JP6166884B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、複数条のひだで起伏を繰り返す不織布製透液性シートを備えた体液吸収性着用物品が開示されている。前記ひだは、長手方向に筋状に形成され、頂部及び底部の高密度域と、前記頂部と前記底部との間の低密度域とを有する。前記底部が吸収性コアに当接して液を引き込む。
加えて、特許文献3には、表面層から吸収層にかけて押圧された凹部が複数形成され、該凹部において前記表面層及び前記吸収層の繊維が接合された吸収性物品が開示されている。
周面が凹凸形状となっている第1のロールと、該第1のロールの凹凸形状と噛み合い形状となっている凹凸形状を周面に有する第2のロールとの噛み合わせ部に、表面層用シートを搬送、挟持させて、該シートに凹部と凸部を賦形する工程と、前記賦形後の表面層用シートを前記第1ロールの周面に密着させた状態で、該表面層用シートを、前記第1ロールの凸部においてのみ、熱融着繊維を含有する吸収層前駆体に接触させ、前記第1ロールの凸部の熱によって前記接触部分の前記表面層用シートと前記吸収層とを融着する工程と、を有する、表面層と吸収層とを備えた吸収性物品の製造方法を提供する。
図1は本発明の吸収性物品の直交する2切断面で示した斜視図である。本実施形態の吸収性物品は、肌当接面側に配置された液透過性の表面層1、非肌当接面側に配置された液難透過性の防漏層3、及び前記表面層1と前記防漏層3との間に配置された液保持性の吸収層2を有する。
表面層1は、吸収層2の肌当接面側に配される凹凸形状を有するシート体であり、排泄液を吸収層2へと素早く透過させる。表面層1は、排泄された体液を速やかに透過させ、吸収層に伝達する観点と、肌触りのよさの観点から、親水性のエアスルー不織布からなる。防漏層3は、吸収層2の非肌当接面側の全面を覆って接合され、液漏れを防いでいる。防漏層3は、この観点から、液難透過性の部材からなり、例えば、通気性を有し液不透過性の透湿性フィルム等を用いて形成されたシート体である。前記液難透過性とは、液を透過させにくい性質を意味し、防水性、撥水性及び液不透過性を含む。なお、本発明においては、表面層1及び防漏層3は、本実施形態のシート体に限らず、複数の部材を組み合わせたものや厚みに変化を持たせたものなど、種々の態様のものを任意に採用できる。
表面層1は、図1に示すように、肌当接面側及び非肌当接面側が一体的に厚み方向に賦形された複数の凸部11及び凹部12が繰り返す、凹凸形状を有している。凸部11は、肌当接面側から見れば肌当接面側(Z1)方向に突出した表面凸部11aであり、非肌当接面側から見れば非肌当接面側(Z2)から肌当接面側(Z1)へと窪んだ裏面凹部11bである。一方、凹部12は、肌当接面側から見れば非肌当接面側(Z2)に窪んだ表面凹部12aであり、非肌当接面側から見れば肌当接面側(Z1)から非肌当接面側(Z2)へと突出した裏面凸部12bである。
これらの凹部11と凸部12とが、平面視交差する異なる方向(図1におけるX方向、Y方向及びこれらと交差する異なる方向など)に交互に、隣接して周期的に複数配置されている。これにより、表面層1は、図1に示すように、凹凸の周期的な繰り返しを平面方向のほぼ全域に亘って有する形状である。
さらに、表面凸部11aは、肌との接触面積を低減する観点から、表面凹部12aから肌当接面側へと隆起して頂部11tを有するドーム形状であることが好ましい。また、表面凹部12aは、液捕捉性の観点から、その周辺の複数の表面凸部11aから底部頂部12tへと至る窪み形状であることが好ましい。例えば、円錐や円錐台、楕円錐、楕円錐台を逆さにした形状、すり鉢形状ないしお椀形状など凹部の広がりが底部頂部12tへと収束する形状であることが好ましい。
また、表面凸部11aに対応する裏面凹部11bは、複数の接合部5に囲まれた領域で吸収層2と非接合であり、その断面形状が吸収層2に対してアーチ8を形成する。これにより、裏面凹部11bと吸収層2との間には、空間部4が形成されている。つまり、アーチ8とアーチ8とを繋いで平面視分散配置される前記凹部の非肌当接面側(裏面凸部12b)においてのみ、表面層1と吸収層2とが接合されている。
特に、本実施形態の表面層1及び吸収層2を組み込んだ吸収性物品は、複数の頂部11t付近で着用者の肌と接触することとなる。この場合、凸部11は、肌との接触面積を低減する一方で、体圧を直接受けることとなる。この体圧は、厚み方向の押圧(図2の白矢印f1)に限らず、着用者の動きに合わせた多方向からの圧力(図2の白矢印f2、f3)などとして加えられる。この場合でも、凸部11は、接合部5を基礎として、裏面凹部11bにおいて吸収層2に対しアーチ8が維持されつつ、空間部4の存在で表面凸部11aは、吸収層2とは分離して動きやすい(圧縮仕事量が大)。そして、多方向からの力に対しても柔軟に変形し、追従することができる。そのため表面凸部11aが弾けるようにして肌と擦れることが生じ難く、摩擦が少ない。その結果、肌に触れた感じが柔らかく、優しい肌触りとなる。これらのことが、後述の吸収層2の柔らかな風合いと相俟って、吸収性物品の着用感の向上をもたらす。加えて、凸部11は、空間部4の介在により吸収層2と密着せず、液を吸った後の吸収層2のヘタリの影響を受けず形状が維持され易い。
吸収層2は、熱融着繊維25を有する。また、排泄液を吸収保持する部材として親水性繊維を有する。吸収層2は、これらの構成繊維が積繊されてなる積繊体であるが、本実施形態では、積層体を熱処理することにより、熱融着繊維25が構成繊維に対して融着しているシート状吸収体である。本実施形態における吸収層2は、周囲を被覆するコアラップシートを有さず、表面層1及び防漏層3と直接接合固定されている。なお、吸収層2は、高吸水性ポリマーなど他の機能素材を含んでもよい。この場合、本実施形態のシート状吸収体である吸収層2は、高吸水性ポリマー等の粒子が脱落しにくく、また湿潤時の保形性に優れるので、好ましい。
これに対し、熱融着による接合では、凹凸賦形された表面層2の凹部12、特に底部頂部12t付近のみを吸収層2に押し当ててピンポイントに融着接合することができる。また、それ以外の部分で熱融着を生じさせないことが可能となる。そのため、表面層1の凸部11が押し潰されても吸収層2に接合されることはない。これにより領域M2において、凸部11つまり裏面凹部11bのアーチ8が好適に形成され易く、十分な空間部4の確保が可能となる。
また、吸収層2の肌当接面側において、接着剤の塗布と異なり、表面の硬化が接合部5のみと限定的である。しかも、表面層1の凹部12を吸収層2の熱融繊維25とピンポイントで融着させるので、それ以外の領域M2の表面層1及び吸収層2に張力が働き難く繊維は接合部5へ引きつられ難い。つまり、表面層1と吸収層2との接合による剛性が限定的である。これにより、表面層1及び吸収層2全体としても柔らかく、特に凸部11及び空間部4による前述の柔らかなクッション性がより効果的なものとなる。
前述の接合強度の測定方法は、表面層1、吸収層2及び防漏層3の積層部分について幅30mm×長さ50mmで帯状に切り出して試験片とする。後述する所定の前処理を施した後、20℃、65%RHの環境下にて、オリエンテック(株)製のテンシロン引張試験機を用いて、前記試験片の長手方向の端部において、上部チャックに表面層1、下部チャックに吸収層2及び防漏層3をはさむ。その後、剥離速度300mm/分の速さで180°方向に引き剥がし、剥離強度を測定する。測定結果を試験片の幅(mm)で割って、単位幅当り接合強度(N/cm)とする。
また、乾燥状態の接着力は、切り出した試験片をそのまま測定に供し、一方湿潤状態の接着力は、試験片に生理食塩水を5cc流下して十分濡らして1分以上経過後、ペーパータオルを上面(ブロック状吸収部41)側から軽く押し付けて余分な水分を除去して、同様に強度測定を行う。測定はいずれもN=3平均とし、特に湿潤状態の測定は、濡らして1分後直ちに測定に入れるよう工夫する。
この接合部5における繊維間の空間保持は、接着剤による接合ではなく、熱融着性繊維の熱融着性による繊維同士の接合により実現可能である。さらに言えば、フィルム化されない熱融着により実現可能である。つまり、接合部5において、熱融着で繊維間の距離が縮まる、つまり繊維密度が高まるとしても、繊維間の空間がなくなり膜状化しないことが好ましい。これにより、湿潤強度の高い確かな接合と良好な液透過性とが同時に達成され得る。また、確かな接合により、表面層の凹凸形状が維持され凹部の液捕集性が持続する。これがさらに前述の素早い液の透過性と相俟って、肌側での液残りが効果的に抑制される。さらに、接合部5における繊維間空間が保持されることで、フィルム化等に比して、その部分での剛性が適度に緩和されて、物品全体の柔らかさや柔軟性の向上に資する。
吸収層2の切断面を、走査電子顕微鏡を用いて拡大観察(繊維断面が30〜60本計測できる倍率(好ましくは150〜500倍)に調整し、繊維の断面数を測定し、一定面積あたりの前記切断面によって切断されている繊維の断面数を数え、1mm2当たりの繊維の断面数に換算する。次に、得られた拡大画像から各繊維の断面積を測定し、各々の繊維を測定した断面積を有する柱状の構造体と仮定し、1mm3当りの占有体積を算出する。各々の繊維の占有体積にその繊維の比重を乗じて1mm3当りに含まれる全繊維重量を求めることで繊維密度(g/cm3)を算出する。測定は3ヶ所行い、平均してそのサンプルの繊維密度とする。上記走査電子顕微鏡には、日本電子(株)社製のJCM−5100(商品名)を用いることができる。
吸収層2の肌当接面側の繊維とは、肌当接面付近、例えば、接合部5周辺の領域P4(図2参照)の繊維であり、主としてこの部分に多く含まれる熱融着繊維の親水度として規定される。また、吸収層2の非肌当接面側の繊維とは、非肌当接面付近、例えば、領域P5及びP6(図2参照)の繊維であり、主として液保持性の親水性繊維の親水度である。つまり、吸収層2においては、熱融着繊維25と親水繊維との含有量の比率により決められる。なお、表面層1の繊維の親水度と吸収層2の肌当接面側の熱融着繊維の親水度との差は、親水化剤の使い分けによって適宜設定することができる。例えば、親水性の低い非イオン親水化剤等を表面層1の繊維に付着させ、親水性の高い陰イオン親水化剤等を吸収層2の熱融着繊維25に付着させることで親水度に差をつけることができる。
さらに言えば、吸収層2の親水度は、単に肌当接面側の表面と非肌当接面側の表面とにおける高低差のみならず、吸収層2の層厚み内部においても、肌当接面側よりも非肌当接面側の方が相対的に親水度が高いことが好ましい。例えば、領域M1の吸収層2の厚みを3等分(T1,T2,T3)とした場合に、(T1)<(T2)<(T3)と高まる親水度の勾配があることが好ましい。前記勾配とは、連続的に高まる親水度の傾斜のみならず、断続的ないしは多段的にでも肌当接面側から非肌当接面側へと親水性が高められている状態を含む意味である。
このように、表面層1の凹凸形状及び繊維粗密構造、吸収層2の繊維粗密構造及び親水度勾配は、液引き込みの駆動力となって持続する。たとえ高粘性の液(経血やおりものなど)で透過され難い成分を含む場合でも、肌から離れた凹部12に集めて水分のみを引き抜く。そして、残った成分の粘度が高められて凹部12で固定化することができる。これにより、排泄液の肌への付着が生じ難く、肌のベタつきが抑制されて、良好なドライ感を得ることができる。
接合部5は、凹部12の底部頂部12tの配列に一致して形成されている。本実施形態においては、図3−1に示すとおり、接合部5は、表面層1の凸部11の間に等間隔で配置されている。より具体的には、Y方向に等間隔で配置された列をなし、この列がX方向に複数等間隔で規則的に配置されている。そして、個々の接合部5は、いずれもX方向に長い長方向形状である。これにより、肌と接する凸部11の配置を変えることなく、接合部5の面積を広く確保でき好ましい。また周囲の凸部11からすべり落ち底部頂部12tへと集束される液(矢印s1)を吸収層へと透過させる面積をできるだけ広く確保でき好ましい。
通常、接合部5の広い面積の確保は、吸収性物品の剛性を高めかねない。しかし、本実施形態では、前述のとおり、湿潤強度の高い接合部5を繊維間の空間の確保などにより剛性を低減できるため、吸収性物品全体の剛性を抑えて広い面積の確保が可能となる。
この接合部5の長さ(d)は、0.1mm以上が好ましく、0.3mm以上がより好ましい。その上限は、20mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましい。上記下限以上とすることで、表面層と吸収層を確実に熱融着し、着用中に表面層と吸収層が剥離しなくなる。上記上限以下とすることで繊維同士が互いに熱圧着される結合部の硬化による表面層の風合い低下を抑制できる。また、接合部5の幅(e)も上記同様の理由から、0.1mm以上が好ましく、0.3mm以上がより好ましい。その上限は、20mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましい。
さらに、接合部5と重なる表面層1の凹部12の平面配置は、図3−1に示すように、4つの凹部12が1つの凸部11を囲む配置に限らず、凹凸が繰り返す配置を任意に設定できる。例えば、図3−2に示すように、1つの凸部の周囲を6つの凹部12及び接合部5が取り囲む配置などでもよい。この場合、幅方向に隣り合う2つの接合部を1組みとして接合部列の1構成要素とみなし、この構成要素が配置される列を接合部列ととらえることができる。つまり、図3−1における横長の接合部を2つに分割した組み合わせと捉えることができる。また、接合部5自体の平面形状は、円形、三角形、方形、多角形、楕円形、星型等の図形など、接合部としてとり得る形状を任意に採用できる。
また、前述のとおり、接合部5で接着剤を用いず、また繊維の引き攣れが限定的なので、吸収層2の剛性が抑えられ良好なクッション感が得られる。この領域M2における熱融着繊維25は、含有率を前述の領域M1と同様とし、肌当接面側に偏在されていることが好ましい。
空間部4の配置により、表面凸部11aで直接受けた排泄液の一部は、裏面凹部11bにある空間部4に一旦取り込まれ、吸収層2へと引き渡される。空間部4が介在することで、排泄液の排泄量が一度に多量となった場合でも、空間部4が表面層1からの液を一時的に保持して液吸収の調整弁となり得る。そして、空間部4は、親水性繊維等からなる吸収層2とは違って保水力が低い。これにより、液を吸収層2へと素早く引き渡すことができる。このように空間部4は、液の調整弁として一時液を保持しつつもすぐに空間が回復し得るので、多量の排泄の場合のみならず、繰り返しの排泄の場合であっても、十分対応可能である。また、前述のとおり、吸収層2の肌当接面側の表面付近が繊維密度の粗な状態であれば、液透過性に優れ好ましい。
そして、表面凹部12aで捕捉された排泄液の一部は、凸部11と凹部12とを繋ぐ壁部13などを介して、空間部4へと素早く透過される。また同時に、接合部5ないし繊維圧密融着部24周辺の繊維密度が高められた領域から積極的に引き抜かれる。
さらに、空間部4による液吸収性能の向上の観点から、凸部11の高さ(h6)とアーチ8の高さ(h7)との比率(h7/h6)は、9/10以上が好ましく、4/5以上がより好ましい。一方、優れたクッション性の凸部11の形状維持の観点から、1/10以下が好ましく、1/5以下がより好ましい。
なお、図2に示すように、凸部11の高さ(h6)は、接合部5における凹部12の非肌当接面側(裏面凸部12b)から凸部11の頂部11aまでの高さである。また、アーチ8の高さ(h7)は、同じく裏面凸部12bから裏面凹部11bの最も肌当接面側へと窪んだ部分までの高さである。さらに、凸部11の底面積は、凸部11を囲む裏面凸部12bにおける接合部5で確定されるその内側の領域の広さである。
図5は本発明の製造方法について、その工程の一部を模式的に示す工程説明図である。まず、原反ロール(図示せず)から表面層用シートである上層(不織布シート)42を矢印49aの方向に繰り出す。これとは別の原反ロール(図示せず)から吸収層前駆体である下層(繊維の積繊体)43を矢印49eの方向に繰り出す。下層43は、吸収層となるべく、熱融着性が発現する前の熱融着性繊維250と親水性繊維等とを積繊してなる。なお、下層43は、製造工程において搬送される前に、軽くプレスして上層42との接合面を平らに均しておくことが、後述の空間部4を良好に形成するために好ましい。
第1ロール401における各歯車の歯溝部には吸引孔403が形成されている。この歯溝部は、第1ロール401の周面における凹凸形状のうちの凹部に相当するものである。吸引孔403は、ブロワや真空ポンプなどの吸引源(図示せず)に通じ、図6に示すように、第1ロール401(回転方向:矢印49c)と第2ロール402(回転方向:矢印49b)との噛み合い部45から上層42と下層43との合流部46まで吸引されるように制御されている。したがって、第1ロールと第2ロールとの噛み合いによって凹凸賦形された上層42は、吸引孔403による吸引力によって第1ロール401周面に密着し、その凹凸賦形された状態が保持される。この場合、図8に示すように、隣り合う歯車間に所定の空隙Gを設けておくと、上層42に無理な伸長力や、ロールの凹凸噛み合いによる切断効果を加えることなく上層42を第1ロール401の周面に密着させられる。空隙Gは歯車の全歯たけや上層42の坪量にもよるが、上層42に破断や損傷を与えることなく密着を行うことができるため、0.1〜50mmが好ましく、0.1〜5mm程度がより好ましい。
また、本実施形態においては、上層42及び下層43の接合工程と、下層43における繊維圧密融着部24の形成工程とを、1回の工程で行う。つまり、第1ロール401の凸部51による圧着だけで、必要な個所に対し好適に加熱できる。これにより、工程数の増加による煩雑さや、余計な繊維融着を防止でき、上層42及び下層43の風合いを阻害しない。この点において本実施形態の製造方法は好ましい。
このようにして、本発明の製造方法によれば、吸収性物品に用いられる複合素材に、優れた液体吸収機能と、柔らかなふんわり感とを与えることができる。具体的には例えば、図1に示した実施形態のような優れた機能を発揮しうる吸収性物品を連続した工程で効率的に製造することができる。
本実施形態のように吸収層をシート状吸収体とする場合、親水性繊維がパルプ繊維からなるエアレイド吸収体であることが、湿潤時の保形性や圧力下での液吸収速度の観点から好ましい。
<3>前記表面層の繊維、前記吸収層の肌当接面側の繊維、該吸収層の非肌当接面側の繊維の順に親水度が高くなっている<1>又は<2>記載の吸収性物品。
<4>前記接合部において、前記表面層及び前記吸収層の構成繊維がともに繊維間空間を保持している<1>〜<3>の何れか1に記載の吸収性物品。
<5>前記表面層において、前記凸部の肌当接面側は頂部を有するドーム形状であり、前記凹部の肌当接面側は該凹部を囲む複数の前記凸部から底部頂部へと至る窪み形状である<1>〜<4>の何れか1に記載の吸収性物品。
<6>前記表面層の凸部は、アーチの高さが0.9〜8mmで、底面積が4〜900mm2であり、前記個々の接合部は、長方形状で、その長手方向をいずれも吸収性物品の幅方向又は長手方向に揃えて配しており、該長方形状の長さが0.1〜20mmで、幅が0.1〜20mmである<1>〜<5>の何れか1に記載の吸収性物品。
<7>前記表面層と前記吸収層との接合部は、前記吸収性物品の長手方向に等間隔で配置された列をなし、該列が幅方向に複数列配置されており、前記接合部の列は隣り合う列と半ピッチずれた配置とされている<1>〜<6>の何れか1に記載の吸収性物品。
<8>前記接合部の直下に、熱融着繊維と親水性繊維の交絡部が熱融着された繊維圧密融着部が存在する、<1>〜<7>の何れか1に記載の吸収性物品。
<9>前記接合部は長方形形状である<1>〜<8>の何れか1に記載の吸収性物品。
<10>前記吸収層は、構成繊維である熱融着繊維に親水性繊維が融着接合されてなるシート体である<1>〜<9>の何れか1に記載の吸収性物品。
<11>前記シート体は、前記親水性繊維がパルプ繊維からなるエアレイド吸収体である<10>記載の吸収性物品。
<11>前記凸部の高さと前記アーチの高さとの比(前者/後者)が9/10以上、4/5以下である<1>〜<10>の何れか1に記載の吸収性物品。
<12>前記吸収層が熱収縮性繊維を含まない<1>〜<11>の何れか1に記載の吸収性物品。
<13>前記吸収層に、高吸水性ポリマーが含有されている<1>〜<12>の何れか1に記載の吸収性物品。
<14>前記表面層には親水化処理された熱可塑性樹脂繊維で、かつ該繊維が立体捲縮がなされた繊維が含まれて構成される、<1>〜<13>の何れか1に記載の吸収性物品。
<15>前記吸収性物品がパンティライナーである<1>〜<14>の何れか1に記載の吸収性物品。
<16>周面が凹凸形状となっている第1のロールと、該第1のロールの凹凸形状と噛み合い形状となっている凹凸形状を周面に有する第2のロールとの噛み合わせ部に、表面層用シートを搬送、挟持させて、該シートに凹部と凸部を賦形する工程と、
前記賦形後の表面層用シートを前記第1ロールの周面に密着させた状態で、該表面層用シートを、前記第1ロールの凸部においてのみ、熱融着繊維を含有する吸収層前駆体に接触させ、前記第1ロールの凸部の熱によって前記接触部分の前記表面層用シートと前記吸収層とを融着する工程と、を有する、表面層と吸収層とを備えた吸収性物品の製造方法。
<17>前記第1のロールの凸部分を前記吸収層前駆体の表面から一定深さまでくい込ませて、前記表面層用シートの前記凸部が吸収層前駆体の表面から一定深さの位置で接触するようにする<16>記載の製造方法。
11 凸部
11t 凸部の頂部
11a 表面凸部
11b 裏面凹部
12 凹部
12t 凹部の底部頂部
12a 表面凹部
12b 裏面凸部
13 壁部
2 吸収層(繊維の積繊体)
25 熱融着繊維
250 熱融着性繊維
23 繊維融着部(領域M2において)
24 繊維圧密融着部(領域M1において)
3 防漏層
4 空間部
5 接合部
8 アーチ
41 複合シート
42 上層(表面層用シート)
43 下層(吸収層前駆体)
401 第1ロール(エンボスロール)
402 第2ロール(噛み合いロール)
403 吸引孔
404 アンビルロール
51 第1ロールの凸部
52 第1ロールの凹部
Claims (5)
- 肌当接面側に配置された液透過性の表面層、非肌当接面側に配置された液難透過性の防漏層、及び前記表面層と前記防漏層との間に配置された液保持性の吸収層を有する吸収性物品であって、
前記吸収層は、熱融着繊維と親水性繊維とを有し、前記熱融着繊維が前記吸収層の肌当接面側に偏在しており、該熱融着繊維の繊度が1.2dtex以上7dtex以下であり、
前記表面層は、肌当接面側及び非肌当接面側を一体的に厚み方向に賦形させた複数の凸部及び凹部を有し、該凸部及び凹部が平面視交差する異なる方向において交互に隣接して配されて凹凸形状をなし、前記表面層の凸部の非肌当接面側はアーチをなし、前記吸収層との間に空間部が配されており、前記アーチとこれに隣接するアーチを繋いで平面視分散配置された前記凹部の非肌当接面側においてのみ、前記吸収層との接合部が配設されており、
前記接合部においては、前記熱融着繊維の熱融着性により前記表面層と前記吸収層とが融着固定されており、前記表面層は、前記凸部の頂部から前記凹部へ向かって繊維密度が高くなっており、
前記接合部において、前記表面層及び前記吸収層がともに繊維間空間を保持している吸収性物品。 - 前記表面層の繊維、前記吸収層の肌当接面側の繊維、該吸収層の非肌当接面側の繊維の順に親水度が高くなっている請求項1記載の吸収性物品。
- 前記表面層において、前記凸部の肌当接面側は頂部を有するドーム形状であり、前記凹部の肌当接面側は該凹部を囲む複数の前記凸部から底部頂部へと至る窪み形状である請求項1又は2記載の吸収性物品。
- 前記表面層と前記吸収層との接合部は、前記吸収性物品の長手方向に等間隔で配置された列をなし、該列が幅方向に複数列配置されており、前記接合部の列は隣り合う列と半ピッチずれた配置とされている請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記吸収層は、構成繊維である熱融着繊維に親水性繊維が融着接合されてなるシート体である請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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