JP2004275286A - 超音波診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】超音波診断装置の挿入部が真っ直ぐな状態においても、湾曲した状態においても、超音波トランスデューサの位置を常に固定する。
【解決手段】フレキシブルシャフト23と接続される回転支持基台22が超音波挿入部11の基端側に向かって移動することを規制する係止リング35を設け、フレキシブルシャフト23に固着される回転筒26が超音波挿入部11の先端側に向かって移動することを規制するために、固定された保持筒27に回転筒26を連結し、保持筒27と係止リング35との距離はフレキシブルシャフト23の自然長よりも長く構成する。フレキシブルシャフト23の内部に挿通されるケーブル24は所定の長さの余長を持たせ、回転電極28側に引っ張る方向に付勢される伸縮可能部24aを設ける。
【選択図】 図5
【解決手段】フレキシブルシャフト23と接続される回転支持基台22が超音波挿入部11の基端側に向かって移動することを規制する係止リング35を設け、フレキシブルシャフト23に固着される回転筒26が超音波挿入部11の先端側に向かって移動することを規制するために、固定された保持筒27に回転筒26を連結し、保持筒27と係止リング35との距離はフレキシブルシャフト23の自然長よりも長く構成する。フレキシブルシャフト23の内部に挿通されるケーブル24は所定の長さの余長を持たせ、回転電極28側に引っ張る方向に付勢される伸縮可能部24aを設ける。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、体内に挿入して、超音波走査を行う超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の超音波診断装置は、体内に挿入される挿入部の先端に超音波トランスデューサを設けて、この超音波トランスデューサを回転方向または直線方向に移動して操作することにより体内の診断を行う。この種の超音波診断装置は、直接または内視鏡をガイドとして体腔内に挿入される挿入部と、この挿入部を操作する操作部とから構成され、これら挿入部と操作部とは一体もしくは別個の部材で形成される。挿入部は体腔内に挿入されることから、可撓性チューブからなる軟性部材で構成され、挿入部の先端には、超音波トランスデューサを保護するために音響特性に優れた可撓性のキャップ等を装着することにより閉塞した状態にする。
【0003】
体腔内をラジアル走査する場合、挿入部の先端に設けられた超音波トランスデューサを回転駆動させる必要がある。超音波トランスデューサを回転駆動させるためには、超音波トランスデューサを回転支持基台に装着し、さらに回転支持基台を回転伝達部材に連結する。これにより、超音波トランスデューサを回転駆動させることができる。操作部と挿入部が一体に形成されている場合は、回転伝達部材は、操作部内にあるモータなどの駆動装置に直接接続される。また、操作部と挿入部が別部材で形成されている場合は、回転伝達部材は操作部の基端部にまで延在させ、カップリング部に連結させる。このカップリング部を操作部における駆動装置に着脱可能に接続させる。これにより、超音波トランスデューサを回転駆動させることができる。
【0004】
一方、体腔内をリニア走査する場合は、超音波トランスデューサを回転駆動させる必要はないが、超音波トランスデューサの方向を制御するために、回転伝達部材を設ける必要がある。
【0005】
上述した挿入部は、可撓性チューブ等からなる軟性部材と、この軟性部材の内部に回転伝達部材が設けられている構造になっている。回転伝達部材を円滑に回転させるために、軟性部材と回転伝達部材との間にある程度の隙間を設けるようにしている。例えば、挿入部がループ状に湾曲すると、上述したように、軟性部材と回転伝達部材との間には、ある程度の隙間が設けられているため、回転伝達部材は軟性部材の内側に向かって偏って当接することになる。このように回転伝達部材が軟性部材の内側に偏って当接すると、回転伝達部材の先端に設けられた超音波トランスデューサの位置が軸線方向に変化することになる。このとき、超音波トランスデューサは、軟性部材から突出する方向に変位するため、超音波トランスデューサが軟性部材の先端に押し付けられて、円滑に回転しないことがある。超音波トランスデューサが円滑に回転しないと、正確な超音波走査を行うことが困難になる。
【0006】
そこで、挿入部が湾曲した場合でも、超音波トランスデューサと軟性部材の先端とが接触しないようにするために、超音波トランスデューサと軟性部材の先端との間に予め隙間を設ける必要がある。挿入部は、検査を行う部位によっても異なるが、通常、1m乃至2.5mという長さを持つため、挿入部が湾曲したときに超音波トランスデューサと軟性部材の先端とが接触しないようにするために、10mm乃至数10mm程度は隙間を設ける必要がある。
【0007】
ところが、上述したように、超音波トランスデューサと軟性部材との間にある程度の隙間を設けると、体腔内壁の立ち上がった部位を走査する際に、超音波トランスデューサのある位置よりも先端の部分を走査することができないという問題が発生する。また、内視鏡の処置具挿通チャンネルをガイドとして体腔内に挿入する場合、超音波トランスデューサを測定する部位に対面させるが、内視鏡観察機構により確認できるのは軟性部材の外形のみであるので、軟性部材の内部に位置する超音波トランスデューサの位置を確認するのは困難である。
【0008】
上述した問題を解決するために、例えば、回転伝達部材をフレキシブルシャフトで構成し、このフレキシブルシャフトに引っ張り力を作用させた状態で軟性部材内に装着するように構成したものは、従来から知られている(例えば、特許文献1参照。)。このとき、フレキシブルシャフトには常に収縮する力が作用するが、軟性部材とその先端部に装着する先端キャップとの間に係止リングを連結することにより、超音波トランスデューサを支持する支持基台の位置は常に固定される。また、挿入部が湾曲したときには、軟性部材の内部にあるフレキシブルシャフトは湾曲した軟性部材の内側に沿うような位置に変位するため、フレキシブルシャフトには収縮する力が働くが、係止リングによりフレキシブルシャフトが実際に収縮することは無い。このような構成を採ることにより、挿入部が真っ直ぐな状態および湾曲した状態、いずれの状態においても、超音波トランスデューサの位置を常に固定する。
【0009】
【特許文献1】
特許第3248344号公報(第4−5頁、第4図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フレキシブルシャフトの内部には、超音波トランスデューサに接続されるケーブルが挿通されている。上述したように、フレキシブルシャフトは予めある程度引っ張られた状態で軟性部材内に装着されるため、フレキシブルシャフト内のケーブルも同様に、予めある程度の余長部分を持っている。従って、フレキシブルシャフトが湾曲すると、内部のケーブルは湾曲したフレキシブルシャフトの内側に偏って当接するため、ケーブルはフレキシブルシャフトから突出する状態になる。そして、繰り返し湾曲すると、ケーブルがフレキシブルシャフト内に手繰り寄せられて、フレキシブルシャフト内でジャミングして戻らなくなることがある。この状態でフレキシブルシャフトの先端側の部分が湾曲すると、ケーブルがフレキシブルシャフトから突出する方向に変位して、ケーブルの先端に接続される超音波トランスデューサに対して押し上げる力が働く。この押し上げる力により、超音波トランスデューサが先端方向に移動してしまい、正確な超音波走査ができなくなることがある。
【0011】
本発明の目的は、ケーブル自身の形状に伸縮性を持たせることにより、挿入部が湾曲した場合でも、超音波トランスデューサの位置を常に固定することができる超音波診断装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、先端キャップに軟性チューブを連結して設け、他端が固定側部材に連結した挿入部と、前記先端キャップ内に配設され、回転支持基台に装着した超音波トランスデューサと、この超音波トランスデューサを回転駆動するために、密着コイルからなり、その一端が前記回転支持基台に連結され、他端が回転筒に連結されたフレキシブルシャフトと、前記フレキシブルシャフト内を挿通するケーブルとを備えた体腔内挿入型超音波診断装置において、前記先端キャップと軟性チューブとの間に係止リングを設け、前記ケーブルは、回転筒と回転電極との間の区間においてバネ形状に形成され、前記バネ形状に形成された前記ケーブルは、前記挿入部が最も湾曲したときにおいてもその長さが自然長よりも長くなるように形成され、前記ケーブルの先端に設けられた前記支持基台と前記係止リングとは常に当接するように構成することを特徴とする体内挿入型超音波診断装置を提供することにある。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
【0014】
A.本発明の第一の実施形態
図1は、本発明における超音波診断装置を内視鏡に挿通させた図である。図1において、1は内視鏡全体を示す。内視鏡1は、本体操作部2と内視鏡挿入部3とを連設して構成され、内視鏡挿入部3の先端部3cには照明窓4および観察窓5からなる内視鏡観察手段が装着されている。内視鏡挿入部3には処置具挿通チャンネル6が挿通され、この処置具挿通チャンネル6は内視鏡挿入部3の先端部3cにおいて処置具導出口6aとして開口している。
【0015】
10は超音波診断装置であり、この超音波診断装置10は超音波挿入部11と操作部12とから構成され、超音波挿入部11は操作部12に着脱可能に装着される。さらに、操作部12には、図示しない超音波観測装置がコード13を介して接続される。超音波挿入部11は処置具挿通チャンネル6に挿通され、一端が操作部12に接続され、他端は開口している処置具導出口6aから突出される。
【0016】
次に、図2に超音波挿入部11の構成を示す。超音波挿入部11は、その大部分が電気絶縁性の良い樹脂材からなる軟性チューブ20からなり、この軟性チューブ20の先端には、音響特性に優れ、かつ保形性の良好な先端キャップ20aが装着されている。このように先端が閉塞された超音波挿入部11の先端キャップ20a内部には、超音波走査を行う超音波トランスデューサ21が回転支持基台22により支持されている。この回転支持基台22には、超音波トランスデューサ21を回転駆動させるためのフレキシブルシャフト23が接続されている。このフレキシブルシャフト23は、金属線材を密巻き螺旋状に巻回した密着コイルにより構成され、この密着コイルは2重に設けられている。外側の密着コイルの巻回方向と内側の密着コイルの巻回方向とは相互に反対の向きになっており、これによってフレキシブルシャフト23の基端部を左右いずれの方向に回転させても、その回転力を確実に先端部分にまで伝達させることができる。また、フレキシブルシャフト23内にはケーブル24が挿通されており、一端が超音波トランスデューサ21に接続されている。なお、上述したフレキシブルシャフト23を構成する密着コイルは2重のものに限られず、1重であっても多重であってもよい。
【0017】
超音波挿入部11の基端部は、操作部12と接続するためのコネクタ25により構成される。このコネクタ25は、回転筒26、保持筒27および回転電極28からなる回転側部材と、スリーブ29、連結筒31、外筒30およびゴムスリーブ32からなる固定側部材とから構成される。このうち、回転側部材である回転筒26はフレキシブルシャフト23に固着され、保持筒27に連結される。さらに保持筒27にはケーブル24に接続される回転電極を挟み込むようにして接続される。一方、固定側部材であるスリーブ29は一端で軟性チューブ20に連結され、他端で外筒30に螺挿された連結筒31に固着して設けられる。また、連結筒31には折れ止め用のゴムスリーブ32が嵌合されて固着されており、軟性チューブ20の基端側の部位をゴムスリーブ32に囲繞させるようにしている。
【0018】
超音波挿入部11の先端側を図3に示す。図3において、軟性チューブ20にキャップ20a側の先端に第1のストッパ手段として係止リング35を介在させる。ここで、この係止リング35の内径は回転支持基台22の外径よりも小さく形成する。また、フレキシブルシャフト23の長さを自然長よりも引き伸ばした状態で回転支持基台22に接続し、この回転支持基台22を係止リング35に当接させた状態にする。なお、本実施形態では、軟性チューブ20にキャップ20aを装着しているが、軟性チューブ20とキャップ20aを一体物として形成してもよい。
【0019】
また、本実施形態において、超音波挿入部11の先端側の規制手段として、回転支持基台22が超音波挿入部11の基端側へ移動することを抑制する第1のストッパ手段を設けたが、さらに超音波挿入部11の基端側の規制手段として、フレキシブルシャフト23が固着される回転筒が先端側へ移動することを抑制する第2のストッパ手段を設ける。すなわち、本実施の形態において、第1のストッパ手段は、回転支持基台22が基端側に移動することを抑制する係止リング35であり、第2のストッパ手段は、フレキシブルシャフト23が固着される回転筒26の端面26aと連結筒31の端面31aとの摺接部である。
【0020】
次に、超音波挿入部11に着脱可能に接続される操作部12について図4を用いて説明する。図4に示されるように、操作部12はハウジング40を有して構成され、このハウジング40には、超音波挿入部11のコネクタ25に接続される接続部41が設けられる。接続部41は超音波挿入部11の外筒30を回転不能に受承するためのものであって、この接続部41内には回転電極28が着脱可能に接続される回転体42が臨んでいる。超音波挿入部11の回転電極28と回転電極42とが接続されると、回転電極28の電極28aおよび電極部28bが回転体42に設けた図示しない電極とそれぞれ電気的に接続される。そして、回転体42を回転させると、回転電極28は確実に追従回転する。このように確実に追従回転させるために、例えば、回転体42の周胴部に面取りを施すようになし、回転電極28には、この面取り部に当接する回転規制部を設ける等によって、両者の相対回転を防止する機構を介在させる。回転体42は、軸受43によって回転自在に支承されており、その他端は流体接点、ブラシ接点、スリップリング等を介して固定ソケット44に連結されている。また、この固定ソケット44にはコード13内に挿通したコードケーブル45が接続されている。これによって超音波挿入部11の先端に位置する超音波トランスデューサ21は、ケーブル24、回転電極28、回転体42および固定ソケット44を介して非回転状態となっているコード13内のコードケーブル45に電気的に接続される。
【0021】
また、ハウジング40内には、超音波挿入部11内のフレキシブルシャフト23を回転駆動させるためのモータ46およびエンコーダ47が設けられ、回転電極28が接続される回転体42には、2個のプーリ48、49が設けられている。そして、モータ46の出力部46aとプーリ48との間およびエンコーダ47の入力部47aとプーリ49との間には、それぞれ動力伝達ベルト50、51が巻回して設けられている。従って、モータ46を作動させると、回転体42が回転し、回転時の回転角はエンコーダ47により検出される。
【0022】
さらに、操作部12は、処置具挿通チャンネル6の入口部6bに着脱可能に接続されるようになっている。操作部12を着脱可能に接続するために、操作部12には入口部6bに挿嵌される取付部52が設けられており、この取付部52内には超音波挿入部11の軟性チューブ20の通路である挿通路52aが形成されている。従って、取付部52を処置具挿通チャンネル6の入口部6bに挿嵌することによって、操作部12を固定できる。しかも、この状態で超音波挿入部11を挿通路52aに沿って適宜抜き差しすることによって、超音波挿入部11の先端部分の処置具導出口6aからの突出長さを調整できるようになっている。
【0023】
以上のように構成される超音波診断装置を用いて超音波走査を行う方法について説明する。
【0024】
最初に、内視鏡1の内視鏡挿入部3を体腔内に挿入し、超音波診断装置10の超音波挿入部11を処置具挿通チャンネル6に挿入する。次に、超音波診断装置10の超音波挿入部11が接続されている操作部12の取付部52を入口部6bに固定する。その後、超音波診断を行う部位に内視鏡1の挿入部3の先端部3cが位置すると、超音波診断装置10の超音波挿入部11を処置具導出口6aから所定の長さ突出させる。このように、超音波挿入部11が処置具導出口6aから所定の長さ突出すると、超音波挿入部11の先端内部に位置する超音波トランスデューサ21を作動させて、超音波診断画像を取得する。
【0025】
ところで、超音波診断装置10でラジアル走査を行う場合、超音波トランスデューサ21を回転駆動しなくてはならない。超音波トランスデューサ21を回転駆動させるために、操作者はモータ46を回転駆動させる操作を行う。モータ46が回転駆動すると、回転体42が回転駆動する。このように、回転体42が回転駆動すると、その回転力が回転電極28、回転筒26、保持筒27およびフレキシブルシャフト23を介して超音波トランスデューサ21を支持する支持基台22に伝達する。このとき、軟性チューブ20内に潤滑機能を持った超音波伝達部材を封入しておくと、フレキシブルシャフト23と軟性チューブ20の内面との摺動摩擦を低減することができ、より円滑に回転させることができる。
【0026】
このように回転される超音波トランスデューサ21は、所定回転角毎に超音波トランスデューサ21から先端キャップ20aを介して超音波パルスを体内に向けて送信する。超音波トランスデューサ21から発せられるエコーは、体内における組織断層部において反射し、この反射エコーを超音波トランスデューサ21で受信する。この受信信号をケーブル24、回転電極28、回転体42、固定ソケット44およびケーブル45を介して超音波観測装置に伝送する。このように伝送された信号は、超音波観測装置において所定の信号処理がされた後に、モニタにその超音波画像が表示される。
【0027】
以上のように、超音波トランスデューサ21を回転駆動させることにより、超音波走査を行うが、上述したように、軟性チューブ20内における超音波トランスデューサ21の軸線方向の位置は常に一定であり、変位しないことが望ましい。本発明においては、超音波挿入部11が湾曲したときに、回転支持基台22が前進する方向に押す力の発生を防止するために、フレキシブルシャフト23内に張力を持たせる。そして、回転支持基台22を係止リング35に押圧するようにし、且つフレキシブルシャフト23を伸縮可能とし、伸張する状態に保持させている。フレキシブルシャフト23内に挿通されているケーブル24にバネのような弾性を持たせている。
【0028】
図5は超音波挿入部11のコネクタ25付近の構成を示した図である。図5において、回転電極28は、シールド接続部28aと絶縁部28bと電極接続部28cとから構成される。フレキシブルシャフト23の内部を挿通するケーブル24は、回転筒26から出た後に回転電極28のシールド接続部28aおよび電極接続部28cに接続される。このとき、ケーブル24は、図5のように、回転筒26を出てから回転電極28に達するまでの区間において、ケーブル24に所定の長さの余長部分を設け、軸線方向に伸縮可能とするためにバネ形状とした伸縮可能部24aを形成する。ここで、所定の長さとは、超音波挿入部11が真っ直ぐな状態においても、湾曲した状態においても常に引っ張り力が作用するように形成する。すなわち、超音波挿入部11が最も湾曲したときにおいても、ケーブル24の伸縮可能部24aの部分は自然長よりも長く形成される。
【0029】
このようにケーブル24に常に引っ張り力が作用するように形成すると、ケーブル24は常に収縮しようとするが、上述したように超音波挿入部11の先端部分には係止リング35が設けられているため、ケーブル24の収縮力が規制される。以上のように伸縮可能部24aを設けることにより、ケーブル24には常に引っ張り力が作用するように形成し、この引っ張り力は係止リング35で抑制され、超音波トランスデューサ21を支持する支持基台22を常に係止リング35に当接する位置に固定することができる。例えば、超音波挿入部11が真っ直ぐな状態のときには、上述したようにケーブル24には引っ張り力が作用し、また係止リング35が設けられているので、支持基台22は係止リング35に当接する位置に固定される。一方、超音波挿入部11が湾曲したときには、ケーブル24がフレキシブルシャフト23内で湾曲した方向の内側に偏ると、ケーブル24の先端部分はフレキシブルシャフト23から突出しようとする。しかしながら、上述したように、ケーブル24の伸縮可能部24aには湾曲したときにおいても引っ張り力が作用し、またフレキシブルシャフト23も張力が作用した状態に保持されるため、回転支持基台22は係止リング35に当接する位置に固定される。これにより、超音波走査を行う際に、超音波トランスデューサ21は安定的に保護される。さらに、伸縮可能部24を設けることにより、ケーブル24に無理な張力が作用して断線する恐れも無い。
【0030】
以上のように、ケーブル24に常に引っ張り力が働くようにバネ状に形成する一方、係止リング35を設けることにより、超音波挿入部11が湾曲したときにケーブル24が超音波トランスデューサ21を支持する支持基台22を押し上げることが防止できる。
【0031】
B.本発明の第2の実施形態
次に、図6を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。
【0032】
本発明の第2の実施形態では、第1の実施形態における伸縮可能部24aをバネ241、バネ受け242および余長部243で構成したものである。図6に示されるように、バネ241の先端にはバネ受け242が接続され、このバネ受け242にケーブル24が固着されている。このとき、バネ241は復元力が働くように予め収縮した状態にし、ケーブル24には余長部分である余長部243を持たせる。このように構成することにより、ケーブル24に常に引っ張り力を作用させることができる。
【0033】
また、本発明の第1の実施形態および第2の実施形態では、係止リング35を軟性チューブ20と先端キャップ20aとの間に設けたが、これに限られず、例えば、軟性チューブの外側に締め付け部材を設けてもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したよう、本発明では、挿入部が真っ直ぐな状態においても、湾曲にした状態においても、常に超音波トランスデューサの位置を固定することができ、安定した超音波走査を行うことができ、かつ超音波トランスデューサに接続したケーブルに無理な張力が作用することにより断線する恐れもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における超音波診断装置を内視鏡に挿通させた状態を示す説明図である。
【図2】本発明における超音波診断装置の断面図である。
【図3】本発明における超音波診断装置の先端付近における拡大断面図である。
【図4】本発明における操作部の断面図である。
【図5】本発明における超音波診断装置の基端側における一例を示す拡大断面図である。
【図6】本発明における超音波診断装置の基端側における他の例を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 内視鏡
6 処置具挿通チャンネル
10 超音波診断装置
11 超音波挿入部
12 操作部
20 軟性チューブ
20a 先端キャップ
21 超音波トランスデューサ
22 回転支持基台
23 フレキシブルシャフト
24 ケーブル
24a 伸縮可能部
25 コネクタ
26 回転筒
27 保持筒
28 回転電極
35 係止リング
42 回転体
241 バネ
242 バネ受け
243 余長部
【発明の属する技術分野】
本発明は、体内に挿入して、超音波走査を行う超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の超音波診断装置は、体内に挿入される挿入部の先端に超音波トランスデューサを設けて、この超音波トランスデューサを回転方向または直線方向に移動して操作することにより体内の診断を行う。この種の超音波診断装置は、直接または内視鏡をガイドとして体腔内に挿入される挿入部と、この挿入部を操作する操作部とから構成され、これら挿入部と操作部とは一体もしくは別個の部材で形成される。挿入部は体腔内に挿入されることから、可撓性チューブからなる軟性部材で構成され、挿入部の先端には、超音波トランスデューサを保護するために音響特性に優れた可撓性のキャップ等を装着することにより閉塞した状態にする。
【0003】
体腔内をラジアル走査する場合、挿入部の先端に設けられた超音波トランスデューサを回転駆動させる必要がある。超音波トランスデューサを回転駆動させるためには、超音波トランスデューサを回転支持基台に装着し、さらに回転支持基台を回転伝達部材に連結する。これにより、超音波トランスデューサを回転駆動させることができる。操作部と挿入部が一体に形成されている場合は、回転伝達部材は、操作部内にあるモータなどの駆動装置に直接接続される。また、操作部と挿入部が別部材で形成されている場合は、回転伝達部材は操作部の基端部にまで延在させ、カップリング部に連結させる。このカップリング部を操作部における駆動装置に着脱可能に接続させる。これにより、超音波トランスデューサを回転駆動させることができる。
【0004】
一方、体腔内をリニア走査する場合は、超音波トランスデューサを回転駆動させる必要はないが、超音波トランスデューサの方向を制御するために、回転伝達部材を設ける必要がある。
【0005】
上述した挿入部は、可撓性チューブ等からなる軟性部材と、この軟性部材の内部に回転伝達部材が設けられている構造になっている。回転伝達部材を円滑に回転させるために、軟性部材と回転伝達部材との間にある程度の隙間を設けるようにしている。例えば、挿入部がループ状に湾曲すると、上述したように、軟性部材と回転伝達部材との間には、ある程度の隙間が設けられているため、回転伝達部材は軟性部材の内側に向かって偏って当接することになる。このように回転伝達部材が軟性部材の内側に偏って当接すると、回転伝達部材の先端に設けられた超音波トランスデューサの位置が軸線方向に変化することになる。このとき、超音波トランスデューサは、軟性部材から突出する方向に変位するため、超音波トランスデューサが軟性部材の先端に押し付けられて、円滑に回転しないことがある。超音波トランスデューサが円滑に回転しないと、正確な超音波走査を行うことが困難になる。
【0006】
そこで、挿入部が湾曲した場合でも、超音波トランスデューサと軟性部材の先端とが接触しないようにするために、超音波トランスデューサと軟性部材の先端との間に予め隙間を設ける必要がある。挿入部は、検査を行う部位によっても異なるが、通常、1m乃至2.5mという長さを持つため、挿入部が湾曲したときに超音波トランスデューサと軟性部材の先端とが接触しないようにするために、10mm乃至数10mm程度は隙間を設ける必要がある。
【0007】
ところが、上述したように、超音波トランスデューサと軟性部材との間にある程度の隙間を設けると、体腔内壁の立ち上がった部位を走査する際に、超音波トランスデューサのある位置よりも先端の部分を走査することができないという問題が発生する。また、内視鏡の処置具挿通チャンネルをガイドとして体腔内に挿入する場合、超音波トランスデューサを測定する部位に対面させるが、内視鏡観察機構により確認できるのは軟性部材の外形のみであるので、軟性部材の内部に位置する超音波トランスデューサの位置を確認するのは困難である。
【0008】
上述した問題を解決するために、例えば、回転伝達部材をフレキシブルシャフトで構成し、このフレキシブルシャフトに引っ張り力を作用させた状態で軟性部材内に装着するように構成したものは、従来から知られている(例えば、特許文献1参照。)。このとき、フレキシブルシャフトには常に収縮する力が作用するが、軟性部材とその先端部に装着する先端キャップとの間に係止リングを連結することにより、超音波トランスデューサを支持する支持基台の位置は常に固定される。また、挿入部が湾曲したときには、軟性部材の内部にあるフレキシブルシャフトは湾曲した軟性部材の内側に沿うような位置に変位するため、フレキシブルシャフトには収縮する力が働くが、係止リングによりフレキシブルシャフトが実際に収縮することは無い。このような構成を採ることにより、挿入部が真っ直ぐな状態および湾曲した状態、いずれの状態においても、超音波トランスデューサの位置を常に固定する。
【0009】
【特許文献1】
特許第3248344号公報(第4−5頁、第4図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フレキシブルシャフトの内部には、超音波トランスデューサに接続されるケーブルが挿通されている。上述したように、フレキシブルシャフトは予めある程度引っ張られた状態で軟性部材内に装着されるため、フレキシブルシャフト内のケーブルも同様に、予めある程度の余長部分を持っている。従って、フレキシブルシャフトが湾曲すると、内部のケーブルは湾曲したフレキシブルシャフトの内側に偏って当接するため、ケーブルはフレキシブルシャフトから突出する状態になる。そして、繰り返し湾曲すると、ケーブルがフレキシブルシャフト内に手繰り寄せられて、フレキシブルシャフト内でジャミングして戻らなくなることがある。この状態でフレキシブルシャフトの先端側の部分が湾曲すると、ケーブルがフレキシブルシャフトから突出する方向に変位して、ケーブルの先端に接続される超音波トランスデューサに対して押し上げる力が働く。この押し上げる力により、超音波トランスデューサが先端方向に移動してしまい、正確な超音波走査ができなくなることがある。
【0011】
本発明の目的は、ケーブル自身の形状に伸縮性を持たせることにより、挿入部が湾曲した場合でも、超音波トランスデューサの位置を常に固定することができる超音波診断装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、先端キャップに軟性チューブを連結して設け、他端が固定側部材に連結した挿入部と、前記先端キャップ内に配設され、回転支持基台に装着した超音波トランスデューサと、この超音波トランスデューサを回転駆動するために、密着コイルからなり、その一端が前記回転支持基台に連結され、他端が回転筒に連結されたフレキシブルシャフトと、前記フレキシブルシャフト内を挿通するケーブルとを備えた体腔内挿入型超音波診断装置において、前記先端キャップと軟性チューブとの間に係止リングを設け、前記ケーブルは、回転筒と回転電極との間の区間においてバネ形状に形成され、前記バネ形状に形成された前記ケーブルは、前記挿入部が最も湾曲したときにおいてもその長さが自然長よりも長くなるように形成され、前記ケーブルの先端に設けられた前記支持基台と前記係止リングとは常に当接するように構成することを特徴とする体内挿入型超音波診断装置を提供することにある。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
【0014】
A.本発明の第一の実施形態
図1は、本発明における超音波診断装置を内視鏡に挿通させた図である。図1において、1は内視鏡全体を示す。内視鏡1は、本体操作部2と内視鏡挿入部3とを連設して構成され、内視鏡挿入部3の先端部3cには照明窓4および観察窓5からなる内視鏡観察手段が装着されている。内視鏡挿入部3には処置具挿通チャンネル6が挿通され、この処置具挿通チャンネル6は内視鏡挿入部3の先端部3cにおいて処置具導出口6aとして開口している。
【0015】
10は超音波診断装置であり、この超音波診断装置10は超音波挿入部11と操作部12とから構成され、超音波挿入部11は操作部12に着脱可能に装着される。さらに、操作部12には、図示しない超音波観測装置がコード13を介して接続される。超音波挿入部11は処置具挿通チャンネル6に挿通され、一端が操作部12に接続され、他端は開口している処置具導出口6aから突出される。
【0016】
次に、図2に超音波挿入部11の構成を示す。超音波挿入部11は、その大部分が電気絶縁性の良い樹脂材からなる軟性チューブ20からなり、この軟性チューブ20の先端には、音響特性に優れ、かつ保形性の良好な先端キャップ20aが装着されている。このように先端が閉塞された超音波挿入部11の先端キャップ20a内部には、超音波走査を行う超音波トランスデューサ21が回転支持基台22により支持されている。この回転支持基台22には、超音波トランスデューサ21を回転駆動させるためのフレキシブルシャフト23が接続されている。このフレキシブルシャフト23は、金属線材を密巻き螺旋状に巻回した密着コイルにより構成され、この密着コイルは2重に設けられている。外側の密着コイルの巻回方向と内側の密着コイルの巻回方向とは相互に反対の向きになっており、これによってフレキシブルシャフト23の基端部を左右いずれの方向に回転させても、その回転力を確実に先端部分にまで伝達させることができる。また、フレキシブルシャフト23内にはケーブル24が挿通されており、一端が超音波トランスデューサ21に接続されている。なお、上述したフレキシブルシャフト23を構成する密着コイルは2重のものに限られず、1重であっても多重であってもよい。
【0017】
超音波挿入部11の基端部は、操作部12と接続するためのコネクタ25により構成される。このコネクタ25は、回転筒26、保持筒27および回転電極28からなる回転側部材と、スリーブ29、連結筒31、外筒30およびゴムスリーブ32からなる固定側部材とから構成される。このうち、回転側部材である回転筒26はフレキシブルシャフト23に固着され、保持筒27に連結される。さらに保持筒27にはケーブル24に接続される回転電極を挟み込むようにして接続される。一方、固定側部材であるスリーブ29は一端で軟性チューブ20に連結され、他端で外筒30に螺挿された連結筒31に固着して設けられる。また、連結筒31には折れ止め用のゴムスリーブ32が嵌合されて固着されており、軟性チューブ20の基端側の部位をゴムスリーブ32に囲繞させるようにしている。
【0018】
超音波挿入部11の先端側を図3に示す。図3において、軟性チューブ20にキャップ20a側の先端に第1のストッパ手段として係止リング35を介在させる。ここで、この係止リング35の内径は回転支持基台22の外径よりも小さく形成する。また、フレキシブルシャフト23の長さを自然長よりも引き伸ばした状態で回転支持基台22に接続し、この回転支持基台22を係止リング35に当接させた状態にする。なお、本実施形態では、軟性チューブ20にキャップ20aを装着しているが、軟性チューブ20とキャップ20aを一体物として形成してもよい。
【0019】
また、本実施形態において、超音波挿入部11の先端側の規制手段として、回転支持基台22が超音波挿入部11の基端側へ移動することを抑制する第1のストッパ手段を設けたが、さらに超音波挿入部11の基端側の規制手段として、フレキシブルシャフト23が固着される回転筒が先端側へ移動することを抑制する第2のストッパ手段を設ける。すなわち、本実施の形態において、第1のストッパ手段は、回転支持基台22が基端側に移動することを抑制する係止リング35であり、第2のストッパ手段は、フレキシブルシャフト23が固着される回転筒26の端面26aと連結筒31の端面31aとの摺接部である。
【0020】
次に、超音波挿入部11に着脱可能に接続される操作部12について図4を用いて説明する。図4に示されるように、操作部12はハウジング40を有して構成され、このハウジング40には、超音波挿入部11のコネクタ25に接続される接続部41が設けられる。接続部41は超音波挿入部11の外筒30を回転不能に受承するためのものであって、この接続部41内には回転電極28が着脱可能に接続される回転体42が臨んでいる。超音波挿入部11の回転電極28と回転電極42とが接続されると、回転電極28の電極28aおよび電極部28bが回転体42に設けた図示しない電極とそれぞれ電気的に接続される。そして、回転体42を回転させると、回転電極28は確実に追従回転する。このように確実に追従回転させるために、例えば、回転体42の周胴部に面取りを施すようになし、回転電極28には、この面取り部に当接する回転規制部を設ける等によって、両者の相対回転を防止する機構を介在させる。回転体42は、軸受43によって回転自在に支承されており、その他端は流体接点、ブラシ接点、スリップリング等を介して固定ソケット44に連結されている。また、この固定ソケット44にはコード13内に挿通したコードケーブル45が接続されている。これによって超音波挿入部11の先端に位置する超音波トランスデューサ21は、ケーブル24、回転電極28、回転体42および固定ソケット44を介して非回転状態となっているコード13内のコードケーブル45に電気的に接続される。
【0021】
また、ハウジング40内には、超音波挿入部11内のフレキシブルシャフト23を回転駆動させるためのモータ46およびエンコーダ47が設けられ、回転電極28が接続される回転体42には、2個のプーリ48、49が設けられている。そして、モータ46の出力部46aとプーリ48との間およびエンコーダ47の入力部47aとプーリ49との間には、それぞれ動力伝達ベルト50、51が巻回して設けられている。従って、モータ46を作動させると、回転体42が回転し、回転時の回転角はエンコーダ47により検出される。
【0022】
さらに、操作部12は、処置具挿通チャンネル6の入口部6bに着脱可能に接続されるようになっている。操作部12を着脱可能に接続するために、操作部12には入口部6bに挿嵌される取付部52が設けられており、この取付部52内には超音波挿入部11の軟性チューブ20の通路である挿通路52aが形成されている。従って、取付部52を処置具挿通チャンネル6の入口部6bに挿嵌することによって、操作部12を固定できる。しかも、この状態で超音波挿入部11を挿通路52aに沿って適宜抜き差しすることによって、超音波挿入部11の先端部分の処置具導出口6aからの突出長さを調整できるようになっている。
【0023】
以上のように構成される超音波診断装置を用いて超音波走査を行う方法について説明する。
【0024】
最初に、内視鏡1の内視鏡挿入部3を体腔内に挿入し、超音波診断装置10の超音波挿入部11を処置具挿通チャンネル6に挿入する。次に、超音波診断装置10の超音波挿入部11が接続されている操作部12の取付部52を入口部6bに固定する。その後、超音波診断を行う部位に内視鏡1の挿入部3の先端部3cが位置すると、超音波診断装置10の超音波挿入部11を処置具導出口6aから所定の長さ突出させる。このように、超音波挿入部11が処置具導出口6aから所定の長さ突出すると、超音波挿入部11の先端内部に位置する超音波トランスデューサ21を作動させて、超音波診断画像を取得する。
【0025】
ところで、超音波診断装置10でラジアル走査を行う場合、超音波トランスデューサ21を回転駆動しなくてはならない。超音波トランスデューサ21を回転駆動させるために、操作者はモータ46を回転駆動させる操作を行う。モータ46が回転駆動すると、回転体42が回転駆動する。このように、回転体42が回転駆動すると、その回転力が回転電極28、回転筒26、保持筒27およびフレキシブルシャフト23を介して超音波トランスデューサ21を支持する支持基台22に伝達する。このとき、軟性チューブ20内に潤滑機能を持った超音波伝達部材を封入しておくと、フレキシブルシャフト23と軟性チューブ20の内面との摺動摩擦を低減することができ、より円滑に回転させることができる。
【0026】
このように回転される超音波トランスデューサ21は、所定回転角毎に超音波トランスデューサ21から先端キャップ20aを介して超音波パルスを体内に向けて送信する。超音波トランスデューサ21から発せられるエコーは、体内における組織断層部において反射し、この反射エコーを超音波トランスデューサ21で受信する。この受信信号をケーブル24、回転電極28、回転体42、固定ソケット44およびケーブル45を介して超音波観測装置に伝送する。このように伝送された信号は、超音波観測装置において所定の信号処理がされた後に、モニタにその超音波画像が表示される。
【0027】
以上のように、超音波トランスデューサ21を回転駆動させることにより、超音波走査を行うが、上述したように、軟性チューブ20内における超音波トランスデューサ21の軸線方向の位置は常に一定であり、変位しないことが望ましい。本発明においては、超音波挿入部11が湾曲したときに、回転支持基台22が前進する方向に押す力の発生を防止するために、フレキシブルシャフト23内に張力を持たせる。そして、回転支持基台22を係止リング35に押圧するようにし、且つフレキシブルシャフト23を伸縮可能とし、伸張する状態に保持させている。フレキシブルシャフト23内に挿通されているケーブル24にバネのような弾性を持たせている。
【0028】
図5は超音波挿入部11のコネクタ25付近の構成を示した図である。図5において、回転電極28は、シールド接続部28aと絶縁部28bと電極接続部28cとから構成される。フレキシブルシャフト23の内部を挿通するケーブル24は、回転筒26から出た後に回転電極28のシールド接続部28aおよび電極接続部28cに接続される。このとき、ケーブル24は、図5のように、回転筒26を出てから回転電極28に達するまでの区間において、ケーブル24に所定の長さの余長部分を設け、軸線方向に伸縮可能とするためにバネ形状とした伸縮可能部24aを形成する。ここで、所定の長さとは、超音波挿入部11が真っ直ぐな状態においても、湾曲した状態においても常に引っ張り力が作用するように形成する。すなわち、超音波挿入部11が最も湾曲したときにおいても、ケーブル24の伸縮可能部24aの部分は自然長よりも長く形成される。
【0029】
このようにケーブル24に常に引っ張り力が作用するように形成すると、ケーブル24は常に収縮しようとするが、上述したように超音波挿入部11の先端部分には係止リング35が設けられているため、ケーブル24の収縮力が規制される。以上のように伸縮可能部24aを設けることにより、ケーブル24には常に引っ張り力が作用するように形成し、この引っ張り力は係止リング35で抑制され、超音波トランスデューサ21を支持する支持基台22を常に係止リング35に当接する位置に固定することができる。例えば、超音波挿入部11が真っ直ぐな状態のときには、上述したようにケーブル24には引っ張り力が作用し、また係止リング35が設けられているので、支持基台22は係止リング35に当接する位置に固定される。一方、超音波挿入部11が湾曲したときには、ケーブル24がフレキシブルシャフト23内で湾曲した方向の内側に偏ると、ケーブル24の先端部分はフレキシブルシャフト23から突出しようとする。しかしながら、上述したように、ケーブル24の伸縮可能部24aには湾曲したときにおいても引っ張り力が作用し、またフレキシブルシャフト23も張力が作用した状態に保持されるため、回転支持基台22は係止リング35に当接する位置に固定される。これにより、超音波走査を行う際に、超音波トランスデューサ21は安定的に保護される。さらに、伸縮可能部24を設けることにより、ケーブル24に無理な張力が作用して断線する恐れも無い。
【0030】
以上のように、ケーブル24に常に引っ張り力が働くようにバネ状に形成する一方、係止リング35を設けることにより、超音波挿入部11が湾曲したときにケーブル24が超音波トランスデューサ21を支持する支持基台22を押し上げることが防止できる。
【0031】
B.本発明の第2の実施形態
次に、図6を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。
【0032】
本発明の第2の実施形態では、第1の実施形態における伸縮可能部24aをバネ241、バネ受け242および余長部243で構成したものである。図6に示されるように、バネ241の先端にはバネ受け242が接続され、このバネ受け242にケーブル24が固着されている。このとき、バネ241は復元力が働くように予め収縮した状態にし、ケーブル24には余長部分である余長部243を持たせる。このように構成することにより、ケーブル24に常に引っ張り力を作用させることができる。
【0033】
また、本発明の第1の実施形態および第2の実施形態では、係止リング35を軟性チューブ20と先端キャップ20aとの間に設けたが、これに限られず、例えば、軟性チューブの外側に締め付け部材を設けてもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したよう、本発明では、挿入部が真っ直ぐな状態においても、湾曲にした状態においても、常に超音波トランスデューサの位置を固定することができ、安定した超音波走査を行うことができ、かつ超音波トランスデューサに接続したケーブルに無理な張力が作用することにより断線する恐れもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における超音波診断装置を内視鏡に挿通させた状態を示す説明図である。
【図2】本発明における超音波診断装置の断面図である。
【図3】本発明における超音波診断装置の先端付近における拡大断面図である。
【図4】本発明における操作部の断面図である。
【図5】本発明における超音波診断装置の基端側における一例を示す拡大断面図である。
【図6】本発明における超音波診断装置の基端側における他の例を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 内視鏡
6 処置具挿通チャンネル
10 超音波診断装置
11 超音波挿入部
12 操作部
20 軟性チューブ
20a 先端キャップ
21 超音波トランスデューサ
22 回転支持基台
23 フレキシブルシャフト
24 ケーブル
24a 伸縮可能部
25 コネクタ
26 回転筒
27 保持筒
28 回転電極
35 係止リング
42 回転体
241 バネ
242 バネ受け
243 余長部
Claims (3)
- 可撓性があり、先端が閉塞した挿入部の先端部内に超音波トランスデューサを装着した回転支持基台と、
前記回転支持基台に連結されたフレキシブルシャフトと、
前記回転支持基台が前記挿入部の基端側に向けて移動することを規制する第1のストッパ手段と、
前記フレキシブルシャフトの基端側において前記フレキシブルシャフトが固着された回転筒が前記挿入部の先端側に向けて移動することを規制する第2のストッパ手段と、
前記フレキシブルシャフト内を挿通し、前記超音波トランスデューサと前記挿入部の基端側に設けた回転電極とを接続するケーブルと、を有し、
前記第1のストッパ手段と前記第2のストッパ手段との間隔を前記フレキシブルシャフトの自然長よりも長く構成し、
前記ケーブルは、前記フレキシブルシャフトから前記回転電極の間において、所定の長さの余長を持たせ、この余長部分は前記回転電極側に引っ張る方向に付勢される伸縮可能部を設けたことを特徴とする超音波診断装置。 - 前記伸縮可能部は、前記ケーブルの余長部分を引っ張りバネ構造とする構成としたことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
- 前記伸縮可能部は、前記ケーブルにバネ受けを固着して設け、このバネ受けに引っ張りバネを作用させ、前記バネ受けと前記回転電極との間に前記ケーブルの余長部分を設けることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
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2003
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