JP2004281172A - 燃料電池用セル体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度変化などの様々なストレスに強く、耐久性に優れた燃料電池用セル体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】電解質層3と、空気極層4を金属支持体2上に形成して成る燃料電池用セル体1であって、金属支持体2の電解質層3を積層した側とは反対側に任意のパターンで凹部2Aを形成すると共に、凹部2Aの底部分2aを多孔質化し、凹部2Aの底部分2aにおける多数の微細孔2bにガス透過性を有するセル補強材6を充填した。
【選択図】図1
【解決手段】電解質層3と、空気極層4を金属支持体2上に形成して成る燃料電池用セル体1であって、金属支持体2の電解質層3を積層した側とは反対側に任意のパターンで凹部2Aを形成すると共に、凹部2Aの底部分2aを多孔質化し、凹部2Aの底部分2aにおける多数の微細孔2bにガス透過性を有するセル補強材6を充填した。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属基板を用いた薄膜型の固体電解質型燃料電池に係わり、特に金属基板の任意位置にセル要素(単セル)とガス流路を形成することができ、低コストのもとに出力体積密度に優れた燃料電池を得ることができる燃料電池用セル体及びその製造方法、並びに、このようなセル体を用いた固体電解質型燃料電池スタックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題への配慮から、クリーンなエネルギー源として燃料電池が注されている。
【0003】
各種燃料電池のうちの1つに、電解質に酸素イオン伝導性を有する固体酸化物を用いた固体酸化物型燃料電池(以下、SOFCと称する)がある。このSOFCは、セル自体の発電効率が高いことに加えて、排出される高温の排ガスの熱を利用した複合発電によってさらに発電効率が上昇するという特徴を有しているほか、高温であるために水素以外の燃料を直接供給して発電することが可能であるなどといった特徴がある。
【0004】
その一方で、従来のSOFCにおいて、固体電解質層の十分な酸素イオン伝導度を得る都合上、作動温度が約1000℃という高温になることから、耐熱性に優れた構成部材が必要となってコスト高となるうえ、熱による劣化が生じやすいなどといった課題を抱えていた。
【0005】
そこで、低温作動を実現するために、電解質層を薄膜化してセルの内部抵抗を低減し、低温作動時においてもセル出力が低下することのない電解質薄膜型SOFCの開発が進められている。
【0006】
上記電解質薄膜型SOFCとしては、燃料極材料を基材とし、表面の空隙の窪みと同等ないしそれ以上の厚みを持った電解質層を基材に印刷、焼結する構成を成すものがある(例えば、非特許文献1参照。)。しかし、この電解質薄膜型SOFCでは、基材の窪みを覆うようにして電解質層を成膜しなければならないため、電解質層の薄膜化には限界がある。
【0007】
そこで、多孔質材料の表面に成膜する手法として、CVD法を改良したEVD法やCVI法が提案されているが、成膜速度が極めて遅いために実用的であるとは言い難い。
【0008】
このような課題を解決するため、金属マトリクス中に、例えば、炭素繊維や結晶性セルロースなどの可燃性物質、又は、Alや可溶性ガラス繊維のような可溶性物質を分散させたものを金属基支持体とし、この平滑性の高い金属基支持体上に電解質層を形成した後、分散層を除去するという方法が提案されている(特許文献1参照。)。
【0009】
【非特許文献1】
D.Ghosh et al.;Electrochemical Society Proceedings,Vol.99−19
【0010】
【特許文献1】
特開平6−88199号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記したように、金属マトリクスと分散層とを焼結した金属基支持体を用い、この金属基支持体上に電解質層を形成した後に分散層を除去するという方法では、電解質層が形成された表面近傍において、金属マトリクスに周囲を囲まれた分散層が除去されずマトリクス内に閉じ込められたままになってしまう可能性があるほか、分散層が除去される際に電解質層を破壊しながらマトリクス外に放出される危険性や、分散層が部分的に集中している場合においては、分散層が除去された後に生じる孔が大きくなって電解質層が破損する危険性がある。
【0012】
また、上記のように支持基体全面を多孔質化する方法では、ガスのクロスリークを防ぐために、電解質層を支持基体全面に形成しなければならないが、電解質層が形成される面積が大きければ大きい程、電解質層が有する応力も大きくなることから、電解質層と支持基体との熱膨張係数の違いにより生じる熱ストレスによって、セルが破損する危険性が高くなってしまうという問題があった。
【0013】
さらに、支持基体全面を多孔質化すると、支持基体側面からのガスリークをもシールするために、支持基体の側面にも電解質層のようなガス隔膜を形成したり、ガスシール性を持って何らかの部材を接合したりする必要があるが、この場合には、電解質層と支持基体との熱膨張係数差により生じる熱ストレスによって、当該部分において破損が起こり易くなり、上記と同様に、セルが破損する危険性が高くなってしまうという問題があり、これらの問題を解決することが従来の課題となっていた。
【0014】
【発明の目的】
本発明は、上記した従来の課題に着目してなされたものであり、温度変化などの様々なストレスに強い、耐久性に優れた燃料電池用セル体及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、燃料電池の開発にあたり、平滑性の高い金属支持体上に少なくとも電解質層及び一方の電極層を形成した後、上記金属支持体の電解質層を積層した側とは反対側の任意の位置に、化学エッチングなどの手法によって凹部を形成し、さらに、この凹部の底部分を多孔質化して成る燃料電池用セル体及びその製造方法を提案した。ここでいう化学エッチングとは、金属の表面を粗すためのエッチング技術であり、一般的には、プリント基板表面を覆う樹脂と基板内配線との密着力を高めるのに用いられる。そして、燃料電池の起動時及び停止時における急激な温度変化などによって生じるストレスに対して、より耐久性の高いセルの提供を目指し、様々な実験を行った結果、耐久性に優れる好適な構造を見出すに至った。
【0016】
すなわち、本発明の燃料電池用セル体は、電解質層と、燃料極層及び空気極層のうちの少なくとも一方の電極層を金属支持体上に形成して成る燃料電池用セル体において、上記金属支持体の電解質層を積層した側とは反対側に任意のパターンで凹部を形成すると共に、該凹部の底部分を多孔質化し、上記凹部の底部分にガス透過性を有するセル補強材を少なくとも1層積層する、又は、凹部の底部分における多数の微細孔にガス透過性を有するセル補強材を充填した構成としており、この構成の燃料電池用セル体を前述の従来の課題を解決するための手段としている。
【0017】
本発明において、多孔質化する前の金属支持体が平滑であることから、多孔質基板上に直接成膜するようにした従来の方法では困難であったガス不透過性の薄膜(数ミクロンオーダーの膜)を形成し得ることとなる。そして、このように各層を薄膜化すると、膜厚方向のオーム抵抗、すなわち、電解質層の酸素イオン伝導抵抗が小さくなるため、セルの出力が向上するのに加えて、膜の持つ応力を小さく抑え得ることから、膜の応力によるセル破壊の危険性が低くなる。
【0018】
また、金属支持体を多孔質化する際には、マスクを使用すれば任意の位置を多孔質化することができるため、セル体を形成する範囲を規定することができ、したがって、セル体の形成されていないガス透過性がない部分にはガス隔離膜などを形成しなくて済むこととなる。また、セル体を形成する範囲を小さくして、1つの金属支持体上に複数のセル体を分散して形成し得るので、1つのセル体の成膜面積が小さくなって膜が有する応力が小さくなり、この膜の応力によるセル破壊の危険性が低くなる。さらに、電解質層を金属支持体上全面に形成した場合、セル体以外の範囲の電解質層が破損しても、セル機能の低下につながることがなく、その結果、耐久性に優れたセル構造が得られることとなる。
【0019】
【発明の効果】
本発明の燃料電池用セル体では、上記した構成としているので、熱ストレスなどによる電解質層及び電極層の破損を防止することができ、したがって、耐久性の向上を実現することが可能となる。これにより、金属支持体の熱容量が小さいために急速な昇降温が可能であるが、その際の熱ストレスによってセルが破損しないことから、起動時間及び停止時間の短縮を実現することができるという非常に優れた効果がもたらされる。
【0020】
また、セル補強材がイオン伝導性や電子伝導性を有していたり、セル補強材が電極機能や触媒機能(反応過電圧低減機能、燃料改質機能、水素分離機能)などといった各種機能を備えていたりする構成となすことにより、セル出力の向上を実現することができるという優れた効果が得られるほか、セル補強材なしでは実現不可能な機能を有するセルを得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の特徴は、金属支持体上に少なくとも電解質層及び一方の電極層が形成され、金属支持体の電解質層を積層した側とは反対側が多孔質化された燃料電池用セル体において、多孔質化された部分にセル補強材を設けたことにある。
【0022】
上記したセル補強材は、少なくともガス透過性を有している必要がある。ガス透過性を有していれば反応場へのガス供給が達成されることから、セル補強材を形成したことによって、燃料電池の機能が損なわれるようなことはない。
【0023】
また、セル補強材は、少なくとも凹部の多孔質化された部の底部分に設けなくてはならない、すなわち、多孔質側からセル要素膜を被覆するように設けなくてはならないが、上記底部分に加えて凹部の側面ないし金属支持体の凹部を形成した側の面の凹部を除く部分にセル補強材を設ける場合もある。特に、セル補強材から形成されるセル補強層に各種機能、例えば、集電機能を持たせた場合には、金属支持体の合成抵抗が小さくなることから、セル出力の向上につながるといった効果が得られる。
【0024】
このように、セル補強材から形成されるセル補強層には各種機能を持たせることができるが、例えば、セル補強層がイオン伝導性を有していて、金属支持体が他方の電極として機能し、金属支持体上に電解質層及び一方の電極層が形成されている場合、セル補強層を電解質層としても機能させることができる。この場合、セル補強層の電解質層はガス透過性であるため、電解質層と他方の電極層(金属支持体)との接触部までガスが拡散させることができ、電解質層と他方の電極層(金属支持体)とガス層の3層界面が形成されて、電池反応が可能となる。したがって、有効セル面積が増加することから、セルの出力が向上する。また、上記以外の構造、例えば、金属支持体上に他方の電極層、電解質層及び一方の電極層が形成されている場合には、セル補強層にイオン伝導性が備わっていたとしても、セル補強層が電解質層として機能することはなく、セル補強層としてのみ機能する。
【0025】
一方、セル補強層が電子伝導性を有する場合、セル補強層は集電層としても機能することができ、これにより、セル体からの集電面積が増加して金属支持体の合成抵抗が減少するため、セルの出力が向上する。特に、金属支持体上に形成された他方の電極層が薄膜酸化物である場合には、この薄膜酸化物の水平方向への電子伝導抵抗が大きくなるものの、他方の電極層の直下に集電層が形成されることにより、厚み方向の電子伝導によっても集電が可能となるために電子伝導抵抗が小さくなり、集電層形成による効果が大きいものとなる。ここで、金属支持体も電子伝導性をもつため、見かけ上の構造は金属支持体が多孔質化されていない状態と同じであるが、金属支持体はガス透過性がないことから、このような構造では燃料電池として機能することができない。
【0026】
また、セル補強層が電子伝導性を有する燃料極層又は空気極層となる構造も可能である。金属支持体上に電解質層及び一方の電極層を形成すると共にセル補強層を他方の電極層として形成した場合には、金属支持体が他方の電極層として機能する場合と比較して、電解質層と他方の電極層の接触面積が増加するためにセル出力が向上する。
【0027】
この際、金属支持体上に他方の電極層、電解質層及び一方の電極層を形成し、化学エッチングによって裏面から金属支持体を多孔質化するという方法を採用すると、他方の電極層が金属である場合には、エッチングによって他方の電極層が金属支持体から剥離してしまうことが懸念される。しかしながら、上記したように、金属支持体上に電解質層及び一方の電極層を形成し、化学エッチングにより金属支持体を多孔質化した後に、他方の電極層としてセル補強層を形成するという方法を採用すれば、エッチング時に剥離してしまうような材料を用いて他方の電極層として形成することができる。
【0028】
セル補強層を燃料極層又は空気極層として機能させるためには、金属支持体上に電解質層及び一方の電極層を形成する構造が必要となる。それ以外の構造においては、セル補強層は集電層として機能するためセル出力が向上する。特に、セル補強層が金属である場合や、金属支持体上に形成された他方の電極層が酸化物電極である場合には、その効果が大きい。
【0029】
また、セル補強層が他方の電極として機能する際には、金属支持体は必ずしも他方の電極層として機能しなくてもよいが、他方の電極層として機能すれば電解質層との接触面積が増加するためセル出力が向上する。
【0030】
セル補強層には、反応過電圧を低減させる機能、炭化水素などの燃料から水素を生成する改質機能、水素を選択的に透過する水素分離機能などの各種の触媒機能を有する材料をも使用することができる。例えば、セル補強層に反応過電圧を低減させる機能を持つセル補強材を用いる場合には、反応過電圧によるセル電圧の低下が小さくなるため、セル出力が向上する。また、Ptのように触媒機能とともに電子伝導性を有するセル補強材をセル補強層に用いる場合には、集電層としても機能することから、セルの出力はより一層向上する。
【0031】
また、セル補強層が炭化水素などの燃料から水素を生成する改質機能を有する場合には、セル体に燃料の内部改質機能が備わって、外部改質器を伴わずにシステムを簡略化することができるため、コスト低下につながる。この際、多孔質化した凹部の底部分だけでなく、凹部の側面ないし金属支持体の全面にセル補強層を形成すれば、触媒面積の増加に伴って燃料改質の処理能力が向上するため、大電流放電時にも安定して水素を供給することができる。
【0032】
さらに、セル補強層が水素を選択的に透過する水素分離機能を有する場合には、反応場に水素のみを供給してセルの劣化原因となるようなガスを遮断することができるので、セルの耐久性が向上する。例えば、Niを燃料極層として使用する場合には、メタンなどの炭化水素系燃料が供給されると、燃料の改質反応などによって生成したCがNi表面へ析出し、これにより電極表面の活性点が減少する、すなわち、電極が劣化するという問題があるが、上記したようにセルの劣化原因となるようなガスを遮断することができる。
【0033】
ここで、セル補強層は必ずしも1層でなくてもよく、2層ないしそれ以上の積層型としてもよい。例えば、電極層+触媒層(水素分離機能)、電極層+電子伝導層の組み合わせなどが考えられるが、これらの組み合わせのみに限定されるものではない。
【0034】
セル補強層の形成方法は、蒸着法、スパッタリング法、印刷法、CVD法などが考えられるが、これらの方法のみに限定されるものではない。
【0035】
対象とするセル体は金属支持体上に少なくとも電解質層及び一方の電極層が形成されている必要があるが、その構造のみに限定されるものではなく、他方の電極層及び中間層が形成されていてもよい。
【0036】
金属支持体の材料としては、Fe,Ni,Cuのうちの少なくとも1種を含む金属、すなわち、ニッケルや銅のほか、Ni−Cu合金や、Ni基合金や、ステンレス鋼などを使用することができ、金属支持体の厚さとしては、10μm〜1mm程度の厚みのものを用いることが望ましい。さらに好適な条件としては、30μm〜500μmのものを用いることが望ましい。金属支持体の厚さが30μmに満たない場合には、成膜用基板としての取り扱いが難しくなり、一方、金属支持体の厚さが500μmを超える場合には、エッチングによる多孔質化時間が長くなってコスト高となることや、小型軽量化の効果が小さくなることが考えられる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
【0038】
(実施例1)
図1は、本発明の燃料電池用セル体の一実施例を示しており、図1に示すように、この燃料電池用セル体1は、金属支持体2の表面(図示上面)に、電解質層3及び空気極層(一方の電極層)4を順次積層してなっており、この実施例において、金属支持体2が燃料極層(他方の電極層)を兼ねるものとしてある。
【0039】
上記燃料極層を兼ねる金属支持体2の電解質層3を積層した側とは反対側(裏面、図示下面)には、底部分2aを多孔質化した凹部2Aが任意のパターンで形成してあり、この凹部2Aの底部分2aにおける多数の微細孔2bには、ガス透過性を有するセル補強材6が充填してある。
【0040】
この実施例では、金属支持体2として50μm×30mmφのNi圧延箔を使用し、その中心位置29mmφの領域に厚さ5μmの8YSZ(8mol%イットリア添加安定化ジルコニア)を電子ビーム(EB)蒸着法により700℃で加熱成膜することで電解質層3を形成し、続いて、8YSZから成る電解質層3上の中心位置20mmφの領域に厚さ1μmのAgをEB蒸着法により350℃で加熱成膜して空気極層4を形成した。
【0041】
そして、金属支持体2の成膜されていない裏面に対してエッチング液(メックNiラフナー)を300秒噴霧して、底部分2aを多孔質化した凹部2AをNi箔の中心位置10mmφの領域に任意のパターンで形成した後、凹部2Aの底部分2aにガス透過性を有するAl2O3をEB蒸着法により室温で成膜して、底部分2aにおける多数の微細孔2bに厚さ5μmのセル補強材6が充填された燃料電池用セル体1を作製した。この際、エッチングにより形成した凹部2Aの底部分2aにおける多数の微細孔2bの総開口面積は30mm2 であり、凹部2Aの面積の約40%であった。
【0042】
この燃料電池用セル体1では、金属支持体2の裏面に形成した凹部2Aにおいて、その多孔質化した底部分2aにおける多数の微細孔2bに、ガス透過性を有するセル補強材6を充填した構成としているので、熱ストレスなどによる電解質層3及び空気極層4の破損を防止し得ることとなり、その結果、耐久性が大幅に向上することとなる。
【0043】
(実施例2)
図2に示すように、この実施例では、金属支持体2として50μm×30mmφのインコネル箔を使用し、その中心位置29mmφの領域に厚さ5μmの8YSZをRFスパッタリング法により700℃で加熱成膜することで電解質層3を形成し、続いて、8YSZから成る電解質層3上の中心位置20mmφの領域に厚さ1μmのAgをEB蒸着法により350℃で加熱成膜して空気極層4を形成した。
【0044】
そして、金属支持体2の成膜されていない裏面に対してエッチング液を300秒噴霧して、底部分2aを多孔質化した凹部2AをNi箔の中心位置10mmφの領域に任意のパターンで形成した後、凹部2Aの底部分2aに対する8YSZのEB蒸着法による室温での成膜により、電解質層を兼ねる厚さ1μmのセル補強層6A(6)を形成して、燃料電池用セル体1を作製した。この際、エッチングにより形成した凹部2Aの底部分2aにおける多数の微細孔2bの総開口面積は30mm2であり、凹部2Aの面積の約40%であった。
【0045】
この燃料電池用セル体1では、金属支持体2の裏面に形成した凹部2Aの多孔質化した底部分2aにセル補強層6Aを積層しているので、上記した実施例の燃料電池用セル体1と同じく、熱ストレスなどによる電解質層3及び空気極層4の破損を防止し得ることとなって、耐久性の大幅な向上が図られることとなり、加えて、セル補強層6Aを電解質層としても機能させているので、電解質層3,6Aと他方の電極層を兼ねる金属支持体2との接触部がセルとして機能するため、セルの有効面積が増加して出力が向上することとなる。
【0046】
(実施例3)
図3に示すように、この燃料電池用セル体31は、金属支持体32の表面(図示上面)に、空気極層(他方の電極層)35,電解質層33及び燃料極層(一方の電極層)34を順次積層してなっており、金属支持体32の電解質層33を積層した側とは反対側(裏面、図示下面)には、底部分32aを多孔質化した凹部32Aが任意のパターンで形成してあり、この凹部32Aの底部分32a及び側面32cには、ガス透過性を有するセル補強層36Aが積層してある。
【0047】
この実施例では、金属支持体32として50μm×30mmφのハステロイB箔を使用し、その中心位置20mmφの領域に厚さ1μmのSSCをEB蒸着法により350℃で加熱成膜することで空気極層35を形成し、続いて、この空気極層35上の中心位置29mmφの領域に厚さ5μmの3YSZをEB蒸着法により700℃で加熱成膜して電解質層33を形成し、さらに、3YSZから成る電解質層33上の中心位置20mmφの領域に厚さ1μmのNiO−SDCをEB蒸着法により350℃で加熱成膜して燃料極層34を形成した。
【0048】
そして、金属支持体32の成膜されていない裏面に対してエッチング液を300秒噴霧して、底部分32aを多孔質化した凹部32AをハステロイB箔の中心位置10mmφの領域に任意のパターンで形成した後、凹部32Aの底部分32a及び側面32cに対するAgのEB蒸着法による300℃での成膜により、集電層を兼ねる厚さ1μmのセル補強層36A(36)を形成して、燃料電池用セル体31を作製した。この際、エッチングにより形成した凹部32Aの底部分32aにおける多数の微細孔32bの総開口面積は30mm2であり、凹部32Aの面積の約40%であった。
【0049】
この燃料電池用セル体31では、金属支持体32の裏面に形成した凹部32Aの多孔質化した底部分32a及び側面32cにセル補強層36Aを積層しているので、上記した実施例の燃料電池用セル体1と同じく、熱ストレスなどによる電解質層33及び両電極層34,35の破損を防止し得ることとなって、耐久性の大幅な向上が図られることとなり、加えて、セル補強層36Aを集電層としても機能させているので、集電面積が増加して金属支持体32の合成抵抗が減少するため、セルの出力が向上することとなる。
【0050】
(実施例4)
この実施例では、金属支持体2として50μm×30mmφのNi圧延箔を使用し、その中心位置29mmφの領域に厚さ5μmの8YSZをRFスパッタリング法により700℃で加熱成膜することで電解質層3を形成し、続いて、8YSZから成る電解質層3上の中心位置20mmφの領域に厚さ1μmのAgをEB蒸着法により350℃で加熱成膜して空気極層4を形成した。
【0051】
そして、金属支持体2の成膜されていない裏面に対してエッチング液を300秒噴霧して、底部分2aを多孔質化した凹部2AをNi箔の中心位置10mmφの領域に任意のパターンで形成した後、凹部2Aの底部分2aに対するNiのEB蒸着法による室温での成膜により、燃料極層を兼ねる厚さ1μmのセル補強層6A(6)を形成して、燃料電池用セル体1を作製した。この際、エッチングにより形成した凹部2Aの底部分2aにおける多数の微細孔2bの総開口面積は30mm2 であり、凹部2Aの面積の約40%であった(図2参照)。
【0052】
この燃料電池用セル体1においても、金属支持体2の裏面に形成した凹部2Aの多孔質化した底部分2aにセル補強層6Aを積層しているので、上記した実施例の燃料電池用セル体1と同じく、熱ストレスなどによる電解質層3及び空気極層4の破損を防止し得ることとなって、耐久性の大幅な向上が図られることとなり、加えて、セル補強層6Aを燃料極層としても機能させているので、金属支持体のみが燃料極層として機能する場合と比較して、電解質層3と燃料極層との接触面積が増加するため、セル出力が向上することとなる。
【0053】
(実施例5)
この実施例では、金属支持体2として50μm×30mmφの42Alloy箔を使用し、その中心位置29mmφの領域に厚さ5μmのLSGMをEB蒸着法により700℃で加熱成膜することで電解質層3を形成し、続いて、LSGMから成る電解質層3上の中心位置20mmφの領域に厚さ1μmのLSCをEB蒸着法により300℃で加熱成膜して空気極層4を形成した。
【0054】
そして、金属支持体2の成膜されていない裏面に対してエッチング液を300秒噴霧して、底部分2aを多孔質化した凹部2Aを42Alloy箔の中心位置10mmφの領域に任意のパターンで形成した後、凹部2Aの底部分2aに対するRuのEB蒸着法による300℃での成膜により、反応過電圧低下触媒層及び集電層を兼ねる厚さ1μmのセル補強層6A(6)を形成して、燃料電池用セル体1を作製した。この際、エッチングにより形成した凹部2Aの底部分2aにおける多数の微細孔2bの総開口面積は30mm2 であり、凹部2Aの面積の約40%であった(図2参照)。
【0055】
この燃料電池用セル体1においても、金属支持体2の裏面に形成した凹部2Aの多孔質化した底部分2aにセル補強層6Aを積層しているので、上記した実施例の燃料電池用セル体1と同じく、熱ストレスなどによる電解質層3及び空気極層4の破損を防止し得ることとなって、耐久性の大幅な向上が図られることとなる。加えて、この燃料電池用セル体1では、触媒機能とともに電子伝導性を有するRuをセル補強層6Aに用いることで、セル補強層6Aを反応過電圧低下触媒層のみならず集電層としても機能させているので、セルの出力がより一層向上することとなる。
【0056】
(実施例6)
図4に示すように、この燃料電池用セル体41は、金属支持体42の表面(図示上面)に、燃料極層(他方の電極層)45,中間層47,電解質層43及び空気極層(一方の電極層)44を順次積層してなっており、金属支持体42の電解質層43を積層した側とは反対側(裏面、図示下面)には、底部分42aを多孔質化した凹部42Aが任意のパターンで形成してあり、この凹部42Aの底部分42a,側面42c及び凹部42Aを除く裏面全面には、ガス透過性を有するセル補強層46Aが積層してある。
【0057】
この実施例では、金属支持体32として50μm×30mmφのNi圧延箔を使用し、その中心位置20mmφの領域に厚さ1μmのNiO−SDCをEB蒸着法により300℃で加熱成膜して燃料極層45を形成すると共に、この燃料極層45上の中心位置29mmφの領域に厚さ1μmのSDCをEB蒸着法により700℃で加熱成膜することで中間層47を形成し、続いて、この中間層47上の中心位置29mmφの領域に厚さ4μmの8YSZをEB蒸着法により700℃で加熱成膜して電解質層43を形成し、さらに、8YSZから成る電解質層43上の中心位置20mmφの領域に厚さ1μmのAgをEB蒸着法により350℃で加熱成膜して空気極層44を形成した。
【0058】
そして、金属支持体42の成膜されていない裏面に対してエッチング液を300秒噴霧して、底部分42aを多孔質化した凹部42AをNi圧延箔の中心位置10mmφの領域に任意のパターンで形成した後、凹部42Aの底部分42a,側面42c及び凹部42Aを除く裏面全面に対するNi/Al2O3−MgOのEB蒸着法による300℃での成膜により、燃料改質触媒層を兼ねる厚さ1μmのセル補強層46A(6)を形成して、燃料電池用セル体41を作製した。この際、エッチングにより形成した凹部42Aの底部分42aにおける多数の微細孔42bの総開口面積は30mm2 であり、凹部42Aの面積の約40%であった。
【0059】
この燃料電池用セル体41では、金属支持体42の裏面に形成した凹部42Aの多孔質化した底部分42に加えて凹部42Aの側面42c及び凹部42Aを除く裏面全面にもセル補強層46Aを積層しているので、上記した実施例の燃料電池用セル体1と同じく、熱ストレスなどによる電解質層43及び両電極層44,45の破損を防止し得ることとなって、耐久性の大幅な向上が図られることとなる。
【0060】
また、この燃料電池用セル体41では、セル補強層46Aが炭化水素などの燃料から水素を生成する燃料改質触媒機能を有しているので、セル体41に燃料の内部改質機能が備わることとなって、外部改質器を伴わずにシステムを簡略化することができるため、コストの低減が図られることとなり、この際、多孔質化した凹部42Aの底部分42aだけでなく、凹部42Aの側面42cないし金属支持体42の裏面全面にもセル補強層46Aを積層しているので、触媒面積の増加に伴って燃料改質の処理能力が向上することとなり、したがって、大電流放電時にも安定して水素を供給し得ることとなる。
【0061】
(実施例7)
図5に示すように、この実施例では、金属支持体52として50μm×30mmφのNi圧延箔を使用し、その中心位置29mmφの領域に厚さ5μmの3YSZをRFスパッタリング法により700℃で加熱成膜することで電解質層53を形成し、続いて、3YSZから成る電解質層53上の中心位置20mmφの領域に厚さ1μmのLSCをRFスパッタリング法により300℃で加熱成膜して空気極層54を形成した。
【0062】
そして、金属支持体52の成膜されていない裏面に対してエッチング液を300秒噴霧して、底部分52aを多孔質化した凹部52AをNi箔の中心位置10mmφの領域に任意のパターンで形成した後、凹部52Aの底部分52aにガス透過性を有するNi−SDCをEB蒸着法により300℃で成膜して、底部分2aにおける多数の微細孔2bに厚さ1μmの燃料極層を兼ねるセル補強材56を充填し、続いて、凹部52Aの底部分52a,側面52c及び凹部52Aを除く裏面全面、並びに、上記Ni−SDCに対するシリカのCVDによる成膜により、水素分離層を兼ねる厚さ10μmのセル補強層56A(56)を形成して、燃料電池用セル体51を作製した。この際、エッチングにより形成した凹部52Aの底部分52aにおける多数の微細孔52bの総開口面積は30mm2であり、凹部52Aの面積の約40%であった。
【0063】
この燃料電池用セル体51では、金属支持体52の裏面に形成した凹部52Aにおいて、その多孔質化した底部分52aにおける多数の微細孔52bに、ガス透過性を有するセル補強材56を充填しているのに加えて、金属支持体52の裏面及び凹部52Aの全体にセル補強層56Aを積層しているので、上記した実施例の燃料電池用セル体1と同じく、熱ストレスなどによる電解質層53及び空気極層54の破損を防止し得ることとなって、耐久性の大幅な向上が図られることとなる。
【0064】
また、この燃料電池用セル体51では、セル補強層56Aが水素を選択的に透過する水素分離機能を有しているので、反応場に水素のみを供給してセルの劣化原因となるようなガスを遮断することができ、その結果、セルの耐久性が向上することとなる。
【0065】
(実施例8)
図6に示すように、この実施例では、金属支持体62として50μm×30mmφの42Alloy箔を使用し、その中心位置20mmφの領域に厚さ2μmのNiO−8YSZをRFスパッタリング法により300℃で加熱成膜して燃料極層65を形成すると共に、この燃料極層65上の中心位置29mmφの領域に厚さ0.5μmのSDCをRFスパッタリング法により700℃で加熱成膜することで中間層67を形成し、続いて、この中間層67上の中心位置29mmφの領域に厚さ4μmの8YSZをRFスパッタリング法により700℃で加熱成膜して電解質層63を形成し、さらに、8YSZから成る電解質層63上の中心位置20mmφの領域に厚さ1μmのSSCをRFスパッタリング法により300℃で加熱成膜して空気極層64を形成した。
【0066】
そして、金属支持体62の成膜されていない裏面に対してエッチング液を300秒噴霧して、底部分62aを多孔質化した凹部62Aを42Alloy箔の中心位置10mmφの領域に任意のパターンで形成した後、凹部62Aの底部分62a,側面62c及び凹部62Aを除く裏面全面に対するNiのEB蒸着法による350℃での成膜により、集電層を兼ねる厚さ1μmのセル補強層66A(66)を形成して、燃料電池用セル体61を作製した。
【0067】
上記方法により作製した燃料電池用セル体61を複数個積層し、燃料電池スタック10を作製した。なお、図6における符号11は金属薄板、符号12はスペーサ、符号13は集電用金属薄板である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池用セル体の一実施例を示す部分断面説明図である。
【図2】本発明の燃料電池用セル体の他の実施例を示す部分断面説明図である。
【図3】本発明の燃料電池用セル体のさらに他の実施例を示す部分断面説明図である。
【図4】本発明の燃料電池用セル体のさらに他の実施例を示す部分断面説明図である。
【図5】本発明の燃料電池用セル体のさらに他の実施例を示す部分断面説明図である。
【図6】本発明の燃料電池用セル体を積層してなる燃料電池スタックを示す断面説明図である。
【符号の説明】
1,31,41,51,61 燃料電池用セル体
2,32,42,52,62 金属支持体
2A,32A,42A,52A,62A 凹部
2a,32a,42a,52a,62a 凹部の底部分
2b,32b,42b,52b,62b 微細孔
32c,42c,52c,62c 凹部の側面
3,33,43,53,63 電解質層
4,35,44,54,64 空気極層
34,45,65 燃料極層
6,36,46,56,66 セル補強材
6A,36A,46A,56A,66A セル補強層
10 燃料電池スタック
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属基板を用いた薄膜型の固体電解質型燃料電池に係わり、特に金属基板の任意位置にセル要素(単セル)とガス流路を形成することができ、低コストのもとに出力体積密度に優れた燃料電池を得ることができる燃料電池用セル体及びその製造方法、並びに、このようなセル体を用いた固体電解質型燃料電池スタックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題への配慮から、クリーンなエネルギー源として燃料電池が注されている。
【0003】
各種燃料電池のうちの1つに、電解質に酸素イオン伝導性を有する固体酸化物を用いた固体酸化物型燃料電池(以下、SOFCと称する)がある。このSOFCは、セル自体の発電効率が高いことに加えて、排出される高温の排ガスの熱を利用した複合発電によってさらに発電効率が上昇するという特徴を有しているほか、高温であるために水素以外の燃料を直接供給して発電することが可能であるなどといった特徴がある。
【0004】
その一方で、従来のSOFCにおいて、固体電解質層の十分な酸素イオン伝導度を得る都合上、作動温度が約1000℃という高温になることから、耐熱性に優れた構成部材が必要となってコスト高となるうえ、熱による劣化が生じやすいなどといった課題を抱えていた。
【0005】
そこで、低温作動を実現するために、電解質層を薄膜化してセルの内部抵抗を低減し、低温作動時においてもセル出力が低下することのない電解質薄膜型SOFCの開発が進められている。
【0006】
上記電解質薄膜型SOFCとしては、燃料極材料を基材とし、表面の空隙の窪みと同等ないしそれ以上の厚みを持った電解質層を基材に印刷、焼結する構成を成すものがある(例えば、非特許文献1参照。)。しかし、この電解質薄膜型SOFCでは、基材の窪みを覆うようにして電解質層を成膜しなければならないため、電解質層の薄膜化には限界がある。
【0007】
そこで、多孔質材料の表面に成膜する手法として、CVD法を改良したEVD法やCVI法が提案されているが、成膜速度が極めて遅いために実用的であるとは言い難い。
【0008】
このような課題を解決するため、金属マトリクス中に、例えば、炭素繊維や結晶性セルロースなどの可燃性物質、又は、Alや可溶性ガラス繊維のような可溶性物質を分散させたものを金属基支持体とし、この平滑性の高い金属基支持体上に電解質層を形成した後、分散層を除去するという方法が提案されている(特許文献1参照。)。
【0009】
【非特許文献1】
D.Ghosh et al.;Electrochemical Society Proceedings,Vol.99−19
【0010】
【特許文献1】
特開平6−88199号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記したように、金属マトリクスと分散層とを焼結した金属基支持体を用い、この金属基支持体上に電解質層を形成した後に分散層を除去するという方法では、電解質層が形成された表面近傍において、金属マトリクスに周囲を囲まれた分散層が除去されずマトリクス内に閉じ込められたままになってしまう可能性があるほか、分散層が除去される際に電解質層を破壊しながらマトリクス外に放出される危険性や、分散層が部分的に集中している場合においては、分散層が除去された後に生じる孔が大きくなって電解質層が破損する危険性がある。
【0012】
また、上記のように支持基体全面を多孔質化する方法では、ガスのクロスリークを防ぐために、電解質層を支持基体全面に形成しなければならないが、電解質層が形成される面積が大きければ大きい程、電解質層が有する応力も大きくなることから、電解質層と支持基体との熱膨張係数の違いにより生じる熱ストレスによって、セルが破損する危険性が高くなってしまうという問題があった。
【0013】
さらに、支持基体全面を多孔質化すると、支持基体側面からのガスリークをもシールするために、支持基体の側面にも電解質層のようなガス隔膜を形成したり、ガスシール性を持って何らかの部材を接合したりする必要があるが、この場合には、電解質層と支持基体との熱膨張係数差により生じる熱ストレスによって、当該部分において破損が起こり易くなり、上記と同様に、セルが破損する危険性が高くなってしまうという問題があり、これらの問題を解決することが従来の課題となっていた。
【0014】
【発明の目的】
本発明は、上記した従来の課題に着目してなされたものであり、温度変化などの様々なストレスに強い、耐久性に優れた燃料電池用セル体及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、燃料電池の開発にあたり、平滑性の高い金属支持体上に少なくとも電解質層及び一方の電極層を形成した後、上記金属支持体の電解質層を積層した側とは反対側の任意の位置に、化学エッチングなどの手法によって凹部を形成し、さらに、この凹部の底部分を多孔質化して成る燃料電池用セル体及びその製造方法を提案した。ここでいう化学エッチングとは、金属の表面を粗すためのエッチング技術であり、一般的には、プリント基板表面を覆う樹脂と基板内配線との密着力を高めるのに用いられる。そして、燃料電池の起動時及び停止時における急激な温度変化などによって生じるストレスに対して、より耐久性の高いセルの提供を目指し、様々な実験を行った結果、耐久性に優れる好適な構造を見出すに至った。
【0016】
すなわち、本発明の燃料電池用セル体は、電解質層と、燃料極層及び空気極層のうちの少なくとも一方の電極層を金属支持体上に形成して成る燃料電池用セル体において、上記金属支持体の電解質層を積層した側とは反対側に任意のパターンで凹部を形成すると共に、該凹部の底部分を多孔質化し、上記凹部の底部分にガス透過性を有するセル補強材を少なくとも1層積層する、又は、凹部の底部分における多数の微細孔にガス透過性を有するセル補強材を充填した構成としており、この構成の燃料電池用セル体を前述の従来の課題を解決するための手段としている。
【0017】
本発明において、多孔質化する前の金属支持体が平滑であることから、多孔質基板上に直接成膜するようにした従来の方法では困難であったガス不透過性の薄膜(数ミクロンオーダーの膜)を形成し得ることとなる。そして、このように各層を薄膜化すると、膜厚方向のオーム抵抗、すなわち、電解質層の酸素イオン伝導抵抗が小さくなるため、セルの出力が向上するのに加えて、膜の持つ応力を小さく抑え得ることから、膜の応力によるセル破壊の危険性が低くなる。
【0018】
また、金属支持体を多孔質化する際には、マスクを使用すれば任意の位置を多孔質化することができるため、セル体を形成する範囲を規定することができ、したがって、セル体の形成されていないガス透過性がない部分にはガス隔離膜などを形成しなくて済むこととなる。また、セル体を形成する範囲を小さくして、1つの金属支持体上に複数のセル体を分散して形成し得るので、1つのセル体の成膜面積が小さくなって膜が有する応力が小さくなり、この膜の応力によるセル破壊の危険性が低くなる。さらに、電解質層を金属支持体上全面に形成した場合、セル体以外の範囲の電解質層が破損しても、セル機能の低下につながることがなく、その結果、耐久性に優れたセル構造が得られることとなる。
【0019】
【発明の効果】
本発明の燃料電池用セル体では、上記した構成としているので、熱ストレスなどによる電解質層及び電極層の破損を防止することができ、したがって、耐久性の向上を実現することが可能となる。これにより、金属支持体の熱容量が小さいために急速な昇降温が可能であるが、その際の熱ストレスによってセルが破損しないことから、起動時間及び停止時間の短縮を実現することができるという非常に優れた効果がもたらされる。
【0020】
また、セル補強材がイオン伝導性や電子伝導性を有していたり、セル補強材が電極機能や触媒機能(反応過電圧低減機能、燃料改質機能、水素分離機能)などといった各種機能を備えていたりする構成となすことにより、セル出力の向上を実現することができるという優れた効果が得られるほか、セル補強材なしでは実現不可能な機能を有するセルを得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の特徴は、金属支持体上に少なくとも電解質層及び一方の電極層が形成され、金属支持体の電解質層を積層した側とは反対側が多孔質化された燃料電池用セル体において、多孔質化された部分にセル補強材を設けたことにある。
【0022】
上記したセル補強材は、少なくともガス透過性を有している必要がある。ガス透過性を有していれば反応場へのガス供給が達成されることから、セル補強材を形成したことによって、燃料電池の機能が損なわれるようなことはない。
【0023】
また、セル補強材は、少なくとも凹部の多孔質化された部の底部分に設けなくてはならない、すなわち、多孔質側からセル要素膜を被覆するように設けなくてはならないが、上記底部分に加えて凹部の側面ないし金属支持体の凹部を形成した側の面の凹部を除く部分にセル補強材を設ける場合もある。特に、セル補強材から形成されるセル補強層に各種機能、例えば、集電機能を持たせた場合には、金属支持体の合成抵抗が小さくなることから、セル出力の向上につながるといった効果が得られる。
【0024】
このように、セル補強材から形成されるセル補強層には各種機能を持たせることができるが、例えば、セル補強層がイオン伝導性を有していて、金属支持体が他方の電極として機能し、金属支持体上に電解質層及び一方の電極層が形成されている場合、セル補強層を電解質層としても機能させることができる。この場合、セル補強層の電解質層はガス透過性であるため、電解質層と他方の電極層(金属支持体)との接触部までガスが拡散させることができ、電解質層と他方の電極層(金属支持体)とガス層の3層界面が形成されて、電池反応が可能となる。したがって、有効セル面積が増加することから、セルの出力が向上する。また、上記以外の構造、例えば、金属支持体上に他方の電極層、電解質層及び一方の電極層が形成されている場合には、セル補強層にイオン伝導性が備わっていたとしても、セル補強層が電解質層として機能することはなく、セル補強層としてのみ機能する。
【0025】
一方、セル補強層が電子伝導性を有する場合、セル補強層は集電層としても機能することができ、これにより、セル体からの集電面積が増加して金属支持体の合成抵抗が減少するため、セルの出力が向上する。特に、金属支持体上に形成された他方の電極層が薄膜酸化物である場合には、この薄膜酸化物の水平方向への電子伝導抵抗が大きくなるものの、他方の電極層の直下に集電層が形成されることにより、厚み方向の電子伝導によっても集電が可能となるために電子伝導抵抗が小さくなり、集電層形成による効果が大きいものとなる。ここで、金属支持体も電子伝導性をもつため、見かけ上の構造は金属支持体が多孔質化されていない状態と同じであるが、金属支持体はガス透過性がないことから、このような構造では燃料電池として機能することができない。
【0026】
また、セル補強層が電子伝導性を有する燃料極層又は空気極層となる構造も可能である。金属支持体上に電解質層及び一方の電極層を形成すると共にセル補強層を他方の電極層として形成した場合には、金属支持体が他方の電極層として機能する場合と比較して、電解質層と他方の電極層の接触面積が増加するためにセル出力が向上する。
【0027】
この際、金属支持体上に他方の電極層、電解質層及び一方の電極層を形成し、化学エッチングによって裏面から金属支持体を多孔質化するという方法を採用すると、他方の電極層が金属である場合には、エッチングによって他方の電極層が金属支持体から剥離してしまうことが懸念される。しかしながら、上記したように、金属支持体上に電解質層及び一方の電極層を形成し、化学エッチングにより金属支持体を多孔質化した後に、他方の電極層としてセル補強層を形成するという方法を採用すれば、エッチング時に剥離してしまうような材料を用いて他方の電極層として形成することができる。
【0028】
セル補強層を燃料極層又は空気極層として機能させるためには、金属支持体上に電解質層及び一方の電極層を形成する構造が必要となる。それ以外の構造においては、セル補強層は集電層として機能するためセル出力が向上する。特に、セル補強層が金属である場合や、金属支持体上に形成された他方の電極層が酸化物電極である場合には、その効果が大きい。
【0029】
また、セル補強層が他方の電極として機能する際には、金属支持体は必ずしも他方の電極層として機能しなくてもよいが、他方の電極層として機能すれば電解質層との接触面積が増加するためセル出力が向上する。
【0030】
セル補強層には、反応過電圧を低減させる機能、炭化水素などの燃料から水素を生成する改質機能、水素を選択的に透過する水素分離機能などの各種の触媒機能を有する材料をも使用することができる。例えば、セル補強層に反応過電圧を低減させる機能を持つセル補強材を用いる場合には、反応過電圧によるセル電圧の低下が小さくなるため、セル出力が向上する。また、Ptのように触媒機能とともに電子伝導性を有するセル補強材をセル補強層に用いる場合には、集電層としても機能することから、セルの出力はより一層向上する。
【0031】
また、セル補強層が炭化水素などの燃料から水素を生成する改質機能を有する場合には、セル体に燃料の内部改質機能が備わって、外部改質器を伴わずにシステムを簡略化することができるため、コスト低下につながる。この際、多孔質化した凹部の底部分だけでなく、凹部の側面ないし金属支持体の全面にセル補強層を形成すれば、触媒面積の増加に伴って燃料改質の処理能力が向上するため、大電流放電時にも安定して水素を供給することができる。
【0032】
さらに、セル補強層が水素を選択的に透過する水素分離機能を有する場合には、反応場に水素のみを供給してセルの劣化原因となるようなガスを遮断することができるので、セルの耐久性が向上する。例えば、Niを燃料極層として使用する場合には、メタンなどの炭化水素系燃料が供給されると、燃料の改質反応などによって生成したCがNi表面へ析出し、これにより電極表面の活性点が減少する、すなわち、電極が劣化するという問題があるが、上記したようにセルの劣化原因となるようなガスを遮断することができる。
【0033】
ここで、セル補強層は必ずしも1層でなくてもよく、2層ないしそれ以上の積層型としてもよい。例えば、電極層+触媒層(水素分離機能)、電極層+電子伝導層の組み合わせなどが考えられるが、これらの組み合わせのみに限定されるものではない。
【0034】
セル補強層の形成方法は、蒸着法、スパッタリング法、印刷法、CVD法などが考えられるが、これらの方法のみに限定されるものではない。
【0035】
対象とするセル体は金属支持体上に少なくとも電解質層及び一方の電極層が形成されている必要があるが、その構造のみに限定されるものではなく、他方の電極層及び中間層が形成されていてもよい。
【0036】
金属支持体の材料としては、Fe,Ni,Cuのうちの少なくとも1種を含む金属、すなわち、ニッケルや銅のほか、Ni−Cu合金や、Ni基合金や、ステンレス鋼などを使用することができ、金属支持体の厚さとしては、10μm〜1mm程度の厚みのものを用いることが望ましい。さらに好適な条件としては、30μm〜500μmのものを用いることが望ましい。金属支持体の厚さが30μmに満たない場合には、成膜用基板としての取り扱いが難しくなり、一方、金属支持体の厚さが500μmを超える場合には、エッチングによる多孔質化時間が長くなってコスト高となることや、小型軽量化の効果が小さくなることが考えられる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
【0038】
(実施例1)
図1は、本発明の燃料電池用セル体の一実施例を示しており、図1に示すように、この燃料電池用セル体1は、金属支持体2の表面(図示上面)に、電解質層3及び空気極層(一方の電極層)4を順次積層してなっており、この実施例において、金属支持体2が燃料極層(他方の電極層)を兼ねるものとしてある。
【0039】
上記燃料極層を兼ねる金属支持体2の電解質層3を積層した側とは反対側(裏面、図示下面)には、底部分2aを多孔質化した凹部2Aが任意のパターンで形成してあり、この凹部2Aの底部分2aにおける多数の微細孔2bには、ガス透過性を有するセル補強材6が充填してある。
【0040】
この実施例では、金属支持体2として50μm×30mmφのNi圧延箔を使用し、その中心位置29mmφの領域に厚さ5μmの8YSZ(8mol%イットリア添加安定化ジルコニア)を電子ビーム(EB)蒸着法により700℃で加熱成膜することで電解質層3を形成し、続いて、8YSZから成る電解質層3上の中心位置20mmφの領域に厚さ1μmのAgをEB蒸着法により350℃で加熱成膜して空気極層4を形成した。
【0041】
そして、金属支持体2の成膜されていない裏面に対してエッチング液(メックNiラフナー)を300秒噴霧して、底部分2aを多孔質化した凹部2AをNi箔の中心位置10mmφの領域に任意のパターンで形成した後、凹部2Aの底部分2aにガス透過性を有するAl2O3をEB蒸着法により室温で成膜して、底部分2aにおける多数の微細孔2bに厚さ5μmのセル補強材6が充填された燃料電池用セル体1を作製した。この際、エッチングにより形成した凹部2Aの底部分2aにおける多数の微細孔2bの総開口面積は30mm2 であり、凹部2Aの面積の約40%であった。
【0042】
この燃料電池用セル体1では、金属支持体2の裏面に形成した凹部2Aにおいて、その多孔質化した底部分2aにおける多数の微細孔2bに、ガス透過性を有するセル補強材6を充填した構成としているので、熱ストレスなどによる電解質層3及び空気極層4の破損を防止し得ることとなり、その結果、耐久性が大幅に向上することとなる。
【0043】
(実施例2)
図2に示すように、この実施例では、金属支持体2として50μm×30mmφのインコネル箔を使用し、その中心位置29mmφの領域に厚さ5μmの8YSZをRFスパッタリング法により700℃で加熱成膜することで電解質層3を形成し、続いて、8YSZから成る電解質層3上の中心位置20mmφの領域に厚さ1μmのAgをEB蒸着法により350℃で加熱成膜して空気極層4を形成した。
【0044】
そして、金属支持体2の成膜されていない裏面に対してエッチング液を300秒噴霧して、底部分2aを多孔質化した凹部2AをNi箔の中心位置10mmφの領域に任意のパターンで形成した後、凹部2Aの底部分2aに対する8YSZのEB蒸着法による室温での成膜により、電解質層を兼ねる厚さ1μmのセル補強層6A(6)を形成して、燃料電池用セル体1を作製した。この際、エッチングにより形成した凹部2Aの底部分2aにおける多数の微細孔2bの総開口面積は30mm2であり、凹部2Aの面積の約40%であった。
【0045】
この燃料電池用セル体1では、金属支持体2の裏面に形成した凹部2Aの多孔質化した底部分2aにセル補強層6Aを積層しているので、上記した実施例の燃料電池用セル体1と同じく、熱ストレスなどによる電解質層3及び空気極層4の破損を防止し得ることとなって、耐久性の大幅な向上が図られることとなり、加えて、セル補強層6Aを電解質層としても機能させているので、電解質層3,6Aと他方の電極層を兼ねる金属支持体2との接触部がセルとして機能するため、セルの有効面積が増加して出力が向上することとなる。
【0046】
(実施例3)
図3に示すように、この燃料電池用セル体31は、金属支持体32の表面(図示上面)に、空気極層(他方の電極層)35,電解質層33及び燃料極層(一方の電極層)34を順次積層してなっており、金属支持体32の電解質層33を積層した側とは反対側(裏面、図示下面)には、底部分32aを多孔質化した凹部32Aが任意のパターンで形成してあり、この凹部32Aの底部分32a及び側面32cには、ガス透過性を有するセル補強層36Aが積層してある。
【0047】
この実施例では、金属支持体32として50μm×30mmφのハステロイB箔を使用し、その中心位置20mmφの領域に厚さ1μmのSSCをEB蒸着法により350℃で加熱成膜することで空気極層35を形成し、続いて、この空気極層35上の中心位置29mmφの領域に厚さ5μmの3YSZをEB蒸着法により700℃で加熱成膜して電解質層33を形成し、さらに、3YSZから成る電解質層33上の中心位置20mmφの領域に厚さ1μmのNiO−SDCをEB蒸着法により350℃で加熱成膜して燃料極層34を形成した。
【0048】
そして、金属支持体32の成膜されていない裏面に対してエッチング液を300秒噴霧して、底部分32aを多孔質化した凹部32AをハステロイB箔の中心位置10mmφの領域に任意のパターンで形成した後、凹部32Aの底部分32a及び側面32cに対するAgのEB蒸着法による300℃での成膜により、集電層を兼ねる厚さ1μmのセル補強層36A(36)を形成して、燃料電池用セル体31を作製した。この際、エッチングにより形成した凹部32Aの底部分32aにおける多数の微細孔32bの総開口面積は30mm2であり、凹部32Aの面積の約40%であった。
【0049】
この燃料電池用セル体31では、金属支持体32の裏面に形成した凹部32Aの多孔質化した底部分32a及び側面32cにセル補強層36Aを積層しているので、上記した実施例の燃料電池用セル体1と同じく、熱ストレスなどによる電解質層33及び両電極層34,35の破損を防止し得ることとなって、耐久性の大幅な向上が図られることとなり、加えて、セル補強層36Aを集電層としても機能させているので、集電面積が増加して金属支持体32の合成抵抗が減少するため、セルの出力が向上することとなる。
【0050】
(実施例4)
この実施例では、金属支持体2として50μm×30mmφのNi圧延箔を使用し、その中心位置29mmφの領域に厚さ5μmの8YSZをRFスパッタリング法により700℃で加熱成膜することで電解質層3を形成し、続いて、8YSZから成る電解質層3上の中心位置20mmφの領域に厚さ1μmのAgをEB蒸着法により350℃で加熱成膜して空気極層4を形成した。
【0051】
そして、金属支持体2の成膜されていない裏面に対してエッチング液を300秒噴霧して、底部分2aを多孔質化した凹部2AをNi箔の中心位置10mmφの領域に任意のパターンで形成した後、凹部2Aの底部分2aに対するNiのEB蒸着法による室温での成膜により、燃料極層を兼ねる厚さ1μmのセル補強層6A(6)を形成して、燃料電池用セル体1を作製した。この際、エッチングにより形成した凹部2Aの底部分2aにおける多数の微細孔2bの総開口面積は30mm2 であり、凹部2Aの面積の約40%であった(図2参照)。
【0052】
この燃料電池用セル体1においても、金属支持体2の裏面に形成した凹部2Aの多孔質化した底部分2aにセル補強層6Aを積層しているので、上記した実施例の燃料電池用セル体1と同じく、熱ストレスなどによる電解質層3及び空気極層4の破損を防止し得ることとなって、耐久性の大幅な向上が図られることとなり、加えて、セル補強層6Aを燃料極層としても機能させているので、金属支持体のみが燃料極層として機能する場合と比較して、電解質層3と燃料極層との接触面積が増加するため、セル出力が向上することとなる。
【0053】
(実施例5)
この実施例では、金属支持体2として50μm×30mmφの42Alloy箔を使用し、その中心位置29mmφの領域に厚さ5μmのLSGMをEB蒸着法により700℃で加熱成膜することで電解質層3を形成し、続いて、LSGMから成る電解質層3上の中心位置20mmφの領域に厚さ1μmのLSCをEB蒸着法により300℃で加熱成膜して空気極層4を形成した。
【0054】
そして、金属支持体2の成膜されていない裏面に対してエッチング液を300秒噴霧して、底部分2aを多孔質化した凹部2Aを42Alloy箔の中心位置10mmφの領域に任意のパターンで形成した後、凹部2Aの底部分2aに対するRuのEB蒸着法による300℃での成膜により、反応過電圧低下触媒層及び集電層を兼ねる厚さ1μmのセル補強層6A(6)を形成して、燃料電池用セル体1を作製した。この際、エッチングにより形成した凹部2Aの底部分2aにおける多数の微細孔2bの総開口面積は30mm2 であり、凹部2Aの面積の約40%であった(図2参照)。
【0055】
この燃料電池用セル体1においても、金属支持体2の裏面に形成した凹部2Aの多孔質化した底部分2aにセル補強層6Aを積層しているので、上記した実施例の燃料電池用セル体1と同じく、熱ストレスなどによる電解質層3及び空気極層4の破損を防止し得ることとなって、耐久性の大幅な向上が図られることとなる。加えて、この燃料電池用セル体1では、触媒機能とともに電子伝導性を有するRuをセル補強層6Aに用いることで、セル補強層6Aを反応過電圧低下触媒層のみならず集電層としても機能させているので、セルの出力がより一層向上することとなる。
【0056】
(実施例6)
図4に示すように、この燃料電池用セル体41は、金属支持体42の表面(図示上面)に、燃料極層(他方の電極層)45,中間層47,電解質層43及び空気極層(一方の電極層)44を順次積層してなっており、金属支持体42の電解質層43を積層した側とは反対側(裏面、図示下面)には、底部分42aを多孔質化した凹部42Aが任意のパターンで形成してあり、この凹部42Aの底部分42a,側面42c及び凹部42Aを除く裏面全面には、ガス透過性を有するセル補強層46Aが積層してある。
【0057】
この実施例では、金属支持体32として50μm×30mmφのNi圧延箔を使用し、その中心位置20mmφの領域に厚さ1μmのNiO−SDCをEB蒸着法により300℃で加熱成膜して燃料極層45を形成すると共に、この燃料極層45上の中心位置29mmφの領域に厚さ1μmのSDCをEB蒸着法により700℃で加熱成膜することで中間層47を形成し、続いて、この中間層47上の中心位置29mmφの領域に厚さ4μmの8YSZをEB蒸着法により700℃で加熱成膜して電解質層43を形成し、さらに、8YSZから成る電解質層43上の中心位置20mmφの領域に厚さ1μmのAgをEB蒸着法により350℃で加熱成膜して空気極層44を形成した。
【0058】
そして、金属支持体42の成膜されていない裏面に対してエッチング液を300秒噴霧して、底部分42aを多孔質化した凹部42AをNi圧延箔の中心位置10mmφの領域に任意のパターンで形成した後、凹部42Aの底部分42a,側面42c及び凹部42Aを除く裏面全面に対するNi/Al2O3−MgOのEB蒸着法による300℃での成膜により、燃料改質触媒層を兼ねる厚さ1μmのセル補強層46A(6)を形成して、燃料電池用セル体41を作製した。この際、エッチングにより形成した凹部42Aの底部分42aにおける多数の微細孔42bの総開口面積は30mm2 であり、凹部42Aの面積の約40%であった。
【0059】
この燃料電池用セル体41では、金属支持体42の裏面に形成した凹部42Aの多孔質化した底部分42に加えて凹部42Aの側面42c及び凹部42Aを除く裏面全面にもセル補強層46Aを積層しているので、上記した実施例の燃料電池用セル体1と同じく、熱ストレスなどによる電解質層43及び両電極層44,45の破損を防止し得ることとなって、耐久性の大幅な向上が図られることとなる。
【0060】
また、この燃料電池用セル体41では、セル補強層46Aが炭化水素などの燃料から水素を生成する燃料改質触媒機能を有しているので、セル体41に燃料の内部改質機能が備わることとなって、外部改質器を伴わずにシステムを簡略化することができるため、コストの低減が図られることとなり、この際、多孔質化した凹部42Aの底部分42aだけでなく、凹部42Aの側面42cないし金属支持体42の裏面全面にもセル補強層46Aを積層しているので、触媒面積の増加に伴って燃料改質の処理能力が向上することとなり、したがって、大電流放電時にも安定して水素を供給し得ることとなる。
【0061】
(実施例7)
図5に示すように、この実施例では、金属支持体52として50μm×30mmφのNi圧延箔を使用し、その中心位置29mmφの領域に厚さ5μmの3YSZをRFスパッタリング法により700℃で加熱成膜することで電解質層53を形成し、続いて、3YSZから成る電解質層53上の中心位置20mmφの領域に厚さ1μmのLSCをRFスパッタリング法により300℃で加熱成膜して空気極層54を形成した。
【0062】
そして、金属支持体52の成膜されていない裏面に対してエッチング液を300秒噴霧して、底部分52aを多孔質化した凹部52AをNi箔の中心位置10mmφの領域に任意のパターンで形成した後、凹部52Aの底部分52aにガス透過性を有するNi−SDCをEB蒸着法により300℃で成膜して、底部分2aにおける多数の微細孔2bに厚さ1μmの燃料極層を兼ねるセル補強材56を充填し、続いて、凹部52Aの底部分52a,側面52c及び凹部52Aを除く裏面全面、並びに、上記Ni−SDCに対するシリカのCVDによる成膜により、水素分離層を兼ねる厚さ10μmのセル補強層56A(56)を形成して、燃料電池用セル体51を作製した。この際、エッチングにより形成した凹部52Aの底部分52aにおける多数の微細孔52bの総開口面積は30mm2であり、凹部52Aの面積の約40%であった。
【0063】
この燃料電池用セル体51では、金属支持体52の裏面に形成した凹部52Aにおいて、その多孔質化した底部分52aにおける多数の微細孔52bに、ガス透過性を有するセル補強材56を充填しているのに加えて、金属支持体52の裏面及び凹部52Aの全体にセル補強層56Aを積層しているので、上記した実施例の燃料電池用セル体1と同じく、熱ストレスなどによる電解質層53及び空気極層54の破損を防止し得ることとなって、耐久性の大幅な向上が図られることとなる。
【0064】
また、この燃料電池用セル体51では、セル補強層56Aが水素を選択的に透過する水素分離機能を有しているので、反応場に水素のみを供給してセルの劣化原因となるようなガスを遮断することができ、その結果、セルの耐久性が向上することとなる。
【0065】
(実施例8)
図6に示すように、この実施例では、金属支持体62として50μm×30mmφの42Alloy箔を使用し、その中心位置20mmφの領域に厚さ2μmのNiO−8YSZをRFスパッタリング法により300℃で加熱成膜して燃料極層65を形成すると共に、この燃料極層65上の中心位置29mmφの領域に厚さ0.5μmのSDCをRFスパッタリング法により700℃で加熱成膜することで中間層67を形成し、続いて、この中間層67上の中心位置29mmφの領域に厚さ4μmの8YSZをRFスパッタリング法により700℃で加熱成膜して電解質層63を形成し、さらに、8YSZから成る電解質層63上の中心位置20mmφの領域に厚さ1μmのSSCをRFスパッタリング法により300℃で加熱成膜して空気極層64を形成した。
【0066】
そして、金属支持体62の成膜されていない裏面に対してエッチング液を300秒噴霧して、底部分62aを多孔質化した凹部62Aを42Alloy箔の中心位置10mmφの領域に任意のパターンで形成した後、凹部62Aの底部分62a,側面62c及び凹部62Aを除く裏面全面に対するNiのEB蒸着法による350℃での成膜により、集電層を兼ねる厚さ1μmのセル補強層66A(66)を形成して、燃料電池用セル体61を作製した。
【0067】
上記方法により作製した燃料電池用セル体61を複数個積層し、燃料電池スタック10を作製した。なお、図6における符号11は金属薄板、符号12はスペーサ、符号13は集電用金属薄板である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池用セル体の一実施例を示す部分断面説明図である。
【図2】本発明の燃料電池用セル体の他の実施例を示す部分断面説明図である。
【図3】本発明の燃料電池用セル体のさらに他の実施例を示す部分断面説明図である。
【図4】本発明の燃料電池用セル体のさらに他の実施例を示す部分断面説明図である。
【図5】本発明の燃料電池用セル体のさらに他の実施例を示す部分断面説明図である。
【図6】本発明の燃料電池用セル体を積層してなる燃料電池スタックを示す断面説明図である。
【符号の説明】
1,31,41,51,61 燃料電池用セル体
2,32,42,52,62 金属支持体
2A,32A,42A,52A,62A 凹部
2a,32a,42a,52a,62a 凹部の底部分
2b,32b,42b,52b,62b 微細孔
32c,42c,52c,62c 凹部の側面
3,33,43,53,63 電解質層
4,35,44,54,64 空気極層
34,45,65 燃料極層
6,36,46,56,66 セル補強材
6A,36A,46A,56A,66A セル補強層
10 燃料電池スタック
Claims (12)
- 電解質層と、燃料極層及び空気極層のうちの少なくとも一方の電極層を金属支持体上に形成して成る燃料電池用セル体において、上記金属支持体の電解質層を積層した側とは反対側に任意のパターンで凹部を形成すると共に、該凹部の底部分を多孔質化し、上記凹部の底部分にガス透過性を有するセル補強材を少なくとも1層積層する、又は、凹部の底部分における多数の微細孔にガス透過性を有するセル補強材を充填したことを特徴とする燃料電池用セル体。
- 金属支持体上に任意のパターンで形成した凹部の側面にもガス透過性を有するセル補強材を少なくとも1層積層した請求項1に記載の燃料電池用セル体。
- 金属支持体の凹部を形成した側の面の凹部を除く部分にもガス透過性を有するセル補強材を少なくとも1層積層した請求項1又は2に記載の燃料電池用セル体。
- セル補強材がイオン伝導性を有している請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の燃料電池用セル体。
- セル補強材が電子伝導性を有している請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の燃料電池用セル体。
- セル補強材から成るセル補強層が電極層を兼ねている請求項5に記載の燃料電池用セル体。
- 金属支持体の凹部の底部分に積層したセル補強材から成るセル補強層が触媒機能を有している請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の燃料電池用セル体。
- 凹部の底部分の多孔質化した部分における多数の微細孔の総開口面積が凹部の面積よりも小さい請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の燃料電池用セル体。
- 金属支持体がFe,Ni,Cu,Cr,Mo及びWのうちの少なくとも1種の元素を含む金属である請求項1〜8のいずれか1つの項に記載の燃料電池用セル体。
- 金属支持体の厚さが10μm〜1mmである請求項1〜9のいずれか1つの項に記載の燃料電池用セル体。
- 請求項1〜10のいずれか1つの項に記載の燃料電池用セル体を製造するに際して、金属支持体上に電解質層及び電極層を順次積層するのに続いて、上記金属支持体の電解質層を積層した側とは反対側に任意のパターンで凹部を形成すると共に該凹部の底部分を多孔質化した後、上記凹部の底部分にガス透過性を有するセル補強材を少なくとも1層積層する、又は、凹部の底部分における多数の微細孔にガス透過性を有するセル補強材を充填することを特徴とする燃料電池用セル体の製造方法。
- 請求項1〜10のいずれか1つの項に記載の燃料電池用セル体を複数個積層して成ることを特徴とする燃料電池スタック。
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