JP2004273554A - 中空構造を有する半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベアチップ部品の機能素子領域に液状封止樹脂が付着するのを防ぐことができ、歩留まりを向上できる中空構造または中空気密構造を有する半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】半導体素子1の一方主面側を実装基板6に向け、ベアチップ部品の入出力電極3と実装基板6の接続電極4とを、はんだ、導電性ペーストまたは金バンプなど金属間化合物層を有する超音波接合などによる金属接合部5によって電気的に接合する。半導体素子1全体を覆う液状封止樹脂7とは異なる熱硬化性液状インナー樹脂8を半導体素子1の入出力電極3の周囲の実装基板6上に塗布装置10を用いて微量塗布する。半導体素子1全体を覆うように液状封止樹脂7を塗布装置10を用いて実装基板6上に塗布し、その後加熱する。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体素子1の一方主面側を実装基板6に向け、ベアチップ部品の入出力電極3と実装基板6の接続電極4とを、はんだ、導電性ペーストまたは金バンプなど金属間化合物層を有する超音波接合などによる金属接合部5によって電気的に接合する。半導体素子1全体を覆う液状封止樹脂7とは異なる熱硬化性液状インナー樹脂8を半導体素子1の入出力電極3の周囲の実装基板6上に塗布装置10を用いて微量塗布する。半導体素子1全体を覆うように液状封止樹脂7を塗布装置10を用いて実装基板6上に塗布し、その後加熱する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ベアチップ部品の機能素子領域を有する面を実装基板側に向けて搭載し、前記機能素子領域を中空構造に気密封止した半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の半導体装置には、ベアチップ構造のSAW(Surface Acoustic Wave)フィルタを実装基板上に搭載したものがあった。例えば、特許文献1にはこの種の半導体装置が開示される。特許文献1によるベアチップ構造のSAWフィルタは、ガラスを材料とする基体、前記基体の一方の主面に設けられた機能素子領域、前記機能素子領域の両端側に設けられた表面波吸収用のシリコンダンパー、および前記基体の一方の主面の隅部に設けられた入出力電極から構成される。
【0003】
前記SAWフィルタは基体の一方の主面側を実装基板に向けて搭載され、SAWフィルタの入出力電極と実装基板の接続電極とは、はんだ、導電性ペーストまたは超音波接合による金属間結合などによって接合される。この状態で、SAWフィルタはさらに、硬化した液状封止樹脂で覆われており、SAWフィルタと実装基板との間隙は中空気密構造になっている。
【0004】
ここで、機能素子領域には圧電体であるZnO膜が形成され、その表面には櫛形の電極が設けられている。この機能素子領域は表面波の発生および受信を行いフィルタとして機能する。この機能素子領域に異物が付着するとフィルタとしての特性が劣化する。特許文献1に開示される半導体装置の実装構造においては、液状封止樹脂が浸透圧作用によってSAWフィルタと実装基板との間隙から進入し、機能素子領域に付着してしまう不具合が発生しやすい。この不具合を防ぐためには、液状封止樹脂の保管、作業環境の温度および湿度等の管理を徹底する必要があるが、十分な管理は非常に困難である。
【0005】
上記不具合を避けるために、特許文献2に開示される半導体装置では、基板側ダムが形成された実装基板上に、チップ側ダムが形成されたベアチップ構造のSAWフィルタをフリップチップ実装して、SAWフィルタと実装基板との間に、SAWフィルタの機能素子領域と入出力電極との間を遮るとともに、機能素子領域とこれに対向する実装基板表面との間にギャップを形成する仕切りを設けることによって中空構造を形成している。
【0006】
また、特許文献3に開示される半導体装置では、SAWフィルタを覆うように絶縁性のフィルムを配置し、SAWフィルタと絶縁性フィルムとの間に、空気、窒素、アルゴン等の気体を含ませ、さらに絶縁性のフィルムを液状封止樹脂によって覆い、加熱硬化させている。加熱硬化させると、SAWフィルタと絶縁性のフィルムとの間の気体が熱によって膨張するとともに、液状封止樹脂が硬化するため、絶縁性フィルムが中空部を保ったまま固定される。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−97479号公報(第2頁乃至第3頁、図1)
【特許文献2】
特開平10−321666号公報(第2頁乃至第3頁、図1)
【特許文献3】
実開平7−14651号公報(第2頁、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、特許文献2の半導体装置では、基板側ダムが形成された実装基板上に、チップ側ダムが形成されたSAWフィルタをフリップチップ実装するため、SAWフィルタの実装精度、および形成された基板側ダムまたはチップ側ダムの高さのばらつきなどによって、ギャップを形成する仕切りがSAWフィルタの機能素子領域とこれに対向する実装基板の表面との間で密閉できない場合がある。この場合、液状封止樹脂が仕切りを越えてSAWフィルタの機能素子領域に進入する可能性があり、SAWフィルタとしての機能が作用しない。したがって、製造ロットによってSAWフィルタの特性がばらつき、半導体装置の歩留まりが低くなるという課題があった。
【0009】
また、特許文献3の半導体装置では、SAWフィルタと絶縁性フィルムとの間に空気、窒素、アルゴン等の気体を含ませているが、一定量を含ませたことを確認することができないため、十分な中空部を形成できたか否かを確認することができない。十分な中空部が形成できないとSAWフィルタとしての機能が作用しないため、SAWフィルタの特性が製造ロットによってばらつき、半導体装置の歩留まりが低くなるという課題があった。
【0010】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ベアチップ部品の機能素子領域に液状封止樹脂が付着するのを防ぐことができ、歩留まりを向上できる中空構造を有する半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る中空構造を有する半導体装置は、ベアチップ部品全体を覆うように実装基板上に配置された熱硬化性樹脂と、ベアチップ部品と前記実装基板との電気的接合部の周囲に、前記ベアチップ部品と前記実装基板との間隙を部分的に充填するように配置された、前記熱硬化性樹脂とは異なる物性および硬化特性を有する第2の樹脂とを備えたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の様々な実施の形態を説明する。
実施の形態1.
図1(a)はこの発明の実施の形態1による半導体装置の断面図である。図に示すように、半導体装置は、半導体素子1、機能素子領域2および入出力電極3を備えたベアチップ部品が実装基板6上にフリップチップ実装されて構成される。半導体素子1は一方の主面側に機能素子領域2および入出力電極3を備え、この面が実装基板6に向けて搭載されている。実装基板6は表面に接続電極4を有し、ベアチップ部品の入出力電極3が金属接合部5によって実装基板6の接続電極4と接合される。半導体素子1は全体を熱硬化性の液状封止樹脂7で覆われており、入出力電極3の周囲は液状封止樹脂7とは異なる熱硬化性液状インナー樹脂(第2の樹脂)8で覆われている。また、図1(b)は半導体素子1がCCD素子のような撮像機能を有する半導体装置の断面図である。図に示すように、実装基板6は機能素子領域2が搭載される位置に相当する位置に開口部50を有するが、その他の機能は図1(a)に示すものと同様である。
【0013】
熱硬化性液状インナー樹脂8は、半導体素子1全体を覆う液状封止樹脂7と同等組成であるが、粘度、チクソ性(エマルジョンの流動性)、硬化温度などの物性や硬化特性が異なる樹脂である。粘度、チクソ性および硬化温度が以下の関係を有する樹脂を熱硬化性液状インナー樹脂8として使用する。
粘度 :熱硬化性液状インナー樹脂8>液状封止樹脂7
チクソ性:熱硬化性液状インナー樹脂8>液状封止樹脂7
硬化温度:液状封止樹脂7>熱硬化性液状インナー樹脂8
【0014】
例えば、以下のような物性値を有する樹脂を用いてもよい。
(1)粘度(mPa・s):
熱硬化性液状インナー樹脂8…15,000
液状封止樹脂7…5,000
(2)チクソ指数(2.5rpm/10rpm):
熱硬化性液状インナー樹脂8…2.0以上
液状封止樹脂7…1.0以下
(3)硬化温度(℃):
熱硬化性液状インナー樹脂8…80
液状封止樹脂7…150
【0015】
図2は図1(a)の半導体装置の製造過程を示す図である。この図を参照して図1(a)の半導体装置の製造方法について説明する。
まず、図2(a)に示すように、半導体素子1の一方の主面側を実装基板6に向け、ベアチップ部品の入出力電極3と実装基板6の接続電極4とを、はんだ、導電性ペーストまたは金バンプなど金属間化合物層を有する超音波接合などによる金属接合部5によって電気的に接合する。
【0016】
続いて、図2(b)に示すように、半導体素子1全体を覆う液状封止樹脂7とは異なる熱硬化性液状インナー樹脂8を半導体素子1の入出力電極3の周囲の実装基板6上に塗布装置10を用いて微量塗布し、しばらく放置する。熱硬化性液状インナー樹脂8は毛細管現象によって金属接合部5の周辺および半導体素子1の側部と実装基板6との間隙に充填されていき、中空部9を形成する。熱硬化性液状インナー樹脂8の塗布量は、半導体素子1と実装基板6との間隙の一部のみを充填し機能素子領域2までは充填しない適量に調整されている。
【0017】
続いて、図2(c)に示すように、半導体素子1全体を覆うように液状封止樹脂7を塗布装置10を用いて実装基板6上に塗布し、その後加熱する。加熱することによって液状封止樹脂7および熱硬化性液状インナー樹脂8が硬化して中空部9の気密性が高まる。図2(d)は、液状封止樹脂7および熱硬化性液状インナー樹脂8が硬化した状態を示す。硬化温度は熱硬化性液状インナー樹脂8の方が液状封止樹脂7よりも低いため、熱硬化性液状インナー樹脂8の方が液状封止樹脂7より先に硬化する。したがって、液状封止樹脂7が半導体素子1と実装基板6との間隙を通って中空部9に進入するのを防ぐことができる。
【0018】
半導体素子1全体を覆うように液状封止樹脂7を塗布する方法、または熱硬化性液状インナー樹脂8を半導体素子1の周囲に塗布する方法として、ディスペンサーなどを用いて滴下する方法や、印刷マスクユニットを用いスキージによってマスクの開口部に封止樹脂を流し込む方法等がある。
【0019】
なお、熱硬化性液状インナー樹脂8のチクソ性および粘度をより高くすることによって実装基板6上に塗布された形状を保持させることができ、塗布直後の熱硬化性液状インナー樹脂8自体の中空部9への進入をより確実に防ぐことができる。
【0020】
以上のように、この実施の形態1によれば、液状封止樹脂7とは物性および硬化特性が異なる熱硬化性液状インナー樹脂8を、半導体素子1の入出力電極3と実装基板6の接続電極4との金属接合部5の周囲に塗布して、液状封止樹脂7と熱硬化性液状インナー樹脂8とを熱硬化させるようにしたので、液状封止樹脂7が中空部9に進入しようとする経路を塞ぎ、機能素子領域2に液状封止樹脂7が付着するのを防ぐことができる効果が得られ、中空構造または中空気密構造を有する半導体装置を得ることができる。
【0021】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2による半導体装置の断面図である。図1(a)と共通する要素には同一符号を付し、その説明を省略する。この実施の形態2による半導体装置の実装基板6’は、半導体素子1が搭載される位置に、気体を送入するための穴20を有する。
【0022】
図4は図3の半導体装置の製造過程を示す図である。この図を参照して図3の半導体装置の製造方法について説明する。
まず、図4(a)に示すように、半導体素子1の一方の主面側を実装基板6’に向け、ベアチップ部品の入出力電極3と実装基板6の接続電極4とを、はんだ、導電性ペーストまたは金バンプなど金属間化合物層を有する超音波接合などによる金属接合部5によって電気的に接合する。
【0023】
続いて、図4(b)に示すように、塗布装置10を用いて液状封止樹脂7を半導体素子1全体を覆うように実装基板6上に塗布する。半導体素子1全体を覆うように液状封止樹脂7を塗布する方法として、ディスペンサーなどを用いて滴下する方法や、印刷マスクユニットを用いスキージによってマスクの開口部に封止樹脂を流し込む方法等がある。
【0024】
続いて、図4(c)に示すように、半導体素子1全体を覆うように塗布された液状封止樹脂7を加熱して熱硬化させる。これと同時に、半導体素子1と実装基板6との間の中空部9に、気体送風ノズル21を用いて穴20から気体を送入し、中空部9を与圧する。中空部9の与圧値は外気圧の1.1倍〜1.5倍程度が望ましい。実装基板6の穴20の面積は実装する半導体素子1の面積の1/8以下が望ましい。また、実装基板6の穴20から中空部9に送り込む気体は、乾燥空気、窒素、アルゴン等が望ましい。このように、液状封止樹脂7を加熱硬化するのと同時に中空部9を与圧することによって、液状封止樹脂7が中空部9を保ったまま固定される。
【0025】
以上のように、この実施の形態2によれば、半導体素子1全体を液状封止樹脂7によって封止して加熱硬化する工程で、実装基板6’の穴20から半導体素子1と実装基板6との間に気体を送り込んで中空部9を与圧するようにしたので、液状封止樹脂7が中空部9に進入することを防ぎ、機能素子領域2に液状封止樹脂7が付着するのを防ぐことができる効果が得られ、中空構造を有する半導体装置を得ることができる。
【0026】
実施の形態3.
図5はこの発明の実施の形態3による半導体装置の断面図である。図1(a)と共通する要素には同一符号を付し、その説明を省略する。この実施の形態3による半導体装置は、液状封止樹脂7と半導体素子1との間に半導体素子1全体を覆うように配置される熱硬化性および絶縁性を有する熱硬化絶縁性フィルム30を備える。
【0027】
図6は図5の半導体装置の製造過程を示す図である。この図を参照して図5の半導体装置の製造方法について説明する。
まず、図6(a)に示すように、半導体素子1の一方の主面側を実装基板6に向け、ベアチップ部品の入出力電極3と実装基板6の接続電極4とを、はんだ、導電性ペーストまたは金バンプなど金属間化合物層を有する超音波接合などによる金属接合部5によって電気的に接合する。
【0028】
続いて、図6(b)に示すように、熱硬化絶縁性フィルム30を半導体素子1の全体を覆うように実装基板6上に配置する。熱硬化絶縁性フィルム30は、例えばポリイミド樹脂で形成してもよいが他の樹脂を用いてもよく、絶縁性があり液状封止樹脂7の硬化温度以下で軟化して半導体素子1および実装基板6に密着し、液状封止樹脂7の硬化温度で硬化する性質を備えた樹脂を用いてもよい。
【0029】
続いて、図6(c)に示すように、熱硬化絶縁性フィルム30で覆った半導体装置を減圧炉31内に入れ、熱硬化絶縁性フィルム30と実装基板6とに囲まれた空間の気圧を一時的に下げて、熱硬化絶縁性フィルム30と半導体素子1および実装基板6との密着性を上げる。減圧炉31内の気圧は大気圧の0.9倍〜0.5倍程度にすることが望ましい。
【0030】
続いて、図6(d)に示すように、半導体素子1および熱硬化絶縁性フィルム30をすべて覆うように実装基板6上に液状封止樹脂7を塗布装置10を用いて塗布する。液状封止樹脂7を半導体素子1の全体を覆うように塗布する方法として、ディスペンサーなどを用いて滴下する方法や、印刷マスクユニットを用いスキージによってマスクの開口部に封止樹脂を流し込む方法等がある。
【0031】
続いて、図6(e)に示すように液状封止樹脂7を熱硬化させる。この過程で、熱硬化絶縁性フィルム30が軟化することによって半導体素子1および実装基板6との密着力が向上し、中空部9の気密性が向上する。この状態で液状封止樹脂7が固定される。
【0032】
以上のように、この実施の形態3によれば、液状封止樹脂7の硬化温度以下で熱硬化絶縁性フィルム30が軟化して半導体素子1および実装基板6との密着性が向上することによって液状封止樹脂7が中空部9に進入することを防ぐことができ、また、液状封止樹脂7および熱硬化絶縁性フィルム30が硬化することで中空部9を確実に保持できる効果が得られ、中空構造または中空気密構造を有する半導体装置を得ることができる。
【0033】
実施の形態4.
図7はこの発明の実施の形態4による半導体装置の断面図である。図1(a)と共通する要素には同一符号を付し、その説明を省略する。この実施の形態4による半導体装置は、ベアチップ部品の側部に、液状封止樹脂7とは異なる、紫外線によって硬化する液状サイドフィル樹脂(第3の樹脂)40を備える。
【0034】
図8は図7の半導体装置の製造過程を示す図である。この図を参照して図7の半導体装置の製造方法について説明する。
まず、図8(a)に示すように、半導体素子1の一方の主面側を実装基板6に向け、ベアチップ部品の入出力電極3と実装基板6の接続電極4とを、はんだ、導電性ペーストまたは金バンプなど金属間化合物層を有する超音波接合などによる金属接合部5によって電気的に接合する。
【0035】
続いて、図8(b)に示すように、半導体素子1全体を覆う液状封止樹脂7とは異なる、紫外線によって硬化する液状サイドフィル樹脂40を塗布装置10を用いて半導体素子1側部の実装基板6上に塗布する。さらに、この液状サイドフィル樹脂40に一定量の紫外線41を照射することによって硬化させ、中空部9の気密構造を形成する。液状サイドフィル樹脂40の物性値は、好ましくは、粘度(mPa・s)=15,000、チクソ指数(2.5rpm/10rpm)=2.0以上である。
【0036】
続いて、図8(c)に示すように、熱硬化性の液状封止樹脂7を半導体素子1全体を覆うように塗布装置10を用いて実装基板6上に塗布し、加熱する。加熱することによって液状封止樹脂7が硬化し、中空部9の気密構造が形成される。図8(d)は、液状封止樹脂7が硬化した状態を示す。液状サイドフィル樹脂40を半導体素子1の側部に塗布する方法、または液状封止樹脂7を半導体素子1の全体を覆うように塗布する方法として、ディスペンサーなどを用いて滴下する方法や、印刷マスクを用いてスキージに開口部に封止樹脂を流し込む方法等がある。
【0037】
なお、液状サイドフィル樹脂40のチクソ性および粘度をより高くすることによって、実装基板6上に塗布された形状を保持させることができ、塗布直後の液状サイドフィル樹脂40自体の中空部9への進入をより確実に防ぐことができる。
【0038】
以上のように、この実施の形態4によれば、液状封止樹脂7とは物性および硬化特性が異なる、紫外線によって硬化する液状サイドフィル樹脂40を半導体素子1の側部の実装基板6上に塗布して紫外線によって硬化させるようにしたので、液状封止樹脂7が中空部9に進入しようとする経路を塞ぎ、機能素子領域2に液状封止樹脂7が付着するのを防ぐことができる効果が得られ、中空構造または中空気密構造を有する半導体装置を得ることができる。
【0039】
なお、実施の形態4で使用した液状サイドフィル樹脂40の替わりに、熱によって硬化する樹脂を用いてもよい。この場合、液状サイドフィル樹脂40を熱硬化させて中空部9の中空構造を確保した後、ベアチップ部品全体を封止する液状封止樹脂7を塗布して熱硬化させ半導体装置全体を封止することで中空構造または気密構造を得る。
【0040】
また、実施の形態4で使用した液状サイドフィル樹脂40の替わりに、湿気によって硬化する樹脂を用いてもよい。この場合、液状サイドフィル樹脂40を硬化させるために、しばらく空気に触れる状態で放置して硬化させた後、ベアチップ部品全体を封止する液状封止樹脂7を塗布して熱硬化させ半導体装置全体を封止することで中空構造または気密構造を得る。
【0041】
さらに、実施の形態4で使用した液状サイドフィル樹脂40の替わりに、紫外線および湿気によって硬化する樹脂を用いてもよい。この場合、液状サイドフィル樹脂40を硬化させるため、一定量の紫外線を照射した後しばらく空気に触れる状態で放置して硬化させて中空部9の中空構造を確保し、その後ベアチップ部品全体を封止する液状封止樹脂7を塗布して熱硬化させて半導体装置全体を封止することで中空構造または気密構造を得る。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、表面に接続電極を有する実装基板と、一方の主面に機能素子領域と入出力電極とを有するベアチップ部品とを備え、前記入出力電極と前記接続電極とが電気的に接合された中空構造を有する半導体装置において、前記ベアチップ部品全体を覆うように前記実装基板上に配置された熱硬化性樹脂と、前記ベアチップ部品と前記実装基板との電気的接合部の周囲に、前記ベアチップ部品と前記実装基板との間隙を部分的に充填するように配置された、前記熱硬化性樹脂とは異なる物性および硬化特性を有する第2の樹脂とを備えるように構成したので、熱硬化性樹脂が機能素子領域に付着するのを防ぐことができ、中空構造または中空気密構造を有する半導体装置の歩留まりを向上させることができるため、半導体装置の低コスト化を図ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明の実施の形態1による半導体装置の断面図であり、(b)は半導体素子が撮像機能を有する半導体装置の断面図である。
【図2】(a)〜(d)は、図1(a)の半導体装置の製造過程を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態2による半導体装置の断面図である。
【図4】(a)〜(c)は、図3の半導体装置の製造過程を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態3による半導体装置の断面図である。
【図6】(a)〜(e)は、図5の半導体装置の製造過程を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態4による半導体装置の断面図である。
【図8】(a)〜(d)は、図7の半導体装置の製造過程を示す図である。
【符号の説明】
1 半導体素子、2 機能素子領域、3 入出力電極、4 接続電極、5 金属接合部、6 実装基板、7 液状封止樹脂、8 熱硬化性液状インナー樹脂(第2の樹脂)、9 中空部、10 塗布装置、20 穴、21 気体送風ノズル、30 熱硬化絶縁性フィルム、31 減圧炉、40 液状サイドフィル樹脂(第3の樹脂)、41 紫外線、50 開口部。
【発明の属する技術分野】
この発明は、ベアチップ部品の機能素子領域を有する面を実装基板側に向けて搭載し、前記機能素子領域を中空構造に気密封止した半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の半導体装置には、ベアチップ構造のSAW(Surface Acoustic Wave)フィルタを実装基板上に搭載したものがあった。例えば、特許文献1にはこの種の半導体装置が開示される。特許文献1によるベアチップ構造のSAWフィルタは、ガラスを材料とする基体、前記基体の一方の主面に設けられた機能素子領域、前記機能素子領域の両端側に設けられた表面波吸収用のシリコンダンパー、および前記基体の一方の主面の隅部に設けられた入出力電極から構成される。
【0003】
前記SAWフィルタは基体の一方の主面側を実装基板に向けて搭載され、SAWフィルタの入出力電極と実装基板の接続電極とは、はんだ、導電性ペーストまたは超音波接合による金属間結合などによって接合される。この状態で、SAWフィルタはさらに、硬化した液状封止樹脂で覆われており、SAWフィルタと実装基板との間隙は中空気密構造になっている。
【0004】
ここで、機能素子領域には圧電体であるZnO膜が形成され、その表面には櫛形の電極が設けられている。この機能素子領域は表面波の発生および受信を行いフィルタとして機能する。この機能素子領域に異物が付着するとフィルタとしての特性が劣化する。特許文献1に開示される半導体装置の実装構造においては、液状封止樹脂が浸透圧作用によってSAWフィルタと実装基板との間隙から進入し、機能素子領域に付着してしまう不具合が発生しやすい。この不具合を防ぐためには、液状封止樹脂の保管、作業環境の温度および湿度等の管理を徹底する必要があるが、十分な管理は非常に困難である。
【0005】
上記不具合を避けるために、特許文献2に開示される半導体装置では、基板側ダムが形成された実装基板上に、チップ側ダムが形成されたベアチップ構造のSAWフィルタをフリップチップ実装して、SAWフィルタと実装基板との間に、SAWフィルタの機能素子領域と入出力電極との間を遮るとともに、機能素子領域とこれに対向する実装基板表面との間にギャップを形成する仕切りを設けることによって中空構造を形成している。
【0006】
また、特許文献3に開示される半導体装置では、SAWフィルタを覆うように絶縁性のフィルムを配置し、SAWフィルタと絶縁性フィルムとの間に、空気、窒素、アルゴン等の気体を含ませ、さらに絶縁性のフィルムを液状封止樹脂によって覆い、加熱硬化させている。加熱硬化させると、SAWフィルタと絶縁性のフィルムとの間の気体が熱によって膨張するとともに、液状封止樹脂が硬化するため、絶縁性フィルムが中空部を保ったまま固定される。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−97479号公報(第2頁乃至第3頁、図1)
【特許文献2】
特開平10−321666号公報(第2頁乃至第3頁、図1)
【特許文献3】
実開平7−14651号公報(第2頁、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、特許文献2の半導体装置では、基板側ダムが形成された実装基板上に、チップ側ダムが形成されたSAWフィルタをフリップチップ実装するため、SAWフィルタの実装精度、および形成された基板側ダムまたはチップ側ダムの高さのばらつきなどによって、ギャップを形成する仕切りがSAWフィルタの機能素子領域とこれに対向する実装基板の表面との間で密閉できない場合がある。この場合、液状封止樹脂が仕切りを越えてSAWフィルタの機能素子領域に進入する可能性があり、SAWフィルタとしての機能が作用しない。したがって、製造ロットによってSAWフィルタの特性がばらつき、半導体装置の歩留まりが低くなるという課題があった。
【0009】
また、特許文献3の半導体装置では、SAWフィルタと絶縁性フィルムとの間に空気、窒素、アルゴン等の気体を含ませているが、一定量を含ませたことを確認することができないため、十分な中空部を形成できたか否かを確認することができない。十分な中空部が形成できないとSAWフィルタとしての機能が作用しないため、SAWフィルタの特性が製造ロットによってばらつき、半導体装置の歩留まりが低くなるという課題があった。
【0010】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ベアチップ部品の機能素子領域に液状封止樹脂が付着するのを防ぐことができ、歩留まりを向上できる中空構造を有する半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る中空構造を有する半導体装置は、ベアチップ部品全体を覆うように実装基板上に配置された熱硬化性樹脂と、ベアチップ部品と前記実装基板との電気的接合部の周囲に、前記ベアチップ部品と前記実装基板との間隙を部分的に充填するように配置された、前記熱硬化性樹脂とは異なる物性および硬化特性を有する第2の樹脂とを備えたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の様々な実施の形態を説明する。
実施の形態1.
図1(a)はこの発明の実施の形態1による半導体装置の断面図である。図に示すように、半導体装置は、半導体素子1、機能素子領域2および入出力電極3を備えたベアチップ部品が実装基板6上にフリップチップ実装されて構成される。半導体素子1は一方の主面側に機能素子領域2および入出力電極3を備え、この面が実装基板6に向けて搭載されている。実装基板6は表面に接続電極4を有し、ベアチップ部品の入出力電極3が金属接合部5によって実装基板6の接続電極4と接合される。半導体素子1は全体を熱硬化性の液状封止樹脂7で覆われており、入出力電極3の周囲は液状封止樹脂7とは異なる熱硬化性液状インナー樹脂(第2の樹脂)8で覆われている。また、図1(b)は半導体素子1がCCD素子のような撮像機能を有する半導体装置の断面図である。図に示すように、実装基板6は機能素子領域2が搭載される位置に相当する位置に開口部50を有するが、その他の機能は図1(a)に示すものと同様である。
【0013】
熱硬化性液状インナー樹脂8は、半導体素子1全体を覆う液状封止樹脂7と同等組成であるが、粘度、チクソ性(エマルジョンの流動性)、硬化温度などの物性や硬化特性が異なる樹脂である。粘度、チクソ性および硬化温度が以下の関係を有する樹脂を熱硬化性液状インナー樹脂8として使用する。
粘度 :熱硬化性液状インナー樹脂8>液状封止樹脂7
チクソ性:熱硬化性液状インナー樹脂8>液状封止樹脂7
硬化温度:液状封止樹脂7>熱硬化性液状インナー樹脂8
【0014】
例えば、以下のような物性値を有する樹脂を用いてもよい。
(1)粘度(mPa・s):
熱硬化性液状インナー樹脂8…15,000
液状封止樹脂7…5,000
(2)チクソ指数(2.5rpm/10rpm):
熱硬化性液状インナー樹脂8…2.0以上
液状封止樹脂7…1.0以下
(3)硬化温度(℃):
熱硬化性液状インナー樹脂8…80
液状封止樹脂7…150
【0015】
図2は図1(a)の半導体装置の製造過程を示す図である。この図を参照して図1(a)の半導体装置の製造方法について説明する。
まず、図2(a)に示すように、半導体素子1の一方の主面側を実装基板6に向け、ベアチップ部品の入出力電極3と実装基板6の接続電極4とを、はんだ、導電性ペーストまたは金バンプなど金属間化合物層を有する超音波接合などによる金属接合部5によって電気的に接合する。
【0016】
続いて、図2(b)に示すように、半導体素子1全体を覆う液状封止樹脂7とは異なる熱硬化性液状インナー樹脂8を半導体素子1の入出力電極3の周囲の実装基板6上に塗布装置10を用いて微量塗布し、しばらく放置する。熱硬化性液状インナー樹脂8は毛細管現象によって金属接合部5の周辺および半導体素子1の側部と実装基板6との間隙に充填されていき、中空部9を形成する。熱硬化性液状インナー樹脂8の塗布量は、半導体素子1と実装基板6との間隙の一部のみを充填し機能素子領域2までは充填しない適量に調整されている。
【0017】
続いて、図2(c)に示すように、半導体素子1全体を覆うように液状封止樹脂7を塗布装置10を用いて実装基板6上に塗布し、その後加熱する。加熱することによって液状封止樹脂7および熱硬化性液状インナー樹脂8が硬化して中空部9の気密性が高まる。図2(d)は、液状封止樹脂7および熱硬化性液状インナー樹脂8が硬化した状態を示す。硬化温度は熱硬化性液状インナー樹脂8の方が液状封止樹脂7よりも低いため、熱硬化性液状インナー樹脂8の方が液状封止樹脂7より先に硬化する。したがって、液状封止樹脂7が半導体素子1と実装基板6との間隙を通って中空部9に進入するのを防ぐことができる。
【0018】
半導体素子1全体を覆うように液状封止樹脂7を塗布する方法、または熱硬化性液状インナー樹脂8を半導体素子1の周囲に塗布する方法として、ディスペンサーなどを用いて滴下する方法や、印刷マスクユニットを用いスキージによってマスクの開口部に封止樹脂を流し込む方法等がある。
【0019】
なお、熱硬化性液状インナー樹脂8のチクソ性および粘度をより高くすることによって実装基板6上に塗布された形状を保持させることができ、塗布直後の熱硬化性液状インナー樹脂8自体の中空部9への進入をより確実に防ぐことができる。
【0020】
以上のように、この実施の形態1によれば、液状封止樹脂7とは物性および硬化特性が異なる熱硬化性液状インナー樹脂8を、半導体素子1の入出力電極3と実装基板6の接続電極4との金属接合部5の周囲に塗布して、液状封止樹脂7と熱硬化性液状インナー樹脂8とを熱硬化させるようにしたので、液状封止樹脂7が中空部9に進入しようとする経路を塞ぎ、機能素子領域2に液状封止樹脂7が付着するのを防ぐことができる効果が得られ、中空構造または中空気密構造を有する半導体装置を得ることができる。
【0021】
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2による半導体装置の断面図である。図1(a)と共通する要素には同一符号を付し、その説明を省略する。この実施の形態2による半導体装置の実装基板6’は、半導体素子1が搭載される位置に、気体を送入するための穴20を有する。
【0022】
図4は図3の半導体装置の製造過程を示す図である。この図を参照して図3の半導体装置の製造方法について説明する。
まず、図4(a)に示すように、半導体素子1の一方の主面側を実装基板6’に向け、ベアチップ部品の入出力電極3と実装基板6の接続電極4とを、はんだ、導電性ペーストまたは金バンプなど金属間化合物層を有する超音波接合などによる金属接合部5によって電気的に接合する。
【0023】
続いて、図4(b)に示すように、塗布装置10を用いて液状封止樹脂7を半導体素子1全体を覆うように実装基板6上に塗布する。半導体素子1全体を覆うように液状封止樹脂7を塗布する方法として、ディスペンサーなどを用いて滴下する方法や、印刷マスクユニットを用いスキージによってマスクの開口部に封止樹脂を流し込む方法等がある。
【0024】
続いて、図4(c)に示すように、半導体素子1全体を覆うように塗布された液状封止樹脂7を加熱して熱硬化させる。これと同時に、半導体素子1と実装基板6との間の中空部9に、気体送風ノズル21を用いて穴20から気体を送入し、中空部9を与圧する。中空部9の与圧値は外気圧の1.1倍〜1.5倍程度が望ましい。実装基板6の穴20の面積は実装する半導体素子1の面積の1/8以下が望ましい。また、実装基板6の穴20から中空部9に送り込む気体は、乾燥空気、窒素、アルゴン等が望ましい。このように、液状封止樹脂7を加熱硬化するのと同時に中空部9を与圧することによって、液状封止樹脂7が中空部9を保ったまま固定される。
【0025】
以上のように、この実施の形態2によれば、半導体素子1全体を液状封止樹脂7によって封止して加熱硬化する工程で、実装基板6’の穴20から半導体素子1と実装基板6との間に気体を送り込んで中空部9を与圧するようにしたので、液状封止樹脂7が中空部9に進入することを防ぎ、機能素子領域2に液状封止樹脂7が付着するのを防ぐことができる効果が得られ、中空構造を有する半導体装置を得ることができる。
【0026】
実施の形態3.
図5はこの発明の実施の形態3による半導体装置の断面図である。図1(a)と共通する要素には同一符号を付し、その説明を省略する。この実施の形態3による半導体装置は、液状封止樹脂7と半導体素子1との間に半導体素子1全体を覆うように配置される熱硬化性および絶縁性を有する熱硬化絶縁性フィルム30を備える。
【0027】
図6は図5の半導体装置の製造過程を示す図である。この図を参照して図5の半導体装置の製造方法について説明する。
まず、図6(a)に示すように、半導体素子1の一方の主面側を実装基板6に向け、ベアチップ部品の入出力電極3と実装基板6の接続電極4とを、はんだ、導電性ペーストまたは金バンプなど金属間化合物層を有する超音波接合などによる金属接合部5によって電気的に接合する。
【0028】
続いて、図6(b)に示すように、熱硬化絶縁性フィルム30を半導体素子1の全体を覆うように実装基板6上に配置する。熱硬化絶縁性フィルム30は、例えばポリイミド樹脂で形成してもよいが他の樹脂を用いてもよく、絶縁性があり液状封止樹脂7の硬化温度以下で軟化して半導体素子1および実装基板6に密着し、液状封止樹脂7の硬化温度で硬化する性質を備えた樹脂を用いてもよい。
【0029】
続いて、図6(c)に示すように、熱硬化絶縁性フィルム30で覆った半導体装置を減圧炉31内に入れ、熱硬化絶縁性フィルム30と実装基板6とに囲まれた空間の気圧を一時的に下げて、熱硬化絶縁性フィルム30と半導体素子1および実装基板6との密着性を上げる。減圧炉31内の気圧は大気圧の0.9倍〜0.5倍程度にすることが望ましい。
【0030】
続いて、図6(d)に示すように、半導体素子1および熱硬化絶縁性フィルム30をすべて覆うように実装基板6上に液状封止樹脂7を塗布装置10を用いて塗布する。液状封止樹脂7を半導体素子1の全体を覆うように塗布する方法として、ディスペンサーなどを用いて滴下する方法や、印刷マスクユニットを用いスキージによってマスクの開口部に封止樹脂を流し込む方法等がある。
【0031】
続いて、図6(e)に示すように液状封止樹脂7を熱硬化させる。この過程で、熱硬化絶縁性フィルム30が軟化することによって半導体素子1および実装基板6との密着力が向上し、中空部9の気密性が向上する。この状態で液状封止樹脂7が固定される。
【0032】
以上のように、この実施の形態3によれば、液状封止樹脂7の硬化温度以下で熱硬化絶縁性フィルム30が軟化して半導体素子1および実装基板6との密着性が向上することによって液状封止樹脂7が中空部9に進入することを防ぐことができ、また、液状封止樹脂7および熱硬化絶縁性フィルム30が硬化することで中空部9を確実に保持できる効果が得られ、中空構造または中空気密構造を有する半導体装置を得ることができる。
【0033】
実施の形態4.
図7はこの発明の実施の形態4による半導体装置の断面図である。図1(a)と共通する要素には同一符号を付し、その説明を省略する。この実施の形態4による半導体装置は、ベアチップ部品の側部に、液状封止樹脂7とは異なる、紫外線によって硬化する液状サイドフィル樹脂(第3の樹脂)40を備える。
【0034】
図8は図7の半導体装置の製造過程を示す図である。この図を参照して図7の半導体装置の製造方法について説明する。
まず、図8(a)に示すように、半導体素子1の一方の主面側を実装基板6に向け、ベアチップ部品の入出力電極3と実装基板6の接続電極4とを、はんだ、導電性ペーストまたは金バンプなど金属間化合物層を有する超音波接合などによる金属接合部5によって電気的に接合する。
【0035】
続いて、図8(b)に示すように、半導体素子1全体を覆う液状封止樹脂7とは異なる、紫外線によって硬化する液状サイドフィル樹脂40を塗布装置10を用いて半導体素子1側部の実装基板6上に塗布する。さらに、この液状サイドフィル樹脂40に一定量の紫外線41を照射することによって硬化させ、中空部9の気密構造を形成する。液状サイドフィル樹脂40の物性値は、好ましくは、粘度(mPa・s)=15,000、チクソ指数(2.5rpm/10rpm)=2.0以上である。
【0036】
続いて、図8(c)に示すように、熱硬化性の液状封止樹脂7を半導体素子1全体を覆うように塗布装置10を用いて実装基板6上に塗布し、加熱する。加熱することによって液状封止樹脂7が硬化し、中空部9の気密構造が形成される。図8(d)は、液状封止樹脂7が硬化した状態を示す。液状サイドフィル樹脂40を半導体素子1の側部に塗布する方法、または液状封止樹脂7を半導体素子1の全体を覆うように塗布する方法として、ディスペンサーなどを用いて滴下する方法や、印刷マスクを用いてスキージに開口部に封止樹脂を流し込む方法等がある。
【0037】
なお、液状サイドフィル樹脂40のチクソ性および粘度をより高くすることによって、実装基板6上に塗布された形状を保持させることができ、塗布直後の液状サイドフィル樹脂40自体の中空部9への進入をより確実に防ぐことができる。
【0038】
以上のように、この実施の形態4によれば、液状封止樹脂7とは物性および硬化特性が異なる、紫外線によって硬化する液状サイドフィル樹脂40を半導体素子1の側部の実装基板6上に塗布して紫外線によって硬化させるようにしたので、液状封止樹脂7が中空部9に進入しようとする経路を塞ぎ、機能素子領域2に液状封止樹脂7が付着するのを防ぐことができる効果が得られ、中空構造または中空気密構造を有する半導体装置を得ることができる。
【0039】
なお、実施の形態4で使用した液状サイドフィル樹脂40の替わりに、熱によって硬化する樹脂を用いてもよい。この場合、液状サイドフィル樹脂40を熱硬化させて中空部9の中空構造を確保した後、ベアチップ部品全体を封止する液状封止樹脂7を塗布して熱硬化させ半導体装置全体を封止することで中空構造または気密構造を得る。
【0040】
また、実施の形態4で使用した液状サイドフィル樹脂40の替わりに、湿気によって硬化する樹脂を用いてもよい。この場合、液状サイドフィル樹脂40を硬化させるために、しばらく空気に触れる状態で放置して硬化させた後、ベアチップ部品全体を封止する液状封止樹脂7を塗布して熱硬化させ半導体装置全体を封止することで中空構造または気密構造を得る。
【0041】
さらに、実施の形態4で使用した液状サイドフィル樹脂40の替わりに、紫外線および湿気によって硬化する樹脂を用いてもよい。この場合、液状サイドフィル樹脂40を硬化させるため、一定量の紫外線を照射した後しばらく空気に触れる状態で放置して硬化させて中空部9の中空構造を確保し、その後ベアチップ部品全体を封止する液状封止樹脂7を塗布して熱硬化させて半導体装置全体を封止することで中空構造または気密構造を得る。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、表面に接続電極を有する実装基板と、一方の主面に機能素子領域と入出力電極とを有するベアチップ部品とを備え、前記入出力電極と前記接続電極とが電気的に接合された中空構造を有する半導体装置において、前記ベアチップ部品全体を覆うように前記実装基板上に配置された熱硬化性樹脂と、前記ベアチップ部品と前記実装基板との電気的接合部の周囲に、前記ベアチップ部品と前記実装基板との間隙を部分的に充填するように配置された、前記熱硬化性樹脂とは異なる物性および硬化特性を有する第2の樹脂とを備えるように構成したので、熱硬化性樹脂が機能素子領域に付着するのを防ぐことができ、中空構造または中空気密構造を有する半導体装置の歩留まりを向上させることができるため、半導体装置の低コスト化を図ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明の実施の形態1による半導体装置の断面図であり、(b)は半導体素子が撮像機能を有する半導体装置の断面図である。
【図2】(a)〜(d)は、図1(a)の半導体装置の製造過程を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態2による半導体装置の断面図である。
【図4】(a)〜(c)は、図3の半導体装置の製造過程を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態3による半導体装置の断面図である。
【図6】(a)〜(e)は、図5の半導体装置の製造過程を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態4による半導体装置の断面図である。
【図8】(a)〜(d)は、図7の半導体装置の製造過程を示す図である。
【符号の説明】
1 半導体素子、2 機能素子領域、3 入出力電極、4 接続電極、5 金属接合部、6 実装基板、7 液状封止樹脂、8 熱硬化性液状インナー樹脂(第2の樹脂)、9 中空部、10 塗布装置、20 穴、21 気体送風ノズル、30 熱硬化絶縁性フィルム、31 減圧炉、40 液状サイドフィル樹脂(第3の樹脂)、41 紫外線、50 開口部。
Claims (7)
- 表面に接続電極を有する実装基板と、一方の主面に機能素子領域と入出力電極とを有するベアチップ部品とを備え、前記入出力電極と前記接続電極とが電気的に接合された中空構造を有する半導体装置において、
前記ベアチップ部品全体を覆うように前記実装基板上に配置された熱硬化性樹脂と、
前記ベアチップ部品と前記実装基板との電気的接合部の周囲に、前記ベアチップ部品と前記実装基板との間隙を部分的に充填するように配置された、前記熱硬化性樹脂とは異なる物性および硬化特性を有する第2の樹脂とを備えたことを特徴とする中空構造を有する半導体装置。 - 表面に接続電極を有する実装基板と、一方の主面に機能素子領域と入出力電極とを有するベアチップ部品とを備え、前記入出力電極と前記接続電極とが電気的に接合された中空構造を有する半導体装置において、
前記ベアチップ部品全体を覆うように前記実装基板上に配置された熱硬化性樹脂を備え、
前記実装基板が、前記ベアチップ部品が搭載される位置に、外部から気体を送入するための穴を有することを特徴とする中空構造を有する半導体装置。 - 表面に接続電極を有する実装基板と、一方の主面に機能素子領域と入出力電極とを有するベアチップ部品とを備え、前記入出力電極と前記接続電極とが電気的に接合された中空構造を有する半導体装置において、
前記ベアチップ部品全体を覆うように前記実装基板上に配置された熱硬化性の絶縁性フィルムと、
前記ベアチップ部品と前記絶縁性フィルム全体を覆うように実装基板上に配置された熱硬化性樹脂とを備えたことを特徴とする中空構造を有する半導体装置。 - 表面に接続電極を有する実装基板と、一方の主面に機能素子領域と入出力電極とを有するベアチップ部品とを備え、前記入出力電極と前記接続電極とが電気的に接合された中空構造を有する半導体装置において、
前記ベアチップ部品全体を覆うように前記実装基板上に配置された熱硬化性樹脂と、
前記ベアチップ部品の側部に、前記ベアチップ部品と前記実装基板との間を充填するように配置された、前記熱硬化性樹脂とは異なる紫外線硬化性の第3の樹脂とを備えたことを特徴とする中空構造を有する半導体装置。 - 紫外線硬化性の第3の樹脂の替わりに、湿気硬化性の樹脂を用いたことを特徴とする請求項4記載の中空構造を有する半導体装置。
- 紫外線硬化性の第3の樹脂の替わりに、熱硬化性の樹脂を用いたことを特徴とする請求項4記載の中空構造を有する半導体装置。
- 紫外線硬化性の第3の樹脂の替わりに、湿気硬化性および紫外線硬化性を有する樹脂を用いたことを特徴とする請求項4記載の中空構造を有する半導体装置。
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Cited By (2)
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WO2021157472A1 (ja) * | 2020-02-04 | 2021-08-12 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | サイドフィル用樹脂組成物、半導体装置、及びサイドフィル材の除去方法 |
WO2022215577A1 (ja) * | 2021-04-05 | 2022-10-13 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | サイドフィル用樹脂組成物、半導体装置、サイドフィル材の除去方法、及び半導体装置の製造方法 |
-
2003
- 2003-03-05 JP JP2003058838A patent/JP2004273554A/ja active Pending
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WO2021157472A1 (ja) * | 2020-02-04 | 2021-08-12 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | サイドフィル用樹脂組成物、半導体装置、及びサイドフィル材の除去方法 |
WO2022215577A1 (ja) * | 2021-04-05 | 2022-10-13 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | サイドフィル用樹脂組成物、半導体装置、サイドフィル材の除去方法、及び半導体装置の製造方法 |
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