JP2004129391A - 配線用クランプ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】少ない部品点数で構成され、着脱容易な配線用クランプ装置の提供。
【解決手段】保持面に配線部品を保持する基体と、保持面とは反対側の取付け面から突出して、固定部材の装着孔に差込まれて弾性変形で縮径し、差込まれた後に拡径して固定部材に掛止される抜止め爪とを備えた配線用クランプ装置において、抜止め爪の近傍の取付け面に形成された溝と、抜止め爪の一部を形成する弾性片部の自由端部とを有して、この自由端部を溝内に位置付けて、弾性片部の変形で自由端部が溝に沿って一方向に遷移して、抜止め爪が縮径し、基体内の溝に往復可能に収容されたスライダが、基体から抜け出す方向に移動されたときには、弾性片部の自由端部に係合して、抜止め爪を収縮させるために自由端部を一方向に遷移させる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤーハーネスを固定部材に固定する着脱可能な配線用クランプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ワイヤーハーネスをその固定部材に取付けるために(例えば、自動車の車内配線用ワイヤーハーネスを車体に取付けるために)、配線用クランプ装置が用いられる。
従来の配線用クランプ装置は、例えば、その基体から突出した脚部に縮径・拡径する抜止め爪が設けられており、上記脚部が車体等の装着孔に挿入されると、抜止め爪は装着孔によって縮径し、更に挿入を続けると、抜止め爪が装着孔を通過した後に拡径し、拡径した抜止め爪が配線用クランプ装置を車体等に掛止するものとなっている。しかし、このような従来の配線用クランプ装置では、装着孔から抜止め爪を解除することが困難であるため、ワイヤーハーネスを容易に車体等から取外すことができず、ワイヤーハーネスの取付け個所を誤った場合には、付け直し作業に多大の時間が必要となってしまう。また、ワイヤーハーネスを保守する際にも、多大の時間が必要となってしまう。
【0003】
上記抜止め爪の解除の困難さを改善するものとして、特開平7−298458号公報には、クリップ(配線用クランプ装置)の折り曲げにより、抜止め爪を固定部材の装着孔よりも縮径させて、クリップを取外し得るものが開示されている。このクリップは、屈曲自在な短冊状基板(基体)の一方の面に脚部を突設し、この脚部に基板の長手方向両端に向けて弾性的に拡開する一対の抜止め爪を設けるとともに抜止め爪の先端に解除部を設けている。一方、基板の長手方向に摺動自在な一対の摺動板が基板の一方の面の両端にそれぞれ保持されている。一方の摺動板には基板の一端側から一方の解除部に当接する解除爪が設けられているとともに、他方の摺動板には基板の他端側から他方の解除部に当接する解除爪が設けられている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−298458号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ワイヤーハーネスを保持して車体等に取付けられた前記クリップを容易に折り曲げることはできない。特にワイヤーハーネスが太い場合には、折り曲げ自体が困難となってしまい、クリップを折り曲げるためには、クリップからワイヤーハーネスを取外さなければならない。また、こうしたクリップは、3個の部品から構成され、構造も複雑でありコスト増大を招く。
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、ワイヤーハーネスを保持して車体等に容易に取付けることができるとともに、ワイヤーハーネスを保持したまま、車体等から容易に取外すことができ、また、少ない部品点数で安価に構成できる配線用クランプ装置提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明によれば、請求項1では、配線部品をその保持面に保持する基体と、該基体の前記保持面とは反対側の取付け面から突出し、弾性変形を伴う縮径により固定部材の装着孔を貫通して差込まれた後、元に拡径して前記固定部材に掛止される抜止め爪とを備えた配線用クランプ装置において、前記基体の取付け面にて、前記抜止め爪の近傍には溝が形成され、この溝内には、前記抜止め爪の一部を弾性変形可能に形成して得られる弾性片部の自由端部が位置付けられ、前記弾性片部は、その弾性変形を伴いながら前記自由端部が前記溝に沿って一方向に遷移することで、前記抜止め爪の縮径をもたらし、スライダは、前記基体内に前記溝の溝方向に往復可能に収容され、前記基体内に挿入端を有するとともに、前記基体から抜け出す方向に移動されたときには、前記弾性片部の前記自由端部に前記スライダの係合部が係合して、前記弾性片部の前記自由端部を前記一方向に遷移させることを特徴としている。
【0008】
上述のように構成される配線用クランプ装置では、前記抜止め爪は、車体等(固定部材)の装着孔に挿入されると縮径し、挿入の完了後には拡径して、該配線用クランプ装置を車体等へ掛止することができる。また、前記スライダを前記基体から抜き出す方向に移動させることで、前記スライダの前記係合部が、前記弾性片部の前記自由端部に係合して、前記抜止め爪を車体等の装着孔よりも縮径させるため、該配線用クランプ装置の車体等への掛止が解除される。こうして該配線用クランプ装置を車体等に容易に着脱することができる。
【0009】
請求項2では、更に、前記スライダの係合部は遊び孔を有し、この遊び孔は前記溝方向に延びるとともに、前記自由端部の先端を受け取れた状態で前記遷移を許容するものとなっている。前記挿入端と前記遊び孔との間に開閉可能な通路を形成すべく、スライダと一体に形成された弾性係合片は、スライダの挿入により、前記弾性片部の自由端部に当接すると、前記通路を開く方向に弾性変形して前記自由端部の先端を遊び孔に受け入れる。また、前記弾性係合片は、前記スライダを抜き出す際、前記弾性片部の自由端部に当接すると、前記通路を閉じて前記抜止め爪に係合し、前記抜止め爪を縮径させるため、該配線用クランプ装置を車体等から容易に取外すことができる。
【0010】
従って、該配線用クランプ装置を車体等の装着孔に容易に着脱することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係る配線用クランプ装置の一実施の形態について説明する。
図1に示すように、配線用クランプ装置1は、略長方形状の基体10、基体10から突出した抜止め爪20、及び略長方形状のスライダ30を有している。基体10、抜止め爪20、及びスライダ30は何れも例えばプラスティックで形成されている。ここで、図1(a)は基体10とスライダ30とを分離した状態を示す斜視図であり、図1(b)はスライダ30(破線で図示)を収容した状態の基体10を示す図である。図2(a)は基体10の側面図、図2(b)は同平面図、図2(c)は同正面図、そして、図2(d)は基体10のX−X断面(図2(b))を示す図である。図3は、基体10のY−Y断面(図2(a))、及びスライダ30の平面を示す図である。
【0012】
図1、2に示すように、基体10は、ワイヤーハーネスを保持する保持面11を有し、保持面11の反対側に、配線用クランプ装置1が車体に取付けられる際、車体と対峙する取付け面12を有している。基体10内には、保持面11と取付け面12との間に、スライダ30を往復可能、即ち挿抜可能に収容するスライダ収容部13が設けられている。スライダ収容部13は、スライダ30を収容するため、基体10の一端14で開口する一方、他端15では閉じており(図2(a)参照)、スライダ収容部13の長手方向(基体10にスライダ30が挿抜される方向を長手方向とする)に関し、その両内側面は2つの内側壁部13aにより形成されている(図2(b)参照)。
【0013】
図1に示すように、取付け面12にはスライダ収容部13に連接して溝16が設けられている。この溝16は、基体10の長手方向の中心線上にて長方形状に設けられ、基体10の中央部から一端14の側に寄った位置にある。取付け面12からは、図2に示すように、抜止め爪20が突出している。抜止め爪20は略U字形状をなし、抜止め爪20の一端側の部位は基体10に連なる固定片部21を形成している。これに対し、抜止め爪20の他端側の部位は弾性片部22を形成し、更に弾性片部22の先端側は自由端部23を形成している。自由端部23は、溝16を貫通してスライダ収容部13に突出し、弾性片部22の弾性変形を伴って溝16内を基体10の長手方向(図2(d)の矢印A)に遷移することができる。このような自由端部23の遷移は、抜止め爪20の縮径及びこの縮径からの拡径をもたらす。
【0014】
固定片部21には第1の掛止爪21aが、そして弾性片部22には第2の掛止爪22aが、取付け面12から同一の距離だけ離間して夫々設けられている。抜止め爪20がその縮径を伴い、車体の装着孔を貫通して差込まれた後、元の状態に拡径したとき、掛止爪21a、22aは車体に配線用クランプ装置1を掛止する働きを有している。
【0015】
抜止め爪20の両側には、案内板24が設けられ、これら案内板24は、抜止め爪20との間に間隙を確保し、弾性片部22を基体10の長手方向に安定して遷移させる働きを有している。これら案内板24は、抜止め爪20と略等しい高さを有し、基体10の長手方向でみて、第1及び第2の掛止爪21a、22aは案内板24から若干外側に位置するように設けられている。
【0016】
スライダ30は図1、3に示すように略長方形状を有した板状体であり、幅及び厚さは基体10のスライダ収容部13の幅及び厚さ(高さ)に適合しており、長さは基体10の長さの略7〜8割程度である。このスライダ30はその挿入側端部31からスライダ収容部13へ挿入される。
図3に示すように、スライダ30は、遊び孔32を有し、挿入側端部31とは反対側の端部に、スライダ30の挿抜操作を行うための操作部33を有している。スライダ30がスライダ収容部13に収容された状態にあるとき、前述した抜止め爪20の自由端部23は遊び孔32内に位置付けられている。遊び孔32は略U字形状をなしており、挿入側端部31にて開口した開口部を有する。この開口部の一側縁には、弾性係合片34が一体に形成され、弾性係合片34は前記開口部の他側縁かつ遊び孔32の内側に向けて延びている。ここで、遊び孔32と弾性係合片34とは係合部35を形成している。そして、弾性係合片34の先端部34aは、遊び孔32の内面36との間に間隙をもって位置付けられ、そして、略U字形状の遊び孔32の底部に対向する当接面を有する。この当接面は遊び孔32に受け入れられた弾性片部22の自由端部23と当接し得るように配置されている。
【0017】
一方、弾性係合片34が遊び孔32の開口部を塞ぐように弾性変形されたときには、その先端部34aが遊び孔32の内面36と当接する。より詳しくは、先端部34aには凹部34bが形成されている一方、内面36には凹部34bに嵌り込むような凸部36aが形成されており、これにより、弾性係合片34が遊び孔32を閉塞するときには、凹部34bと凸部36aとが噛み合い、弾性係合片34がスライダ30の厚み方向に変形することはない。
【0018】
スライダ30の長手方向の両側面37には夫々5つの略半円状の第1の凹部37aと、夫々一つの略長方形状の第2の凹部37bとが形成され、挿入側端部31から三つ目の凹部が第2の凹部37bとなっている。
基体10には、これら凹部37a、37bに対応して、スライダ収容部13の両内側壁部13aに夫々6つの略半円状凸部13bが設けられている。これら略半円状凸部13bよりも基体10の他端15側の各内側壁部13aの部位からは、スライダストッパ13cが夫々突出しており、スライダストッパ13cはスライド30の挿入側端部31に当接して、スライド30をスライダ収容部13の所定位置に位置付けるものとなっている。
【0019】
ここで、図1、2において、基体10の13dで示した部分は、スライダ30をスライダ収容部13に案内するためのスライダガイドである。スライダガイド13dで案内されながらスライダ30がスライダ収容部13に収容され、そして、スライダストッパ13cに当接すると、内側壁部13aの凸部13bの全てがスライダ30の第1の凹部37a、第2の凹部37bに係合する。なおここで、第2の凹部37bが略長方形状に形成されているのは、各凹部37a、37bと各凸部13bとの位置の誤差を吸収して、スライダ30を所定の位置に収容するためである。
【0020】
ところで、図1,2に示すように、基体10の両側面には略長方形状のばね部(弾性当接部)40が設けられ、これらばね部40は基体10の側方、且つ、抜止め爪20の突出側に向かって延出している。図2に示すように、ばね部40の先端41と基体10との距離(基体10からの垂直方向の距離)は、抜止め爪20の掛止爪21a、22aと基体10との距離より若干短く、先端41には面取りが施されている。また、基体10の他端15には、テープ掛止部17が形成され、テープ掛止部17は取付け面12から若干突出している。
【0021】
次に、配線用クランプ装置1の基体10にスライダ30を収容等する様子を図3、4で説明する。
図4(a)は、スライダ30がスライダ収容部13に収容される途中の状態を示す。矢印Bの方向にスライダ30を挿入していくと、抜止め爪20の自由端部23がスライダ収容部13に突出しているため、自由端部23と弾性係合片34とが当接する。両者が当接しても、弾性係合片34が弾性変形するため、スライダ30を更に挿入することができる。やがて、弾性係合片34の先端部34aが自由端部23の側面に当接するようになって、更には、自由端部23が遊び孔32に受け入れられることになる。遂には、弾性係合片34の先端部34aが自由端部23の側面から離れ、弾性により元の位置(図3に示した位置)に復帰する。
【0022】
そして更に、スライダ30を挿入していくと、図4(b)に示すように、挿入側端部31がスライダストッパ13cに当接し、スライド30がスライダ収容部13の所定位置に位置付けられる。このとき、弾性係合片34の先端部34aは既に自由端部23から離間しており、抜止め爪20は拡径した状態となるとともに、自由端部23は基体10の溝16内を移動可能であって、抜止め爪20は縮径することも可能な状態にある。
【0023】
図4(c)はスライダ30をスライダ収容部13から引抜くときの様子を示したものである。矢印Cの方向にスライダ30を引抜いていくと、弾性係合片34の先端部34aが抜止め爪20、即ち、その弾性片部22の自由端部23に当接する。更にスライダ30を引抜いていくと、弾性係合片34は自由端部23により遊び孔32を塞ぐように弾性変形し、先端部34aの凹部34bと遊び孔32における内面36の凸部36aとは、互いに噛み合うように係合する。それ故、弾性係合片34はそれ以上の変形が阻止され、スライダ30の引抜きとともに、自由端部23は溝16を基体10の一端14に向けて遷移し、この結果、抜止め爪20が縮径することになる。
【0024】
次にワイヤーハーネス(配線部品)の保持について説明する。
図5に示すように、複数の電線を束ねてなるワイヤーハーネス50は、基体10の保持面11にその長手方向に沿って配置され、例えば粘着性テープ51で保持される。このとき、スライダ30は図4の(b)に示すように収容されている。なお粘着性テープ51は、テープ掛止部17とばね部40との間にて巻回され、これらテープ掛止部17及びばね部40によって基体10から脱落することが防止される。
【0025】
次に、配線用クランプ装置1を自動車の車体に取付ける場合を、基体10の断面図を用いて説明する。
図6に示すように、配線用クランプ装置1の基体10は、自動車の車体60に設けられた装着孔61に、車体60の一の面62側から抜止め爪20を貫通させることによって取り付けられる。なお、図6では、配線用クランプ装置1に保持されたワイヤーハーネス50、基体10に収容されたスライダ30の図示を省略してある。
【0026】
図6(a)は、抜止め爪20が装着孔61に挿入(矢印D)されつつある状態を示す。このとき、スライダ30は、図4(b)に示すようにして、スライダ収容部13に収容されている。すると、抜止め爪20は、装着孔61の内面で縮径しながら、装着孔61に装着される。この挿入に伴い、ばね部40の先端41が車体60の一の面62に当接することになる。
【0027】
更に抜止め爪20を挿入すると、図6(b)に示すように、掛止爪21a、22aが、車体60の他の面63側へ通過して装着孔61よりも拡径し、配線用クランプ装置1を車体に掛止することになる。このとき、ばね部40は、その弾性で基体10を矢印Eの方向に遷移させようするため、掛止爪21a、22aとばね部40とが車体60を挟持する。こうしてばね部40が配線用クランプ装置1と車体60との間の緩みを防止する。
【0028】
配線用クランプ装置1を車体60から取外す場合には、図4(c)に示すように、スライダ30を抜く方向(矢印C)に操作する。すると、抜止め爪20は図6(c)に示すように縮径し、掛止爪21a、22aが車体60の他の面63から離脱するので、装着孔61から抜止め爪20を矢印Eの方向に抜くことができる。このとき、ばね部40の弾性復元力は、抜止め爪20を矢印Eの方向に変位することを助ける。こうして、配線用クランプ装置1を車体60から容易に取外すことができる。
【0029】
次に、本発明に係る配線用クランプ装置の一実施の形態の変形例について説明する。なお、図1〜6に示した配線用クランプ装置1と同様な機能を有する構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
図7は、配線用クランプ装置1に対してコネクタ結合部70を更に設けた配線用クランプ装置2を示し、図8(a)は配線用クランプ装置2の基体10の側面図を示し、図8(b)は基体10の他端15側近傍の一部断面図を示す。
【0030】
コネクタ結合部70は、基体10の保持面11に設けられ、2つのコネクタスライド部71と1つのコネクタ掛止部72とを有する。2つのコネクタスライド部71は基体10の他端15から一端14側に向けて平行に延び、それらの長さは基体10の長さの例えば約2〜3割である。コネクタスライド部71の外方に面した側面部には、コネクタスライド溝71aが設けられ、コネクタスライド溝71aは、他端15側にて、コネクタストッパ71bにより塞がれている。
【0031】
コネクタ掛止部72は、コネクタスライド部71の間に設けられ、コネクタスライド部71の高さの約1/2の高さを有している。基体10の他端15側に位置するコネクタ掛止部72の部位は三角形状の突出部が設けられ、この突出部は他端15側の垂直の壁面72aと、この壁面72aから一端14側に向けて下降する斜面72bとを有している。
【0032】
コネクタ(図示せず)は、コネクタスライド部71に適合する凹部、コネクタスライド溝71aに適合する凸部、及びコネクタ掛止部72に適合する凹部を有して、基体10の一端14側から装着される。ここで、斜面72bの高さは、コネクタスライド溝71aとそれに適合するコネクタ側凸部との遊びよりも若干高い。すると、コネクタ掛止部72へ係合するコネクタ側凹部が斜面72bを通過した後には、コネクタは一端14側に移動すること(コネクタ結合部70から抜けること)が防止される(意図的に抜くことは可能である)。このときに、コネクタストッパ71bによって、コネクタは他端15側に移動することも阻止される。
【0033】
こうして、コネクタと該コネクタに接続されている電線とからなるワイヤーハーネスは基体10に保持される。更に、テープ等でワイヤーハーネスを基体10に固定してもよい。
なお本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で変形して実施することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の配線用クランプ装置によれば、抜止め爪が車体等(固定部材)の装着孔に装着されると、抜止め爪は縮径するとともに、装着完了後に拡径して、該配線用クランプ装置を車体等へ掛止することができ、また、スライダを基体から抜け出す方向に移動させることで、スライダが弾性片部の自由端部に係合して、抜止め爪を車体等の装着孔よりも縮径させるため、スライダの前記移動によって、該配線用クランプ装置の車体等へ掛止を解除することができる。従って、該配線用クランプ装置は、ワイヤーハーネスを保持したまま、車体等に容易に着脱することができるといった極めて有用な効果を奏するとともに、少ない部品点数で配線用クランプ装置を安価に構成することができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る配線用クランプ装置の分解斜視図(a)及びスライダを収容した状態の配線用クランプ装置の斜視図(b)である。
【図2】図1の配線用クランプ装置が有する基体の側面図(a)、平面図(b)、正面図(c)及び断面図(d)である。
【図3】図1の配線用クランプ装置が有する基体の断面図、及びスライダの平面図である。
【図4】図1の配線用クランプ装置が有する基体にスライダを挿抜、収容する様子を示す図である。
【図5】図1の配線用クランプ装置がワイヤーハーネスを保持した状態を示す斜視図である。
【図6】図1の配線用クランプ装置が車体に装着等される様子を説明するための断面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る配線用クランプ装置の変形例を示す分解斜視図である。
【図8】図7の配線用クランプ装置が有する基体の側面図(a)及び一部断面図(b)である。
【符号の説明】
1,2 配線用クランプ装置
10 基体
11 保持面
12 取付け面
13 スライダ収容部
16 溝
20 抜止め爪
22 弾性片部
23 自由端部
30 スライダ
31 挿入側端部
32 遊び孔
34 弾性係合片
35 係合部
40 ばね部(弾性当接部)
50 ワイヤーハーネス(配線部品)
60 車体(固定部材)
61 装着孔
70 コネクタ結合部

Claims (2)

  1. 配線部品のための保持面を有した基体と、
    前記基体の前記保持面とは反対側の取付け面から突出し、弾性変形を伴う縮径により固定部材の装着孔を貫通して差込まれた後、元に拡径して前記固定部材に掛止される抜止め爪とを備えた配線用クランプ装置において、
    前記基体の取付け面にて、前記抜止め爪の近傍に形成された溝と、
    前記抜止め爪の一部を弾性変形可能に形成して得られるとともに前記溝内に位置付けられた自由端部を有し、その弾性変形を伴いながら前記自由端部が前記溝に沿って一方向に遷移することで、前記抜止め爪の縮径をもたらす弾性片部と、
    前記基体内に前記溝の溝方向に往復可能に収容され、前記基体内に挿入端を有するとともに、前記基体から抜け出す方向に移動されたときには、前記弾性片部の前記自由端部に係合して、前記自由端部を前記一方向に遷移させる係合部を有したスライダと
    を具備したことを特徴とする配線用クランプ装置。
  2. 前記スライダの前記係合部は、
    前記溝方向に延びるとともに、前記弾性片部における前記自由端部の先端を受け取れた状態で前記遷移を許容する遊び孔と、
    前記挿入端と前記遊び孔との間に開閉可能な通路を形成すべく一体に形成され、前記基体内に前記スライダを挿入して収容させるときには前記自由端部の前記先端により前記通路を開く方向に弾性変形して前記先端を遊び孔に受け入れ、前記スライダが抜け出す際には前記先端より前記通路を閉じる方向に弾性変形して前記先端に係合する弾性係合片と
    を含む請求項1に記載の配線用クランプ装置。
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