JP4978978B2 - 記録液、記録方法、記録液カートリッジ及び記録装置 - Google Patents

記録液、記録方法、記録液カートリッジ及び記録装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
1)本発明は、記録液、記録方法、記録液カートリッジ及び記録装置に関し、さらに詳しくは、インクジェット記録用に好適な記録液、特にいわゆる普通紙に対する画像形成に有用な記録液、それを用いた記録方法、記録液カートリッジ及び記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェットプリンターにおいて、普通紙への印字適正、特に耐水性、耐光性について堅牢性を向上させる目的で、種々の検討がなされてきている。
染料インクにおいては、紫外線吸収剤や酸化防止剤の添加、色境界の滲みを軽減するために種々の水溶性無機塩、多価金属塩の添加による色間での染料沈殿剤の検討や、pH差による沈殿の検討がなされ、高画質化、堅牢性の向上が検討されてきた。
しかし、ここでは、添加物による吐出特性等の信頼性の低下が問題とされていた。
また、色材として顔料を含むインクを用いたインクジェットプリンター、プロッターが上市されているが、染料インクに比べ、目詰まりの発生等の問題があった。
【0003】
また、特に濡れ性等を制御する目的で、浸透性の高い溶剤を添加しようとすると、分散剤の特性変化により顔料の凝集が発生する場合があった。
そこで、米国特許5571311号、特表平10−510862号公報には、カーボンブラックのジアゾニウム基を有する化合物により表面処理を施し、カルボン酸、スルホン酸を官能基として導入し、再分散性、分散安定性を向上させ信頼性を向上させたインクが提案されている。
さらに、このものを用いて間欠試験における1滴目の吐出安定性を改良するために、トリメチロールプロパン、尿素誘導体等を添加したインクが米国特許5976233号、特開平10−3300665号公報等に開示されている。
また、カラー用の有機顔料についても米国特許5571311号等と同様にして表面処理し、カルボン酸、スルホン酸基の導入された顔料が米国特許5922118号に開示されている。
また、スルファミン酸により酸化処理された有機顔料が、特開平10−273606号公報に開示されており、スルホン化剤によりFriedel−Crafts反応によりスルホン酸基の導入された有機顔料が特開平11−246807号公報に開示されている。
【0004】
これら顔料は、分散剤を使用しなくとも分散安定性が図られるが、高分子分散剤等を用いないため、記録紙への定着性を改善するため、界面活性剤の添加によって耐擦過性の良好なインクとすることが特開平11−181340号公報に開示されている。
このインクでは、ノズル目詰まり性及び対腐食性を改善する目的で、グッド緩衝剤であるN,N−ビス(ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸とNaOHの添加によりpHを7.5〜8.9に調整している。
【0005】
また、水可溶性基が導入された顔料の対イオンを、ナトリウムから第4級アンモニウムに置換すると共に不純物の精製を限外濾過法により行うインクが特開平11−222573号公報に記載されている。
【0006】
このように、信頼が改善されたインクが検討されてきたが、表面処理を施した顔料特有の高温度放置におけるpHの低下による吐出特性や保存性の変化については十分に検討されていなかった。
熱エネルギーを介して吐出するインクにおいて、熱素子の長期駆動時の耐久性やシリコンやガラス部材及び/又はニッケル、SUS等の金属部材からなる液室・供給部を有するヘッドへの接液性については、温度変化による著しいpHの低下といったインクそのものの劣化により、腐食、侵食が発生し、吐出特性等に悪影響を及ぼすという問題があった。
【0007】
一方、染料系インクでは、発熱素子の腐食、コゲーションの防止に対して、燐酸塩等の添加が米国特許50623892号、5389131号や特開平7−268665号公報に開示されており、硫酸塩を0.1〜1重量%、水酸化物が0.1〜1重量%含有させることにより防止するものが、特開平7−102389号公報に開示されている。
しかしながら、顔料系にこれらを単純に適用すると、顔料の凝集が起こる等の問題があった。
【0008】
また、特定の染料とを組み合わせてpH安定性の問題を解決するために、pH緩衝剤として、硼酸ナトリウム、N−トリス(ヒドロキシ)メチル−2アミノエタンスルホン酸、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)グリシン、トリエタノールアミン及びトリス(ヒドロキシメチル)アミノエタンを添加したインクが、特開平4−226175号公報に開示されている。
さらに、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸、3−N−シクロヘキシルアミノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−N−シクロヘキシルアミノプロパンスルホン酸及びグリシンから選ばれる少なくとも1種の化合物とアルカリ金属水酸化物又は炭酸化物を含有し、pHを9.5〜9.8に調整して、60℃1週間放置後もpH低下が少ないインクが、特開平8−41398号公報に開示されている。
【0009】
しかしながら、これらにおいては、特定の染料についてのpH安定性に関わり、染料そのものも緩衝作用をある程度有していものである。
また、染料と有機性弱塩基性物質として2−アミノ−1,3−プロパンジオール誘導体を含有しpH8〜10に調整されたインクが、特開平9−268267号公報に開示されている。
これらも染料自体に緩衝性もあり、60℃保存後もpHを9〜9.3に保つことを可能としている。
【0010】
これらに対して、表面処理を施した顔料では、イオン強度が高くなると凝集することがあるため、できるだけ解離基を有する低分子化合物を限外濾過等の方法で除去することにより、安定性を確保している。
【0011】
また、分散剤を使用する顔料インクについて、特開平4−149286号公報にpH6以下のカーボンブラックを用いた緩衝液を使用して、インクpHを6より高く8未満としたインクが開示されている。
しかし、分散剤分散のカーボンブラックでは、自己分散顔料に比べ再分散性が悪いといった問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の問題を解消し、
(1)色材の保存安定性を向上させ、連続及び休止後の吐出安定性を確保し、かつプリンターシステム内での接液する部材の耐久性を向上させた記録液(以下、インクということがある)、
(2)表面処理の施された顔料を含有するインク及びアニオン性染料を含有するインクにおいて、特に大気安定性を有したインク物性を有するインクをヘッドに供給できるインク、
(3)特に好ましいインク添加物の態様を示すことにより顔料の環境変化による凝集が発生しにくい顔料インク、
(4)耐目詰まり性に優れ、かつヘッド内部のフィルター寿命を長期にわたって維持可能な顔料インク、
(5)分散安定性に優れ、吐出特性の優れた顔料分散体を用いた顔料インク、
(6)耐目詰まり性に優れ、かつヘッド内部のフルター等の寿命を長期にわたって維持可能な顔料インク、
(7)特に好ましい表面処理顔料の態様を示すことにより耐水性が良好で文字滲み、カラー境界の滲みが少ない高信頼性の顔料インク、
(8)発色性に優れ、耐水性のバランスされた染料インク、
(9)発色性に優れ、光沢紙等にも定着性が高い着色微粒子を用いた色材からなる保存性に優れたインク、
(10)耐目詰まり性に優れ、かつヘッド内部のフィルター等の寿命を長期にわたって維持可能な着色微粒子含有インク、
(11)インクの濡れ性を改善するの目的で添加された界面活性剤のカウンターイオンの態様を提示することにより普通紙印字適正に優れ、保存性の改良されたインク、
(12)特に好ましく普通紙への濡れ性を改善できる特定のアニオン界面活性剤が添加されたインク、
(13)インクの導電率を高くしても色材の凝集が発生しないインク、
(14)残量検知や荷電制御方式のインクジェット等に好ましく使用できる物性範囲に調整され、保存特性の優れたインク、
(15)インクの粘度調整や保湿性を確保するのに好適に用いられ色材の凝集等が発生しない水溶性有機溶剤の添加されたインク、
(16)紙への濡れ性を改善し、浸透性を付与するのに好適なアニオン界面活性剤以外の界面活性剤の種類を特定し普通紙適正の改善されたインク、
(17)紙への濡れ性を改善し、浸透性を付与する親水性溶剤を添加し、普通紙適正の改善されたインク
を提供することをその課題とするものである。
【0013】
また、本発明には、
(18)上記の該インクを用いて良好な画像を形成することのできる記録方法、
(19)上記のインクを用いて良好な画像を形成することのできるインクカートリッジ、
(20)上記のインクを用いて良好な画像を形成することのできるインクジェット用記録装置
を提供することをその課題とするものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記課題を解決するために、色材とこの色材を溶解又は分散する有機溶媒及び水からなる記録液に添加する化合物に着目して鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに到った。
【0015】
すなわち、本発明によれば、第1に、色材、該色剤を溶解又は分散する有機溶媒及び水からなる記録液であって、下記式(1)で表される化合物を含有させたことを特徴とする記録液が提供される。
【化5】
Figure 0004978978
【0016】
この第1に発明には、下記(1)〜(17)に記載の記録液が含まれる。
(1)色材がアニオン性基を有し、そのカウンターイオンの一部又は全部が下記式(2)で表されるカチオンである記録液。
【化6】
Figure 0004978978
(2)該色材が顔料であり、該顔料が分散剤により水中に分散され、かつ該分散剤にカルボキシル基が結合しているものである記録液。
(3)該顔料の粒子径が10〜300nmである記録液。
(4)該色材が表面にアニオン性基を有する自己分散型顔料である記録液。
(5)該自己分散型顔料の粒子径が10〜300nmである記録液。
(6)該アニオン性基の少なくとも一つがカルボン酸基である記録液。
(7)該色材が少なくとも1つのカルボン酸基及び/又はスルホン酸基を有する染料である記録液。
(8)該色材が染料又は顔料で着色された微粒子である記録液。
(9)該着色された微粒子の粒子径が10〜300nmである記録液。
(10)アニオン性基を有する界面活性剤を含有し、該界面活性剤のカウンターイオンの一部又は全部が上記式(2)で表されるカチオンである記録液。
(11) 該アニオン性基を有する界面活性剤がポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩又はジアルキルスルホ琥珀酸塩である請求項11に記載の記録液。
(12)下記式(3)で表される塩を電導度調整剤として含有するものである記録液。
【化7】
Figure 0004978978
〔式(3)中、X-はハロゲン化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、チオシアン酸イオン又は有機酸イオンを示す。〕
(13)電導度が1mS/cm以上である記録液。
(14)該有機溶媒がグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンから選ばれた少なくとも1種以上の水溶性有機溶剤を含有するものである記録液。
(15)該記録液がさらに、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレン−ポリプロピレン共重合体及びフッ素系界面活性剤から選ばれた少なくとも1種の界面活性剤を含有したものである記録液。
(16)該記録液がさらに、炭素数6以上のジオールとアルキルエーテルとを含有したものである記録液。
(17)該記録液のpHが6〜11に調整されたものである記録液。
【0017】
本発明によれば、第2に、上記いずれかの記録液を熱エネルギー又は機械エネルギーにより微小な液滴として飛翔させ、これをJIS P−8122試験法によるステキヒトサイズ度が3秒以上の被記録材に付着せしめることにより画像形成をすることを特徴とする記録方法が提供される。
【0018】
本発明によれば、第3に、記録液収容部を備えた記録液カートリッジであって、該記録液が上記いずれかの記載の記録液であることを特徴とする記録液カートリッジが提供される。
【0019】
また、本発明によれば、第4に、記録液を収容した記録液収容部又は記録液カートリッジ、該記録液を熱エネルギーの作用により滴化し吐出させるためのヘッド部又は記録ユニットを備えたインクジェット記録装置であって、上記いずれかの記載の記録液を用いることを特徴とする記録装置が提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】
従来の処方では、高温保存時や大気中の炭酸ガス等の影響により、pHの低下が大きかった色材について、下記式(1)で表される化合物を添加することによって、pHを調整することで保存安定性を確保できるということを見い出した。
【0021】
【化8】
Figure 0004978978
また、下記式(2)で表されるアニオン性染料、アニオン基の導入された顔料、界面活性剤のカウンターイオンとして用いることにより、従来インクに比べ保存安定性の改良されたインクを提供することができる。
【0022】
【化9】
Figure 0004978978
【0023】
本発明のインクは、PZT(ピエゾ素子)による圧力を用いたもの、静電気力により撓ませた振動板により吐出するもの、膜沸騰を利用したバブルジェット方式のドロップオンディマンドインクジェットプリンターはもとより、インクを荷電すると共にPZTで振動させる、いわゆる荷電制御方式のいずれのプリンターにも良好に使用できる。
特に信頼性の高さから、20μm以下のノズル径の小さなものでも安定に吐出できるものである。
【0024】
荷電制御方式において、電導度調整剤として従来添加していた硝酸カリウム等に代えて、上記式(3)で表される塩を添加すると、従来は溶解安定性が悪くなったり、凝集等が発生して使用できなかった染料も使用可能となった。
また、カラー画像形成時に、上記(3)で表される塩を添加したインクを用いることにより、色境界滲みを軽減できるということも明らかとなった。
【0025】
上記式(1)で表される化合物と共に用いて好ましい塩基性物質を与える第4級アンモニウム、ホスホニウムの水酸化物としては下記(4)〜(12)に示すものが挙げられる。
【0026】
【化10】
Figure 0004978978
〔式(4)中、Xは窒素又はリンを示し、R1〜R4は水素、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はハロゲン化アルキル基を示す。〕
【0027】
【化11】
Figure 0004978978
【0028】
【化12】
Figure 0004978978
【0029】
本発明のインク中における色材の添加量は、その使用目的にもよるが0.1〜20重量%、好ましくは、0.2〜8重量%の範囲で使用される。
0.1重量%未満では淡色インクに用いた場合でも着色力がなく、20重量%を越えると粘度が高く吐出することが困難となる。
【0030】
本発明で用いられる水溶性染料は、必要に応じて他の色材と混合して用いることができる。
用いられる水溶性染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料で耐水、耐光性が優れたものが用いられる。
【0031】
これら染料を具体的に挙げれば、酸性染料及び食用染料としては、C.I.アシッド.イエロー17、23、42、44、79、142、C.I.アシッド.レッド1、8、13、14、18、26、27、35、37、42、52、82、87、89、92、97、106、111、114、115、134、186、249、254、289、C.I.アシッド.ブルー9、29、45、92、249、C.I.アシッド.ブラック1、2、7、24、26、94、C.I.フード.イエロー3、4、C.I.フード.レッド7、9、14、C.I.フード.ブラック1、2等が挙げられる。
【0032】
直接性染料としては、
C.I.ダイレクト.イエロー1、12、24、26、33、44、50、86、120、132、142、144、C.I.ダイレクト.レッド1、4、9、13、17、20、28、31、39、80、81、83、89、225、227、C.I.ダイレクト.オレンジ26、29、62、102、C.I.ダイレクト.ブルー1、2、6、15、22、25、71、76、79、86、87、90、98、163、165、199、202、C.I.ダイレクト.ブラック19、22、32、38、51、56、71、74、75、77、154、168、171等が挙げられる。
【0033】
塩基性染料としては、C.I.ベーシック.イエロー1、2、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、40、41、45、49、51、53、63、64、65、67、70、73、77、87、91、C.I.ベーシック.レッド2、12、13、14、15、18、22、23、24、27、29、35、36、38、39、46、49、51、52、54、59、68、69、70、73、78、82、102、104、109、112、C.I.ベーシック.ブルー1、3、5、7、9、21、22、26、35、41、45、47、54、62、65、66、67、69、75、77、78、89、92、93、105、117、120、122、124、129、137、141、147、155、C.I.ベーシック.ブラック2、8等が挙げられる。
【0034】
反応性染料としては、C.I.リアクティブ.ブラック3、4、7、11、12、17、C.I.リアクティブ.イエロー1、5、11、13、14、20、21、22、25、40、47、51、55、65、67、C.I.リアクティブ.レッド1、14、17、25、26、32、37、44、46、55、60、66、74、79、96、97、180、C.I.リアクティブ.ブルー1、2、7、14、15、23、32、35、38、41、63、80、95等を挙げることができる。
特に酸性染料及び直接性染料が好ましく用いられる。
また、インクジェット用染料として開発されたアビシア製のプロジェットシアン2、プロジェットマゼンタ2、プロジェットイエロー2等のProjet(TM)シリーズ染料も好ましい。
【0035】
特に好ましい染料としては、耐水性と信頼性のバランスからスルホン酸、カルボン酸の導入されたもである。
下記に限定されるものではないが、具体的には、遊離酸型で記載すると、下記式(13)〜(29)で表されるものが挙げられる。
【0036】
【化18】
Figure 0004978978
【0037】
【化19】
Figure 0004978978
【0038】
【化20】
Figure 0004978978
【0039】
【化21】
Figure 0004978978
【0040】
【化22】
Figure 0004978978
【0041】
【化23】
Figure 0004978978
【0042】
【化24】
Figure 0004978978
【0043】
【化25】
Figure 0004978978
【0044】
【化26】
Figure 0004978978
【0045】
【化27】
Figure 0004978978
【0046】
【化28】
Figure 0004978978
【0047】
【化29】
Figure 0004978978
【0048】
【化30】
Figure 0004978978
【0049】
【化31】
Figure 0004978978
【0050】
【化32】
Figure 0004978978
【0051】
【化33】
Figure 0004978978
【0052】
【化34】
Figure 0004978978
【0053】
本発明で用いられる顔料としては、有機顔料としてアゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料、カーボンブラック等が挙げられ、無機顔料として酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉が挙げられる。
【0054】
より具体的には、黒用顔料として、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、又は銅酸化物、鉄酸化物(C.I.ピグメントブラック11)、若しくは酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料を挙げることができる。
【0055】
カラーインク用顔料としては、黄色インク用で、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、23、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83(ジスアゾイエローHR)、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、128、138、150、153、マゼンタ用でC.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、92、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(ジメチルキナクリドン)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、シアン用で、C.I.ピグメントブルー1、2、15(銅フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、56、60、63、等を挙げることができる。
【0056】
また、中間色としては、レッド、グリーン、ブルー用として、C.I.ピグメントレッド177、194、224、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントバイオレット3、19、23、37、C.I.ピグメントグリーン7、36等の顔料を単独又は混合して用いることができる。
【0057】
黒としてはカーボンブラックとして、ファーネス法、チャネル法で製造されたカーボンブラックで、1次粒子が15nmから40nm、BET吸着法による比表面積が50〜300m/g、DBP吸油量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH2〜9を有するものが使用され、特にpH6以下の酸性カーボンブラックが高濃度で好ましい。
また、次亜塩素酸化処理したカーボンブラックやスルホン化剤処理したカーボンブラック、ジアゾニュウム化合物にて処理してスルホン酸、カルボン酸等のアニオン性解離基を導入したカーボンブラックがさらに好ましい。
【0058】
イエロー顔料としては、ベンチジン骨格を含まないC.Iピグメントイエロー74、128、138が好ましい。
【0059】
マゼンタ顔料としては、キナクリドン系のC.I.ピグメントレッド122、209が好ましい。
【0060】
シアンはフタロシアニン化合物であるC.I.ピグメントブルー15:3やアルミ配位フタロシアニン、無金属フタロシアニンが好ましい。
【0061】
これらカラー有機顔料も表面処理によりスルホン酸基、カルボン酸基が導入された顔料はさらに分散安定性に優れ、分散剤を用いることなく分散安定性が得られるものは自己分散顔料として好適に用いることができる。
また、表面をカプセル化した顔料やポリマーをグラフトした顔料等も分散安定性に優れ、信頼性の高いインクとすることができる。
以下に、これら一部の調整例を参考例として示す。
【0062】
<参考例1> 次亜塩素酸処理したカーボンブラック1
市販のpH2.5の酸性カーボンブラック(キャボット社製、商品名モナーク1300)300gを水1000ミリリットルによく混合した後に次亜塩素酸ソーダ(有効塩素濃度12%)450gを滴下して、100〜105℃で8時間撹拌した。
この液にさらに次亜塩素酸ソーダ(有効塩素濃度12%)100gを加え、横型分散機で3時間分散した。
得られたスラリーを水で10倍に希釈し、水酸化リチウムにてpHを調整し、電導度0.2mS/cmまで限外濾過膜にて脱塩濃縮し、顔料濃度15%のカーボンブラック分散液とした。
遠心処理により粗大粒子を除き、さらに1ミクロンのナイロンフィルターで濾過しカーボンブラック分散液1とした。
Fe、Ca、Siの含有量の総計はICPの測定により100ppm以下であった。
また、塩素イオン濃度も10ppm以下とした。
マイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は95nmであった。
【0063】
<参考例2> スルホン化剤処理したカーボンブラック2
市販のカーボンブラック顔料(デグサ社製「プリンテックス#85」)150gをスルホラン400ml中に良く混合し、ビーズミルで微分散後、アミド硫酸15gを添加して、140〜150℃で10時間攪拌した。
得られたスラリーをイオン交換水1000ml中に投入し、12000rpmで遠心分離機により表面処理カーボンブラックウエットケーキを得る。
このカーボンブラックウエットケーキを2000mlのイオン交換水中に再分散し、水酸化リチウムにてpHを調整し、限外濾過膜により脱塩濃縮し顔料濃度10重量%のカーボンブラック分散液とした。
このものを1ミクロンのナイロンフィルターで濾過し、カーボンブラック液2とした。
Fe、Ca、Siの含有量の総計はICPの測定により100ppm以下であった。
また硫酸イオン濃度も100ppm以下であった。
平均粒子径は80nmであった。
【0064】
<参考例3> ジアゾ化合物処理したカーボンブラック分散液3
表面積が230m2/gでDBP吸油量が70ml/100gのカーボンブラック100gと、p−アミノ−N−安息香酸34gとを水750gに混合分散し、これに硝酸16gを滴下して70℃で撹拌した。
5分後、50gの水に11gの亜硝酸ナトリウムを溶かした溶液を加え、さらに1時間撹拌した。
得られたスラリーを10倍に希釈し遠心処理し粗大粒子を除き、pHをジエタノールアミンにて調整しpH8−9とし、限外濾過膜にて脱塩濃縮し、顔料濃度15%のカーボンブラック分散液とした。
このものをポリプロピレンの0.5μmフィルターにてカーボンブラック分散液3とした。
Fe、Ca、Siの含有量の総計はICPの測定により100ppm以下であった。
また、硝酸イオン濃度は10ppm以下であった。
平均粒子径は99nmであった。
【0065】
<参考例4> ジアゾ化合物処理したカーボンブラック分散液4
(例1)カーボンブラック生産品の調製
2リットルの水と43gのスルファニル酸を含む約75℃の溶液を、撹拌しながら、230m/gの表面積と70ml/100gのDBPAを有する202gのカーボンブラックに添加した。
この混合物を撹拌しながら室温まで冷却し、26.2gの濃硝酸を添加した。
水中の亜硝酸ナトリウムの20.5gの溶液を添加した。
4−スルホベンゼンジアゾニウム水酸化物内部塩を作製し、これをカーボンブラックと反応させた。
発生した泡立ちが停止するまで分散系を撹拌した。得られたスラリーを希釈し、水酸化リチウムにてpHを調整しpH8−9として粗大粒子を遠心処理にて除き、引き続いて限外濾過膜にて脱塩濃縮し顔料濃度15%のカーボンブラック分散液とした。
このものをポリプロピレンの1μmフィルターにて濾過し、カーボンブラック分散液4とした。
Fe、Ca、Siの含有量の総計はICPの測定により100ppm以下であった。
また、硝酸イオン濃度は50ppm以下であった。
平均粒子径は95nmであった。
【0066】
<参考例5> 表面化学処理したカラー顔料分散液(イエロー分散液1、マゼンタ分散液1、シアン分散液1)
イエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー128を低温プラズマ処理し、カルボン酸基を導入した顔料を作製した。
これをイオン交換水に分散したものを、限外濾過膜にて脱塩濃縮し、顔料濃度15%のイエロー顔料分散液1とした。
平均粒子径70nm、Fe、Ca、Siの含有量の総計は100ppm以下であった。
【0067】
同様にマゼンタ顔料としてC.I.ピグメントマゼンタ122を用いて顔料濃度15%のマゼンタ顔料分散液1を作製した。
平均粒子60nm、Fe、Ca、Siの含有量の総計は100ppm以下であった。
【0068】
同様にシアン顔料としてC.I.ピグメントシアン15:3を用いて顔料濃度15%のシアン顔料分散液1を作製した。
平均粒子径80nm、Fe、Ca、Siの含有量の総計は100ppm以下であった。
【0069】
本発明においては、顔料分散剤を用いた顔料分散液を用いることもできる。
【0070】
顔料分散剤としては、親水性高分子として、天然系では、アラビアガム、トラガンガム、グーアガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子、半合成系では、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子、純合成系では、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、非架橋ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物、セラック等の天然高分子化合物等が挙げられる。
特にアクリル酸、メタクリル酸、スチレンアクリル酸のホモポリマーや他の親水基を有するモノマーの共重合体からなるようなカルボン酸基を導入したものが高分子分散剤としてこのましい。
【0071】
また界面活性剤を用いる場合は、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩等のアニオン界面活性剤、ノニルフェニルエーテル等ノニオン系界面活性剤を用いることもできる。
【0072】
<参考例6> 分散剤顔料分散液(界面活性剤分散:イエロー分散液2、マゼンタ分散液2、シアン分散液2、高分子分散:イエロー分散液3、マゼンタ分散液3、シアン分散液3)、イエロー顔料:C.I.ピグメントイエロー128、マゼンタ顔料:C.I.ピグメントレッド122、シアン顔料:C.I.ピグメントブルー15:3、分散剤A:花王社製ノニオン性界面活性剤「エマルゲン 913」)、HLB15.5、分散剤B:ジョンソンポリマー社製アクリル系樹脂水溶液「ジョンクリル 611」(アンモニア中和、固形分20%)、酸価 57、ソルトミリング微細化工程:ステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に上記の顔料250部、塩化ナトリウム2500部及びジエチレングリコール200部を仕込み、3時間混練した。
次に、この混合物を2.5リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾過、水洗を5回くりかえして塩化ナトリウム及び溶剤を除き、顔料の乾燥品を得た。
【0073】
表面処理工程:ペイントコンディショナーに、顔料20部と下記A、Bの分散剤5部(固形分換算)と水を加え、全量で100部として3時間分散した。
得られた水性顔料分散体に15000rpmで6時間の遠心分離を施した。
【0074】
表面処理顔料20部に30%アンモニア水0.1部、精製水79.9部を加え、ペイントコンディショナーで再分散し、顔料濃縮液を作製した。
また、表面処理を行わなかった顔料については、顔料20部に分散剤C(処方1)又は分散剤B(処方2)を5部(固形分)及び精製水を加え、全量で100部としてペイントコンディショナーにて分散し、逆浸透膜にて精製しインクジェット用濃縮記録液を作製した。
濃縮液は1μmナイロンフィルターにて濾過、続いて0.5μmのポリピロピレンフィルターにて濾過し使用分散液とした。
それぞれのFe、Ca、Siの含有量はいずれも100ppm以下であった。
【0075】
この分散液の平均粒子径はイエロー分散液2:93nm、イエロー分散液3:80nm、マゼンタ分散液2:60nm マゼンタ分散液2:56nm、シアン分散液2:90nm シアン分散液3:87nmであった。
本発明では色材として染料、顔料で着色された微粒子を用いることにより普通紙での定着性の改良、発色性の改良を行い、水溶性カリックスアレーンを含有することで凝集等が起こりにくい着色微粒子記録液を得ることができる。
着色微粒子としては、微粒子が高分子からなるものシリカ、アルミナ等の無機微粒子からなるものいずれも用いることができる。
光沢性を付与する目的からは高分子微粒子を用いることが好ましい。
【0076】
特にアクリル系やポリエステル系の微粒子に染顔料が含浸されたもの、すなわち、表層もしくは内部、又は全体に染顔料が存在する着色高分子微粒子を用いることが好ましい。
より具体的には、特開平2000−53898号公報に開示された方法により製造された着色微粒子が挙げられる。
以下に、これに準じたその1例を示す。
【0077】
<参考例7>
攪拌翼、冷却管、窒素ガス導入管を取り付けた密閉可能な反応容器に、重合溶媒としてメチルエチルケトン20重量部、重合性不飽和モノマーとして下記の組成の初期仕込みモノマー及び重合連鎖移動剤を仕込み、窒素ガス置換を充分行った。
【0078】
Figure 0004978978
窒素雰囲気下、反応容器内の混合液を撹拌しながら65℃まで昇温させた。
これとは別に、下記の滴下モノマモノマー及び重合連鎖移動剤とメチルエチルケトン60部と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.2部とを混合し、充分窒素置換して得られた混合液を3時間かけて、反応容器内に徐々に滴下した。
【0079】
Figure 0004978978
滴下が終了して2時間後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.1重量部をメチルエチルケトン5重量部に溶解した溶液を加え、さらに65℃で2時間、70℃で2時間熟成させることにより、ビニル系ポリマー溶液を得た。
【0080】
得られたビニル系ポリマー溶液の一部を、減圧下、105℃で2時間乾燥させ、完全に溶媒を除去することによって単離した。
重量平均分子量は約10,000、Tg180℃であった。
【0081】
上記で得られたビニル系ポリマー溶液を減圧乾燥させて得られたビニル系ポリマー5gに、トルエン25g及び下記式(30)で表されるアントラキノン系染料。
【0082】
【化35】
Figure 0004978978
5gを加えて完全に溶解させ、水酸化ナトリウム水溶液を2g加えてビニル系ポリマーの酸性基を一部中和した。
次いで、イオン交換水300gを加え、撹拌した後、乳化装置であるナノメーカーTM(ナノマイザー社製)を用いて、30分間乳化した。
得られた乳化物を減圧下60℃でトルエンを完全に除去し、さらに一部の水を除去することにより濃縮し、限外濾過膜にてモノマー等不純物を除去し、精製された分散性染料を含浸させたビニル系ポリマー微粒子のマゼンタ分散液4(平均粒径;98nm、固形分濃度;10%)を得た。
【0083】
同様にして、染料をC.I.ディスパースイエロー118としてイエロー分散液4(平均粒径;98nm、固形分濃度;10%)、C.I.ディスパースブルー36としてブルー分散液4(平均粒径;98nm、固形分濃度;10%)を得た。
本発明では、界面活性剤を使用することにより、記録紙への濡れ性を改善することができる。
好ましい界面活性剤としては、界面ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、アセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。
より具体的には、アニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩〔下記式(31)〕、及び/又は炭素鎖が5〜7の分岐したアルキル鎖を有するジアルキルスルホ琥珀酸〔下記式(32)〕を用いることにより、普通紙特性も改善されさらに着色剤の溶解、分散安定性が図られる。
【0084】
【化36】
R−O−(CH2CH2O)mCH2COOM (31)
〔式(31)中、Rは炭素数6〜14の分岐してもよいアルキル基、mは3〜12、Mはアルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム又はアルカノールアミンを示す。〕
【0085】
【化37】
Figure 0004978978
〔式(3)中、R5 6は炭素数5〜7の分岐したアルキル基、Mはアルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム又はアルカノールアミンを示す。〕
さらに、本発明の界面活性剤の対イオンとして、リチウムイオン及び第4級アンモニウム、第4級ホスホニウムを用いることにより、界面活性剤が優れた溶解安定性を示す。
【0086】
好ましい非イオン系の界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルである下記式(33)、アセチレングリコール系界面活性剤である下記式(34)の界面活性剤が挙げられる。
これらを併用することによりさらに相乗効果として浸透性があげられ、これにより色境界にじみが低減され、また、文字にじみも少ないインクが得られる。
【0087】
【化38】
Figure 0004978978
〔式(33)中、Rは分岐してもよい6〜14の炭素鎖、kは5〜12を示す。〕
【0088】
【化39】
Figure 0004978978
〔式(34)中、p、qは0〜40を示す。〕
【0089】
なお、このインクのpHを6以上にすることにより、インクの保存安定性が得られ、また、オフィスで使用されているコピー用紙や用箋等はpHが5〜6のものが多く、これらの記録紙にインクを9〜60μmの微細な吐出口より吐出し重量が2ng〜50ngの液滴として5〜20m/sで飛翔させ、単色での付着量を1.5g/m2から30g/m2として、JIS P−8122試験法によるステキヒトサイズ度が3秒以上のいわゆる普通紙に記録するこにより、高画質、高解像の記録画像を形成する記録方法を提供することができる。
ただし、pHが9以上では保存時に上記式(32)の活性剤では分解による物性変化が起こりやすいため、式(32)を用いる場合はpHを6〜9とすることが好ましい。
【0090】
本発明に用いることができる上記式(31)、(32)、(33)、(34)の添加量は、0.05〜10重量%の間でプリンターシステムにより要求されるインク特性に対し、所望の浸透性を与えることが可能である。
ここで0.05%未満ではいずれの場合も2色重ね部の境界でのにじみが発生し、10重量%を越える場合は、化合物自体が低温で析出しやすくなることがあり、信頼性が悪くなる。
【0091】
次に、本発明に用いる界面活性剤(31)、(32)を具体的に遊離酸型で示す。
【0092】
【化40】
CH3(CH2)12O(CH2CH2O)3CH2 OOH (35)
【化41】
CH3(CH2)12O(CH2CH2O)4CH2 OOH (36)
【化42】
CH3(CH2)12O(CH2CH2O)5CH2 OOH (37)
【化43】
CH3(CH2)12O(CH2CH2O)6CH2 OOH (38)
【化44】
Figure 0004978978
【化45】
Figure 0004978978
【化46】
Figure 0004978978
【化47】
Figure 0004978978
【化48】
Figure 0004978978
【化49】
Figure 0004978978
【0093】
本発明のインクは水を液媒体として使用するものであるが、インクを所望の物性にするため、インクの乾燥を防止するために、また、本発明の化合物の溶解安定性を向上させるため等の目的で、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プルパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、1,6ヘキサンジオール、グリセロール、1,2、6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、γ−ブチロラクトン等の水溶性有機溶媒を用いることができる。
これらの溶媒は、水と共に単独又は複数混合して用いられる。
【0094】
これらの中で、特に好ましいものは、ジエチレングリコール、チオジエタノール、ポリエチレングリコール200〜600、トリエチレングリコール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ペトリオール、1,3ブタンジオール、2,3ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、N−メチル−2−ピロリドン,N−ヒドロキシエチルピロリドン、2−ピロリドン、1,3ジメチルイミダゾリジノンであり、これらを用いることにより、本化合物の高い溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる。
特に本発明において着色剤の分散安定性を得るのに好ましい溶剤として、N−ヒドロキシエチル2−ピロリドン等のピロリドン誘導体が挙げられる。
【0095】
また、本発明の界面活性剤(31)〜(34)以外で表面張力を調整する目的で添加される浸透剤としては、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、2−エチル−1,3ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,2ジメチル1,3プロパンジーオール等のジオール類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、フッ素系界面活性剤、エタノール、2−プロパノール等の低級アルコール類が挙げられるが、特に好ましいものは、多価アルコールアルキルエーテルとしてジエチレングリコールモノブチルエーテル、炭素数6以上のジオールとして2−エチル−1,3ヘキサンジオール及び2,2,4−トリメチル1,3ペンタンジオールである。
ジオール類は、水不溶性色材の凝集が発生しにくいという点で好適である。
【0096】
その添加量は種類や所望の物性にもよるが、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%で範囲で添加される。
下限未満では浸透性が不十分であり上限を越えると粒子化特性に悪影響を及ぼす。
また、これらの添加にうよりインクジェットヘッド部材や記録器具への濡れ性も改善され、充填性が向上し、気泡による記録不良が発生しにくくなる。
【0097】
本発明おけるインク物性は、そのシステムにより適宜、調整可能である。
ここでインクの表面張力とは紙への浸透性を示す指標であり、特に表面形成されて1秒以下の短い時間での動的表面張力を測定することがインクの浸透性と対応する。
飽和時間で測定される静的表面張力とは異なる。
測定法としては、特開昭63−312372号公報等に記載の従来公知の方法で1秒以下の動的な表面張力を測定できる方法であればいずれも使用することができる。
表面張力の値は50mN/m以下が好ましく、より好ましくは40mN/m以下とすると優れた乾燥性が得られる。
これに対して、インクの吐出安定性からは動的な表面張力が低下しすぎると粒子化が不安定となりやすい。安定に吐出できる動的な表面張力は1m秒において好ましくは40mN/m以上である。
粘度の範囲としては1〜10mPa・sの間で吐出方式により適宜、選定される。
【0098】
インク中の顔料粒子径範囲としては、10〜300nmのものを用い、平均粒子径が60〜120nmとすることが好ましい。
インク中の固形分両は1〜25重量%、水分量は25〜93重量%の範囲、より好ましくは50〜80重量%の範囲である。
【0099】
本発明では、インク中の顔料インク、また、着色微粒子インクの粒子表面のζ電位等の関係から分散安定性を損なわない電導度範囲として1〜6mS/cmの範囲とすると、顔料の凝集等の発生を起さず、長期に亘って粒子径の変化の少ない信頼性の高いインクとすることができる。
この範囲とするには、通常は電導度調整剤等の添加が行われるが、上記式(1)の化合物も解離基を有しており、上記式(3)の塩として、この含有量を調整することにより、所望の範囲に調整することが可能である。
さらに微調整をするために分散を阻害しない電導度調整剤を添加することもできる。
好ましい電導度調整剤としては、テトラメチルアンモニウム塩化物等の第4級アンモニウム塩、アルカノールアミン塩等が挙げられる。
【0100】
本発明のインクには、上記着色剤、溶媒の外に、従来より知られている添加剤を加えることができる。
例えば、防腐防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、イソチアゾリン等が使用できる。
【0101】
その他、pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼすことなくpHを7以上に調整できるものであれば、任意の物質を使用することができる。
その例として、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。
【0102】
キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
【0103】
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニイウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等がある。
その他、目的に応じて水溶性紫外線吸収剤、水溶性赤外線吸収剤、を添加することもできる。
【0104】
次に、上記した本発明の水性顔料インクを用いて記録を行うのに好適な、インクジェット記録方法と装置の一例を以下に説明する。
先ず、熱エネルギーを利用したインクジェット記録装置の主要部であるヘッド構成の一例を図1に示す。
図1は、インク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、ヘッド13はインクを通す流路(ノズル)14を有するガラス、セラミック、シリコン又はプラスチック板等と発熱素子基板15とを接着して得られる。
発熱素子基板15は酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン等で形成される保護層16、アルミニウム、金、アルミニウム−銅合金等で形成される電極17−1及び17−2、HfB2、TaN、TaAl等の高融点材料から形成される発熱抵抗体層18、熱酸化シリコン、酸化アルミニウム等で形成される蓄熱層19、シリコン、アルミニウム、窒化アルミニウム等の放熱性のよい材料で形成される基板20よりなっている。
【0105】
上記ヘッド13の電極17−1及び17−2にパルス状の電気信号が印加されると、発熱素子基板15のnで示される領域が急速に発熱し、この表面に接しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21がヘッドのノズル14を通して吐出し、吐出オリフィス22よりインク小滴24となり、被記録材25に向って飛翔する。
【0106】
図2に、このヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示す。
図2において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持固定されており、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッド65による記録領域に隣接した位置に配置され、また、本例の場合、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。
【0107】
62は記録ヘッド65の突出口面のキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配置され、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向に移動して、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。
更に、63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持される。
上記ブレード61、キャップ62及びインク吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及びインク吸収体63によって吐出口面に水分、塵埃等の除去が行われる。
【0108】
65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行うためのキャリッジである。
キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によって駆動されるベルト69と接続している。
これによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接した領域の移動が可能となる。
【0109】
51は被記録材を挿入するための紙給部、52は図示しないモーターにより駆動される紙送りローラーである。
これらの構成により記録ヘッドの65吐出口面と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行するにつれて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙される。
以上の構成において記録ヘッド65が記録終了してホームポジションへ戻る際、吐出回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。その結果、記録ヘッド65の吐出口がワイピングされる。
【0110】
なお、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。
記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は上記したワイピングの時の位置と同一の位置にある。
この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐出口面はワイピングされる。
上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0111】
図3は、記録ヘッドにインク供給部材、例えば、チューブを介して供給されるインクを収容したインクカートリッジの一例を示す図である。
ここで40は供給用インクを収納したインク収容部、例えば、インク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。
この栓42に針(図示していない)を挿入することにより、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能にする。
44は廃インクを受容するインク吸収体である。
インク収容部としては、インクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエチレンで形成されているものが好ましい。
【0112】
本発明で使用されるインクジェット記録装置としては、上記のようにヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、図4に示すようなそれらが一体になったものにも好適に用いられる。
図4において、70は記録ユニットであり、この中にはインクを収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数オリフィスを有するヘッド部71から液滴として吐出される構成になっている。
インク吸収体の材料としては、ポリウレタン、セルロース、ポリビニルアセテート又はポリオレフィン系樹脂を用いることが本発明にとって好ましい。
また、インク吸収体を用いず、インク収容部が内部にバネ等を仕込んだインク袋であるような構造でもよい。72はカートリッジ内部を大気に連通させるための大気連通口である。この記録ユニット70は図2に示す記録ヘッド65に換えて用いられるものであって、キャリッジ66に対して着脱自在になっている。
【0113】
次に、力学的エネルギーを利用したインクジェット記録装置の好ましい一例としては、複数のノズルを有するノズル形成基板と、ノズルに対向して配置される圧電材料と導電材料からなる圧力発生素子と、この圧力発生素子の周囲を満たすインクを備え、印加電圧により圧力発生素子を変位させ、インクの小液滴をノズルから吐出させるオンデマンドインクジェット記録装置を挙げることができる。
その記録装置の主要部である記録ヘッドの構成の一例を図5に示す。
【0114】
ヘッドは、図示されていないインク室に連通したインク流路80と、所望の体積のインク滴を吐出するためのオリフィスプレート81と、インクに直接圧力を作用させる振動板82と、この振動板82に接合され、電気信号により変位する圧電素子83と、オリフィスプレート81、振動板82等を支持固定するための基板84とから構成されている。
【0115】
図5において、インク流路80は感光性樹脂等で形成され、オリフィスプレート81はステンレス、ニッケル等の金属を電鋳やプレス加工による穴あけ等により吐出口85が形成され、表面にPTFEニッケルの共析メッキ等の撥インク層が設けられている。
振動板82はステンレス、ニッケル、チタン等の金属フィルム及び高弾性樹脂フィルム等で形成され、圧電素子83は、チタン酸バリウム、PZT等の誘電体材料で形成される。
以上のような構成の記録ヘッドは、圧電素子83にパルス状の電圧を与え、歪み応力を発生させ、そのエネルギーが圧電素子83に接合された振動板を変形させ、インク流路80内のインクを垂直に加圧しインク滴(図示していない)をオリフィスプレート81の吐出口85より吐出して記録を行うように動作する。
このような記録ヘッドは、図4に示したものと同様なインクジェット記録装置に組み込んで使用される。インクジェット記録装置の細部の動作は、上記と同様に行えばよい。
【0116】
次に、他の力学的エネルギーを利用したインクジェット記録装置の好ましい一例として静電アクチュエータを用いたインクジェットを示す。
図6は本発明を適用したインクジェットヘッドの断面図であり、これらの図に示すように、インクジェッドヘッド1は、シリコン基板2を挟み、上側に同じくシリコン製のノズルプレート3、下側にシリコンと熱膨張率が近いホウ珪酸ガラス基板4がそれぞれ積層された3層構造となっている。
中央のシリコン基板2には、それぞれ独立した複数のインク室5、これらに共通に設けられた共通インク室6及びこの共通インク室6を複数のインク室5にそれぞれ接続しているインク供給路7としてそれぞれ機能する溝が、その表面(図中、上面)からエッチングを施すことにより形成されている。
これらの溝がノズルプレート3によって塞がれて、各部分5、6、7が区画形成されている。
【0117】
ノズルプレート3には、各インク室5の先端側の部分に対応する位置に、インクノズル11が形成されており、これらが各インク室5に連通している。
また、ノズルプレート3には共通インク室6に連通するインク供給口が形成されている。
インクは、外部の図示しないインクタンクから、インク供給口を通って共通インク室6に供給される。
共通インク室6に供給されたインクは、インク供給路7を通って、互いに独立したインク室5にそれぞれ供給される。
【0118】
インク室5は、その底壁8が図1の上下方向に弾性変位可能なダイヤフラムとして機能するように薄肉に形成されている。
したがって、この底壁8の部分を、以後の説明の都合上、ダイヤフラム8と称して説明することもある。
【0119】
次に、シリコン基板2の下面に接しているガラス基板4においては、その上面、すなわちシリコン基板2との接合面には、シリコン基板2の各インク室5に対応した位置に、浅くエッチングされた凹部9が形成されている。
したがって、各インク室5の底壁8は、非常に僅かの隙間を隔てて、ガラス基板4の凹部9の表面92と対峙している。
なお、ガラス基板4の凹部9はインク室5の底壁8に対向しているので、振動板対向壁又は単に対向壁91と称する。
【0120】
ここで、各インク室5の底壁8は、それぞれ電荷を蓄えるための電極として機能する。
そして、各インク室5の底壁8に対峙するように、ガラス基板4の凹部表面92には、セグメント電極10が形成されている。
各セグメント電極10の表面は無機ガラスからなる厚さG0の絶縁層により覆われている。
このように、セグメント電極10と各インク室底壁8とは、絶縁層15を挟んで互いに対向電極(電極間距離をGとする)を形成している。
【0121】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これら実施例によって本発明はなんら限定されるものではない。
【0122】
実施例1
下記組成物を用いて混合し1日放置後、上記式(5)の化合物でpHを9にして、0.5μmポリプロピレンフィルターにて濾過し、ブラックインク1とした。
【0123】
カーボン分散液1 インク中固形分濃度として5重量%
上記式(1)化合物 0.5重量%
上記式(5)化合物 0.1重量%
グリセロール 15重量%
N−ヒドロキシエチルピロリドン 5重量%
2−エチル−1,3ヘキサンジオール 1重量%
上記式(36)活性剤 1重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量%
高純水(10MΩ) 残量
以下、分散液、染料の濃度はインク中の色材固形分濃度である。
【0124】
実施例2
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、水酸化リチウムにてpH8.8にしてブラックインク2を調整した。
【0125】
カーボン分散液2 4重量%
上記式(1)化合物 0.2重量%
1,2,6−ヘキサントリオール 8重量%
1,5−ペンタンジオール 8重量%
2−ピロリドン 8重量%
上記式(37)活性剤 1.0重量%
上記式(4)活性剤 1.2重量%
上記式(7)25%水溶液 0.8重量%
尿素 5重量%
2−ピリジンチオ−ル−1−オキサイドナトリウム 0.2重量%
高純水(10MΩ) 残量
【0128】
実施例
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9.5にしてイエローインク1を調整した。
【0129】
イエロー分散液1 1.0重量%
上記式(1)化合物 0.4重量%
エチレングリコール 5重量%
グリセロール 2重量%
1,5−ペンタンジオール 8重量%
2−ピロリドン 2重量%
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体 1重量%
上記式(38)活性剤 1重量%
上記式(34)活性剤(p、q=20) 0.8重量%
上記式(8)25%水溶液 2重量%
尿素 5重量%
安息香酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9.1にしてマゼンタインク1を調整した。
【0130】
マゼンタ分散液1 1.0重量%
上記式(1)化合物 0.4重量%
エチレングリコール 5重量%
グリセロール 15重量%
2−ピロリドン 2重量%
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体 1重量%
上記式(38)活性剤 1重量%
上記式(34)活性剤(p、q=20) 0.8重量%
上記式(8)25%水溶液 2重量%
尿素 5重量%
安息香酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
シアン分散液1 5重量%
上記式(1)化合物 0.5重量%
上記式(5)化合物 0.1重量%
グリセロール 15重量%
N−ヒドロキシエチルピロリドン 5重量%
2−エチル−1,3ヘキサンジオール 1重量%
上記式(36)活性剤 1重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量%
高純水(10MΩ) 残量
【0131】
実施例
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化ナトリウムで7.8にしてイエローインク2を調整した。
【0132】
イエロー分散液2 3重量%
上記式(3)化合物(X:硝酸イオン) 2重量%
トリエチレングリコール 5重量%
ペトリオール 10重量%
N−メチル−2−ピロリドン 5重量%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2重量%
上記式(9)活性剤 0.4重量%
上記式(33)活性剤(R:C1021、K:) 1重量%
上記式(6)25%水溶液 1.5重量%
ヒドロキシエチル尿素 5重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
マゼンタ分散液2 3重量%
上記式(3)化合物 0.2重量%
トリエチレングリコール 5重量%
ペトリオール 10重量%
N−メチル−2−ピロリドン 5重量%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2重量%
上記式(9)活性剤 0.4重量%
上記式(33)活性剤(R:C1021、K:7) 1重量%
上記式(6)25%水溶液 1.0重量%
ヒドロキシエチル尿素 5重量%
2−ピリジンチオ−ル−1−オキサイドナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
シアン分散液2 4重量%
上記式(1)化合物 0.5重量%
トリエチレングリコール 5重量%
ペトリオール 10重量%
N−メチル−2−ピロリドン 5重量%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2重量%
上記式(9)活性剤 0.4重量%
上記式(33)活性剤(R:C1021、K:7) 1重量%
上記式(6)25%水溶液 1.0重量%
ヒドロキシエチル尿素 5重量%
2−ピリジンチオ−ル−1−オキサイドナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
【0133】
実施例
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで8にしてイエローインク3を調整した。
【0134】
イエロー分散液3 4重量%
上記式(1)化合物 1重量%
2−ピロリドン 8重量%
グリセロール 7重量%
1,3−ブタンジオール 3重量%
上記式(35)活性剤 0.3重量%
上記式(34)活性剤(p+q=15) 0.5重量%
上記式(34)活性剤(p+q=0) 0.5重量%
上記式(11)25%水溶液 2重量%
ヒドロキシエチル尿素 5重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで8にしてマゼンタインク3を調整した。
【0135】
マゼンタ分散液3 4重量%
上記式(1)化合物 3重量%
2−ピロリドン 8重量%
グリセロール 7重量%
1,3ブタンジオール 3重量%
上記式(5)活性剤 0.3重量%
上記式(34)活性剤(p+q=15) 0.5重量%
上記式(34)活性剤(p+q=0) 0.5重量%
上記式(11)25%水溶液 2重量%
ヒドロキシエチル尿素 5重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで8にしてシアンインク3を調整した。
【0136】
シアン分散液3 4重量%
上記式(1)化合物 0.2重量%
2−ピロリドン 8重量%
グリセロール 7重量%
1,3ブタンジオール 3重量%
上記式(35)活性剤 0.3重量%
テトラメチルアンモニウム硝酸塩(電導度調整剤) 0.4重量%
上記式(34)活性剤(p+q=15) 0.5重量%
上記式(34)活性剤(p+q=0) 0.5重量%
上記式(11)25%水溶液 2重量%
ヒドロキシエチル尿素 5重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
【0137】
実施例
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9.5にしてイエローインク4を調整した。
【0138】
イエロー分散液4 1.0重量%
上記式(1)化合物 0.5重量
エチレングリコール 5重量%
グリセロール 2重量%
1,3−プロパンジオール 8重量%
2−ピロリドン 2重量%
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンレンブロック共重合体1重量%
上記式(38)活性剤 0.5重量%
上記式(8)25%水溶液 2重量%
尿素 5重量%
安息香酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にして、pHを水酸化リチウムで9.1にしてマゼンタインク4を調整した。
【0139】
マゼンタ分散液4 1.0重量%
上記式(1)化合物 0.5重量%
エチレングリコール 5重量%
グリセロール 15重量%
2−ピロリドン 2重量%
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体 1重量%
上記式(38)活性剤 0.3重量%
上記式(34)活性剤(p、q=20) 0.2重量%
上記式(8)25%水溶液 2重量%
尿素 5重量%
安息香酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで8.4にしてシアンインク4を調整した。
【0140】
シアン分散液4 5重量%
上記式(1)化合物 1.5重量%
上記式(5)化合物 0.1重量%
グリセロール 15重量%
N−ヒドロキシエチルピロリドン 5重量%
2−エチル−1,3ヘキサンジオール 1重量%
上記式(36)の活性剤 1重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量%
高純水(10MΩ) 残量
【0141】
実施例
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化ナトリウムで7.8にしてイエローインク5を調整した。
【0142】
上記式(13)染料 1重量%
上記式(14)染料 1重量%
上記式(1)化合物 1重量%
乳酸 1重量%
1,5ペンタンジオール 5重量%
トリメチロールプロパン 7重量%
2−ピロリドン 5重量%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2重量%
上記式(34)活性剤(p+q=15) 0.5重量%
上記式(33)活性剤(R:C1021、K:7) 1重量%
上記式(6)25%水溶液 1.5重量%
ヒドロキシエチル尿素 2重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで7.8にしてマゼンタインク5を調整した。
【0143】
上記式(24)染料 1.5重量%
C.I.アシッドレッド52 0.5重量%
上記式(3)化合物(X:酢酸イオン) 1重量%
1,5ペンタンジオール 5重量%
トリメチロールプロパン 7重量%
2−ピロリドン 5重量%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2重量%
上記式(34)活性剤(p+q=15) 0.5重量%
上記式(33)の活性剤(R:C1021、K:7) 1重量%
上記式(6)25%水溶液 1.5重量%
ヒドロキシエチル尿素 5重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで8にしてシアンインク5を調整した。
【0144】
上記式(25)染料 1重量%
上記式(26)染料 2重量%
アシッドブルー9 0.5重量%
上記式(3)化合物 1重量%
硝酸カルシウム 6重量%
トリエチレングリコール 5重量%
トリメチロールプロパン 7重量%
2−ピロリドン 5重量%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2重量%
上記式(34)活性剤(p+q=15) 0.5重量%
上記式(33)活性剤(R:C1021、K:7) 1重量%
上記式(6)25%水溶液 1.5重量%
ヒドロキシエチル尿素 1重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで8にしてブラックインク4を調整した。
【0145】
上記式(28)染料 4重量%
上記式(16)染料 2重量%
上記式(1)化合物 0.5重量%
硝酸カルシウム 6重量%
トリエチレングリコール 5重量%
トリメチロールプロパン 7重量%
2−ピロリドン 5重量%
ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2重量%
上記式(34)活性剤(p+q=15) 0.5重量%
上記式(33)活性剤(R:C1021、K:7) 1重量%
上記式(6)25%水溶液 1.5重量%
ヒドロキシエチル尿素 1重量%
2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
【0146】
実施例
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで7.2にしてイエローインク6を調整した。
【0147】
上記式(16)染料 1重量%
上記式(17)染料 1重量%
上記式(3)化合物(X:硝酸イオン) 0.5重量%
2−ピロリドン 8重量%
グリセロール 7重量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテエル 10重量%
上記式(34)活性剤(p+q=15) 0.5重量%
上記式(34)活性剤(p+q=0) 0.5重量%
上記式(11)25%水溶液 2重量%
尿素 2重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで8.1にしてマゼンタインク6を調整した。
【0148】
上記式(20)染料 2重量%
上記式(21)染料 1重量%
上記式(3)化合物(X:硝酸イオン) 1重量%
2−ピロリドン 8重量%
グリセロール 7重量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 3重量%
上記式(34)活性剤(p+q=15) 0.5重量%
上記式(34)活性剤(p+q=0) 0.5重量%
上記式(11)25%水溶液 2重量%
ヒドロキシエチル尿素 5重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9.5にしてシアンインク6を調整した。
【0149】
上記式(26)染料 2重量%
上記式(27)染料 1重量%
上記式(3)化合物(X:硝酸イオン) 2重量%
2−ピロリドン 8重量%
グリセロール 7重量%
トリエチレングリコールモノブチルエーテル 3重量%
上記式(34)活性剤(p+q=15) 0.5重量%
上記式(34)活性剤(p+q=0) 0.5重量%
上記式(11)25%水溶液 2重量%
ヒドロキシエチル尿素 5重量%
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量%
イオン交換水 残量
【0155】
比較例1
実施例1において上記式(1)の化合物を除いた以外は同様にして、ブラックインク5とした。
【0156】
比較例2
実施例2において上記式(1)の化合物を除いた以外は同様にして、ブラックインク6とした。
【0158】
比較例
実施例においてイエローインク1の上記式(1)の化合物を除いた以外は同様にして、イエローインク8とした。マゼンタインク1の上記式(1)の化合物を除いた以外は同様にして、マゼンタインク8とした。同様にシアンインク1の上記式(1)の化合物を除いた以外は同様にして、シアンインク8とした。
【0159】
比較例
実施例のイエローインク2において上記式(1)の化合物を除いた以外は同様にして、イエローインク9とした。同様にマゼンタインク2においての上記式(1)の化合物を除いた以外は同様にして、マゼンタインク9とした。同様にシアンインク3において上記式(1)の化合物を除いた以外は同様にして、シアンインク9とした。
【0160】
比較例
実施例のイエローインク3において上記式(1)の化合物を除いた以外は同様にして、イエローインク10とした。同様にマゼンタインク3においての上記式(1)の化合物を除いた以外は同様にしたマゼンタインク10とした。
【0161】
同様にシアンインク3において上記式(1)の化合物を除いた以外は同様にして、シアンインク10とした。
【0162】
比較例
実施例のイエローインク4において上記式(1)の化合物を除いた以外は同様にして、イエローインク11とした。
【0163】
同様にマゼンタインク4においての上記式(1)の化合物を除いた以外は同様にして、マゼンタインク11とした。
【0164】
同様にシアンインク4において上記式(1)の化合物を除いた以外は同様にして、シアンインク11とした。
【0165】
比較例
実施例のイエローインク5において上記式(1)の化合物を除いた以外は同様にして、イエローインク12とした。
【0166】
同様にマゼンタインク5においての上記式(1)の化合物を除いた以外は同様にして、マゼンタインク12とした。
【0167】
同様にシアンインク5において上記(1)の化合物を除いた以外は同様にして、シアンインク9とした。
【0168】
同様にブラックインク4において上記式(1)の化合物とジエチレングリコールモノブチルエーテルを除いた以外は同様にして、ブラックインク8とした。
【0169】
比較例
実施例のイエローインク6において上記式(1)の化合物を除き水酸化アンモニウムに代えた以外は同様にして、イエローインク13とした。同様にマゼンタインク6においての上記式(1)の化合物を除き、水酸化アンモニウムに代えた以外は同様にして、マゼンタインク13した。同様にシアンインク6において上記式(1)の化合物を除き、水酸化アンモニウムに代えた以外は、同様にしてシアンインク13とした。
【0171】
次に、上記実施例1〜及び比較例1〜のインクを用いて4色インクセットとして、下記の試験を実施した。
【0172】
(1)画像の鮮明性
サーマルインクジェット方式の各色ノズル径18μm、600dpiピッチの300ノズルを有するインクジェットプリンター及び積層PZTを液室流路の加圧に使用した各色ノズル径28μm、200dpiピッチの300ノズルを有するインクジェットプリンター、静電アクチュエーターを液室流路の加圧に使用した各色300ノズルを有するインクジェットプチンターにて印字を行い、2色重ね部境界の滲み、画像滲み、色調、濃度を目視により総合的に判断した。
また、OHP投影時の発色も評価した。
印字用紙は市販の再生紙、上質紙とボンド紙及び水溶性樹脂層の吸収層を有する光沢フィルム、OHPシートを用いた。
<官能評価におけるランク>
紙種によらず2色重ね部境界のにじみ、画像濃度が高く鮮明性、色再現性が高いもの 5
上記で画像濃度がやや低いもの 4
色境界滲みは少ないが紙種により2次色のむら等が認められるもの 3
紙種により色境界滲みが発生するもの 2
上記で画像濃度も低く鮮明性に劣るもの 1
【0173】
(2)画像の耐水性
画像サンプルを30℃の水に1分間浸漬し、処理前後の画像濃度の変化をX−Rite938にて測定し、下記の式にて耐水性(耐色率%)を求めた。
【数1】
Figure 0004978978
いづれの紙でも10%以下を5、20%以下となったものを4、30%未満を3、30%以上を2、50%以上を1とした。
【0174】
(3)画像の耐光性
画像サンプルをキセノンウェザオメーターCi35W(アトラス社製)にてボロシリ/ボロシリのフィルターを使用して、ブラックパネル温度63℃、相対湿度50%0.35W/m2で暴露試験を行い、28時間後の褪色状態をX−Rite938にて色差にて判定した。
ΔEが各色6未満であるものは○、各色〜15未満であるものは△、これ以上のものは×とした。
【0175】
(4)画像の乾燥性
印字後の画像に一定条件で濾紙を押しつけ、インクが濾紙に転写しなくなるまでの時間を測定した。
いずれの紙でも10秒以内で乾燥した場合に○と判定した。それ以上を×とした。
【0176】
(5)保存安定性
各インクをポリエチレン容器に入れ、−20℃、5℃、20℃、70℃でそれぞれの条件下で3カ月保存し、保存後の表面張力、粘度及び沈澱物析出、粒子径の変化の有無を調べた。
どの条件で保存しても、物性等の変化がないものを○とした。
【0177】
(6)印字休止時信頼性
ノズル径30μm128ノズルを有するPZTで駆動するヘッドを有するプリンターを使用し、動作中にキャップ、クリーニング等が行われない状態で、どれだけ印字 休止しても復帰できるかを調べ、どれだけの時間で噴射方向がずれるか、あるいは吐出液滴の重量が変化するかによって、その信頼性を評価した。特に問題なし:5、滴重量の変化が小で噴射方向曲がり限度内:4、噴曲がり小:3、滴重量変化大であるが目詰まり発生はないもの:2 顕著な目詰まり発生:1とした。
評価結果を表1に示す。
【0178】
【表1】
Figure 0004978978
【0179】
【発明の効果】
本発明によれば、
(1)色材の保存安定性を向上させ、連続及び休止後の吐出安定性を確保し、かつプリンターシステム内での接液する部材の耐久性を向上させた記録液、
(2)表面処理の施された顔料を含有するインク及びアニオン性染料を含有するインクにおいて、特に大気安定性を有したインク物性を有するインクをヘッドに供給できるインク、
(3)特に好ましいインク添加物の態様を示すことにより顔料の環境変化による凝集が発生しにくい顔料インク、
(4)耐目詰まり性に優れ、かつヘッド内部のフィルター寿命を長期にわたって維持可能な顔料インク、
(5)分散安定性に優れ、吐出特性の優れた顔料分散体を用いた顔料インク、
(6)耐目詰まり性に優れ、かつヘッド内部のフルター等の寿命を長期にわたって維持可能な顔料インク、
(7)特に好ましい表面処理顔料の態様を示すことにより耐水性が良好で文字滲み、カラー境界の滲みが少ない高信頼性の顔料インク、
(8)発色性に優れ、耐水性のバランスされた染料インク、
(9)発色性に優れ、光沢紙等にも定着性が高い着色微粒子を用いた色材からなる保存性に優れたインク、
(10)耐目詰まり性に優れ、かつヘッド内部のフィルター等の寿命を長期にわたって維持可能な着色微粒子含有インク、
(11)インクの濡れ性を改善するの目的で添加された界面活性剤のカウンターイオンの態様を提示することにより普通紙印字適正に優れ、保存性の改良されたインク、
(12)特に好ましく普通紙への濡れ性を改善できる特定のアニオン界面活性剤が添加されたインク、
(13)インクの導電率を高くしても色材の凝集が発生しないインク、
(14)残量検知や荷電制御方式のインクジェット等に好ましく使用できる物性範囲に調整され保存特性の優れたインク、
(15)インクの粘度調整や保湿性を確保するのに好適に用いられ色材の凝集等が発生しない水溶性有機溶剤の添加されたインク、
(16)紙への濡れ性を改善し、浸透性を付与するのに好適なアニオン界面活性剤以外の界面活性剤の種類を特定し普通紙適正の改善されたインク、
(17)紙への濡れ性を改善し、浸透性を付与する親水性溶剤を添加し、普通紙適正の改善されたインク
が提供される。
【0180】
また、本発明によれば、
(18)上記のインクを用いて良好な画像を形成することのできる記録方法、
(19)上記のインクを用いて良好な画像を形成することのできるインクカートリッジ、
(20)上記のインクを用いて良好な画像を形成することのできるインクジェット用記録装置
が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の主要部であるヘッド構成の一例を示す図である。
【図2】本発明のヘッドを組み込んだインクジェット記録装置の一例を示す図である。
【図3】本発明のインクを収容したインクカートリッジの一例を示す図である。
【図4】本発明のヘッドとインクジェットカートリッジが一体となったインクジェット記録装置の一例を示す図である。
【図5】本発明の記録装置の主要部である記録ヘッドの構成の一例を示す図である。
【図6】本発明の記録装置に用いるインクジェットヘッドの断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド
2 シリコン基板
3 ノズルプレート
4 ガラス基板
5 インク壷
6 共通インク壷
7 インク供給路
8 底壁
9 凹部
10 セグメント電極
11 インクノズル
13 ヘッド
14 インクノズル
15 発熱素子基板
16 保護層
17 電極
18 発熱抵抗体層
19 蓄熱層
20 基板
21 インク
22 オリフィス
23 メニスカス
24 インク小滴
25 被記録材
40 インク収容部
42 栓
44 廃インク吸収体
61 ブレード
62 キャップ
63 インク吸収体
64 吐出回復部
65 記録ヘッド
66 キャリッジ
67 ガイド軸
68 モーター
69 ベルト
70 記録ユニット
72 大気連通口
80 インク流路
81 オリフィスプレート
82 振動板
83 圧電素子
85 吐出口

Claims (19)

  1. 色材、該色剤を溶解又は分散する有機溶媒及び水からなる記録液であって、下記式(1)で表される化合物を含有させたことを特徴とする記録液。
    Figure 0004978978
  2. 該色材がアニオン性基を有し、そのカウンターイオンの一部又は全部が下記式(2)で表されるカチオンである請求項1に記載の記録液。
    Figure 0004978978
  3. 該色材が顔料であり、該顔料が分散剤により水中に分散され、かつ該分散剤にカルボキシル基が結合しているものである請求項1に記載の記録液。
  4. 該顔料の粒子径が10〜300nmである請求項3に記載の記録液。
  5. 該色材が表面にアニオン性基を有する自己分散型顔料である請求項2に記載の記録液。
  6. 該自己分散型顔料の粒子径が10〜300nmである請求項5に記載の記録液。
  7. 該アニオン性基の少なくとも一つがカルボン酸基である請求項5に記載の記録液。
  8. 該色材が少なくとも1つのカルボン酸基及び/又はスルホン酸基を有する染料である請求項2に記載の記録液。
  9. 該色材が染料又は顔料で着色された微粒子である請求項1に記載の記録液。
  10. 該着色された微粒子の粒子径が10〜300nmである請求項9に記載の記録液。
  11. アニオン性基を有する界面活性剤を含有し、該界面活性剤のカウンターイオンの一部又は全部が下記式(2)で表されるカチオンである請求項1〜10のいずれかに記載の記録液。
    Figure 0004978978
  12. 該アニオン性基を有する界面活性剤がポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩又はジアルキルスルホ琥珀酸塩である請求項11に記載の記録液。
  13. 下記式(3)で表される塩を電導度調整剤として含有するものである請求項1〜12のいずれかに記載の記録液。
    Figure 0004978978
    〔式(3)中、X-はハロゲン化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、チオシアン酸イオン又は有機酸イオンを表す。〕
  14. 電導度が1mS/cm以上である請求項1〜13のいずれかに記載の記録液。
  15. 該有機溶媒がグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンから選ばれた少なくとも1種以上の水溶性有機溶剤を含有するものである請求項1〜14のいずれかに記載の記録液。
  16. 該記録液がさらに、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体及びフッ素系界面活性剤から選ばれた少なくとも1種の界面活性剤を含有したものである請求項1〜15のいずれかに記載の記録液。
  17. 該記録液がさらに、炭素数6以上のジオールとアルキルエーテルとを含有したものである請求項1〜16のいずれかに記載の記録液。
  18. 該記録液のpHが6〜11に調整されたものである請求項1〜17のいずれかに記載の記録液。
  19. 請求項1〜18のいずれかに記載の記録液を熱エネルギー又は機械エネルギーにより微小な液滴として飛翔させ、これをJIS P−8122試験法によるステキヒトサイズ度が3秒以上の被記録材に付着せしめることにより画像形成をすることを特徴とする記録方法。
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