JP4546947B2 - 記録用機器 - Google Patents

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本発明は、インクジェット記録用に適した水性記録液、特に、所謂普通紙に対して優れた特性を示す記録液の組成に関し、また、この記録液に好適な記録方法、記録機器に関するものであり、水性筆記用具、記録計、ペンプロッター用水性インク組成物に応用される。
近年、インクジェットプリンターにおいて普通紙への印字適正の向上、堅牢性を向上させる目的で種種の検討がなされてきた。特に、文字にじみの低減とカラー間のブリードの低減を実施し普通紙カラー画像の改良が進められてきた。
また、耐水・耐光性について堅牢性を向上させる目的での種種の検討がなされてきている。特に、色材として顔料を用いるインクを用いたインクジェットプリンター、プロッターが上市されているが、染料インクに比べ目詰まりの発生等信頼性の問題があった。また、滲み防止の目的から染料、顔料で着色した微粒子を用いたインクも検討されてきたが、ノズル部への付着による目詰まり発生の問題があった。
また、銀塩写真を置き換える目的で、濃度の濃いインクと薄いインクの使用による濃度階調を面積階調と併用することにより高画質化が図られ、ほぼ銀塩相当の画質をインクジェット専用の光沢紙上では再現している。しかしながら、耐光性は未だ不十分であり、普通紙画質では電子写真方式にくらべ濃度、彩度ともに劣っている。
そこで、耐光性を改良するためには、紫外線吸収剤、酸化防止剤の添加検討が行なわれている。例えば、特許文献1(特開平4−227773号公報)に親水基を導入した紫外線吸収剤の添加が検討されているが、水性インクではこれらが結晶化し易い等の原因で目詰まり等の発生が起こり易くなるといった問題があった。
また、オゾン褪色防止を目的として、特許文献2(特開平2−228378号公報)にはリポソームに酸化防止剤等の光褪色防止剤を内包させているが、信頼性を十分に得ることはできていなかった。
また、褪色防止を目的として、染料を包接する化合物を添加する試みがなされている。例えば、薄色マゼンタインクにβ−シクロデキストリンを入れることによって褪色防止を図っているが、β−シクロデキストリンは添加による粘度上昇が大きいため、濃度が高いインクの場合は包接するのに充分な量を添加すると粘度が高く吐出が難しくなるといった問題があった。
また、シクロデキストリンにより不溶性の耐水性の高い色材を包接し信頼性を向上する試みも行なわれている。特許文献3(特許第2612661号公報)にはアルコール可溶性または油溶性染料をシクロデキストリンまたはポリシクロデキストリンで包接しインク中に可溶化したインクが開示されている。しかし、染料によっては高濃度の画像とするには十分な信頼性が得られない場合があった。
また、シクロデキキストリンに紫外線吸収剤を結合させることで信頼性を確保し、耐光性を向上させる試みが、特許文献4(特表平11−506800号公報)に開示されているが、染料の種類によっては十分な効果が得られなかった。
一方、色境界での滲みを抑える目的でインク中に他の色のインクの色材を析出させる化合物を添加することが検討されている。例えば、色材として比較的水溶性の高い染料とともに水溶性カルシウム塩やマグネシウム塩を添加したカラーインクに用い、緩浸透性の黒インクとの境界の滲みを抑えたインクセットが特許文献5(特開平10−219160号公報)に記載されている。また、第4級アンモニウム塩及び/または水溶性多価金属塩を添加したインクを用いて緩浸透性の自己分散カーボンインクとの境界にじみを抑えたインクセットが特許文献6(特開平11−323225号公報)に記載されている。しかしながら、塩類の添加が可能な染料の組み合わせがあるため、カラーインクの耐水性等が充分でないという問題があった。
ところで、普通紙適性を改善する目的で顔料や着色微粒子等を色材として用いたインクの信頼性を改善する試みが種種検討されている。例えば、自己分散型のカーボンを用いた顔料インクに尿素や尿素誘導体を添加したインクが特許文献7(特開平10−330665号公報)に開示されている。また、染料または顔料で着色した樹脂微粒子に尿素等を添加することで信頼性を改善したインクが開示されている。
いずれも特に熱エネルギーを用いた吐出圧力の高い記録ヘッドを用いた場合に好適なインクであるが、ピエゾ方式や静電気力を用いたアクチュエーターの場合は尿素の分解によるアンモニア、炭酸ガスが吐出特性に影響を与える場合があった。熱エネルギーを用いた方式でもヘッド部材によってはインク接液による信頼性低下があった。
ある種の染料や自己分散のカーボンインクで特に顕著であるが、空気中の炭酸ガスの影響に加え、高温保存時に特に顕著なインク中への酸性物質の溶出がありpHが低下することがあり、これが接液部材の劣化を起こすという問題があった。
特開平4−227773号公報 特開平2−228378号公報 特許第2612661号公報 特表平11−506800号公報 特開平10−219160号公報 特開平11−323225号公報 特開平10−330665号公報
本発明の第1の目的は、諸特性を満足し、普通紙上での発色性に優れ、光安定性等の画像保存性が高くかつ信頼性の改善された記録液、インクジェット用インクを提供することにある。
本発明の第2の目的は、前記特性を改善する目的で添加される化合物塩のより好ましい態様を提示することにある。
本発明の第3の目的は、該化合物塩のより好ましい限定された態様を提示することにある。
本発明の第4、第5の目的は、該化合物塩の安全性に優れた、より好ましい限定された態様を提示することにある。
本発明の第6の目的は、色境界にじみを抑え、光安定性、耐水性を改善することが可能な記録液、インクジェット用インクを提供することにある。
本発明の第7の目的は、画像の色調に影響を及ぼすことなく好適に用いられる添加物を示すことにある。
本発明の第8の目的は、普通紙において特に色再現性に好ましい光安定性の改善された記録液、インクジェット用インクを提供することにある。
本発明の第9の目的は、普通紙において色調と耐水性のバランスされた光安定性の改善された記録液、インクジェット用インクを提供することにある。
本発明の第10の目的は、普通紙において耐水、耐光性が高く、従来に比べ色境界滲みが改善された信頼性の高いインクジェット用顔料インクを提供することにある。
本発明の第11の目的は、印字システム内での信頼性の優れた記録液、インクジェット用顔料インクを提供することにある。
本発明の第12の目的は、定着性が良く信頼性の高い記録液、インクジェット用顔料インクを提供することにある。
本発明の第13の目的は、長期間休止しても吐出安定性の高い記録液、インクジェット用顔料インクを提供することにある。
本発明の第14の目的は、特に耐水性、色境界滲みの優れた吐出安定性の高い記録液、インクジェエット用顔料インクを提供することにある。
本発明の第15の目的は、普通紙での色再現性、光沢感を改善しかつ光安定性の高い画像が得られる記録液、インクジェット用インクを提供することにある。
本発明の第16の目的は、印字システム内での信頼性が優れ、画像劣化の少ない着色微粒子記録液、インクジェエット用インクを提供することにある。
本発明の第17の目的は、インクに保湿性を与え、かつ吐出安定性な物性範囲を得るために添加される水溶性有機溶剤を開示することにある。
本発明の第18、19の目的は、記録媒体への濡れ性の改善された実施様態を開示することにある。
本発明の第20の目的は、印字システム内での部材との相性の良く保存性安定性の良い物性範囲を開示することにある。
本発明の第21の目的は、該インクを用いて良好な画像が形成できる記録方法を開示することにある。
本発明の第22の目的は、該インクを用いて良好な画像が形成できるインクカートリッジを提供することにある。
本発明の第23の目的は、該インクを用いて良好な画像が形成できるインクジェット用機器を提供することにある。
上記課題は、本発明の「記録液を収容する記録液収容部、あるいは記録液カートリッジ、該記録液を熱エネルギーまたは機械エネルギーの作用により滴化し吐出させるためのヘッド部、あるいは記録ユニットを備えたインクジェット記録装置であって、前記記録液として、色材と、それを分散または溶解する有機溶媒、水、多価金属イオン源化合物、及び、下記式(1)で表わされる環状化合物またはその塩を含有し、アルカリ下で前記環状化合物と前記多価金属イオンとが、フェノラート型錯体を形成する記録液を用いることを特徴とする記録装置;
Figure 0004546947
(式中、xは4〜8を表わす。)」によって達成される。
本発明によれば、水溶性カリックスアレーンを添加することで諸特性を満足し、普通紙上での発色性に優れ、光安定性等の画像保存性が高くかつ信頼性の改善された記録液、インクジェット用インクを提供することができ、前記特性を改善する目的で添加される式(1)で表わされる化合物塩のより好ましい態様を提示することで保存性や記録器具内や記録機器での接液性等の改善された記録液、インクジェット用インクを提供することができる。また、前記式(1)の化合物の好ましい限定された態様を提示することで信頼性の高い記録液、インクジェット用インクを提供することができ、また、式(1)の化合物においてより安全性に優れた、より好ましい限定された態様を提示することにより、記録に関する諸特性を満足し安全性の高い記録液、インクジェット用インクを提供することができる。また、式(1)のフェノラート型錯体となる多価金属イオンを含有することにより、色境界にじみを抑え、光安定性、耐水性を改善することが可能な記録液、インクジェット用インクを提供することができ、多価金属イオン源となる化合物と限定することで、画像の色調に影響を及ぼすことなく色境界滲みを抑え、光安定性、耐水性を改善することが可能な記録液、インクジェット用インクを提供することができる。また、式(1)の化合物とともに染料を用いることにより、普通紙において特に色再現性に好ましい光安定性の改善された記録液、インクジェット用インクを提供することができ、式(1)の化合物とスルホン酸、カルボン酸基が導入された染料を用いることにより、普通紙において色調と耐水性のバランスされた光安定性の改善された記録液、インクジェット用インクを提供することができる。また、式(1)の化合物と顔料を用いることにより、普通紙において耐水、耐光性が高く、従来に比べ色境界滲みが改善された信頼性の高いインクジェット用顔料インクを提供することができ、式(1)の化合物と特定範囲の粒子径の顔料を用いることにより、印字システム内での信頼性の優れた記録液、インクジェット用顔料インクを提供することができ、式(1)の化合物と共にカルボキシル基の導入された分散剤で分散された顔料を用いることで定着性が良く信頼性の高い記録液、インクジェット用顔料インクを提供することができ、式(1)の化合物と共に表面改質された顔料を用いることで、長期間休止しても吐出安定性の高い記録液、インクジェット用顔料インクを提供することができ、式(1)の化合物と共に顔料表面に親水基としてカルボキシル基が導入された顔料を用いることで特に耐水性、色境界滲みの優れた吐出安定性の高い記録液、インクジェエット用顔料インクを提供することができ、式(1)の化合物と共に染料または顔料で着色された微粒子を用いることで、普通紙での色再現性、光沢感を改善しかつ光安定性の高い画像が得られる記録液、インクジェット用インクを提供することができる。また、式(1)の化合物と共に用いる特定の範囲の粒子径の着色微粒子を用いることで印字システム内での信頼性が優れ、画像劣化の少ない着色微粒子記録液、インクジェエット用インクを提供することができ、式(1)の化合物と共に保湿性を与え、かつ吐出安定性な物性範囲を得るために添加される水溶性有機溶剤を開示することにより長期間休止後の再吐出性が良好な記録液、インクジェット用インクを提供することができる。また、式(1)の化合物と共に特定の界面活性剤を添加することで記録媒体への濡れ性の改善された信頼性の高い記録液、インクジェット用インクを提供することができ、式(1)の化合物と共に特定の溶剤系の浸透剤を添加することで記録媒体への濡れ性の改善された信頼性の高い記録液、インクジェット用インクを提供することができる。また、式(1)の化合物を含有し、pHをある特定範囲とすることで、印字システム内での部材との相性の良く保存性安定性の良い物性範囲とすることができる。
また、該インクを用いて特定の条件で画像形成することで普通紙に良好な画像が形成できる記録方法を提供することができ、該インクを用いて特定の構成のインクカートリッジに充填し画像を形成することで良好な画像が形成できるインクカートリッジを提供することができ、該インクを熱エネルギーまたは機械エネルギーにより液滴として画像形成する記録装置に用いることで良好な画像が形成できるインクジェット用装置を提供することができるという極めて優れた効果を奏するものである。
本発明に用いられる下記式(1)で示されるカリックス[n]アレーン−p−スルホン酸は、フェノール性水酸基を有し、酸化防止剤として機能することは特開平4−100890号公報により開示されている。また、他の包接化合物同様、環内部に疎水性基を有する他の化合物を包接する。またOH基と金属イオンとが錯形成することも知られている(日化、583、N09、1999)。また、スルホン酸基を有するため水に対する溶解性が高く、xの数にもよるが、25℃の水に8〜20%溶解するという特徴がある。
本発明者はこの特徴に注目し、従来の記録液で検討されてきた包接化合物、光安定剤とともに比較検討を行なってきたところ、従来の種種の問題を改善することが明らかとなった。
特に、pH変化によりスルホン酸基、フェノール性OH基の解離状態が変化することにより、金属イオン、有機カチオンの錯形成能が変化することで酸化防止剤としての機能により色素の褪色防止をより改善すること、色境界滲みを抑える機能も付与することができることが明らかとなった。
以下に、本発明の式(1)で示される化合物、及び式(1)において、それぞれpHが高い場合と、低い場合の例を示す。
Figure 0004546947
Figure 0004546947

(式中、フェノラート錯体としては、金属イオンまたは有機カチオンが示され、Mが配位、N+は一価カチオンを示す。)
前記、pHが高い状態では、インク中で色材の凝集を抑えることが可能であり、pHが低い状態では、色材により不溶化させたり、水溶性を下げ耐水性を付与することができることが明らかとなった。
また、水分散性の色材として顔料や着色微粒子、分散性染料を用いた場合はインク製造時やシステム内でのコンタミによる多価金属イオンを補足したり、色材そのものの疎水基を包接するため保存特性を改良できることが明らかとなった。
従来の処方では、高温保存時や大気中の炭酸ガス等の影響によりpH低下が大きかった色材について、本発明の前記式(1)の化合物がアルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、ホスホニウム等の有機カチオンを包接することにより、pH緩衝性を改善し、インクの保存性や接液性を改善することが明らかになった。さらに、酸化防止剤としての機能から接液部材の劣化を抑え腐食防止効果も見い出された。
本発明のインクは、PZTによる圧力を用いたもの、静電気力により撓ませた振動板により吐出するもの、また、膜沸騰を利用したバブルジェット(登録商標)方式のドロップオンディマンドインクジェットプリンターはもとより、インクを荷電するとともにPZTで振動させるいわゆる荷電制御方式のいずれのプリンターにも良好に使用できる。特に、信頼性の高さから20μm以下のノズル径の小さなものでも安定に吐出できる。
前記式(1)で表わされる化合物であるカリックス[n]アレーン−p−スルホン酸は、Acros organics社より入手可能なカリックス[4]アレーン、カリックス[5]アレーン、カリックス[6]アレーン、カリックス[7]アレーンを、濃硫酸にて約80℃でスルホン化を行なうことによって対応する前記式(1)で表わされるスルホン酸塩を得ることができる。また、ナトリウム塩はスガイ化学工業よりCALX−S4、CALX−S6、CALX−S8として市販されている。
これらは、水−メタノール混合溶媒にて再結晶を施すことにより不純物を除くことができる。また、水溶液を逆浸透膜、イオン交換樹脂、限外濾過膜等で処理することで塩化ナトリウム等の無機塩を除去することができる。特に、信頼性を高くするためにはアルカリ塩としてリチウム塩を用いたり、第4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、アルカノールアミン塩とすると記録液の安定性が向上する。
前記式(1)と共に用いて、例えば好ましい塩を与える第4級アンモニウム、ホスホニウムの水酸化物として下記式(I)の化合物が挙げられ、その具体例として表1に示されるものが挙げられる。
Figure 0004546947

(式中、Xは窒素又はリン、R1〜R4は水素、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ハロゲン化アルキル基を表わす。)
Figure 0004546947
表中、特に保存性に優れるものとしては、水酸基を有する(I−2)、(I−4)、(I−7)の水酸化物の塩とすることが好ましい。これらはスルホン酸基と0.3倍モル以上が中和されることが好ましい。またフェノール性水酸基の一部を中和しても良い。
また、本発明において、色境界滲みを抑える目的や染料の耐光性・耐水性を向上させる目的で添加される水溶性塩としては、第4級アンモニウム塩や多価金属塩が挙げられるが、特に好ましくは前記式(1)の化合物が、フェノラート型で錯形成する多価金属イオンの塩が挙げられる。イオンとしてはアルカリ土類金属のBe2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+等、3B族のAl3+、Ga3+、In3+、Sn4+等、遷移金属のTi4+、Fe3+、Co2+、Cu2+等、ランタノイド金属のLa3+、Ce3+、Pr3+、Nd3+、Sm3+、Eu3+、Gd3+等が挙げられる。
特に、水溶性の高いアルカリ土類金属塩、ランタノイド金属塩、亜鉛塩で水に対する溶解度が1g/100g以上のものが、水に溶存した際に前記式(1)の化合物とフェノラート錯体あるいは塩を形成し易いため好ましい。
より具体的には、硝酸マグネシウム(42.1g)、硫酸マグネシウム(26.7g)、塩化マグネシウム(35.5g)、塩化ランタン(49.27g)、硝酸ランタン(56.1g)、硫酸ランタン(2.25g)、塩化カルシウム(45.3g)、硝酸カルシウム(57.98g)硝酸亜鉛(56.1g)等が挙げられる。
これら塩の添加量は、カラー画像を形成するインクセットで用いる色材の特性により適宜選択されるが、0.1〜10重量%で添加される。添加量が0.1重量%以下では改善効果が少なく、10重量%以上では温度変化により析出をしたりノズル近傍での水分蒸発による吐出不良を起こし易くなる。
また、本発明のインク中の色材の添加量は、その使用目的にもよるが0.1〜20重量%、好ましくは、0.2〜8重量%の範囲で使用される。0.1重量%以下では淡色インクに用いた場合でも着色力がなく、20重量%以上では粘度が高く吐出することが難しい。
本発明で用いられる水溶性染料としては、必要に応じて他の色材と混合して用いることができる。用いられる水溶性染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料で耐水、耐光性が優れたものが用いられる。
これら染料を具体的に挙げれば、酸性染料及び食用染料としては、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド1,8,13,14,18,26,27,35,37,42,52,82,87,89,92,97,106,111,114,115,134,186,249,254,289、C.I.アシッドブルー9,29,45,92,249、C.I.アシッドブラック1,2,7,24,26,94、C.I.フードイエロー3,4、C.I.フードレッド7,9,14、C.I.フードブラック1,2が挙げられ、直接性染料としては、C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,26,33,44,50,86 ,120,132,142,144、C.I.ダイレクトレッド1,4,9,13,17,20,28,31,39,80,81,83,89,225,227、C.I.ダイレクトオレンジ26,29,62,102、C.I.ダイレクトブルー1,2,6,15,22,,25,71,76,79,86,87,90,98,163,165,199,202、C.I.ダイレクトブラック19,22,32,38,51,56,71,74,75,77,154,168,171が挙げられ、塩基性染料としては、C.I.ベーシックイエロー1,2,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,40,41,45,49,51,53,63,64,65,67,70,73,77,87,91、C.I.ベーシックレッド2,12,13,14,15,18,22,23,24,27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,112、C.I.ベーシックブルー1,3,5,7,9,21,22,26,35,41,45,47,54,62,65,66,67,69,75,77,78,89,92,93,105,117,120,122,124,129,137,141,147,155、C.I.ベーシックブラック2,8が挙げられ、反応性染料としては、C.I.リアクティブブラック3,4,7,11,12,17、C.I.リアクティブイエロー1,5,11,13,14,20,21,22,25,40,47,51,55,65,67、C.I.リアクティブレッド1,14,17,25,26,32,37,44,46,55,60,66,74,79,96,97、180、C.I.リアクティブブルー1,2,7,14,15,23,32,35,38,41,63,80,95等が挙げられ、使用できる。特に酸性染料及び直接性染料が好ましく用いることができる。
また、インクジェット用染料として開発されたアビシア製のプロジェットシアン2、プロジェットマゼンタ2、プロジェットイエロー2等のProjet(商品名)シリーズ染料も好ましい。
本発明において特に好ましい染料は、耐水性と信頼性のバランスからスルホン酸、カルボン酸の導入されたものが好ましい。具体的には、遊離酸型で記載すると下記表2に示されるものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0004546947
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Figure 0004546947
Figure 0004546947
本発明で用いられる顔料としては、有機顔料としてアゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等が挙げられ、無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉等が挙げられる。
より具体的には、黒用顔料として、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、又は銅酸化物、鉄酸化物(C.I.ピグメントブラック11)、若しくは酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料を挙げることができる。
カラーインク用顔料としては、黄色インク用としてC.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、23、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83(ジスアゾイエローHR)、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、128、138、150、153、マゼンタ用としてC.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、92、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(ジメチルキナクリドン)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、シアン用としてC.I.ピグメントブルー1、2、15(銅フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、56、60、63等を使用することができる。
また、中間色としてはレッド、グリーン、ブルー用として下記顔料単独もしくは混合して用いることができる。
C.I.ピグメントレッド177、194、224、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントバイオレット3、19、23、37、C.I.ピグメントグリーン7、36等。
黒としては、カーボンブラックとして、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、1次粒子が15nm〜40nm、BET吸着法による比表面積が50〜300m2/g、DBP吸油量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH2〜9を有するものが使用され、特にpH6以下の酸性カーボンブラックが高濃度で好ましい。また、次亜塩素酸化処理したカーボンブラックやスルホン化剤処理したカーボンブラック、ジアゾニュウム化合物にて処理してスルホン酸、カルボン酸等のアニオン性解離基を導入したカーボンブラックがさらに好ましい。イエロー顔料としてはベンチジン骨格を含まないC.I.ピグメントイエロー74、128、138が好ましい。マゼンタ顔料としてはキナクリドン系のC.I.ピグメントレッド122、209が好ましい。シアンはフタロシアニン化合物であるC.I.ピグメントブルー15:3やアルミ配位フタロシアニン、無金属フタロシアニンが好ましい。これらカラー有機顔料も表面処理によりスルホン酸基、カルボン酸基が導入された顔料はさらに分散安定性が優れ、分散剤なしに分散安定性が得られるものは自己分散顔料として好適に用いることができる。また、表面をカプセル化した顔料やポリマーをグラフトした顔料等も分散安定性に優れ信頼性の高いインクとすることができる。
参考例1
次亜塩素酸処理したカーボンブラック分散液<1>
市販のpH2.5の酸性カーボンブラック(キャボット社製、商品名モナーク1300)300gを水1000ミリリットルに良く混合した後に、次亜塩素酸ソーダ(有効塩素濃度12%)450gを滴下して、100〜105℃で8時間撹拌した。この液に更に次亜塩素酸ソーダ(有効塩素濃度12%)100gを加え、横型分散機で3時間分散した。得られたスラリーを水で10倍に希釈し、水酸化リチウムにてpHを調整し、電導度0.2mS/cmまで限外濾過膜にて脱塩濃縮し、顔料濃度15%のカーボンブラック分散液とした。遠心処理により粗大粒子を除き、さらに1ミクロンのナイロンフィルターで濾過しカーボンブラック分散液<1>とした。Fe、Ca、Siの含有量の総計がICPの測定により100ppm以下であった。また塩素イオン濃度も10ppm以下とした。マイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は95nmであった。
参考例2
スルホン化剤処理したカーボンブラック分散液<2>
市販のカーボンブラック顔料(デグサ社製、プリンテックス#85)150gをスルホラン400ml中に良く混合し、ビーズミルで微分散後、アミド硫酸15gを添加して140〜150℃で10時間攪拌した。得られたスラリーをイオン交換水1000ml中に投入し、12000rpmで遠心分離機により表面処理カーボンブラックウエットケーキを得る。このカーボンブラックウエットケーキを2000mlのイオン交換水中に再分散し、水酸化リチウムにてpHを調整し、限外濾過膜により脱塩濃縮し、顔料濃度10重量%のカーボンブラック分散液とした。これを1ミクロンのナイロンフィルターで濾過しカーボンブラック分散液<2>とした。Fe、Ca、Siの含有量の総計はICPの測定により100ppm以下であった。また硫酸イオン濃度も100ppm以下であった。平均粒子径は80nmであった。
参考例3
ジアゾ化合物処理したカーボンブラック分散液<3>
表面積が230m2/gでDBP吸油量が70ml/100gのカーボンブラック100gと、p−アミノ−N−安息香酸34gとを水750gに混合分散し、これに硝酸16gを滴下して70℃で撹拌した。5分後、50gの水に11gの亜硝酸ナトリウムを溶かした溶液を加え、更に1時間撹拌した。得られたスラリーを10倍に希釈し遠心処理し粗大粒子を除き、pHをジエタノールアミンにて調整しpH8〜9とし、限外濾過膜にて脱塩濃縮し顔料濃度15%のカーボンブラック分散液とした。これをポリプロピレンの0.5μmフィルターにてカーボンブラック分散液<3>とした。Fe、Ca、Siの含有量の総計はICPの測定により100ppm以下であった。また硝酸イオン濃度は10ppm以下であった。平均粒子径は99nmであった。
参考例4
ジアゾ化合物処理したカーボンブラック分散液<4>
例1:カーボンブラック生産品の調製
2リットルの水と43gのスルファニル酸を含む約75℃の溶液を、撹拌しながら、230m2/gの表面積と70ml/100gのDBPAを有する202gのカーボンブラックに添加した。この混合物を撹拌しながら室温まで冷やし、26.2gの濃硝酸を添加した。水中の亜硝酸ナトリウムの20.5gの溶液を添加した。4−スルホベンゼンジアゾニウム水酸化物内部塩を作製し、これをカーボンブラックと反応させた。発生した泡立ちが停止するまで分散系を撹拌した。得られたスラリーを希釈し、水酸化リチウムにてpHを調整しpH8〜9として粗大粒子を遠心処理にて除き、引き続いて限外濾過膜にて脱塩濃縮し、顔料濃度15%のカーボンブラック分散液とした。これをポリプロピレンの1μmフィルターにて濾過し、カーボンブラック分散液<4>とした。Fe、Ca、Siの含有量の総計はICPの測定により100ppm以下であった。また硝酸イオン濃度は50ppm以下であった。平均粒子径は95nmであった。
参考例5
表面化学処理したカラー顔料分散液(イエロー分散液<1>、マゼンタ分散液<1>、シアン分散液<1>)
イエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー128を低温プラズマ処理し、カルボン酸基を導入した顔料を作製した。これをイオン交換水に分散したものを、限外濾過膜にて脱塩濃縮し、顔料濃度15%のイエロー顔料分散液<1>とした。平均粒子径70nm、Fe、Ca、Siの含有量の総計は100ppm以下であった。
同様にマゼンタ顔料としてC.I.ピグメントマゼンタ122を用いて顔料濃度15%のマゼンタ分散液<1>を作製した。平均粒子60nm、Fe、Ca、Siの含有量の総計は100ppm以下であった。
同様にシアン顔料としてC.I.ピグメントシアン15:3を用いて顔料濃度15%のシアン分散液<1>を作製した。平均粒子径80nm、Fe、Ca、Siの含有量の総計は100ppm以下であった。
本発明において、顔料分散剤を用いた顔料分散液を用いることもできる。
顔料分散剤としては、親水性高分子として、天然系ではアラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子、半合成系ではメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子、純合成系ではポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコ−ル、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物等が挙げられる。
特に、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンアクリル酸のホモポリマーや他の親水基を有するモノマーの共重合体からなるようなカルボン酸基を導入したものが高分子分散剤として好ましい。
また、界面活性剤を用いる場合はポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩等のアニオン界面活性剤、ノニルフェニルエーテル等ノニオン系界面活性剤を用いることもできる。
<参考例6>
分散剤顔料分散液(界面活性剤分散:イエロー分散液<2>、マゼンタ分散液<2>、シアン分散液<2>、高分子分散:イエロー分散液<3>、マゼンタ分散液<3>、シアン分散液<3>)
イエロー顔料:C.I.ピグメントイエロー128
マゼンタ顔料:C.I.ピグメントレッド122
シアン顔料:C.I.ピグメントブルー15:3
分散剤A:花王社製ノニオン性界面活性剤、エマルゲン913)、HLB15.5
分散剤B:ジョンソンポリマー社製アクリル系樹脂水溶液、ジョンクリル611(アンモニア中和、固形分20%)、酸価57
(1)ソルトミリング微細化工程
ステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に、上記の顔料250部、塩化ナトリウム2500部およびジエチレングリコール200部を仕込み、3時間混練した。次に、この混合物を2.5リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、水洗を5回繰り返して塩化ナトリウムおよび溶剤を除き、顔料の乾燥品を得た。
(2)表面処理工程
ペイントコンディショナーに、顔料20部と上記A、Bの分散剤5部(固形分換算)と水を加え、全量で100部として3時間分散した。得られた水性顔料分散体に15000rpmで6時間の遠心分離を施した。
参考例5による表面処理顔料20部に30%アンモニア水0.1部、精製水79.9部を加え、ペイントコンディショナーで再分散し、顔料濃縮液を作製した。また、表面処理を行なわなかった顔料については、顔料20部に分散剤A(処方1)または分散剤B(処方2)を5部(固形分)および精製水を加え、全量で100部としてペイントコンディショナーにて分散し、逆浸透膜にて精製しインクジェット用濃縮記録液を作製した。濃縮液は1μmナイロンフィルターにて濾過、続いて0.5μmのポリピロピレンフィルターにて濾過し使用分散液とした。それぞれのFe、Ca、Siの含有量はいずれも100ppm以下であった。
ここでの分散液の平均粒子径は、
イエロー分散液<2>:93nm
イエロー分散液<3>:80nm
マゼンタ分散液<2>:60nm
マゼンタ分散液<2>:56nm
シアン分散液<2>:90nm
シアン分散液<3>:87nm
本発明では色材として染料、顔料で着色された微粒子を用いることにより普通紙での定着性の改良、発色性の改良を行ない、前記式(1)の水溶性カリックスアレーンを含有することで凝集等が起こりにくい着色微粒子記録液を得ることができる。着色微粒子としては微粒子が高分子からなるもの、シリカ、アルミナ等の無機微粒子からなるもののいずれも用いることができる。光沢性を付与する目的からは高分子微粒子を用いることが好ましい。
特に、アクリル系やポリエステル系の微粒子に染顔料が含浸されたもの、即ち、表層もしくは内部、あるいは全体に染顔料が存在する着色高分子微粒子を用いることが好ましい。より具体的には特開平2000−53898号公報に開示された方法により製造された着色微粒子が挙げられる。以下にこれに準じたその1例を示す。
参考例7
攪拌翼、冷却管、窒素ガス導入管を取り付けた密閉可能な反応容器に、重合溶媒としてメチルエチルケトン20重量部、重合性不飽和モノマーとして下記の組成の初期仕込みモノマー及び重合連鎖移動剤を仕込み、窒素ガス置換を充分行なった。
メタクリル酸メチル、モノマー 12.8重量部
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、モノマー 1.2重量部
メタクリル酸、モノマー 2.9重量部
シリコーンマクロマー(チッソ(株)製、FM−0711) 2重量部
スチレンアクリルニトリルマクロマー
(東亜合成(株)製、AN−6) 1重量部
メルカプトエタノール(重合連鎖移動剤) 0.3重量部
窒素雰囲気下、反応容器内の混合液を撹拌しながら65℃まで昇温させた。これとは別に、下記の滴下モノマー及び重合連鎖移動剤とメチルエチルケトン60部と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.2部とを混合し、充分窒素置換して得られた混合液を3時間かけて反応容器内に徐々に滴下した。
メタクリル酸メチル、モノマー 51重量部
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、モノマー 4.2重量部
メタクリル酸、モノマー 11重量部
シリコーンマクロマー(チッソ(株)製、FM−0711) 8重量部
スチレンアクリルニトリルマクロマー
(東亜合成(株)製、AN−6) 4重量部
メルカプトエタノール(重合連鎖移動剤) 1.2重量部
滴下が終了して2時間後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.1重量部をメチルエチルケトン5重量部に溶解した溶液を加え、更に65℃で2時間、70℃で2時間熟成させることによりビニル系ポリマー溶液を得た。
得られたビニル系ポリマー溶液の一部を、減圧下、105℃で2時間乾燥させ、完全に溶媒を除去することによって単離した。重量平均分子量は約10,000、Tg180℃であった。
上記で得られたビニル系ポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたビニル系ポリマー5gに、トルエン25gおよび下記組成のアントラキノン系染料5gを加えて完全に溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液を2g加えてビニル系ポリマーの酸性基を一部中和した。次いで、イオン交換水300gを加え、撹拌した後、乳化装置であるナノメーカーTM(ナノマイザー社製)を用いて、30分間乳化した。得られた乳化物を減圧下60℃でトルエンを完全に除去し、更に一部の水を除去することにより濃縮し、限外濾過膜にてモノマー等不純物を除去し、精製された分散性染料を含浸させたビニル系ポリマー微粒子のマゼンタ分散液<4>(平均粒径;98nm、固形分濃度;10%)を得た。
Figure 0004546947
同様にして染料をC.I.ディスパースイエロー118としてイエロー分散液4(平均粒径;98nm、固形分濃度;10%)、また、同様にしてC.I.ディスパースブルー36としてブルー分散液<4>(平均粒径;98nm、固形分濃度;10%)を得た。
本発明では界面活性剤を使用することで記録紙への濡れ性を改善することができる。好ましい界面活性剤としては、界面ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、アセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。より具体的には、アニオン系界面活性剤としては下記に示されるポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩(II)、及び/または炭素鎖が5〜7の分岐したアルキル鎖を有するジアルキルスルホ琥珀酸(III)を用いることで普通紙特性も改善され、さらに着色剤の溶解・分散安定性が得られる。
Figure 0004546947
(式中、Rは炭素数6〜14の分岐してもよいアルキル基、Mはアルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミン、mは3〜12を表わす。)
Figure 0004546947

(式中、R5、R6は炭素数5〜7の分岐したアルキル基、Mはアルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミンを表わす。)
さらに本発明の界面活性剤の対イオンとしてリチウムイオン、及び下記一般式で示される第4級アンモニウム、第4級ホスホニウムを用いることにより界面活性剤が優れた溶解安定性を示す。
好ましい非イオン系の界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルである一般式(IV)、アセチレングリコール系界面活性剤である一般式(V)の活性剤が挙げられる。これらを併用することによりさらに相乗効果として浸透性が上がり、これにより色境界にじみが低減され、また文字にじみも少ないインクが得られる。
Figure 0004546947

(式中、Rは分岐しても良い6〜14の炭素鎖を表わし、kは5〜12を表わす。)
Figure 0004546947

(式中、p、qは0〜40を表わす。)
なお、このインクのpHを6以上にすることにより、インクの保存安定性が得られ、また、オフィスで使用されているコピー用紙や用箋等はpHが5〜6のものが多く、これらの記録紙にインクを9〜60μmの微細な吐出口より吐出し重量が2ng〜50ngの液滴として5〜20m/sで飛翔させ、単色での付着量を1.5g/m2〜30g/m2として、JIS P−8122試験法によるステキヒトサイズ度が3秒以上の所謂普通紙に記録するこにより、高画質、高解像の記録画像を形成する記録方式を提供することができる。ただし、pHが9以上では保存時に前記式(III)の活性剤では分解による物性変化が起こりやすいため式(III)の活性剤を用いる場合はpHを6〜9とすることが好ましい。
本発明に用いることができる前記式(II)、式(III)、式(IV)、(V)の活性剤の添加量は、0.05〜10重量%の間でプリンターシステムにより要求されるインク特性に対し所望の浸透性を与えることが可能である。0.05%以下ではいずれの場合も2色重ね部の境界でにじみが発生し、10重量%以上添加する場合は化合物自体が低温で析出しやすいことがあり信頼性が悪くなる。
次に、本発明に用いる界面活性剤(II)、(III)を下記表3に具体的に遊離酸型で示す。
Figure 0004546947
Figure 0004546947
本発明のインクは水を液媒体として使用するものであるが、インクを所望の物性にするため、インクの乾燥を防止するため、また、本発明の化合物の溶解安定性を向上するため等の目的で下記の水溶性有機溶媒を使用することができる。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、1,6ヘキサンジオール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等である。これらの溶媒は、水とともに単独もしくは、複数混合して用いられる。
これらの中で特に好ましいものは、ジエチレングリコール、チオジエタノール、ポリエチレングリコール200〜600、トリエチレングリコール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ペトリオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチルピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等であり、これらを用いることにより本発明の化合物の高い溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる。
特に、本発明において着色剤の分散安定性を得るのに好ましい溶剤として、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン等のピロリドン誘導体が挙げられる。
また、本発明の界面活性剤(II)〜(V)以外で表面張力を調整する目的で添加される浸透剤としては、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール等のジオール類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、フッ素系界面活性剤、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類が挙げられるが、特に好ましいのは多価アルコールアルキルエーテルとしてジエチレングリコールモノブチルエーテル、炭素数6以上のジオールとして2−エチル−1,3−ヘキサンジオール及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールである。ジオール類は水不溶性色材の凝集が発生しにくいということで好適である。添加量はその種類や所望の物性にもよるが0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%の範囲で添加される。下限未満では浸透性が不十分であり上限以上では粒子化特性に悪影響を及ぼす。また、これらの添加によりインクジェットヘッド部材や記録器具への濡れ性も改善され、充填性が向上し、気泡による記録不良が発生しにくくなる。
本発明おけるインク物性は、そのシステムにより適宜調整可能である。ここでインクの表面張力とは紙への浸透性を示す指標であり、特に表面形成されて1秒以下の短い時間での動的表面張力を測定することがインクの浸透性と対応する。飽和時間で測定される静的表面張力とは異なる。測定法としては特開昭63−31237号公報に記載の従来公知の方法で、1秒以下の動的な表面張力を測定できる方法であればいずれも使用できる。表面張力の値は50mN/m以下が好ましく、より好ましくは40mN/m以下とすると優れた乾燥性が得られる。これに対してインクの吐出安定性からは動的な表面張力が低下しすぎると粒子化が不安定となりやすい。安定に吐出できる動的な表面張力は、1m秒において好ましくは40mN/m以上である。
粘度の範囲としては1mPa・sから10mPa・sの間で吐出方式により適宜選定される。
インク中の顔料粒子径範囲としては、10nm〜300nmのものを用い、平均粒子径が、60nm〜120nmとすることが好ましい。インク中の固形分量は1〜25重量%、水分量は25〜93重量%の範囲、より好ましくは50〜80重量%の範囲である。
本発明では、インク中の顔料インク、また着色微粒子インクの粒子表面のζ電位等の関係から分散安定性を損なわない電導度範囲として、1mS/cm〜6mS/cmの範囲とすると顔料の凝集等の発生を起さず、長期に渡って粒子径の変化の少ない信頼性の高いインクとすることができる。この範囲とするには通常は電導度調整剤等の添加が行なわれるが、前記式(1)の化合物も解離基を有しており、この含有量を調整することで所望の範囲に調整することが可能である。さらに微調整をするために分散を阻害しない電導度調整剤を添加することもできる。好ましい電導度調整剤としてはテトラメチルアンモニウム塩化物等の第4級アンモニウム塩、アルカノールアミン塩等が挙げられる。
本発明のインクには、前記着色剤、溶媒の他に、従来より知られている添加剤を加えることができる。例えば、防腐防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、イソチアゾリン等が本発明に使用できる。
pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響をおよぼさずにpHを7以上に調整できるものであれば、任意の物質を使用することができる。
具体例としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。
キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニイウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等がある。
その他、目的に応じて水溶性紫外線吸収剤、水溶性赤外線吸収剤を添加することもできる。
次に、上記した本発明の水性顔料インクを用いて記録を行なうのに好適な、本発明のインクジェット記録装置の一例を以下に説明する。
先ず、熱エネルギーを利用したインクジェット記録装置の主要部であるヘッド構成の一例を図1に示す。図1は、インク流路に沿ったヘッド(13)の断面図であり、ヘッド(13)はインクを通す流路(ノズル)(14)を有するガラス、セラミック、シリコン又はプラスチック板等と発熱素子基板(15)とを接着して得られる。発熱素子基板(15)は酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン等で形成される保護層(16)、アルミニウム、金、アルミニウム−銅合金等で形成される電極(17−1)及び(17−2)、HfB2、TaN、TaAl等の高融点材料から形成される発熱抵抗体層(18)、熱酸化シリコン、酸化アルミニウム等で形成される蓄熱層(19)、シリコン、アルミニウム、窒化アルミニウム等の放熱性のよい材料で形成される基板(20)よりなっている。
上記ヘッド(13)の電極(17−1)及び(17−2)にパルス状の電気信号が印加されると、発熱素子基板(15)のnで示される領域が急速に発熱し、この表面に接しているインク(21)に気泡が発生し、その圧力でメニスカス(23)が突出し、インク(21)がヘッドのノズル(14)を通して吐出し、吐出オリフィス(22)よりインク小滴(24)となり、被記録材(25)に向かって飛翔する。
図2に、このヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示す。図2において、(61)はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持固定されており、カンチレバーの形態をなす。ブレード(61)は、記録ヘッド(65)による記録領域に隣接した位置に配置され、また、本例の場合、記録ヘッド(65)の移動経路中に突出した形態で保持される。
(62)は記録ヘッド(65)の突出口面のキャップであり、ブレード(61)に隣接するホームポジションに配置され、記録ヘッド(65)の移動方向と垂直な方向に移動して、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行なう構成を備える。更に、(63)はブレード(61)に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード(61)と同様、記録ヘッド(65)の移動経路中に突出した形態で保持される。上記ブレード(61)、キャップ(62)及びインク吸収体(63)によって吐出回復部(64)が構成され、ブレード(61)及びインク吸収体(63)によって吐出口面に水分、塵埃等の除去が行なわれる。
(65)は、吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐出して記録を行なう記録ヘッド、(66)は記録ヘッド(65)を搭載して記録ヘッド(65)の移動を行なうためのキャリッジである。キャリッジ(66)はガイド軸(67)と摺動可能に係合し、キャリッジ(66)の一部はモーター(68)によって駆動されるベルト(69)と接続している(図示されていない)。これによりキャリッジ(66)はガイド軸(67)に沿った移動が可能となり、記録ヘッド(65)による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
(51)は被記録材を挿入するための紙給部、(52)は図示されていないモーターにより駆動される紙送りローラーである。これらの構成により記録ヘッドの(65)吐出口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行するにつれて排紙ローラー(53)を配した排紙部へ排紙される。以上の構成において記録ヘッド(65)が記録終了してホームポジションへ戻る際、吐出回復部(64)のキャップ(62)は記録ヘッド(65)の移動経路から退避しているが、ブレード(61)は移動経路中に突出している。その結果、記録ヘッド(65)の吐出口がワイピングされる。
なお、キャップ(62)が記録ヘッド(65)の吐出面に当接してキャッピングを行なう場合、キャップ(62)は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。記録ヘッド(65)がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ(62)及びブレード(61)は上記したワイピングのときの位置と同一の位置にある。この結果、この移動においても記録ヘッド(65)の吐出口面はワイピングされる。上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行なわれる。
図3は、記録ヘッドにインク供給部材、例えばチューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジの一例を示す図である。ここで(40)は供給用インクを収納したインク収容部、例えば、インク袋であり、その先端にはゴム製の栓(42)が設けられている。この栓(42)に針(図示されていない)を挿入することにより、インク袋(40)中のインクをヘッドに供給可能にする。(44)は廃インクを受容するインク吸収体である。インク収容部としてはインクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成されているものが好ましい。
本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、上述のようにヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、図4に示すようなそれらが一体になったものにも好適に用いられる。図4において、(70)は記録ユニットであり、この中にはインクを収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数オリフィスを有するヘッド部(71)から液滴として吐出される構成になっている。インク吸収体の材料としてはポリウレタン、セルロース、ポリビニルアセテート又はポリオレフィン系樹脂を用いることが本発明にとって好ましい。また、インク吸収体を用いず、インク収容部が内部にバネ等を仕込んだインク袋であるような構造でもよい。(72)はカートリッジ内部を大気に連通させるための大気連通口である。この記録ユニット(70)は、図2に示す記録ヘッド(65)に換えて用いられるものであって、キャリッジ(66)に対して着脱自在になっている。
次に、力学的エネルギーを利用したインクジェット記録装置の好ましい一例としては、複数のノズルを有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される圧電材料と導電材料からなる圧力発生素子と、この圧力発生素子の周囲を満たすインクを備え、印加電圧により圧力発生素子を変位させ、インクの小液滴をノズルから吐出させるオンデマンドインクジェット記録装置を挙げることができる。その記録装置の主要部である記録ヘッドの構成の一例を図5に示す。
ヘッドは、図示されていないインク室に連通したインク流路(80)と、所望の体積のインク滴を吐出するためのオリフィスプレート(81)と、インクに直接圧力を作用させる振動板(82)と、この振動板(82)に接合され、電気信号により変位する圧電素子(83)と、オリフィスプレート(81)、振動板(82)等を支持固定するための基板(84)とから構成されている。
図5において、インク流路(80)は、感光性樹脂等で形成され、オリフィスプレート(81)は、ステンレス、ニッケル等の金属を電鋳やプレス加工による穴あけ等により吐出口(85)が形成され、表面にPTFEニッケルの共析メッキ等の撥インク層が設けられている。振動板(82)はステンレス、ニッケル、チタン等の金属フィルム及び高弾性樹脂フィルム等で形成され、圧電素子(83)は、チタン酸バリウム、PZT等の誘電体材料で形成される。以上のような構成の記録ヘッドは、圧電素子(83)にパルス状の電圧を与え、歪み応力を発生させ、そのエネルギーが圧電素子(83)に接合された振動板を変形させ、インク流路(80)内のインクを垂直に加圧しインク滴(図示されていない)をオリフィスプレート(81)の吐出口(85)より吐出して記録を行なうように動作する。このような記録ヘッドは、図4に示したものと同様なインクジェット記録装置に組み込んで使用される。インクジェット記録装置の細部の動作は、先述と同様に行なうもので差しつかえない。
次に、他の力学的エネルギーを利用したインクジェット記録装置の好ましい一例として静電アクチュエータを用いたインクジェットを示す。図6は本発明を適用したインクジェットヘッドの断面図であり、この図に示すように、インクジェットヘッド(1)は、シリコン基板(2)を挟み、上側に同じくシリコン製のノズルプレート(3)、下側にシリコンと熱膨張率が近いホウ珪酸ガラス基板(4)がそれぞれ積層された3層構造となっている。中央のシリコン基板(2)には、それぞれ独立した複数のインク室(5)、これらに共通に設けられた共通インク室(6)及びこの共通インク室(6)を複数のインク室(5)にそれぞれ接続しているインク供給路(7)としてそれぞれ機能する溝が、その表面(図中、上面)からエッチングを施すことにより形成されている。これらの溝がノズルプレート(3)によって塞がれて、各部分(5)、(6)、(7)が区画形成されている。
ノズルプレート(3)には、各インク室(5)の先端側の部分に対応する位置に、インクノズル(11)が形成されており、これらが各インク室(5)に連通している。また、ノズルプレート(3)には共通インク室(6)に連通するインク供給口が形成されている。インクは、外部の図示しないインクタンクから、インク供給口を通って共通インク室(6)に供給される。共通インク室(6)に供給されたインクは、インク供給路(7)を通って、互いに独立したインク室(5)にそれぞれ供給される。
インク室(5)は、その底壁(8)が図6の上下方向に弾性変位可能なダイヤフラムとして機能するように薄肉に形成されている。したがって、この底壁(8)の部分を、以後の説明の都合上、ダイヤフラム(8)と称して説明することもある。
次に、シリコン基板(2)の下面に接しているガラス基板(4)においては、その上面、即ちシリコン基板(2)との接合面には、シリコン基板(2)の各インク室(5)に対応した位置に、浅くエッチングされた凹部(9)が形成されている。したがって、各インク室(5)の底壁(8)は、非常に僅かの隙間を隔てて、ガラス基板(4)の凹部(9)の表面(92)と対峙している。なお、ガラス基板(4)の凹部(9)はインク室(5)の底壁(8)に対向しているので、振動板対向壁あるいは単に対向壁(91)と称する。
ここで、各インク室(5)の底壁(8)は、それぞれ電荷を蓄えるための電極として機能する。そして、各インク室(5)の底壁(8)に対峙するように、ガラス基板(4)の凹部表面(92)には、セグメント電極(10)が形成されている。各セグメント電極(10)の表面は無機ガラスからなる厚さ(G0)の絶縁層により覆われている。このように、セグメント電極(10)と各インク室底壁(8)とは、絶縁層(15)を挟んで互いに対向電極(電極間距離をGとする)を形成している。
以下に本発明の実施例および比較例を示す。
参考例1
下記組成物を用いて混合し1日放置後、具体例(I−1)の化合物でpHを9にして0.5μmポリプロピレンフィルターにて濾過しブラックインク[1]とした。
カーボン分散液<1> インク中固形分濃度として5重量%
式(1)中、n=4の化合物 1.5重量%
具体例(I−1)の化合物 0.1重量%
グリセロール 15重量%
N−ヒドロキシエチルピロリドン 5重量%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 1重量%
具体例(II−2)の活性剤 1重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量%
高純水(10MΩ) 残量
以下分散液、染料の濃度はインク中の色材固形分濃度である。
参考例2
下記組成物を用いる以外は参考例1と同様にし、水酸化リチウムにてpH8.8にしてブラックインク[2]を調整した。
カーボン分散液<2> 4重量%
式(1)中、n=6の化合物 1.2重量%
1,2,6−ヘキサントリオール 8重量%
1,5−ペンタンジオール 8重量%
2−ピロリドン 8重量%
具体例(II−3)の活性剤 1.0重量%
具体例(III−1)の活性剤 1.2重量%
具体例(I−3)25%水溶液 0.8重量%
尿素 5重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量%
高純水(10MΩ) 残量
参考例3
下記組成物を用いる以外は参考例1と同様にして、pHを水酸化リチウムで8.5にしてブラックインク[3]を調整した。
カーボン分散液<3> 4.5重量%
式(1)中、n=8の化合物 1重量%
ジエチレングリコール 5重量%
グリセロール 5重量%
2−ピロリドン 2重量%
スチレンアクリル酸重合体 0.5重量%
具体例(II−2)の活性剤 1重量%
具体例(IV)の活性剤(R:C919、k:12) 1重量%
具体例(I−3)25%水溶液 0.2重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
参考例4
下記組成物を用いる以外は参考例1と同様にして、pHを水酸化リチウムで9.5にしてイエローインク[1]を調整した。
イエロー分散液<1> 1.0重量%
式(1)中、n=6の化合物 1.2重量%
エチレングリコール 5重量%
グリセロール 2重量%
1,5−ペンタンジオール 8重量%
2−ピロリドン 2重量%
ポリオキシエチレンポリオキシエチレンブロック共重合体 1重量%
具体例(II−4)の活性剤 1重量%
具体例(V)の活性剤(p、q=20) 0.8重量%
具体例(I−4)25%水溶液 2重量%
尿素 5重量%
安息香酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
下記組成物を用いる以外は参考例1と同様にして、pHを水酸化リチウムで9.1にしてマゼンタインク[1]を調整した。
マゼンタ分散液<1> 1.0重量%
式(1)中、n=6の化合物 1.2重量%
エチレングリコール 5重量%
グリセロール 15重量%
2−ピロリドン 2重量%
ポリオキシエチレンポリオキシエチレンブロック共重合体 1重量%
具体例(II−4)の活性剤 1重量%
具体例(V)の活性剤(p、q=20) 0.8重量%
具体例(I−4)25%水溶液 2重量%
尿素 5重量%
安息香酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
下記組成物を用いる以外は参考例1と同様にして、pHを水酸化リチウムで9.1にしてシアンインク[1]を調整した。
シアン分散液<1> 5重量%
式(1)中、n=6の化合物 1.5重量%
具体例(I−1)の化合物 0.1重量%
グリセロール 15重量%
N−ヒドロキシエチルピロリドン 5重量%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 1重量%
具体例(II−2)の活性剤 1重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量%
高純水(10MΩ) 残量
参考例5
下記組成物を用いる以外は参考例1と同様にして、pHを水酸化ナトリウムで7.8にしてイエローインク[2]を調整した。
イエロー分散液<2> 3重量%
式(1)中、n=8の化合物 1重量%
トリエチレングリコール 5重量%
ペトリオール 10重量%
N−メチル−2−ピロリドン 5重量%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2重量%
具体例(I−5)の化合物 0.4重量%
具体例(IV)の活性剤(R:C1021、K:7) 1重量%
具体例(I−2)25%水溶液 1.5重量%
ヒドロキシエチル尿素 5重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
下記組成物を用いる以外は参考例1と同様にして、pHを水酸化ナトリウムで7.8にしてマゼンタインク[2]を調整した。
マゼンタ分散液<2> 3重量%
式(1)中、n=8の化合物 1重量%
トリエチレングリコール 5重量%
ペトリオール 10重量%
N−メチル−2−ピロリドン 5重量%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2重量%
具体例(I−5)の化合物 0.4重量%
具体例(IV)の活性剤(R:C1021、K:7) 1重量%
具体例(I−2)25%水溶液 1.5重量%
ヒドロキシエチル尿素 5重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
下記組成物を用いる以外は参考例1と同様にして、pHを水酸化ナトリウムで7.8にしてシアンインク[2]を調整した。
シアン分散液<2> 4重量%
式(1)中、n=8の化合物 1重量%
トリエチレングリコール 5重量%
ペトリオール 10重量%
N−メチル−2−ピロリドン 5重量%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2重量%
具体例(I−5)の化合物 1重量%
具体例(V)の活性剤(R:C1021、K:7) 1重量%
具体例(I−2)25%水溶液 1.5重量%
ヒドロキシエチル尿素 5重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
参考例6
下記組成物を用いる以外は参考例1と同様にして、pHを水酸化リチウムで8にしてイエローインク[3]を調整した。
イエロー分散液<3> 4重量%
式(1)中、n=6の化合物 1重量%
2−ピロリドン 8重量%
グリセロール 7重量%
1,3−ブタンジオール 3重量%
具体例(II−1)の活性剤 0.3重量%
具体例(IV)の活性剤(p+q=15) 0.5重量%
具体例(IV)の活性剤(p+q=0) 0.5重量%
具体例(I−7)25%水溶液 2重量%
ヒドロキシエチル尿素 5重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
下記組成物を用いる以外は参考例1と同様にして、pHを水酸化リチウムで8にしてマゼンタインク[3]を調整した。
マゼンタ分散液<3> 4重量%
式(1)中、n=6の化合物 3重量%
2−ピロリドン 8重量%
グリセロール 7重量%
1,3−ブタンジオール 3重量%
具体例(I−1)の活性剤 0.3重量%
具体例(IV)の活性剤(p+q=15) 0.5重量%
具体例(IV)の活性剤(p+q=0) 0.5重量%
具体例(I−7)25%水溶液 2重量%
ヒドロキシエチル尿素 5重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
下記組成物を用いる以外は参考例1と同様にして、pHを水酸化リチウムで8にしてシアンインク[3]を調整した。
シアン分散液<3> 4重量%
式(1)中、n=6の化合物 2重量%
2−ピロリドン 8重量%
グリセロール 7重量%
1,3−ブタンジオール 3重量%
具体例(II−1)の活性剤 0.3重量%
テトラメチルアンモニウム硝酸塩(電導度調整剤) 0.4重量%
具体例(IV)の活性剤(p+q=15) 0.5重量%
具体例(IV)の活性剤(p+q=0) 0.5重量%
具体例(I−7)25%水溶液 2重量%
ヒドロキシエチル尿素 5重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
参考例7
下記組成物を用いる以外は参考例1と同様にして、pHを水酸化リチウムで9.5にしてイエローインク[4]を調整した。
イエロー分散液<4> 1.0重量%
式(1)中、n=8の化合物 1.2重量%
エチレングリコール 5重量%
グリセロール 2重量%
1,3−プロパンジオール 8重量%
2−ピロリドン 2重量%
ポリオキシエチレンポリオキシエチレンブロック共重合体 1重量%
具体例(II−4)の活性剤 0.5重量%
具体例(I−4)25%水溶液 2重量%
尿素 5重量%
安息香酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
下記組成物を用いる以外は参考例1と同様にして、pHを水酸化リチウムで9.1にしてマゼンタインク[4]を調整した。
マゼンタ分散液<4> 1.0重量%
式(1)中、n=6の化合物 1.2重量%
エチレングリコール 5重量%
グリセロール 15重量%
2−ピロリドン 2重量%
ポリオキシエチレンポリオキシエチレンブロック共重合体 1重量%
具体例(II−4)の活性剤 0.3重量%
具体例(V)の活性剤(p、q=20) 0.2重量%
具体例(I−4)25%水溶液 2重量%
尿素 5重量%
安息香酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
下記組成物を用いる以外は参考例1と同様にして、pHを水酸化リチウムで8.4にしてシアンインク[4]を調整した。
シアン分散液<4> 5重量%
式(1)中、n=6の化合物 1.5重量%
具体例(I−1)の化合物 0.1重量%
グリセロール 15重量%
N−ヒドロキシエチルピロリドン 5重量%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 1重量%
具体例(II−2)の活性剤 1重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量%
高純水(10MΩ) 残量
実施例1
下記組成物を用いる以外は参考例1と同様にして、pHを水酸化ナトリウムで7.8にしてイエローインク[5]を調整した。
具体例(Y1)の染料 1重量%
具体例(Y2)の染料 1重量%
式(1)中、n=8の化合物 1重量%
硝酸マグネシウム 6重量%
1,5−ペンタンジオール 5重量%
トリメチロールプロパン 7重量%
2−ピロリドン 5重量%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2重量%
具体例(IV)の活性剤(p+q=15) 0.5重量%
具体例(IV)の活性剤(R:C1021、K:7) 1重量%
具体例(I−2)25%水溶液 1.5重量%
ヒドロキシエチル尿素 2重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
下記組成物を用いる以外は参考例1と同様にして、pHを水酸化リチウムで7.8にしてマゼンタインク[5]を調整した。
具体例(M5)の染料 1.5重量%
C.I.アシッドレッド52 0.5重量%
式(1)中、n=8の化合物 1重量%
硝酸カルシウム 6重量%
1,5−ペンタンジオール 5重量%
トリメチロールプロパン 7重量%
2−ピロリドン 5重量%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2重量%
具体例(IV)の活性剤(p+q=15) 0.5重量%
具体例(V)の活性剤(R:C1021、K:7) 1重量%
具体例(I−2)25%水溶液 1.5重量%
ヒドロキシエチル尿素 5重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
下記組成物を用いる以外は参考例1と同様にして、pHを水酸化リチウムで8にしてシアンインク[5]を調整した。
具体例(C1)の染料 1重量%
具体例(C2)の染料 2重量%
アシッドブルー9 0.5重量%
式(1)中、n=8の化合物 1重量%
硝酸カルシウム 6重量%
トリエチレングリコール 5重量%
トリメチロールプロパン 7重量%
2−ピロリドン 5重量%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2重量%
具体例(IV)の活性剤(p+q=15) 0.5重量%
具体例(IV)の活性剤(R:C1021、K:7) 1重量%
具体例(I−2)25%水溶液 1.5重量%
ヒドロキシエチル尿素 1重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
下記組成物を用いる以外は参考例1と同様にして、pHを水酸化リチウムで8にしてブラックインク[4]を調整した。
具体例(BK1)の染料 4重量%
具体例(Y4)の染料 2重量%
式(1)中、n=8の化合物 1重量%
硝酸カルシウム 6重量%
トリエチレングリコール 5重量%
トリメチロールプロパン 7重量%
2−ピロリドン 5重量%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2重量%
具体例(IV)の活性剤(p+q=15) 0.5重量%
具体例(V)の活性剤(R:C1021、K:7) 1重量%
具体例(I−2)25%水溶液 1.5重量%
ヒドロキシエチル尿素 1重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
実施例2
下記組成物を用いる以外は参考例1と同様にして、pHを水酸化リチウムで9.5にしてイエローインク[6]を調整した。
具体例(Y4)の染料 1重量%
具体例(Y5)の染料 1重量%
式(1)中、n=6の化合物 1重量%
硝酸マグネシュウム 2重量%
2−ピロリドン 8重量%
グリセロール 7重量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10重量%
具体例(IV)の活性剤(p+q=15) 0.5重量%
具体例(IV)の活性剤(p+q=0) 0.5重量%
具体例(I−7)25%水溶液 2重量%
尿素 2重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
下記組成物を用いる以外は参考例1と同様にして、pHを水酸化リチウムで9.5にしてマゼンタインク[6]を調整した。
具体例(M1)の染料 2重量%
具体例(M2)の染料 1重量%
式(1)中、n=6の化合物 3重量%
硝酸ランタン 2重量%
2−ピロリドン 8重量%
グリセロール 7重量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 3重量%
具体例(IV)の活性剤(p+q=15) 0.5重量%
具体例(IV)の活性剤(p+q=0) 0.5重量%
具体例(I−7)25%水溶液 2重量%
ヒドロキシエチル尿素 5重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
下記組成物を用いる以外は参考例1と同様にして、pHを水酸化リチウムで9.5にしてシアンインク[6]を調整した。
具体例(C2)の染料 2重量%
具体例(C3)の染料 1重量%
式(1)中、n=6の化合物 3重量%
硝酸ランタン 2重量%
2−ピロリドン 8重量%
グリセロール 7重量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 3重量%
具体例(IV)の活性剤(p+q=15) 0.5重量%
具体例(IV)の活性剤(p+q=0) 0.5重量%
具体例(I−7)25%水溶液 2重量%
ヒドロキシエチル尿素 5重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
実施例3
下記組成物を用いる以外は参考例1と同様にして、pHを水酸化リチウムで9.5にしてイエローインク[7]を調整した。
具体例(Y7)の染料 1重量%
具体例(Y6)の染料 0.5重量%
C.I.アシッドイエロー17 1重量%
式(1)中、n=6の化合物 1重量%
硝酸マグネシュウム 2重量%
2−ピロリドン 8重量%
グリセロール 7重量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 10重量%
具体例(IV)の活性剤(p+q=15) 0.5重量%
具体例(IV)の活性剤(p+q=0) 0.5重量%
具体例(I−7)25%水溶液 2重量%
尿素 2重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
下記組成物を用いる以外は参考例1と同様にして、pHを水酸化リチウムで9.5にしてマゼンタインク[7]を調整した。
具体例(M1)の染料 2重量%
具体例(M2)の染料 1重量%
式(1)中、n=6の化合物 3重量%
硝酸ランタン 2重量%
2−ピロリドン 8重量%
グリセロール 7重量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 3重量%
具体例(IV)の活性剤(p+q=15) 0.5重量%
具体例(IV)の活性剤(p+q=0) 0.5重量%
具体例(I−7)25%水溶液 2重量%
ヒドロキシエチル尿素 5重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
下記組成物を用いる以外は参考例1と同様にして、pHを水酸化リチウムで9.5にしてシアンインク[7]を調整した。
具体例(C3)の染料 3重量%
具体例(C2)の染料 1重量%
式(1)中、n=6の化合物 2重量%
硝酸カルシウム 1重量%
2−ピロリドン 8重量%
グリセロール 7重量%
1,3−ブタンジオール 3重量%
具体例(I−1)の活性剤 1重量%
具体例(IV)の活性剤(p+q=15) 0.5重量%
具体例(IV)の活性剤(p+q=0) 0.5重量%
具体例(I−7)25%水溶液 2重量%
ヒドロキシエチル尿素 5重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
比較例1
参考例1において、式(1)中でn=4の化合物を除いた以外は同様にしてブラックインク[5]とした。
比較例2
参考例2において、式(1)の化合物を除いた以外は同様にしてブラックインク[6]とした。
比較例3
参考例3において、式(1)の化合物をp−トルエンスルホンアミドに変えた以外は同様にしてブラックインク[7]とした。
比較例4
参考例4において、イエローインク[1]中の式(1)化合物を除いた以外は同様にしてイエローインク[8]とした。また、マゼンタインク[1]中の式(1)の化合物を除いた以外は同様にしてマゼンタインク[8]とした。また、同様にシアンインク[1]中の式(1)を除いた以外は同様にしてシアンインク[8]とした。
比較例5
参考例5のイエローインク[2]中の式(1)の化合物を除いた以外は同様にしてイエローインク[9]とした。また、同様にマゼンタインク[2]中の式(1)の化合物を除いた以外は同様にしたマゼンタインク[9]とした。また、同様にシアンインク[2]中の式(1)の化合物を除いた以外は同様にしてシアンインク[9]とした。
比較例6
参考例6のイエローインク[3]中の式(1)の化合物を除いた以外は同様にしてイエローインク[10]とした。また、同様にマゼンタインク[3]中の式(1)の化合物を除いた以外は同様にしたマゼンタインク[10]とした。また、同様にシアンインク[3]中の式(1)の化合物を除いた以外は同様にしてシアンインク[10]とした。
比較例7
参考例7のイエローインク[4]中の式(1)の化合物を除いた以外は同様にしてイエローインク[11]とした。また、同様にマゼンタインク[4]中の式(1)の化合物を除いた以外は同様にしてマゼンタインク[11]とした。また、同様にシアンインク[4]中の式(1)の化合物を除いた以外は同様にしてシアンインク[11]とした。
比較例8
実施例1のイエローインク[5]中の式(1)の化合物を除いた以外は同様にしてイエローインク[12]とした。また、同様にマゼンタインク[5]中の式(1)の化合物を除いた以外は同様にしてマゼンタインク[12]とした。また、同様にシアンインク[5]中の式(1)の化合物を除いた以外は同様にしてシアンインク[12]とした。また、同様にブラックインク[4]中の式(1)の化合物とジエチレングリコールモノブチルエーテルを除いた以外は同様にしてブラックインク[8]とした。
比較例9
実施例2のイエローインク[6]中の式(1)の化合物を、β−シクロデキストリンに代えた以外は同様にしてイエローインク[13]とした。また、同様にマゼンタインク[6]中の式(1)の化合物を、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンに代えた以外は同様にマゼンタインク[13]とした。また、同様にシアンインク[6]中の式(1)の化合物を、シクロデキストリンポリマーに代えた以外は同様にしてシアンインク[13]とした。
比較例10
実施例3のイエローインク[7]中、式(1)の化合物を除いた以外は同様にしてイエローインク[14]とした。また、同様にマゼンタインク[7]中の式(1)の化合物を除いた以外は同様にしてマゼンタインク[14]とした。また、同様にシアンインク[7]中の式(1)の化合物を除いた以外は同様にしてシアンインク[14]とした。
次に、上記実施例1〜3、参考例1〜7及び比較例1〜10のインクを用いて4色インクセットとして下記について試験を実施した。
(1)画像の鮮明性
サーマルインクジェット方式の各色ノズル径18μm、600dpiピッチの300ノズルを有するインクジェットプリンター、及び積層PZTを液室流路の加圧に使用した各色ノズル径28μm、200dpiピッチの300ノズルを有するインクジェットプリンター、静電アクチュエーターを液室流路の加圧に使用した各色300ノズルを有するインクジェットプリンターにて印字を行ない、2色重ね部境界の滲み、画像滲み、色調、濃度を目視により総合的に判断した。またOHP投影時の発色も評価した。
評価基準は、印字用紙は市販の再生紙、上質紙とボンド紙及び水溶性樹脂層の吸収層を持つ光沢フィルム、OHPシート紙種によらず2色重ね部境界のにじみ、鮮明性、色再現性が高いものを○、色境界滲みは少ないが紙種により2次色のむら等がみとめられるものを△、紙種により色境界滲みが発生するものを×とした。
(2)画像の耐水性
画像サンプルを30℃の水に1分間浸漬し、処理前後の画像濃度の変化をX−Rite938にて測定し、下記の式にて耐水性(耐色率%)を求めた。
Figure 0004546947

いずれの紙でも20%以下となったものを○、30%未満を△、30%以上×とした。
(3)画像の耐光性
画像サンプルをキセノンウェザオメーターCi35W(アトラス社製)にてボロシリ/ボロシリのフィルターを使用してブラックパネル温度63℃、相対湿度50%、0.35W/m2で暴露試験を行ない、28時間後の褪色状態をX−Rite938にて、色差により判定した。ΔEが各色6未満であるものは○、各色〜15未満であるものは△、これ以上のものは×とした。
(4)画像の乾燥性
印字後の画像に一定条件で濾紙を押しつけインクが濾紙に転写しなくなるまでの時間を測定した。
いずれの紙でも10秒以内で乾燥した場合に○と判定した。それ以上を×とした。
(5)保存安定性
各インクをポリエチレン容器に入れ、−20℃、5℃、20℃、70℃でそれぞれの条件下で3カ月保存し、保存後の表面張力、粘度、及び沈澱物析出、粒子径の変化の有無を調べた。どの条件で保存しても、物性等の変化がないものを○とした。
(6)印字休止時信頼性
ノズル径30μm、128ノズルを有するPZTで駆動するヘッドを有するプリンターを使用し、動作中にキャップ、クリーニング等が行なわれないでどれだけ印字、休止しても復帰できるかを調べ、どれだけの時間で噴射方向がずれるか、あるいは吐出液滴の重量が変化するかでその信頼性を評価した結果を表に示す。特に問題なしを○、滴重量の変化小、噴曲がり小を△、顕著な目詰まり発生を×とした。
Figure 0004546947
本発明を適用したインクジェットヘッドの断面図である。 図1のヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示した図である。 チューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジの一例を示す図である。 本発明で使用されるヘッドとインクカートリッジとが一体になったインクジェット記録装置を示した図である。 本発明における記録ヘッドの構成の一例を示した図である。 本発明を適用したインクジェットヘッドの断面図である。
符号の説明
1 インクジェットヘッド
2 シリコン基板
3 ノズルプレート
4 ガラス基板
5 インク室
6 共通インク室
7 インク供給路
8 タイヤクラム
8a 肉薄部
8b 底壁
9 凹部
10 セグメント電極
11 インクノズル
12 絶縁層
13 ヘッド
14 流路(ノズル)
15 発熱素子基板
16 保護層
17−1 電極
17−2 電極
18 発熱抵抗体層
19 蓄熱層
20 基板
21 インク
22 吐出オリフィス
23 メニスカス
24 インク小滴
25 被記録材
40 インク収容部(インク袋)
42 栓
44 インク吸収体
45 カートリッジケース
51 紙給部
52 紙送りローラー
53 排紙ローラー
61 ブレード
62 キャップ
63 インク吸収体
64 吐出回復部
65 記録ヘッド
66 キャリッジ
67 ガイド軸
68 モーター
69 ベルト
70 記録ユニット
71 ヘッド部
72 連通口
80 インク流路
81 オリフィスプレート
82 振動板
83 圧電素子
84 基板
85 吐出口
91 対向壁
92 凹部の表面

Claims (1)

  1. 記録液を収容する記録液収容部、あるいは記録液カートリッジ、該記録液を熱エネルギーまたは機械エネルギーの作用により滴化し吐出させるためのヘッド部、あるいは記録ユニットを備えたインクジェット記録装置であって、前記記録液として、色材と、それを分散または溶解する有機溶媒、水、多価金属イオン源化合物、及び、下記式(1)で表わされる環状化合物またはその塩を含有し、アルカリ下で前記環状化合物と前記多価金属イオンとが、フェノラート型錯体を形成する記録液を用いることを特徴とする記録装置。
    Figure 0004546947
    (式中、xは4〜8を表わす。)
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