JP5440396B2 - 色変換テーブル作成プログラム、色変換テーブル作成プログラムを格納した媒体、及び色変換テーブルの作成方法 - Google Patents
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Description
そのため、コンピュータは、測定器で測定するカラーパッチそれぞれの測定値(表色系の値)を取得することで、カラーパッチごとのCMYKの値の組み合わせと表色系の値とを対応付けることができる。さらに、コンピュータは、カラーパッチが存在しないCMYKの値の組み合わせに対応する表色系の値を、カラーパッチが存在するCMYKの値の組み合わせに対応付けた表色系の値より補間計算で算出できる。
なお、第1のカラーチャートにおいて、配置するカラーパッチの点数を省くため、Kの値が大きくなるほど、当該Kの値を備えるカラーパッチの点数は少なくなる。例えば、ISO12642規格のカラーチャートは、Kの値が0%に対して、C×M×Y:6×6×6点のカラーパッチを配置する。一方で、ISO12642規格のカラーチャートは、Kの値が100%に対して、C×M×Y:2×2×2点のカラーパッチのみを配置する。Kの値が大きくなるほど、CMYの値の組み合わせ間の色の差は小さくなるためである。そのため、コンピュータは、C×M×Y×K:9×9×9×9点の中で、Kの値が大きいほど、CMYKの値の組み合わせに対応する表色系の値を、より少ない測定値に基づく補間計算で算出する。
また、第1のコンピュータ2は、後述の第2のコンピュータ10より送信されるデバイスリンクプロファイルを、HDD等の記憶装置に記憶する。第1のコンピュータ2は、生成した画像データについてデバイスリンクプロファイルを用いて色変換処理を行うことができる。第1のコンピュータ2は、上記色変換処理を行った又は色変換処理を行わない画像データをカラープリンタ1に送信して出力させる。
ここで、デバイスリンクプロファイルは、カラーモニタ装置のデバイスプロファイルとカラープリンタ1のデバイスプロファイルとを統合したプロファイルである。具体的には、デバイスリンクプロファイルは、カラーモニタ装置のRGBの値とカラープリンタ1のCMYKの値とを、デバイスに依存しない色空間を介さずに対応付ける。そのため、第1のコンピュータ2は、デバイスリンクプロファイルを用いて、カラーモニタ装置から出力されるRGB色の画像データを直接CMYK色に変換することができる。
具体的には、測定器3は、カラーチャートに含まれる各カラーパッチの色をそれぞれ分光的に測定する。そして、測定器3は、当該測定した色の測定値を第2のコンピュータ10に送信する。ここで、測定器3による測定値は、分光反射率の値、国際照明委員会(CIE)で定めるXYZやL*a*b*等のデバイスに依存しない表色系の値で表わされる。
なお、測定器3による測定値が分光反射率の値やXYZの値で表わされる場合、第2のコンピュータ10が、当該測定値をL*a*b*の値やCIECAM02の値に変換する構成であってもよい。
本実施の形態では、測定器3による測定値として、L*a*b*の値を用いる場合を説明する。
CPU11は、例えば、カラープリンタ1のデバイスプロファイル(デスティネーションプロファイル)を作成する。また、CPU11は、カラープリンタ1のデバイスプロファイルとカラーモニタ装置のデバイスプロファイルとを用いてデバイスリンクプロファイルを作成する。つまり、CPU11は、カラーモニタ装置より出力される画像データの色を調整し、カラープリンタ1で当該画像データの色を再現するための色変換テーブルを作成する。
また、記憶部16は、カラーモニタ装置のデバイスプロファイルとして、sRGB形式のデバイスプロファイルを予め記憶する。sRGB形式のデバイスプロファイルは、国際電気標準会議(IEC;International Electrotechnical Commission)が定めた国際標準規格に準拠するデバイスプロファイルである。
例えば、通信部17は、測定器3より送信されるカラーチャートの測定値を受信する。また、通信部17は、記憶部16に記憶されたデバイスプロファイルやデバイスリンクプロファイルを第1のコンピュータ2へ送信する。
第1のLUT100は、CMYKの値の組み合わせを表色系のL*a*b*の値に変換するための色変換テーブルである。第1のLUT100は、例えば、図3に示すように、C×M×Y×K:9×9×9×9=6561点のCMYKの値の組み合わせであるLUT入力点に対して、L*a*b*の値が入る4次元入力/3次元出力LUTである。ここで、9通りのCMYそれぞれの値は、C、M、Y:0%、10%、20%、30%、40%、55%、70%、85%、100%である。また、9通りのKの値は、K:0%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、80%、100%である。
以下に、当該第1のLUT100の作成手順を述べる。
つまり、第1のカラーチャート110は、(1)〜(6)の合計で、C×M×Y×K:754点のカラーパッチを備える。
具体的には、CPU11は、(1)のC×M×Y:6×6×6点をサンプル点として、C×M×Y:9×9×9点の中で測定値の無い点(C、M、Y:30%、55%、85%)について補間処理を行い、測定値の無い点のL*a*b*の値を算出する。次に、CPU11は、(2)のC×M×Y:6×6×6点、(3)のC×M×Y:5×5×5点、(4)のC×M×Y:5×5×5点、(5)のC×M×Y:4×4×4点、(6)のC×M×Y:2×2×2点、のそれぞれについても同様の補間処理を行い、測定値の無い点のL*a*b*の値を算出する。つまり、CPU11は、C×M×Y×K:754点をサンプル点として補間処理を行うことで、C×M×Y×K:9×9×9×6点に補間できる。
さらに、CPU11は、K:9点の中で測定値の無い3点(K:10%,30%,50%)についても、同様の補間処理を行い、補間処理を行った点のL*a*b*の値を算出する。
以上により、CPU11は、第1のLUT100の、C×M×Y×K:9×9×9×9=6561点のLUT入力点に対するL*a*b*の値を取得できる。
CPU11は、補間処理を行う点(測定値の無い点)のL*a*b*の値を、サンプル点のL*a*b*の値と、CMYの単色における階調ステップの値と、で算出する。ここで、補間処理を行う点のL*a*b*はLm*am*bm*、各サンプル点のL*a*b*はLi*ai*bi*(i=1〜4)とする。
図6は、○印がサンプル点、△印と×印がそれぞれ補間処理を行う点を表す。CPU11は、△印のように前後2点ずつサンプル点が存在する場合と、×印のように前後に1点及び3点のサンプル点が存在する場合と、で異なる補間式を用いてLm*am*bm*の値を算出する。
具体的には、前者(△印)に対する補間式は、Lm*=−(1/16)L1*+(9/16)L2*+(9/16)L3*−(1/16)L4*、am*=−(1/16)a1*+(9/16)a2*+(9/16)a3*−(1/16)a4*、bm*=−(1/16)b1*+(9/16)b2*+(9/16)b3*−(1/16)b4*、である。
一方、後者(×印)に対する補間式は、Lm*=(5/16)L1*+(15/16)L2*−(5/16)L3*−(1/16)L4*、am*=(5/16)a1*+(15/16)a2*−(5/16)a3*−(1/16)a4*、bm*=(5/16)b1*+(15/16)b2*−(95/16)b3*−(1/16)b4*、である。
次に、CPU11は、上記補間式を用いて、C×M×Y:9×9×9点に含まれる補間処理を行う点それぞれに対し、図7に示す番号I〜IIIの順序に沿って補間処理を繰り返し行う。その結果、CPU11は、補間処理が完了した時点で、(4)のC×M×Y:5×5×5点のサンプル点でC×M×Y:9×9×9点に補間することができる。
そのため、CPU11は、図8に示す1次元LUT120,130により、CMYKそれぞれの値を、100%を8等分に分割した値に変換する。そして、CPU11は、変換後のCMYKそれぞれの値を第1のLUT100へ入力する処理を行う。具体的には、CPU11は、1次元LUT120を用いて、C、M、Y:10%を12.5%に、20%を25%に、30%を37.5%に、40%を50%に、55%を62.5%に、70%を75%に、85%を87.5%に、変換する。また、CPU11は、1次元LUT130を用いて、K:10%を12.5%に、20%を25%に、30%を37.5%に、40%を50%に、50%を62.5%に、60%を75%に、80%を87.5%に、変換する。
第2のLUT200は、表色系のL*a*b*の値をCMYKの値の組み合わせに変換する。第2のLUT200は、図9に示すように、L*a*b*:33×33×33=35937点のL*a*b*の値のLUT入力点に対して、CMYKの値が入る3次元入力/4次元出力LUTである。
以下に、当該第2のLUT200の作成手順を述べる。
まず、CPU11は、図10に示す第2のカラーチャート210を生成する。第2のカラーチャート210は、図11に示すCMYチャート220に含まれるカラーパッチの一部にKの色を加えたものである。ここで、図10において、網掛けされた箇所は、Kの色を加えたカラーパッチを示す。また、図10において、網掛けされた箇所が濃色で表現される箇所ほどKの値が大きいことを示す。
つまり、CPU11は、当該Kカーブに基づいて、CMYの値の組み合わせをCMYKの値の組み合わせに変換する変換式を作成出来る。そして、CPU11は、当該変換式を用いて、CMYチャート220に含まれるカラーパッチのCMYの値の組み合わせをCMYKの値の組み合わせに変換する。
Kカーブ1がユーザに選択された場合、図12より把握されるように、Kの値は、CMYの最小値が50%を超えた場合に0%以上となる。また、Kカーブ1において、Kの値は、CMYの最小値が50%より大きくなるにつれて増加する。
ここで、図10に示す第2のカラーチャート210は、Kカーブ1〜Kカーブ5よりKカーブ1が選択された場合の、CMYチャート220にKの色を加えた例である。
つまり、CPU11は、図10及び図11に示すように、CMYチャート220のCMYの最小値が50%より大きい(C、M、Y:55%〜100%の)カラーパッチに対してKの色を加えることで、第2のカラーチャート210を生成する。そして、加えられるKの値は、CMYの最小値が50%より大きくなるにつれて増加する。
なお、CPU11は、第2のカラーチャート210に含まれるカラーパッチを、9通りのRGBの値の組み合わせに対応する色のカラーパッチを配置したカラーチャートより生成してもよい。9通りのRGBそれぞれの値は、CMYチャート220に含まれるカラーパッチのCMYそれぞれの値と補色関係にある。具体的には、C、M、Y:0%、10%、20%、30%、40%、55%、70%、85%、100%に対して、R、G、B:255、230、204、179、153、115、77、38、0である。CPU11は、当該9通りのRGBの値の組み合わせをRGB―CMYKテーブルでCMYKの値に逐次変換しながらカラーパッチを生成する。RGB―CMYKテーブルは、RGBの値の組み合わせを、CMYの値にKカーブで決定したKの値を加えたCMYKの値に変換するテーブルである。
次に、CPU11は、第1のコンピュータ2を介して、上記生成した第2のカラーチャート210を、色変換処理を行わないでカラープリンタ1に出力させる。そして、ユーザは、出力された第2のカラーチャート210の各カラーパッチを測定器3で順番に測定する。すると、CPU11は、C×M×Y:9×9×9点の一部にKの色を加えたCMYKの値の組み合わせに対するL*a*b*の測定値を測定器3より取得できる。
ここで、CPU11は、第1のカラーチャート110及び第2のカラーチャート210の両方に含まれる色について、それぞれのカラーチャートの測定値の差分値を補正する。つまり、CPU11は、第1のカラーチャート110の測定値を第2のカラーチャート210の測定値に一致させる。また、上記両方に含まれる色とは、第1のカラーチャート110に備わるカラーパッチと第2のカラーチャート210に備わるカラーパッチとでCMYKの値が互いに一致する一致点を指す。
なお、CPU11は、上記第2のカラーチャート210の測定値を第1のカラーチャート110の測定値に一致させるように補正しても勿論よい。また、CPU11は、第1のLUT100のLUT入力点と、第2のカラーチャート210に備わるカラーパッチのCMYKの値の組み合わせと、でCMYKの値が一致する点を一致点としてもよい。この場合、CPU11は、一致点について、第2のカラーチャート210の測定値と、LUT入力点に対応するL*a*b*の値と、の差分値の補正を行う。
次に、CPU11は、L*×a*×b*:33×33×33点のLUT入力点に対する、CMYKの値の組み合わせを導出する。
まず、L*×a*×b*:33×33×33点の組み合わせの中で、L*a*b*の測定値が存在する点(つまり、カラープリンタ1の色域の内側の点)について、CMYKの値の組み合わせを導出する手順を説明する。ここで、色域(カラーガマット)とは、カラープリンタ1等の画像データの出力処理を行う機器が表現または再現できる色の範囲である。
当該導出に用いる収束演算処理は、本出願人により先に提出された特開2003−78773号公報等に詳述されている。ここでは、当該導出の手順について簡潔に述べる。
次に、CPU11は、図14に示す格子点a〜dで囲まれる領域V0を、図15に示す分割点e〜iで領域V1〜V4に4等分する。ここで、CPU11は、分割点e〜iの値を、既に求められている周囲の格子点を利用して重み平均で算出する。そして、CPU11は、分割点e〜iに対応するL*a*b*の値を図16に示す座標系にプロットする。図16に示す分割点e’〜i’は、それぞれ、図15に示す分割点e〜iに対応するプロット点である。
さらに、CPU11は、分割点e’〜i’によって形成された4つの領域V1’〜V4’のうちどの領域に目標値T’があるかを求める。例えば、図16に示すように目標値T’が領域V2’にある場合、CPU11は、目標値Tが図15に示す領域V2’に対応した領域V2にあると推定する。
ここで、本実施形態において、高彩度色の目標点r1は、彩度頂点H1’よりも彩度C*が小さな位置に定められる。つまり、CPU11は、図17に示すように、当該目標点r1を、中間点r2と彩度頂点H1’とを結ぶ線分上の、彩度頂点H1’側に配置する。また、CPU11は、白色頂点W’近傍の色の目標点r3を配置する。CPU11は、当該目標点r3を、白色頂点W’と中間点r2とを結ぶ線分上に位置するように定める。なお、中間点r2は、白色頂点W’の明度L*と黒色頂点B’の明度L*の中間値をとる点である。
具体的には、CPU11は、領域P2及び領域P4の傾きを予め定められた方法に基づいて決定する。ここで、領域P2は、色域の上側に位置し、CPU11により決定された傾きで色域へ写像する領域である。また、領域P4は、色域の下側に位置し、CPU11により決定された傾きで色域へ写像する領域である。
そして、CPU11は、領域P2及び領域P4の傾きに基づいて、境界線q1〜q4を作成する。CPU11は、作成した境界線q1〜q4により、領域P1〜P5のそれぞれの領域の境界を定める。境界線q1は、目標点r3より領域P2の傾きで色域の上側へ延伸した半直線である。境界線q2は、目標点r1より領域P2の傾きで色域の上側へ延伸した半直線である。境界線q3は、目標点r1より領域P4の傾きで色域の下側へ延伸した半直線である。境界線q4は、黒色頂点B’より領域P4の傾きで色域の下側へ延伸した半直線である。
ここで、図17において、彩度頂点H1’の明度L*は、明度L*の最大値100の略中間値を示す。しかし、彩度頂点H1’の明度L*は、切断する色相次第で当該略中間値を示さない場合がある。例えば、イエローの色相で切断した場合、彩度頂点H1’の明度L*は、図17よりも高い明度L*を示す。また、ブルーの色相で切断した場合、彩度頂点H1’の明度L*は、図17よりも低い明度L*を示す。このような場合、CPU11は、上記領域P2及び領域P4の傾きを、彩度頂点H1’から白色頂点W’や黒色頂点B’に向けての直線の傾きに応じて変化させることを望まれる。
次に、CPU11は、入力点を写像させる色域内の目標点を当該入力点の属する領域に応じて決定する。例えば、CPU11は、入力点が領域P1に属すと判断した場合、目標点を目標点r3に決定する。また、CPU11は、入力点が領域P3に属すと判断した場合、目標点を目標点r1に決定する。また、CPU11は、入力点が領域P5に属すと判断した場合、目標点を黒色頂点B’に決定する。また、CPU11は、入力点が領域P2に属すと判断した場合、目標点r1と白色頂点W’とを結ぶ線分又は目標点r3と中間点r2とを結ぶ線分と、入力点を通りP2の傾きで延伸させた直線と、の交点を目標点に決定する。また、CPU11は、入力点が領域P4に属すと判断した場合、目標点r1と白色頂点W’とを結ぶ線分又は黒色頂点B’と中間点r2とを結ぶ線分と、入力点を通りP4の傾きで延伸させた直線と、の交点を目標点に決定する。
その結果、CPU11は、L*a*b*の値が色域の外側にある入力点を、色域内の目標点に写像させることができる。そして、CPU11は、当該目標点の目標値T’について収束演算処理を行うことで、CMYKの値の組み合わせを取得する。
次に、色調整システム1000にて実施される色調整処理について、図18のフローチャートに基づき説明する。
次いで、第2のコンピュータ10は、ステップS1にて選択されたKカーブを用いて、CMYの値の組み合わせをCMYKの値の組み合わせに変換する変換式を作成する。第2のコンピュータ10は、変換式を用いて、CMYチャート220に含まれるカラーパッチのCMYの値の組み合わせをCMYKの値の組み合わせに変換する。第2のコンピュータ10は、当該CMYKの値の組み合わせに応じた色のカラーパッチを備える第2のカラーチャート210を生成する(ステップS2;変換工程、生成工程)。
次いで、第2のコンピュータ10は、第1のコンピュータ2を介して、第1のカラーチャート110及び第2のカラーチャート210を色変換処理無しでカラープリンタ1に出力させる(ステップS3;出力工程)。
次いで、第2のコンピュータ10は、ユーザが測定器3で測定した第1のカラーチャート110及び第2のカラーチャート210の測定値を当該測定器3より取得する(ステップS4;取得工程)。
次いで、第2のコンピュータ10は、第1のカラーチャート110及び第2のカラーチャート210の両方に含まれる色の測定値の差分値を補正する(ステップS5)。
次いで、第2のコンピュータ10は、ステップS5にて補正された第1のカラーチャート110の測定値に基づいて、第1のLUT100を作成する(ステップS6)。
次いで、第2のコンピュータ10は、ステップS5にて補正された第2のカラーチャート210の測定値に基づいて、第2のLUTを200作成する(ステップS7;作成工程)。第2のコンピュータ10は、当該ステップS6及びステップS7の処理を行うことで、カラープリンタ1のデバイスプロファイルを作成できる。
次いで、第2のコンピュータ10は、記憶部16に予め記憶されたsRGB形式のデバイスプロファイル(ソースプロファイル)と、カラープリンタ1のデバイスプロファイルと、に基づいてデバイスリンクプロファイルを作成する(ステップS8)。ここで、第2のコンピュータ10は、作成したデバイスリンクプロファイルを通信部17を介して第1のコンピュータ2へ送信する。
次いで、第1のコンピュータ2は、カラーモニタ装置に係るRGB色の画像データに対して、デバイスリンクプロファイルを用いて色変換処理を行い、CMYK色からなる画像データをカラープリンタ1に出力させる(ステップS9)。
なお、ステップS8にて、第2のコンピュータ10は、デバイスリンクプロファイルを作成すること無く、sRGB形式のデバイスプロファイルとカラープリンタ1のデバイスプロファイルとを第2のコンピュータ10に送信してもよい。つまり、ステップS9にて、第1のコンピュータ2は、sRGB形式のデバイスプロファイルとカラープリンタ1のデバイスプロファイルとを用いて上記色変換処理を行うこととしてもよい。
第1の実施形態において、CPU11は、第2のLUT200を作成する際に、CMYの値の組み合わせをCMYKの値の組み合わせに変換する変換式を作成したが、変換テーブルを作成してもよい。ここで、変換テーブルは、CMYの値を3次元の格子点上にとり、各々の格子点に対応するCMYKの値を格納したLUTである。
ここで、11通りのCMYそれぞれの値の中で、9通りのCMYそれぞれの値は、CMYチャート220のC×M×Y:9×9×9点に係るCMYそれぞれの値に一致する。つまり、図19〜図21において、Cin、Min、Yin:0、1、2、3、4、5、6、7、8は、それぞれ、C、M、Y:0%、10%、20%、30%、40%、55%、70%、85%、100%に等しい。この場合、CPU11は、当該9通りのCMYの値の組み合わせであるCin×Min×Yin:9×9×9点について、Kカーブ1に基づいてKoutの値を決定する。
一方で、CPU11は、11通りのCMYそれぞれの値の中でCin、Min、Yin:9、10を、それぞれ100%を超える値に定める。この場合、図12及び図19〜図21より把握されるように、CPU11は、Cin、Min:9、10のCMYの値の組み合わせについて、Koutの値をKカーブ1で決定するKの値よりも大きな値に決定する。さらに、CPU11は、Youtの値を、決定したKoutの値に応じてYinよりも小さな値に定める。
その結果、CPU11は、Cin×Min×Yin:11×11×11点のCMYの値の組み合わせに対応するCout、Mout、Yout、Koutの値を、それぞれ変換テーブルに格納できる。そして、図19〜図21に示す、Cin、Min:9、10のCMYの値の組み合わせに対応したL*a*b*の値より把握されるように、L*a*b*の値が低明度側に広がりを持つような値をとるため、高濃度側の色域は広くなる。
第1の実施形態や変形例1において、CPU11は、予め用意した複数のKカーブからユーザが選択したKカーブを用いて、CMYの値の組み合わせとKの値とを関係付けた。しかし、本変形例2のように、CPU11は、第1のカラーチャート110の測定値(第1のLUT100のLUT入力点に対するL*a*b*の値)に基づいて当該関係付けを行う関係式を作成してもよい。
次に、CPU11は、CMY→L*a*b*のLUTにおけるL*a*b*の値を、カラープリンタ1の紙色がL*:100、a*:0、b*:0となるように、紙色に対する相対値に置き換える。そして、CPU11は、当該CMY→L*a*b*のLUT及び上述の収束演算処理を用い、L*:100、90、80、70、60、50、40、30、20それぞれについて、a*:0且つb*:0である、9点のL*a*b*の値に対応するCMYの値を算出する。ここで、図22は、上記L*a*b*の値に対応するCMYの値の算出結果である。また、図23は、図22に示すL*の値を横軸として、CMYそれぞれの値を折線上に表した図である。
一方、CPU11は、グレーバランスを考慮しない場合、CMYの値の組み合わせについて、K=(MIN(C,M,Y)−50)×2、の式でKの値と関係付ける。なお、MIN(C,M,Y)<50の場合、K=0である。
したがって、CPU11は、上記関係式に基づいて、CMYの値の組み合わせを、グレーバランスを考慮しない場合よりもグレー成分を強調したCMYKの値の組み合わせに変換できる。
例えば、変形例1の場合、CPU11は、図19に示すYin:1において、Cin、Min:8〜Cin、Min:10へと変化するにつれて、Yout:10%、6.25%、2.5%と減少させた。本変形例2では、CPU11は、Yout:10%に対するYout:6.25%、2.5%の減少値である、3.75%と7.5%にY/C=0.75を乗じる。そして、CPU11は、算出される5%及び10%を、Yout:10%に対する新たな減少値に決定する。つまり、Yin:1において、Cin、Min:8〜Cin、Min:10へと変化するにつれて、Youtは、10%、7.2%、4.4%と減少する。
さらに、CPU11は、図20に示すYin:4及び図21に示すYin:6についても、同様の算出処理で新たな減少値を決定する。その結果、Yin:4において、Cin、Min:8〜Cin、Min:10へと変化するにつれて、Youtは、40%、28.8%、17.5%と減少する。また、Yin:6において、Cin、Min:8〜Cin、Min:10へと変化するにつれて、Youtは、70%、56.9%、43.8%と減少する。
つまり、変換テーブルの高濃度側に色域を広げた部分について、図19〜図21に示すYoutの減少値よりも新たに決定したYoutの減少値の方が小さいため、CPU11は、変形例1よりもCMYの値の変化の度合いを均一に近づけることができる。
また、CPU11は、CMYチャート220に備わるカラーパッチのCMYの値を増加又は減少させる際に、加減値を第1のカラーチャート110の測定結果に基づいて決定する。そのため、CPU11は、CMYの値を増加又は減少させた場合のグレーバランスの変化を少なくすることが出来る。
さらに、CPU11は、変換テーブルを作成する際、CMYの値の何れか一つの値が100%を超えた場合のCMYの値の減少値も、第1のカラーチャート110の測定結果に基づいて決定できる。そのため、CPU11は、変換テーブルの高濃度側に色域を広げた部分について、変形例1よりもCMYの値の変化の度合いを均一に近づけることができる。
例えば、第1のコンピュータ2の機能が実行できる構成を、カラープリンタ1に備えるようにしてもよい。また、第2のコンピュータ10の一部又は全ての機能が実行できる構成を、第1のコンピュータ2に備えるようにしてもよい。
2 第1のコンピュータ
3 測定器
10 第2のコンピュータ
11 CPU
12 RAM
13 ROM
14 操作部
15 表示部
16 記憶部
17 通信部
100 第1のLUT
110 第1のカラーチャート
120,130 1次元LUT
200 第2のLUT
210 第2のカラーチャート
220 CMYチャート
Claims (11)
- プリンタが出力すべき墨及び互いに色相の異なる3つの基本色からなる4色の値の組み合わせを表色系の値に変換するための第1の色変換テーブルと、前記表色系の値を前記4色の値の組み合わせに変換するための第2の色変換テーブルと、を作成するコンピュータを、
複数の前記4色の値の組み合わせそれぞれに応じた色のカラーパッチが備わる第1のカラーチャートを前記プリンタに出力させる第1の出力手段、
前記第1の出力手段により出力させた第1のカラーチャートに備わるカラーパッチそれぞれを測定させて表色系の値を取得する第1の取得手段、
前記第1の取得手段により取得した表色系の値に基づいて前記第1の色変換テーブルを作成する第1の色変換テーブル作成手段、
前記3つの基本色の値の組み合わせを変換テーブル又は変換式により前記4色の値の組み合わせに変換する変換手段、
複数の前記3つの基本色の値の組み合わせそれぞれを前記変換手段により前記4色の値の組み合わせに変換し、当該4色の値の組み合わせそれぞれに応じた色のカラーパッチが備わり、前記第1のカラーチャートと前記4色の値の組み合わせが一致するカラーパッチが含まれる第2のカラーチャートを生成する生成手段、
前記生成手段により生成した第2のカラーチャートを前記プリンタに出力させる第2の出力手段、
前記第2の出力手段により出力させた第2のカラーチャートに備わるカラーパッチそれぞれを測定させて表色系の値を取得する第2の取得手段、
前記第2の取得手段により取得した表色系の値に基づいて前記第2の色変換テーブルを作成する第2の色変換テーブル作成手段、
前記第1のカラーチャートに備わるカラーパッチに応じた4色の値の組み合わせの何れかと前記第2のカラーチャートに備わるカラーパッチに応じた4色の値の組み合わせの何れかとで4色の値の組み合わせが一致する場合、前記第1の取得手段により前記一致する4色の値の組み合わせに応じた色のカラーパッチを測定させて取得した表色系の値と、前記第2の取得手段により前記一致する4色の値の組み合わせに応じた色のカラーパッチを測定させて取得した表色系の値と、の何れか一方を他方と一致させることで、前記第1の取得手段により前記一致する4色の値の組み合わせに応じた色のカラーパッチを測定させて取得した表色系の値と、前記第2の取得手段により前記一致する4色の値の組み合わせに応じた色のカラーパッチを測定させて取得した表色系の値と、の差分値を補正する補正手段、
として機能させるための色変換テーブル作成プログラムであって、
前記生成手段により前記第2のカラーチャートを生成する際に前記変換手段により変換する3つの基本色の値の組み合わせの個数は、前記第1のカラーチャートに備わる前記墨の値が0である3つの基本色の値の組み合わせに応じた色のカラーパッチの個数よりも多い、
色変換テーブル作成プログラム。 - 前記補正手段は、前記差分値を補正する際に、前記第1の取得手段により前記一致する4色の値の近傍の4色の値の組み合わせに応じた色のカラーパッチを測定させて取得した表色系の値と、前記第2の取得手段により前記近傍の4色の値の組み合わせに応じた色のカラーパッチを測定させて取得した表色系の値と、の何れか一方の表色系の値に、前記一致する4色の値と前記近傍の4色の値との値の隔たりに応じて前記差分値より所定値減じた値を代入する、
請求項1に記載の色変換テーブル作成プログラム。 - 前記変換手段は、前記3つの基本色の値の組み合わせと前記墨の値とを関係付ける関係式に基づいて前記墨の値を決定する変換テーブル又は変換式により前記4色の値の組み合わせに変換する、
請求項1又は2に記載の色変換テーブル作成プログラム。 - 前記変換手段は、前記3つの基本色の値の組み合わせと前記墨の値とを関係付ける関係式に基づいて前記墨の値を決定し当該決定した墨の値に応じて前記3つの基本色の値を加減する変換テーブル又は変換式により前記4色の値の組み合わせに変換する、
請求項1又は2に記載の色変換テーブル作成プログラム。 - 前記変換手段は、前記3つの基本色の値が予め定めた値を超えるまで前記3つの基本色の値の組み合わせと前記墨の値とを関係付ける関係式に基づいて前記墨の値を決定する一方で、前記3つの基本色の値の何れか一つの値が前記予め定めた値を超えた場合前記関係式に基づいて決定する墨の値より大きくなるように墨の値を決定し当該決定した墨の値に応じて前記予め定めた値と異なる値を有する前記3つの基本色の値を減少させる変換テーブル又は変換式により前記4色の値の組み合わせに変換する、
請求項1又は2に記載の色変換テーブル作成プログラム。 - 前記変換手段は、前記3つの基本色の値の組み合わせと前記墨の値とを関係付ける関係式に基づいて前記墨の値を決定する変換テーブル又は変換式により前記4色の値の組み合わせに変換し、前記関係式を前記第1の色変換テーブルの表色系の値又は前記第1の取得手段により取得される表色系の値に基づいて決定する、
請求項1又は2に記載の色変換テーブル作成プログラム。 - 前記変換手段は、前記3つの基本色の値の組み合わせと前記墨の値とを関係付ける関係式に基づいて前記墨の値を決定し当該決定した墨の値に応じて前記3つの基本色の値を所定値加減する変換テーブル又は変換式により前記4色の値の組み合わせに変換し、前記関係式及び前記所定値を前記第1の色変換テーブルの表色系の値又は前記第1の取得手段により取得される表色系の値に基づいて決定する、
請求項1又は2に記載の色変換テーブル作成プログラム。 - 前記変換手段は、前記3つの基本色の値が予め定めた値を超えるまで前記3つの基本色の値の組み合わせと前記墨の値とを関係付ける関係式に基づいて前記墨の値を決定する一方で、前記3つの基本色の値の何れか一つの値が前記予め定めた値を超えた場合前記関係式に基づいて決定する墨の値より大きくなるように墨の値を決定し当該決定した墨の値に応じて前記予め定めた値と異なる値を有する前記3つの基本色の値を所定値減少させる変換テーブル又は変換式により前記4色の値の組み合わせに変換し、前記関係式と前記所定値とを前記第1の色変換テーブルの表色系の値又は前記第1の取得手段により取得される表色系の値に基づいて決定する、
請求項1又は2に記載の色変換テーブル作成プログラム。 - 前記第2の色変換テーブル作成手段は、前記変換手段により変換した4色の値の組み合わせの中で前記関係式に基づいて前記墨の値を決定した4色の値の組み合わせについて、当該4色の値の組み合わせに応じた色のカラーパッチを測定させて取得した表色系の値に対応する3つの基本色の値の組み合わせを算出し、当該算出した前記3つの基本色の値の組み合わせに対応する墨の値を前記関係式に基づいて決定する、
請求項3〜8の何れか1項に記載の色変換テーブル作成プログラム。 - 請求項1〜9の何れか1項に記載の色変換テーブル作成プログラムを格納するコンピュータで読み取り可能な媒体。
- プリンタが出力すべき墨及び互いに色相の異なる3つの基本色からなる4色の値の組み合わせを表色系の値に変換するための第1の色変換テーブルと、前記表色系の値を前記4色の値の組み合わせに変換するための第2の色変換テーブルと、をコンピュータが作成する色変換テーブルの作成方法であって、
複数の前記4色の値の組み合わせそれぞれに応じた色のカラーパッチが備わる第1のカラーチャートを前記プリンタに出力させる第1の出力工程と、
前記第1の出力工程において出力させた第1のカラーチャートに備わるカラーパッチそれぞれを測定させて表色系の値を取得する第1の取得工程と、
前記第1の取得工程において取得した表色系の値に基づいて前記第1の色変換テーブルを作成する第1の色変換テーブル作成工程と、
複数の前記3つの基本色の値の組み合わせそれぞれを変換テーブル又は変換式により前記4色の値の組み合わせに変換する変換工程と、
前記変換工程において変換した4色の値の組み合わせそれぞれに応じた色のカラーパッチが備わり、前記第1のカラーチャートと前記4色の値の組み合わせが一致するカラーパッチが含まれる第2のカラーチャートを生成する生成工程と、
前記生成工程において生成した第2のカラーチャートを前記プリンタに出力させる第2の出力工程と、
前記第2の出力工程において出力させた第2のカラーチャートに備わるカラーパッチそれぞれを測定させて表色系の値を取得する第2の取得工程と、
前記第2の取得工程において取得した表色系の値に基づいて前記第2の色変換テーブルを作成する第2の色変換テーブル作成工程と、
前記第1のカラーチャートに備わるカラーパッチに応じた4色の値の組み合わせの何れかと前記第2のカラーチャートに備わるカラーパッチに応じた4色の値の組み合わせの何れかとで4色の値の組み合わせが一致する場合、前記第1の取得工程において前記一致する4色の値の組み合わせに応じた色のカラーパッチを測定させて取得した表色系の値と、前記第2の取得工程において前記一致する4色の値の組み合わせに応じた色のカラーパッチを測定させて取得した表色系の値と、の何れか一方を他方と一致させることで、前記第1の取得工程において前記一致する4色の値の組み合わせに応じた色のカラーパッチを測定させて取得した表色系の値と、前記第2の取得工程において前記一致する4色の値の組み合わせに応じた色のカラーパッチを測定させて取得した表色系の値と、の差分値を補正する補正工程と、
を含む色変換テーブルの作成方法であって、
前記変換工程において変換する3つの基本色の値の組み合わせの個数は、前記第1のカラーチャートに備わる前記墨の値が0である3つの基本色の値の組み合わせに応じた色のカラーパッチの個数よりも多い、
色変換テーブルの作成方法。
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