JP2004277708A - 樹脂シート、それを用いた液晶セル基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 強靭性に優れ、割れ難い樹脂シートを提供する。
【解決手段】 ジシクロペンタジエン型骨格を有するエポキシ樹脂を含む樹脂シートとする。前記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂としては、例えば、下記式(1)の樹脂が使用できる。この樹脂シートは、液晶セル基板、エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ用基板および太陽電池用基板に使用可能である。
【化1】
Figure 2004277708

【選択図】 なし

Description

本発明は、樹脂シート、これを用いた液晶セル基板、エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ用基板または太陽電池用基板、ならびにこれらを用いた液晶表示装置、EL表示装置または太陽電池に関する。
従来、液晶表示装置においては、液晶を担持して液晶セルを形成するための液晶セル基板として、強度や耐熱性の点からガラス系基板が使用されていた。しかし、近年においては、液晶表示装置の大型化に伴い、前記液晶セル基板の軽量化、薄型化等が求められており、前記ガラス系基板に代わる材料として、エポキシ系樹脂等の樹脂シートが提案され、実用化されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。また、EL表示装置等においても、同様の問題から、前述のような樹脂シートの適用が提案されている。
しかし、このようなエポキシ系樹脂等の樹脂シートは、使用に耐え得る程度の強度を備えているが、例えば、運搬時や各種表示装置の組み立て時等において、破断するおそれがあるため、より一層強度に優れた樹脂シートの開発が要求されている。
特許第3197716号明細書 特開平11−333866号公報
そこで、本発明の目的は、強靭性に優れ、割れ難いエポキシ樹脂シートの提供であり、詳しくは、例えば、各種表示装置や太陽電池に使用した場合に、装置等の軽量化、薄型化が可能になり、かつ優れた強度を実現できる樹脂シートの提供である。
前記目的を達成するために、本発明の樹脂シートは、エポキシ系樹脂を含有する樹脂シートであって、前記エポキシ系樹脂がジシクロペンタジエン型骨格を有するエポキシ樹脂(以下、「ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂」という)を含む。
このように、本発明の樹脂シートは、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を含むことによって、優れた強靭性を示し、後述するような各種表示装置等に適用した場合であっても、破断し難く、軽量化、薄型化だけでなく優れた強度を示す表示装置等を得ることができる。また、このようなジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を含むことによって、例えば、樹脂シートの厚み方向位相差を低い値に抑制することができるため、各種表示画面の基板等に使用しても、前記基板自体の位相差による表示特性への影響を回避できる。また、前記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を含むことによって、その光弾性係数を低くすることも可能であるため、樹脂シートにおける位相差変化も防止できる。このため、本発明の樹脂シートを用いれば、極めて優れた特性の液晶セル基板、ELディスプレイ用基板および太陽電池用基板等が提供でき、さらに、これらの各種基板を用いることによって、優れた液晶表示装置、EL表示装置および太陽電池等を提供できる。
前述のように、本発明の樹脂シートは、エポキシ系樹脂を含有する樹脂シートであって、前記エポキシ系樹脂がジシクロペンタジエン型骨格を有するエポキシ樹脂を含むことを特徴とする。
前記ジシクロペンタジエン型骨格を有するエポキシ樹脂(以下、「ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂」ともいう)としては、例えば、以下の化学式(1)に表わされる構造等があげられる。
Figure 2004277708
前記式において、R1、R2およびR3は、水素または直鎖もしくは分岐鎖を有するアルキル基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、nは重合度を示す。
前記アルキル基の炭素数は、1〜9の範囲が好ましい。R1、R2およびR3は、水素が好ましい。また、重合度nは、特に制限されないが、例えば、0〜10の範囲であり、好ましくは0〜6の範囲であり、特に好ましくは、0〜4の範囲である。なお、R1、R2およびR3やnが異なるジシクロペンジエン型エポキシ樹脂の混合物であってもよい。
前記ジシクロペンタジエン型骨格を有するエポキシ樹脂の中でも、例えば、エポキシ当量200〜400(g/eq)のものが好ましく、より好ましくは、エポキシ当量220〜350(g/eq)であり、特に好ましくはエポキシ当量230〜300(g/eq)である。
本発明において、前記エポキシ系樹脂は、前記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の他に、さらに他のエポキシ系樹脂を含んでもよい。
前記他のエポキシ系樹脂としては、特に制限されず、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型およびこれらの水添加物等のビスフェノール型、フェノールノボラック型およびクレゾールノボラック型等のノボラック型、トリグリシジルイソシアヌレート型およびヒダントイン型等の含窒素環型、脂環式型や脂肪族型、ナフタレン型等の芳香族型、グリシジルエーテル型、ビフェニル型等の低吸水率タイプ、ジシクロ型、エステル型、エーテルエステル型、または、これらの変成型等が使用できる。
これらの中でも、前記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂と組み合わせることによって、例えば、耐熱性と強靭性とが優れたバランスで発揮されることから、前記脂環式エポキシ系樹脂が好ましい。また、この脂環式エポキシ系樹脂は、形成する樹脂シートの厚み方向位相差や、光弾性係数を低い値に設定できることからも好ましい。
前記脂環式エポキシ系樹脂としては、特に制限されないが、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2,2−ビス(ヒドロキシルメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物等があげられ、中でも、例えば、塗工液の流動性や硬化後の耐熱性の点に優れることから、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートが好ましい。
本発明において、前記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の含有割合は、例えば、全エポキシ系樹脂に対して、20〜75重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは30〜65重量%であり、特に好ましくは40〜60重量%の範囲である。前記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の含有割合が20%以上であれば、例えば、より一層優れた強靭性を維持でき、運搬時や液晶表示装置の組み立て時に破断するおそれも十分に回避できる。また、前記含有割合が75%以下であれば、例えば、樹脂シートを形成するための塗工液が取り扱いに優れた粘度となり、流動性にも優れるため、塗工がより一層簡便となる。
前記エポキシ系樹脂は、例えば、必要に応じて各種添加物を配合してもよく、前記添加物としては、例えば、硬化剤、硬化促進剤、老化防止剤、変性剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤等の従来公知の添加物があげられる。これらの添加剤は、例えば、いずれか一種を添加してもよいし、二種類以上を併用してもよい。
前記硬化剤としては、特に制限されないが、例えば、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等の有機酸系化合物類、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等のアミン系化合物類等が挙げられる。これらの硬化剤は、例えば、いずれか一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。
また、前述のような硬化剤の他に、例えば、ジシアンジアミド、ポリアミド等のアミド系化合物類、ジヒドラジット等のヒドラジド系化合物類、メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、エチルイミダゾール、イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、フェニルイミダゾール、ウンデシルイミダゾール、ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール系化合物類、メチルイミダゾリン、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、エチルイミダゾリン、イソプロピルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、フェニルイミダゾリン、ウンデシルイミダゾリン、ヘプタデシルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物類、フェノール系化合物類、ユリア系化合物類、ポリスルフィド系化合物類等もあげられる。
さらに、酸無水物系化合物類等も前記硬化剤として使用でき、このような酸無水物系化合物類は、例えば、変色防止性等の点から好ましい。具体的な例としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ジクロロコハク酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、クロレンディック酸無水物、メチルナジック酸無水物等があげられる。これらの酸無水物系化合物の中でも、特に、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物等は、無色系または淡黄色系であり、分子量が約140〜約200のものが好ましい。これらの中でも、例えば、形成される樹脂シートの厚み方向位相差や、光弾性係数を低値化に関与することから、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物が特に好ましい。
前記エポキシ系樹脂と硬化剤との配合割合は、特に制限されないが、前記硬化剤として酸無水物系硬化剤を用いる場合、エポキシ系樹脂のエポキシ基1当量に対して、例えば、酸無水物当量を0.5〜1.5当量となるように配合することが好ましく、さらに好ましくは0.7〜1.2当量である。前記酸無水物の配合量が、0.5当量以上であれば、硬化後の色相がより一層優れ、1.5当量以下であれば、十分な耐湿性を保持することができる。なお、他の硬化剤を使用する場合や、一種類または二種類以上の硬化剤を併用する場合も、例えば、前述のような割合に準じて配合できる。
前記硬化促進剤としては、特に制限されないが、例えば、第三級アミン類、イミダゾール類、第四級アンモニウム塩類、有機金属塩類、リン化合物類、尿素系化合物類等があげられ、この中でも、特にリン化合物類が好ましい。これらの硬化促進剤は、例えば、一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。
前記硬化促進剤の配合割合は、特に制限されず、例えば、エポキシ系樹脂の量や種類に応じて適宜決定できる。具体的には、エポキシ系樹脂100重量部に対して、硬化促進剤が、例えば、0.05〜7.0重量部であることが好ましく、より好ましく0.2〜3.0重量部の範囲である。前記硬化促進剤の配合量が、0.05重量部以上であれば、充分な硬化促進効果を得ることができ、7.0重量部以下であれば、硬化後の色相がより一層優れたものとなる。
前記老化防止剤としては、特に制限されないが、例えば、フェノール系化合物、アミン系化合物、有機硫黄系化合物、ホスフィン系化合物等の従来公知のものが使用できる。
前記変性剤としては、特に制限されないが、例えば、グリコール類、シリコーン類、アルコール類等の従来公知のものが使用できる。
前記界面活性剤の添加は、特に制限されないが、例えば、エポキシ系樹脂を空気に接触させながら硬化させてエポキシ樹脂シートを形成する際に、シート表面を平滑にするために添加できる。前記界面活性剤としては、例えば、シリコーン系、アクリル系、フッ素系等の各種界面活性剤が使用でき、これらの中でも、シリコーン系が好ましい。
本発明の樹脂シートは、前記エポキシ系樹脂を含有する単層のエポキシ樹脂層であってもよいし、また、前記エポキシ樹脂層を含む積層体であってもよい。
前記単層のエポキシ樹脂層の厚みは、特に制限されず、用途に応じて適宜決定できるが、剛直性または柔軟性、薄型軽量性等の特性の点から、例えば、50μm以上であり、好ましくは50μm〜1mmの範囲、より好ましくは50〜900μmの範囲、特に好ましくは50〜800μmの範囲である。また、特に液晶セル基板等の光学的用途に供する場合は、例えば、200〜500μmの範囲であることが好ましい。
本発明において、樹脂シートが積層体の場合、さらにハードコート層およびガスバリヤ層の少なくとも一方を含むことが好ましく、特に、ハードコート層およびガスバリア層の両方を含むことが好ましい。特に、前記ハードコート層が最外層として積層されていれば、例えば、シートの耐擦傷性等を向上できる。また、液晶表示装置等の各種画像表示装置においては、水分や酸素が液晶セル基板を透過して液晶セル内に侵入すると、液晶の変質や気泡が形成し、これによって外観不良や導電膜パターンの断線等が発生するおそれがある。しかし、前記ガスバリア層を設けることによって、例えば、水分や酸素等のガス透過を防止することができる。
ハードコート層とガスバリア層の両方を含む場合、その積層順序は、特に制限されないが、エポキシ樹脂層、ガスバリア層、ハードコート層の順序で積層されることが好ましい。特に、前記ハードコート層は、耐衝撃性や耐薬品性等に優れることから、最外層として積層されることが好ましく、前記エポキシ樹脂層の他方の表面にもハードコート層が積層されてもよい。
前記ハードコート層の形成材料としては、特に制限されないが、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等があげられる。また、例えば、ポリアリレート系樹脂、スルホン系樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ビニルピロリドン系樹脂、セルロース系樹脂、アクリロニトリル系樹脂等も使用できる。これらの中でも、ウレタン系樹脂が好ましく、より好ましくはウレタンアクリレートである。なお、これらの樹脂は、一種類でもよいし、二種類以上を混合したブレンド樹脂であってもよい。
前記ハードコート層の厚みは、特に制限されないが、通常、製造時の剥離や、剥離の際におけるヒビ割れの発生を防止する点から、例えば、1〜10μmの範囲であり、好ましくは1.5〜8μmの範囲であり、より好ましくは2〜5μmの範囲である。
前記ガスバリア層の種類としては、例えば、有機ガスバリア層と無機ガスバリア層があげられる。前記有機ガスバリア層の形成材料としては、特に制限されないが、例えば、ポリビニルアルコール及びその部分ケン化物、エチレン・ビニルアルコール共重合体等のビニルアルコール系ポリマー、ポリアクリロニトリルやポリ塩化ビニリデン等の酸素透過が小さい材料等が使用でき、これらの中でも、高ガスバリア性の点からビニルアルコール系ポリマーが特に好ましい。
前記有機ガスバリア層の厚みは、例えば、透明性、着色防止、ガスバリア性等の機能性、薄型化、得られる樹脂シートのフレキシビリティー等の点から、15μm以下であることが好ましく、より好ましくは13μm以下であり、さらに好ましくは2〜10μm、特に好ましくは3〜5μmの範囲である。前記厚みが15μm以下であれば、樹脂シートにおいて、より一層低い黄色度指数(YI値)を維持でき、2μm以上であれば、十分なガスバリア機能が維持される。
一方、無機ガスバリア層の形成材料としては、例えば、珪素酸化物、マグネシウム酸化物、アルミニウム酸化物、亜鉛酸化物等の透明材料が使用でき、この中でも、例えば、ガスバリア性や基材層への密着性に優れること等から、珪素酸化物や珪素窒化物が好ましい。
前記珪素酸化物としては、例えば、珪素原子数に対する酸素原子数の割合が、1.5〜2.0であることが好ましい。このような割合であれば、例えば、前記無機ガスバリア層のガスバリア性、透明性、表面平坦性、屈曲性、膜応力、コスト等の点において、より一層優れるからである。なお、前記珪素酸化物においては、珪素原子数に対する酸素原子数の割合の最大値が2.0となる。
前記珪素窒化物としては、例えば、珪素原子数に対する窒素原子数の割合が1.0〜4/3であることが好ましい。
前記無機ガスバリア層の厚みは、特に制限されないが、例えば、5〜200nmの範囲であることが好ましい。前記厚みが5nm以上であれば、例えば、より一層優れたガスバリア性が得られ、前記厚みが200nm以下であれば、透明性、屈曲性、膜応力、コストの点にも優れる。
本発明の樹脂シートは、そのガラス転移温度(Tg)が、例えば、170℃以上であり、好ましくは190℃以上、特に好ましくは200℃以上である。なお、ガラス転移温度(Tg)の上限は制限されない。また、前記エポキシ樹脂層のガラス転移温度(Tg)も同様の範囲であることが好ましく、170℃以上であれば、例えば、無機ガスバリア層の積層時等に反りや変形をより一層防止できる。
本発明の樹脂シートは、その光透過率が、例えば、88%以上であり、好ましくは90%以上、より好ましくは91%以上、特に100%もしくは100%に近いことが好ましい。前記光透過率が88%以上であれば、この樹脂シートを用いて液晶表示装置等の画像表示装置を組み立てた時の表示が、十分に明るくなり、より一層表示品位が向上する。
なお、前記光透過率は、例えば、高速分光光度計を用いてλ=550nmの透過率を測定することによって求めることができる。
本発明の樹脂シートは、例えば、破断強度が60N以上であり、好ましくは100N以上である。
本発明において前記破断強度とは、前記樹脂シートの裏面に深さ約0.3μmの傷をつけ、前記樹脂シートの裏面側に表面無垢平板を、その表面側に直径20mmの孔を有する平板を積層し、この積層体を水平となるように配置して、その四隅を固定した後、前記孔を有する平板の垂直方向から、前記孔内における樹脂シートの露出部分の中心に、直径10mmのステンレス製球により荷重を加えることにより、前記樹脂シートが破断する際の力をいう。
前記破断強度の測定方法について、具体的に、図1に基づいて説明する。同図(A)は、破断強度の測定装置の一例を示す斜視図であって、同図(B)は、前記(A)のI−I方向の断面図であり、切断面以外の部位は省略している。まず、樹脂シート1を約30mm×30mmの大きさに切断し、その裏面に深さ約0.3μmの傷をつけておく。具体的には、孔4内を示す図2の平面図に示すように、少なくとも、孔4内における樹脂シート1の露出部分のうち中心の15mm×15mmの範囲(図2において1a:点線内部)の裏面に傷を付ければよい。このような深さ約0.3μmの傷は、例えば、粒度#2000のペーパーで前記裏面を擦ることによって形成できる。なお、この破断強度を測定するにあたっては、予め前記樹脂シートの裏面につけた傷の深さを、例えば、表面粗さ計等を用いて従来公知の方法で確認しておく。
そして、この傷をつけた裏面が接触するように、前記樹脂シート1を表面無垢平板2上に積層し、さらに、その上に孔4を有する平板3を積層する。そして、この積層体の水平に設置して、その四隅を止め具5で固定する。なお、前記孔4の孔径は直径20mmであり、前記孔4は前記平板3の略中央に設けられている。つぎに、前記積層体の垂直方向から(図において矢印A)、前記孔4の内部に露出した樹脂シート1の中央部に、棒7の先端に備え付けられた直径10mmのステンレス製ボール6を100mm/minの速度で押し当て荷重をかける。そして、前記樹脂シート1が破断した際の力を破断強度とすればよい。なお、この測定方法は、前記破断強度の測定のためにのみ用いられるものであって、本発明の樹脂シートや、その使用、用途等を何ら限定するものではない。
前記表面無垢平板や孔を有する平板の大きさは、特に制限されず、例えば、50mm×50mm〜200mm×200mmの範囲であり、その厚みも、特に制限されないが、例えば、5mm〜30mm程度であることが好ましい。また、前記表面無垢平板の表面平滑性(Ra)は、10nm以下であることが好ましい。
また、本発明の樹脂シートの少なくとも一方の表面は、平滑であることが好ましい。このように表面を平滑にすることによって、例えば、液晶セル基板として使用する際に、前記表面上への配向膜や透明電極等の形成がより一層容易となるからである。具体的には、前記表面の表面粗さ(Ra)が、例えば、1nm以下であることが好ましい。
本発明の樹脂シートは、その厚み方向位相差(Rth)が20nm以下であることが好ましく、より好ましくは0〜15nmであり、特に好ましくは0〜10nmである。前記厚み方向位相差(Rth)は、下記式で表され、下記式においてnx、nyおよびnzは、それぞれ樹脂シートのX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示し、前記X軸方向とは、前記樹脂シートの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸方向は、前記面内において前記X軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、前記X軸およびY軸に垂直な厚み方向を示し、dは前記樹脂シートの厚みを示す。
Rth=[[(nx+ny)/2]-nz]・d
本発明の樹脂シートにおいては、前記範囲の厚み方向位相差に十分に制御可能であることから、全エポキシ系樹脂に対するジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の割合が、例えば、7重量%以上であることが好ましく、より好ましくは10重量%であり、特に好ましくは15重量%である。したがった、前述のように全エポキシ系樹脂に対するジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の割合が、例えば、20〜75重量%の場合においても、十分に厚み方向位相差を前記範囲に制御できる。
また、前記樹脂シートの厚み方向における複屈折「[(nx+ny)/2]-nz」は、例えば、0〜2×10-4であり、より好ましくは0〜1.5×10-4であり、特に好ましくは0〜1.0×10-4である。
また、本発明の樹脂シートは、その光弾性係数が2×10-112/N以下であることが好ましく、より好ましくは0.1×10-112/N〜2×10-112/Nであり、特に好ましくは0.1×10-11〜1.5×10-112/Nである。なお、前記光弾性係数は下記式で表され、下記式においてCは光弾性係数、Δnは複屈折率、σは応力を示す。なお、複屈折率Δnは「nx−ny」で
表され、nxおよびnyは前述のとおりである。なお、光弾性係数は、それぞれの樹脂(二種類以上の樹脂の混合物も含む)に固有の係数である。
C=Δn/σ
このような本発明の樹脂シートの製造方法は、特に制限されず、例えば、以下に示すような方法を適宜採用できる。
まず、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂塗工液を調製する。前記エポキシ樹脂は、必要に応じて適当な溶媒に攪拌混合してもよい。この際、前記エポキシ樹脂塗工液には、前述のように他のエポキシ樹脂や各種添加剤を適宜添加できる。そして、前記エポキシ樹脂塗工液を、ステンレス等の適当な基材上に塗工することによって、エポキシ樹脂層からなる樹脂シートが形成できる。なお、前記溶媒としては、特に制限されず従来公知のものが使用できる。
前記樹脂塗工液の塗工は、例えば、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤバーコート法、ディップコート法、エクストルージョン法、カーテンコート法、スプレコート法等の方法によって、前記基材表面上に流動展開させればよい。また、前記硬化は、例えば、加熱処理等によって行うことができる。
また、塗工した樹脂に対して、必要に応じて、例えば、加熱処理、光照照射処理等の硬化処理を施せばよい。前記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を含むエポキシ系樹脂の硬化条件は、特に制限されないが、例えば、100〜200℃で1〜2時間硬化させることが好ましい。また、硬化温度は、段階的に昇温させてもよく、例えば、150℃で1時間硬化させた後、引き続き200℃で1時間硬化させてもよい。
また、ハードコート層等を含む積層体の樹脂シートの場合は、例えば、基材に上に、ハードコート層を形成してから、前記ハードコート層上に前記エポキシ樹脂層を形成すればよい。前記ハードコート層の形成方法は、特に制限されず、形成材料の樹脂を前記溶媒に混合して塗工液を調製し、前述のような塗工方法によって基材上に塗布し、乾燥させればよい。また、必要に応じて、加熱処理、光照射処理等の硬化処理を行ってもよい。そして、このようにして形成されたハードコート層上に、前述のようにしてエポキシ樹脂層を形成すればよい。
また、ガスバリア層を含む樹脂シートの場合は、例えば、基材上に、前記ハードコート層を形成し、その上にガスバリア層を形成してから、さらに前記エポキシ樹脂層を形成すればよい。前記ガスバリア層の形成方法は、特に制限されず、例えば、従来公知の方法を適宜採用できる。
本発明の樹脂シートは、各種の用途に用いることができ、例えば、液晶セル基板、ELディスプレイ用基板、太陽電池用基板としても好ましく用いることができる。このように各種基板として使用する場合、例えば、従来から使用されているガラス基板等の透明基板と同様にして使用すればよい。
また、本発明の液晶セル基板は液晶表示装置に、本発明のELディスプレイ用基板はEL表示装置に、本発明の太陽電池用基板は太陽電池基板に使用できる。これらの各種基板は、例えば、従来の各種表示装置や太陽電池において使用されているガラス基板等の代替品として使用することができる。そして、このような本発明の各種基板を使用すれば、例えば、十分な強度を維持し、かつ薄型化や軽量化を実現できるのである。
液晶表示装置は、一般に、電極を備えた液晶セル基板に液晶が保持された液晶セル、偏光板、反射板およびバックライトを備え、駆動回路等を組み込んで構成されている。本発明の液晶表示装置においては、前記本発明の樹脂シートを液晶セル基板として使用すればよく、この点を除いて特に限定はされず、さらに従来公知の各種構成部品を備えても良い。従って、本発明の液晶表示装置においては、前記本発明の液晶セル基板に、さらに、例えば、視認側の偏光板の上に設ける光拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護層、保護板、あるいは液晶セルと視認側の偏光と板の間に設ける補償用位相差板等の光学部品等を組み合わせてもよい。
エレクトロルミネセンス表示装置は、一般に、透明基板(ELディスプレイ用基板)上に、透明電極と、発光体(有機エレクトロルミネセンス発光体)を含む有機発光層と、金属電極とが順に積層されることによって構成されている。本発明のEL表示装置においては、前記本発明の樹脂シートをELディスプレイ用基板として使用すればよく、この点を除いて特に限定はされず、さらに従来公知の各種構成部品を備えても良い。
前記有機発光層は、種々の発光体を含む有機薄膜の積層体である。このような積層体としては、例えば、トリフェニルアミン誘導体等を含む正孔注入層と、アントラセン等の蛍光性有機固体からなる発光層との積層体や、前述のような発光層とペリレン誘導体等を含む電子注入層との積層体、前述のような正孔注入層と発光層と電子注入層の積層体等があげられ、様々な組み合わせが知られている。
有機エレクトロルミネセンス表示装置は、通常、透明電極と金属電極とに電圧を印加することによって、有機発光層に正孔と電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によって生じるエネルギーが蛍光物質等の発光体を励起し、励起された蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射するという原理によって発光する。途中の再結合というメカニズムは、一般のダイオードと同様であり、このことからも予想できるように、電流と発光強度とは、印加電圧に対して整流性を伴う強い非線形性を示す。
有機エレクトロルミネセンス装置においては、有機発光層における発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明であることが必要であり、通常、酸化インジウムスズ(ITO)等の透明導電体で形成される透明電極を陽極として使用する。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが重要であり、通常、Mg−Ag、Al−Li等の金属電極が使用される。
このような構成の有機エレクトロルミネセンス装置において、前記有機発光層は、例えば、厚み10nm程度の極めて薄い膜で形成されることが好ましい。このような薄さであれば、例えば、前記有機発光層も透明電極と同様に、光をほぼ完全に透過することができる。その結果、非発光時に透明基板の表面から入射して、透明電極と有機発光層とを透過して金属電極において反射した光が、再び透明基板の表面側へと出るため、外部から視認した際に、有機エレクトロルミネセンス表示装置の表示面が鏡面のように見えるのである。
本発明のEL装置が、例えば、電圧印加によって発光する有機発光層の表面側に透明電極を備え、かつ、有機発光層の裏面側に金属電極を備えた有機EL装置の場合、透明電極の表面側に偏光板を設けるとともに、前記透明電極と偏光板との間に位相板を設けることが好ましい。
前記位相板および偏光板は、外部から入射して金属電極で反射してきた光を偏光さる作用を有するため、その偏光作用によって金属電極の鏡面を外部から視認させないという効果がある。特に、位相板として1/4波長板を使用し、かつ、偏光板と位相板との偏光方向のなす角を、π/4に調整すれば、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。すなわち、この有機EL装置に入射する外部光は、偏光板により直線偏光成分のみを透過できる。この直線偏光は位相板によって一般に楕円偏光となるが、特に位相板が1/4波長板であり、しかも偏光板と位相板との偏光方向のなす角がπ/4のときには円偏光となる。この円偏光は、例えば、透明基板、透明電極、有機薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び有機薄膜、透明電極、透明基板を透過して、位相板によって再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は、偏光板の偏光方向と直交しているため、偏光板を透過できない。その結果、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができるのである。
以下に、実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。なお、実施例において特に示さない限り、「部」は重量部を示す。
(実施例1)
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂として前記式(1)で示されるエポキシ樹脂(商品名HP−7200L(エポキシ等量247);大日本インキ社製)を、他のエポキシ系樹脂(脂環式)として下記式(2)で示される3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートを、硬化剤として下記式(3)で示されるメチルヘキサヒドロフタル酸無水物を、硬化触媒として下記式(4)で示されるテトラ−n−ブチルホスホニウムo,o−ジエチルホスホロジチオエートをそれぞれ使用し、これらを下記表1に示す組成となるように攪拌混合してエポキシ樹脂液を調製した。なお、前記式(1)で示されるエポキシ樹脂は、R1、R2、R3が水素である混合物であって、nの平均値が0.2である。一方、下記式(5)で示されるウレタンアクリレートをトルエンに懸濁し、17重量%のウレタンアクリレート溶液を調製した。また、下記表1において、Aはジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、Bは3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、Cはメチルヘキサヒドロフタル酸無水物、Dはテトラ−n−ブチルホスホニウム o,o−ジエチルホスホロジチオエートを表す。
Figure 2004277708
Figure 2004277708
Figure 2004277708
Figure 2004277708
(表1)
A(重量部) B(重量部) C(重量部) D(重量部)
実施例1 26.6 26.6 48.5 1.0
実施例2 14.9 34.7 53.0 1.0
実施例3 40.0 17.2 44.9 1.0
実施例4 9.6 38.4 54.7 1.0
実施例5 3.3 43.3 56.2 1.0
実施例6 56.2 6.3 39.1 1.0
実施例7 63.3 1.3 36.9 1.0
比較例1 0 45.1 53.9 1.0
そして、図3に例示した装置を用いて、流延法に従いエポキシ樹脂層とハードコート層との積層体である樹脂シートを作製した。同図に示す製造装置は、駆動ドラム(22)、従動ドラム(23)、前記両ドラムを介して矢印方向に一定速度で走行するステンレス製エンドレスベルト(21)、ハードコート層塗布用ダイ(24)、エポキシ樹脂塗布用ダイ(25)、UV硬化装置(26)および乾燥機(27)を備える。
まず、前記ウレタンアクリレート溶液を、ダイ(24)よりエンドレスベルト(21)表面に走行速度0.5m/分で流延塗布し、風乾してトルエンを揮発させた後、これをUV硬化装置(26)により硬化させ、膜厚2.0μmのハードコート層(32)を形成した。続いて、前記エポキシ樹脂液を、ダイ(25)よりハードコート層(32)上に走行速度0.3m/分で流延塗布し、前記乾燥機(27)を用いて150℃で30分間硬化させ、膜厚400μmのエポキシ樹脂層(31)を形成した。これによって、ハードコート層(32)上にエポキシ樹脂層(31)が積層された積層体(30)が得られた。
つぎに、積層体(30)を前記エンドレスベルトから剥離し、窒素置換により酸素濃度0.5%とした雰囲気下、ガラス板上で180℃×0.5時間放置し、アフターキュアを行った。このようにして得られた厚み402μmの積層体を樹脂シート(実施例1〜7および比較例1)として、以下の評価試験を行った。
1.ガラス転移温度(℃)
前記各樹脂シートについて、粘弾性スペクトロメーター装置(商品名Ares;レオメトリックサイエンティフィック社製)を用いて粘弾性スペクトルを測定し、tanδのピーク値をガラス転移温度(Tg)とした。
2.光透過率(%)
前記各樹脂シートについて、高速分光光度計(商品名DOT−3C;村上色彩技術研究所製)を用いてλ=550nmの透過率を測定した。
3.破断強度(N)
前記樹脂シートについて、オートグラフ(島津製作所製)を用いて、前述のような、図1に例示した測定方法により、樹脂シートの破断時の力を測定した。なお、表面無垢平板2、直径20mmの孔を有する平板3の厚みはいずれも30mmとし、その材質はいずれもステンレスとした。また、前記樹脂シート30の裏面(ハードコート層32の裏面)に粒度♯2000のペーパーで傷をつけた。そして、その傷の深さを、ランダムに5点、粗さ計(商品名P−11:テンコール社製)によって測定したところ、いずれの点も0.3μmであった。
4.塗工性
前記各樹脂シートの作製において、前記ハードコート層側表面にエポキシ樹脂液を塗工した際に、形成されたエポキシ樹脂層の厚みのばらつきを評価した。なお、この際、前記樹脂シートは、400mm×400mmの支持体上にハードコート層を形成し、さらにエポキシ樹脂層を形成することによって作製した。400mm×400mmの樹脂シートについて、ランダムに5点、厚みの測定を行った。そして、平均厚みを400μmとし、これを100%とした設定した場合における、前記平均厚みと各点の厚みとの差の相対値(%)を求めた。そして各点における相対値をバラツキとして、下記評価基準に基づいて塗工性を評価した。
○ : 厚みのバラツキが、±10%未満である。
△ : 厚みのバラツキが、±10%〜±20%の範囲である。
× : 厚みのバラツキが、±20%を超える。
5.総合評価
前記1〜4の評価結果から、各樹脂シートを液晶セル基板として使用する場合の実用性を下記評価基準に基づき評価した。
A : ガラス転移温度、光透過率および破断強度のバランスが非常に優れ、実用面で好ましく用いることができる。
B : ガラス転移温度、光透過率および破断強度のうち少なくとも一つが、実用面で耐えうるが性能がやや劣る。
C : ガラス転移温度、光透過率および破断強度のうち少なくとも一つが、実用面で耐えうるが性能がかなり劣る。
D : ガラス転移温度、光透過率および破断強度のうち少なくとも一つが、実用面で耐えることができない。
6.厚み方向位相差(Rth)
自動複屈折計(商品名KOBRA-21ADH;王子計測機器社製)を用いて、各樹脂シートについて、波長590nmにおける値を測定した。
7.光弾性係数
各樹脂シートに応力を加えながら、下記式で示す前記樹脂シート面内の位相差(Δnd)を測定し、これを前記樹脂シートの厚みdで割ることによって、面内
の複屈折率Δnを求めた。様々な応力に対応するΔnを算出して、応力とΔnと
の曲線を作成し、その傾きを光弾性係数とした。なお、下記式においてnx、ny、dは、前述と同様である。
Δnd=(nx‐ny)・d
これらの結果を下記表2に示す。
Figure 2004277708
前記表2に示すように、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を含まない比較例1の樹脂シートは、ガラス転移温度(Tg)および光透過性は優れるものの、破断強度が20Nと低い値であり、強靭性が不十分な結果であった。そして、この比較例1の樹脂シートを用いて液晶表示装置を組み立て、運送した際には、前記樹脂シートが割れるという現象が見られた。これに対して、実施例1〜7の樹脂シートは、ガラス転移温度(Tg)および光透過性に優れるだけでなく、さらに優れた破断強度も併せ持つという特性を示した。このため、例えば、液晶セル基板等に適用すれば、耐熱性、光透過性、耐熱性、強靭性に優れ、軽量化や薄型化の液晶表示装置の提供が可能になる。これらの実施例の中でも、特に、全エポキシ系樹脂に対するジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂の含有割合を50%に設定した実施例1においては、透過率およびガラス転移温度が高く、耐熱性と強靭性のバランスに特に優れた樹脂シートを得ることができた。また、実施例1〜7の樹脂シートは、厚み方向位相差が20nm以下であるため、例えば、液晶セルのセル基板等に適用すれば、光学補償フィルム等の光学特性を邪魔することなく良好な特性を維持できる。
このように、本発明の樹脂シートは、エポキシ系樹脂として、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を含むため、優れた強度を示す。このため、例えば、運搬時や、液晶表示装置等の各種表示装置を組み立てる再に破断することがなく、生産効率を向上できる。したがって、本発明の樹脂シートを前述のような各種表示装置に適用すれば、軽量化、薄型化のみならず、優れた強度を示す各種表示装置を得ることができる。
図1は、破断強度の測定装置の一例を示す図であり、(A)はその斜視図、(B)は、前記(A)のI−I方向断面図である。 図2は、前記測定装置に配置する本発明の樹脂シートの一例の部分を示す図である。 図3は、本発明の樹脂シートの製造工程の一例を示す図である。
符号の説明
1:樹脂シート
2:表面無垢平板
3:平板
4:孔
5:止め具
6:球
7:棒
21:エンドレスベルト
22、23:ドラム
24、25:ダイ
26:UV硬化装置
27:乾燥機
30:樹脂シート
31:エポキシ樹脂層
32:ハードコート樹脂層

Claims (19)

  1. エポキシ系樹脂を含有する樹脂シートであって、前記エポキシ系樹脂がジシクロペンタジエン型骨格を有するエポキシ樹脂を含む樹脂シート。
  2. ジシクロペンタジエン型骨格を有するエポキシ樹脂が下記式(1)に示す構造である請求項1記載の樹脂シート。
    Figure 2004277708
    前記式において、R1、R2およびR3は、水素または直鎖もしくは分岐鎖を有するアルキル基であって、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、nは重合度を示す。
  3. 前記エポキシ系樹脂が、さらに脂環式エポキシ系樹脂を含む請求項1または2記載の樹脂シート。
  4. 前記ジシクロペンタジエン型骨格を有するエポキシ樹脂の含有割合が、全エポキシ系樹脂に対して20〜75重量%の範囲である請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂シート。
  5. 樹脂シートが、前記エポキシ系樹脂を含有する単層のエポキシ樹脂層である請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂シート。
  6. 樹脂シートが、前記エポキシ系樹脂を含有するエポキシ樹脂層を含む積層体である請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂シート。
  7. 前記積層体が、ハードコート層を含む請求項6記載の樹脂シート。
  8. 前記積層体がガスバリア層を含む請求項6または7記載の樹脂シート。
  9. ガラス転移温度(Tg)が170℃以上である請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂シート。
  10. 光透過率が88%以上である請求項1〜9のいずれか一項に記載の樹脂シート。
  11. 破断強度が60N以上である請求項1〜10のいずれか一項に記載の樹脂シート。
  12. 厚み方向位相差が20nm以下である請求項1〜11のいずれか一項に記載の樹脂シート。
  13. 光弾性係数が2×10-112/N以下である請求項1〜12のいずれか一項に記載の樹脂シート。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の樹脂シートを含む液晶セル基板。
  15. 請求項14記載の液晶セル基板を含む液晶表示装置。
  16. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の樹脂シートを含むエレクトロルミネッセンスディスプレイ用基板。
  17. 請求項16記載のエレクトロルミネッセンスディスプレイ用基板を含むエレクトロルミネッセンス表示装置。
  18. 請求項1〜13記載の樹脂シートを含む太陽電池用基板。
  19. 請求項18記載の太陽電池用基板を含む太陽電池。
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