JP2004276991A - インクパック及びインクパック包装体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インクジェット記録用水性インクと、前記インクジェット記録用水性インクを収納するパッケージとからなるインクパックであって、前記インクジェット記録用水性インクは、不活性ガスが溶解しており、かつ、溶存酸素量が3mL/L未満であることを特徴とするインクパック。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクパック及びインクパック包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、例えば、静電吸引方式、圧電素子等を用いてインクに機械的振動又は変位を与える方式、インクを加熱させることにより気泡を発生させ、その時の圧力を利用する方式等のインク吐出方式によりインク小滴を形成し、それらの一部又は全部を紙等の被記録材に付着させて記録を行うものである。これらの中でも圧電素子を利用したインクジェット記録装置用の記録ヘッドは、インクを加熱することで気泡を発生させた時に生じる圧力を利用する方式に比べて、消費電力が少なく、かつ、インクに熱を加わえないため、インクの熱に対する安定性を考慮する必要がないという点で優れている。
【0003】
このようなインクジェット記録装置に使用するインクジェット記録用水性インクとしては、各種の水溶性の染料又は顔料を、水や水と水溶性有機溶剤とからなる液媒体に溶解、分散させたものが知られており、実際に使用されている。
このようなインクの構成材料は、その目的を達成するために最適の性能や特性を有することが要求される。例えば、インクをインクジェット記録装置のヘッド吐出部へ導入する際の導入性が良いこと;ヘッド吐出部及びインク流路内において、インク中の成分が凝集や析出等することに起因する目詰まりがなく、吐出性が良好であること;印字品質が良好であること;インクジェット記録装置を構成している金属、樹脂、接着剤等の材料を腐食しないこと等が要求される。
【0004】
インクジェット記録装置に使用するインクジェット記録用水性インクは、染料又は顔料を液媒体に溶解又は分散させる工程と、濾過する工程とによって製造されるが、製造されたインクをそのままパッケージに充填して、インクジェット記録装置に使用すると、インクに溶存している酸素が、インクの構成材料の一部を劣化させ、最適の性能及び特性を長期間維持することができないという問題が発生した。
特に、構成材料としてグリコールエーテル類や、ポリオキシエチレン鎖を持つ界面活性剤等を用いた場合、インク中の溶存酸素とこれらの物質のエーテル結合部とが自動酸化することによって、インクの物性変化が起こったり、凝集物や析出物等の異物が生じ、その結果、導入性不良、吐出性不良、印字品質が劣化する等の問題が発生していた。
また、自動酸化により生じたアルデヒドやカルボン酸等は、色材等を劣化させる要因となるとともに、インクジェット記録装置の構成材料に金属材料が使用されている場合には、これらの腐食が起こる要因ともなっていた。
このように、インク中の溶存酸素に起因して、インクジェット記録装置の信頼性が大きく損なわれる問題が発生していた。
【0005】
そこで、通常はインクをパッケージに充填する前に、インクに溶存している酸素を除去することを目的として、インクを圧力容器中で減圧しながら攪拌する方法や、気体分離膜を用いた脱気装置により脱気する方法等により、脱気処理が行われている。
【0006】
しかしながら、脱気処理されたインクを収納するパッケージは、ポリプロピレンやポリエチレン等の樹脂を箱形に射出成形したものや、ポリエステルやポリアミド等の樹脂フィルム等を積層したフィルムを溶着して袋状にしたもの等からなるため、極僅かではあるが気体透過性があり、外気を完全に遮断してインクを長期間密閉することは、コスト的な観点からも不可能であった。
従って、脱気処理されたインクをこのようなパッケージに収納して、インクパックとした場合であっても、長期間経過すると、パッケージ内に空気が入ることにより、酸素を含む空気が再びインクに溶解するため、インクの性能及び特性が次第に劣化するという問題があった。
【0007】
このように脱気処理されたインクに再び酸素が溶解するのを防止するため、特許文献1には脱気したインクを充填したインク容器を、通気性がない材料で形成された密閉容器に入れ、更に、その密閉容器を大気圧より低い減圧状態下で輸送、保存等する技術が開示されている。しかし、インク容器をインクジェット記録装置に装着するためには、インク容器を密閉容器から取り出す必要があり、その後は、インクに空気が溶解すること防止できず、インクの性能及び特性が次第に劣化するという点で問題があった。
【0008】
【特許文献1】
特公平3−61592号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、インクパックをインクジェット記録装置に装着した後も含めた長期間にわたって、インクジェット記録用水性インク中に酸素が溶解することを抑制することができ、インク導入性及び吐出性不良等を防止することができるインクパック及びインクパック包装体を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクパックは、インクジェット記録用水性インクと、上記インクジェット記録用水性インクを収納するパッケージとからなるインクパックであって、上記インクジェット記録用水性インクは、不活性ガスが溶解しており、かつ、溶存酸素量が3mL/L未満であることを特徴とする。
本発明のインクパックにおいて、上記不活性ガスは、アルゴンであることが好ましい。
また、上記パッケージは、少なくとも樹脂フィルム層と金属フィルム層とが積層された積層体からなるインク袋と、樹脂からなるインク注入口とからなることが好ましく、更に、酸素透過率が1.0mL/m2・24hr・atm以下であることが好ましい。
【0011】
本発明のインクパック包装体は、本発明のインクパックと、上記インクパックを収納する包装材とからなるインクパック包装体であって、上記インクパックと上記包装材との間に不活性ガスが充填されていることを特徴とする。
また、本発明のインクパック包装体において、上記不活性ガスは、アルゴンであることが好ましい。
以下に本発明を詳述する。
【0012】
本発明のインクパックは、インクジェット記録用水性インクと、上記インクジェット記録用水性インクを収納するパッケージとからなる。
上記インクジェット記録用水性インクには、不活性ガスが溶解している。
上記不活性ガスは、上記インクジェット記録用水性インクに新たに酸素が溶解することを抑制し、酸化による上記インクジェット記録用水性インクの劣化を防止することができる。
また、上記不活性ガスは、インクを構成する材料やインクジェット記録装置を構成する材料とは反応せず、インクジェット記録用水性インクを劣化させたり、インクジェット記録装置を腐食させたりすることがない。
【0013】
上記不活性ガスとしては、化学的に不活性な気体であれば特に限定されず、例えば、アルゴン、ヘリウム、ネオン、窒素等を挙げることができる。
これらのなかでは、アルゴンが最適である。
上記アルゴンは、酸素と比較して分子量が大きく、水に対する溶解度も酸素より高いため、インクジェット記録用水性インクと空気とが接触した場合に、空気中に存在する酸素がインクジェット記録用水性インクに溶解することを防止することができる。従って、上記インクジェット記録用水性インクにアルゴンを溶解させることにより、長期的に上記インクジェット記録用水性インクの溶存酸素量の増加を抑制することが可能となる。
【0014】
上記インクジェット記録用水性インクに溶解する不活性ガスの量は、インクジェット記録用水性インク中における不活性ガスの飽和量であることが好ましい。飽和量とすることにより、更に、上記インクジェット記録用水性インクに酸素が溶解することを抑制できるからである。
【0015】
上記インクジェット記録用水性インクは、溶存酸素量が3mL/L未満である。上記インクジェット記録用水性インクにおける溶存酸素量が3mL/L以上であると、インクジェット記録用水性インクの構成材料であるグリコールエーテル類や、界面活性剤等とインク中の溶存酸素とが自動酸化することにより、インクの物性変化したり、凝集物や析出物が発生したりするため、インク導入性不良、吐出性不良、印字品質が劣化する等の問題が発生する。
また、インクジェット記録装置の構成材料に使用される金属材料に腐食等が発生する。
【0016】
上記インクジェット記録用水性インクは、水を含有する。
上記インクジェット記録用水性インクに用いられる水としては、一般的の水道水ではなく、純水や蒸留水等の純度の高い水が好ましい。
【0017】
上記インクジェット記録用水性インクは、水溶性有機溶媒を含有する。
上記インクジェット記録用水性インクに用いられる水溶性有機溶媒としては特に限定されず、主としてヘッド吐出部におけるインクの乾燥防止効果を有する物質と、紙面上での乾燥速度を速くするものとに分類される。
上記乾燥防止効果を有する水溶性有機溶媒としては特に限定されず、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の低級アルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン類、又は、ケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール等のアルキレングリコール類;グリセリン;2−ピロリドン;N−メチル−2−ピロリドン;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等を挙げることができる。これらの中では、グリセリン、ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類が好ましい。
【0018】
上記乾燥防止効果を有する水溶性有機溶媒の含有量は、インク全量に対して5〜40重量%が好ましい。5重量%未満では、湿潤作用が不充分となり、析出、乾固等の問題が生じることがある。40重量%を超えると、インクが必要以上に増粘し、吐出不能となったり、記録紙上での乾燥が極端に遅くなる等の問題を生じることがある。より好ましくは10〜30重量%である。
【0019】
上記紙面上での乾燥速度を速くする水溶性有機溶剤としては特に限定されず、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル等のグリコール系エーテル類を挙げることができる。
【0020】
上記紙面上での乾燥速度を速くする水溶性有機溶剤の含有量は、インク全量に対して0.1〜15重量%が好ましい。0.1重量%未満では、インクの記録紙への浸透速度が遅く、乾燥時間、滲みに問題を生じることがある。また、15重量%を越えると、インクの記録紙への浸透が激しくなり、記録紙の裏までインクが達してしまったり、滲みにも問題を生じることがある。より好ましくは1〜10重量%である。
これらの水溶性有機溶媒は、単独で用いられてもよく、また2種以上を併用してもよい。
【0021】
上記インクジェット記録用水性インクは、着色剤を含有する。
上記着色剤としては特に限定されず、例えば、水溶性染料や顔料を挙げることができる。
上記水溶性染料としては特に限定されす、例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料等を挙げることができる。なかでも、鮮明性、水溶性、安定性、耐光性等の性能を満たす好適なものとしては、例えば、C.I.ダイレクトブラック17、19、32、51、71、108、146、154、168;C.I.ダイレクトブルー6、22、25、71、86、90、106、199;C.I.ダイレクトレッド1、4、17、28、80、83、227;C.I.ダイレクトイエロー12、24、26、86、98、132、142;C.I.ダイレクトオレンジ34、39、44、46、60;C.I.ダイレクトバイオレット47、48;C.I.ダイレクトブラウン109;C.I.ダイレクトグリーン59;C.I.アシッドブラック2、7、24、26、31、52、63、112、118;C.I.アシッドブルー9、22、40、59、93、102、104、113、117、120、167、229、234;C.I.アシッドレッド1、6、32、37、51、52、80、85、87、92、94、115、181、256、289、315、317;C.I.アシッドイエロー11、17、23、25、29、42、61、71;C.I.アシッドオレンジ7、19;C.I.アシッドバイオレット49;C.I.ベーシックブラック2;C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、24、25、26、28、29;C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、37;C.I.ベーシックバイオレット7、14、27;C.I.フードブラック1、2;C.I.リアクティブブラック1、3、5、6、8、12、14;C.I.リアクティブイエロー1、2、3、13、14、15、17;C.I.リアクティブオレンジ2、5、7、16、20、24;C.I.リアクティブレッド6、7、11、12、15、17、21、23、24、35、36、42、63、66、180;C.I.リアクティブバイオレット2、4、5、8、9;C.I.リアクティブブルー2、5、7、12、13、14、15、17、18、19、20、21、25、27、28、37、38、40、41、71;C.I.リアクティブグリーン5、7;C.I.リアクティブブラウン1、7、16等を挙げることができる。これらの水溶性染料は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0022】
上記顔料としては、特に限定されず、無機顔料又は有機顔料のいずれも使用することができる。
上記顔料のうち、白黒での記録に好適なものとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック類;酸化チタン等の金属酸化物;オルトニトロアニリンブラック等の有機顔料等を挙げることができる。
上記顔料のうち、カラーでの記録に好適なものとしては、例えば、トルイジンレッド、パーマネントカーミンFB、ファーストイエローAAA、ジスアゾオレンジPMP、レーキレッドC、ブリリアントカーミン6B、フタロシアニンブルー、キナクリドンレッド、ジオキサンバイオレット、ピクトリアピュアブルー、アルカリブルートナー、ファーストイエロー10G、ジスアゾイエローAAOT、ジスアゾイエローAAMX、ジスアゾイエローHR、ジスアゾイエローAAOA、黄色酸化鉄、オルトニトロアニリンオレンジ、ジニトロアニリンオレンジ、バルカンオレンジ、トルイジンレッド、塩素化パラレッド、ブリリアントファーストカーレット、ナフトールレッド23、ピラゾロンレッド、バリウムレッド2B、カルシウムレッド2B、ストロンチウムレッド2B、マンガンレッド2B、バリウムリソームレッド、ピグメントスカーレッド3Bレーキ、レーキボルドー10B、アンソシン3Bレーキ、アンソシン5Bレーキ、ローダミン6Gレーキ、エオシンレーキ、ベンガラ、ファフトールレッドFGR、ローダミンBレーキ、メチルバイオレッドレーキ、ジオキサジンバイオレッド、ベーシックブルー5Bレーキ、ベーシックブルー6Gレーキ、ファーストスカイブルー、アルカリブルーRトナー、ピーコックブルーレーキ、紺青、群青、レフレックスブルー2G、レフレックスブルーR、ブリリアントグリーンレーキ、ダイアモンドグリーンチオフラビンレーキ、フタロシアニングリーンG、グリーンゴールド、フタロシアニングリーンY、酸化鉄、さびこ、亜鉛華、酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、硫酸バリウム、アルミナホワイト、アルミニウム、ブロンズ、昼光蛍光顔料、パール顔料、ナフトールカーミンFB、ナフトールレッドM、パーマネントカーミンFB、ファーストイエローG、ジスアゾイエローAAA、アルカリブルーGトナー等の顔料及びこれらの顔料の表面を特定の官能基で処理した表面改質顔料等を挙げることができる。
上記水溶性染料及び顔料は、それぞれ単独で用いられてもよく、水溶性染料同士、顔料同士、又は、水溶性染料と顔料との組み合わせで2種以上を併用しても良い。
【0023】
上記顔料を含有している場合には、必要に応じて分散剤が添加されていてもよい。上記分散剤としては特に限定されず、例えば、高分子量ポリウレタン、ポリエステル、カルボニル基及びアミノ基等の顔料に強い親和性のある官能基を含む高分子共重合体等を挙げることができる。
【0024】
上記着色剤の含有量は、所望される印字濃度や色彩よって異なるが、インク全量に対して0.1〜20重量%であることが好ましく、より好ましくは0.3〜10重量%である。
上記分散剤の含有量は、一般的にインク全量に対して0.01〜10重量%であることが好ましい。
【0025】
上記インクジェット記録用水性インクの基本構成は以上の通りであるが、その他従来公知の樹脂バインダー、界面活性剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、pH調整剤、染料溶解剤、防腐防カビ剤等を必要に応じて添加することができる。
なお、本発明のインクジェット記録用水性インクを、熱エネルギーの作用によってインクを吐出させるタイプのインクジェット方式に適用する場合には、熱的な物性値(例えば比熱、熱膨張係数、熱伝導率等)が調整されていてもよい。
【0026】
本発明のインクパックを構成するパッケージは、酸素透過率が1.0mL/m2・24hr・atm以下であることが好ましい。このように酸素透過性の小さいパッケージに上記インクジェット記録用水性インクを収納することにより、更に上記インクジェット記録用水性インクに酸素が溶解することを抑制することができる。より好ましくは、0.5mL/m2・24hr・atm以下である。
【0027】
上記パッケージとしては、例えば、少なくとも樹脂フィルム層と金属フィルム層とが積層された積層体からなるインク袋と、樹脂からなるインク注入口とからなるものや、ポリプロピレンやポリエチレン等の樹脂を箱形に射出成形したもの等を挙げることができる。
これらの中では、少なくとも樹脂フィルム層と金属フィルム層とが積層された積層体からなるインク袋と、樹脂からなるインク注入口とからなるパッケージが好ましい。酸素透過率が小さく、耐衝撃性に優れるからである。
上記積層体としては、例えば、ポリアミド、アルミニウム合金、ポリエチレンテレフタレート及びポリプロピレンからなる層をこの順に積層したもの、ポリエチレンテレフタレートからなるフィルムにアルミナを蒸着させたもの、アルミ箔にポリエチレンフィルムをラミネートしたもの等を挙げることができる。
更に、上記樹脂フィルム層としては、他にエチレンビニルアルコール共重合体、ポリアミド等からなる層を用いることができる。
【0028】
上記インク注入口としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂からなるスパウトに、ゴム等からなるキャップを圧入したもの等を用いることができる。
【0029】
本発明のインクパックは、アルゴンが溶解しており、かつ、溶存酸素量が3mL/L未満である上記インクジェット記録用水性インクを収納するため、インクジェット記録装置に装着した状態においても、インク中に酸素が溶解することを抑制することが可能となり、インクの性能及び特性が次第に劣化することを防止することができる。
【0030】
本発明のインクパック包装体は、本発明のインクパックと、上記インクパックを収納する包装材とからなるインクパック包装体であって、上記インクパックと上記包装材との間に不活性ガスが充填されていることを特徴とする。
【0031】
上記インクパックと上記包装材との間に不活性ガスが充填されていることにより、インクパックをインクジェット記録装置に取り付ける前の輸送時や保管時においても、インク中に酸素が溶解することを抑制することが可能となり、長期間にわたって、インクパックに収納されるインクジェット記録用水性インクが劣化することを防止することができる。
【0032】
上記不活性ガスとしては、化学的に不活性な気体であれば特に限定されず、例えば、アルゴン、ヘリウム、ネオン、窒素等を挙げることができる。
これらのなかでは、アルゴンが最適である。
上記アルゴンは、酸素と比較して分子量が大きく、水に対する溶解度も酸素より高いため、インクジェット記録用水性インクと空気とが接触した場合に、空気中に存在する酸素がインクジェット記録用水性インクに溶解することを防止することができる。従って、上記インクパックと上記包装材との間にアルゴンを充填することにより、長期的にインクの溶存酸素量の増加を抑制することが可能となる。
なお、本発明のインクパック包装体において、上記アルゴンを充填した後の包装材内部の圧力状態は、減圧状態、正圧状態、又は、大気圧と同程度の状態のいずれであってもよい。
【0033】
上記包装材としては、酸素透過率の小さいものであれば特に限定されず、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド等の樹脂からなるフィルムや、上記樹脂からなるフィルムにアルミナを蒸着させたもの等を用いることができる。また、上記包装材は、単層構造であってもよく、積層構造であってもよい。
【0034】
図1及び図2に本発明のインクパック及び本発明のインクパック包装体の一例を図示した。
図1(a)は、本発明のインクパック包装体の斜視図であり、(b)は、(a)のI−I断面図である。また、図2は、本発明のインクパックと収納ケースとを示す分解斜視図である。
【0035】
図1(a)及び(b)に示すように、インクパック包装体1は、インクジェット記録用水性インクを収納するインクパック2とインクパック2を収納する収納ケース12と、インクパック2及び収納ケース12を包装する包装材4とによって構成され、インクパック2と包装材4との間には、アルゴンが充填されている。また、包装材4は酸素を透過し難いシート材料からなる積層構造となっており、アルゴンガス雰囲気中で、その周縁部を熱溶着することによって形成されている。
【0036】
図2に示すように、インクパック2は、パッケージ8の内部にインクジェット記録用水性インクが収納されているものであり、パッケージ8は、インクを収納するインク袋5と、連通路を有するスパウト7と、キャップ6とから構成されている。また、インクパック2は、上下に分割された収納ケース12の内部に収納されている。
インク袋5は、酸素を透過し難い積層構造を有する2枚のシート材料を溶着して袋状に形成したものであり、スパウト7を挟んで溶着することにより、連通路が設置されている。更に、インクパック2の内部と外部とを遮断するために、キャップ6が圧入されている。なお、インクパック2に収納されているインクジェット記録用水性インクは、減圧脱気後にアルゴンを溶解させることにより、溶存酸素量が減量されている。
キャップ6には弾性復元力のあるゴムを使用されており、キャップ6に中空針が刺し込むことにより、インクパック2に収納されたインクジェット記録用水性インクがインクジェット記録装置に供給される。
【0037】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0038】
(実施例1)
<インクジェット記録用水性インクの調製>
純水41.3重量部、グリセリン25重量部、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル0.5重量部、ノニオン系界面活性剤(三洋化成社製、商品名:ナロアクティ100)0.2重量部を10分間攪拌混合してインク溶媒を作製した。
得られたインク溶媒に、水とカーボンブラック(固形分15%)とから成るブラック顔料分散体(キャボット社製、商品名:CABO−JET300)33重量部を投入して30分間撹拌した後に、孔径1μmのメンブランフィルターにて濾過し、ブラックインクKを得た。
【0039】
<アルゴン溶解処理>
エバボレーター(ヤマト科学株式会社製、RE−540B)に、ブラックインクKを200mL入れた容量500mLの耐圧フラスコを接続し、耐圧フラスコを120rpmで回転させながら、真空ポンプを用いてエバボレーター内を4kPaに減圧し、その状態を10分間維持した後、エバボレーター内にアルゴンを導入しながら真空ポンプを停止することで、インク中の溶存酸素を除去し、かつ、インク中にアルゴンを溶解させ、エバボレーター内を常圧に戻すことにより、ブラックインクKAを得た。
【0040】
<インクパック包装体の作製>
得られたブラックインクKAを図2に示した形状のパッケージに充填し、インクパックを作製した後、図1に示したように、インクパックを包装材で包装することにより、ブラックインクKAを収納したインクパックを包装したインクパック包装体を作製した。なお、上記パッケージのインク袋には、ポリアミド、アルミニウム合金、ポリエチレンテレフタレート及びポリプロピレンからなる層をこの順に積層したものを用いた。また、上記パッケージは、酸素透過率が0.5mL/m2・24hr・atm以下であった。
更に、インクパックと包装材との間は真空となるように、インクパックの包装を行った。
【0041】
(実施例2)
<インクジェット記録用水性インクの調製>
純水71重量部、C.I.ダイレクトイエロー132を4重量部、トリエチレングリコール18重量部、トリエチレングリコールモノブチルエーテル7重量部を30分間撹拌混合した後、孔径0.7μmのメンブランフィルターにて濾過し、イエローインクYを得た。
得られたイエローインクYに、実施例1と同様にして、アルゴン溶解処理を行うことにより、イエローインクYAを得た。
更に、得られたイエローインクYAを、実施例1と同様にして、パッケージに充填した後、包装材で包装することにより、イエローインクYAを収納したインクパックを包装したインクパック包装体を作製した。
【0042】
(実施例3)
<インクジェット記録用水性インクの調製>
純水64.2重量部、C.I.ベーシックレッド1を0.8重量部、2−ピロリドン15重量部、ポリエチレングリコール#200を15重量部、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル5重量部を添加し、30分間撹拌した後に孔径0.7μmのメンブランフィルターにて濾過し、マゼンタインクMを得た。
得られたマゼンタインクMに、実施例1と同様にして、アルゴン溶解処理を行うことにより、マゼンタインクMAを得た。
更に、得られたマゼンタインクMAを、実施例1と同様にして、パッケージに充填した後、包装材で包装することにより、マゼンタインクMAを収納したインクパックを包装したインクパック包装体を作製した。
【0043】
(実施例4)
<インクジェット記録用水性インクの調製>
純水69重量部、C.I.ダイレクトブルー199を5重量部、グリセリン11重量部、ジプロピレングリコール15重量部を添加し、30分間撹拌した後に孔径0.7μmのメンブランフィルターにて濾過し、シアンインクCを得た。
得られたシアンインクCに、実施例1と同様にして、アルゴン溶解処理を行うことにより、シアンインクCAを得た。
更に、得られたシアンインクCAを、実施例1と同様にして、パッケージに充填した後、包装材で包装することにより、シアンインクCAを収納したインクパックを包装したインクパック包装体を作製した。
【0044】
(実施例5)
実施例1で作製されたブラックインクKAをパッケージに充填した後、包装材で包装する際に、インクパックと包装材との間にアルゴンを充填した以外は、実施例1と同様にしてインクパック包装体を作製した。
具体的には、インクパックを収納した包装材を、熱溶着して封止する前に減圧チャンバーに入れ、減圧した後にチャンバー内にアルゴンを充填し、包装材の開口部を熱溶着により封止して、アルゴンガスを包装材の内部に密閉することにより、インクパックと包装材との間にアルゴンを充填した。
【0045】
(実施例6)
実施例2で作製されたイエローインクYAをパッケージに充填した後、包装材で包装する際に、インクパックと包装材との間にアルゴンを充填した以外は、実施例1と同様にしてインクパック包装体を作製した。
【0046】
(実施例7)
実施例3で作製されたマゼンタインクMAをパッケージに充填した後、包装材で包装する際に、インクパックと包装材との間にアルゴンを充填した以外は、実施例1と同様にしてインクパック包装体を作製した。
【0047】
(実施例8)
実施例4で作製されたシアンインクCAをパッケージに充填した後、包装材で包装する際に、インクパックと包装材との間にアルゴンを充填した以外は、実施例1と同様にしてインクパック包装体を作製した。
【0048】
(比較例1)
実施例1で作製されたブラックインクKに、以下の窒素溶解処理を行うことにより、ブラックインクKNを得た。
なお、窒素は不活性ガスであるが、酸素よりも分子量が小さい気体である。
<窒素溶解処理>
エバボレーターに、ブラックインクKを200mL入れた容量500mLの耐圧フラスコを接続し、耐圧フラスコを120rpmで回転させながら、真空ポンプを用いてエバボレーター内を4kPaに減圧し、その状態を10分間維持した後、窒素をエバボレーター内に導入しながら真空ポンプを停止することで、インク中の溶存酸素を除去し、かつ、インク中に窒素を溶解させ、エバボレーター内を常圧に戻した。
【0049】
更に、得られたブラックインクKNを、実施例1と同様にして、パッケージに充填した後、包装材で包装することにより、ブラックインクKNを収納したインクパックを包装したインクパック包装体を作製した。
【0050】
(比較例2)
実施例2で作製されたイエローインクYに、比較例1と同様にして窒素溶解処理を行うことにより、イエローインクYNを得た。
更に、得られたイエローインクYNを、実施例1と同様にして、パッケージに充填した後、包装材で包装することにより、イエローインクYNを収納したインクパックを包装したインクパック包装体を作製した。
【0051】
(比較例3)
実施例3で作製されたマゼンタインクMに、比較例1と同様にして窒素溶解処理を行うことにより、マゼンタインクMNを得た。
更に、得られたマゼンタインクMNを、実施例1と同様にして、パッケージに充填した後、包装材で包装することにより、マゼンタインクMNを収納したインクパックを包装したインクパック包装体を作製した。
【0052】
(比較例4)
実施例4で作製されたシアンインクCに、比較例1と同様にして窒素溶解処理を行うことにより、シアンインクCNを得た。
更に、得られたシアンインクCNを、実施例1と同様にして、パッケージに充填した後、包装材で包装することにより、シアンインクCNを収納したインクパックを包装したインクパック包装体を作製した。
【0053】
(比較例5)
実施例1で作製されたブラックインクKに、以下の脱気処理を行うことにより、ブラックインクKUを得た。
<脱気処理>
エバボレーターに、ブラックインクKを200mL入れた容量500mLの耐圧フラスコを接続し、その耐圧フラスコを120rpmで回転させながら、真空ポンプを用いてエバボレーター内を4kPaに減圧し、その状態を10分間維持した後、空気をエバボレーター内に導入しながら真空ポンプを停止することで、インク中の溶存空気を除去し、エバボレーター内を常圧に戻した。
【0054】
更に、得られたブラックインクKUを、実施例1と同様にして、パッケージに充填した後、包装材で包装することにより、ブラックインクKUを収納したインクパックを包装したインクパック包装体を作製した。
【0055】
(比較例6)
実施例2で作製されたイエローインクYに、比較例5と同様にして脱気処理を行うことにより、イエローインクYUを得た。
更に、得られたイエローインクYUを、実施例1と同様にして、パッケージに充填した後、包装材で包装することにより、イエローインクYUを収納したインクパックを包装したインクパック包装体を作製した。
【0056】
(比較例7)
実施例3で作製されたマゼンタインクMに、比較例5と同様にして脱気処理を行うことにより、マゼンタインクMUを得た。
更に、得られたマゼンタインクMUを、実施例1と同様にして、パッケージに充填した後、包装材で包装することにより、マゼンタインクMUを収納したインクパックを包装したインクパック包装体を作製した。
【0057】
(比較例8)
実施例4で作製されたシアンインクCに、比較例5と同様にして脱気処理を行うことにより、シアンインクCUを得た。
更に、得られたシアンインクCUを、実施例1と同様にして、パッケージに充填した後、包装材で包装することにより、シアンインクCUを収納したインクパックを包装したインクパック包装体を作製した。
【0058】
(評価)
実施例1〜8及び比較例1〜8で作製したインクパック包装体について、溶存酸素量の測定、インク導入性の評価及び吐出性評価を以下の方法により行った。結果を表1に示した。なお、以下の評価には、記録ヘッド内のインクにピエゾ素子振動による圧力を与えて液滴を発生させて記録を行うオンデマンドタイプのマルチヘッドを備え、吐出オリフィス径が40μm、駆動電圧が30V、周波数が10kHzであるインクジェット装置を用いた。
【0059】
(1)溶存酸素量
インクパック包装体の包装材を開封して、インクパックを取り出した後、インクパックに収納されたインクジェット記録用水性インクをビーカーに取り出し、インクの溶存酸素量を、溶存酸素計(堀場製作所製DO−OM14)を用いて測定した。なお、測定値は、インク1Lに溶存している酸素量をmL/Lで表した。
【0060】
また、インクパック包装体を温度60℃、湿度40%Rhに設定した恒温恒湿槽(エスペック株式会社製PR−3S)内に6週間放置した後のインクパックに収納されたインクの溶存酸素量についても同様にして測定した。
【0061】
更に、インクパック包装体を温度60℃、湿度40%Rhに設定した恒温恒湿槽内に6週間放置した後、包装材を開封してインクパックを取り出し、そのインクパックを室温環境下に3ヶ月放置した。その後、インクパックに収納されたインクの溶存酸素量についても同様にして測定した。
【0062】
(2)インク導入性
インクパック包装体の包装材を開封して、インクパックを取り出し、インクジェットプリンタに装着した後、パージ(プリンター本体のポンプによるインクの吸引)を3回行い、全ノズル数に対する吐出ノズルの割合を評価対象とした。評価基準は以下の通りである。
◎・・・吐出ノズルの割合が100%であった。
○・・・吐出ノズルの割合が95%以上、100%未満であった。
○・・・吐出ノズルの割合が90%以上、95%未満であった。
×・・・吐出ノズルの割合が90%未満であった。
【0063】
また、インクパック包装体を温度60℃、湿度40%Rhに設定した恒温恒湿槽(エスペック株式会社製PR−3S)内に6週間放置した後のインクパックに収納されたインクの導入性についても同様にして評価した。
【0064】
更に、インクパック包装体を温度60℃、湿度40%Rhに設定した恒温恒湿槽内に6週間放置した後、包装材を開封してインクパックを取り出し、そのインクパックを室温環境下に3ヶ月放置した。その後、インクパックに収納されたインクの導入性についても同様に評価した。
【0065】
(3)吐出性評価
インクパック包装体の包装材を開封して、インクパックを取り出し、インクジェットプリンタに装着し、全ノズルからインクが吐出していることを確認した後、100枚の連続印字を行い、インクが安定して吐出しないノズルが1箇所以上発生した印字物の枚数から、インクの吐出性を評価した。評価基準は以下の通りである。
◎・・・不安定な吐出が発生した印字物の枚数が0枚であった。
○・・・不安定な吐出が発生した印字物の枚数が1〜2枚であった。
△・・・不安定な吐出が発生した印字物の枚数が3〜5枚であった。
×・・・不安定な吐出が発生した印字物の枚数が6枚以上であった。
【0066】
また、インクパック包装体を温度60℃、湿度40%Rhに設定した恒温恒湿槽(エスペック株式会社製PR−3S)内に6週間放置した後のインクパックに収納されたインクの吐出性についても同様にして評価した。
【0067】
更に、インクパック包装体を温度60℃、湿度40%Rhに設定した恒温恒湿槽内に6週間放置した後、包装材を開封してインクパックを取り出し、そのインクパックを室温環境下に3ヶ月放置した。その後、インクパックに収納されたインクの吐出性についても同様に評価した。
【0068】
【表1】
【0069】
表1に示したように、実施例1〜4で作製したインクパック包装体は、アルゴンが溶解しており、溶存酸素量が3mL/L未満であるインクジェット記録用水性インクが収納されたインクパックを包装したものであるため、インク導入性及び吐出性評価のいずれにおいても結果は良好であった。
また、実施例5〜8で作製したインクパック包装体では、インクパックと包装材との間にアルゴンが充填されているため、実施例1〜4で作製したインクパック包装体よりも、更にインク導入性と吐出性が向上しており、インクジェット記録用水性インク中の溶存酸素量の増加を長期間にわたって抑制することが可能となることが判明した。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明のインクパックは、不活性ガスを溶解し、かつ、溶存酸素量が3mL/L未満のインクジェット記録用水性インクを収納するため、インクジェット記録装置に装着した状態においても、インク中に酸素が溶解することを抑制することが可能となり、インクの物性変化が起こったり、凝集物や析出物等の異物が生じたりすることを防止することができる。
その結果、インクジェット記録装置のインク導入性及び吐出安定性に優れる。
また、本発明のインクパック包装体は、インクパックと包装材との間に不活性ガスが充填されているため、インクパックをインクジェット記録装置に取り付ける前の輸送時や保管時においても、インク中に酸素が溶解することを抑制することが可能となり、長期間にわたって、インクパックに収納されるインクジェット記録用水性インクが劣化することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明のインクパック包装体の一例を示す斜視図であり、(b)は(a)のI−I断面図である。
【図2】本発明のインクパックと収納ケースとを示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1 インクパック包装体
2 インクパック
4 包装材
5 インク袋
6 キャップ
7 スパウト
8 パッケージ
12 収納ケース
Claims (6)
- インクジェット記録用水性インクと、前記インクジェット記録用水性インクを収納するパッケージとからなるインクパックであって、
前記インクジェット記録用水性インクは、不活性ガスが溶解しており、かつ、
溶存酸素量が3mL/L未満であることを特徴とするインクパック。 - 不活性ガスは、アルゴンであることを特徴とする請求項1に記載のインクパック。
- パッケージは、少なくとも樹脂フィルム層と金属フィルム層とが積層された積層体からなるインク袋と、樹脂からなるインク注入口とからなることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクパック。
- パッケージは、酸素透過率が1.0mL/m2・24hr・atm以下であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のインクパック。
- 請求項1、2、3又は4に記載のインクパックと、前記インクパックを収納する包装材とからなるインクパック包装体であって、
前記インクパックと前記包装材との間に不活性ガスが充填されている
ことを特徴とするインクパック包装体。 - 不活性ガスは、アルゴンであることを特徴とする請求項5に記載のインクパック包装体。
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