JP2004278682A - 線管類保持用クリップ - Google Patents
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Abstract
【課題】ハーネス6を保持するクリップ10において、クリップ10のハーネス6に対する保持の安定性、信頼性を高める。
【解決手段】クリップ10は、バンパ1の取付部2の突出方向に開放され、ハーネス6を内部に収容して保持する略U字状の保持部11と、この保持部11の下側部11aから略U字状に折り曲げられ、下側部11aとの間に上記バンパ1の取付部2に外嵌合される嵌合凹部22を形成する固定部17と、保持部11の上側部11bの先端から折り曲げられて保持部11の下側部11aの先端に対向するように延びる延長部25とを備え、延長部25と延長部25に対向する保持部11の下側部11a先端との間に嵌入口28を形成し、保持部11の上側部11b及び延長部25の間に、嵌入口28の間隔を保持部11内に向かって徐々に拡大するトラップ部30を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】クリップ10は、バンパ1の取付部2の突出方向に開放され、ハーネス6を内部に収容して保持する略U字状の保持部11と、この保持部11の下側部11aから略U字状に折り曲げられ、下側部11aとの間に上記バンパ1の取付部2に外嵌合される嵌合凹部22を形成する固定部17と、保持部11の上側部11bの先端から折り曲げられて保持部11の下側部11aの先端に対向するように延びる延長部25とを備え、延長部25と延長部25に対向する保持部11の下側部11a先端との間に嵌入口28を形成し、保持部11の上側部11b及び延長部25の間に、嵌入口28の間隔を保持部11内に向かって徐々に拡大するトラップ部30を形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の電線やその集合体(ハーネス)、配管等の線管類を被取付体に固定保持するための線管類保持用クリップに関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、例えば自動車等の車両においては、電気部品に電源電力を供給し或いは信号を授受するための複数本の電線を束ねた集合体であるワイヤハーネスが設けられている。また、例えばウィンドガラス等に洗浄液を吹き付けるためのウォッシャ液をウォッシャタンクからウォッシャノズルに供給するための配管等も設けられている。このような電線や配管等の線管類は、そのままの状態では垂れ下がったり振動したりするので、それらを途中(中間部)の複数箇所で車体等に保持手段により固定保持しておく必要がある。
【0003】
この線管類を車体等の被取付体に固定保持するための保持手段として、従来、例えば特許文献1に示されるように、略円弧状に湾曲して内部にハーネス(線管類)を保持する少なくとも1つの保持部と、この保持部の一端部に設けられ、被取付体に取り付けられる取付部と、保持部の他端部に設けられ、保持部内から離れるに伴って取付部(一端部)から離れるように折り曲げられてなる爪部とを備えた塑性変形可能な板状部材からなるクリップが提案されている。
【0004】
この提案のクリップでは、保持部内にハーネス(線管類)を挿入した状態で爪部を押圧することで、そのハーネスの保持部内の挿入を容易にするとともに、変形した保持部の全体又は両側部の弾性力でハーネスを挟み込んで固定し、その外れを規制するようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8―28516号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の特許文献1のものでは、変形した保持部の全体又は両側部でハーネスを挟み込み、その弾性力のみでハーネスを固定保持しているので、例えばハーネスを挿入方向と反対の方向に強く引っ張ると、保持部が弾性変形して両側部間の開口が開いてしまい、その開口からハーネスが容易に抜け出て外れるという問題があった。
【0007】
例えば、先端にコネクタを有するハーネスを仮止用テープで被取付体に仮止めしておき、そのコネクタを相手側のコネクタに接続するために、そのコネクタをハーネスと共に該ハーネスの長さ方向と略直交する方向に引っ張った場合(詳しくは引張りによりハーネスが長さ方向と略直交する方向に移動する)、そのハーネスの引張方向が不特定であるので、上記提案例のようなクリップを用いると、ハーネスの引張方向の如何によっては、そのハーネスが簡単に保持部から抜け出ることが生じ、ハーネスの確実な保持ができず、その保持の信頼性や安定性に欠けることとなる。
【0008】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハーネスや配管等の線管類を保持するクリップの構造に改良を施すことで、そのクリップに保持されている線管類がそれに略直交するどのような方向に引っ張られて移動してもクリップから外れ難くし、クリップの線管類に対する保持の安定性、信頼性を高めることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明では、断面略矩形状の突部を有する被取付体に線管類を保持するための弾性を有する線管類保持用クリップとして、以下の特定事項を備えているものとする。
【0010】
すなわち、クリップは、上記被取付体の突部の突出方向に開放されかつ上記線管類を内部に収容して保持する略U字状の保持部と、この保持部の一側部から略U字状に折り曲げられ、該一側部との間に上記被取付体の突部を外嵌合する嵌合凹部を形成する固定部と、上記保持部の他側部の先端から折り曲げられて保持部の一側部の先端に対向するように延びる延長部とを備えている。そして、上記延長部と、この延長部に対向する上記保持部の一側部先端との間に、上記線管類を保持部内に嵌入するための嵌入口が形成されており、上記保持部の他側部及び延長部の間に、上記嵌入口の間隔を保持部内に向かって徐々に拡大するトラップ部が形成されている。
【0011】
上記の構成によると、線管類をクリップの保持部内に嵌入するときには、その線管類を、保持部の一側部先端と、保持部の他側部の先端から折り曲げられて保持部の一側部の先端に対向するように延びる延長部との間に形成されている嵌入口を経由して保持部内に嵌入すればよい。こうして保持部内に収容された線管類が長さ方向と略直交する方向に引っ張られて同方向に移動した場合、▲1▼その引張方向が保持部の一側部に向かう方向であると、その一側部に当接して、▲2▼また引張方向が保持部の他側部に向かう方向(一側部に向かう方向と反対方向)であると、その他側部に当接して、▲3▼さらに引張方向が保持部内の奥底部に向かう方向であると、その奥底部に当接して、それぞれ規制される。
【0012】
そして、▲4▼引張方向が保持部内からその嵌入口に向かう方向(奥底部に向かう方向と反対方向)であるとき、その保持部の他側部及び延長部の間にトラップ部が形成され、このトラップ部は、嵌入口の間隔を保持部内に向かって徐々に拡大する形状で、保持部内から嵌入口に向かう方向に移動する線管類に対しそれを係止するフック状になっているので、上記引っ張られて移動する線管類はトラップ部に引っ掛かって係止され、その係止状態からさらに、それまで移動してきた嵌入口に向かう方向と略直交する方向(上記▲1▼と平行な方向)の位置にある嵌入口には移動しない。
【0013】
したがって、クリップに保持されている線管類はそれに略直交するどのような方向に引っ張られてもクリップから外れ難くなり、よって、クリップの線管類に対する保持の安定性、信頼性を高めることができる。
【0014】
請求項2の発明では、上記被取付体は車両のバンパであり、クリップは該バンパの裏面に線管類を保持するように構成されたものとする。こうすると、バンパの裏面に線管類をクリップにより確実に保持することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0016】
図4は車両前側の樹脂製バンパ1を後側(裏側)から見て示し、このバンパ1の左右両側にはそれぞれランプ取付用の開口部(図示せず)が開けられ、この各開口部には補助ランプとしてのフォグランプ4が取り付けられている。バンパ1の裏面には、上記各フォグランプ4に接続される線管類としてのハーネス6(電線集合体)がバンパ1の長さ方向(車幅方向)に沿って配置され、このハーネス6の一端部には車体電源側のコネクタ(図示せず)に接続するためのランプ側コネクタ7が接続され、他端部及び中間部は各フォグランプ4に接続されている。また、上記ランプ側コネクタ7が各種作業時や運搬時等でふらつかないようにするために、そのランプ側コネクタ7近くのハーネス6は仮止用テープ8によりバンパ1裏面に貼り付けられて仮止め固定されている。
【0017】
そして、上記ハーネス6の長さ方向の途中部分(中間部)は本発明の実施形態1に係る複数(図示例では5つ)の線管類保持用クリップ10,10,…(以下、実施形態では単にクリップと称する)によりバンパ1裏面に沿った状態で保持されている。
【0018】
すなわち、図1に示すように、上記バンパ1の裏面において、ハーネス6を保持すべき部位には、車両の後側に向かって突出する断面略矩形状の突部からなる複数の取付部2,2,…が一体に形成され、この各取付部2にハーネス6を保持するためのクリップ10が取付固定されている。
【0019】
図2及び図3にも示す如く、上記各クリップ10は、弾性(復元性)を有する金属製板ばね材や樹脂製板材等を折り曲げてなるもので、バンパ1の各取付部2の突出方向、つまり車両の後側(図1及び図2で左側)に開放されるように略U字状に折り曲げられた保持部11を備え、この保持部11内に上記ハーネス6を収容して保持するようになっている。
【0020】
図3に示すように、この保持部11の幅方向中央部には、その奥底部11cから他側部たる上側部11bの先端近くまでの範囲に亘り矩形状に切り抜いてなる開口12(図1及び図2には示していない)が形成され、この開口12により保持部11が弾性変形し易くなっている。すなわち、クリップ10の材料の弾性を強くした場合、その保持部11の上側部11bが変形し難く、保持部11内に後述の嵌入口28からハーネス6をスムーズに嵌入しづらくなるので、開口12を形成して上側部11bの変形を容易に調整できるようにしている。
【0021】
尚、ハーネス6は複数の電線の集合体であるので、その断面形状は複数の電線を束ねた形状となるが、図1及び図2では便宜のために断面円形状のもので記載している。
【0022】
上記保持部11の一側部たる下側部11aには、その先端(車両後側端)から略U字状に折り曲げられて当該下側部11aの下側を平行に延びる固定部17が接続され、この固定部17と下側部11aとの間には車両前側(バンパ1側)に開放された嵌合凹部22が形成されており、この嵌合凹部22を上記バンパ1裏面の取付部2にその先端側から近付けて外嵌合するようにしている。
【0023】
図3に示すように、上記保持部11の下側部11aの幅方向中央部には矩形状の開口13が切り抜いて形成され、この開口13において保持部11の奥底部11c側の縁部には、固定部17(下側)に向かって下側部11aの先端側に向かうように斜め下向きに傾斜する先細り状の係止爪14が折り曲げられて一体に形成されている。一方、固定部17の幅方向両側にはそれぞれ矩形状の切欠き18,18が形成され、この各切欠き18において保持部11の奥底部11c側の縁部において上記係止爪14に対応する位置には、保持部11の下側部11a(上側)に向かって下側部11aの先端側に向かうように斜め上向きに傾斜する先細り状の係止爪19が折り曲げられて一体に形成されており、保持部11の下側部11aと固定部17との間の嵌合凹部22にバンパ1裏面の取付部2を嵌合した状態で、その嵌合凹部22が取付部2から抜け出す方向に移動しようとしたときに、上記3つの係止爪14,19,19をそれぞれ取付部2の上下面に食い込ませて嵌合凹部22からの取付部2の抜出しを阻止するようにしている。尚、上記係止爪14,19は図1及び図2に示していない。
【0024】
上記保持部11の他側部たる上側部11bは先端側に向かって下側部11a側に向かうように傾斜している。つまり、保持部11において上側部11b及び下側部11a間の間隔は、保持部11の開放口側から奥底部11c側に向かって徐々に広くなっている。この上側部11bには、その先端から略下向きに折り曲げられて保持部11の下側部11a(一側部)の先端部つまり嵌合凹部22の底部22aに対向するように延びる延長部25が形成され、この延長部25と、延長部25に対向する上記保持部11の下側部11a先端部(嵌合凹部22の底部22a)との間には、上記ハーネス6を保持部11内に嵌入するための嵌入口28が形成されている。
【0025】
そして、上記延長部25は、保持部11における上側部11bの先端から、下側に向かって保持部11の下側部11a(一側部)の先端部つまり嵌合凹部22の底部22aに向かうように斜め下向きに折り曲げられており、この保持部11の上側部11bの先端部及び延長部25の間には、保持部11の上側部11bに対し鋭角に折れ曲がって、保持部11内の下側部11a上面に沿って移動するハーネス6に対しフック状になるトラップ部30が形成され、このトラップ部30により、上記嵌入口28の間隔が、入口側たる下端から保持部11内に対応する奥側たる上端に向かうに連れて徐々に拡大するようになっている。
【0026】
尚、上記延長部25の下端には操作部32が折り曲げられて一体に形成され、この操作部32は、保持部11の奥底部11cと反対側(保持部11の奥底部11cから開放口側に向かう方向)に向かって上側に向かうように傾斜している。
【0027】
したがって、この実施形態において、バンパ1の開口部にフォグランプ4,4を取り付け、その各フォグランプ4から延びたハーネス6の中間部をバンパ1裏面にクリップ10,10,…を介して固定保持する。
【0028】
まず、この各クリップ10をバンパ1裏面に取り付けるときには、クリップ10における保持部11の下側部11aとその下側に位置する固定部17との間に形成されている嵌合凹部22をバンパ1裏面の取付部2に外嵌合して取り付ける。
【0029】
その際、保持部11の下側部11aには斜め下向きに傾斜する先細り状の1つの係止爪14が、また固定部17には斜め上向きに傾斜する先細り状の2つの係止爪19,19がそれぞれに形成されているので、保持部11の下側部11aと固定部17との間の嵌合凹部22にバンパ1裏面の取付部2を嵌合した状態で、その嵌合凹部22が取付部2から抜け出す方向に移動しようとしても、上記3つの係止爪14,19,19が取付部2の上下面に食い込むようになり、嵌合凹部22からの取付部2の抜出しが阻止され、よってクリップ10のバンパ1からの脱落を確実に防止することができる。
【0030】
次いで、こうしてバンパ1裏面の取付部2に取り付けられた各クリップ10に対し、ハーネス6を保持する。その場合、図1に示すように、その各クリップ10の操作部32をクリップ10の弾発力に抗して持ち上げると、このクリップ10の弾性により、保持部11の上側部11bが基端部を略中心として図1で時計回り方向に回動し、延長部25と、延長部25に対向する保持部11の下側部11a先端部(嵌合凹部22の底部22a)との間に形成されている嵌入口28が開いてその間隔が大きくなる。この状態で図1に二点鎖線の矢印にて示す如く、この嵌入口28に下側からハーネス6を押し込み、そのハーネス6を嵌入口28を経て保持部11内に収容すればよい。このようなハーネス6の収容後、操作部32を離すと、上記保持部11の上側部11bが基端部を略中心として図1で反時計回り方向に回動して元に戻り、嵌入口28が閉じてハーネス6が保持部11内に収容保持される。
【0031】
この後、ランプ側コネクタ7近くのハーネス6を仮止用テープ8によりバンパ1裏面に貼り付けて仮止めする。
【0032】
そして、バンパ1を車体側に組み付けた後、ランプ側コネクタ7をハーネス6と共にバンパ1の裏面から離れる方向に引っ張ると、仮止用テープ8がバンパ1から剥がれ、ハーネス6が長さ方向と略直交する上記方向に移動したとき、そのハーネス6がクリップ10の保持部11から抜け出ようとし、特にランプ側コネクタ7に一番近いクリップ10では抜け出す可能性が高くなる。
【0033】
しかし、この実施形態では、上記の如く、各クリップ10の保持部11内に収容されたハーネス6が長さ方向と直交する方向、すなわちバンパ1の裏面から離れる方向に引っ張られて同方向に移動しても、その保持部11からの抜出しが確実に阻止される。
【0034】
例えば、図1に示すように、ハーネス6の引張りによる移動方向が保持部11の下側部11aに向かう下方向D(図1で下方向)であって、その方向Dに大きな力で移動しようとしても、ハーネス6はその下側部11aに当接するのみとなり、嵌入口28に向かって移動して保持部11から抜け出ることはない。
【0035】
また、ハーネス6の移動方向が保持部11の上側部11bに向かう上方向U(図1で上方向)であって、その方向Uにある程度大きな力で移動しようとしても、ハーネス6はその上側部11bに当接するのみとなり、嵌入口28に向かって移動して保持部11から抜け出ることはない。
【0036】
さらに、ハーネス6の引張りによる移動方向が保持部11内の奥底部11cつまりバンパ1側に向かう車両前方向F(図1で右方向)であって、その方向Fに大きな力で移動しようとしても、ハーネス6はその奥底部11cに当接するのみとなり、嵌入口28に向かって移動して保持部11から抜け出ることはない。よって、これら3つの方向D,U,Fにハーネス6が移動して保持部11から抜け出るのを防止できるとともに、それら3つの方向の間の中間方向にハーネス6が移動して保持部11から抜け出るのも防止できる。
【0037】
そして、ハーネス6の引張りによる移動方向が保持部11内からその嵌入口28に向かう車両後方向R(図1で左方向)であると、その保持部11の上側部11b及び延長部25の間にトラップ部30が形成され、このトラップ部30は、嵌入口28の間隔を保持部11内に向かって徐々に拡大する形状で、保持部11内から嵌入口28に向かう方向に移動するハーネス6に対しそれを係止するフック状になっているので、図2に示す如く、上記引っ張られて移動するハーネス6はトラップ部30に引っ掛かって係止され、それ以上の同方向の移動が規制されたままとなり、その係止状態からさらに、それまでの嵌入口28に向かう移動方向Rと略直交する下方向Dの位置にある嵌入口28には移動しない。
【0038】
上記ランプ側コネクタ7を持ってハーネス6を引っ張りテープ8を剥がす操作を行う際には、そのハーネス6を車両後方向Rに引っ張った後に続けて下方向Dに方向転換してさらに引っ張るような操作(図2の状態からさらに下方向Dに移動するように引っ張る操作)をすることがないので、ハーネス6が嵌入口28から抜け出ることはない。
【0039】
以上により、クリップ10に保持されているハーネス6はそれに略直交するどのような方向に引っ張られて移動しても保持部11内から出てクリップ10から外れ難くなり、よって、クリップ10のハーネス6に対する保持の安定性、信頼性を高めることができる。
【0040】
尚、上記実施形態では、バンパ1裏面に断面略矩形状の突部からなる複数の取付部2,2,…を間隔をあけて形成しているが、取付部はバンパ1の長さ方向に沿って連続して突条状に設けることもできる。
【0041】
(実施形態2)
図5及び図6は本発明の実施形態2を示し(尚、図1〜図4と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、クリップ10における固定部17及び嵌合凹部22の構造を変更したものである。
【0042】
すなわち、この実施形態では、クリップ10における保持部11の下側部11a(一側部)には、その幅方向の一側部から略U字状に折り曲げられて当該下側部11aの下側を平行に延びる固定部17が接続され、この固定部17と下側部11aとの間に、上記保持部11の下側部11aの幅方向の他側部側(車幅方向の一側)に開放された嵌合凹部22が形成されており、この嵌合凹部22を上記バンパ1裏面の取付部2にその先端側から近付けてスライド状に外嵌合するようにしている。
【0043】
尚、嵌合凹部22の開放側の上下両端部、つまり保持部11の下側部11aの幅方向の他側部と、固定部17の幅方向の両側部のうちで上記下側部11aの幅方向の他側部に対応する側部とにはそれぞれ互いに近付く方向に折れ曲がった折曲げ部35,36が形成されており、これら折曲げ部35,36をバンパ1裏面における取付部2の一側面の上下端部に部分的に当接させることで、その取付部2を下側部11a、固定部17及び折曲げ部35,36の間に抱持するようにしている。
【0044】
その他の構成は上記実施形態1と同様である。よって、この実施形態でも実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0045】
(他の実施形態)
尚、上記実施形態では、車両前側のバンパ1裏面の取付部2にクリップ10を嵌入口28が車両下方側に開放されるように取り付けているが、この嵌入口28が車両上方側に開放されるように取り付けてもよい。
【0046】
また、本発明は、車両後側のバンパの裏面にハーネスをクリップ10により保持する場合にも適用が可能である。
【0047】
さらに、クリップ10の固定部17の構造は上記各実施形態のものに限定されず、保持部11の一側部から略U字状に折り曲げられて、一側部との間に被取付体の突部に外嵌合される嵌合凹部を形成するものであればよい。
【0048】
また、保持部11の下側部11aと固定部17との間の嵌合凹部22に取付部2を嵌合して取り付ける場合に、ねじ止め等の締結固定手段を追加して固定してもよい。
【0049】
さらに、上記実施形態は、バンパ1裏面にハーネス6を取り付ける場合であるが、本発明は配管、ハーネスと配管との集合体やその他の線管類を取り付ける場合にも適用することができる。また、線管類は断面円形状等のものの他に、断面矩形状等、各種断面形状のものであってもよい。さらに、クリップ10が取り付けられる被取付体はバンパに限らない。要は、線管類を被取付体に保持する場合であれば本発明の適用ができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によると、断面略矩形状の突部を有する被取付体に線管類を保持するための弾性を有する線管類保持用クリップとして、被取付体の突部の突出方向に開放され、線管類を内部に収容して保持する略U字状の保持部と、この保持部の一側部から略U字状に折り曲げられ、一側部との間に上記被取付体の突部を外嵌合する嵌合凹部を形成する固定部と、保持部の他側部の先端から折り曲げられて保持部の一側部の先端に対向するように延びる延長部とを備え、延長部と延長部に対向する保持部の一側部先端との間に嵌入口を形成し、保持部の他側部及び延長部の間に、嵌入口の間隔を保持部内に向かって徐々に拡大するトラップ部を形成したことにより、クリップに保持されている線管類をそれに略直交するどのような方向に引っ張ってもクリップから外れ難くして、クリップの線管類に対する保持の安定性、信頼性の向上を図ることができる。
【0051】
請求項2の発明によると、被取付体を車両のバンパとし、クリップは該バンパの裏面に線管類を保持するものとしたことにより、バンパの裏面に線管類をクリップにより確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る保持用クリップにより車両バンパ裏面の突部にハーネスが固定保持された状態を示す図4のI−I線拡大断面である。
【図2】クリップに保持されたハーネスがトラップ部に係止されて抜け止めされる状態を示す図1相当図である。
【図3】保持用クリップの拡大斜視図である。
【図4】車両バンパの裏面にクリップを介してハーネスを保持した状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態2を示す図2相当図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【符号の説明】
1 バンパ
2 取付部(突部)
6 ハーネス(線管類)
10 線管類保持用クリップ
11 保持部
11a 下側部(一側部)
11b 上側部(他側部)
17 固定部
22 嵌合凹部
25 延長部
28 嵌入口
30 トラップ部
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種の電線やその集合体(ハーネス)、配管等の線管類を被取付体に固定保持するための線管類保持用クリップに関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、例えば自動車等の車両においては、電気部品に電源電力を供給し或いは信号を授受するための複数本の電線を束ねた集合体であるワイヤハーネスが設けられている。また、例えばウィンドガラス等に洗浄液を吹き付けるためのウォッシャ液をウォッシャタンクからウォッシャノズルに供給するための配管等も設けられている。このような電線や配管等の線管類は、そのままの状態では垂れ下がったり振動したりするので、それらを途中(中間部)の複数箇所で車体等に保持手段により固定保持しておく必要がある。
【0003】
この線管類を車体等の被取付体に固定保持するための保持手段として、従来、例えば特許文献1に示されるように、略円弧状に湾曲して内部にハーネス(線管類)を保持する少なくとも1つの保持部と、この保持部の一端部に設けられ、被取付体に取り付けられる取付部と、保持部の他端部に設けられ、保持部内から離れるに伴って取付部(一端部)から離れるように折り曲げられてなる爪部とを備えた塑性変形可能な板状部材からなるクリップが提案されている。
【0004】
この提案のクリップでは、保持部内にハーネス(線管類)を挿入した状態で爪部を押圧することで、そのハーネスの保持部内の挿入を容易にするとともに、変形した保持部の全体又は両側部の弾性力でハーネスを挟み込んで固定し、その外れを規制するようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8―28516号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の特許文献1のものでは、変形した保持部の全体又は両側部でハーネスを挟み込み、その弾性力のみでハーネスを固定保持しているので、例えばハーネスを挿入方向と反対の方向に強く引っ張ると、保持部が弾性変形して両側部間の開口が開いてしまい、その開口からハーネスが容易に抜け出て外れるという問題があった。
【0007】
例えば、先端にコネクタを有するハーネスを仮止用テープで被取付体に仮止めしておき、そのコネクタを相手側のコネクタに接続するために、そのコネクタをハーネスと共に該ハーネスの長さ方向と略直交する方向に引っ張った場合(詳しくは引張りによりハーネスが長さ方向と略直交する方向に移動する)、そのハーネスの引張方向が不特定であるので、上記提案例のようなクリップを用いると、ハーネスの引張方向の如何によっては、そのハーネスが簡単に保持部から抜け出ることが生じ、ハーネスの確実な保持ができず、その保持の信頼性や安定性に欠けることとなる。
【0008】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハーネスや配管等の線管類を保持するクリップの構造に改良を施すことで、そのクリップに保持されている線管類がそれに略直交するどのような方向に引っ張られて移動してもクリップから外れ難くし、クリップの線管類に対する保持の安定性、信頼性を高めることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明では、断面略矩形状の突部を有する被取付体に線管類を保持するための弾性を有する線管類保持用クリップとして、以下の特定事項を備えているものとする。
【0010】
すなわち、クリップは、上記被取付体の突部の突出方向に開放されかつ上記線管類を内部に収容して保持する略U字状の保持部と、この保持部の一側部から略U字状に折り曲げられ、該一側部との間に上記被取付体の突部を外嵌合する嵌合凹部を形成する固定部と、上記保持部の他側部の先端から折り曲げられて保持部の一側部の先端に対向するように延びる延長部とを備えている。そして、上記延長部と、この延長部に対向する上記保持部の一側部先端との間に、上記線管類を保持部内に嵌入するための嵌入口が形成されており、上記保持部の他側部及び延長部の間に、上記嵌入口の間隔を保持部内に向かって徐々に拡大するトラップ部が形成されている。
【0011】
上記の構成によると、線管類をクリップの保持部内に嵌入するときには、その線管類を、保持部の一側部先端と、保持部の他側部の先端から折り曲げられて保持部の一側部の先端に対向するように延びる延長部との間に形成されている嵌入口を経由して保持部内に嵌入すればよい。こうして保持部内に収容された線管類が長さ方向と略直交する方向に引っ張られて同方向に移動した場合、▲1▼その引張方向が保持部の一側部に向かう方向であると、その一側部に当接して、▲2▼また引張方向が保持部の他側部に向かう方向(一側部に向かう方向と反対方向)であると、その他側部に当接して、▲3▼さらに引張方向が保持部内の奥底部に向かう方向であると、その奥底部に当接して、それぞれ規制される。
【0012】
そして、▲4▼引張方向が保持部内からその嵌入口に向かう方向(奥底部に向かう方向と反対方向)であるとき、その保持部の他側部及び延長部の間にトラップ部が形成され、このトラップ部は、嵌入口の間隔を保持部内に向かって徐々に拡大する形状で、保持部内から嵌入口に向かう方向に移動する線管類に対しそれを係止するフック状になっているので、上記引っ張られて移動する線管類はトラップ部に引っ掛かって係止され、その係止状態からさらに、それまで移動してきた嵌入口に向かう方向と略直交する方向(上記▲1▼と平行な方向)の位置にある嵌入口には移動しない。
【0013】
したがって、クリップに保持されている線管類はそれに略直交するどのような方向に引っ張られてもクリップから外れ難くなり、よって、クリップの線管類に対する保持の安定性、信頼性を高めることができる。
【0014】
請求項2の発明では、上記被取付体は車両のバンパであり、クリップは該バンパの裏面に線管類を保持するように構成されたものとする。こうすると、バンパの裏面に線管類をクリップにより確実に保持することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0016】
図4は車両前側の樹脂製バンパ1を後側(裏側)から見て示し、このバンパ1の左右両側にはそれぞれランプ取付用の開口部(図示せず)が開けられ、この各開口部には補助ランプとしてのフォグランプ4が取り付けられている。バンパ1の裏面には、上記各フォグランプ4に接続される線管類としてのハーネス6(電線集合体)がバンパ1の長さ方向(車幅方向)に沿って配置され、このハーネス6の一端部には車体電源側のコネクタ(図示せず)に接続するためのランプ側コネクタ7が接続され、他端部及び中間部は各フォグランプ4に接続されている。また、上記ランプ側コネクタ7が各種作業時や運搬時等でふらつかないようにするために、そのランプ側コネクタ7近くのハーネス6は仮止用テープ8によりバンパ1裏面に貼り付けられて仮止め固定されている。
【0017】
そして、上記ハーネス6の長さ方向の途中部分(中間部)は本発明の実施形態1に係る複数(図示例では5つ)の線管類保持用クリップ10,10,…(以下、実施形態では単にクリップと称する)によりバンパ1裏面に沿った状態で保持されている。
【0018】
すなわち、図1に示すように、上記バンパ1の裏面において、ハーネス6を保持すべき部位には、車両の後側に向かって突出する断面略矩形状の突部からなる複数の取付部2,2,…が一体に形成され、この各取付部2にハーネス6を保持するためのクリップ10が取付固定されている。
【0019】
図2及び図3にも示す如く、上記各クリップ10は、弾性(復元性)を有する金属製板ばね材や樹脂製板材等を折り曲げてなるもので、バンパ1の各取付部2の突出方向、つまり車両の後側(図1及び図2で左側)に開放されるように略U字状に折り曲げられた保持部11を備え、この保持部11内に上記ハーネス6を収容して保持するようになっている。
【0020】
図3に示すように、この保持部11の幅方向中央部には、その奥底部11cから他側部たる上側部11bの先端近くまでの範囲に亘り矩形状に切り抜いてなる開口12(図1及び図2には示していない)が形成され、この開口12により保持部11が弾性変形し易くなっている。すなわち、クリップ10の材料の弾性を強くした場合、その保持部11の上側部11bが変形し難く、保持部11内に後述の嵌入口28からハーネス6をスムーズに嵌入しづらくなるので、開口12を形成して上側部11bの変形を容易に調整できるようにしている。
【0021】
尚、ハーネス6は複数の電線の集合体であるので、その断面形状は複数の電線を束ねた形状となるが、図1及び図2では便宜のために断面円形状のもので記載している。
【0022】
上記保持部11の一側部たる下側部11aには、その先端(車両後側端)から略U字状に折り曲げられて当該下側部11aの下側を平行に延びる固定部17が接続され、この固定部17と下側部11aとの間には車両前側(バンパ1側)に開放された嵌合凹部22が形成されており、この嵌合凹部22を上記バンパ1裏面の取付部2にその先端側から近付けて外嵌合するようにしている。
【0023】
図3に示すように、上記保持部11の下側部11aの幅方向中央部には矩形状の開口13が切り抜いて形成され、この開口13において保持部11の奥底部11c側の縁部には、固定部17(下側)に向かって下側部11aの先端側に向かうように斜め下向きに傾斜する先細り状の係止爪14が折り曲げられて一体に形成されている。一方、固定部17の幅方向両側にはそれぞれ矩形状の切欠き18,18が形成され、この各切欠き18において保持部11の奥底部11c側の縁部において上記係止爪14に対応する位置には、保持部11の下側部11a(上側)に向かって下側部11aの先端側に向かうように斜め上向きに傾斜する先細り状の係止爪19が折り曲げられて一体に形成されており、保持部11の下側部11aと固定部17との間の嵌合凹部22にバンパ1裏面の取付部2を嵌合した状態で、その嵌合凹部22が取付部2から抜け出す方向に移動しようとしたときに、上記3つの係止爪14,19,19をそれぞれ取付部2の上下面に食い込ませて嵌合凹部22からの取付部2の抜出しを阻止するようにしている。尚、上記係止爪14,19は図1及び図2に示していない。
【0024】
上記保持部11の他側部たる上側部11bは先端側に向かって下側部11a側に向かうように傾斜している。つまり、保持部11において上側部11b及び下側部11a間の間隔は、保持部11の開放口側から奥底部11c側に向かって徐々に広くなっている。この上側部11bには、その先端から略下向きに折り曲げられて保持部11の下側部11a(一側部)の先端部つまり嵌合凹部22の底部22aに対向するように延びる延長部25が形成され、この延長部25と、延長部25に対向する上記保持部11の下側部11a先端部(嵌合凹部22の底部22a)との間には、上記ハーネス6を保持部11内に嵌入するための嵌入口28が形成されている。
【0025】
そして、上記延長部25は、保持部11における上側部11bの先端から、下側に向かって保持部11の下側部11a(一側部)の先端部つまり嵌合凹部22の底部22aに向かうように斜め下向きに折り曲げられており、この保持部11の上側部11bの先端部及び延長部25の間には、保持部11の上側部11bに対し鋭角に折れ曲がって、保持部11内の下側部11a上面に沿って移動するハーネス6に対しフック状になるトラップ部30が形成され、このトラップ部30により、上記嵌入口28の間隔が、入口側たる下端から保持部11内に対応する奥側たる上端に向かうに連れて徐々に拡大するようになっている。
【0026】
尚、上記延長部25の下端には操作部32が折り曲げられて一体に形成され、この操作部32は、保持部11の奥底部11cと反対側(保持部11の奥底部11cから開放口側に向かう方向)に向かって上側に向かうように傾斜している。
【0027】
したがって、この実施形態において、バンパ1の開口部にフォグランプ4,4を取り付け、その各フォグランプ4から延びたハーネス6の中間部をバンパ1裏面にクリップ10,10,…を介して固定保持する。
【0028】
まず、この各クリップ10をバンパ1裏面に取り付けるときには、クリップ10における保持部11の下側部11aとその下側に位置する固定部17との間に形成されている嵌合凹部22をバンパ1裏面の取付部2に外嵌合して取り付ける。
【0029】
その際、保持部11の下側部11aには斜め下向きに傾斜する先細り状の1つの係止爪14が、また固定部17には斜め上向きに傾斜する先細り状の2つの係止爪19,19がそれぞれに形成されているので、保持部11の下側部11aと固定部17との間の嵌合凹部22にバンパ1裏面の取付部2を嵌合した状態で、その嵌合凹部22が取付部2から抜け出す方向に移動しようとしても、上記3つの係止爪14,19,19が取付部2の上下面に食い込むようになり、嵌合凹部22からの取付部2の抜出しが阻止され、よってクリップ10のバンパ1からの脱落を確実に防止することができる。
【0030】
次いで、こうしてバンパ1裏面の取付部2に取り付けられた各クリップ10に対し、ハーネス6を保持する。その場合、図1に示すように、その各クリップ10の操作部32をクリップ10の弾発力に抗して持ち上げると、このクリップ10の弾性により、保持部11の上側部11bが基端部を略中心として図1で時計回り方向に回動し、延長部25と、延長部25に対向する保持部11の下側部11a先端部(嵌合凹部22の底部22a)との間に形成されている嵌入口28が開いてその間隔が大きくなる。この状態で図1に二点鎖線の矢印にて示す如く、この嵌入口28に下側からハーネス6を押し込み、そのハーネス6を嵌入口28を経て保持部11内に収容すればよい。このようなハーネス6の収容後、操作部32を離すと、上記保持部11の上側部11bが基端部を略中心として図1で反時計回り方向に回動して元に戻り、嵌入口28が閉じてハーネス6が保持部11内に収容保持される。
【0031】
この後、ランプ側コネクタ7近くのハーネス6を仮止用テープ8によりバンパ1裏面に貼り付けて仮止めする。
【0032】
そして、バンパ1を車体側に組み付けた後、ランプ側コネクタ7をハーネス6と共にバンパ1の裏面から離れる方向に引っ張ると、仮止用テープ8がバンパ1から剥がれ、ハーネス6が長さ方向と略直交する上記方向に移動したとき、そのハーネス6がクリップ10の保持部11から抜け出ようとし、特にランプ側コネクタ7に一番近いクリップ10では抜け出す可能性が高くなる。
【0033】
しかし、この実施形態では、上記の如く、各クリップ10の保持部11内に収容されたハーネス6が長さ方向と直交する方向、すなわちバンパ1の裏面から離れる方向に引っ張られて同方向に移動しても、その保持部11からの抜出しが確実に阻止される。
【0034】
例えば、図1に示すように、ハーネス6の引張りによる移動方向が保持部11の下側部11aに向かう下方向D(図1で下方向)であって、その方向Dに大きな力で移動しようとしても、ハーネス6はその下側部11aに当接するのみとなり、嵌入口28に向かって移動して保持部11から抜け出ることはない。
【0035】
また、ハーネス6の移動方向が保持部11の上側部11bに向かう上方向U(図1で上方向)であって、その方向Uにある程度大きな力で移動しようとしても、ハーネス6はその上側部11bに当接するのみとなり、嵌入口28に向かって移動して保持部11から抜け出ることはない。
【0036】
さらに、ハーネス6の引張りによる移動方向が保持部11内の奥底部11cつまりバンパ1側に向かう車両前方向F(図1で右方向)であって、その方向Fに大きな力で移動しようとしても、ハーネス6はその奥底部11cに当接するのみとなり、嵌入口28に向かって移動して保持部11から抜け出ることはない。よって、これら3つの方向D,U,Fにハーネス6が移動して保持部11から抜け出るのを防止できるとともに、それら3つの方向の間の中間方向にハーネス6が移動して保持部11から抜け出るのも防止できる。
【0037】
そして、ハーネス6の引張りによる移動方向が保持部11内からその嵌入口28に向かう車両後方向R(図1で左方向)であると、その保持部11の上側部11b及び延長部25の間にトラップ部30が形成され、このトラップ部30は、嵌入口28の間隔を保持部11内に向かって徐々に拡大する形状で、保持部11内から嵌入口28に向かう方向に移動するハーネス6に対しそれを係止するフック状になっているので、図2に示す如く、上記引っ張られて移動するハーネス6はトラップ部30に引っ掛かって係止され、それ以上の同方向の移動が規制されたままとなり、その係止状態からさらに、それまでの嵌入口28に向かう移動方向Rと略直交する下方向Dの位置にある嵌入口28には移動しない。
【0038】
上記ランプ側コネクタ7を持ってハーネス6を引っ張りテープ8を剥がす操作を行う際には、そのハーネス6を車両後方向Rに引っ張った後に続けて下方向Dに方向転換してさらに引っ張るような操作(図2の状態からさらに下方向Dに移動するように引っ張る操作)をすることがないので、ハーネス6が嵌入口28から抜け出ることはない。
【0039】
以上により、クリップ10に保持されているハーネス6はそれに略直交するどのような方向に引っ張られて移動しても保持部11内から出てクリップ10から外れ難くなり、よって、クリップ10のハーネス6に対する保持の安定性、信頼性を高めることができる。
【0040】
尚、上記実施形態では、バンパ1裏面に断面略矩形状の突部からなる複数の取付部2,2,…を間隔をあけて形成しているが、取付部はバンパ1の長さ方向に沿って連続して突条状に設けることもできる。
【0041】
(実施形態2)
図5及び図6は本発明の実施形態2を示し(尚、図1〜図4と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、クリップ10における固定部17及び嵌合凹部22の構造を変更したものである。
【0042】
すなわち、この実施形態では、クリップ10における保持部11の下側部11a(一側部)には、その幅方向の一側部から略U字状に折り曲げられて当該下側部11aの下側を平行に延びる固定部17が接続され、この固定部17と下側部11aとの間に、上記保持部11の下側部11aの幅方向の他側部側(車幅方向の一側)に開放された嵌合凹部22が形成されており、この嵌合凹部22を上記バンパ1裏面の取付部2にその先端側から近付けてスライド状に外嵌合するようにしている。
【0043】
尚、嵌合凹部22の開放側の上下両端部、つまり保持部11の下側部11aの幅方向の他側部と、固定部17の幅方向の両側部のうちで上記下側部11aの幅方向の他側部に対応する側部とにはそれぞれ互いに近付く方向に折れ曲がった折曲げ部35,36が形成されており、これら折曲げ部35,36をバンパ1裏面における取付部2の一側面の上下端部に部分的に当接させることで、その取付部2を下側部11a、固定部17及び折曲げ部35,36の間に抱持するようにしている。
【0044】
その他の構成は上記実施形態1と同様である。よって、この実施形態でも実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0045】
(他の実施形態)
尚、上記実施形態では、車両前側のバンパ1裏面の取付部2にクリップ10を嵌入口28が車両下方側に開放されるように取り付けているが、この嵌入口28が車両上方側に開放されるように取り付けてもよい。
【0046】
また、本発明は、車両後側のバンパの裏面にハーネスをクリップ10により保持する場合にも適用が可能である。
【0047】
さらに、クリップ10の固定部17の構造は上記各実施形態のものに限定されず、保持部11の一側部から略U字状に折り曲げられて、一側部との間に被取付体の突部に外嵌合される嵌合凹部を形成するものであればよい。
【0048】
また、保持部11の下側部11aと固定部17との間の嵌合凹部22に取付部2を嵌合して取り付ける場合に、ねじ止め等の締結固定手段を追加して固定してもよい。
【0049】
さらに、上記実施形態は、バンパ1裏面にハーネス6を取り付ける場合であるが、本発明は配管、ハーネスと配管との集合体やその他の線管類を取り付ける場合にも適用することができる。また、線管類は断面円形状等のものの他に、断面矩形状等、各種断面形状のものであってもよい。さらに、クリップ10が取り付けられる被取付体はバンパに限らない。要は、線管類を被取付体に保持する場合であれば本発明の適用ができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によると、断面略矩形状の突部を有する被取付体に線管類を保持するための弾性を有する線管類保持用クリップとして、被取付体の突部の突出方向に開放され、線管類を内部に収容して保持する略U字状の保持部と、この保持部の一側部から略U字状に折り曲げられ、一側部との間に上記被取付体の突部を外嵌合する嵌合凹部を形成する固定部と、保持部の他側部の先端から折り曲げられて保持部の一側部の先端に対向するように延びる延長部とを備え、延長部と延長部に対向する保持部の一側部先端との間に嵌入口を形成し、保持部の他側部及び延長部の間に、嵌入口の間隔を保持部内に向かって徐々に拡大するトラップ部を形成したことにより、クリップに保持されている線管類をそれに略直交するどのような方向に引っ張ってもクリップから外れ難くして、クリップの線管類に対する保持の安定性、信頼性の向上を図ることができる。
【0051】
請求項2の発明によると、被取付体を車両のバンパとし、クリップは該バンパの裏面に線管類を保持するものとしたことにより、バンパの裏面に線管類をクリップにより確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る保持用クリップにより車両バンパ裏面の突部にハーネスが固定保持された状態を示す図4のI−I線拡大断面である。
【図2】クリップに保持されたハーネスがトラップ部に係止されて抜け止めされる状態を示す図1相当図である。
【図3】保持用クリップの拡大斜視図である。
【図4】車両バンパの裏面にクリップを介してハーネスを保持した状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態2を示す図2相当図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【符号の説明】
1 バンパ
2 取付部(突部)
6 ハーネス(線管類)
10 線管類保持用クリップ
11 保持部
11a 下側部(一側部)
11b 上側部(他側部)
17 固定部
22 嵌合凹部
25 延長部
28 嵌入口
30 トラップ部
Claims (2)
- 断面略矩形状の突部を有する被取付体に線管類を保持するための弾性を有する線管類保持用クリップであって、
上記被取付体の突部の突出方向に開放され、上記線管類を内部に収容して保持する略U字状の保持部と、
上記保持部の一側部から略U字状に折り曲げられ、該一側部との間に上記被取付体の突部を外嵌合する嵌合凹部を形成する固定部と、
上記保持部の他側部の先端から折り曲げられて保持部の一側部の先端に対向するように延びる延長部とを備え、
上記延長部と、該延長部に対向する上記保持部の一側部先端との間に、上記線管類を保持部内に嵌入するための嵌入口が形成されており、
上記保持部の他側部及び延長部の間に、上記嵌入口の間隔を保持部内に向かって徐々に拡大するトラップ部が形成されていることを特徴とする線管類保持用クリップ。 - 請求項1の線管類保持用クリップにおいて、
被取付体は車両のバンパであり、該バンパの裏面に線管類を保持するようにしたことを特徴とする線管類保持用クリップ。
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