JP2004273752A - 半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

半導体発光素子の製造方法 Download PDF

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Atsunori Mochida
篤範 持田
Isao Kidoguchi
勲 木戸口
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Abstract

【課題】歩留まり良く作製することが可能な窒化物半導体発光素子の製造方法を実現する。
【解決手段】基板1上に半導体膜を形成する工程と、該半導体膜上に例えばAuおよびAlが順に積層されたP側電極10を形成する工程と、絶縁膜11を堆積する工程と、リフトオフによってP側電極10、絶縁膜11を除去する工程を有している。水平横モードが安定で、かつ量産性に優れたGaN系窒化物半導体発光素子を実現することが可能となる。また、リフトオフ前はAlの銀色がP側電極10の表面に見られるが、リフトオフ後はAuの金色が表面に見られる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクシステム等の光情報処理装置に用いられる光ピックアップ光源用の半導体レーザなどの窒化物半導体発光素子及び製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
V族元素に窒素(N)を有する窒化物半導体は、そのバンドギャップの大きさから短波長発光素子の材料として有望視されており、中でも窒化ガリウム系化合物半導体(AlGaInN 0<u、v、w<1、u+v+w=1)は、盛んに研究が行われており、LED(例えば青色、緑色)においては実用化が実現している。また、次世代高密度光ディスクの大容量化のために、赤色域や、赤外域の光に比べ、光ディスク上での集光スポット径を小さくする事ができる400nm帯に発振波長を有する青色半導体レーザが要望されている。そのため、GaN系半導体を材料とする窒化物半導体レーザが注目され、現在では実用化レベルに達してきている。
【0003】
これまでの半導体レーザ素子の製造方法としては、特許文献1に報告されている。図2はレーザ発振が達成されているGaN系窒化物半導体レーザ素子の構造断面図である。図2の半導体レーザ素子の製造方法は以下の通りである。
【0004】
サファイア基板101上に有機金属気相成長法(MOCVD法)により、GaNバッファ層102、n−Al0.15Ga0.85N層103、n−Al0.07Ga0.93Nクラッド層104、n−GaN光ガイド層105、多重量子井戸(MQW)活性層106、p−GaN光ガイド層107、p−Al0.07Ga0.93Nクラッド層108、p−GaNコンタクト層109が積層される。そして、フォトリソグラフィーによりレジストパターン形成後、n−Al0.07Ga0.93Nクラッド層104の下部までエッチングし、続いて、再びフォトリソグラフィーによりレジストストライプパターン形成後、レジストをマスクとして、p−GaNコンタクト層109と、p−Al0.07Ga0.93Nクラッド層108の一部を幅2.5μmのリッジ状にエッチングする。次に、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマとSiターゲット、及びAr、Nガスにより、Si膜401を150nm形成し、続いて、リフトオフによってリッジ上のSi膜401を除去し、p−GaNコンタクト層109の上部にp側電極501を形成する。最後に、露出させたn−Al0.15Ga0.85N層103上にn側電極601を形成する。
【0005】
以上の製造工程により作製されたレーザ素子において、n側電極601を接地し、p側電極501に電圧を印加すると、MQW活性層106にキャリアが注入され、前記MQW活性層106内で光学利得が生じ、発振波長400nm付近においてレーザ発振を起こす。現在は実用レベルに達してきている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−332357号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
最近の技術動向から、再生のみならず記録に対応する青色半導体レーザが求められている。従って、従来以上に高出力特性が要望されており、水平横モードの制御が重要となってくる。そこで、記録に対応するためには少なくとも出力30mW以上の高出力特性が必要であり、高温での動作保証等を考慮すると、キンクレベルとしては倍の60mW以上は必要と考えられ、図5に示すようにリッジ幅は2.0μm以下が必要である。
【0008】
従来のGaN系窒化物半導体レーザ素子の製造方法においては、レジストをマスクとして、ドライエッチングすることにより、リッジ形状を作製している。しかしながら、GaN及びAl0.07Ga0.93Nとのドライエッチング時の選択比が低く(条件にもよるが、選択比は約1)、レジストマスクの後退が生じるため、2μm以下のリッジ幅における制御性が悪くなり、安定した高出力特性を実現するためには、水平横モードの制御という面で課題を残しており、歩留まりを悪化させる原因となる。
【0009】
本発明の目的は、簡素化した工程の採用により、量産性に優れ、また簡素化した工程において、金属膜、及び絶縁膜をマスクに使用してリッジを作製することにより、2.0μm以下のリッジ幅の制御性を向上することができ、かつ高いキンクレベルを有することができる、高出力特性を有したGaN系窒化物半導体レーザ素子の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本発明の半導体レーザ素子の製造方法は、基板上に半導体膜を積層した後、レジストマスクを用いてリッジストライプパターンを形成し、蒸着によって金属膜を形成し、第一のリフトオフによってレジスト、及び該レジスト上の該金属膜の除去を行い、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマと固体(金属)ターゲット、及び反応ガスにより絶縁膜を堆積し、第二のリフトオフによって該金属膜、及び該金属膜上の該絶縁膜を除去する工程を有していることを特徴としている。この製造方法により、安定した高出力特性を持ち、かつ量産性に優れたGaN系窒化物半導体レーザ素子を実現することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、本発明の第1の実施例におけるGaN系窒化物半導体レーザ素子の製造方法について図面を参照しながら、説明を行う。
【0012】
図3(a)において、まず、GaN基板1上に有機金属気相成長法(MOCVD法)により、バッファ層2を堆積する。その後、n−Al0.15Ga0.85N層3、n−Al0.07Ga0.93Nクラッド層4、n−GaN光ガイド層5、多重量子井戸(MQW)活性層6、p−GaN光ガイド層7、p−Al0.07Ga0.93Nクラッド層8、p−GaNコンタクト層9を順次積層する。MQW活性層6は3.5nmのGa0.92In0.08N井戸層と、7.0nmのGaNバリア層から構成されている。
【0013】
次に、図3(b)に示すように、フォトリソグラフィーにより反転ストライプパターン201を形成後、導通を得るためのメタルA(例えば、Pd/Au)とアルミニウムとニッケルを含有するメタルB(例えば、Al/Ni)を含むP側電極10を形成する。より詳細には、p−GaNコンタクト層9側(すなわち、下側)にメタルA(例えば、Pd/Au)が、後述する配線電極12側(すなわち、上側)にメタルB(例えば、Al/Ni)が位置するように、これらのメタルAおよびメタルBが積層される。なお、メタルAを構成し得るPdおよびAuについては、Pdが上側に、Auが下側に位置する。また、メタルBを構成し得るNiおよびAlについては、Niが上側に、Alが下側に位置する。
【0014】
次に、図3(c)に示すように、アセトンを用いたリフトオフによってレジストパターン201、及びレジストパターン201上のP側電極10を除去する。
【0015】
次に、図3(d)に示すように、P側電極10中のニッケルをマスクとして、塩素を主成分とする反応性ドライエッチング(RIE)により、p−Al0.07Ga0.93Nクラッド層8の一部をリッジ状にエッチングする。ここで、ニッケルをマスクに使用することにより、GaN及びAl0.07Ga0.93Nとのドライエッチング時の選択比が高く、ニッケルマスクの後退がないため、1.5μmというねらいのストライプ幅に対して、1.5±0.1μmという制御性が得られデバイス特性上、高いキンクレベルの維持、すなわち高出力特性を有するレーザ発振を実現することが可能となる。p−Al0.07Ga0.93Nクラッド層8の残し厚(エッチングによって薄くなっている部分の厚さ)は100nmである。
【0016】
次に、図3(e)に示すように、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマとNb金属ターゲット、及びAr、Oガスによって絶縁膜であるNb膜11を50nm堆積する。ここで、Nb膜11の膜厚は光の吸収を生じないよう、また絶縁特性を十分に取ることが可能である20nm以上が必要であり、また、膜厚が厚すぎるとリフトオフできないため、500nm以下であることが必要である。望ましくは、歩留まり良くリフトオフを可能とし、かつ導波損失を低くするために、30nm以上150nm以下であることが有効である。
【0017】
次に、図3(f)に示すように、アルミニウムの塩酸に対するエッチングレートが本実施例に使用している他の材料より早いことを利用して、塩酸系エッチャントを用いたリフトオフによってP側電極10中のメタルB(Al/Ni)、及びP側電極10上のNb膜11を除去する。このリフトオフ工程の際、リフトオフ前はニッケル、またはアルミニウム(メタルB)が表面に出ているため銀色をしているが、リフトオフ後は金(メタルA)が表面となるため、リフトオフ前後で色の変化によるリフトオフの確認を容易にすることが可能となり、歩留まりの向上を実現できる。なお、このとき、P側電極10上のNb11は、その下に位置するP側電極10中のメタルB(Al/Ni)が除去されることにより、P側電極10から剥がれ落ちるように除去される。
【0018】
最後に、図4(g)に示すように、配線電極12を全面に形成し、GaN基板1裏面にn側電極13を形成する。
【0019】
以上の製造工程により作製されたレーザ素子において、n側電極13を接地し、p側電極10に電圧を印加すると、MQW活性層6にキャリアが注入され、前記MQW活性層6内で光学利得が生じ、発振波長400nm付近においてレーザ発振を起こす。MQW活性層6の材料であるGaInN薄膜の組成や膜厚により発振波長を変化させることができる。
【0020】
図3(b)に示すような反転ストライプパターンでレジストをパターンニングすることにより、従来のストライプ状にレジストを残す場合と比較して、ニッケルマスクを使用することによりドライエッチング時の選択比が高く、ニッケルマスクの後退がほとんどないため、レジストマスクを使用する場合と比較してストライプ幅の制御性が向上し、デバイス特性上、ストライプ幅が狭いことによる高いキンクレベル、及び安定したストライプ幅の制御による高いキンクレベルの維持、すなわち高出力特性を有するレーザ発振を実現することが可能となる。
【0021】
また、アルミニウムの塩酸に対するエッチングレートの違いを利用した塩酸系エッチャントを用いたリフトオフ工程を採用することにより、リフトオフ前はニッケル、またはアルミニウムがP側電極10の表面に出ているため銀色をしているが、リフトオフ後は金がP側電極10の表面となるため、リフトオフ前後で色の変化によるリフトオフの確認を容易にすることが可能となり、工程の簡素化による生産性の向上、及び歩留まりの向上を実現できる。
【0022】
また、本発明では、絶縁膜11を堆積するのにECRスパッタを使用している。ECRスパッタを使用する利点の一つは、指向性が良いことであり、図9、図10に示すようにリッジ形状の側壁への誘電体の堆積を低減でき、図9、図10の形状を作ることにより初めてリフトオフを実現することが可能となる。図11に示すような指向性が低い、等方性に堆積するプラズマCVDなどを使用した場合は、誘電体に段切れが生じないため、リフトオフを実現することができない。
【0023】
ECRスパッタを使用するもう一つの利点は、高純度化が比較的可能な金属ターゲット(Zr、Ta、Al、Siなど)を使えることから、材料への適応性が良い点であり、例えば、ZrO、Ta、AlN等の堆積を高品質に行うことが可能である。以上2つの利点より、ECRスパッタを使用しての誘電体堆積は必須であるといえる。
【0024】
また、電流を狭窄するため、絶縁膜としてNb膜11を使用しているが、絶縁膜としては図6に示すように屈折率の高い材料を使用するほど、キンクレベルの向上、すなわち高出力特性を実現することができるため、屈折率n=2.40のNb膜を使用している。
【0025】
また、GaN基板1を使用しているため、裏面にn電極を形成でき、従来よりチップ面積を小さくすることが可能となり、コストの低減を実現可能となる。
【0026】
以上の製造方法により、従来の製造方法と比較して、本実施例の製造方法は全体の工程が簡素化されており、安定した高出力特性を持った、生産性の良いGaN系窒化物半導体レーザ素子を歩留まり良く作製することが可能となる。
【0027】
なお、上記実施例においては、GaN基板1の例を示したが、ほかの材料系、例えば、レーザリフトオフによりサファイアを除去したGaNテンプレート基板、SiC基板といった材料などを用いても同様の効果を得ることができる。また、GaAsやNGO(NdGaO)、LGO(LiGaO)、Siなどの基板でも良い。
【0028】
また、上記実施例においては、Nb膜11の例を示したが、高屈折率の材料系、例えば、Si、Al、TiO、ZrO、Ta、Nb、HfO5、AlN、SiOといった材料やそれらの化合物(例えば、SiONやAlONなど)などを用いても同様の効果を得ることができる。
【0029】
特に、GaN系窒化物半導体レーザ素子においては、屈折率1.8、望ましくは2.1を超えるTiO、ZrO、Ta、Nb等がキンクレベル向上のために有効である。
【0030】
また、上記実施例においては、塩酸系エッチャントを使用して、P側電極中のアルミニウムをエッチングし、リフトオフを行うことを示したが、(塩酸系、アルミニウム)といった組み合わせを(フッ酸系、チタン)、及び(硝酸系、ニッケル)といったエッチャント、金属の材料の組み合わせを用いても同様の効果を得ることができる。
【0031】
本実施例では初期に堆積したP側電極10の一部をエッチャントにより除去したが、P側電極全体をリフトオフにより除去してもかまわない。この場合、新たにP側電極を形成する必要がある。
【0032】
本発明では、GaN系半導体レーザ素子を例にとって説明したが、他の材料系、例えばAlGaInP系や、AlGaAs系、InGaAsP系のレーザにも適用可能である。また、半導体レーザのみでなく、発光ダイオードや、電子デバイス等の製造方法にも適用することが可能である。
【0033】
(実施の形態2)
以下、本発明の第2の実施例におけるGaN系窒化物半導体レーザ素子の製造方法について図面を参照しながら、説明を行う。
【0034】
図7(a)において、まず、GaN基板1上に有機金属気相成長法(MOCVD法)により、バッファ層2を堆積する。その後、n−Al0.15Ga0.85N層3、n−Al0.07Ga0.93Nクラッド層4、n−GaN光ガイド層5、多重量子井戸(MQW)活性層6、p−GaN光ガイド層7、p−Al0.07Ga0.93Nクラッド層8、p−GaNコンタクト層9を順次積層する。MQW活性層6は3.5nmのGa0.92In0.08N井戸層と、7.0nmのGaNバリア層から構成されている。
【0035】
次に、図7(b)に示すように、フォトリソグラフィーにより反転ストライプパターン201を形成後、導通を得るためのメタルA(例えば、Pd/Au)とアルミニウムとニッケルを含有するメタルB(例えば、Al/Ni)を含むP側電極10、例えばプラズマCVDによりSiO膜301を形成する。なお、メタルAおよびメタルBの積層構造については、実施の形態1において説明した積層構造と同じである。
【0036】
次に、図7(c)に示すように、アセトンを用いたリフトオフによってレジストパターン201、及びレジストパターン201上のP側電極10、P側電極10上のSiO膜301を除去する。
【0037】
次に、図7(d)に示すように、SiO膜301のニッケルをマスクとして、塩素を主成分とする反応性ドライエッチング(RIE)により、p−Al0.07Ga0.93Nクラッド層8の一部をリッジ状にエッチングする。ここで、SiO膜をマスクに使用することにより、GaN及びAl0.07Ga0.93Nとのドライエッチング時の選択比が高く、SiOマスクの後退がないため、1.5μmという狙いのストライプ幅に対して1.5±0.1μmという制御性が得られ、デバイス特性上、高いキンクレベルの維持、すなわち高出力特性を有するレーザ発振を実現することが可能となる。p−Al0.07Ga0.93Nクラッド層8の残し厚(エッチングによって薄くなっている部分の厚さ)は100nmである。
【0038】
次に、図7(e)に示すように、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマとTa金属ターゲット、及びAr、Oガスによって絶縁膜であるTa膜14を50nm堆積する。ここで、Ta膜14の膜厚は光の吸収を生じないよう、また絶縁特性を十分に取ることが可能である20nm以上が必要であり、また、膜厚が厚すぎるとリフトオフできないため、500nm以下であることが必要である。望ましくは、歩留まり良くリフトオフを可能とし、かつ導波損失を低くするために、30nm以上150nm以下であることが有効である。
【0039】
次に、図7(f)に示すように、アルミニウムの塩酸に対するエッチングレートが本実施例に使用している他の材料より早いことを利用して、塩酸系エッチャントを用いたリフトオフによってP側電極10中のメタルB(Al/Ni)、SiO膜301、及びP側電極10上のTa膜14を除去する。このリフトオフ工程の際、リフトオフ前はニッケル、またはアルミニウムがP側電極10の表面に出ているため銀色をしているが、リフトオフ後は金がP側電極10の表面となるため、リフトオフ前後で色の変化によるリフトオフの確認を容易にすることが可能となり、歩留まりの向上を実現できる。
【0040】
最後に、図7(g)に示すように、配線電極12を全面に形成し、GaN基板1裏面にn側電極13を形成する。
【0041】
以上の製造工程により作製されたレーザ素子において、n側電極13を接地し、p側電極10に電圧を印加すると、MQW活性層6にキャリアが注入され、前記MQW活性層6内で光学利得が生じ、発振波長400nm付近においてレーザ発振を起こす。MQW活性層6の材料であるGaInN薄膜の組成や膜厚により発振波長を変化させることができる。
【0042】
図7(b)に示すような反転ストライプパターンでレジストをパターンニングすることにより、従来のストライプ状にレジストを残す場合と比較して、SiO301からなるマスクを使用することによりドライエッチング時の選択比が高く、SiO301からなるマスクの後退がほとんどないため、レジストマスクを使用する場合と比較してストライプ幅の制御性が向上し、デバイス特性上、ストライプ幅が狭いことによる高いキンクレベル、及び安定したストライプ幅の制御による高いキンクレベルの維持、すなわち高出力特性を有するレーザ発振を実現することが可能となる。
【0043】
また、アルミニウムの塩酸に対するエッチングレートの違いを利用した塩酸系エッチャントを用いたリフトオフ工程を採用することにより、リフトオフ前はニッケル、またはアルミニウムが表面に出ているため銀色をしているが、リフトオフ後は金が表面となるため、リフトオフ前後で色の変化によるリフトオフの確認を容易にすることが可能となり、工程の簡素化による生産性の向上、及び歩留まりの向上を実現できる。
【0044】
また、本発明では、絶縁膜11を堆積するのにECRスパッタを使用している。ECRスパッタを使用する利点の一つは、指向性が良いことであり、図9、図10に示すようにリッジ形状の側壁への誘電体の堆積を低減でき、図9、図10の形状を作ることにより初めてリフトオフを実現することが可能となる。図11に示すような指向性が低い、等方性に堆積するプラズマCVDなどを使用した場合は、誘電体に段切れが生じないため、リフトオフを実現することができない。ECRスパッタを使用するもう一つの利点は、高純度化が比較的可能な金属ターゲット(Zr、Ta、Al、Siなど)を使えることから、材料への適応性が良い点であり、例えば、ZrO、Ta、AlN等の堆積を高品質に行うことが可能である。以上2つの利点より、ECRスパッタを使用しての誘電体堆積は必須であるといえる。
【0045】
また、電流を狭窄するため、絶縁膜としてTa膜11を使用しているが、絶縁膜としては図6に示すように屈折率の高い材料を使用するほど、キンクレベルの向上、すなわち高出力特性を実現することができるため、屈折率n=2.2のTa膜を使用している。
【0046】
また、GaN基板を使用しているため、裏面にn電極を形成でき、従来よりチップ面積を小さくすることが可能となり、コストの低減を実現可能となる。
【0047】
以上の製造方法により、従来の製造方法と比較して、本実施例の製造方法は全体の工程が簡素化されており、安定した高出力特性を持った、生産性の良いGaN系窒化物半導体レーザ素子を歩留まり良く作製することが可能となる。
【0048】
なお、上記実施例においては、GaN基板1の例を示したが、ほかの材料系、例えば、レーザリフトオフによりサファイアを除去したGaNテンプレート基板、SiC基板といった材料などを用いても同様の効果を得ることができる。また、GaAsやNGO(NdGaO)、LGO(LiGaO)、Siなどの基板でも良い。
【0049】
また、上記実施例においては、Ta膜の例を示したが、高屈折率の材料系、例えば、Si、Al、TiO、ZrO、Ta、Nb、HfO5、AlN、SiOといった材料やそれらの化合物(例えば、SiONやAlONなど)などを用いても同様の効果を得ることができる。
【0050】
特に、GaN系窒化物半導体レーザ素子においては、屈折率1.8、望ましくは2.1を超えるTiO、ZrO、Ta、Nb等がキンクレベル向上のために有効である。
【0051】
また、上記実施例においては、塩酸系エッチャントを使用して、P側電極中のアルミニウムをエッチングし、リフトオフを行うことを示したが、(塩酸系、アルミニウム)といった組み合わせを(フッ酸系、チタン)、及び(硝酸系、ニッケル)といったエッチャント、金属の材料の組み合わせを用いても同様の効果を得ることができる。
【0052】
本実施例では初期に堆積したP側電極の一部をエッチャントにより除去したが、P側電極全体をリフトオフにより除去してもかまわない。この場合、新たにP電極を形成する必要がある。
【0053】
本発明では、GaN系半導体レーザ素子を例にとって説明したが、他の材料系、例えばAlGaInP系や、AlGaAs系、InGaAsP系のレーザにも適用可能である。また、半導体レーザのみでなく、発光ダイオードや、電子デバイス等の製造方法にも適用することが可能である。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、リッジ状にドライエッチングする場合に、金属膜、及び誘電体マスクを使用することによりドライエッチング時の選択比が高く、レジストマスクを使用する場合と比較してストライプ幅の制御性が向上し、高出力特性を実現できる。
【0055】
また、アルミニウムの塩酸に対するエッチングレートの違いを利用したリフトオフ工程を採用することにより、リフトオフ前後で色の変化によるリフトオフの確認を容易にすることが可能となり、工程の簡素化による生産性の向上、及び歩留まりの向上を実現できる。
【0056】
また、電流を狭窄するため、絶縁膜として高屈折率材料を使用しており、キンクレベルの向上、すなわち高出力特性を実現することができる。
【0057】
以上の製造方法により、従来の製造方法と比較して、本発明の製造方法は全体の工程が簡素化されており、安定した高出力特性を持った、生産性の良いGaN系窒化物半導体レーザ素子を歩留まり良く作製することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における、窒化物半導体レーザ素子の断面図
【図2】従来の窒化物半導体レーザ素子の断面図
【図3】本発明の第1の実施例における、窒化物半導体レーザ素子の製造方法を示す図
【図4】本発明の第1の実施例における、窒化物半導体レーザ素子の製造方法を示す図
【図5】リッジ幅とキンクレベルの相関図
【図6】絶縁膜の屈折率とキンクレベルの相関図
【図7】本発明の第2の実施例における、窒化物半導体レーザ素子の製造方法を示す図
【図8】本発明の第2の実施例における、窒化物半導体レーザ素子の製造方法を示す図
【図9】ECRスパッタを使用した場合のリッジ形状図
【図10】ECRスパッタを使用した場合のリッジ形状図
【図11】例えば、プラズマCVDをしようした場合のリッジ形状図
【符号の説明】
1 GaN基板
2 バッファ層
3 n−Al0.15Ga0.85N層
4 n−Al0.07Ga0.93Nクラッド層
5 n−GaN光ガイド層
6 多重量子井戸(MQW)活性層
7 p−GaN光ガイド層
8 p−Al0.07Ga0.93Nクラッド層
9 p−GaNコンタクト層
10 P側電極
11 Nb膜(絶縁膜)
12 配線電極
13 n側電極
14 Ta
101 サファイア基板
102 GaNバッファ層
103 n−Al0.15Ga0.85N層
104 n−Al0.07Ga0.93Nクラッド層
105 n−GaN光ガイド層
106 多重量子井戸(MQW)活性層
107 p−GaN光ガイド層
108 p−Al0.07Ga0.93Nクラッド層
109 p−GaNコンタクト層
201 反転ストライプパターン
301 SiO
401 Si
501 p側電極
601 n側電極

Claims (16)

  1. 基板上に半導体膜を形成する工程と、該半導体膜上に金属膜からなるパターンを形成する工程と、絶縁膜を堆積する工程と、リフトオフによって該金属膜、及び該金属膜上の該絶縁膜を除去する工程を有していることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  2. 絶縁膜の堆積方法が電子サイクロトロン共鳴スパッタであることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子の製造方法。
  3. 前記半導体膜の構成材料がAlGaInN系であることを特徴とする請求項1記載の
    半導体発光素子の製造方法。
  4. 前記半導体膜の構成材料がAlGaInP系、またはAlGaAs系、InGaAsP系であることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子の製造方法。
  5. 前記絶縁膜の構成材料がSiO、Si、Al、TiO、ZrO、Ta、Nb、Hf、AlN、または、それらの化合物を含むことを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子の製造方法。
  6. 前記絶縁膜の膜厚が20nm〜500nmであることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子の製造方法。
  7. 前記金属膜が少なくともニッケル、アルミニウムを含有している請求項1記載の半導体発光素子の製造方法。
  8. 前記金属膜に含有する材料、及び前記リフトオフに用いる溶液の組み合わせが、アルミニウム、塩酸系であること、またはチタン、フッ酸系であること、またはニッケル、硝酸系であることを特徴とする請求項1記載の半導体発光素子の製造方法。
  9. 基板上に半導体膜を形成する工程と、該半導体膜上に金属膜及び、該金属膜上の等一の第一の絶縁膜からなるパターンを形成する工程と、第二の絶縁膜を堆積する工程と、リフトオフによって該金属膜、及び該金属膜上の該第一の絶縁膜、及び該第一の絶縁膜上の該第二の絶縁膜を除去する工程を有していることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  10. 前記第二の絶縁膜の堆積方法が電子サイクロトロン共鳴スパッタであることを特徴とする請求項9記載の半導体発光素子の製造方法。
  11. 前記半導体膜の構成材料がAlGaInN系であることを特徴とする請求項9記載の半導体発光素子の製造方法。
  12. 前記半導体膜の構成材料がAlGaInP系、またはAlGaAs系、InGaAsP系であることを特徴とする請求項9記載の半導体発光素子の製造方法。
  13. 前記第二の絶縁膜の構成材料がSiO、Si、Al、TiO、ZrO、Ta、Nb、Hf2O5、AlN、または、それらの化合物を含むことを特徴とする請求項9記載の半導体発光素子の製造方法。
  14. 前記絶縁膜の膜厚が20nm〜500nmであることを特徴とする請求項9記載の半導体発光素子の製造方法。
  15. 前記金属膜が少なくともニッケル、アルミニウムを含有している請求項9記載の半導体発光素子の製造方法。
  16. 前記金属膜に含有する材料、及び前記リフトオフに用いる溶液の組み合わせが、アルミニウム、塩酸系であること、またはチタン、フッ酸系であること、またはニッケル、硝酸系であることを特徴とする請求項9記載の半導体発光素子の製造方法。
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