装置構成の一例を示す。
【0017】
図1は、本発明の色調整を実施する実施形態の一例を示したブロック図である。図1に示すように、主にパソコン10とカラー画像出力装置としての校正用カラープリンタ20から構成される。パソコン10は、マイクロプロセッサからなる演算処理部11、メモリからなる第1記憶部12、ハードディスクからなる第2記憶部13、外部との通信手段であるインターフェイス14、ディスプレイからなる表示部15、キーボードからなる操作部16、これらを通信可能にする内部バス17からなる。また、パソコン10と校正用カラープリンタ20は、画像情報等を転送可能にするためのバス30により、接続されている。このような構成により、例えばインターフェイス14から入力された画像データに所定の処理を行い、校正用カラープリンタ20に転送し、校正用カラープリンタ20で画像を出力する。
【0018】
また、パソコンには、インターフェイス14を介して測定器18が備えられ、測定器18を用いて出力されたカラーパッチ(出力色)を測定して色特性の値である表色系の値L*a*b*値をパソコン10に転送するようになされている。
【0019】
また、第2記憶部13には、インターフェイス14を介して転送されるカラーパッチの測定結果を格納する測定テーブル131と、校正用カラープリンタ20についての、後述する本発明の第1のテーブルとしてのCMYK→L*a*b*LUT(1)132、本発明の第2のテーブルとしてのCMYK→L*a*b* LUT(2)134、本発明の第3のテーブルとしてのL*a*b*→CMYK LUT133の3つのLUT、及び、印刷機についてのCMYK→L*a*b* LUT135とL*a*b*→CMYK LUT136の2つのLUTが格納されている。また、測定テーブル131に格納されたカラーパッチの測定結果を用いて、CMYK→L*a*b* LUT(1)132を計算するプログラム、CMYK→L*a*b* LUT(1)132と測定テーブル131に格納された測定値からCMYK→L*a*b* LUT(2)134を作成するプログラム、及び、CMYK→L*a*b* LUT(2)134からL*a*b*→CMYK LUT133を作成するプログラムが格納されている。また,印刷機のCMYK→L*a*b* LUT135、L*a*b*→CMYK LUT136と、校正用カラープリンタ20のCMYK→L*a*b* LUT(2)134、L*a*b*→CMYK LUT133とを用いて色調整を行うためのプログラムを格納している。この他、全体の制御プログラム及びフォントデータ、並びに色別分版処理(特色分版)のための制御プログラム、処理の途中経過などを一時的に記憶するワークメモリなどの各種メモリ領域を含む。
【0020】
(色変換テーブル)
次に、本発明の特徴である色変換テーブルについて述べる。図2は本発明の特徴である色変換テーブル作成方法の各ステップを示すフローチャートである。ここで、本発明でいう色変換テーブルとは、校正用カラープリンタ20のCMYK→L*a*b* LUT(2)134及びL*a*b*→CMYK LUT133のことである。最初に、図2により各LUT作成方法の各ステップを概略的に説明する。また、以下の説明は本実施形態に含む校正用カラープリンタ20を用いて行うが、例えば印刷機など他のカラー画像出力装置についても同様に行うことが可能である。
【0021】
まず、校正用カラープリンタ20でカラーパッチ及びグレーパッチとそのグレー近傍のパッチを出力し、そのパッチのL*a*b*値を測定器18で測定し、第2記憶部13の測定テーブル131に格納し(ステップS21、以下S21と省略し、他のステップも同様に省略する)、カラーパッチの測定結果に基づいてCMYK→L*a*b* LUT(1)132を作成する(S22)。次に、CMYK→L*a*b* LUT(1)132の中から、グレーパッチとそのグレー近傍のパッチに対応するC,M,Y,Kの組み合わせを抽出し、そのL*a*b*値を測定結果のL*a*b*値に置き換えて、CMYK→L*a*b* LUT(2)134を作成し、第2記憶部13に格納する(S23)。さらに,CMYK→L*a*b* LUT(2)134を用いてL*a*b*→CMYK LUT133を作成し、第2記憶部13に格納する(S24)。このようにして本発明の色変換テーブルであるCMYK→L*a*b* LUT(2)134及びL*a*b*→CMYK LUT133が作成される。
【0022】
つぎに、図3〜図18を参照しつつ上述の各種テーブル等の作成方法について詳細に説明する。ここで、CMYK→L*a*b* LUT(1)132及びCMYK→L*a*b* LUT(2)134は、CMYKの色の値を表色系の値L*a*b*に変換するもので、L*a*b*→CMYK LUT133は、表色系の値L*a*b*をCMYKの色の値に変換するものである。また、L*a*b*→CMYK LUT133はL*a*b*の全色座標空間の中で、デバイスによるCMYK混色の色再現可能範囲は限られるため、色再現可能範囲内にどのようにL*a*b*の全色座標空間を写像するのか写像方法を何通りか変化させ、複数個持たせて、入力デバイスの種類に応じて選択して用いるのが一般的である。
【0023】
(S21)
まず、C、M、Y、Kそれぞれのパラメータを最小値0から最大値100までを5分割し、0、20、40、60、80、100の6段階をとり、C×M×Y×K:6×6×6×6=1296点の組合せについてカラーパッチ(例えば図4のようなカラーチャート)を校正用カラープリンタ20で印刷し、6×6×6×6=1296点の各パッチを順番に測定してL*a*b*値を測定テーブル131に格納する。
【0024】
また、図4に含まれないグレーパッチ及びそのグレーの近傍のパッチを含むカラーチャートとして、図16に示すようなC,M,Yのパラメータの組み合わせのグレー及びグレーの近傍のパッチ285個を出力し、測定器18で測定してL*a*b*値を同じく測定テーブル131に格納しておく。図16に示すC,M,Yの組み合わせの中で例えばC=20,M=20,Y=20のパッチなどは図4のカラーチャートにも同じ組み合わせが含まれているが、C,M,Yのパラメータを規則的に変化させるように図16の組み合わせを決めているためであり、またこのように図4と図16の両方に含まれる組み合わせは285個の中で28個のみであるため追加となる測定数はわずかである。
【0025】
本実施の形態では、K=0のみについてグレーパッチ及びそのグレーの近傍のパッチを含むカラーチャートを測定して使用する例を示すが、図16に示すC,M,Yのパラメータの組み合わせにK=10,20,30,・・・などのKを加えた組み合わせのパッチを測定して同様に使用してもよい。
【0026】
また、図16の組み合わせによるチャートの一例を図17に示す。図17に示すように、チャートには、A〜Pの段を示す符号及び各段のパッチにはNo.を付した。この符号及びNo.は、図16の「段/No.」と対応させてある。
【0027】
さらに、図16に付した「データNo.」と、図18を用いて各パッチの説明をする。図18には、図16で付したNo.と対応したNo.を付した。データNo.1は、C、M、Yが均等なグレーである。ここで、「均等な」とは、本実施の形態ではC、M、Y、Kの最小値が0、最大値が100と同じであるため、グレーのC、M、Yは等しい値で「均等な」となるが、最大値が異なれば最大値に対する比率が等しい値が「均等な」になる。No.2〜37は、図18に示すように、グレーを原点としたCM平面、MY平面、CY平面の各平面上でC、M、Yそれぞれを均等の間隔(図18では10間隔)でNo.1に対してC、MまたはYを加算して各平面上に格子を形成する組み合わせとなっている。
【0028】
(S22)
CMYK→L*a*b* LUT132は、例えば、図3に示すようになり、CMYKのLUT入力点に対しL*a*b*値が入る4次元入力/3次元出力であり、具体的には(S21)で測定した各カラーパッチのL*a*b*値を求めてLUTにし、例えば、次のような方法で決めることができる。
【0029】
4次元入力/3次元出力LUTは、11×11×11×11の格子点の間の点について、6×6×6×6=1296点の各パッチを11×11×11×11の格子点に補間を行って変換する。図5に示すように、黒丸●を格子点(測定点)とし、△印と×印を夫々補間すべき点とすると、△印のように前後2点ずつ格子点が存在する場合と、×印のように前後に1点及び3点ある場合とでは、異なった補間式を使用する。
【0030】
ここで補間すべき点の表色系をLm*am*bm*とし、各サンプル点の表色系をLi*ai*bi*(i=1〜4)としたとき、前者(△印)の場合は例えばi=2と3の間の点については以下のような補間式で、
Lm*=−(1/16)L1*+(9/16)L2*+(9/16)L3*−(1/16)L4*
am*=−(1/16)a1*+(9/16)a2*+(9/16)a3*−(1/16)a4*
bm*=−(1/16)b1*+(9/16)b2*+(9/16)b3*−(1/16)b4*
と補間される。
【0031】
また、後者(×印)の場合には例えばi=1と2の間の点については次の補間式で、
Lm*=(5/16)L1*+(15/16)L2*−(5/16)L3*−(1/16)L4*
am*=(5/16)a1*+(15/16)a2*−(5/16)a3*−(1/16)a4*
bm*=(5/16)b1*+(15/16)b2*−(95/16)b3*−(1/16)b4*
と補間される。
【0032】
図6にCMY3次元についての補間処理の順序の一例を示す。図6に示す番号▲1▼、▲2▼、▲3▼(それぞれ図6のローマ数字に対応)順序で補間処理を行うことによってCMY6×6×6を11×11×11に補間する。更に、CMY6×6×6の11×11×11への補間を6つのレベルのKのすべてについて行った後で、CMY11×11×11の各点について、Kの6点を11点に補間する計算を図5に示す方法と同様にして行う。これによって、実際は6×6×6×6=1296点のパッチしか測定していないにも拘わらず11×11×11×11=14641点まで拡張してCMYKの組合せについてL*a*b*値を求めることができる。そして、11×11×11×11の組み合わせのCMYKの組み合わせとそれぞれのL*a*b*値によりCMYK→L*a*b* LUT(1)132が作成される。また、(S21)の図16に示したCMYKの組み合わせについても、L*a*b*値が上述の補間により求められて、この11×11×11×11の組み合わせによるCMYK→L*a*b* LUT(1)132に含まれることになる。
【0033】
(S23)
次に、CMYK→L*a*b* LUT(1)132のCMYKの組合せ中の図16に示した組み合わせを抽出し、その組み合わせについてのL*a*b*値を(S21)で測定した測定値に置き換え、CMYK→L*a*b* LUT(2)134を作成する。
【0034】
つまり、CMYK→L*a*b* LUT(1)132の中の図16に示した組み合わせについてのL*a*b*値は、(S22)のようにして行った補間で得たものであるから、実際の出力とは異なる場合があるので、グレー近傍の出力を測定した測定値に置き換えることで、CMYK→L*a*b* LUT(2)134を用いて色調整を行った場合に、特にグレー近傍の精度が向上することになる。ここで、図16に示すC,M,Yの組み合わせの中で例えばC=20,M=20,Y=20などの合計28個は図4の組み合わせにも同じ組み合わせが含まれているが、この同じ組み合わせについては図16の他の組み合わせと同様に置き換えてもよいし、置き換えなくても良い。ただし、図4に示す組み合わせと図16に示す組み合わせを1枚目と2枚目の別々の画像として出力する場合には、2枚の間で出力ばらつきなどによるわずかな差が生じることがある。この場合、この同じ組み合わせについての置き換えを行わない場合には、その組み合わせのみ1枚目の測定値となり、その近傍の組み合わせの2枚目の測定値との間で出力ばらつきによる誤差が生じてしまうことになり、出力画像の品質が低下する場合がある。
【0035】
(S24)
一方、L*a*b*→CMYK LUT133は、図7に示すように3次元入力/4次元出力LUTであり、33×33×33の格子点の間の点について補間を行って変換する。また、その手順を図8に示し、図8に基づいて説明する。
【0036】
図8に示すように、上記3次元入力/4次元出力LUTを求める方法は次の各S01〜S04から構成される。簡単のため、基本色をC、Mの2色として説明する。なお、C、M、Y、Kはいずれも0〜255の値をとるものとする。
【0037】
(S01)
前述のCMYK→L*a*b* LUT(2)134のC×M×Y×K:11×11×11×11についてのL*a*b*値である4次元データから、まず、C×M×Y:11×11×11についてのL*a*b*値である3次元データへの変換を行う。このために、本出願人による特許第2898030号の明細書に記されている方法を用いることができる。たとえば、CMYの最小値から求められるグレー成分を強調するためにKが加えられるようにしてCMYの最小値に基づいてKを求め、CMYにそのKを加えた場合についてのL*a*b*値をもとめることにより行う。
【0038】
Kは次の式によって求めることができる。CMYの最小値をmin[C、M、Y]とすると、
K=1.6(min[C、M、Y]−50)
ただし、K<0であればK=0である。
【0039】
また、このKがCMYに加えられたときのL*a*b*値は例えば次のようにして求めることができる。C=M=Y=70の場合を例にとると、
K=1.6×(70−50)=32であり、
この32がC×M×Y×K:11×11×11×11のKの11点(0,10,20,30,40,50,60,70,80,90,100)の4つめの30と5つ目の40の間になることから、11×11×11×11点のなかのC=M=Y=70(8点目)、K=30(4点目)の点のL*a*b*値と、C=M=Y=70(8点目)、K=40(5点目)の点のL*a*b*値との2つから補間して計算する。C=M=Y=70(8点目)、K=30(4点目)のL*a*b*値であるL1*a1*b1*についての重みw1を、w1=1.0−(32−30)/(40−30)としてC=M=Y=70(8点目)、K=40(5点目)のL*a*b*値であるL2*a2*b2*についての重みw2を、w2=(32−30)/(40−30)とすると、補間後のL*a*b*値、Lm*am*bm*は、
Lm*=w1×L1*+w2×L2*
am*=w1×a1*+w2×a2*
bm*=w1×b1*+w2×b2*
によって求めることができる。
【0040】
これは、C=M=Y=70の場合であるが、これをC×M×Y:11×11×11=1331点について行うことにより、C×M×Y×K:11×11×11×11の4次元のデータから、C×M×Y:11×11×11の3次元のデータを作成することができる。
【0041】
(S02)
つぎにS01のC×M×Y:11×11×11の3次元データを用いて、L*a*b*→CMY LUT(1)を計算する。図9は、CMYの内のMとCの2次元11×11の組合せ(Y=0)について、縦軸にL*を横軸にa*をプロットしたものである。実際には3次元であるが簡単のため2次元で示す。
【0042】
このCMYの分布に対して、求めようとするターゲット点[L*(0〜100)a*(−127〜128)b*(−127〜128):33×33×33=35937の各LUT入力点]のL*a*b*が目標値T’として与えられる。目標値T’が図9に示すように格子点a’〜d’で囲まれる領域にあるとき、MCの座標系におけるMCの組合せ(目標値T)は図10に示すように格子点a〜dで囲まれる領域内にあるものと推定される。そして、目標値Tが格子点a〜dによって形成される領域のどこにあるかは、図9の表色系を図10の座標系に対応付けながら、収束演算処理をして求める。このように収束演算処理をするのは、図10の座標系から図9の表色系への変換が既知であるにもかかわらずこの逆の変換は非常に複雑で未だ良好な変換式が知られていないためである。
【0043】
次に、図11の格子点a〜dによって形成される領域SP0を4つの領域SP1〜SP4に等分する。5個の分割点e〜iは、既に求められている周囲の格子点を利用して重み平均によって算出する。そして、この分割点e〜iに対応する値をL*a*b*表色系に変換したときの値を図12の表色系にプロットし、プロットされた分割点e’〜i’によって形成された4つの領域SP1’〜SP4’のうちどの領域に目標値T’があるかを求める。図12に示すように領域SP2’にあるときには、図11に示すように目標値Tは領域SP2’に対応したSP2にあるものと推定する。
【0044】
つぎに推定された領域SP2をSP5〜SP8に等分する。5個の分割点j〜nは既に求められている周囲の格子点又は分割点を利用して重み平均によって算出する。そして、この分割点j〜nに対応する値をL*a*b*表色系に変換したときの値を図12の表色系にプロットし、プロットされた分割点j’〜n’によって形成された4つの領域SP5’〜SP8’のうちどの領域に目標値T’があるかを求める。図12に示すように領域SP8’にあるときには、図11に示すように目標値Tは領域SP8’に対応した領域SP8にあるものと推定する。
【0045】
つぎに、推定された領域SP8を4つの領域SP9からSP12に等分する。5個の分割点o〜sは既に求められている周囲の格子点又は分割点を利用して重み平均によって算出する。そして、この分割点o〜sに対応する値をL*a*b*表色系に変換したときの値を図12の表色系にプロットし、プロットされた分割点o’〜s’によって形成された4つの領域SP9’〜SP12’のうちどの領域に目標値T’があるかを求める。図12に示すように領域SP10’にあるときには、図11に示すように目標値Tは領域SP10’に対応した領域SP10にあるものと推定する。
【0046】
以上のような領域の分割を繰り返すことによって格子は次第に小さくなり、ついには収束する。そして、収束した領域を形成する4つの格子点又は分割点を平均することによって目標値Tが求められ、従って求めようとする出力色を示す基本色の組合せを求めることができる。
【0047】
また、本実施の形態では、上述のような収束演算による方法を記したが、本出願人による特許第2895086号の明細書に記載されているような補間方法を用いても良い。
【0048】
ところで、目標値T’が図13に示すようにL*a*b*表色系の頂点W’、C’、M’、B’で形成される色再現範囲の外にあるときには、この目標値T’を色再現範囲に移動する必要がある。この場合、目標値T’を無彩色方向に移動させ、図14に示すように無彩色方向の色再現範囲の境界との交点の座標を目標値とし、図15に示すようにT’に対応する目標値Tを算出する。
【0049】
なお、目標値T’は必ずしも境界に移動させる必要はなく、色再現範囲内に移動されればよい。また、ここでは説明のためにC×Mの2次元について例を示したが、実際にはC×M×Yの三次元について行い、L*a*b*の33×33×33点の各LUT入力点を目標値T’としてC、M、Yの値を1点ずつ計算する必要がある。
【0050】
(S03)
S02で求めたL*a*b*→CMY LUT(1)のL*a*b*の33×33×33点についてのC,M,Yは、S01で求めたC×M×Y:11×11×11の3次元データに対応するCMYであり、S01と同じ方法でCMYからKを求める。
K=1.6(min[C、M、Y]−50)
ただし、K<0であればK=0である。
【0051】
(S04)
上述のようにして求められたL*a*b*の33×33×33点の各LUT入力点についてのCMYK値をLUT化し、L*a*b*→CMYK LUT133とする。
【0052】
このような変換テーブルを用いて色調整を行うことにより、グレーの出力の測定値に基づく補正が行われるため、特にグレーの色合わせを高精度に行うことができる。
【0053】
つまり、CMYK→L*a*b* LUT(1)132の中の図16に示した組み合わせについてのL*a*b*値は、(S22)のようにして行った補間で得たものであるから、実際の出力とは異なる場合があるので、グレー近傍の出力を測定した測定値に置き換えることで、CMYK→L*a*b* LUT(2)134やL*a*b*→CMYK LUT133を用いて色調整を行った場合に、特にグレー近傍の精度が向上することになる。
【0054】
また、(S22)の様な補間による方法を用いずに、11×11×11×11の組み合わせの格子点の測定結果から、11×11×11×11の組み合わせについてCMYK→L*a*b* LUT作成しようとすれば、11×11×11×11=14641点のカラーパッチを測定することが必要になるが、本発明によれば、6×6×6×6=1296点のカラーパッチを測定に、わずか285点のグレー及びグレー近傍のパッチを測定するだけで、特にグレーの色調整を高精度で行うことができる。
【0055】
また、上述の実施の形態では、K=0の場合のC、M、Yが均等な組み合わせのグレー及びそのグレー近傍のL*a*b*値を置き換える例を示したが、K=0以外の場合のC、M、Yが均等な組み合わせの、例えばC、M、Y、Kの組み合わせが(10,10,10,20)のようなグレー及びそのグレー近傍を測定したL*a*b*値を置き換えてもよい。
【0056】
本実施の形態の印刷機の色を校正用カラープリンタで色再現する場合においては、別に作成した印刷機のCMYK→L*a*b* LUT135と、本実施の形態で作成した校正用カラープリンタのL*a*b*→CMYK LUT133を用いて画像データの色変換を行なう。印刷機のCMYK→L*a*b* LUT135とL*a*b*→CMYK LUT136についても、本実施の形態で記した校正用カラープリンタのCMYK→L*a*b* LUT(2)134とL*a*b*→CMYK LUT133と同様にして作成することが可能である。
【0057】
また、基本色がCMYK4色の代わりにCMY3色またはRGB3色の場合にも同様に適用できる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の色調整方法によれば、測定するカラーパッチを可能な限り抑え、且つ、特にグレー近傍の出力色の調整を高精度で行うことが可能な色変換テーブル作成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る装置の構成の一例について示すブロック図である。
【図2】本実施の形態における色変換テーブルの作成方法の手順のフローチャートである。
【図3】本実施の形態においてCMYKの組み合わせを表色系の値L*a*b*に変換するLUTの説明図である。
【図4】本実施の形態におけるカラーパッチ及びグレーのパッチ像の一例を示す図である。
【図5】本実施の形態においてCMYのパラメータと表色系の値による軌跡上のサンプル点と補間する点の分布を示した図である。
【図6】本実施の形態においてCMYの組み合わせを表色系の値に変換する際の補間処理の順番を示した図である。
【図7】本実施の形態において表色系の値L*a*b*をCMYKの色の値に変換するLUTの説明図である。
【図8】本実施の形態におけるL*a*b*→CMYK LUTの3次元入力/4次元出力LUTを求める手順のフローチャートである。
【図9】本実施の形態においてC、Mの表色系の座標における目標値T’を示す座標図である。
【図10】本実施の形態においてC、Mの色の組合せの座標における目標値Tを示す座標図である。
【図11】本実施の形態においてC、Mの色の組合せの座標における目標値Tを推定するための収束演算処理の座標図である。
【図12】本実施の形態においてC、Mの表色系の座標における目標値T’を推定するための収束演算処理の座標図である。
【図13】本実施の形態において目標値T’が色再現範囲の外にある場合のC、Mの表色系の座標における目標値T’を示す図である。
【図14】本実施の形態において目標値T’が色再現範囲の外にある場合のC、Mの表色系の座標における目標値T’を示す座標図で、目標値T’を色再現範囲の内に移動させたことを示す座標図である。
【図15】本実施の形態において色再現範囲の外にある目標値T’を色再現範囲の内に移動させた場合のC、Mの色の組合せの座標における目標値Tを示す図である。
【図16】本実施の形態におけるグレー及びグレー近傍のパッチのC、M、Y、Kのパラメータの組み合わせを示す説明図である。
【図17】本実施の形態におけるグレー及びグレー近傍のパッチ像の一例を示す図である。
【図18】図16に示したデータNo.のNo.1からNo.37を付したパッチについてのCMY座標空間上での位置関係を示す図である。
【符号の説明】
10 パソコン
11 演算処理部
12 第一記憶部
13 第二記憶部
14 インターフェイス
15 表示部
16 操作部
17 内部バス
18 測定器
20 校正用カラープリンタ
30 バス
Claims (7)
- カラー画像出力装置のカラー画像の色調整に用いられる色変換テーブルの作成方法であって、
複数の基本色の所定のパラメータの第1の組み合わせによる出力色の色特性の値と、前記第1の組み合わせには含まれない所定のパラメータの組み合わせによるグレーを含む出力色と更に前記グレー近傍の前記第1の組み合わせには含まれない所定のパラメータの組み合わせによる出力色を含む出力色の色特性の値とを測定する段階と、
前記測定された第1の組み合わせによる出力色の色特性の値を用いて、前記第1の組み合わせを含み且つ前記第1の組み合わせより多い第2の組み合わせに対する色特性の値の第1のテーブルを作成する段階と、
前記グレー及び前記グレー近傍の出力色の所定のパラメータの組み合わせを前記第1のテーブルから抽出し、前記抽出された組み合わせの前記第1のテーブルにおける色特性の値を、前記グレー及び前記グレー近傍の出力色を測定して得られた色特性の値に置き換えて第2のテーブルを作成し、これを前記色変換テーブルとする段階と、を含むことを特徴とする色変換テーブルの作成方法。 - カラー画像出力装置のカラー画像の色調整に用いられる色変換テーブルの作成方法であって、
複数の基本色の所定のパラメータの第1の組み合わせによる出力色の色特性の値と、前記第1の組み合わせには含まれない所定のパラメータの組み合わせによるグレーを含む出力色と更に前記グレー近傍の前記第1の組み合わせには含まれない所定のパラメータの組み合わせによる出力色を含む出力色の色特性の値とを測定する段階と、
前記測定された第1の組み合わせによる出力色の色特性の値を用いて、前記第1の組み合わせを含み且つ前記第1の組み合わせより多い第2の組み合わせに対する色特性の値の第1のテーブルを作成する段階と、
前記グレー及び前記グレー近傍の出力色の所定のパラメータの組み合わせを前記第1のテーブルから抽出し、前記抽出された組み合わせの前記第1のテーブルにおける色特性の値を、前記グレー及び前記グレー近傍の出力色を測定して得られた色特性の値に置き換えて第2のテーブルを作成する段階と、
前記第2のテーブルを用いて複数の色特性の値に対する複数の基本色の組み合わせの第3のテーブルを作成し、これを前記色変換テーブルとする段階と、を含むことを特徴とする色変換テーブルの作成方法。 - 前記第1及び第2の複数の基本色の所定のパラメータの組み合わせは、前記所定のパラメータが0から最大値までにわたるものである請求項1または請求項2に記載の色変換テーブルの作成方法。
- 前記複数の基本色は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)である請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の色変換テーブルの作成方法。
- 前記グレーは、少なくともイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)それぞれの所定のパラメータが均等である請求項4に記載の色変換テーブルの作成方法。
- 前記グレーの近傍の出力色は、前記グレーの近傍で、前記グレーのY、M、Cの所定のパラメータを基準にしてCとM、YとCおよびMとYをそれぞれ変化させてできるCM、YCおよびMY座標平面の各平面上に、C、MまたはYのそれぞれが所定の間隔でもって格子を形成するような組み合わせによる請求項4または請求項5に記載の色変換テーブルの作成方法。
- 前記色特性の値は、表色系の値のL*a*b*値である請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の色変換テーブルの作成方法。
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JP2003067222A JP2004282173A (ja) | 2003-03-12 | 2003-03-12 | 色変換テーブルの作成方法 |
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JP2010250726A (ja) * | 2009-04-20 | 2010-11-04 | Fujifilm Corp | カラー画像の代表色決定装置およびその動作制御方法 |
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2003
- 2003-03-12 JP JP2003067222A patent/JP2004282173A/ja active Pending
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