JP3679045B2 - カラーフィルター付き樹脂シートとその製造方法および液晶表示装置 - Google Patents
カラーフィルター付き樹脂シートとその製造方法および液晶表示装置 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、薄型、軽量であり、機械強度、ガスバリア性、耐熱性および光拡散性に優れたカラーフィルター付き樹脂シートとその製造方法、および上記カラーフィルター付き樹脂シートを用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置等の表示装置においては、透明粒子を有する光拡散シートを液晶セルの視認側に貼り付け照明光や液晶表示装置内臓のバックライトに起因するギラツキを防止し視認性を向上させる方法が知られていた。しかし液晶表示装置の薄型化、軽量化の点から光拡散シートを液晶セルの視認側に貼り付ける代わりに、光拡散機能を液晶セル基板に付与することが検討されている。
液晶表示装置を形成する液晶セルの大型化に伴い、ガラス系の樹脂シートでは重くて嵩高いことから、薄型軽量化などを目的にエポキシ系樹脂等からなる樹脂系の樹脂シートが提案され、開発されている。また表示の多様化に伴い樹脂系の樹脂シートにおいてもカラー化の要求が強まっている。従来カラーフィルター付きの樹脂系の樹脂シートの製造方法は、流延法、注型法等により支持体上にハードコート層を塗布した後、ガスバリア層、エポキシ系樹脂層を順次積層させ、支持体からこれら樹脂の積層体を剥離した後、エポキシ系樹脂層上にR、G、BあるいはBM等からなるカラーフィルター層を順次積層させて行ってきた。しかしこの方法ではハードコート層、ガスバリア層、およびエポキシ系樹脂層からなる積層体は吸湿等により寸法変化が大きく、カラーフィルター層を積層させる時パターニングの位置合わせが非常に困難であった。またカラーフィルター層が最外層にありR、G、BあるいはBM等からなるパターニングが施されているため表面が凹凸であり、表面を平坦にするためにアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂等からなるトップコート層を塗工する必要があった。
またカラーフィルターの形成方法としては、フォトリソグラフィの手法を用いて、形成した可染媒体を染色する染色法、顔料分散感光性組成物を用いる顔料分散法、パターニングした電極を利用する電着法、低コストの製造法である印刷法、およびインクジェット式インキ噴射装置を用いて着色部分を形成するインクジェット法が知られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、薄型、軽量であり、機械強度、ガスバリア性、耐熱性および光拡散性に優れたカラーフィルター付き樹脂シート、上記カラーフィルター付き樹脂シートの精度よく効率的な製造方法および上記カラーフィルター付き樹脂シートを用いた液晶表示装置を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくともハードコート層、エポキシ系樹脂と屈折率が相違する微小領域を含有するエポキシ系樹脂層、ガスバリア層、およびカラーフィルター層からなり、且つ、上記微小領域がエポキシ系樹脂層の厚さ方向に濃度分布を有して偏在していることを特徴とするカラーフィルター付き樹脂シートを提供するものである。前記エポキシ系樹脂層は単層または微小領域含有層と微小領域不含有層の密着重畳層からなることが好ましい。またエポキシ系樹脂層が最外層にあり、且つ、前記微小領域がエポキシ系樹脂層の最外側に偏在しているカラーフィルター付き樹脂シートにおいては、エポキシ系樹脂層の最外側の表面が平滑であることが好ましい。前記微小領域とエポキシ系樹脂との屈折率差は0.03〜0.10であることが好ましい。
また本発明は、少なくともハードコート層、エポキシ系樹脂と屈折率が相違する微小領域を含有するエポキシ系樹脂層、ガスバリア層、およびカラーフィルター層からなり、且つ、上記微小領域がエポキシ系樹脂層の厚さ方向に濃度分布を有して偏在していることを特徴とするカラーフィルター付き樹脂シートを製造する方法において、ハードコート層にて被覆した支持体上にカラーフィルター層、ガスバリア層、エポキシ系樹脂層を順次積層させる工程を含むことを特徴とするカラーフィルター付き樹脂シートの製造方法を提供するものである。
また本発明は、少なくともハードコート層、エポキシ系樹脂と屈折率が相違する微小領域を含有するエポキシ系樹脂層、ガスバリア層、およびカラーフィルター層からなり、且つ、上記微小領域がエポキシ系樹脂層の厚さ方向に濃度分布を有して偏在していることを特徴とするカラーフィルター付き樹脂シートを製造する方法において、ハードコート層にて被覆した支持体上にガスバリア層、カラーフィルター層、エポキシ系樹脂層を順次積層させる工程を含むことを特徴とするカラーフィルター付き樹脂シートの製造方法を提供するものである。
本発明においては流延法によりインクジェット方式を用いてカラーフィルター層を積層する工程を含むことが好ましい。
前記支持体の表面粗さ(Ra)は10nm以下であることが好ましく、前記支持体の25℃×20%RHにおける二点間距離A0と25℃×80%RHにおける二点間距離A1の比A1/A0が1以上1.00003以下であることが好ましい。
また本発明は、本発明のカラーフィルター付き樹脂シートを用いた液晶表示装置も提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明におけるカラーフィルター付き樹脂シートは、少なくともハードコート層、エポキシ系樹脂と屈折率が相違する微小領域を含有するエポキシ系樹脂層、ガスバリア層、およびカラーフィルター層からなり、且つ、上記微小領域がエポキシ系樹脂層の厚さ方向に濃度分布を有して偏在していることを特徴とする。
【0006】
本願発明においてハードコート層を形成する材料としては、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコールやエチレン・ビニルアルコール共重合体の如きポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂や塩化ビニリデン系樹脂が挙げられる。
【0007】
また、ポリアリレート系樹脂、スルホン系樹脂、アミド系樹脂、イミド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ビニルピロリドン系樹脂、セルロース系樹脂やアクリロニトリル系樹脂などもハードコート層の形成に用いることができる。これらの樹脂の中ではウレタン系樹脂が好ましく、ウレタンアクリレートが特に好ましく用いられる。なおハードコート層の形成には、適宜な樹脂の2種以上のブレンド物なども用いることができる。
【0008】
本発明においてハードコート層の塗布する方法としては、上記樹脂を適宜の有機溶剤または水に溶解した溶液を塗布し、乾燥後、必要に応じて加熱もしくは光照射により硬化すればよい。塗布方法としてはロールコート、スピンコート、ワイヤーバーコート、エクストルージョンコート、カーテンコート、スプレイコートやディップコート等が挙げられるが、特にダイを用いたエクストルージョンコートが塗布効率などの点より好ましい。
【0009】
本発明におけるエポキシ系樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型やビスフェノールF型、ビスフェノールS型やそれらの水添加の如きビスフェノール型、フェノールノボラック型やクレゾールノボラック型の如きノボラック型、トリグリシジルイソシアヌレート型やヒダントイン型の如き含窒素環型、脂環式型、脂肪族型、ナフタレン型の如き芳香族型、グリシジルエーテル型、ビフェニル型の如き低吸水率タイプ、ジシクロ型、エステル型、エーテルエステル型、およびそれらの変成型などが挙げられる。これらは単独で使用してもあるいは併用してもよい。上記各種エポキシ系樹脂の中でも、変色防止性などの点よりビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート型を用いることが好ましい。
【0010】
このようなエポキシ系樹脂としては、一般にエポキシ当量100〜1000、軟化点120℃以下のものが、得られる樹脂シートの柔軟性や強度等の物性などの点より好ましく用いられる。さらに塗工性やシート状への展開性等に優れるエポキシ樹脂含有液を得る点などよりは、塗工時の温度以下、特に常温において液体状態を示す二液混合型のものが好ましく用いうる。
【0011】
またエポキシ系樹脂は、硬化剤、硬化促進剤、および必要に応じて従来から用いられている老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤等の従来公知の各種添加物を適宜に配合することができる。
【0012】
前記、硬化剤についても特に限定はなく、エポキシ系樹脂に応じた適宜な硬化剤を1種または2種以上用いることができる。ちなみにその例としては、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸やメチルヘキサヒドロフタル酸の如き有機酸系化合物類、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンやそれらのアミンアダクト、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタンやジアミノジフェニルスルホンの如きアミン系化合物類が挙げられる。
【0013】
またジシアンジアミドやポリアミドの如きアミド系化合物類、ジヒドラジットの如きヒドラジド系化合物類、メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、エチルイミダゾール、イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、フェニルイミダゾール、ウンデシルイミダゾール、ヘプタデシルイミダゾールや2−フェニル−4−メチルイミダゾールの如きイミダゾール系化合物類も前記硬化剤の例として挙げられる。
【0014】
さらに、メチルイミダゾリン、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、エチルイミダゾリン、イソプロピルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、フェニルイミダゾリン、ウンデシルイミダゾリン、ヘプタデシルイミダゾリンや2−フェニル−4−メチルイミダゾリンの如きイミダゾリン系化合物、その他、フェノール系化合物、ユリア系化合物類やポリスルフィド系化合物類も前記硬化剤の例として挙げられる。
【0015】
加えて、酸無水物系化合物類なども前記硬化剤の例として挙げられ、変色防止性などの点より、かかる酸無水物硬化剤が好ましく用いうる。その例としては無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ジクロロコハク酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物やクロレンディック酸無水物などが挙げられる。
【0016】
特に、無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物やメチルヘキサヒドロフタル酸無水物の如く無色系ないし淡黄色系で、分子量が約140〜約200の酸無水物系硬化剤が好ましく用いられる。
【0017】
前記エポキシ系樹脂と硬化剤の配合割合は、硬化剤として酸無水物系硬化剤を用いる場合、エポキシ系樹脂のエポキシ基1当量に対して酸無水物当量を0.5〜1.5当量となるように配合することが好ましく、さらに好ましくは0.7〜1.2当量がよい。酸無水物が0.5当量未満では、硬化後の色相が悪くなり、1.5当量を超えると、耐湿性が低下する傾向がみられる。なお他の硬化剤を単独で又は2種以上を併用して使用する場合にも、その使用量は前記の当量比に準じる。
【0018】
前記硬化促進剤としては、第三級アミン類、イミダゾール類、第四級アンモニウム塩類、有機金属塩類、リン化合物類や尿素系化合物類等が挙げられるが、特に第三級アミン類、イミダゾール類やリン化合物類を用いることが好ましい。これらは単独であるいは併用して使用することができる。
【0019】
前記硬化促進剤の配合量は、エポキシ系樹脂100重量部に対して0.05〜7.0重量部であることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜3.0重量部がよい。硬化促進剤の配合量が0.05重量部未満では、充分な硬化促進効果が得られず、7.0重量部を超えると硬化体が変色するおそれがある。
【0020】
前記老化防止剤としては、フェノール系化合物、アミン系化合物、有機硫黄系化合物やホスフィン系化合物等の従来公知のものが挙げられる。
【0021】
前記変性剤としては、グリコール類、シリコーン類やアルコール類等従来公知のものが挙げられる。
【0022】
前記界面活性剤は、エポキシ系樹脂シートを流延法でエポキシ樹脂を空気に触れながら成形する場合に、シートの表面を平滑にするために添加される。界面活性剤としてはシリコーン系、アクリル系やフッ素系等が挙げられるが、とくにシリコーン系が好ましい。
【0023】
本発明におけるエポキシ系樹脂層を塗布する方法はエポキシ系樹脂等に硬化剤等を配合した溶液をロールコート、スピンコート、ワイヤーバーコート、エクストルージョンコート、カーテンコート、スプレイコートやディップコート等の塗布方法で形成するのが好ましく、ダイを用いたエクストルージョンコートが塗布効率などの点で特に好ましい。
【0024】
本発明においては、光拡散性を付与するためにエポキシ系樹脂層に屈折率が異なる微小領域を含有させる必要がある。微小領域とエポキシ系樹脂との屈折率差は0.03〜0.10であることが好ましい、屈折率差が0.03よりも小さい場合や0.10よりも大きい場合は十分な光拡散機能を付与することができない。
【0025】
微小領域としてはシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウムや酸化アンチモン等からなる無機系粒子や架橋もしくは未架橋のポリマー等からなる有機系粒子などが挙げられる。またエポキシ系樹脂塗工液中に攪拌方式等の適宜な方式で混入させた気泡なども微小領域の形成材として利用することができる。
【0026】
微小領域の形成材の粒径は適宜に決定しうるが、十分な光拡散性を得るために平均粒径が0.2〜100μm以下、好ましくは0.5〜50μm、更に好ましくは1〜20μmがよい。
【0027】
また微小領域の形成材の使用量も光拡散性の程度などに応じて適宜に決定しうるが、一般には透明粒子の場合、エポキシ系樹脂100重量部あたり200重量部以下、好ましくは0.05〜150重量部、更に好ましくは0.1〜50重量部がよい。なお気泡等も含めた場合には微小領域の含有側ないし含有層に基いて80容量%以下、好ましくは2〜60容量%、更に好ましくは5〜50容量%がよい。
【0028】
本発明においては、十分な光拡散性を付与するために、微小領域がエポキシ系樹脂の厚さ方向に濃度分布を有して偏在していることが必要である。微小領域を偏在させることにより、液晶層に近い部分にのみ微小領域を分布させることが可能になり、光拡散機能を付与して視認性を向上させることができる。
本発明において微小領域が偏在しているとはエポキシ系樹脂層を厚さ方向に等体積で2等分した場合、一方のエポキシ系樹脂層に含有される微小領域の体積比率が他方のエポキシ系樹脂層に含有される微小領域の体積比率の2倍以上、好ましくは3倍以上、更に好ましくは5倍以上であるということである。体積比率とは(微小領域の体積/微小領域を含むエポキシ系樹脂層の体積)のことである。
微小領域をエポキシ系樹脂の厚さ方向に濃度分布を有して偏在させる方法としてはエポキシ系樹脂塗工液のシート状展開層中にて微小領域を比重差に基いて沈降または浮遊させる方法が挙げられる。この場合、エポキシ系樹脂層は単層からなり微小領域含有側と微小領域不含有側に分離する。
【0029】
また微小領域を含有しないエポキシ系樹脂塗工液を塗布し半硬化状態にした後、微小領域を含有するエポキシ系樹脂塗工液を塗布し、双方の塗工液を完全に硬化させることによって微小領域を偏在させてもよい。この場合、エポキシ系樹脂層は微小領域含有層と微小領域不含有層の密着重畳層からなる。また、この場合、微小領域を含有しないエポキシ系樹脂塗工液と微小領域を含有するエポキシ系樹脂塗工液の塗布順は逆であってもよい。このように先の展開層を半硬化処理した後に他方の展開層を重畳する方式とすることにより、微小領域が他方の展開層内に侵入することを抑制ないし防止できる。
また上記のようにエポキシ系樹脂層を2回に分けて塗布する場合、前記記載の偏在の範囲内であれば2回とも微小領域を含有するエポキシ系樹脂塗工液を塗布してもよい。
【0030】
本発明においては、エポキシ系樹脂層が最外層にあり、且つ、微小領域がエポキシ系樹脂層の最外側にある場合は、エポキシ系樹脂層の最外側の表面は平滑であることが好ましい。本発明において平滑とは表面粗さ(Ra)が1nm以下であることを意味する。平滑とすることにより配向膜や透明電極等の形成が容易となるからである。
【0031】
本発明におけるガスバリア層の材料としてはポリビニルアルコール及びその部分ケン化物やエチレン・ビニルアルコール共重合体等のビニルアルコール系ポリマー、ポリアクリロニトリルやポリ塩化ビニリデン等の酸素透過が小さい有機材料が用いられるが、高ガスバリア性の点よりビニルアルコール系ポリマーが特に好ましい。
【0032】
有機ガスバリア層の形成は、キャスティング方式、スピンコート方式、ワイヤーバーコート方式やエクストルージョンコート方式等の適宜な塗工方法により前記ガスバリア層に用いるポリマー溶液を展開し、乾燥することにより行うことができる。
【0033】
有機ガスバリア層の厚みは2〜10μmが好ましく、さらに好ましくは3〜5μmがよい。ガスバリア層の厚みが2μm未満であると十分なガスバリア機能を付与することができず、10μmを超えると樹脂シートが黄変する
【0034】
本願発明においてガスバリア層を形成する材料としては、上記有機ガスバリア層以外に珪素酸化物、マグネシウム酸化物、アルミニウム酸化物や亜鉛酸化物等の透明な無機ガスバリア材料を用いてもよく、ガスバリア性や基材層への密着性等から珪素酸化物が好ましく用いられる。
【0035】
珪素酸化物としては珪素原子数に対する酸素原子数の割合が1.5〜2.0であることが無機ガスバリア層のガスバリア性、透明性、表面平坦性、屈曲性、膜応力、コスト等の点から好ましい。珪素原子数に対する酸素原子数の割合が1.5よりも小さくなると屈曲性や透明性が悪くなる。珪素酸化物においては、珪素原子数に対する酸素原子数の割合の最大値が2.0となる。
【0036】
また無機ガスバリア層を形成する材料としては、珪素窒化物も好ましく用いられ、珪素原子数に対する窒素原子数の割合が1.0〜4/3のものが無機ガスバリア層のガスバリア性、透明性、表面平坦性、屈曲性、膜応力、コスト等の点から好ましく用いられる。珪素窒化物においては、珪素原子数に対する窒素原子数の割合の最大値が4/3となる。
【0037】
また本発明における無機ガスバリア層の厚みは5〜200nmであることが好ましい。無機ガスバリア層の厚みが5nmより薄くなると良好なガスバリア性が得られず、無機ガスバリア層の厚みが200nmより厚くなると透明性、屈曲性、膜応力、コストの点で問題がある。
【0038】
無機ガスバリア層の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法等が好ましく用いられる。
【0039】
本発明におけるカラーフィルター層は、ブラックマトリックス(BM)が形成された平面上に、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の画素が所定の位置にパターニングされたものである。
【0040】
本発明においてカラーフィルター層の積層方法は染色法、顔料分散法、電着法、印刷法やインクジェット法等が挙げられるが、流延法と組み合わせて良好な生産効率が得られる点でインクジェット法が好ましく用いられる。すなわち本発明においては、流延法でインクジェット方式を用いてカラーフィルター層を積層させることが好ましい。
インクジェット方式とはインク噴射装置を用いて赤、青、緑からなるインクをインクジェットノズルより噴射して所定のパターンにパターニングする方式のことである。インクジェット方式によると赤、青、緑からなるインクを同時にパターニングすることができるので製造効率の向上が可能になる。また流延法による樹脂シートの製造工程中にインク噴射装置を設置することで、流延法における一連の連続した製造工程でカラーフィルター付き樹脂シートの製造が可能となる。
【0041】
インクジェット法によってパターニングする場合、着色成分とバインダー樹脂を含むインキを用いることができる。着色成分としては、耐熱性、耐光性などに優れた顔料および染料を用いることが好ましい。バインダー樹脂としては、透明で耐熱性に優れた樹脂が好ましく、例えばメラミン樹脂やアクリル系樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0042】
また本発明は、少なくともハードコート層、エポキシ系樹脂と屈折率が相違する微小領域を含有するエポキシ系樹脂層、ガスバリア層、およびカラーフィルター層からなり、且つ、上記微小領域がエポキシ系樹脂層の厚さ方向に濃度分布を有して偏在していることを特徴とするカラーフィルター付き樹脂シートを製造する方法において、ハードコート層にて被覆した支持体上にカラーフィルター層、ガスバリア層、エポキシ系樹脂層を順次積層させる工程を含むことを特徴とする。
【0043】
この場合、カラーフルター層とガスバリア層を積層する順は逆でもよく、すなわちハードコート層にて被覆した支持体上にガスバリア層、カラーフィルター層、エポキシ系樹脂層を順次積層してもよい。すなわち本発明においてはカラーフィルター層を積層する前にハードコート層、ガスバリア層、エポキシ系樹脂層等からなる積層体を剥離する工程を含まないことを特徴とする。
【0044】
本発明に用いる支持体は表面平滑性が良好で、かつ温度、湿度などの環境変化に対して寸法変化の小さな材料が好ましく、ガラス板、金属板等が用いられる。支持体の形状は単板状、エンドレスベルト状等が好ましく用いられる。支持体の表面粗さ(Ra)は10nm以下であることが好ましい。支持体の表面粗さ(Ra)が10nmよりも大きい場合は鏡面状の樹脂シートが得られなくなる。
【0045】
本発明における支持体の25℃×20%RHにおける二点間距離A0と25℃×80%RHにおける二点間距離A1の比A1/A0は1以上1.00003以下であることが好ましい。前記二点間距離A1/A0が1より小さい場合、または1.00003よりも大きい場合は、ハードコート層にて被覆した支持体上にR、G、BあるいはBM等からなるカラーフィルター層を積層する場合、パターニングの位置ずれが起こる。本発明においてA1/A0が1以上であるということは、A1/A0が1.00000以上であるということである。
【0046】
本発明においては、流延法でインクジェット方式を用いてカラーフィルター層を形成する工程を含み、流延法における支持体の表面粗さ(Ra)が10nm以下であり、且つ、支持体の25℃×20%RHにおける二点間距離A0と25℃×80%RHにおける二点間距離A1の比A1/A0が1以上1.00003以下であることが最も好ましい。
【0047】
本発明の支持体には例えばヘアライン状のケガキが支持体の流れ方向に支持体の端部と平行に設けられ、センサーにより支持体の蛇行を検出し、インク噴射装置のインクジェットノズルを支持体の変位に対して追随させる仕組みになっている。従って本発明においては精度よくカラーフィルター層のパターニングを行うことが可能になる。
【0048】
本発明において少なくともハードコート層、エポキシ系樹脂と屈折率が相違する微小領域を含有するエポキシ系樹脂層、ガスバリア層、およびカラーフィルター層からなり、且つ、上記微小領域がエポキシ系樹脂層の厚さ方向に濃度分布を有して偏在していることを特徴とするカラーフィルター付き樹脂シートを製造する方法に関しては、ガスバリア層上にカラーフィルター層を印刷することで、ガスバリア層とインク受容層を兼用することができ製造工程の簡略化が可能になるが、ガスバリア層の上にカラーフィルター層を積層すると、ガスバリア層への熱負荷が大きくなり、ガスバリア層が黄変しやすくなることを考慮して、ハードコート層にて被覆した支持体上にカラーフィルター層、ガスバリア層、およびエポキシ系樹脂層を順次積層させてもよい。ハードコート層にて被覆した支持体上にカラーフィルター層を積層させる場合は、ハードコート層上にインク受容層を積層させた後カラーフィルター層を積層させる必要がある。
【0049】
本発明におけるカラーフィルター付き樹脂シートに電極を形成し、電極付きの樹脂シートを提供することができる。
【0050】
前記電極としては透明電極膜が好ましく用いられる。透明電極膜は、例えば酸化インジウム、酸化スズ、インジウム・錫混合酸化物、金、白金、パラジウム、透明導電塗料などの適宜な形成材を用いて、真空蒸着法やスパッタリング法や塗工法等により付設ないし塗布する方式などの従来に準じた方式にて行うことができ、透明導電膜を所定の電極パターン状に直接形成することも可能である。また透明導電膜上に必要に応じて設けられる液晶配列用の配向膜も従来に準じた方式にて付加することもできる。
【0051】
液晶表示装置は一般に、偏光板、液晶セル、反射板又はバックライト、及び必要に応じての光学部品等の構成部品を適宜に組み立てて駆動回路を組み込むことなどにより形成される。本発明においては、上記したカラーフィルター付き樹脂シートを用いる点を除いて特に限定はなく、従来に準じて形成することができる。従って、本発明における液晶表示装置の形成に際しては、例えば視認側の偏光板の上に設ける光拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護層、保護板、あるいは液晶セルと視認側の偏光板の間に設ける補償用位相差板などの適宜な光学部品を前記カラーフィルター付き樹脂シートに適宜に組み合わせることができる。また微小領域含有側もしくは微小領域含有層をセルの内側として用いることが視差や影の発生を防止ないし抑制する点でより好ましい。
【0052】
また本発明のカラーフィルター層が積層された粒子分散系樹脂シートの用途は液晶セル基板に限定されるものではなく、エレクトロルミネッセンス表示装置用基板としても好ましく用いられる。特にフルカラーエレクトロルミネッセンス表示装置においては、R、G、B各色の発光スペクトルがブロードであるため、色純度を向上させる目的でカラーフィルター層が必要となる。
【0053】
一般に、有機エレクトロルミネセンス装置は、透明基板上に透明電極と有機発光層と金属電極とを順に積層して発光体(有機エレクトロルミネセンス発光体)を形成している。ここで、有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えばトリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層と、アントラセン等の蛍光性の有機固体からなる発光層との積層体や、あるいはこのような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層の積層体や、またあるいはこれらの正孔注入層,発光層,および電子注入層の積層体等、種々の組み合わせをもった構成が知られている。
有機エレクトロルミネセンス装置は、透明電極と金属電極とに電圧を印加することによって、有機発光層に正孔と電子とが注入され、これら正孔と電子との再結合によって生じるエネルギーが蛍光物質を励起し、励起された蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原理で発光する。途中の再結合というメカニズムは、一般のダイオードと同様であり、このことからも予想できるように、電流と発光強度は印加電圧に対して整流性を伴う強い非線形性を示す。
有機エレクトロルミネセンス装置においては、有機発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明でなくてはならず、通常酸化インジウムスズ(ITO)などの透明導電体で形成した透明電極を陽極として用いている。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に仕事関数の小さな物質を用いることが重要で、通常Mg−Ag、Al−Liなどの金属電極を用いている。
このような構成の有機エレクトロルミネセンス装置において、有機発光層は、厚さ10nm程度ときわめて薄い膜で形成されている。このため、有機発光層も透明電極と同様、光をほぼ完全に透過する。その結果、非発光時に透明基板の表面から入射し、透明電極と有機発光層とを透過して金属電極で反射した光が、再び透明基板の表面側へと出るため、外部から視認したとき、有機エレクトロルミネセンス装置の表示面が鏡面のように見える。
電圧の印加によって発光する有機発光層の表面側に透明電極を備えるとともに、有機発光層の裏面側に金属電極を備えてなる有機エレクトロルミネセンス発光体を含む有機EL装置において、透明電極の表面側に偏光板を設けるとともに、これら透明電極と偏光板との間に位相板を設けることができる。
位相板および偏光板は、外部から入射して金属電極で反射してきた光を偏光さる作用を有するため、その偏光作用によって金属電極の鏡面を外部から視認させないという効果がある。特に、位相板を1/4波長板で構成し、かつ偏光板と位相板との偏光方向のなす角をπ/4に調整すれば、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
すなわち、この有機エレクトロルミネセンス装置に入射する外部光は、偏光板により直線偏光成分のみが透過する。この直線偏光は位相板により一般に楕円偏光となるが、とくに位相板が1/4波長板でしかも偏光板と位相板との偏光方向のなす角がπ/4のときには円偏光となる。
この円偏光は、透明基板、透明電極、有機薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び有機薄膜、透明電極、透明基板を透過して、位相板に再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は、偏光板の偏光方向と直交しているので、偏光板を透過できない。その結果、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。
【0054】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。
【0055】
実施例1:UV硬化樹脂であるNKオリゴUN−01(新中村化学製)100重量部、イルガキュア♯184(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ製)3重量部にトルエン450重量部を混合攪拌して固形分濃度16%のハードコート層形成樹脂含有液を得た。 ゴーセノールNH−18(日本合成製)を熱水に溶解し、固形分濃度5.5%のガスバリア層形成樹脂含有液を得た。次に(化1)の化学式で示される比重約1.2の3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート100部(重量部、以下同じ)、(化2)の化学式で示されるメチルヘキサヒドロフタル酸無水物125部、(化3)の化学式で示されるテトラ−n−ブチルホスホニウムo,o−ジエチルホスホロジチオエート3.75部、グリセリン2.25部及びシリコーン系界面活性剤0.07部を攪拌混合し、更に微小領域として比重約3.9のアルミナ4部を配合して微小領域含有エポキシ系樹脂液を調製した。
【化1】
【化2】
【化3】
【0056】
表面粗さ(Ra)が0.2nmで、25℃×20%RHにおける二点間距離A0と25℃×80%RHにおける二点間距離A1の比A1/A0が1.00000であるガラス板上にハードコート層形成樹脂含有液をワイヤーバーコート法にて塗布し、乾燥後UV照射により硬化して膜厚2μmのハードコート層を得た。ハードコート層上にポリビニルアルコール水溶液を塗布後乾燥しインク受容層を形成した後、顔料分散法によりR、G、BおよびBMの4色の顔料を分散させた着色レジストを塗布しカラーフィルター層を得た。カラーフィルター層を顕微鏡観察したところ、 R、G、BおよびBMの4色は重ならず精度よくパターニングされていることがわかった。カラーフィルター層上にガスバリア層形成樹脂含有液をエクストルージョンコート法により塗布し、100℃で10分間乾燥させ、膜厚2μmのガスバリア層を得た。ガスバリア層上に微小領域含有エポキシ系樹脂液をエクストルージョンコート法により塗布し、150℃で30分間乾燥させ、膜厚400μmのエポキシ系樹脂層を形成した。エポキシ系樹脂液中のアルミナは塗工直後より沈降を開始し、ガスバリア層側の厚さ50μmの層内に殆どが偏在した分布となり微小領域含有側と微小領域不含有側に分離した。エポキシ系樹脂層を硬化させた後に、ハードコート層、カラーフィルター層、ガスバリア層およびエポキシ系樹脂層からなる積層体をガラス板より剥離し、カラーフィルター付き樹脂シートを得た。
【0057】
実施例2:実施例1と同様にしてハードコート層形成樹脂含有液、ガスバリア層形成樹脂含有液及び微小領域含有エポキシ系樹脂液を調製した。
次に図2に例示の流延法で駆動ドラム11と従動ドラム12の間に掛けられたエンドレススチールベルト13上にダイ21よりハードコート層形成樹脂含有液を塗布し、乾燥後UV照射により硬化して膜厚2μmのハードコート層41を得た。前記エンドレススチールベルトの表面粗さ(Ra)は0.2nmで、25℃×20%RHにおける二点間距離A0と25℃×80%RHにおける二点間距離A1の比A1/A0は1.00000であった。次にダイ22よりポリビニルアルコール水溶液を塗布後乾燥し、インク受容層42を形成した。次にブラックマトリックスを形成した後、インク噴射装置23よりインクジェット方式で赤、青、緑色のインクをパターニングしカラーフィルター層43を形成した。カラーフィルター層を顕微鏡観察したところ、 赤、青、緑色およびブラックマトリックスの4色は重ならず精度よくパターニングされていることがわかった。カラーフィルター層上にガスバリア層形成樹脂含有液をダイ24より塗布し、100℃で10分間乾燥させ、膜厚2μmのガスバリア層44を得た。ガスバリア層上に微小領域含有エポキシ系樹脂液をダイ25より塗布した。エポキシ系樹脂液中のアルミナは塗工直後より沈降を開始し、ガスバリア層側の厚さ50μmの層内に殆どが偏在した分布となり微小領域含有側と微小領域不含有側に分離した。エポキシ系樹脂層を硬化させた後、ハードコート層、カラーフィルター層、ガスバリア層およびエポキシ系樹脂層からなる積層体をエンドレススチールベルトより剥離し、カラーフィルター付き樹脂シートを得た。
【0058】
実施例3:実施例1と同様にハードコート層形成樹脂含有液、ガスバリア層形成樹脂含有液、微小領域含有エポキシ系樹脂液を調製した。またエポキシ系樹脂液を調製する過程で微小領域を含有させないで微小領域不含有エポキシ系樹脂液を調製した。
次に実施例2と同様にして図3に例示の流延法でハードコート層、カラーフィルター層、ガスバリア層を流延法で形成した。次にダイ25より微小領域不含有エポキシ系樹脂液を塗布し微小領域不含有層を形成し半硬化状態とした後、ダイ26より微小領域含有エポキシ系樹脂液を塗布し微小領域含有層を形成した。次に微小領域含有層と微小領域不含有層を完全に硬化した後、ハードコート層、カラーフィルター層、ガスバリア層、微小領域不含有層、微小領域含有層からなる積層体をエンドレススチールベルトより剥離しカラーフィルター付き樹脂シートを得た。
【0059】
比較例1:実施例1と同様にして、ハードコート層形成樹脂含有液、ガスバリア層形成樹脂含有液を得た。次にエポキシ系樹脂液を調製する過程で微小領域を含有させないで微小領域不含有エポキシ系樹脂液を得た。ガラス板上にハードコート層形成樹脂含有液をワイヤーバーコート法にて塗布し、乾燥後UV照射により硬化して膜厚2μmのハードコートを得た。ハードコート層上にガスバリア層形成樹脂含有液をエクストルージョンコート法により塗布し、100℃で10分間乾燥させ、膜厚2μmのガスバリア層を得た。ガスバリア層上に微小領域不含有エポキシ系樹脂液をエクストルージョンコート法により塗布し、150℃で30分間乾燥させ、膜厚400μmのエポキシ系樹脂層を形成した後、ガラス板から剥離した。次にハードコート層、ガスバリア層、エポキシ系樹脂層からなる積層体にR、G、BおよびBMの4色の顔料を分散させた着色レジストを顔料分散法によりストライプ状に塗布しカラーフィルター層の形成を試みたが、前記積層体の寸法変化が大きく、位置合わせをすることができなかった。
【0060】
【発明の効果】
本発明のカラーフィルター付き樹脂シートは樹脂系であるので薄型、軽量であり機械強度にも優れている。また本発明のカラーフィルター付き樹脂シートはガスバリア層を積層しているので高いガスバリア機能を有し、エポキシ系樹脂層は微小領域を含有するので光拡散機能を有する。従って、視認性向上のために粘着剤等を介して光拡散シートを新たに付与する必要はない。また本発明のカラーフィルター付き樹脂シートにより液晶層に近い部分に光拡散層を有する液晶セルを形成できるので視差や影による像の滲みを防止し、視認性を大幅に向上させることができる。
本発明の本発明のカラーフィルター付き樹脂シートの製造方法は、カラーフィルター層を積層する前にハードコート層、ガスバリア層、エポキシ系樹脂層等からなる積層体を支持体から剥離する工程を含まず、またカラーフィルター層が最外層にないためトップコート層を塗工する工程を含まないので、製造工程の簡略化が可能になり、製造コストを低減でき、製造時間も短縮することができる。また本発明により、カラーフィルター層を積層する際のパターニングの位置ずれを防止し、精度よく効率的にカラーフィルター付き樹脂シートを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂シートの1例
【図2】本発明の樹脂シートの製造工程の1例
【図3】本発明の樹脂シートの製造工程の1例
【符号の説明】
1:ハードコート層
2:カラーフィルター層
3:ガスバリア層
4:微小領域含有層
5:微小領域不含有層
6:エポキシ系樹脂層
11:駆動ドラム
12:従動ドラム
13:エンドレススチールベルト
21:ハードコート層形成樹脂含有液塗布用ダイ
22:インク受容層形成樹脂含有液塗布用ダイ
23:インク噴射装置
24:ガスバリア層形成樹脂含有液塗布用ダイ
25:エポキシ系樹脂液塗布用ダイ
26:エポキシ系樹脂液塗布用ダイ
31:UV硬化装置
32:乾燥機
33:乾燥機
34:乾燥機
35:乾燥機
36:乾燥機
41:ハードコート層
42:インク受容層
43:カラーフィルター層
44:ガスバリア層
45:エポキシ系樹脂層
46:微小領域不含有層
47:微小領域含有層
Claims (5)
- 少なくともハードコート層、エポキシ系樹脂と屈折率が相違する微小領域を含有するエポキシ系樹脂層、ガスバリア層、およびカラーフィルター層からなり、且つ、上記微小領域がエポキシ系樹脂層の厚さ方向に濃度分布を有して偏在していることを特徴とするカラーフィルター付き樹脂シートを製造する方法において、ハードコート層にて被覆した支持体上にカラーフィルター層、ガスバリア層、エポキシ系樹脂層を順次積層させる工程を含むことを特徴とするカラーフィルター付き樹脂シートの製造方法。
- 少なくともハードコート層、エポキシ系樹脂と屈折率が相違する微小領域を含有するエポキシ系樹脂層、ガスバリア層、およびカラーフィルター層からなり、且つ、上記微小領域がエポキシ系樹脂層の厚さ方向に濃度分布を有して偏在していることを特徴とするカラーフィルター付き樹脂シートを製造する方法において、ハードコート層にて被覆した支持体上にガスバリア層、カラーフィルター層、エポキシ系樹脂層を順次積層させる工程を含むことを特徴とするカラーフィルター付き樹脂シートの製造方法。
- カラーフィルター付き樹脂シートを製造する方法において、流延法によりインクジェット方式を用いてカラーフィルター層を積層する工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルター付き樹脂シートの製造方法。
- 前記支持体の表面粗さ(Ra)が10nm以下であることを特徴とする請求項1〜3記載のカラーフィルター付き樹脂シートの製造方法。
- 前記支持体の25℃×20%RHにおける二点間距離A0と25℃×80%RHにおける二点間距離A1の比A1/A0が1以上1.00003以下であることを特徴とする請求項1〜4記載のカラーフィルター付き樹脂シートの製造方法。
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