JP2004273697A - 薄膜トランジスタパネルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】酸化シリコンからなるゲート絶縁膜10の上面に、CF4ガス等を用いたRIEドライエッチングでエッチング可能なMo等の金属からなるゲート絶縁膜11、12、13および配線24を形成する。それらの上面に酸化シリコンからなる中間層間絶縁膜14および窒化シリコンからなる上層層間絶縁膜15を成膜する。レジストパターン39をマスクとして、CF4ガスを用いたRIEドライエッチングを行なうことにより、上層層間絶縁膜15にコンタクトホール16a、17a、18a、26aを形成し、次いでBHFを用いたウェットエッチングを行なうことにより、ポリシリコン薄膜7、8、9上の中間層間絶縁膜14およびゲート絶縁膜10にコンタクトホール16b、17b、18bを形成し、且つ、配線24上の中間層間絶縁膜14にコンタクトホール26bを形成する。
【選択図】 図14
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は薄膜トランジスタパネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄膜トランジスタパネルにおいて、異なる材質の層間絶縁膜を積層する構造を必要とされる場合がある。このような構造において、下層の層間絶縁膜および上層の層間絶縁膜との間に第1の端子又は素子が形成され、且つ、下層の層間絶縁膜の下に第2の端子又は素子が形成されている場合、第1の端子又は素子に対するコンタクトホールは上層の層間絶縁膜のみに形成し、第2の端子又は素子に対するコンタクトホールは上層および下層の層間絶縁膜に形成することになる。したがって、上層の層間絶縁膜と下層の層間絶縁膜にコンタクトホールを形成する際に適するエッチングの方法が異なる場合、上層の層間絶縁膜に第1の端子又は素子に対するコンタクトホールを形成する際、第2の端子又は素子に対するコンタクトホールも同時に形成し、この後、第2の端子又は素子に対して残された下層の層間絶縁膜のコンタクトホールを形成する製造方法を採用するのが効率的である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−127303号公報(図14、図15)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載された薄膜トランジスタの製造方法において、上層の層間絶縁膜にコンタクトホールを形成する際、加工精度や加工速度(エッチレート)の面で最適なエッチング方法が第1の端子又は素子に対して、十分に大きな選択比を有している場合には問題はない。しかしながら、上層の層間絶縁膜に最適なエッチング方法に対する第1の端子又は素子の選択比が小さい場合には、第2の端子又は素子に対するコンタクトホール形成工程、すなわち第1のエッチング工程と、第1の端子又は素子に対するコンタクトホール形成工程、すなわち第2のエッチング工程とをそれぞれ別途行う必要が生じる。すなわち、第1のエッチング工程では、加工精度や加工速度が最適なエッチング法を適用することができるが、第2のエッチング工程では、上層の層間絶縁膜に最適なエッチング法を適用することができず、選択比は大きいが加工精度や加工速度の面で劣る、第1のエッチング法とは異なるエッチング法を適用しなければならない。このため、このような場合には、生産効率が大幅に低下することになってしまう。
そこで、この発明は、層間絶縁膜に対する最適なエッチング法がその下の端子又は素子との選択比が小さい場合にも生産効率あるいは加工精度を向上することができる薄膜トランジスタパネルの製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域に対応するコンタクトホールと前記薄膜トランジスタに電気的に接続される導体に対応するコンタクトホールを形成する薄膜トランジスタパネルの製造方法において、前記薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域および前記導体の一方のみを覆う下層層間絶縁膜を形成し、前記薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域および前記導体上に前記下層層間絶縁膜と同一材料からなる中間層間絶縁膜および前記下層層間絶縁膜とは異なる材料からなる上層層間絶縁膜を前記中間層間絶縁膜の膜厚が前記上層層間絶縁膜の膜厚より薄くなるように形成し、前記上層層間絶縁膜に第1のエッチング方法により前記薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域および前記導体に対応するコンタクトホールを形成し、前記中間層間絶縁膜および前記下層層間絶縁膜に前記第1のエッチング方法とは異なる第2のエッチング方法により前記導体に対応するコンタクトホールおよび前記薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域に対応するコンタクトホールを形成することを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1のエッチング方法はドライエッチングであり、前記第2のエッチング方法はウエットエッチングであることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記上層層間絶縁膜に前記薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域および前記導体に対応するコンタクトホールの形成は同時に行なうことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1および第2のエッチング方法を用いて、前記薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域に対応するコンタクトホールまたは前記導体に対応するコンタクトホールのいずれか一方を形成し、その後、前記第1および第2のエッチング方法を用いて、前記薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域に対応するコンタクトホールおよび前記導体に対応するコンタクトホールの他方を形成することを特徴とするものである。
そして、この発明によれば、薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域または導体の一方を覆って、上層層間絶縁膜の膜厚より薄く且つ下層層間絶縁膜と同一材料からなる中間層間絶縁膜を介して下層層間絶縁膜とは異なる材料からなる上層層間絶縁膜を形成したので、上層層間絶縁膜にコンタクトホールを形成する際、加工速度または加工精度の面で最適なエッチング方法を適用することが可能となり、中間層間絶縁膜にコンタクトホールを形成する際に最適ではないが選択比が大きい他のエッチング方法を適用しても、生産効率または加工精度の向上を図ることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1はこの発明の製造方法により製造された薄膜トランジスタパネルを備えた液晶表示素子の一例の要部の断面図を示したものである。この液晶表示素子では、ガラス基板1上の画素回路部形成領域に画素電極2およびこの画素電極2に接続されたNMOS薄膜トランジスタ3が設けられ、ガラス基板1上の周辺駆動回路部形成領域にNMOS薄膜トランジスタ4とPMOS薄膜トランジスタ5とからなるCMOS薄膜トランジスタが設けられている。
【0007】
各薄膜トランジスタ3、4、5は、ガラス基板1の上面に設けられた下地絶縁膜6の上面の各所定の箇所に設けられたポリシリコン薄膜7、8、9を備えている。この場合、NMOS薄膜トランジスタ3、4はLDD(Lightly Doped Drain)構造となっている。
【0008】
すなわち、NMOS薄膜トランジスタ3、4のポリシリコン薄膜7、8の中央部は真性領域からなるチャネル領域7a、8aとされ、その両側はn型不純物低濃度領域からなるソース・ドレイン領域7b、8bとされ、さらにその両側はn型不純物高濃度領域からなるソース・ドレイン領域7c、8cとされている。一方、PMOS薄膜トランジスタ5のポリシリコン薄膜9の中央部は真性領域からなるチャネル領域9aとされ、その両側はp型不純物高濃度領域からなるソース・ドレイン領域9bとされている。
【0009】
ポリシリコン薄膜7、8、9を含む下地絶縁膜6の上面には酸化シリコンからなるゲート絶縁膜(下層層間絶縁膜)10が設けられている。各チャネル領域7a、8a、9a上におけるゲート絶縁膜10の上面の各所定の箇所にはゲート電極11、12、13が設けられている。ゲート電極11、12、13を含むゲート絶縁膜10の上面には酸化シリコンからなる中間層間絶縁膜14および窒化シリコンからなる上層層間絶縁膜15が設けられている。ここで、中間層間絶縁膜14の膜厚は100Å〜500Åと、上層層間絶縁膜15の膜厚2000Å〜5000Åに対し遙かに薄く形成されている点は重要である。
【0010】
ポリシリコン薄膜7のソース・ドレイン領域7c上における上層層間絶縁膜15、中間層間絶縁膜14およびゲート絶縁膜10にはコンタクトホール16が設けられている。ポリシリコン薄膜8のソース・ドレイン領域8c上における上層層間絶縁膜15、中間層間絶縁膜14およびゲート絶縁膜10にはコンタクトホール17が設けられている。ポリシリコン薄膜9のソース・ドレイン領域9b上における上層層間絶縁膜15、中間層間絶縁膜14およびゲート絶縁膜10にはコンタクトホール18が設けられている。
【0011】
各コンタクトホール16、17、18内およびその各近傍の上層層間絶縁膜15の上面の各所定の箇所にはソース・ドレイン電極19、20、21が設けられている。ソース・ドレイン電極19、20、21を含む上層層間絶縁膜15の上面にはオーバーコート膜22が設けられている。オーバーコート膜22の上面の所定の箇所には画素電極2が設けられている。画素電極2は、オーバーコート膜22の所定の箇所に設けられたコンタクトホール23を介してNMOS薄膜トランジスタ3の一方のソース・ドレイン電極19に接続されている。
【0012】
ここで、この液晶表示素子の静電気対策について簡単に説明する。ガラス基板1上の画素電極2およびNMOS薄膜トランジスタ3が設けられた画素回路部形成領域の外側にはリング状の短絡用配線が設けられている。この短絡用配線は、ゲート絶縁膜10の上面にゲート電極11、12、13と同一の材料によって同時に形成された第1の短絡用配線24と、層間絶縁膜15の上面にソース・ドレイン電極19、20、21と同一の材料によって同時に形成された第2の短絡用配線25とを備えている。
【0013】
そして、短絡用配線をリング状とするために、第2の短絡用配線25の所定の部分は、上層層間絶縁膜15および中間層間絶縁膜14の所定の箇所に設けられたコンタクトホール26を介して第1の短絡用配線24の所定の部分に接続されている。また、図示していないが、NMOS薄膜トランジスタ3のゲート電極11に接続されたゲートラインと第1の短絡用配線24との間には静電保護素子が設けられ、NMOS薄膜トランジスタ3の他方のソース・ドレイン電極19に接続されたソース・ドレインラインと第2の短絡用配線25との間には静電保護素子が設けられている。
【0014】
そして、外部から静電気が帯電すると、静電保護素子が導通し、第1、第2の短絡用配線24、25、全てのゲートラインおよび全てのソース・ドレインラインが同電位となり、これによりNMOS薄膜トランジスタ3の特性が変化したり破壊したりしないようにすることができる。このような、静電気保護の構造の詳細は、例えば、特開平8−179360号公報に記載されている。
【0015】
次に、上記構成の液晶表示素子の製造方法の一例について説明する。まず、図2に示すように、ガラス基板1の上面にプラズマCVD法により酸化シリコンからなる下地絶縁膜6およびアモルファスシリコン薄膜31を連続して成膜する。この場合、下地絶縁膜6の膜厚は2000Å程度であり、アモルファスシリコン薄膜31の膜厚は500Å程度である。次に、エキシマレーザを照射することにより、アモルファスシリコン薄膜31を多結晶化し、ポリシリコン薄膜32とする。次に、ポリシリコン薄膜32をパターニングすることにより、図3に示すように、下地絶縁膜6の上面の各所定の箇所にポリシリコン薄膜7、8、9を形成する。
【0016】
次に、図4に示すように、ポリシリコン薄膜7、8、9を含む下地絶縁膜6の上面にプラズマCVD法により酸化シリコンからなるゲート絶縁膜10を膜厚1000Å程度に成膜する。次に、ゲート絶縁膜10の上面に、スパッタ法により、Moからなるゲート電極等形成用金属膜33を膜厚3000Å程度に成膜する。一般的に、MoはCF4ガスを用いたRIEドライエッチングではエッチレート1000〜3000Åでエッチングされる材料であり、次に、このエッチング方法によりゲート電極等形成用金属膜33をパターニングして、各ポリシリコン薄膜7、8、9の中央部上におけるゲート絶縁膜10の上面の各所定の箇所にゲート電極11、12、13を形成し、且つ、ゲート絶縁膜10の上面の所定の箇所に第1の短絡用配線24を形成する。
【0017】
次に、図5に示すように、各ゲート電極11、12、13をマスクとしてn型不純物を低濃度で注入する。一例として、リンイオンを加速エネルギー70keV、ドーズ量1×1013atm/cm2の条件で注入する。すると、各ポリシリコン薄膜7、8、9の各ゲート電極11、12、13の両側における領域はn型不純物低濃度領域となる。
【0018】
次に、図6に示すように、ゲート電極11、12、13および第1の短絡用配線24を含むゲート絶縁膜10の上面に、ポリシリコン薄膜7、8のn型不純物高濃度領域7c、8c形成領域に対応する部分に開口部34aを有するレジストパターン34を形成する。次に、レジストパターン34をマスクとしてn型不純物を高濃度で注入する。一例として、リンイオンを加速エネルギー70keV、ドーズ量1×1015atm/cm2の条件で注入する。すると、ポリシリコン薄膜7、8のゲート電極11、12下の領域は真性領域からなるチャネル領域7a、8aとなり、その両側はn型不純物低濃度領域からなるソース・ドレイン領域7b、8bとなり、さらにその両側はn型不純物高濃度領域からなるソース・ドレイン領域7c、8cとなる。この後、レジストパターン34を剥離する。
【0019】
次に、図7に示すように、ゲート電極11、12および第1の短絡用配線24を含むゲート絶縁膜10の上面に、ポリシリコン薄膜9に対応する部分に開口部35aを有するレジストパターン35を形成する。次に、レジストパターン35およびゲート電極13をマスクとしてp型不純物を高濃度で注入する。一例として、ボロンイオンを加速エネルギー30keV、ドーズ量1×1015atm/cm2の条件で注入する。すると、ポリシリコン薄膜9のゲート電極13下の領域は真性領域からなるチャネル領域9aとなり、その両側はp型不純物高濃度領域からなるソース・ドレイン領域9bとなる。この後、レジストパターン35を剥離する。次に、窒素ガス雰囲気中において500℃程度の温度で1時間程度のアニール処理を行ない、注入不純物の活性化を行なう。
【0020】
次に、図8に示すように、ゲート電極11、12、13および第1の短絡用配線24を含むゲート絶縁膜10の上面にプラズマCVD法により酸化シリコンからなる中間層間絶縁膜14および窒化シリコンからなる上層層間絶縁膜15を真空を破らずにチャンバを移動して連続して成膜する。この場合、中間層間絶縁膜14の膜厚は100Å〜500Åであり、上層層間絶縁膜15の膜厚は2000Å〜5000Åである。なお、中間層間絶縁膜14はスパッタ法により成膜してもよい。
【0021】
次に、図9に示すように、上層層間絶縁膜15の上面に、ポリシリコン薄膜7、8のソース・ドレイン領域7c、8cおよびポリシリコン薄膜9のソース・ドレイン領域9bに対応する部分に開口部36aを有するレジストパターン36を形成する。次に、レジストパターン36をマスクとして、CF4ガスを用いたRIEドライエッチングを行なうことにより、ポリシリコン薄膜7、8のソース・ドレイン領域7c上における上層層間絶縁膜15にコンタクトホール16a、17aを形成し、またポリシリコン薄膜9のソース・ドレイン領域9b上における上層層間絶縁膜15にコンタクトホール18aを形成する。
【0022】
次に、図10に示すように、同一のレジストパターン36をマスクとして、BHFを用いたウェットエッチングを行なうことにより、ポリシリコン薄膜7、8のソース・ドレイン領域7c上における中間層間絶縁膜14およびゲート絶縁膜10にコンタクトホール16b、17bを形成し、またポリシリコン薄膜9のソース・ドレイン領域9b上における中間層間絶縁膜14およびゲート絶縁膜10にコンタクトホール18bを形成する。この後、レジストパターン36を剥離する。
【0023】
このように、まず、CF4ガスを用いたRIEドライエッチングを行なうことにより、上層層間絶縁膜15にコンタクトホール16a、17a、18aを形成し、次いで、BHFを用いたウェットエッチングを行なうことにより、中間層間絶縁膜14およびゲート絶縁膜10にコンタクトホール16b、17b、18bを形成しているので、エッチングの加工精度および加工速度を良くすることができる。
【0024】
次に、図11に示すように、コンタクトホール16、17、18を含む上層層間絶縁膜15の上面に、第1の短絡用配線24の所定の部分に対応する部分に開口部37aを有するレジストパターン37を形成する。次に、レジストパターン37をマスクとして、CF4ガスを用いたRIEドライエッチングを行なうことにより、第1の短絡用配線24の所定の部分上における上層層間絶縁膜15にコンタクトホール26aを形成する。
【0025】
次に、図12に示すように、同一のレジストパターン37をマスクとして、BHFを用いたウェットエッチングを行なうことにより、第1の短絡用配線24の所定の部分上における中間層間絶縁膜14にコンタクトホール26bを形成する。この後、レジストパターン37を剥離する。
【0026】
ここで、CF4ガスを用いたRIEドライエッチングにより上層層間絶縁膜15にコンタクトホール26aを形成するとき、窒化シリコンからなる上層層間絶縁膜15のエッチレートが2000〜6000Å/分程度であるのに対し、酸化シリコンからなる中間層間絶縁膜14のエッチレートが100〜300Å/分程度であり、エッチングの選択比が20程度とかなり大きいため、上層層間絶縁膜15のオーバーエッチング時間が10〜30秒程度であっても、中間層間絶縁膜14の膜厚が100〜500Åであるので、中間層間絶縁膜14がエッチングされてなくなることはなく、したがってMoからなる第1の短絡用配線24がエッチングされることはない。また、この中間層間絶縁膜14の膜厚は100〜500Åと薄く形成されているので、加工時間および加工精度での低下を小さく抑えることができる。
【0027】
次に、図13に示すように、各コンタクトホール16、17、18、26内を含む上層層間絶縁膜15の上面に、スパッタ法によりAl膜およびITOコンタクト用のCr膜(またはMo膜)を連続して成膜することにより、ソース・ドレイン電極等形成用金属膜38を形成する。この場合、Al膜の膜厚は5000Å程度であり、Cr膜の膜厚は500Å程度である。次に、ソース・ドレイン電極等形成用金属膜38をパターニングすることにより、図1に示すように、各コンタクトホール16、17、18内およびその各近傍の上層層間絶縁膜15の上面の各所定の箇所にソース・ドレイン電極19、20、21を形成し、且つ、上層層間絶縁膜15の上面の所定の箇所に第2の短絡用配線25をコンタクトホール26を介して第1の短絡用配線24の所定の部分に接続させて形成する。
【0028】
次に、ソース・ドレイン電極19、20、21を含む上層層間絶縁膜15の上面にプラズマCVD法により窒化シリコンからなるオーバーコート膜22を膜厚2000Å程度に成膜する。次に、NMOS薄膜トランジスタ3の一方のソース・ドレイン電極19上におけるオーバーコート膜22の所定の箇所にコンタクトホール23を形成する。次に、オーバーコート膜22の上面の所定の箇所に、スパッタ法により成膜された膜厚500Å程度のITO膜をパターニングすることにより、画素電極2をコンタクトホール23を介してNMOS薄膜トランジスタ3の一方のソース・ドレイン電極19に接続させて形成する。かくして、図1に示す液晶表示素子が得られる。
【0029】
なお、上記実施形態では、図9および図10に示すように、ポリシリコン薄膜7、8のソース・ドレイン領域7c、8cおよびポリシリコン薄膜9のソース・ドレイン領域9b上における上層層間絶縁膜15、中間層間絶縁膜14およびゲート絶縁膜10にコンタクトホール16a、17aおよびコンタクトホール16b、17bを形成した後に、図11および図12に示すように、第1の短絡用配線24の所定の部分上における上層層間絶縁膜15および中間層間絶縁膜14にコンタクトホール26a、26bを形成した場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0030】
例えば、上記実施形態とは逆に、図11および図12に示すように、第1の短絡用配線24の所定の部分上における上層層間絶縁膜15および中間層間絶縁膜14にコンタクトホール26a、26bを形成した後に、図9および図10に示すように、ポリシリコン薄膜7、8のソース・ドレイン領域7c、8cおよびポリシリコン薄膜9のソース・ドレイン領域9b上における上層層間絶縁膜15、中間層間絶縁膜14およびゲート絶縁膜10にコンタクトホール16a、17aおよびコンタクトホール16b、17bを形成するようにしてもよい。
【0031】
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態よりさらに生産効率が高い方法を提供する。
第2実施形態の場合も、図2〜図8迄に示す製造方法は第1実施形態の場合と同様であり、中間層間絶縁膜14上に上層層間絶縁膜15を形成する。次に、図14に示すように、ポリシリコン薄膜7、8のソース・ドレイン領域7c、8c、ポリシリコン薄膜9のソース・ドレイン領域9bおよび第1の短絡用配線24の所定の部分に対応する部分に開口部39aを有するレジストパターン39を形成する。次に、上述したRIEドライエッチングにより、上層層間絶縁膜15にソース・ドレイン領域7c、8c、9cに対応するコンタクトホール16a、17a、18a、および第1の短絡用配線24の所定の部分に対応するコンタクトホール26aを同時に形成する。
【0032】
ここで、上層層間絶縁膜15のエッチレートは2000Å〜6000Å/分であるのに対し、中間層間絶縁膜14のエッチレートは100Å〜300Å/分であるので中間層間絶縁膜14は残留させることは容易であり、選択比の小さいMo等からなる第1の短絡用配線24をエッチングしてしまうようなことはない。次に、バッファード沸酸等を用いたウエットエッチングにより、中間層間絶縁膜14およびゲート絶縁膜10に、ソース・ドレイン領域7c、8c、9cに対応するコンタクトホール16b、17b、18b、および第1の短絡用配線24に対応するコンタクトホール26bを形成する。このようにして図14に示す状態とした後は、第1実施形態と同様な方法で薄膜トランジスタパネルを完成する。この第2実施形態の場合には、第1実施形態の場合に対してフォトリソグラフィ工程を1回少なくすることができるので、生産効率を一層向上し、製造コストを低減することができる。
【0033】
なお、上記各実施形態においては、ポリシリコン薄膜7、8、9上にゲート絶縁膜(下層層間絶縁膜)10および上層層間絶縁膜15が形成され、第1の短絡用配線24上に上層層間絶縁膜15のみが形成されている場合で説明したが、これとは逆に第1の短絡用配線24上に下層層間絶縁膜10および上層層間絶縁膜15が形成されポリシリコン薄膜7、8、9上に上層層間絶縁膜15のみが形成されている場合にも適用可能である。また、その場合、下層層間絶縁膜10または上層層間絶縁膜15の一方または両者が複数層の層間絶縁膜で構成されていてもよい。また、ポリシリコン薄膜7、8、9のソース・ドレイン領域7c、8c、9c上にソース・ドレイン電極を形成し、このソース・ドレイン電極上にコンタクトホールを形成する場合にも適用できる。
【0034】
また、ゲート電極等形成用金属膜33の材料は、Mo、Wおよびそれらの合金であるMo−W、Mo−Cr等のハロゲン系(CF4、SF6、Cl2等)ガスを用いたRIEドライエッチングでエッチング可能な材料であればよい。したがって、ゲート電極等形成用金属膜33をパターニングするためのRIEドライエッチングは、CF4のほかに、SF6、Cl2等のハロゲン系ガスを用いて行なってもよい。また、窒化シリコンからなる上層層間絶縁膜15にコンタクトホールを形成するためのRIEドライエッチングも、CF4のほかに、SF6、Cl2等のハロゲン系ガスを用いて行なってもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、第1の短絡用配線24の所定の部分を露出させる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ガラス基板1上の周辺にNMOS薄膜トランジスタ4とPMOS薄膜トランジスタ5とからなる駆動回路用のCMOS薄膜トランジスタが設けられておらず、且つ、ガラス基板1上の周辺に駆動用の半導体チップが搭載されている場合には、NMOS薄膜トランジスタのゲート電極11に接続されたゲートラインに接続された半導体チップ搭載用の接続パッドを露出させるようにしてもよい。
【0036】
さらに、この発明は、アクティブマトリクス型の液晶表示素子に限らず、アクティブマトリクス型の有機EL(エレクトロルミネセンス)表示素子等の他の素子にも幅広く適用することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域または導体の一方を覆って、上層層間絶縁膜の膜厚より薄く且つ下層層間絶縁膜と同一材料からなる中間層間絶縁膜を介して下層層間絶縁膜とは異なる材料からなる上層層間絶縁膜を形成したので、上層層間絶縁膜にコンタクトホールを形成する際、加工速度または加工精度の面で最適なエッチング方法を適用することが可能となり、中間層間絶縁膜にコンタクトホールを形成する際に最適ではないが選択比が大きい他のエッチング方法を適用しても、生産効率または加工精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態としての製造方法により製造された液晶表示素子の一例の要部の断面図。
【図2】図1に示す液晶表示素子の製造に際し、当初の工程の断面図。
【図3】図2に続く工程の断面図。
【図4】図3に続く工程の断面図。
【図5】図4に続く工程の断面図。
【図6】図5に示す液晶表示素子の製造に際し、当初の工程の断面図。
【図7】図6に続く工程の断面図。
【図8】図7に続く工程の断面図。
【図9】図8に続く工程の断面図。
【図10】図9に続く工程の断面図。
【図11】図10に続く工程の断面図。
【図12】図11に続く工程の断面図。
【図13】図12に続く工程の断面図。
【図14】この発明の他の実施形態としての製造方法を説明するために示す断面図。
【符号の説明】
1 ガラス基板
2 画素電極
3、4 NMOS薄膜トランジスタ
5 PMOS薄膜トランジスタ
6 下地絶縁膜
7、8、9 ポリシリコン薄膜
10 ゲート絶縁膜
11、12、13 ゲート電極
14 中間層間絶縁膜
15 上層層間絶縁膜
16、17、18 コンタクトホール
19、20、21 ソース・ドレイン電極
22 オーバーコート膜
23 コンタクトホール
Claims (4)
- 薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域に対応するコンタクトホールと前記薄膜トランジスタに電気的に接続される導体に対応するコンタクトホールを形成する薄膜トランジスタパネルの製造方法において、前記薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域および前記導体の一方のみを覆う下層層間絶縁膜を形成し、前記薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域および前記導体上に前記下層層間絶縁膜と同一材料からなる中間層間絶縁膜および前記下層層間絶縁膜とは異なる材料からなる上層層間絶縁膜を前記中間層間絶縁膜の膜厚が前記上層層間絶縁膜の膜厚より薄くなるように形成し、前記上層層間絶縁膜に第1のエッチング方法により前記薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域および前記導体に対応するコンタクトホールを形成し、前記中間層間絶縁膜および前記下層層間絶縁膜に前記第1のエッチング方法とは異なる第2のエッチング方法により前記導体に対応するコンタクトホールおよび前記薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域に対応するコンタクトホールを形成することを特徴とする薄膜トランジスタパネルの製造方法。
- 請求項1に記載の発明において、前記第1のエッチング方法はドライエッチングであり、前記第2のエッチング方法はウエットエッチングであることを特徴とする薄膜トランジスタパネルの製造方法。
- 請求項1に記載の発明において、前記上層層間絶縁膜に前記薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域および前記導体に対応するコンタクトホールの形成は同時に行なうことを特徴とする薄膜トランジスタパネルの製造方法。
- 請求項1に記載の発明において、前記第1および第2のエッチング方法を用いて、前記薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域に対応するコンタクトホールまたは前記導体に対応するコンタクトホールのいずれか一方を形成し、その後、前記第1および第2のエッチング方法を用いて、前記薄膜トランジスタのソース・ドレイン領域に対応するコンタクトホールおよび前記導体に対応するコンタクトホールの他方を形成することを特徴とする薄膜トランジスタパネルの製造方法。
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