JPS6216895Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、弁当箱主として食堂、仕出し屋ま
たは旅館等で使用する弁当箱の改良に関する。

最近、各種の食堂や仕出し屋または旅館等にお
いて、第１図のように箱本体ａ中に縦，横および
適宜形状の仕切りｂを設け、これに主食類やいろ
いろの総菜類を仕分けて入れるようにした弁当箱
が広く用いられているが、これらの仕切りｂは一
般に高さが低く汁物の収納には不向きであり、そ
して、箱本体ａは一体的なものであり、かつ仕切
りｂは本体に固着されているため、仕切られた一
部分を取外して使用することができず、したがつ
て吸い物の容器またはめん類のつけ汁容器等とし
ての使用には不向きなものである。

また、浅皿状の箱容器に既存のはちや皿を収納
する膳も知られているが、いずれも皿のような浅
い器を収容するものが多く、汁容器のように深い
器を安定よくかつ使い易く収納するものは見当ら
ない。

そこで、この考案は上記のような実情のもとに
工夫されたもので、所要深さの汁容器を安定よく
収納できるとともに汁容器の出し入れが楽にで
き、食事の単調さを解消し、しかもうどんやそば
等のめん類の仕出しにも利用できるようにした弁
当箱を提供するものである。

以下、図面参照の上この考案の実施例について
説明する。

第２図において１は木またはプラスチツクから
なり角形で上方の解放された箱本体であつて、通
常の弁当箱より高さの若干高い（約５cm程度）周
壁１ａによつて囲まれ、下側を閉じている底板１
ｂのほぼ1/4の部分は底上げされて次に述べる仕
切り壁と共に浅皿部を形成している。

内部は前後方向中央に設けられた横仕切り壁２
によつて前後に二分され、かつ、後半部は中央よ
りやや左寄りの位置に横仕切り壁２に直交して設
けられたそのほぼ半分長さの縦仕切り壁３によつ
て低い方の底板１ｂに対応する深皿部４ａと、底
上げされた底板１ｂに対応する浅皿部５に区画さ
れており、一方、前半部は中を左右方向にほぼ三
等分する位置に設けられた上記と同様の二つの縦
仕切り壁３によつて二つの深皿部４ｂ，４ｃと、
次のような一端のコーナ部分に区画されている。

上記コーナ部分においては、箱本体１の互いに
交差する二辺の周壁１ａが、それぞれほぼ1/3長
さ程度にわたつて、下側の立上り部１ｃを残して
切除されており、そして、前後方向の周壁１ａ側
には切除基部から横仕切り壁２に平行な副横仕切
り８が設けられ、二辺の切除部に沿いかつこの副
横仕切り８と一つの縦仕切り壁３とで区画された
汁容器収納部６と、副横仕切り８、縦仕切り壁３
の一部および横仕切り壁２の一部で区画された新
香または薬味等の載置台７とが形成され、この載
置台７の下側は後半部における底上げされた底板
１ｂの延長部によつて閉じられている。

また、前記浅皿部５の箱本体の中央に位置する
角部は適宜形状の仕切り壁９によつて区画され、
しよう油等のたれの収容部をなしている。

１０は角形または円形のコツプ状に形成された
汁容器で、その周壁１０ａの一辺または直径が箱
本体コーナ部分の周壁１ａの一辺における切除部
の幅より若干小さく、高さは箱本体１の底板１ｂ
から周壁１ａの上縁までの高さにほぼ一致し、上
記コーナ部分の周壁１ａの二辺にわたる切除部か
ら収納部６中に点線のように収納し、また実線の
ように自由に取り出すようになされている。な
お、この汁容器１０には着脱式の蓋を併用しても
よい。

また、１１は箱本体１に被嵌する蓋体であつ
て、周縁には本体の周壁１ａの上縁に嵌合する下
向き係止縁１１ａを備えている。

上記構成のもとにその使用に当たつては、箱本
体１中の深皿部４ａ，４ｂ，４ｃの一つまたは二
つに炊飯またはうどん、そば等のめん類を収容
し、他の深皿部には天ぷら、フライ、煮物等の総
菜を分けて収容し、また、浅皿部５には刺身，焼
魚等を入れると共にたれ収容部に適量のたれを入
れ、更に載置台７には新香または適宜の薬味をの
せ、そして、みそ汁、すまし等の吸い物またはつ
け汁を所要量入れた汁容器１０を汁容器収納部６
中に収納し、次いで、箱本体１上に蓋体１１を被
嵌する。

その際には、汁容器１０の底部外側二辺が第３
図イ，ロのように箱本体１の互いに交差する周壁
１ａの立上り部１ｃに係止され、上端面は蓋体１
１の下面によつて抑止されることになり、汁容器
１０はみだりに傾いたり滑つたりすることなく底
板１ｂ上に安定して載置される。

また、食事に際しては、箱本体１から蓋体１１
を取り除き、汁容器１０の上端の対向二辺を第２
図鎖線のように指で挟持し、容器１０を若干持ち
上げながら斜め前方にずらせることにより、これ
を箱本体１から容易に取出して使用し、また、元
の位置に戻すことができる。

なお、上記の例では底板１ｂの一部を底上げし
たものを示したが、必ずしもそのようにする必要
はなく、また、前半部側に副横仕切り壁８を設け
たものを示したが、これを後半部側に設けるよう
にしてもよく（その際には汁容器収納６の一側は
直接横仕切り壁２によつて囲まれる）、更に箱本
体１は内部を適宜に仕切つた副本体２０上に第４
図のように重ねて使用することもできる。

以上のようにこの考案では、内部に仕切り壁に
よつて区画された複数の皿部を有する箱本体と、
その上端縁に被嵌する蓋体とからなる弁当箱とし
て、箱本体の一つのコーナ部分には、互いに交差
する二辺の周壁に下側の立上がり部を残してそれ
ぞれ設けた切除部と該収納部に対向する仕切り壁
とによつて汁容器収納部を形成し、この収納部中
には高さが箱本体の周壁の上縁までの高さにほぼ
一致する汁容器を収納するようにしたので、使用
時には汁容器を安定よく収納することができ、し
かもその出し入れはコーナ部分における周壁の二
辺にわたる広い切除部から行うので甚だ楽であ
り、汁容器の一部を引つかける恐れなく、そして
飯類にはすまし汁やみそ汁またはスープ等を添え
て食事を豊かにすることができ、また、うどんや
そば等のめん類の仕出しにも適用することがで
き、弁当箱としての利用価値を高めるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は食堂、旅館等で使用されている従来の
弁当箱の斜視図。第２図はこの考案の実施例の分
離した斜視図。第３図イは第２図のＸ−Ｘ線方向
の断面図。同図ロは同じくＹ−Ｙ線に沿つた断面
図。第４図は二段重ねに使用した状態の斜視図。 図中、１…箱本体、１ａ…周壁、１ｂ…底板、
１ｃ…立上がり部、２…横仕切り壁、３…縦仕切
り壁、４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄ…深皿部、５…浅
皿部、６…汁容器収納部、７…載置台、１０…汁
容器、１１…蓋体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定高さの周壁で囲まれた箱本体と、周縁に箱
   本体の上端縁に係合する下向き係止縁を有する蓋
   体とからなり、上記箱本体の内部を仕切り壁によ
   つて複数に区画し、箱本体の一つのコーナ部分に
   は、互いに交差する二辺の周壁に下側立上がり部
   を残してそれぞれ設けた所要長さの切除部と該切
   除部に対向する仕切り壁により汁容器収納部を形
   成し、該収納部中には高さが箱本体の底板から周
   壁の上縁までの高さにほぼ一致する汁容器を収容
   したことを特徴とする弁当箱。