JP5078602B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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本発明は、吸収性物品に関し、詳しくは、生理用ナプキン等に適した吸収性物品に関する。
生理用ナプキン等の吸収性物品用の表面シートには、排出された経血や尿等の液体を素早く吸収できる吸収性能と同時に着用者の肌に接して刺激を与えないという表面特性が要求される。従来、吸収性物品用の表面シートとしては、各種の不織布からなるもの、それに穿孔を施したもの、ポリエチレン等の合成樹脂からなる有孔フィルムなどが用いられてきた。近年、吸収性物品の液体吸収性や外観を向上させるため、さらにその構造を改良した種々の製品が提案されている。その1つとして表面に溝(エンボス)加工を施した吸収性物品が挙げられる。
溝(エンボス)加工とは吸収体を熱圧縮処理し、表面に熱圧縮部と非圧縮部とを設ける加工法である。この技術により、吸収性物品の表面部分の液体吸収性を変化させたり、液滲みやヨレを防止したり、液体の流動性を制御したりすることなどが試みられてきた(特許文献1〜3参照)。しかしながら、溝加工に代表される熱圧縮加工は、表面シートを吸収体深さ方向に引き伸ばす分、表面材との密着度を高めて吸収速度をある程度高める効果はあるものの、短時間で大量の液体を瞬時に身体から引き離すことができるような吸収性能と上述の表面特性の両立については未だ満足できるものは開発されていない。
特開2000−262558号公報 特開2001−178768号公報 特許第2620305号公報
そこで本発明は、短時間で大量の液体を瞬時に身体から引き離すことを可能とする液体吸収性を有し、しかも、形状安定性に優れた吸収性物品の提供を目的とする。
本発明は、肌当接面側に液透過性の表面シートと、非肌当接面側に裏面シートと、該両シートの間に吸収体が配された吸収性物品において、前記表面シートは不織布からなり、前記吸収体は、パルプ繊維を主成分として含有し、前記表面シートと前記吸収体が重ね合わされ、該重ね合わされた表面シートと吸収体が共に裏面シート側から肌当接面側に突出する凸部と底面となる凹部が形成されており、前記凸部は、頂点を有し、該頂点を通る凸部断面形状は、アーチ状であり、前記表面シート及び吸収体は、前記凸部頂点及び凸部側壁部において吸収体と接合されており、更に、前記凸部の側壁部から凹部底面にかけて、表面シートの厚みが漸次高くなる吸収性物品により上記目的を達成したものである。
本発明の吸収性物品は、短時間で大量の液体を瞬時に身体から引き離すことを可能とする液体吸収性を有し、形状安定性に優れ、さらに、形状安定化とスピード吸収を同時に付与することができる。
以下、本発明の吸収性物品を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら詳しく説明する。
図1は本発明の吸収性物品の2辺を断面で示した斜視図である。本実施形態の吸収性物品は肌当接面側に液透過性の表面シート1と、非肌当接面側に裏面シート2と、及び該両シートの間に配された吸収体3とを有する。表面シート1と吸収体3は重ね合わされ、重ね合わされた表面シート1と吸収体3が共に、図1では上方側の肌当接面側に隆起して、凹凸形状を有している。具体的には、裏面シート2側から肌当接面側に突出する凸部4と底部となる凹部が形成されている。
表面シート1は液透過性を有しており、不織布からなる。不織布としては、例えばカード法により製造されたエアスルー不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布等の種々のものが挙げられる。
ただし、繊維表面は親水性とされていることが必要であり、ポリエチレン、ポリプロピレンやポリエステル等の合成樹脂による繊維を使用する場合には、界面活性剤等を用いて繊維の表面に親水化処理を施しておくことが好ましい。親水化処理に用いる界面活性剤としては、親水基と親油基を持つ親水性の界面活性剤であれば特に制限されないが、アニオン系界面活性剤、及び、エチレンオキサイド系の付加モル数の高いノニオン系界面活性剤が好ましい。具体的には、スルホコハク酸エステル、アルキルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、グリセリン脂肪酸エステルなどが好ましい。
また、不織布の繊維材料としては後述する熱伸長性の繊維を用いることがより好ましい。その構成繊維の繊度は表面シートの強度確保、肌触りの向上等の点から1〜20dtexであることが好ましく、1.5〜4dtexであることがより好ましい。
表面シート1の坪量は10〜50g/mであることが好ましく、15〜40g/mであることがより好ましい。吸収性、装着感、経済性の観点から好ましい範囲といえるものである。
本発明の吸収性物品においては、表面シート1の不織布を形成する繊維として、嵩高性を有する繊維、例えば、機械的にクリンプ状に変形させられた捲縮繊維、熱などの所定の処理によって初めて収縮を開始しクリンプ状に変形する潜在性捲縮繊維、芯鞘型の複合繊維で芯が偏芯されることで嵩高に変形する繊維、所定の処理を行うことで見かけ繊維長さが伸長する繊維等を用いることが好ましい。この中でも熱処理により伸長挙動を示す熱伸長性繊維を用いることが特に好ましい。熱伸長性繊維としては、例えば、第1樹脂成分と、該第1樹脂成分の融点よりも低い融点又は軟化点を有する第2樹脂成分とからなり、第2樹脂成分が繊維表面の少なくとも一部を長さ方向に連続して存在している二成分系の複合繊維が好ましい。この複合繊維の形態には芯鞘型やサイド・バイ・サイド型など種々の形態があり、本発明においてはいずれの形態も含む。
吸収性物品の非肌当接面側に使用される裏面シート2は、液体の漏れを防ぐ機能を有するものであれば特に限定されない。裏面シート2の素材としては、防水性を有していれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系の熱可塑性樹脂もしくはそれらの混合物からなる樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、及び紙や熱可塑性樹脂からなる疎水性或いは親水性不織布と上述の樹脂フィルムとの複合材料等が挙げられる。また、水蒸気透過性とする裏面シート2の形成材料としては、防水性があり水蒸気透過性を有していれば特に限定されないが、ポリエチレンやポリプロピレンもしくはそれらの混合物からなる熱可塑性樹脂に、炭酸カルシウムや硫酸バリウム等からなる微小な無機フィラーを溶融混合してフィルムを製膜し、該フィルムを1軸又は2軸延伸して得られる多孔性のフィルムや、サイズ処理された防水紙や、メルトブローン等の製法により得られる撥水性の不織布や、それら多孔性のフィルム、防水紙、疎水性の微細な熱可塑性繊維からなる不織布の複合シート等が挙げられる。裏面シートの厚さは特に限定されないが、10〜300μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。10μm未満では、液不透過性シート2の充分な強度が得がたく、使用中や脱着時に破れてしまう可能性がある。また、300μmを超えると、液不透過性シート2が硬くなりすぎて、装着感を損なう可能性がある。
吸収体3は主成分としてパルプ繊維を含有するものであり、好ましくは天然系繊維を解繊して得られたパルプ繊維から形成されたものである。ここで、天然系繊維とは、天然の植物由来の繊維状物質をいう。吸収体3に含有されるパルプ繊維としては、例えば、木材パルプ、木綿パルプ及びワラパルプ等の天然セルロース繊維、レーヨン及びキュプラ等の再生セルロース繊維などが挙げられ、ポリビニルアルコール繊維及びポリアクリロニトリル繊維等の親水性合成繊維などと組み合わせてもよい。用いられる合成繊維の含有量は、パルプ繊維に対して、質量で30%以下であることが好ましい。
また、吸収体3は、副成分として、高吸収性ポリマーを含んでいても良い。高吸収性ポリマーとしては、自重の20倍以上の体液を吸収保持でき、且つゲル化し得るものが好ましい。例えば、デンプンや架橋カルボキシルメチル化セルロース、アクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合体又はそれらの共重合体等、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリアクリル酸塩グラフト重合体を挙げることができる。ポリアクリル酸塩としては、ナトリウム塩が好ましい。
吸収層3の坪量は50〜500g/mであることが好ましく、50〜300g/mであることがより好ましい。いずれも、吸収性、装着感、経済性の観点から好ましい範囲といえるものである。また、吸収体3が副成分として高吸収性ポリマーを含むものである場合には、高吸収性ポリマーの坪量は、10〜100g/mの範囲であることが、吸収性、装着感、経済性の観点から好ましい。
表面シート1と吸収体3とは、一体化して接合されシート状複合素材とされることが好ましい。本発明において「一体化して接合する」とは、保形目的の紙製シートや穴あけフィルム等を間に挿入せず、表面層と吸収層とが略全面的に接するようにすることをいい、熱圧着手段により凹凸構造を形成することが好ましい。このとき、液体吸収性を妨げなければ、表面層と吸収層との間に機態性シートを設けてもよい。
図1に示す態様においては、表面シート1と吸収体3が重ね合わされて、重ね合わされた表面シート1と吸収体3が共に裏面シート側2から肌当接面側に突出する凸部4と底面となる凹部が形成されている。そして、表面シート1における凸部の頂点1aが、吸収体3の凸部の頂点の直上に設けられていることが好ましい。なお、図1に示したものの凸部4は山形ないしはコブ状であるが、この形状に限らず、これらが数個連続した壁様の凸部であってもよい。
吸収性物品の厚さは、裏面シート2の非肌当接面から表面シート1における凸部の頂点1aまでの最短距離でいうと、1〜10mmであることが好ましく、1〜5mmであることがより好ましい。厚さが薄すぎては、漏れに対して充分な吸収容量を設計しにくく、液戻り等肌への不快感や汚れを誘発してしまう可能性がある。また、凸部4の形成が十分おこなえないため、表面シート1と吸収体3の一体化が不十分となる。厚さが厚すぎると、吸収性物品の厚みが違和感に繋がり、装着感を損なってしまう。凹凸構造を形成すると、よりこの傾向が顕著となるか、凸部4の成形性が困難になる。吸収体3の高さは、肌当接面側の高低差を0.3〜10mmとすることが好ましく、0.3〜6mmとすることがより好ましい。高さが低すぎると、湿気を逃がしてムレを防止できるような充分な隙間を得ることができない。また、高さが高すぎると、凸高さが違和感となり装着感を損なってしまう。また、凸部4の高さについては、肌当接面側の高低差を0.5〜10mmとすることが好ましく、0.5〜8mmとすることがより好ましい。高さが低すぎると、不織布の風合いを損なう可能性があり、高さが高すぎると凸高さが違和感となり装着感を損なってしまう。
凸部4の間隔は特に限定されないが、単位面積当りの凸部の個数でいうと、1cm当り1〜9個であることが好ましく、1〜5個であることがより好ましい。特に1cm当り9個を超えると、吸収性物品全体が硬くなり、装着感を損なう可能性がある。
以下、表面シート1に好適に用いられる熱伸長性複合繊維についてさらに詳しく説明する。
第1樹脂成分は該繊維の熱伸長性を発現する成分であることが好ましく、第2樹脂成分は熱融着性を発現する成分であることが好ましい。第1樹脂成分はその配向指数が30〜60%になっていることが好ましく、35〜55%になっていることがより好ましい。一方、第2樹脂成分はその配向指数が40%以上になっていることが好ましく、50%以上になっていることがより好ましい。第2樹脂成分の配向指数の上限値は特に限定されず高いほど好ましいが、通常70%程度であればよい。配向指数は、繊維を構成する樹脂の高分子鎖の配向の程度の指標となるものである。そして、第1樹脂成分及び第2樹脂成分の配向指数がそれぞれ前記の値であることによって、熱伸長性複合繊維に良好な加熱伸長性を与えることができる。
熱伸長性複合繊維としては、先に述べたとおり、芯鞘型のものやサイド・バイ・サイド型のものを用いることができる。芯鞘型の熱伸長性複合繊維としては、同芯タイプや偏芯タイプのものを用いることができる。特に同芯タイプの芯鞘型であることが好ましい。この場合、第1樹脂成分が芯を構成し且つ第2樹脂成分が鞘を構成していることが、熱伸長性複合繊維の熱伸長率を高くし得る点から好ましい。第1樹脂成分及び第2樹脂成分の種類に特に制限はなく、繊維形成能のある樹脂であればよい。特に、両樹脂成分の融点差、又は第1樹脂成分の融点と第2樹脂成分の軟化点との差が20℃以上、特に25℃以上であることが、熱融着による不織布製造を容易に行いうる点から好ましい。熱伸長性複合繊維が芯鞘型である場合には、鞘成分の融点又は軟化点よりも芯成分の融点の方が高い樹脂を用いる。また、第1樹脂成分は結晶性を有することが好ましい。結晶性を有する樹脂とは溶融紡糸し通常行われる範囲で延伸した場合、十分な配向と結晶を生成する樹脂を総称し、後に述べる方法で融点を測定すると明確な溶解ピーク温度が測定でき、融点が定義できる樹脂である。第1樹脂成分と第2樹脂成分との好ましい組み合わせとしては、第1樹脂成分をポリプロピレン(PP)とした場合の第2樹脂成分としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレン、エチレンプロピレン共重合体、ポリスチレンなどが挙げられる。また、第1樹脂成分としてポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル系樹脂を用いた場合は、第2成分として、前述した第2樹脂成分の例に加え、ポリプロピレン(PP)、共重合ポリエステルなどが挙げられる。更に、第1樹脂成分としては、ポリアミド系重合体や前述した第1樹脂成分の2種以上の共重合体も挙げられ、また第2樹脂成分としては前述した第2樹脂成分の2種以上の共重合体なども挙げられる。これらは適宜組み合わされる。
第1樹脂成分と第2樹脂成分の特に好ましい組み合わせは、第1樹脂成分がポリプロピレンで、第2樹脂成分がポリエチレン、とりわけ高密度ポリエチレンである組み合わせである。この理由は、両樹脂成分の融点差が20〜40℃の範囲内であるため、不織布を容易に製造できるからである。また繊維の比重が低いため、軽量で且つコストに優れ、低熱量で焼却廃棄できる不織布が得られるからである。更にこの組み合わせを用いることで、熱伸長性複合繊維の熱伸長性も高くなる。この理由は次のように考えられる。上記の熱伸長性複合繊維においては、第1樹脂成分の配向係数が特定の範囲に抑えられ、第2樹脂成分の配向係数が高められている。第2樹脂成分であるポリエチレン、特に高密度ポリエチレンは結晶性が高い。したがって熱伸長性複合繊維を加熱していきその温度がポリエチレンの融点に達するまでは、繊維の熱伸長がポリエチレンによって拘束される。繊維をポリエチレンの融点以上まで加熱すると、ポリエチレンが溶融しはじめ、その拘束が解かれるので、第1樹脂成分であるポリプロピレンの伸長が可能になり、繊維全体が伸長すると考えられる。
ポリプロピレンとポリエチレンの好ましい組み合わせは、次の(1)、特に(2)であることが好ましい。このような組み合わせを採用することで、溶融紡糸時に第2樹脂成分であるポリエチレンが配向しやすくなって、その結晶性が高まり、且つ第1樹脂成分のポリプロピレンが適度な配向となって、繊維の熱伸長性が高くなる。
(1)ポリプロピレンとして、そのメルトフローレート(以下、MFRともいう)が10〜35g/10minで、そのQ値が2.5〜4.0のものを用い、ポリエチレンとして、そのMFRが8〜30g/10minで、そのQ値が4.0〜7.0のものを用いる組み合わせ。
(2)ポリプロピレンとして、そのMFRが12〜30g/10minで、そのQ値が3.0〜3.5のものを用い、ポリエチレンとして、そのMFRが10〜25g/10minで、そのQ値が4.5〜6.0のものを用いる組み合わせ。
ポリプロピレンのMFRは、JISK7210に準じ、温度230℃、荷重2.16kgで測定される。同様に、ポリエチレンのMFRは、JISK7210に準じ、温度190℃、荷重2.16kgで測定される。
第1樹脂成分及び第2樹脂成分の融点は、示差走査型熱分析装置DSC−50(島津社
製)を用い、細かく裁断した繊維試料(サンプル質量2mg)の熱分析を昇温速度10℃/minで行い、各樹脂の融解ピーク温度を測定し、その融解ピーク温度で定義される。
第2樹脂成分の融点がこの方法で明確に測定できない場合は、第2樹脂成分の分子の流動が始まる温度として、繊維の融着点強度が計測できる程度に第2樹脂成分が融着する温度を軟化点とする。
上記の熱伸長性複合繊維における第1樹脂成分と第2樹脂成分との比率(重量比)は10:90〜90:10%、特に30:70〜70:30%であることが好ましい。この範囲内であれば繊維の力学特性が十分となり、実用に耐え得る繊維となる。また融着成分の量が十分となり、繊維どうしの融着が十分となる。熱伸長性複合繊維の太さは、複合繊維の具体的用途に応じて適切な値が選択される。一般的な範囲として1.0〜10dtex、特に1.7〜8dtexであることが、繊維の紡糸性やコスト、カード機通過性、生産性、コスト等の点から好ましい。
熱伸長性繊維については、例えば、特願2005−353780号明細書に記載されたものを用いることができる。
上記の熱伸長性複合繊維はそれ自体が熱融着しうるので、この繊維を用いることで、サーマルボンド不織布、すなわち熱の付与によって繊維どうしが結合(つまり融着)している不織布を容易に得ることができる。不織布製造時の熱の付与によって熱伸長性複合繊維を不織布中で伸長しうる。
図2は図1に示した吸収性物品の凸部4の頂点を通る断面の一部を拡大して模式的に示した部分断面図である。凸部4は、頂点を有し、該頂点を通る凸部断面形状は、アーチ状である。吸収体3は表面シート1の凹凸変形に位置を合わせるように、裏面域に含まれるアーチ状に変形させられた領域により、アーチ状断面を有し、肌当接面に向かった凸頂部3a、凸部の側壁部3b、及び凹部底面3cを形成している。
表面シート1は、吸収体3の凸頂部3a、凸部の側壁部3b、及び凹部底面3cのいずれの位置においても吸収体3に接合された状態で配置されており、吸収体3の凸頂部3aにおいて、表面シート1は押圧されており、更に吸収体3の凸部の側壁部3bから底部3cにかけて、接合された表面シート1の厚み漸次高くなっている。条件によっては、吸収体3の凸頂部3a、凸部の側壁部3b、及び凹部底面3cの内、凹部底面では一部のみ接合された状態となるが、一体化による効果は損なわれず、シートの柔軟性がより良好となる。
本発明においては、特に断らない限り、「凸頂部」とは凸形状をなす部分の頂上周辺の領域をいい、図2でいうと概ね領域11内の部分をいう。「凸部の側壁部」とは凸形状をなす部分の側面もしくは斜面をなす領域をいい、図2でいうと概ね領域12内の部分をいう。「凹部底面」とは複数の凸形状をなす部分に挟まれた谷間をいい、図2でいうと概ね領域13内の部分をいう。また、「凸領域」とは、凸頂部とはそれを囲む凸部の側壁部を合わせた領域であり、図2では14で示される、12〜11〜11からなる領域をいう。また、領域13を「凹領域」ともいう。
また、図示されたように、吸収体3の裏面域3dが縦断面においてアーチ状に変形させられた領域を含み、吸収体3は、凹部底面3cより凸頂部3aの方が繊維が密であること、すなわち圧縮されて厚みが薄くなっていることが好ましい。底部3cの厚みは0.6〜9mmが好ましく、0.6〜8mmがさらに好ましい。凸頂部3aの厚みは0.1〜5mmが好ましく、0.2〜4mmがさらに好ましい。
また表面シート1は、肌当接面側より見た凸領域14より凹領域13の面積率が小さくなっていることが好ましい。ここで、表面シート1の面積率は平面視の拡大写真から、長さ60mm×幅40mmの範囲内における凹領域13の面積を得ることによって測定することができる。凹部13の面積は、画像解析システムによって得ることができる。光源〔サンライト SL−230K2;LPL(株)社製〕、スタンド〔コピースタンドCS−5;LPL(株)社製〕、レンズ〔24mm/F2.8Dニッコールレンズ〕、CCDカメラ〔(HV−37;日立電子(株)社製)Fマウントによるレンズとの接続〕及びビデオボード〔スペクトラ3200;カノープス(株)社製〕を用いて、凹凸部の画像を取り込む。取り込まれた画像の凹領域の部分を、NEXUS社製の画像解析ソフトnew qube(ver.⇒4.20)によって二値化処理し、二値化処理された部分の面積を求める。
凸領域14の表面シート1の面積率は55〜90%が好ましく、55〜70%がさらに好ましい。また、凹領域13の面積率は10〜45%が好ましく、20〜45%がさらに好ましい。
一方、吸収体は、上述したように表面シート1は、肌当接面側より見た凸領域14より凹領域13の面積率が小さくなっていることに加え、裏面シート側より見た凸領域より凹領域の面積率が小さくなっていることが、吸収体の柔軟性の点から好ましい。吸収体における凹部は、表面シートの凸部にあたるため、上述したように表面シート及び吸収体が形成されていると、吸収体の圧縮が適度になされていると判断できる。
吸収体における裏面シート側から見た凸領域14の面積率は55〜90%が好ましく、55〜70%がさらに好ましい。また、凹領域13の面積率は10〜45%が好ましく、20〜45%がさらに好ましい。
本発明においては、装着者の肌に接触する凸部4の頂部の表面が、不織布厚みが薄い密の部分であり、表面に頂部よりもマクロな深い凹部を有し、凹部の不織布厚みが厚い粗の部分とすることで、どっと出た経血等の液体を凹部の表面シート1で素早く捕らえて、吸収体3に移行させ、瞬時に身体から引き離すことができ、ベタつきを少なくすることができる。
このとき、吸収体3として表面シート1より吸収保持力の高いパルプ繊維を用いることで、表面シート1を通過してきた液体を取り込み、逆戻りさせずに確実に保持することができる。
また、吸収体3のパルプ密度の高い部分が頂部とすることで、液体吸収作用を相乗的に高めることができ、一層素早く液体を吸収体内部に移行することができるとともに、形状が安定化する。
また、表面シート1は、凸領域14より凹領域13の面積率を小さくすることで、液体を引き込む力の大きい密度の高い凸領域と肌との面積率を高くすることができるため、素早く肌側の液体を吸収し吸収体3へ液を移行できる。
次に、本発明の吸収性物品の全体構造を、その一実施形態を模式的に示す図3により説明する(これを拡大して2辺を断面により示した斜視図が図1に相当する。)。ただし、本発明の吸収性物品はこの形態に限定して解釈されるものではない。本実施形態の吸収性物品20は、表面シート及び吸収体からなる複合素材21が液不透過性シート2にホットメルト型接着剤による接合手段により接合されている。さらに吸収性物品20の周辺部分においては、表面シート1のみが延出され、液不透過性シート2と熱シール、超音波シール等の接合手段、もしくは、ホットメルト型接着剤の併用により接合されている。また、着用者の排泄部に対向する排泄部対向部(縦横の中央部)を囲むように防漏溝22が形成されている。着用者に当接する表面には、凸部4が多数連設されている。
以下に、本発明の吸収性物品の製造方法の好ましい態様を説明する。ただし、本発明はこれにより限定して解釈されるものではない。
まず、原反ロールから表面シートとなる不織布シート21をくりだす。これとは別の原反ロールから主成分が天然系繊維を解繊して得られたパルプ繊維で形成された吸収体22の方向にくりだす。そして、くりだされた不織布シート31と吸収体32重ね合わせ、図4の模式的な断面図に示されるように、所定のパターンで凹凸成型された、凸部33と凹部34からなる噛み込み方式のエンボスロール上で一体変形し、同時にエンボスロールの凸部33にて不織布シート31と吸収体32を部分的に圧着させる。このとき凸部33のピン状部材が、上方から吸収体32を押し下げるようにして、不織布シート31と吸収体32を部分的に圧着させる。このエンボス加工により吸収体32に圧着された部分の不織布シート31は押厚されて薄くなり、厚密化された状態になる。一方、凸部23のピン状部材に押されなかった部分の不織布シート21は疎な空間を維持できる。
次いで、不織布シート21を熱処理する。
本発明の複合シートにおいては、熱処理を行うことで、複合素材凹部の圧縮を解き嵩高く柔らかな状態にすることができる。このとき不織布シートに前記熱伸長性繊維を用いれば(例えば、特願2005−353780号明細書に開示されたものを用いれば)、より効果的に熱処理による嵩高さを得ることができる。このようにして、吸収性物品に用いられる複合素材(吸収シート)に、優れた液体吸収機能と、柔らかなふんわり感とを与えることができる。なお、上記のようにフィルム状に厚密化された不織布シート21は、このような熱処理により伸長することはなく、密度は高いままである。
本発明の吸収性物品は、上記の方法で得られた不織布シートと吸収体とを一体化した複合素材に、液不透過性シートが積層されて、製造される。このとき液不透過性シートは、吸収体の不織布シートを付されていない側に積層される。また、上記の不織布シートの加熱処理は表面シートを積層する前に限定されるものではなく、表面シートの積層後であってもよく、また複数回行ってもよい。加熱処理の具体的な方法は特に限定されないが、例えばホットエアを吹き付けることで不織布シート全体に熱を供給する方法等が好ましい。
本発明の吸収性物品の好ましい一実施形態の要部断面により示す斜視図である。 図1における吸収体を部分的に拡大して模式的に示した部分断面図である。 本発明の吸収性物品の好ましい一実施形態を模式的に示した平面図である。 本発明の吸収性物品の製造方法の一部の工程を模式的に示した工程説明図である。
符号の説明
1 表面シート
1a 表面シートの凸部の頂点
2 液不透過性シート
3 吸収体
3a 吸収体の凸頂部
3b 吸収体の凸部の側壁部
3c 吸収体の凹部底面
3d 吸収体の裏面
4 凸部
11 凸頂部の領域
12 凸部の側壁部の領域
13 凹領域
14 凸領域
20 吸収性物品
21 複合素材
22 防漏溝
31 不織布シート
32 吸収体
33 噛み込み方式のエンボスロールの凸部
34 噛み込み方式のエンボスロールの凹部

Claims (2)

  1. 肌当接面側に液透過性の表面シートと、非肌当接面側に裏面シートと、該両シートの間に吸収体が配された吸収性物品において、
    前記表面シートは不織布からなり、
    前記吸収体は、パルプ繊維を主成分として含有し、
    前記表面シートと前記吸収体が重ね合わされて、該重ね合わされた表面シートと吸収体が共に裏面シート側から肌当接面側に突出する凸部と底面となる凹部が形成されており、
    前記凸部は頂点を有し、該頂点を通る凸部断面形状は、前記重ね合わされた表面シートと吸収体とが共に前記裏面シートに対してアーチ状をなし
    前記表面シート及び前記吸収体は、前記凸部頂点を含めた凸頂部及び前記凸部側壁部において接合されており、更に、前記凸部の側壁部から凹部底面にかけて、表面シートの厚みが漸次高くなっており、
    前記凸頂部から凹部底面に至る前記吸収体の密度は、前記凹部底面より前記凸頂部の方が繊維が密である吸収性物品。
  2. 前記液透過性表面シートが、熱によって伸長する繊維から構成された不織布であることを特徴とする請求項1記載の吸収性物品。

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