JP2004275296A - 吸収性物品の表面シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の吸収性物品の表面シート1は、立体捲縮状態にある繊維及び熱融着繊維を含み且つ多数の開孔2が形成された不織布からなる。開孔2は、該不織布の上面から下面に向かって延出する該不織布によって取り囲まれて形成された導液管8を備えた立体開孔である。導液管8の少なくとも内表面には前記熱融着繊維の溶融固化によって形成されたフィルム化領域が存在していると共に該フィルム化領域における導液管8の厚さ方向内部はフィルム化しておらず通液性を有している。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生理用ナプキンや使い捨ておむつなどの吸収性物品の表面シートに関し、更に詳しくは開孔の立体形状が安定して維持され、また排泄された液の透過性に優れた吸収性物品の表面シートに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
立体形状の開孔を有する吸収性物品の表面シートが数多く知られている。例えば本出願人は先に、立体開孔における壁部及び底部が、通気性のほとんどないフィルム状構造になっている表面シートを提案した(特許文献1参照)。この表面シートは、吸収体に一旦吸収された液の逆戻り防止性に優れ、また液の隠蔽性にも優れる。更に、吸収性物品の着用中に着用者の体圧によって開孔の立体形状が潰れてしまうことも防止される。しかし、フィルム状構造になっていることに起因して、排泄された液が吸収体に速やかに移行することが阻止され、表面シートに液が滞留する場合がある。
【0003】
熱可塑性合成繊維からなるシートの一部から導液管を形成するとともに該導液管の下面開口端がリブによって形成されている吸収性物品の表面シートも知られている(特許文献2参照)。このリブは繊維の一部を溶融させてフィルム化させて形成される。従って、この表面シートには、前述した特許文献1記載の表面シートと同様の不都合がある。
【0004】
一方、本出願人は、立体開孔における頂部から底部にかけて、該開孔を構成する不織布の厚みが漸次減少する表面シートも提案した(特許文献3参照)。この表面シートにおいては立体開孔に毛管力の勾配が発現し、その勾配が駆動力となって、排泄された液が速やかに吸収体へ導かれ表面シートに液残りが生じなくなる。この表面シートによれば、特許文献1及び2における不都合は生じないが、逆に吸収性物品の着用中に着用者の体圧によって開孔の立体形状が潰されやすくなってしまう。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−228173号公報
【特許文献2】
特開平4−152945号公報
【特許文献3】
特開平8−246321号公報
【0006】
従って、本発明は、着用者の体圧が加わった状態でも開孔の立体形状が安定して維持され、また排泄された液の透過性に優れた吸収性物品の表面シートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、立体捲縮状態にある繊維及び熱融着繊維を含み且つ多数の開孔が形成された不織布からなり、該開孔は、該不織布の上面から下面に向かって延出する該不織布によって取り囲まれて形成された導液管を備えた立体開孔であり、該導液管の少なくとも内表面に前記熱融着繊維の溶融固化によって形成されたフィルム化領域が存在していると共に該フィルム化領域における該導液管の厚さ方向内部はフィルム化しておらず通液性を有している吸収性物品の表面シートを提供することにより前記目的を達成したものである。
【0008】
また本発明は、前記表面シートの好ましい製造方法として、
潜在捲縮性繊維及び熱融着繊維を含むウエブ又は不織布を、該熱融着繊維の融点以上で且つ該潜在捲縮性繊維の捲縮発現温度未満の温度に加熱された穿孔ピンを用いて穿孔して、導液管を備えた立体開孔を形成すると共にその形成と同時に該導液管の少なくとも内表面に存する前記熱融着繊維を溶融固化させて該内表面にフィルム化領域を形成し、次いで、該ウエブ又は該不織布を該潜在捲縮性繊維の捲縮発現温度以上の温度で熱処理して該潜在捲縮性繊維の捲縮を発現させる吸収性物品の表面シートの製造方法を提供するものである。
【0009】
更に本発明は、前記表面シートの別の好ましい製造方法として、
潜在捲縮性繊維及び熱融着繊維を含むウエブ又は不織布を、該潜在捲縮性繊維の捲縮発現温度以上の温度で熱処理して該潜在捲縮性繊維の捲縮を発現させ、次いで該熱融着繊維の融点以上の温度に加熱された穿孔ピンを用い該ウエブ又は該不織布を穿孔して、導液管を備えた立体開孔を形成すると共にその形成と同時に該導液管の少なくとも内表面に存する前記熱融着繊維を溶融固化させて該内表面にフィルム化領域を形成する吸収性物品の表面シートの製造方法を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には本発明の吸収性物品の表面シート(以下、単に表面シートともいう)の斜視図が示されており、図2には図1に示す表面シートの縦断面の要部拡大模式図が示されている。
【0011】
図1及び図2に示すように、本実施形態の表面シート1は、規則的に配列された多数の開孔2,2,・・を有し、上層3及びこれに隣接する下層4からなる2層構造の不織布から構成されている。上層3と下層4とは一体化している。上層3は表面シート1の表面1A側に位置し、一方、下層3は裏面1B側に位置している。表面シート1の表面1A側とは、表面シート1が吸収性物品に組み込まれる場合に着用者に対向する側を意味する。一方、裏面1B側とは、吸収性物品における吸収体に対向する側を意味する。
【0012】
表面シート1を構成する不織布としては、従来公知の不織布を特に制限なく用いることができる。例えば、カード法により製造された熱融着繊維ウエブを熱風処理して得られるサクションヒートボンド不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布及びニードルパンチ不織布等の種々の不織布を、表面シートの具体的な目的や用途に応じて適宜選択することができる。これらの不織布における繊維の結合手段に特に制限はなく、例えば、バインダーによる結合や熱融着による結合を用いることができる。また、繊維の結合に代えて、スパンレース不織布等のように繊維の機械的な絡合を利用してもよい。所望の特性、特に滑らかな肌触りや、柔らかさを顕著に実現するためには、不織布として、カード法により得られた熱融着繊維ウェブを熱風処理し、強固な圧縮を与えずに不織布化したサクションヒートボンド不織布が最も好適に用いられる。
【0013】
開孔2は、表面シート1の表面1A側から裏面1B側に向かって延出する不織布によって取り囲まれて形成された導液管8を備えた立体開孔になっている。そして、導液管8の内表面2Aは、表面1Aからの連続面で形成されている。立体的になっている開孔2においては、図2に示すように、その周縁2Bが開孔2の下端に位置している。導液管8の態様としては、例えば円筒状や、導液管8の径が表面1A側から裏面1B側に向かって漸次増加していく錐体状の形状が挙げられるが、図1及び図2に示すように、導液管8の径が表面1A側から裏面1B側に向かって漸次減少していく逆錐体状の形状が好ましい。開孔2の横断面の形状に特に制限はなく、例えば楕円形、三角形又は四角形の開孔でもよいが、図1に示すように、異方性のない円形の開孔とすることが、表面シート1のソフト感を向上させ得る点から好ましい。
【0014】
開孔2は、その下端2Bにおける開孔径が0.5〜3mm、特に0.7〜1.5mmであることが、導液管8の安定維持性、液の透過性及び液の隠蔽性の向上の点から好ましい。液の透過性を向上させる点から、表面シート1の開孔率は3〜30%であることが好ましく、5〜25%であることが更に好ましく、10〜20%であることが一層好ましい。開孔率は、表面シート1をその表面1A側から裏面1B側に投影した場合に形成される開孔2の面積を表面シート1の面積で除すことによって求められた値である。具体的には開孔径及び開孔率は以下の方法で測定される。
【0015】
〔開孔径及び開孔率の測定方法〕
光源〔サンライト SL−230K2;LPL(株)社製〕、スタンド〔コピースタンドCS−5;LPL(株)社製〕、レンズ〔24mm/F2.8Dニッコールレンズ〕、CCDカメラ〔(HV−37;日立電子(株)社製)Fマウントによるレンズとの接続〕及びビデオボード〔スペクトラ3200;カノープス(株)社製〕を用いて、表面シート1の裏面1B側の画像を取り込む。取り込まれた画像をNEXUS社製の画像解析ソフト(ver.3.08)によって開孔の部分を二値化処理する。二値化処理された画像から円相当径を求めこれを開孔径とする。また二値化処理された部分の面積を全画像の面積で除すことで開孔率(%)を求める。開孔径の測定が困難な場合は、画面上で開孔の部分を塗りつぶす等の補助的な処理を行う。
【0016】
隣り合う開孔2間は、頂部5を有するように表面1A側に向けて凸状に湾曲している。また表面シート1における頂部5に対応する裏面1Bが、同じく表面1A側に向けて凸状に湾曲している。即ち、隣り合う開孔2間がアーチ状となっている。そして、複数の頂部5が略直線的に連なり畝部6を形成している。畝部6,6,・・は多列になっている。隣り合う畝部6,6の間は溝部7となり、畝部6と溝部7とは平面部を有しないように交互に配列されている。畝部6は表面1A側に向けて凸状に湾曲し且つ溝部7は裏面1B側に向けて凸状に湾曲している。溝部7には、所定間隔を置いて多数の開孔2,2,・・が形成されている。このような畝部6及び溝部7を形成することによって、畝部6及び溝部7と平行な方向と、それらに直角な方向とにおける曲げ特性(例えば、バルクソフトネス等)に異方性を付与することができ、表面シート1の身体へのフィット性や風合いが向上する。畝部6と溝部7とは交互に配列されており、溝部7は畝部6からの連続面で形成されている。隣り合う畝部6,6間の距離(即ち、頂部5,5間の距離)は、1〜6mm、特に1.5〜4mmであることが好ましい。また、隣り合う溝部7間の距離も同様に1〜6mm、特に1.5〜4mmであることが更に好ましい。畝部6及び溝部7の方向は、表面シート1の原反である不織布の製造時における機械方向と合致していてもよく、又は合致していなくてもよい。
【0017】
上層3は、熱融着繊維から構成されている。熱融着繊維としては、熱可塑性樹脂から構成される芯鞘型複合繊維やサイド・バイ・サイド型複合繊維などが好適に用いられる。一方、下層4は、捲縮が発現した潜在捲縮性繊維から構成されている。潜在捲縮性繊維は、加熱される前は、従来の不織布用の繊維と同様に取り扱うことができ、且つ所定温度での加熱によって螺旋状の立体捲縮が発現して収縮する性質を有する繊維である。潜在捲縮性繊維としてはその融点が、上層3に含まれている熱融着繊維の融点よりも高いものを用いる。これによって、後述するように、下層4をフィルム化することなく上層3の少なくとも表面を容易にフィルム化できる。つまり、潜在捲縮性繊維としては、捲縮発現の前後を問わず、上層3に含まれている熱融着繊維の融点以下の温度では融着しないものを用いる。熱融着繊維及び/又は潜在捲縮性繊維が2種以上の樹脂から構成されている場合には、該繊維の融点とは、最も融点の低い樹脂における当該融点をいう。なお、下層4には、該下層の強度を高める目的で熱融着繊維を含有させてもよい。
【0018】
図2に示すように、表面シート1においては、導液管8の内表面がフィルム化されている。更に詳しくは、導液管8の内表面を構成する上層3の表面が、該上層を構成する熱融着繊維の溶融固化によって連続してフィルム化されてフィルム化領域9となっている。フィルム化領域9は、導液管8の周縁2Bから所定高さ迄の領域の全域である。従って、表面シート1における頂部5及びその周辺の領域はフィルム化されておらず通液可能になっている。更に、導液管8はフィルム化領域9において、導液管8の厚さ方向内部がフィルム化しておらず通液性を有している。具体的には、上層3における下層4との界面近傍の領域及び下層4はフィルム化しておらず、通液性を有している。下層4に含まれている潜在捲縮性繊維どうしは熱融着していない。フィルム化とは、構成繊維が溶融されて複数本が融着し、繊維どうしの隙間が埋まったり、融着部の表面が平滑になった状態をいう。フィルム化領域は、導液管8の内表面の全域に形成されていなくてもよい。尤も液の透過性の観点から、導液管8の厚さ方向の10%以上、特に30%以上であって、且つ導液管8の周方向の70%以上、特に80%以上にわたってフィルム化領域が形成されていることが好ましい。
【0019】
本実施形態の表面シート1における導液管8にフィルム状態の部分が存在していることで導液管8に剛性が付与される。その結果、該表面シートを備えた吸収性物品の着用中、着用者の体圧が導液管8に加わってもその潰れが防止され、その立体形状が安定して維持される。その一方で、導液管8の厚さ方向内部はフィルム化していないので、導液管8の内部を通じての液の移行が速やかに起こり、表面シート1に液が滞留することが防止される。特にフィルム化していない領域は、主として立体捲縮が発現した潜在捲縮性繊維から構成されているので、液の透過が可能な空間が数多く形成されている。これによって導液管8の内部を通じての液の移行が一層速やかに起こる。従って、表面シート1は常にドライな状態が保たれ、肌へのべたつき等の不快感が生じにくくなる。
【0020】
本実施形態の表面シート1における液の透過機構を更に詳しく説明すると図3に示す通りである。図3に示すように、表面シート1における液の流通経路には▲1▼〜▲3▼の3つが考えられる。▲1▼の経路は開孔2を通じての直接の液の透過である。▲2▼の経路は表面シート1の内部を通じての液の透過であり、この経路によれば、排泄された液は表面シート1の表面1A側から該表面シート内に吸収され、導液管8の厚さ方向内部を通じて吸収体(図示せず)へと導かれる。前述した通り、導液管8の厚さ方向内部は主として立体捲縮が発現した潜在捲縮性繊維から構成されているので、液の透過空間が多数形成されており、該空間を通じて排泄された液が円滑に透過できるようになっている。▲3▼の経路は表面シート1の表面1Aを伝っての液の透過である。この経路によれば、排泄された液はフィルム化した導液管8の表面を伝って流れる。フィルム化した部分には液が滞留しづらいので、液は速やかに吸収体へと導かれる。このように、本実施形態の表面シート1によれば、何れの経路を通っても、排泄された液は速やかに吸収体へと導かれ表面シート1に液残りが生じにくくなる。
【0021】
本実施形態の表面シート1における上層3及び下層4の個々の坪量は、収縮及び開孔前の状態において、それぞれ以下の通りであることが好ましい。即ち、上層3の坪量は5〜40g/m2、特に10〜20g/m2であり、下層4の坪量は5〜50g/m2、特に10〜35g/m2であることが、フィルム化領域の形成のしやすさ、表面シート1の隠ぺい性、風合い、吸収性等の向上の点から好ましい。収縮及び開講後の状態の各層3,4の坪量は、収縮及び開孔前の状態における坪量に、後述する面積収縮率を乗じた値となる。また、収縮及び開孔によって形成された表面シート1自体の坪量は、15〜180g/m2、特に20〜100g/m2であることが、表面シート1の風合い及び不織布の加工性の点から好ましい。
【0022】
表面シート1自体の厚さは、カトーテック株式会社製、KES−FB3圧縮試験機を用いて測定する。この試験機は、面積2cm2 の円形の圧縮面を持つ加圧部を下降−上昇させることにより、布やフィルム状の試料に圧縮−回復荷重を与え、その圧縮及び回復過程の一サイクルの圧縮荷重−圧縮変形量のヒステリシス曲線を得、そこから試料厚みを求めることができるものである。表面シート1を、2.5cm×2.5cmの正方形に切りとり、これを試料として、圧縮試験機にセットする。そして、加圧速度0.02mm/秒で加圧部を下降させてシートを50gf/cm2の圧力が加わるまで加圧する。次いで加圧部の動作を下降から上昇に切り替え、シートに加わる圧力が0gf/cm2となるまで加圧部を上昇させる。この圧縮−回復過程を一サイクルとしたヒステリシス曲線を得る。得られたヒステリシス曲線から、圧縮過程における0.5gf/cm2でのシートの厚みを読み取る。シートの異なる5カ所において測定された厚みの平均値を、表面シート1の厚さとする。
【0023】
本実施形態の表面シート1は好ましくは、以下に述べる方法で製造される。先ず、上層3及び下層4それぞれを構成する繊維ウエブを、カード機を用いてそれぞれ製造する。上層3を構成するウエブは熱融着繊維から構成されており、下層4を構成するウエブは捲縮が発現する前の潜在捲縮性繊維から構成されている。得られた繊維ウエブをそのまま、或いは所定の不織布製造方法によって不織布となした後に積層し、更に応じ両層を接合するためのエンボス処理を施す。エンボス処理の際には、下層4に含まれている潜在捲縮性繊維に捲縮が発現しないように、両層の積層体をピンテンター等の拘束手段に取り付けて捲縮を規制することが好ましい。下層4はその面内においてほぼ等方的に収縮することから、前記積層体を拘束手段に取り付ける場合には、その周囲全体を拘束手段に取り付けることが好ましい。次いで両層の積層体を、下層4に含まれている潜在捲縮性繊維の捲縮発現温度以上の温度で熱処理して該潜在捲縮性繊維を螺旋状に立体捲縮させ収縮させる。収縮の結果、主として下層4内に液の透過が可能な空間が数多く形成される。この空間は、排泄された液の透過経路として作用する。熱処理の方法としては、エアスルー方式による熱風の吹き付けや赤外線の照射などが用いられる。収縮に際しては、潜在捲縮性繊維どうしの融着が起こらないように、熱処理の温度を調整する。収縮の程度は、面積収縮率で表して30〜80%、特に30〜60%であることが好ましい。
【0024】
収縮の程度は、収縮後の寸法に合わせて前記積層体の周囲全体を、先に用いたピンテンター等の拘束手段に取り付けることで調整できる。面積収縮率は、収縮前の基準面積をS0とし、基準面積の収縮後の面積をS1とすると、以下の式で表される。
面積収縮率(%)=(S0−S1)/S0×100
【0025】
次いで前記積層体に立体開孔を形成する。具体的には、前記積層体を、第1の押し型と第2の押し型との間に介在させ押圧する。第1の押し型は、前記積層体の搬送方向に沿って角錐又は円錐形状の多数の穿孔ピン(凸状ピン)を列状に有し且つ該列が多列に並設しているピンロールから構成されており、第2の押し型は第1の第1の押し型における多列の凸状ピンの間に嵌入する突条部を有する突条ロールから構成されている。このとき、上層3が第1の押し型に対向し且つ下層4が第2の押し型に対向するように前記積層体を押圧する。その結果、突条ロールの突条部によって、前述した頂部5が容易に形成され、しかも、ピンロールにおける凸状ピンの前記積層体への押圧により、前記積層体が穿孔されて導液管8を備えた開孔2が形成される。開孔後の不織布の厚さは開孔前よりも大きくなる。
【0026】
穿孔に際しては、凸状ピンを所定温度に加熱しておく。加熱温度は、上層3に含まれている熱融着繊維の融点以上で且つ捲縮状態にある潜在捲縮性繊維の融点未満の温度とする。これによって、導液管8を備えた開孔2の形成と同時に該導液管の内表面に存する熱融着繊維を溶融固化させて該内表面にフィルム化領域9を形成する。導液管8の厚さ方向内部はフィルム化しないままになっている。このとき、先に述べたようにピンテンター等の拘束手段に前記積層体を取り付けて、潜在捲縮性繊維が更に捲縮することを規制することが好ましい。
【0027】
本発明の表面シートの別の実施形態が図4に示されている。本実施形態の表面シート1は、図2に示す実施形態の表面シートに類似の構成をしている。両者が異なる点は、本実施形態の表面シート1では、シート1における裏面1B側が、表面1A側に向けて凸上に湾曲している程度が、図2に示す実施形態の表面シートよりも小さい点である。即ち、本実施形態の表面シート1においては、その裏面1B側が吸収体と接触する面積が、図2に示す実施形態の表面シートよりも大きくなっている。その結果、本実施形態の表面シート1においては、吸収体への液の移行性が良好になる。この表面シート1の製造方法は次の通りである。先ず、上層3及び下層4それぞれを構成する繊維ウエブを、カード機を用いてそれぞれ製造し、得られた繊維ウエブをそのまま、或いは所定の不織布製造方法によって不織布となした後に積層し、更に応じ両層を接合するためのエンボス処理を施し積層体を得る。このとき該積層体をピンテンター等の拘束手段に取り付けることが好ましい。この積層体に対して前述の穿孔操作を行い導液管を備えた開孔を形成する。穿孔に際しては、凸状ピンを、上層3に含まれている熱融着繊維の融点以上で且つ捲縮状態にある該潜在捲縮性繊維の融点未満の温度に加熱しておく。これによって導液管の内表面に存する熱融着繊維のみを溶融固化させて該内表面にフィルム化領域を形成することができる。また下層4に含まれている該潜在捲縮性繊維どうしの融着を防ぐことができ、導液管の厚さ方向内部はフィルム化しないままにすることができる。このとき、積層体をピンテンター等の拘束手段に取り付けて潜在捲縮性繊維に捲縮が発現しないようにすることが好ましい。
【0028】
次に前記積層体を、下層4に含まれている潜在捲縮性繊維の捲縮発現温度以上の温度で熱処理して該潜在捲縮性繊維を螺旋状に立体捲縮させ収縮させる。収縮の結果、主として下層4内に液の透過が可能な空間が数多く形成される。この空間は、先に述べた通り排泄された液の透過経路として作用する。収縮に際しては、先に述べたようにピンテンター等の拘束手段に前記積層体を取り付けて、該積層体の面積収縮率を前述の範囲内とすることが好ましい。
【0029】
次に、前記の各実施形態の表面シート1を具備する吸収性物品を、生理用ナプキンを例にとり図面を参照して説明する。図5には、本実施形態の表面シート1を具備する吸収性物品としての生理用ナプキンの斜視図が示されている。図5に示す生理用ナプキン10は、本実施形態の表面シート1、液不透過性の裏面シート(図示せず)及び吸収体(図示せず)を具備している。表面シート1は、少なくとも着用者の排泄部に対応する領域に開孔2を有している(図5においては表面シート1の全域に開孔2が形成されている)。表面シート1における畝部6及び溝部7の方向は、ナプキン10の長手方向と合致している。ナプキン10が本実施形態の表面シート1を具備することによって、斯かるナプキン10は、表面シート1に液残りの少ないものとなり、ドライ感に優れた良好な装着感を呈するものとなる。また立体開孔の潰れが生じにくいので、一旦吸収体に吸収された液の逆戻りが起こりにくくなり、これによってもドライ感に優れた良好な装着感を呈するものとなる。
【0030】
本発明においては、立体捲縮状態にある繊維として、螺旋状の捲縮が発現した状態の潜在捲縮性繊維に代えて、機械捲縮によって三次元の捲縮が付与された捲縮繊維を用いてもよい。この場合のシートの製造方法は次の通りである。予め機械捲縮された捲縮繊維、及び該捲縮繊維の軟化点未満の温度で軟化する熱融着繊維を含むウエブを、該熱融着繊維の軟化点以上で且つ捲縮繊維の軟化点未満の温度に加熱された穿孔ピンを用いて該ウエブを穿孔して、導液管を備えた立体開孔を形成すると共にその形成と同時に該導液管の少なくとも内表面に存する前記熱融着繊維を溶融固化させて該内表面にフィルム化領域を形成する。機械捲縮された捲縮繊維の材質や構造については特に制限はなく、熱融着繊維の軟化点よりも高い軟化点を有するものであればよい。
【0031】
本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては導液管8の内表面が連続してフィルム化していたが、導液管8の内表面は不連続にフィルム化していてもよい。更に、導液管8の内表面に加えて外表面もフィルム化させてよい。導液管8の外表面をフィルム化させる場合には、表面シートを構成する不織布を、熱融着繊維を含む上層と、立体捲縮状態にある繊維を含む中間層と、熱融着繊維を含む下層との3層構造となし、該立体捲縮状態にある繊維として、該熱融着繊維の融点以下では融着しないものを用いればよい。
【0032】
また、前記実施形態においては表面シートは2層構造のものであったが、これに代えて表面シートを単層構造となしてもよい。また前述した通り3層以上の多層構造となしてもよい。
【0033】
また、表面シート1の縦断面形状は図2等に示されるものに限られず、例えば特開平4−152945号公報の第3図ないし第7図に示すような形状であってもよい。
【0034】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。
【0035】
〔実施例1〕
(1)上層の製造
熱融着繊維として、大和紡績株式会社製の芯鞘型複合繊維(商品名NBF−SH、芯:ポリエチレンテレフタレート、鞘:ポリエチレン、芯/鞘重量比=5/5、繊度2.2dtex、繊維長51mm)を用いた。鞘であるポリエチレンの融点は130℃であった。カード機を用いてこの繊維を解繊しウエブとなし、次いでこのウエブをエアスルー方式で熱処理(120℃)し坪量12g/m2のエアスルー不織布を得た。
【0036】
(2)下層の製造
潜在捲縮性繊維(ポリプロピレンを芯成分とし、エチレン−プロピレンランダム共重合体を鞘成分とした熱収縮性を示す芯鞘型複合繊維、繊度2.2dtex、大和紡績株式会社製、捲縮開始温度90℃)を原料として用い、上層と同様にカードウエブを製造した。鞘であるエチレン−プロピレンランダム共重合体の融点は139℃であった。このウエブに対して、凹凸ロールと平滑ロールとの組み合わせからなる熱エンボスロール装置(ロール温度:エンボス面145℃)を用いてエンボス加工を施した。凹凸ロールの個々のエンボス点は円形でありそのエンボス面積は0.0055cm2であった。機械方向に沿うエンボス点中心間の距離(ピッチ)は1.4mm、横方向に沿うエンボス点中心間の距離(ピッチ)は1.4mmであった。エンボス面積率は28%であった。得られたヒートエンボス不織布の坪量は20g/m2であった。
【0037】
(3)積層体の製造
両不織布を積層し、凹凸ロールと平滑ロールとの組み合せからなる熱エンボスロール装置に通し、両不織布を接合一体化し積層体を得た。凹凸ロールの温度は155℃に設定した。凹凸ロールのエンボスパターンは、いわゆる千鳥状のパターンであり、個々のエンボス点は円形でそのエンボス面積は0.047cm2であった。機械方向に沿うエンボス点中心間の距離(ピッチ)は7mm、横方向に沿うエンボス点中心間の距離(ピッチ)は7mm、斜め45℃の方向に沿うエンボス点中心間の距離は5mmであった。エンボス面積率は7.2%であった。
【0038】
(4)潜在捲縮性繊維の捲縮
積層体を130℃に加熱した熱乾燥機内にて1〜3分間熱処理し下層の潜在捲縮性繊維を収縮させた。この際、所望の収縮率とするために、収縮後の寸法に合わせて積層体の四辺をピンテンターに固定し、それ以上の収縮を規制した。収縮率は表1に示す通りであった。収縮後の積層体の坪量は60g/m2であった。
【0039】
(5)開孔の形成
収縮後の積層体に立体開孔を形成した。開孔は、積層体を第1の押し型と第2の押し型との間に介在させ押圧することで形成した。第1の押し型は、先端が円錐形状となっている多数の穿孔ピンが、積層体の搬送方向に沿って列状に配置され且つ該列が多列に並設されているピンロールから構成されており、第2の押し型は第1の第1の押し型における多列の穿孔ピンの間に嵌入する突条部を有する突条ロールから構成されていた。穿孔ピンの径は1.5mmであり、ピンロールは130℃に加熱されていた。このようにして、図1及び図2に示す立体開孔を有する不織布を得た。開孔率及び厚みはそれぞれ表1に示す通りであった。
【0040】
〔実施例2〕
潜在捲縮性繊維の捲縮と開孔の形成との順序を逆にし、また上下層の坪量及び収縮率を表1に示す通りとした以外は実施例1と同様にして図4に示す立体開孔を有する不織布を得た。開孔率及び厚みはそれぞれ表1に示す通りであった。
【0041】
〔比較例1〕
花王株式会社製の生理用ナプキンであるロリエさらさらクッションスリムウィングなし(販売名「ロリエ UN−f−11」)の表面シートを用いた。この表面シートは、芯鞘型複合繊維(芯:ポリエチレンテレフタレート、鞘:ポリエチレン、芯/鞘の重量比5/5、繊度2.2dtex、繊維長51mm)をカード機によってウエブとなし、該ウエブをエアスルー法によって不織布化したものである。そして、直径1.5mmの穿孔ピンによって図1に示す立体開孔が形成されている。
【0042】
〔性能評価〕
実施例及び比較例で得られた不織布(表面シート)について、疑似血液吸収後における低荷重及び高荷重下での白色度を測定した。その結果を以下の表1に示す。表1には、不織布における上層及び下層それぞれの坪量、不織布製造時の面積収縮率、開孔部における不織布の厚み、開孔率も併せて記載されている。
【0043】
〔疑似血液吸収後における低荷重及び高荷重下での白色度の測定〕
(1)疑似血液の調製
2Lのビーカーにイオン交換水1500gを入れ、マグネティックスターラーで撹拌しながら、カルボキシメチルセルロースナトリウム〔関東化学(株)製, CMC−Na〕5.3gを入れる(この溶液を「A」とする)。次に、1Lのビーカーにイオン交換水556gを入れ、スターラーで撹拌しながら塩化ナトリウム〔関東化学(株)製〕27.0g及び炭酸水素ナトリウム〔NaHCO2 ,関東化学(株)製〕12gを入れて完全に溶解させる(この溶液を「B」とする)。更に、3Lのビーカーにグリセリンを900g量り取り、前記(A)及び(B)を加えて撹拌する。更に、ノニオン系の界面活性剤「エマルゲン935」〔製造販売元 花王(株)〕の濃度(界面活性剤/水)=1g/Lの水溶液15mlと、食用赤色2号〔発売元:アイゼン(株),保土ヶ谷化学工業(株)、製造元:ダイワ化成(株)〕29.6gを加えて撹拌する。このようにして得られた溶液を、ガラス濾過器を用いて吸引濾過し、その濾液を疑似血液とする。尚、疑似血液の調製の際には、上述した界面活性剤に代えて、他のノニオン系の界面活性剤を用いることもでき、同様の結果を得ることができる。但し、界面活性剤の使用量を、最終的に得られる疑似血液のガラス表面に対する接触角が35〜40゜の範囲になるように調整する必要がある。前記接触角は、接触角測定装置(協和界面科学(株),FACE接触角計 CA−A型)を用い、エタノール洗浄後のガラス表面において測定する。
【0044】
(2)白色度の測定
実施例及び比較例で得られた不織布(表面シート)の下に、吸収体及び裏面シートを配置し、常法に従い図5に示す形態の生理用ナプキンを得た。裏面シート及び吸収体は、それぞれ、花王株式会社製 ロリエさらさらクッションスリムウイングなし(販売名:ロリエ UN−f−11)に用いられている裏面シート(ポリエチレンフィルム製)及び吸収体(厚み4.5mm、坪量200g/m2 のフラッフパルプ中に吸水ポリマー(アクリル酸・アクリル酸ナトリウム塩共重合体)40g/m2 を配合したものを、更に16g/m2 の吸収紙で包んだ構成)を用いた。得られたナプキンをその表面シートが上方を向くように水平に載置し、その上に図6に示す円筒付きのアクリル板を載置した。このとき、アクリル板上に重りを置き、ナプキンに5g/cm2及び50g/cm2の荷重が加わるようにした。アクリル板の寸法は長さ200mm×幅100mm×厚み8mm、円筒の高さは50mm、内径は10mmであった。また、アクリル板にも同径の孔が設けられていた。アクリル板は、それに設けられている孔がナプキンの中心部に位置するように載置した。この状態下に疑似血液6gを10mLのビーカーに入れ、円筒内に静かに注入する。注入量は3gとし、約5秒で注入を完了させた。注入完了後300秒間放置してから、重り及びアクリル板を取り除き、ナプキンにおける表面シートの白色度を、日本電色工業(株)製の簡易型分光色差計NF333(商品名)を用いて測定した。投光パイプは30φ、試料台は30mmφを用いた。標準合わせを行った後、試料台にナプキンをその表面シートが投光側を向くように載せた。次にナプキンにおける測定面とは逆の面に、色差計に付属の試料押さえ板(黒色板)を置いた。測定は、1つのナプキンについて、疑似血液注入部位における異なる場所で計5回測定した。この平均値を白色度とした。
【0045】
【表1】
【0046】
表1に示す結果から明らかなように、各実施例の表面シートを備えたナプキンにおいては、低荷重下及び高荷重下の何れにおいても表面シートの白色度が高く、吸収体に一旦吸収された疑似血液の逆戻りが防止されていることが判る。表には示していないが、実施例の表面シートにおいては、開孔の内表面に、熱融着繊維の溶融固化によって形成されたフィルム化領域が存在していた。またフィルム化領域における該開孔の厚さ方向内部(下層の部分)における潜在捲縮性繊維どうしは熱融着しておらずフィルム化していなかった。
【0047】
【発明の効果】
本発明の吸収性物品の表面シートは、導液管の少なくとも内表面にフィルム化領域が形成されており、該導液管の剛性が高められているので、着用者の体圧が加わった状態でも開孔の立体形状が安定して維持され、それによって吸収体に一旦吸収された液の逆戻りが防止される。また本発明の吸収性物品の表面シートは、導液管の厚さ方向内部がフィルム化しておらず通液性を有しているので、排泄された液の透過性に優れ、液残りが少ないものとなる。従って該表面シートを備えた吸収性物品は、ドライ感に優れ良好な装着感を呈する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収性物品の表面シートを示す斜視図である。
【図2】図1に示す表面シートの縦断面の要部を拡大して示す模式図である。
【図3】図1に示す表面シートにおける液の流れを示す説明図である。
【図4】本発明の表面シートの別の実施形態における縦断面の要部を拡大して示す模式図(図2相当図)である。
【図5】図1に示す表面シートを具備する生理用ナプキンを示す斜視図である。
【図6】表面シートの白色度の測定方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 吸収性物品の表面シート
1A 表面
1B 裏面
2 開孔
2A 内表面
2B 周縁
3 上層
4 下層
5 頂部
6 畝部
7 溝部
8 導液管
9 フィルム化領域
10 生理用ナプキン(吸収性物品)
Claims (7)
- 立体捲縮状態にある繊維及び熱融着繊維を含み且つ多数の開孔が形成された不織布からなり、該開孔は、該不織布の上面から下面に向かって延出する該不織布によって取り囲まれて形成された導液管を備えた立体開孔であり、該導液管の少なくとも内表面に前記熱融着繊維の溶融固化によって形成されたフィルム化領域が存在していると共に該フィルム化領域における該導液管の厚さ方向内部はフィルム化しておらず通液性を有している吸収性物品の表面シート。
- 前記不織布が、前記熱融着繊維を含む上層と前記立体捲縮状態にある繊維を含む下層とを有する多層構造からなり、該上層の少なくとも表面に前記フィルム化領域が存在しており、該下層が通液性を有している請求項1記載の吸収性物品の表面シート。
- 前記立体捲縮状態にある繊維が、捲縮が発現した潜在捲縮性繊維からなる請求項1又は2記載の吸収性物品の表面シート。
- 前記立体捲縮状態にある繊維は、前記熱融着繊維の融点以下の温度では融着しないものである請求項3記載の吸収性物品の表面シート。
- 請求項1記載の吸収性物品の表面シートの製造方法であって、
潜在捲縮性繊維及び熱融着繊維を含むウエブ又は不織布を、該潜在捲縮性繊維の捲縮発現温度以上の温度で熱処理して該潜在捲縮性繊維の捲縮を発現させ、次いで該熱融着繊維の融点以上で且つ捲縮状態にある該潜在捲縮性繊維の融点未満の温度に加熱された穿孔ピンを用い該ウエブ又は該不織布を穿孔して、導液管を備えた立体開孔を形成すると共にその形成と同時に該導液管の少なくとも内表面に存する前記熱融着繊維を溶融固化させて該内表面にフィルム化領域を形成する吸収性物品の表面シートの製造方法。 - 請求項1記載の吸収性物品の表面シートの製造方法であって、
潜在捲縮性繊維及び熱融着繊維を含むウエブ又は不織布を、該熱融着繊維の融点以上の温度に加熱された穿孔ピンを用いて穿孔して、導液管を備えた立体開孔を形成すると共にその形成と同時に該導液管の少なくとも内表面に存する前記熱融着繊維を溶融固化させて該内表面にフィルム化領域を形成し、次いで、該ウエブ又は該不織布を該潜在捲縮性繊維の捲縮発現温度以上の温度で熱処理して該潜在捲縮性繊維の捲縮を発現させる吸収性物品の表面シートの製造方法。 - 前記穿孔に際して、前記ウエブ又は前記不織布を拘束手段に取り付けて、潜在捲縮性繊維の捲縮を規制する請求項6記載の吸収性物品の表面シートの製造方法。
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