JP2002226726A - 表面処理有機顔料 - Google Patents

表面処理有機顔料

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JP2002226726A
JP2002226726A JP2001027782A JP2001027782A JP2002226726A JP 2002226726 A JP2002226726 A JP 2002226726A JP 2001027782 A JP2001027782 A JP 2001027782A JP 2001027782 A JP2001027782 A JP 2001027782A JP 2002226726 A JP2002226726 A JP 2002226726A
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organic pigment
pigments
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JP2001027782A
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Tomoko Sekine
朋子 関根
Akihiko Goto
明彦 後藤
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水系媒体において分散剤としての高分子化合
物や界面活性剤を添加することなく、インク中において
顔料に充分な分散安定性および再分散性を付与し、その
結果吐出安定性、保存安定性が高く、さらに記録媒体上
で高い画像堅牢性を持った画像を形成できる表面処理有
機顔料水性インク、インクカートリッジおよびインクジ
ェット記録装置を提供すること。 【解決手段】 有機顔料の表面に、例えばHO2CCH(CH3)C
H2-N=N-CH2CH(CH3)CO2Hの分解によって発生した官能基
が化学結合されていることを特徴とする表面処理有機顔
料と、これを含有する水性インク、インクカートリッジ
およびインクジェット記録装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷用、筆記用、
記録計用、インクジェット記録用の表面処理有機顔料、
これを用いた水性インク、前記水性インクを収容したイ
ンクカートリッジ、およびインクジェット記録装置に関
するものであり、特にインクジェット記録方法を用い高
速で印字した際にも吐出安定性や保存安定性に優れ、な
おかつ普通紙においても色調や耐水・耐光性等の画像堅
牢性に優れた表面処理有機顔料、これを用いた水性イン
ク、前記水性インクを収容したインクカートリッジ、お
よびインクジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体状のインクをノズルから吐出させて
画像の記録を行なうインクジェット記録方法は、普通紙
への印字が可能なこと、カラー化への対応が容易なこ
と、駆動時の騒音、消費電力が低いことなどから、コン
ピューターで作成した文書や画像の出力用プリンターと
して近年急速に普及しつつある。最近ではインクジェッ
ト記録技術の進歩により、表面に特殊加工を施した専用
紙を用いて写真並みの高品質画像が得られるようになっ
てきているが、さらにオフィス用途のプリンターとして
の開発も進められている。この場合には、画像品質に加
えレーザープリンター並の高速印字や、また安価な記録
媒体である普通紙においても高い画像品質を得られるこ
とが必要である。またプリンターの高速化(水分蒸発の
加速化)、さらなる高解像度化(小液滴化のための小ノ
ズル径化)に伴い、印字中や印字休止後の再吐出時のノ
ズルの吐出信頼性を高める要求も、ますます大きなもの
となっている。
【0003】現在インクジェット記録方法には着色剤と
して染料を用いたインクが多く使われているが(特開平
05−194889号公報、特開平09−003380
号公報、特開平11−158424号公報)、染料を用
いたインクは発色が良く色再現域が広いものの耐水性や
耐光性など画像の耐久性が低いという欠点がある。これ
に対し顔料を用いたインクは画像の耐久性が非常に優れ
ている一方、前述したインクの吐出不良を生じ易いとい
う問題がある。顔料のビヒクルに対する分散安定性が不
充分であると、顔料の凝集体が生成してヘッドノズルの
目詰まりを引き起こす。特に長時間の連続印字時は、ノ
ズル先端におけるインクの水分蒸発によってインク粘度
が高くなったり、顔料の分散安定性が低下しやすい。ま
た、印字をしばらく休止した後、ノズル先端で生じた凝
集体が新たに供給されるインクに対して容易に再分散し
ないと、印字再開時のインク非吐出や噴射方向曲がりの
原因になると考えられる。
【0004】このような顔料の分散安定性や再分散性を
向上させるために、両親媒性の高分子又は界面活性剤な
どを顔料の表面に物理吸着させ溶媒との親和性を高める
方法が知られている(特開平08−253719号公
報、特開平10−081843号公報、特開平11−0
12508号公報、特開平11−263930号公
報)。しかし分散剤が顔料表面から脱離することによる
分散安定性の低下や、特に高分子系分散剤を用いた際に
水分蒸発時に脱離した分散剤分子同士の絡み合いによる
インク粘度の上昇がおこりやすいなど、インクとしての
信頼性はまだ十分ではない。このような分散剤を用いた
タイプの分散体では記録媒体へのインクの浸透性を調節
するために、界面活性剤や多価アルコールを添加する
と、さらに顔料の分散安定性が低くなり、画像品質とプ
リンターとしての信頼性を両立させる事が非常に難しか
った(特開平06−008416号公報、特開平09−
268266号公報、特開平10−046069号公
報、特開平11−349871号公報)。
【0005】一方で顔料の表面を改質して、分散剤が強
固に吸着するような官能基や、両親媒性化合物そのもの
を表面に化学的に結合させ溶媒や分散剤とのぬれ性を向
上させるという方法も試みられている。特表平10−5
10862号公報には分子末端に親水性基を持ったジア
ゾニウム塩を用いて、カーボンブラック表面に親水性基
を導入する方法、特開平10−140062号公報にも
同じくジアゾニウム塩を用いる方法、また酸化剤を用い
て表面に親水性基を導入する方法が開示されている。ま
た、特開平11−240145号公報には顔料表面に酸
化剤やジアゾニウム塩を用いて親水性基を導入すること
が開示されており、特に発明の詳細な説明中ではカーボ
ンブラックについての反応が取上げられている。しか
し、ジアゾニウム塩を用いた反応では、反応中に生じる
副生成物やイオンが印字時の吐出不良の原因となるた
め、これを除去しなくてはならず製造工程が複雑になる
という問題がある。また、有機顔料は、表面改質の影響
が発色団に及ぶと色調が大きく変化してしまうため、前
述の表面改質法を表面の官能基がカーボンブラックとは
異なる有機顔料にそのまま適用する事は難しい。
【0006】米国特許第5,922,118号明細書に
は、ジアゾニウム塩を用いて有機顔料に親水性基を導入
する方法が示されているが、やはり前述したような反応
性や色調変化、製造工程の複雑化といった従来の問題点
の解決方法については触れていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来用いられてきたカラー顔料インクの欠点を解消す
ることのできる、新しい表面処理有機顔料、およびそれ
を用いたカラー顔料インク組成物を提供することを目的
とするものである。
【0008】すなわち、本発明の第一の目的は水系媒体
において分散剤としての高分子化合物や界面活性剤を添
加することなく、インク中において顔料に充分な分散安
定性および再分散性を付与し、その結果吐出安定性、保
存安定性が高く、さらに記録媒体上で高い画像堅牢性を
持った画像を形成できる表面処理有機顔料を提供するこ
とにある。
【0009】本発明の第二の目的は、水系媒体において
分散剤を添加することなく、充分な分散安定性と再分散
性を示し、なおかつ普通紙において高速印字を行っても
良好な色調と充分な画像濃度、高い耐候性をもった画像
を形成することができる表面処理有機顔料を提供するこ
とにある。
【0010】本発明の第三の目的は、分散剤を添加する
ことなく、充分な分散安定性と再分散性、吐出安定性を
示し、なおかつ普通紙において高速印字を行っても良好
な色調と充分な画像濃度、高い耐候性をもった画像を形
成することができる水性インクを提供することにある。
【0011】本発明第四の目的は、普通紙に高速で印字
を行っても良好な色調と充分な画像濃度、滲みや裏抜け
のない品質の高いの画像を形成する事ができ、なおかつ
吐出安定性、保存安定性の良い水性インクを提供するこ
とにある。
【0012】本発明第五の目的は、吐出安定性、保存安
定性に優れ、さらに良好な色調と充分な画像濃度、耐光
性に優れた画像を形成する事のできる水性インクを提供
することにある。
【0013】本発明の第六の目的は、小ノズル径のヘッ
ドを用いて印字を行っても目詰まり等の吐出上の問題を
生じず、高画質とプリンターとしての信頼性を両立でき
るような水性インクを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究の
結果、有機顔料表面に下記一般式1または2で示される
化合物からなるラジカル発生剤の分解によって発生した
官能基をを化学結合させることにより、分散剤を用いず
に水性媒体に顔料を安定に分散させることができ、さら
に再分散性も非常に高いことを見出した。つまり、長時
間連続吐出時や印字休止後の再吐出時にもノズルの目詰
まりや噴射曲がりといった吐出不良がなく安定した印字
を行うことができ、さらにノズル部や維持機構部でイン
クの主溶媒が蒸発し顔料の緩やかな凝集体が形成されて
も、新しいインクがそこに供給されればすぐに再分散さ
れるために不具合は起こらない。これらのラジカル発生
剤は適当な官能基を選ぶ事により、その反応性を制御す
る事ができるため、様々な構造を持つ有機顔料に対応す
ることができる。
【0015】請求項1の発明は、有機顔料の表面に、下
記一般式(1)または(2)で示される化合物の分解に
よって発生した官能基が化学結合されていることを特徴
とする表面処理有機顔料である。
【0016】
【化2】
【0017】(式中R1、R2のうち少なくとも一つは−CO
2M、−SO3M、−PO3HM、−PO3M2、4級化された窒素を含
む官能基から選ばれる官能基を持った、アルキル基、ア
リル基、ヘテロ環を含む官能基、アルキレンオキサイド
基、またはシアノ基のいずれかが結合された基であり、
R1、R2は同じ基でも異なる基でも良い。R3、R4のうち少
なくとも一つはアルキレン基、ヘテロ環を含む官能基、
アルキレンオキサイド基、またはこれらに一つは−CO
2M、−SO3M、−PO3HM、−PO3M2、4級化された窒素を含
む官能基から選ばれる官能基が結合した基であり、R3
R4は同じ基でも異なる基でも良い。Mは水素、アルカリ
金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウ
ム、又はアルカノールアミンを表す。Rは両端にイミ
ノ基またはカルボニル基を有する基である。) 請求項2の発明は、有機顔料がペリレン顔料、キナクリ
ドン顔料、アゾ顔料、アントラキノン顔料、フタロシア
ニン顔料、ジオキサジン顔料、イソインドリノン顔料、
イソインドリン顔料、インジゴ顔料、キノフタロン顔料
およびピロロピロール顔料から選ばれる請求項1に記載
の表面処理有機顔料である。請求項3の発明は、少なく
とも着色剤および50〜99%の水を含有する水性イン
クにおいて、着色剤として少なくとも請求項1または2
に記載の表面処理有機顔料を含有することを特徴とする
水性インクである。請求項4の発明は、少なくとも着色
剤、ジオール類および50〜99%の水を含有する水性
インクにおいて、着色剤が請求項1または2に記載の表
面処理有機顔料であることを特徴とする水性インクであ
る。請求項5の発明は、表面処理有機顔料の平均粒子径
が0.01〜0.2μmであり、また表面処理有機顔料
の含有量がインク全重量に対して0.1〜10重量%で
あることを特徴とする請求項3または4記載の水性イン
クである。請求項6の発明は、インクを収容したインク
収容部からなるインクジェット記録用インクカートリッ
ジにおいて、前記インクが請求項3ないし5のいずれか
1項に記載の水性インクであることを特徴とするインク
ジェット記録用インクカートリッジである。請求項7の
発明は、インクを収容したインク収容部と、インク液滴
を吐出させるためのノズルを有する記録ヘッド部からな
るインクジェット記録用カートリッジにおいて、前記イ
ンクが請求項3ないし5のいずれか1項に記載の水性イ
ンクであり、かつ前記ノズル径が20μm以下であるこ
とを特徴とするインクジェット記録用カートリッジであ
る。請求項8の発明は、インクを収容したインク収容部
からなるインクカートリッジと、インク液滴を吐出させ
るためのノズルを有する記録ヘッドとを備えたインクジ
ェット記録装置、あるいは、インクを収容したインク収
容部と、インク液滴を吐出させるためのノズルを有する
記録ヘッドとからなるインクカートリッジを備えたイン
クジェット記録装置において、前記インクが請求項3な
いし5のいずれか1項に記載の水性インクであり、かつ
前記ノズル径が20μm以下であることを特徴とするイ
ンクジェット記録装置である。
【0018】
【発明の実施の形態】下記は、上記した一般式(1)ま
たは(2)で表される化合物の具体例である。
【0019】
【化3】
【0020】
【化4】
【0021】前記化合物は単独でも組み合わせて用いる
ことができ、また用いる有機顔料や望ましい導入率等に
合わせて化合物を選ぶ事により、有機顔料の発色団への
影響を与える事なく親水化を行う事ができる。本発明の
表面処理有機顔料は、前記式1から5で示される化合物
の対イオンとして、水素、アルカリ金属イオン、第4級
アンモニウム、第4級ホスホニウム、又はアルカノール
アミンを用いることにより、優れた分散安定性を示す。
具体的にはナトリウム、リチウム、カリウム及び/また
は第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、アルカノ
ールアミン陽イオン等が挙げられる。
【0022】本発明に用いられる有機顔料は、ペリレン
顔料、キナクリドン顔料、アゾ顔料、アントラキノン顔
料、フタロシアニン顔料、ジオキサジン顔料、イソイン
ドリノン顔料、イソインドリン顔料、インジゴ顔料、キ
ノフタロン顔料又はピロロピロール顔料が好ましく、具
体的にはC.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、
14、17、24、34、35、37、53、55、8
1、83、95、97、98、100、101、10
4、408、109、110、117、120、13
8、150、153、C.I.ピグメントオレンジ5、1
3、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレ
ッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、
48:2、48:2、48:3、48:4、49:1、
52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、
63:2、64:1、81、83、88、104、10
5、106、108、112、114、122、12
3、146、149、166、168、170、17
2、177、178、179、185、190、19
3、209、219、C.I.ピグメントバイオレット1
(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、2
3、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15、15:
1、15:2、15:3、16、17:1、56、6
0、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、1
0、17、18、36等が挙げられる。
【0023】本発明の表面処理有機顔料は、例えば一般
式1または2の化合物と上に示した有機顔料を、適当な
溶媒中において60℃〜150℃で12〜48時間ほど
加熱還流し、得られた反応物をろ過し、これを適当な溶
媒で洗浄し未反応物や副反応物を除去する事によって得
ることができる。一般式1,2で示される化合物と有機
顔料との反応では、従来の酸化剤やジアゾニウム塩を用
いた反応のように多量のイオンや副生成物が生じないた
め、複雑な精製工程を必要としない。従って、量産製造
工程において非常に有利である。
【0024】それぞれのインクに含まれる顔料はインク
全重量に対して0.1〜10重量%であることが好まし
く、さらには1.0〜5.0重量%の範囲であることが
好ましい。顔料の含有量がこれよりも少ないと普通紙に
印字した際に十分な彩度や画像濃度が得られず、これよ
り多い場合には画像の明度が低下したり吐出時にヘッド
ノズルの目詰まりなどが起こる可能性がある。顔料の平
均粒子径としては0.01〜1.0μm、好ましくは
0.01〜0.2μmの範囲にあることが好ましい。こ
こでいう平均粒径とは、体積累積パーセント50%の値
をさす。体積累積パーセント50%の値を測定するに
は、例えば、インク中のブラウン運動を行っている粒子
にレーザー光を照射し、粒子から戻ってくる光(後方散
乱光)の振動数(光の周波数)の変化量から粒子径を求
める動的光散乱法(ドップラー散乱光解析)といわれる
方法を用いることができる。
【0025】本発明のインクには、ノズル部での目詰り
を防ぐため、またインクの溶解安定性を向上するために
湿潤剤として水溶性有機溶媒を添加することが望まし
い。例としては、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセ
リン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−
ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペ
トリオール等の多価アルコール類;エチレングリコール
モノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノフェニルエーテル、テトラエチレングリコールモノメ
チルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレング
リコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモ
ノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテ
ル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、
N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメ
チルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブ
チロラクトン等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミ
ド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジ
エチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチ
ルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール、チオ
ジグリコール等の含硫黄化合物類;プロピレンカーボネ
ート、炭酸エチレン等が挙げられ、これらを単独あるい
は複数混合して用いることができる。上記化合物のイン
ク中の含有量としてはl〜50重量%、より好ましくは
5〜30重量%である。
【0026】本発明の水性インクには、インクを記録媒
体に浸透しやすくするためにジオール類を加えることが
できる。このジオール類は単独または併用して添加する
ことにより、記録紙表面に対するインクのぬれ性を向上
し、記録紙への浸透速度を高めることが可能であり、さ
らに従来の浸透性を高めたインクに比べ、画像にじみな
どの画質低下や裏抜けをきわめて少なくすることができ
る。これらジオール類の添加量はインク全量に対して
0.01〜5重量%添加することが好ましい。0.01
重量%未満では添加した効果は無く、5.0重量%より
多い添加では記録媒体への浸透性が必要以上に高くな
り、画像濃度の低下や裏抜けの発生といった問題が生じ
る。
【0027】本発明のインクには、記録媒体への浸透
性、またノズル材への濡れ性を調整するためにさらに種
々の界面活性剤を添加することが可能である。界面活性
剤の例としては、アルキルアリルまたはアルキルナフタ
レンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキル硫酸
塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、
アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエステル硫酸塩、
アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエ
ーテルジスルホン酸塩、アルキルアリールエーテルリン
酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルアリ
ールエーテルエステル硫酸塩、オレフィンスルホン酸
塩、アルカンオレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル硫酸エステル塩、エーテルカルボキシレ
ート、スルホコハク酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル、
脂肪酸塩、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、ナフテン酸
塩等といったアニオン系界面活性剤、アルキルアミン
塩、ジアルキルアミン塩、脂肪族アミン塩、ベンザルコ
ニウム塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウ
ム塩、イミダゾリニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニ
ウム塩等といったカチオン系界面活性剤、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
アリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレングリコールエステル、ポ
リオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステ
ル、ショ糖エステル、グリセリンエステルのポリオキシ
エチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエ
チレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエ
チレンエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、アミンオ
キシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリ
ン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビトール脂肪酸エステル、アルキル(ポリ)
グリコキシド等といったノニオン系界面活性剤、イミダ
ゾリニウムベタイン等のイミダゾリン誘導体、ジメチル
アルキルラウリルベタイン、アルキルグリシン、アルキ
ルジ(アミノエチル)グリシン等といった両性界面活性
剤、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等が単
独、あるいは複数混合して用いられる。水性インク中で
のこれら界面活性剤の添加量は0.01重量%〜5.0
重量%であり、好ましくは0.5重量%〜3重量%であ
る。0.01重量%未満では添加した効果は無く、5.
0重量%より多い添加では記録媒体への浸透性が必要以
上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けの発生といった
問題がある。
【0028】本発明の水性インクには上記着色剤、溶剤
の他に従来知られている添加剤、例えば防腐防黴剤、p
H調整剤、キレート試薬、防錆剤、顔料定着剤や、その
他目的に応じて紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、水溶性高
分子化合物、着色剤溶解剤などを添加することができ
る。
【0029】本発明のインクは、直径が20μm以下の
ノズルを持ったヘッドを用いて印字する際に高画質化と
信頼性の両立という効果を特に発揮する。高解像度の画
像を形成するにはインクをできる限り小滴で記録紙に着
弾させる事が必要であり、ノズル径としては20μm以
下である事が望ましい。しかしノズル径を小さくする
と、インクの水分蒸発時に発生した凝集体が詰まりやす
くなるため、信頼性は低下する。特に従来の分散剤を使
用するタイプの顔料分散体とジオール成分を組み合わ
せ、高温でインクを長時間保存した場合に特にこの傾向
が顕著であった。これは、高温においてジオール成分が
顔料からの分散剤の脱離を促進するためではないかと考
えられる。しかし、本発明の分散剤を用いないタイプの
顔料では、同様の処方でも分散剤に由来する粘度上昇や
顔料の凝集が抑えられるため、ノズル細密化およびジオ
ール成分添加による高画質化と吐出時の信頼性を両立す
る事ができる。
【0030】次に、本発明の水性インクを収容したイン
ク収容部と、インク液滴を吐出させるための記録ヘッド
部とを有するインクカートリッジについて、図1および
2を参照して説明する。なお、下記は構成例のひとつに
過ぎず、本発明になんら限定を加えるものではない。
【0031】図1は記録装置に装填する前のインクカー
トリッジの外観斜視図であり、図2はインクカートリッ
ジの正面断面図である。インクカートリッジ7は、図2
に示すように、カートリッジ本体41内に所要の色のイ
ンクを吸収させたインク吸収体42を収容してなる。カ
ートリッジ本体41は、上部に広い開口を有するケース
43の上部開口に上蓋部材44を接着または溶着して形
成したものであり、例えば樹脂成形品からなる。また、
インク吸収体42は、ウレタンフォーム体等の多孔質体
からなり、カートリッジ本体41内に圧縮して挿入した
後、インクを吸収させている。カートリッジ本体41の
ケース43底部には記録ヘッドへインクを供給するため
のインク供給口45を形成し、このインク供給口45内
周面にはシールリング46を嵌着している。また、上蓋
部材44には大気開放口47を形成している。そして、
カートリッジ本体41には、装填前の状態で、インク供
給口45を塞ぐと共に装填時や輸送時などのカートリッ
ジ取扱い時、或いは真空包装時による幅広側壁に係る圧
力でケース43が圧縮変形されて内部のインクが漏洩す
ることを防止するため、キャップ部材50を装着してい
る。また、大気開放口47は、図1に示すように、酸素
透過率が100ml/m2以上のフィルム状シール部材
55を上蓋部材44に貼着してシールしている。このシ
ール部材55は大気開放口47と共にその周囲に形成し
た複数本の溝48をもシールする大きさにしている。こ
のように大気開放口47を酸素透過率が100ml/m
2以上のシール部材55でシールすることで、インクカ
ートリッジ7を透気性のないアルミラミネートフィルム
等の包装部材を用いて減圧状態で包装することにより、
インク充填時やインク吸収体42とカートリッジ本体4
1との間に生じる空間A(図2参照)にある大気のため
にインク中に気体が溶存したときでも、シール部材55
を介してインク中の空気が真空度の高いカートリッジ本
体41外の包装部材との間の空間に排出され、インクの
脱気度が向上する。また、図3には、本発明のインクを
収容したインク収容部と、インク滴を吐出させるための
ヘッド部を備えたインクカートリッジの構成例を示し、
説明する。すなわち、インクカートリッジ30は、シリ
アルタイプのものであり、インクジェットヘッド6と、
このインクジェットヘッド6に供給されるインクを収容
するインクタンク33と、このインクタンク33内を密
閉する蓋部材とで主要部が構成される。インクジェット
ヘッド6には、インクを吐出するための多数のノズル3
2が形成されている。インクはインクタンク33から、
図示しないインク供給管を介して、やはり図示しない共
通液室へと導かれ、電極31より入力される記録装置本
体からの電気信号に応じて、ノズル32より吐出され
る。
【0032】
【実施例】以下に本発明の実施例および比較例を示す。
尚、特に記載の無い限り添加比率は有効成分の重量%を
指す。 (評価方法) 1) 吐出安定性 実施例および比較例それぞれで調整したインクを、ノズ
ル径18μmのヘッドを搭載したリコー製Ipsio30
0を用いて印字試験を実施し、信頼性試験を行った。上
記プリンタにインクを充填し、25℃50%RHの環境
下で60分間連続印字を行い正常に吐出が行われるか、
また上記プリンタにインクを充填したまま50℃、60
%RHの環境下に1か月間プリンターを放置した後、印
字を行い正常な印字が可能か否かを試験した。それぞれ
の試験において、1つのインクサンプルについて3台の
プリンターを使用し試験した。表には両方の試験におい
てそれぞれ3台のプリンターとも正常に印字できた場合
を○、3台中1台又は2台で正常印字ができなかった場
合を×で示した。
【0033】2) 保存試験 実施例および比較例で作製した各インクをポリエチレン
製の容器に入れ、−20℃、4℃、20℃、50℃、70℃、そ
れぞれの条件下で3か月間保存し、そのインクをカート
リッジに充填してノズル径18μmのヘッドを搭載したリ
コー製Ipsio300を用いて印字を行い正常な印字
が可能か否かを試験した。それぞれの試験において、1
つのインクサンプルについて3台のプリンターを使用し
試験した。表には両方の試験においてそれぞれ3台のプ
リンターとも正常に印字できた場合を○、3台中1台又
は2台で正常印字ができなかった場合を×で示した。
【0034】3) 色調 実施例および比較例で作製した各インクを用いて、市販
のコピー用紙3種、ボンド紙3種上に各色のベタ印字を
行なった。印字した画像サンプルの反射スペクトルをX
−Rite社製反射型カラー分光測色濃度計で測定し、
色調を調べた。その結果、測定値とJapan Col
or ver.2との色差ΔE(下式)がΔE={(Δ
L*)2+(Δa*)2+(Δb*)21/2[式中、L
*、a*、b*はCIE1976L*a*b*表色系の
(L*、a*、b*)色度座標である]において、ΔE
≦30となるものについて○印で表に示した。
【0035】4) 画像濃度・裏抜け濃度 実施例および比較例で作製した各インクを用いて、市販
のコピー用紙3種、ボンド紙3種上に各色のベタ印字を
行なった。印字した画像サンプルの反射濃度をX-Rite社
製反射型カラー分光測色濃度計で測定し、画像濃度・裏
抜け濃度を調べた。裏抜け濃度は測定値から地肌濃度を
引いたものである。その結果、印字面濃度ODがOD≧
0.9となるもの、また裏抜け濃度ODrがODr≦0.04
となるものを○印、OD≧1.0、ODr≦0.02となる
ものを◎で示した。
【0036】5) 画像の耐光性 画像サンプルをフェードメーター(キセノン・アーク
灯、63℃)に120時間かけ、光照射前後の画像濃度を
X-Rite社製反射型カラー分光測色濃度計で測定した。 褪色率(%)=[1−(光照射後の画像濃度/ 光照射
前の画像濃度)]×100
【0037】6) 画像の耐水性 画像サンプルを25℃の純水に5分間浸し、浸水前後の画
像濃度をX-Rite社製反射型カラー分光測色濃度計で測定
した。 褪色率(%)=[1−(浸水後の画像濃度/ 浸水前の
画像濃度)]×100
【0038】7) 初期平均粒子径 Leeds & Northrup社製 MICROTRAC UPA150を用いて平
均粒子径を求めた。
【0039】実施例1
【0040】(親水処理顔料1) C.I.PR122 10g 化合物1−1 1.6g イオン交換水 50g
【0041】上に示した化合物を窒素雰囲気下で徐々に
加熱しながら24時間還流攪拌し、その間に0.01モ
ルの化合物1−1を水溶液の形で数回に分けて滴下す
る。さらに24時間攪拌還流した後、生成物をろ過して
純水で未反応物や副反応生成物を洗浄除去し、さらに乾
燥させ顔料表面に親水性基が導入された親水処理顔料を
得た。次に下記処方の組成物を混合した後、0.8μmの
テフロン(登録商標)フィルターでろ過しインクを作製
した。
【0042】(インク1) 親水処理顔料1 5.0% トリエチレングリコール 20.0% ジエチレングリコールモノブチルエーテル 1.0% イオン交換水 残量
【0043】実施例2
【0044】(親水処理顔料2) C.I.PB15:3 10g 化合物1−4 1.0g イオン交換水 50g
【0045】上に示した化合物を実施例1と同様に処理
し、親水処理顔料を得た。次に下記処方の組成物を混合
した後、0.8μmのテフロンフィルターでろ過しインク
を作製した。
【0046】(インク2) 親水処理顔料2 5.0% オルフィンE1010 0.5% N-メチル−2ピロリドン 20.0% イオン交換水 残量
【0047】実施例3
【0048】(親水処理顔料3) C.I.PY74 10g 化合物1−5 1.0g イオン交換水 50g
【0049】上に示した化合物を窒素雰囲気下で徐々に
加熱しながら24時間還流攪拌し、その間に0.01モ
ルの化合物1−5を水溶液の形で数回に分けて滴下す
る。さらに24時間攪拌還流した後、生成物をろ過して
溶媒で未反応物や副反応生成物を洗浄除去し、顔料表面
に親水性基が導入された親水処理顔料を含水率50%のペ
レットして得た。次に下記処方の組成物を混合した後、
0.8μmのテフロンフィルターでろ過しインクを作製し
た。
【0050】(インク3) 親水処理顔料3(ペレット) 10.0% 1,2-ペンタンジオール 0.5% ジエチレングリコール 20.0% イオン交換水 残量
【0051】実施例4
【0052】(親水処理顔料4) C.I.PV19 10g 化合物1−7 1.4g イオン交換水 50g
【0053】上に示した化合物を実施例3と同様に処理
し、親水処理顔料を得た。次に下記処方の組成物を混合
した後、0.8μmのテフロンフィルターでろ過しインク
を作製した。
【0054】(インク4) 親水処理顔料4(ペレット) 5.0% サーフィノール465 0.5% 1,5-ペンタンジオール 0.2% グリセリン 20.0% イオン交換水 残量
【0055】実施例5
【0056】(親水処理顔料5) C.I.PY97 10g 化合物2−1 2.1g イオン交換水 50g
【0057】上に示した化合物を実施例1と同様に処理
し、親水処理顔料を得た。次に下記処方の組成物を混合
した後、0.8μmのテフロンフィルターでろ過しインク
を作製した。
【0058】(インク5) 親水処理顔料5 5.0% 2-エチル-1,3-ヘキサンジオール 0.5% チオジグリコール 3.0% エチレングリコール 15.0% イオン交換水 残量
【0059】比較例1 下記の組成物をホモジナイザーを用いて粗分散を行な
い、次にナノマイザーを用いて分散し顔料分散液1を作
製した。
【0060】(顔料分散液1) C.I.PR122 10.0% スチレン無水マレイン酸共重合体 5.0% イオン交換水 残量
【0061】次に下記処方の組成物を混合した後、0.8
μmのテフロンフィルターでろ過し、インクを作製し
た。
【0062】(インク6) (顔料分散液1) 50.0% トリエチレングリコール 20.0% ジエチレングリコールモノブチルエーテル 1.0% イオン交換水 残量
【0063】比較例2 下記の組成物を用いて、比較例1と同様に顔料分散液と
インクを調整した。
【0064】(顔料分散液2) C.I.PB15:3 10.0% ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド 5.0% イオン交換水 残量
【0065】(インク7) (顔料分散液2) 50.0% オルフィンE1010 0.5% N−メチル−2−ピロリドン 20% イオン交換水 残量
【0066】比較例3 下記の組成物を用いて、比較例1と同様に顔料分散液と
インクを調整した。
【0067】 (顔料分散液3) C.I.PY74 10.0% ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンオクチルエーテル 5.0% イオン交換水 残量
【0068】(インク8) (顔料分散液3) 50.0% 1,2-ペンタンジオール 0.5% ジエチレングリコール 20.0% イオン交換水 残量
【0069】比較例4 以下の組成物をよく混合して100〜105℃で10時
間撹拌し、得られたスラリーをろ過した。さらにこの顔
料粒子を充分に水洗し、親水処理顔料6を得た。
【0070】(親水処理顔料6) C.I.PV19 10.0% 次亜塩素酸ソーダ 15.0% イオン交換水 残量
【0071】(インク9) (親水処理顔料6) 5.0% サーフィノール465 0.5% 1,5-ペンタンジオール 0.2% グリセリン 20.0% イオン交換水 残量
【0072】比較例5 C.I.PY97を10gと、p−アミノ−N−安息香
酸3.41gとを水72gによく混合した後、これに硝
酸1.62gを滴下して70℃で撹拌した。数分後、5
gの水に1.07gの亜硝酸ナトリウムを溶かした溶液
を加え、更に1時間撹拌した。得られたスラリーをろ過
して顔料粒子を十分に水洗し親水処理顔料7を得た。
【0073】(インク10) (親水処理顔料7) 5.0% 2-エチル-1,3-ヘキサンジオール 0.5% チオジグリコール 3.0% エチレングリコール 15% イオン交換水 残量
【0074】参考例1 下記処方の組成物を混合した後、0.8μmのテフロンフ
ィルターでろ過しインクを作製した。
【0075】(インク11) 親水処理顔料1 12.0% トリエチレングリコール 20.0% ジエチレングリコールモノブチルエーテル 1.0% イオン交換水 残量
【0076】上記各例の評価結果を次の表に示す。
【0077】
【表1】
【0078】
【発明の効果】請求項1に記載した構成によれば、本発
明の表面処理有機顔料は表面に一般式1または2で示さ
れるようなラジカル発生剤の分解によって発生した官能
基が化学結合されているため、従来用いられていたよう
な分散剤を添加することなく十分な分散安定性、再分散
性を得ることができる。また良好な色調と十分な画像濃
度、耐候性を持った画像を形成する事ができる。
【0079】請求項2に記載した構成によれば、本発明
の表面処理有機顔料はペリレン顔料、キナクリドン顔
料、アゾ顔料、アントラキノン顔料、フタロシアニン顔
料、ジオキサジン顔料、イソインドリノン顔料、イソイ
ンドリン顔料、インジゴ顔料、キノフタロン顔料又はピ
ロロピロール顔料から選ぶことができるため、インクジ
ェットシステムとしての十分な信頼性に加え、色調・画
像濃度といった画像品質、画像堅牢性の優れた画像を得
ることができる。
【0080】請求項3に記載した構成によれば、本発明
のインクジェット記録用インクは、水性媒体に対して従
来用いられていたような分散剤を添加することなく十分
な分散安定性、再分散性を得ることができる。すなわ
ち、インクジェット記録用インクとして用いた場合に、
連続吐出や長時間休止後の印字など過酷な条件において
も目詰まりや噴射方向曲がりのない吐出安定性の高い印
字を行うことができ、さらに維持機構部においてインク
の水分蒸発に起因する不具合を生じることもない。
【0081】請求項4に記載した構成によれば、本発明
のインクジェット記録用水性インクは前述の親水化処理
を施した顔料とジオール成分を含有する事により、普通
紙に印字した際も画像濃度が高く裏抜け濃度が低く滲み
の少ない高い画像品質を得る事ができ、さらに高速での
長時間印字や長時間休止後の印字においても信頼面での
問題を起こす事なく使用できる。
【0082】請求項5に記載した構成によれば、本発明
のインクジェット記録用インクは前述の親水化処理を施
した顔料の体積平均粒子径が0.01〜0.2μmであ
り、また処理顔料の含有量がインク全重量に対して0.
1〜10重量%であることにより、目詰まりや噴射方向
曲がりのない吐出安定性の高い印字を行うことができ
る。
【0083】請求項6〜8に記載した構成によれば、本
発明のインクジェット記録用インクが直径20μm以下
のノズルから吐出される事により、高解像度・高品質の
画像を形成することができ、さらに印字時の信頼性が高
く目詰まりといった問題を起こす事がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】記録装置に装填する前のインクカートリッジの
外観斜視図である。
【図2】インクカートリッジの正面断面図である。
【図3】本発明のインクを収容したインク収容部と、イ
ンク滴を吐出させるためのヘッド部を備えたインクカー
トリッジの構成例を示す図である。
【符号の説明】
6 インクジェットヘッド 7 インクカートリッジ 30 インクカートリッジ 31 電極 32 ノズル 33 インクタンク 41 カートリッジ本体 42 インク吸収体 43 ケース 44 上蓋部材 45 インク供給口 46 シールリング 47 大気開放口 48 溝 50 キャップ部材 55 フィルム状シール部材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機顔料の表面に、下記一般式(1)ま
    たは(2)で示される化合物の分解によって発生した官
    能基が化学結合されていることを特徴とする表面処理有
    機顔料。 【化1】 (式中R1、R2のうち少なくとも一つは−CO2M、−SO3M、
    −PO3HM、−PO3M2、4級化された窒素を含む官能基から
    選ばれる官能基を持った、アルキル基、アリル基、ヘテ
    ロ環を含む官能基、アルキレンオキサイド基、またはシ
    アノ基のいずれかが結合された基であり、R1、R2は同じ
    基でも異なる基でも良い。R3、R4のうち少なくとも一つ
    はアルキレン基、ヘテロ環を含む官能基、アルキレンオ
    キサイド基、またはこれらに一つは−CO2M、−SO3M、−
    PO3HM、−PO3M2、4級化された窒素を含む官能基から選
    ばれる官能基が結合した基であり、R3、R4は同じ基でも
    異なる基でも良い。Mは水素、アルカリ金属イオン、第
    4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、又はアルカノ
    ールアミンを表す。Rは両端にイミノ基またはカルボ
    ニル基を有する基である。)
  2. 【請求項2】 有機顔料がペリレン顔料、キナクリドン
    顔料、アゾ顔料、アントラキノン顔料、フタロシアニン
    顔料、ジオキサジン顔料、イソインドリノン顔料、イソ
    インドリン顔料、インジゴ顔料、キノフタロン顔料およ
    びピロロピロール顔料から選ばれる請求項1に記載の表
    面処理有機顔料。
  3. 【請求項3】 少なくとも着色剤および50〜99%の
    水を含有する水性インクにおいて、着色剤として少なく
    とも請求項1または2に記載の表面処理有機顔料を含有
    することを特徴とする水性インク。
  4. 【請求項4】 少なくとも着色剤、ジオール類および5
    0〜99%の水を含有する水性インクにおいて、着色剤
    が請求項1または2に記載の表面処理有機顔料であるこ
    とを特徴とする水性インク。
  5. 【請求項5】 表面処理有機顔料の平均粒子径が0.0
    1〜0.2μmであり、かつ表面処理有機顔料の含有量
    がインク全重量に対して0.1〜10重量%であること
    を特徴とする請求項3または4記載の水性インク。
  6. 【請求項6】 インクを収容したインク収容部からなる
    インクジェット記録用インクカートリッジにおいて、前
    記インクが請求項3ないし5のいずれか1項に記載の水
    性インクであることを特徴とするインクジェット記録用
    インクカートリッジ。
  7. 【請求項7】 インクを収容したインク収容部と、イン
    ク液滴を吐出させるためのノズルを有する記録ヘッド部
    からなるインクジェット記録用カートリッジにおいて、
    前記インクが請求項3ないし5のいずれか1項に記載の
    水性インクであり、かつ前記ノズル径が20μm以下で
    あることを特徴とするインクジェット記録用インクカー
    トリッジ。
  8. 【請求項8】 インクを収容したインク収容部からなる
    インクカートリッジと、インク液滴を吐出させるための
    ノズルを有する記録ヘッドとを備えたインクジェット記
    録装置、あるいは、インクを収容したインク収容部と、
    インク液滴を吐出させるためのノズルを有する記録ヘッ
    ドとからなるインクカートリッジを備えたインクジェッ
    ト記録装置において、前記インクが請求項3ないし5の
    いずれか1項に記載の水性インクであり、かつ前記ノズ
    ル径が20μm以下であることを特徴とするインクジェ
    ット記録装置。
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