JP2004275233A - 弁当箱 - Google Patents

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尚武 神末
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Kokusai Kako KK
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Abstract

【課題】不使用時に従来よりも嵩低く且つ円滑に保管することができる弁当箱を提供しようとするもの。
【解決手段】合成樹脂製の箱型でその内方に仕切り板2を挿入し各区画3内に料理を収容して反復使用するものであって、その縁辺部7は外方に向けて開放する傾斜を有し、積み重ねると一方の内方領域に他方の外周領域が入り込むようにしていると共に相互間の密着を緩和する突起部8が形成された。この弁当箱では、その縁辺部7は外方に向けて開放する傾斜を有し、積み重ねると一方の内方領域に他方の外周領域が入り込むようにしているので、一方のそのまま上に他方が積み重なる場合と比較して積載方向のスペースを節約することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、松花堂弁当箱と通称される弁当箱に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より松花堂弁当箱と通称され、宴席や懐石料理の場、節分や子供の日その他の行事の際、また老健施設でのイベントなどの催事食の際、病院給食、仕出し用等に用いられる弁当箱が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
図13に示すように、この弁当箱は略正方形状の箱型であって四辺の縁辺部21が比較的高く形成されている。そして、その内方は十文字の仕切り板22で4つに仕切られ、各区画内にご飯や煮物、焼き物などの料理を盛った小鉢や小皿(中合23)等が収容できるようになっている。
【0004】
しかし図14に示すように、不使用時に保管する際には蓋24をして又は蓋は別として(蓋は蓋同士で)複数個を積み上げるのであるが、これがかなり嵩高くなってしまいスペースが相当必要となるという問題があった。
【0005】
【非特許文献1】
温かタウン八幡 ホームページ、“松花堂弁当の起源”、[online]、2002.4.1、 [2003/2/26検索]、インターネット<URL:http://www.hot−town.net/bentou/bentou.htm>
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこでこの発明は、不使用時に従来よりも嵩低く且つ円滑に保管することができる弁当箱を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためこの発明では次のような技術的手段を講じている。
▲1▼ この発明の弁当箱は、合成樹脂製の箱型でその内方に仕切り板2を挿入し各区画3内に料理を収容して反復使用するものであって、その縁辺部7は外方に向けて開放する傾斜を有し、積み重ねると一方の内方領域に他方の外周領域が入り込むようにしていると共に相互間の密着を緩和する突起部8が形成されたことを特徴とする。
▲2▼ またこの発明の弁当箱は、合成樹脂製の箱型でその内方に1プレートタイプの中合を挿入し料理を収容して反復使用するものであって、その縁辺部(7)は外方に向けて開放する傾斜を有し、積み重ねると一方の内方領域に他方の外周領域が入り込むようにしていると共に相互間の密着を緩和する突起部(8)が形成されたことを特徴とする。ここで、前記中合とは料理を盛るためのお皿であって、1プレートタイプとは1枚ものの中合自体に料理を区画するための仕切りが形成されているものである。
【0008】
前記▲1▼、▲2▼の弁当箱では、その縁辺部7は外方に向けて開放する傾斜を有し、積み重ねると一方の内方領域に他方の外周領域が入り込むようにしているので、一方のそのまま上に他方が積み重なる場合と比較して積載方向のスペースを節約することができる。
【0009】
また、多数個を積載すると下方のものに上方のものの荷重が積算されるが、相互間の密着を緩和する突起部8が形成されたので、保管後に長期間が経過した場合であっても隣接する上下の弁当箱は相互間の取り外しがし易い。
▲3▼ 前記▲1▼の弁当箱の仕切り板2は、2片の略長方形状板辺5を十字型に組み合わせて成るようにしており、前記各略長方形状板辺5の両端の上下領域6は切欠かれた形状としたこととしてもよい。
【0010】
この弁当箱はその縁辺部7が外方に向けて開放する傾斜を有しており仕切り板2の端部もこれに合わせて傾斜させることが好ましいが、このように構成すると、2片の板辺5を同じ形状のものとして効率的に成型することができる。
▲4▼ 前記突起部8は隣接する縁辺部7の角部内側に形成されたこととしてもよい。
【0011】
このように構成すると、隣接する縁辺部7の角部内側に存する突起部8は、十字型の仕切り板2を挿入する際の邪魔にはなり難い。
【0012】
また、このように隣接する縁辺部7の角部内側に突起部8を形成した構造とすると、箱本体の厚みに肉厚の変化(偏肉)をもたらすことによって突起部を形成する場合と比較して、箱の厚み全体をほぼ同肉厚として設定することができ、成型上より均一な品質として製造することができる。さらに、厚肉にする領域(偏肉領域)を形成する場合と比較してその厚肉領域の材料を節減することができ、その分、軽量で安価に製造することができる。
▲5▼ 角度を略45°ずらして交互に積載する際、上方位置のものの底面の糸尻9の内方凹部10が下方位置のものの縁辺部7の上端に嵌合して位置決めできるようにしたこととしてもよい。
【0013】
このように構成すると、使用時に料理を収容した状態で交互に積み重ねておく際、上下間の位置決めを容易にすることができ、ずれ難く安定し易い。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1乃至図7に示すように、この実施形態の弁当箱は松花堂弁当箱と通称され、宴席や懐石料理の場、節分や子供の日その他の行事の際、また老健施設でのイベントなどの催事食の際、病院給食、仕出し用等に用いられるものである。
【0015】
この弁当箱は、合成樹脂製の平面視略正方形状の箱型であって別体の蓋部1を有するものであり、その内方に合成樹脂製の十文字の仕切り板2を挿入し、4つの各区画3内にご飯や煮物、焼き物などの料理を盛った小鉢や小皿等(中合23、図13参照)を収容して反復使用するものである。なお前記蓋部1の側縁部S(図1参照)の中央域には、持つ際に指がかかり易くするための切欠き(図示せず)を形成してもよい。
【0016】
具体的には、硬質合成樹脂としてABS樹脂によって射出成型或いは圧縮成型しており、塗装をその外面(例えば木目模様)と内面(例えば漆の黒塗り風)に施している。また蓋部1と仕切り板2もABS樹脂によって成型している。なお前記中合などを用いることなく、4つの各区画3内に料理のみを直接収容することもできる。
【0017】
また図1乃至図4に示すように、前記仕切り板2は切込み部4(図4参照)を有する2片の略長方形状板辺5を十字型に組み合わせて成るようにしており、前記各略長方形状板辺5の両端の上下領域6は略三角形状に切欠かれた形状としている。
【0018】
そして図1、図5及び図6に示すように、この弁当箱の四辺の縁辺部7は外方に向けて開放する傾斜を有し、保管時に蓋や仕切り板2なしでそのまま積み重ねると一方の内方領域に他方の外周領域が入り込むようにしている。ここで、前記傾斜の角度は垂直面に対して13.8°としており、このような角度とすると既存の中合と合わせ易い点で好ましい。
【0019】
さらに、図1、図2、図5、図6に示すように、積載した際の相互間の密着を緩和する突起部8(リブ)を、隣接する縁辺部7の角部内側の四箇所に形成している。前記突起部8の位置及び形状は、隣接する相互間に若干間隙ができる程度と成るようにしている。具体的には、この突起部8は底面から約17mmの高さまで略支柱状に形成している。
【0020】
ここで前記突起部8が高すぎると、積み重ねた際の高さが嵩高くなってしまうと共に、収容する中合(特に角形の場合)と干渉しやすくなり、利用できる中合の種類やサイズに制限が生じてしまう。すなわち、中合に用いる食器は概ね側面が傾斜しておりまたリム部(食器最外周部の水平な部分)を有しているため突起部8に干渉しないのであるが、突起部8が高くなりすぎると前記リム部に干渉する。また逆に突起部8が低すぎると、重ねた箱相互間の隙間が少なくなり洗浄後の水切りが悪くなるという問題が生じる。
【0021】
そして、使用時に料理を収容した状態で角度を略45°ずらして交互に積載する際(図示せず)、上方位置のものの底面の糸尻9の内方凹部10が下方位置のものの縁辺部7の上端に嵌合して位置決めできるようにしている。
【0022】
次に、この実施形態の弁当箱の使用状態を説明する。
【0023】
図1、図5及び図6に示すように、この弁当箱では、その縁辺部7は外方に向けて開放する傾斜を有し、積み重ねると一方の内方領域に他方の外周領域が入り込むようにしているので、一方のそのまま上に他方が積み重なる場合と比較して積載方向のスペースを節約することができる。なお図7に示すように、従来のようにそのまま蓋の上に積載することもできる。
【0024】
また、多数個を積載すると下方のものに上方のものの荷重が積算されるが、図1、図2、図5、図6に示すように、相互間の密着を緩和する突起部8(リブ)が形成されたので、保管後に長期間が経過した場合であっても隣接する上下の弁当箱は相互間の取り外しがし易い。
【0025】
すなわち、一方のそのまま上に他方が積み重なる場合と比較して積載方向のスペースを節約することができまた長期間が経過した場合であっても相互間の取り外しがし易いので、不使用時に従来よりも嵩低く且つ円滑に保管することができるという利点がある。
【0026】
図1及び図2に示すように、前記突起部8(リブ)は、隣接する縁辺部7の角部内側に形成しており、隣接する縁辺部7の角部内側に存する四箇所の突起部8は、十字型の仕切り板2を挿入する際の邪魔にはなり難いという利点がある。
【0027】
また、この弁当箱はその縁辺部7が外方に向けて開放する傾斜を有しており仕切り板2の端部もこれに合わせて傾斜させることが好ましいが、図1乃至図4に示すように、前記仕切り板2は2片の略長方形状板辺5を十字型に組み合わせて成るようにしており、且つ前記各略長方形状板辺5の両端の上下領域6は略三角形状に切欠かれた形状としているので、2片の板辺5を同じ形状の共通の部品として効率的に成型することができ、使用時にも共通部品の2片は区別する必要がないので効率的に作業を進めることができるという利点がある。
【0028】
更に、角度を略45°ずらして交互に積載する際(図示せず)、上方位置のものの底面の糸尻9の内方凹部10が下方位置のものの縁辺部7の上端に嵌合して位置決めできるようにしているので、使用時に料理を収容した状態で交互に積み重ねて準備しておく際、上下間の位置決めを容易にすることができずれ難く安定し易いという利点がある。
(実施形態2)
次に、この弁当箱の実施形態2を説明する。
【0029】
図8に示すように、積載した際の相互間の密着を緩和する突起部8(リブ)を、四辺の縁辺部7の外側の下方域に突設形成している。前記突起部8の位置及び形状は、隣接する相互間に若干間隙ができる程度と成るようにしている。
【0030】
このような形状とすると、内側面をフラットとすることができまた外側の突起部8を目立たなくすることができるという利点がある。なお、前記突起部8は四辺の縁辺部7の外周の全周に形成してもよいし、外周の一部乃至数箇所に形成してもよい。
(実施形態3)
次に、この弁当箱の実施形態3を説明する。
【0031】
図9に示すように、積載した際の相互間の密着を緩和する突起部8(リブ)を、四辺の縁辺部7の上端の外側に突設形成している。前記突起部8の位置及び形状は、隣接する相互間に若干間隙ができる程度と成るようにしている。
【0032】
このような形状とすると、内側面をフラットとしてしっかりと積み重ねることができるという利点がある。なお、前記突起部8は四辺の縁辺部7の外周の全周に形成してもよいし、外周の一部乃至数箇所に形成してもよい。
(実施形態4)
次に、この弁当箱の実施形態4を説明する。
【0033】
図10に示すように、積載した際の相互間の密着を緩和する突起部8(リブ)を、四辺の縁辺部7の外側の上方域に突設形成している。前記突起部8の位置及び形状は、隣接する相互間に若干間隙ができる程度と成るようにしている。
【0034】
このような形状とすると、丸みがなく木製の雰囲気を出すことができるという利点がある。なお、前記突起部8は四辺の縁辺部7の外周の全周に形成してもよいし、外周の一部乃至数箇所に形成してもよい。
(実施形態5)
次に、この弁当箱の実施形態5を説明する。
【0035】
図11に示すように、積載した際の相互間の密着を緩和する突起部8(リブ)を、底面の糸尻9の下方に延設形成している。前記突起部8の位置及び形状は、隣接する相互間に若干間隙ができる程度と成るようにしている。
【0036】
このような形状とすると、突起部8を目立たなく或いは分からなくすることができるという利点がある。なお、前記突起部8は底面の糸尻9の下方の全周に形成してもよいし、底面の糸尻9の下方の数箇所に形成してもよい。
(実施形態6)
次に、この弁当箱の実施形態6を説明する。
【0037】
前記仕切り板2は切込み部4を有する2片の略長方形状板辺5を十字型に組み合わせて成るようにしており、図12に示すように、前記各略長方形状板辺5の両端の上下領域6は略円弧状に切欠かれた形状としている。
【0038】
ところで、既存の松花堂弁当用に十字型の仕切り板で仕切られた各スペースに合う色々なサイズの小鉢・小皿等の食器(中合)が存在するが、上記各実施形態の弁当箱はその四辺の縁辺部7の中ぐらいから少し下の位置の内方領域のサイズを従来の松花堂弁当の底面の内方側のサイズと同等に設定すると共に、その底面の内方側のサイズは従来の松花堂弁当の底面の内方側のサイズより少し小さめに設定しており、既存の中合の多くを(各収容区域に対してガタつくことなく)そのまま利用することが出来るという利点がある。また上記各実施形態の弁当箱は、松花堂弁当の重箱のような高級感を損なうことなくその保管機能を向上させることができるという利点がある。
(実施形態7)
次に、この弁当箱の実施形態7を説明する。
【0039】
この弁当箱は合成樹脂製の箱型であって、その内方に1プレートタイプの中合(1枚もののお皿自体に料理を区画するための仕切りが形成されているもの、図示せず)を挿入し料理を収容して反復使用するようにしている。
【0040】
【発明の効果】
この発明は上述のような構成であり、次の効果を有する。
【0041】
一方のそのまま上に他方が積み重なる場合と比較して積載方向のスペースを節約することができまた長期間が経過した場合であっても相互間の取り外しがし易いので、不使用時に従来よりも嵩低く且つ円滑に保管することができる弁当箱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の弁当箱の実施形態1を説明する開蓋状態の全体斜視図。
【図2】図1の弁当箱の構造を説明する平面図。
【図3】図1の弁当箱の仕切り板の構造を説明する斜視図。
【図4】図3の仕切り板の形状を説明する分解斜視図。
【図5】図1の弁当箱の閉蓋状態を説明する断面図。
【図6】図1の弁当箱を嵩低く積載した状態を説明する断面図。
【図7】図1の弁当箱を閉蓋状態で積載した状態を説明する断面図。
【図8】この発明の弁当箱の実施形態2で嵩低く積載した状態を説明する模式図。
【図9】この発明の弁当箱の実施形態3で嵩低く積載した状態を説明する模式図。
【図10】この発明の弁当箱の実施形態4で嵩低く積載した状態を説明する模式図。
【図11】この発明の弁当箱の実施形態5で嵩低く積載した状態を説明する模式図。
【図12】この発明の弁当箱の実施形態6を説明する開蓋状態の全体斜視図。
【図13】従来の弁当箱を説明する全体斜視図。
【図14】従来の弁当箱を積載した状態を説明する断面図。
【符号の説明】
2 仕切り板
3 区画
5 板辺
6 上下領域
7 縁辺部
8 突起部
9 糸尻
10 内方凹部

Claims (5)

  1. 合成樹脂製の箱型でその内方に仕切り板(2)を挿入し各区画(3)内に料理を収容して反復使用するものであって、その縁辺部(7)は外方に向けて開放する傾斜を有し、積み重ねると一方の内方領域に他方の外周領域が入り込むようにしていると共に相互間の密着を緩和する突起部(8)が形成されたことを特徴とする弁当箱。
  2. 合成樹脂製の箱型でその内方に1プレートタイプの中合を挿入し料理を収容して反復使用するものであって、その縁辺部(7)は外方に向けて開放する傾斜を有し、積み重ねると一方の内方領域に他方の外周領域が入り込むようにしていると共に相互間の密着を緩和する突起部(8)が形成されたことを特徴とする弁当箱。
  3. 前記仕切り板(2)は2片の略長方形状板辺(5)を十字型に組み合わせて成るようにしており、前記各略長方形状板辺(5)の両端の上下領域(6)は切欠かれた形状とした請求項1記載の弁当箱。
  4. 前記突起部(8)は隣接する縁辺部(7)の角部内側に形成された請求項1乃至3のいずれかに記載の弁当箱。
  5. 角度を略45°ずらして交互に積載する際、上方位置のものの底面の糸尻(9)の内方凹部(10)が下方位置のものの縁辺部(7)の上端に嵌合して位置決めできるようにした請求項1乃至4のいずれかに記載の弁当箱。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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