JP2004273537A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】素子分離膜の厚さを維持しつつ、厚さの異なるゲート酸化膜を同一基板上に形成する。
【解決手段】LOCOS法により、素子分離領域RIにフィールド酸化膜3を形成した後、低耐圧能動領域RLを窒化珪素膜4で覆ってから、高耐圧能動領域RHに厚さの厚いゲート酸化膜5を形成し、低耐圧能動領域RLから窒化珪素膜4を除去して、低耐圧能動領域RLに厚さの薄いゲート酸化膜6を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】LOCOS法により、素子分離領域RIにフィールド酸化膜3を形成した後、低耐圧能動領域RLを窒化珪素膜4で覆ってから、高耐圧能動領域RHに厚さの厚いゲート酸化膜5を形成し、低耐圧能動領域RLから窒化珪素膜4を除去して、低耐圧能動領域RLに厚さの薄いゲート酸化膜6を形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置の製造方法に関し、特に、厚さの異なるゲート酸化膜を形成する方法に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の半導体装置では、高耐圧回路と低耐圧回路とを同一基板上に形成するために、例えば、特許文献1に開示されているように、厚さの異なるゲート酸化膜を同一基板上に形成することが行われている。
図4は、従来の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0003】
図4(a)において、半導体基板101には、高耐圧素子を形成する高耐圧能動領域RH、低耐圧素子を形成する低耐圧能動領域RLが設けられるとともに、能動領域を素子分離する素子分離領域RIが設けられている。
そして、CVDなどの方法により、窒化珪素膜102を半導体基板101上に形成し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いることにより、高耐圧能動領域RHおよび低耐圧能動領域RLが窒化珪素膜102で覆われるようにして、素子分離領域RIの窒化珪素膜102を除去する。
【0004】
次に、図4(b)に示すように、窒化珪素膜102を酸化防止膜として、半導体基板101の熱酸化を行うことにより、素子分離領域RIにフィールド酸化膜103を形成する。
次に、図4(c)に示すように、ドライエッチングまたはウェットエッチングを行うことにより、窒化珪素膜102を半導体基板101から除去し、高耐圧能動領域RHおよび低耐圧能動領域RLの半導体基板101の表面を露出させる。
【0005】
次に、図4(d)に示すように、半導体基板101の熱酸化を行うことにより、高耐圧能動領域RHおよび低耐圧能動領域RLの半導体基板101上にゲート酸化膜104を形成する。
次に、図4(e)に示すように、半導体基板101上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィーを行うことにより、低耐圧能動領域RLのフォトレジストを除去するとともに、高耐圧能動領域RHをフォトレジスト膜105で覆う。そして、フォトレジスト膜105をマスクとして、ゲート酸化膜104のウェットエッチングを行うことにより、ゲート酸化膜104を低耐圧能動領域RLから除去し、低耐圧能動領域RLの半導体基板101の表面を露出させる。
【0006】
次に、図4(f)に示すように、高耐圧能動領域RHのフォトレジスト膜105を除去し、半導体基板101の熱酸化を行うことにより、低耐圧能動領域RLの半導体基板101上にゲート酸化膜105を形成する。ここで、低耐圧能動領域RLのゲート酸化膜105の厚さは、高耐圧能動領域RHのゲート酸化膜104の厚さより薄くなるように設定される。
【0007】
次に、図4(g)に示すように、CVDなどの方法により、半導体基板101上に多結晶シリコンを堆積し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて多結晶シリコンをパターニングすることにより、ゲート酸化膜104、105上にゲート電極106、107をそれぞれ形成する。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−196463号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の半導体装置の製造方法では、厚さの薄いゲート酸化膜105を低耐圧能動領域RLに形成するために、厚さの厚いゲート酸化膜104を低耐圧能動領域RLから除去する必要がある。
このため、従来の半導体装置の製造方法では、厚さの厚いゲート酸化膜104を低耐圧能動領域RLから除去する際に、低耐圧能動領域RLおよびその周囲のフィールド酸化膜103がエッチングされ、低耐圧能動領域RLおよびその周囲のフィールド酸化膜103が薄くなるため、フィールド反転によるリーク電流が発生するという問題があった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、素子分離膜の厚さを維持しつつ、厚さの異なるゲート酸化膜を同一基板上に形成することが可能な半導体装置の製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法によれば、半導体基板上に素子分離膜を形成することにより、第1能動領域および第2能動領域を前記半導体基板上に形成する工程と、前記素子分離膜で素子分離された第2能動領域に酸化防止膜を形成する工程と、前記半導体基板の第1熱酸化を行うことにより、前記第1能動領域に第1ゲート酸化膜を形成する工程と、前記第2能動領域に形成された酸化防止膜を除去する工程と、前記半導体基板の第2熱酸化を行うことにより、前記第1ゲート酸化膜より厚さの薄い第2ゲート酸化膜を前記第2能動領域に形成する工程と、前記第1ゲート酸化膜および前記第2ゲート酸化膜上にゲート電極をそれぞれ形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0012】
これにより、第1能動領域に第1ゲート酸化膜を形成する際に、第2能動領域が酸化されることを防止することができ、第2能動領域に第2ゲート酸化膜を形成する際に、厚さが厚い酸化膜を第2能動領域から除去するためのエッチングを行う必要がなくなる。
このため、第2能動領域およびその周囲の素子分離膜の膜減りを減らすことが可能となり、素子分離膜の厚さを維持しつつ、厚さの異なるゲート酸化膜を同一基板上に形成することが可能となる。
【0013】
また、本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法によれば、素子分離領域で素子分離される第1能動領域および第2能動領域上に第1窒化珪素膜を形成する工程と、前記半導体基板の第1熱酸化を行うことにより、前記素子分離領域にフィールド酸化膜を形成する工程と、前第1能動領域および第2能動領域上に形成された第1窒化珪素膜を除去する工程と、前記フィールド酸化膜で素子分離された第2能動領域に第2窒化珪素膜を形成する工程と、前記半導体基板の第2熱酸化を行うことにより、前記第1能動領域に第1ゲート酸化膜を形成する工程と、前記第2能動領域に形成された第2窒化珪素膜を除去する工程と、前記半導体基板の第2熱酸化を行うことにより、前記第1ゲート酸化膜より厚さの薄い第2ゲート酸化膜を前記第2能動領域に形成する工程と、前記第1ゲート酸化膜および前記第2ゲート酸化膜上にゲート電極をそれぞれ形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0014】
これにより、LOCOS法を用いてフィールド酸化膜が形成された後に、第2窒化珪素膜で第2能動領域を覆うことが可能となり、厚さが厚い第1ゲート酸化膜を第1能動領域に形成する際に、第2能動領域が酸化されることを防止することができる。
このため、厚さが薄い第2ゲート酸化膜を第2能動領域に形成する際に、厚さが厚い酸化膜を第2能動領域から除去するためのエッチングを行う必要がなくなり、フィールド酸化膜の厚さを維持しつつ、厚さの異なるゲート酸化膜を同一基板上に形成することが可能となる。
【0015】
また、本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法によれば、素子分離領域で素子分離される第1能動領域および第2能動領域上に窒化珪素膜を形成する工程と、前記半導体基板の第1熱酸化を行うことにより、前記素子分離領域にフィールド酸化膜を形成する工程と、前第1能動領域および第2能動領域上に形成された窒化珪素膜を除去する工程と、前記半導体基板の第2熱酸化を行うことにより、前第1能動領域および第2能動領域上に酸化珪素膜を形成する工程と、前記フィールド酸化膜で素子分離された第2能動領域およびその周囲のフィールド酸化膜上に多結晶シリコン膜を形成する工程と、前記半導体基板の第3熱酸化を行うことにより、前記第1能動領域に第1ゲート酸化膜を形成するとともに、前記多結晶シリコン膜を酸化珪素膜に変化させる工程と、前記第2能動領域上の酸化珪素膜を除去する工程と、前記半導体基板の第4熱酸化を行うことにより、前記第1ゲート酸化膜より厚さの薄い第2ゲート酸化膜を前記第2能動領域に形成する工程と、前記第1ゲート酸化膜および前記第2ゲート酸化膜上にゲート電極をそれぞれ形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0016】
これにより、第1能動領域に厚さが厚い第1ゲート酸化膜を形成する際に、第2能動領域が酸化されることを抑制しつつ、第2能動領域およびその周囲のフィールド酸化膜の厚さを増大させることが可能となる。
このため、厚さが薄い第2ゲート酸化膜を第2能動領域に形成する際に、厚さが厚い酸化膜を第2能動領域から除去するためのエッチングを行った場合においても、フィールド酸化膜の厚さを一定値以上に保つことが可能となり、フィールド反転を防止しつつ、厚さの異なるゲート酸化膜を同一基板上に形成することが可能となる。
【0017】
また、本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法によれば、前記多結晶シリコン膜の厚さは、前記第1ゲート酸化膜が所望の厚さに達した時に、前記多結晶シリコン膜全体が酸化珪素膜に変化するように設定されることを特徴とする。
これにより、第2能動領域が酸化されることを抑制しつつ、第1ゲート酸化膜の形成後に、多結晶シリコン膜が第2能動領域上に残存することを防止することが可能となる。
【0018】
このため、第2能動領域から酸化膜を除去するためのエッチング量を抑制することを可能としつつ、第2能動領域から多結晶シリコン膜を除去するためのエッチングを不要とすることができ、製造工程の複雑化を抑制しつつ、フィールド酸化膜の厚さを一定値以上に維持して、フィールド反転を防止することが可能となるとともに、厚さの異なるゲート酸化膜を同一基板上に形成することが可能となる。
【0019】
また、本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法によれば、素子分離領域で素子分離される第1能動領域および第2能動領域上に窒化珪素膜を形成する工程と、前記半導体基板の第1熱酸化を行うことにより、前記素子分離領域にフィールド酸化膜を形成する工程と、前第1能動領域および第2能動領域上に形成された窒化珪素膜を除去する工程と、前記半導体基板の第2熱酸化を行うことにより、前第1能動領域および第2能動領域上に酸化珪素膜を形成する工程と、前記フィールド酸化膜で素子分離された第2能動領域およびその周囲のフィールド酸化膜上に酸化珪素膜を堆積する工程と、前記半導体基板の第3熱酸化を行うことにより、前記第1能動領域に第1ゲート酸化膜を形成する工程と、前記第2能動領域上の酸化珪素膜を除去する工程と、前記半導体基板の第4熱酸化を行うことにより、前記第1ゲート酸化膜より厚さの薄い第2ゲート酸化膜を前記第2能動領域に形成する工程と、前記第1ゲート酸化膜および前記第2ゲート酸化膜上にゲート電極をそれぞれ形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0020】
これにより、第2能動領域が酸化されることを抑制しつつ、第2能動領域およびその周囲のフィールド酸化膜の厚さを増大させることが可能となり、第2能動領域から酸化膜を除去するためのエッチングを行った場合においても、フィールド酸化膜の厚さを一定値以上に維持して、フィールド反転を防止することが可能となるとともに、厚さの異なるゲート酸化膜を同一基板上に形成することが可能となる。
【0021】
また、本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法によれば、素子分離領域で素子分離される第1能動領域および第2能動領域上に第1窒化珪素膜を形成する工程と、前記半導体基板の第1熱酸化を行うことにより、前記素子分離領域にフィールド酸化膜を形成する工程と、前第1能動領域および第2能動領域上に形成された第1窒化珪素膜を除去する工程と、前記フィールド酸化膜上に下部電極を形成する工程と、前記フィールド酸化膜で素子分離された第2能動領域および前記下部電極上に第2窒化珪素膜を形成する工程と、前記半導体基板の第2熱酸化を行うことにより、前記第1能動領域に第1ゲート酸化膜を形成する工程と、前記第2能動領域に形成された第2窒化珪素膜を除去する工程と、前記半導体基板の第3熱酸化を行うことにより、前記第1ゲート酸化膜より厚さの薄い第2ゲート酸化膜を前記第2能動領域に形成する工程と、前記第1ゲート酸化膜および前記第2ゲート酸化膜上にゲート電極をそれぞれ形成するとともに、前記下部電極上に形成された第2窒化珪素膜上に上部電極を形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0022】
これにより、LOCOS法を用いてフィールド酸化膜が形成された後に、第2窒化珪素膜で第2能動領域を覆うことが可能となるとともに、下部電極上に第2窒化珪素膜を形成することが可能となる。
このため、厚さが薄い第2ゲート酸化膜を第2能動領域に形成する際に、厚さが厚い酸化膜を第2能動領域から除去するためのエッチングを行う必要がなくなり、フィールド反転を防止することが可能としつつ、厚さの異なるゲート酸化膜を同一基板上に形成することが可能となるとともに、製造工程の複雑化を抑制しつつ、フィールド酸化膜上にキャパシタを形成することが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0024】
図1(a)において、半導体基板1には、高耐圧素子を形成する高耐圧能動領域RH、低耐圧素子を形成する低耐圧能動領域RLが設けられるとともに、能動領域を素子分離する素子分離領域RIが設けられている。
そして、CVDなどの方法により、窒化珪素膜2を半導体基板1上に形成し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いることにより、高耐圧能動領域RHおよび低耐圧能動領域RLが窒化珪素膜2で覆われるようにして、素子分離領域RIの窒化珪素膜2を除去する。なお、窒化珪素膜2の厚さD1は、LOCOS法によるバーズビークを抑えるために、例えば、1000〜2000Åとすることができる。
【0025】
次に、図1(b)に示すように、窒化珪素膜2を酸化防止膜として、半導体基板1の熱酸化を行うことにより、素子分離領域RIにフィールド酸化膜3を形成する。なお、フィールド酸化膜3の厚さD2は、フィールド反転を抑えるために、例えば、5000〜6000Åとすることができる。
次に、図1(c)に示すように、ドライエッチングまたはウェットエッチングを行うことにより、窒化珪素膜2を半導体基板1から除去し、高耐圧能動領域RHおよび低耐圧能動領域RLの半導体基板1の表面を露出させる。
【0026】
次に、図1(d)に示すように、CVDなどの方法により、窒化珪素膜4を半導体基板1上に形成し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いることにより、低耐圧能動領域RLが窒化珪素膜4で覆われるようにして、高耐圧能動領域RHの窒化珪素膜4を除去する。なお、窒化珪素膜4の厚さD3は、窒化珪素膜2の厚さD1よりも薄くすることができ、例えば、150Å程度とすることができる。
【0027】
次に、図1(e)に示すように、窒化珪素膜4を酸化防止膜として、半導体基板1の熱酸化を行うことにより、高耐圧能動領域RHの半導体基板1上にゲート酸化膜5を形成する。なお、ゲート酸化膜5の厚さD4は、高耐圧MOSトランジスタを高耐圧能動領域RHに形成できるようにするため、例えば、1600Å程度とすることができる。
【0028】
次に、図1(f)に示すように、ドライエッチングまたはウェットエッチングを行うことにより、窒化珪素膜4を低耐圧能動領域RLから除去し、低耐圧能動領域RLの半導体基板1の表面を露出させる。
次に、図1(g)に示すように、半導体基板1の熱酸化を行うことにより、低耐圧能動領域RLの半導体基板1上にゲート酸化膜6を形成する。なお、ゲート酸化膜6の厚さD5は、低耐圧能動領域RLに形成されるMOSトランジスタの高速化を図ることができるようにするため、例えば、50〜70Å程度とすることができる。
【0029】
次に、図1(h)に示すように、CVDなどの方法により、半導体基板1上に多結晶シリコンを堆積し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて多結晶シリコンをパターニングすることにより、ゲート酸化膜5、6上にゲート電極7、8をそれぞれ形成する。
これにより、高耐圧能動領域RHに厚さが厚いゲート酸化膜5を形成する際に、低耐圧能動領域RLが酸化されることを防止することができ、低耐圧能動領域RLに厚さが薄いゲート酸化膜6を形成する際に、厚さが厚いゲート酸化膜5を低耐圧能動領域RLから除去するためのエッチングを行う必要がなくなる。
【0030】
このため、低耐圧能動領域RLおよびその周囲のフィールド酸化膜3の膜減りを減らすことが可能となり、フィールド酸化膜3の厚さを所定の厚みに維持しつつ、厚さの異なるゲート酸化膜5、6を同一半導体基板1上に形成することが可能となる。
この結果、フィールド反転を抑制することを可能としつつ、高耐圧トランジスタと高速トランジスタ同一半導体基板1上に形成することができ、半導体装置の動作の安定化を図りつつ、半導体装置の小型化を図ることが可能となる。
【0031】
図2は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
図2(a)において、半導体基板11には、高耐圧素子を形成する高耐圧能動領域RH、低耐圧素子を形成する低耐圧能動領域RLが設けられるとともに、能動領域を素子分離する素子分離領域RIが設けられている。
【0032】
そして、CVDなどの方法により、窒化珪素膜12を半導体基板11上に形成し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いることにより、高耐圧能動領域RHおよび低耐圧能動領域RLが窒化珪素膜12で覆われるようにして、素子分離領域RIの窒化珪素膜12を除去する。なお、窒化珪素膜12の厚さD11は、LOCOS法によるバーズビークを抑えるために、例えば、1000〜2000Åとすることができる。
【0033】
次に、図2(b)に示すように、窒化珪素膜12を酸化防止膜として、半導体基板11の熱酸化を行うことにより、素子分離領域RIにフィールド酸化膜13を形成する。なお、フィールド酸化膜13の厚さD2は、フィールド反転を抑えるために、例えば、5000〜6000Åとすることができる。
次に、図2(c)に示すように、ドライエッチングまたはウェットエッチングを行うことにより、窒化珪素膜12を半導体基板11から除去し、高耐圧能動領域RHおよび低耐圧能動領域RLの半導体基板11の表面を露出させる。
【0034】
次に、図2(d)に示すように、半導体基板11の熱酸化を行うことにより、高耐圧能動領域RHおよび低耐圧能動領域RLの半導体基板11上に酸化珪素膜14を形成する。
次に、図2(e)に示すように、CVDなどの方法により、多結晶シリコン膜を半導体基板11上に堆積する。そして、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて多結晶シリコン膜のパターニングを行うことにより、低耐圧能動領域RLおよびその周囲のフィールド酸化膜13上に多結晶シリコン膜15を形成する。なお、多結晶シリコン膜15の厚さD13は、厚さD14のゲート酸化膜16を高耐圧能動領域RHに形成した時に、多結晶シリコン膜15全体が酸化珪素膜17に変化するように設定することが好ましい。また、半導体基板11上に酸化珪素膜14を設けることにより、多結晶シリコン膜のエッチング行う際に、酸化珪素膜14をエッチングストッパとして用いることができ、高耐圧能動領域RHの表面がエッチングされることを防止することができる。
【0035】
次に、図2(f)に示すように、ウェットエッチングなどの方法により、高耐圧能動領域RH上の酸化珪素膜14を除去し、高耐圧能動領域RHの半導体基板11の表面を露出させる。そして、半導体基板11の熱酸化を行うことにより、高耐圧能動領域RHの半導体基板11上にゲート酸化膜15を形成するとともに、多結晶シリコン膜15を酸化珪素膜17に変化させる。なお、ゲート酸化膜15の厚さD14は、高耐圧MOSトランジスタを高耐圧能動領域RHに形成できるようにするため、例えば、1600Å程度とすることができる。
【0036】
次に、図2(g)に示すように、半導体基板11上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィーを行うことにより、低耐圧能動領域RLのフォトレジストを除去するとともに、高耐圧能動領域RHをフォトレジスト膜18で覆う。そして、フォトレジスト膜18をマスクとして、酸化珪素膜17およびゲート酸化膜14のウェットエッチングを行うことにより、酸化珪素膜17およびゲート酸化膜14を低耐圧能動領域RLから除去し、低耐圧能動領域RLの半導体基板11の表面を露出させる。
【0037】
ここで、低耐圧能動領域RLの半導体基板11の表面を露出させる場合、低耐圧能動領域RLおよびその周囲のフィールド酸化膜13が酸化珪素膜17で覆われているので、低耐圧能動領域RLおよびその周囲のフィールド酸化膜13の膜減りを抑制することができ、低耐圧能動領域RLおよびその周囲のフィールド酸化膜13の厚さD12をほぼ一定に維持することが可能となる。
【0038】
次に、図2(h)に示すように、高耐圧能動領域RHのフォトレジスト膜18を除去し、半導体基板11の熱酸化を行うことにより、低耐圧能動領域RLの半導体基板11上にゲート酸化膜19を形成する。ここで、低耐圧能動領域RLのゲート酸化膜19の厚さは、低耐圧能動領域RLに形成されるMOSトランジスタの高速化を図ることができるようにするため、例えば、50〜70Å程度とすることができる。
【0039】
次に、図2(i)に示すように、CVDなどの方法により、半導体基板11上に多結晶シリコンを堆積し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて多結晶シリコンをパターニングすることにより、ゲート酸化膜16、19上にゲート電極20、21をそれぞれ形成する。
これにより、高耐圧能動領域RHに厚さが厚い16を形成する際に、低耐圧能動領域RLが酸化されることを抑制しつつ、低耐圧能動領域RLおよびその周囲のフィールド酸化膜13の厚さを増大させることが可能となる。
【0040】
このため、厚さが薄いゲート酸化膜19を低耐圧能動領域RLに形成する際に、低耐圧能動領域RLの表面を露出させるためのエッチングを行った場合においても、低耐圧能動領域RLおよびその周囲のフィールド酸化膜13の厚さD12を保つことが可能となり、フィールド反転を防止しつつ、厚さの異なるゲート酸化膜16、19を同一半導体基板11上に形成することが可能となる。
【0041】
また、厚さD14のゲート酸化膜16を高耐圧能動領域RHに形成した時に、多結晶シリコン膜15全体が酸化珪素膜17に変化するように、多結晶シリコン膜15の厚さD13を設定することにより、低耐圧能動領域RLが酸化されることを抑制しつつ、高耐圧能動領域RHのゲート酸化膜16の形成後に、多結晶シリコン膜15が低耐圧能動領域RL上に残存することを防止することが可能となる。
【0042】
このため、低耐圧能動領域RLの表面を露出させる際に、低耐圧能動領域RLから酸化珪素膜17を除去するためのエッチング量を抑制することを可能としつつ、低耐圧能動領域RLから多結晶シリコン膜15を除去するためのエッチングを不要とすることができ、製造工程の複雑化を抑制しつつ、フィールド酸化膜13の厚さD12を一定値以上に維持して、フィールド反転を防止することが可能となる。
【0043】
なお、上述した第2実施形態では、低耐圧能動領域RLが酸化されることを抑制しつつ、低耐圧能動領域RLおよびその周囲のフィールド酸化膜13の厚さを増大させるために、低耐圧能動領域RLおよびその周囲のフィールド酸化膜13上に多結晶シリコン膜15を形成する方法について説明したが、多結晶シリコン膜15の代わりに、タングステンシリサイド膜やモリブデンシリサイド膜あるいは酸化珪素膜などを、低耐圧能動領域RLおよびその周囲のフィールド酸化膜13上に形成するようにしてもよい。
【0044】
図3は、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
図3(a)において、半導体基板31には、高耐圧素子を形成する高耐圧能動領域RH、低耐圧素子を形成する低耐圧能動領域RLが設けられるとともに、能動領域を素子分離する素子分離領域RIが設けられている。
【0045】
そして、CVDなどの方法により、窒化珪素膜32を半導体基板31上に形成し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いることにより、高耐圧能動領域RHおよび低耐圧能動領域RLが窒化珪素膜32で覆われるようにして、素子分離領域RIの窒化珪素膜32を除去する。
次に、図3(b)に示すように、窒化珪素膜32を酸化防止膜として、半導体基板31の熱酸化を行うことにより、素子分離領域RIにフィールド酸化膜33を形成する。
【0046】
次に、図3(c)に示すように、ドライエッチングまたはウェットエッチングを行うことにより、窒化珪素膜32を半導体基板31から除去し、高耐圧能動領域RHおよび低耐圧能動領域RLの半導体基板31の表面を露出させる。
次に、図3(d)に示すように、CVDなどの方法により、多結晶シリコン膜および酸化珪素膜を半導体基板31上に順次積層し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いることにより、酸化珪素膜35が積層された下部電極34をフィールド酸化膜33上に形成する。
【0047】
次に、図3(e)に示すように、CVDなどの方法により、窒化珪素膜を半導体基板31上に積層し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて窒化珪素膜のパターニングを行うことにより、高耐圧能動領域RHの半導体基板31の表面を露出させるとともに、低耐圧能動領域RL上および酸化珪素膜35が積層された下部電極34上に窒化珪素膜36を形成する。
【0048】
次に、図3(f)に示すように、窒化珪素膜36を酸化防止膜として、半導体基板31の熱酸化を行うことにより、高耐圧能動領域RHの半導体基板31上にゲート酸化膜37を形成するとともに、下部電極34上の窒化珪素膜36上に酸化珪素膜38を形成する。
次に、図3(g)に示すように、ドライエッチングまたはウェットエッチングを行うことにより、窒化珪素膜36を低耐圧能動領域RLから除去し、低耐圧能動領域RLの半導体基板31の表面を露出させる。
【0049】
次に、図3(h)に示すように、半導体基板31の熱酸化を行うことにより、低耐圧能動領域RLの半導体基板31上にゲート酸化膜39を形成する。
次に、図3(i)に示すように、CVDなどの方法により、半導体基板31上に多結晶シリコンを堆積し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて多結晶シリコンをパターニングすることにより、ゲート酸化膜37、39上にゲート電極40、41をそれぞれ形成するとともに、下部電極34上の酸化珪素膜38上に上部電極42を形成する。
【0050】
これにより、LOCOS法を用いてフィールド酸化膜33が形成された後に、窒化珪素膜36で低耐圧能動領域RLを覆うことを可能としつつ、下部電極34上に窒化珪素膜36を形成することが可能となる。
このため、厚さが薄いゲート酸化膜39を低耐圧能動領域RLに形成する際に、厚さが厚いゲート酸化膜37を低耐圧能動領域RLから除去するためのエッチングを行う必要がなくなり、フィールド反転を防止することが可能としつつ、厚さの異なるゲート酸化膜37、39を同一半導体基板31上に形成することが可能となるとともに、製造工程の複雑化を抑制しつつ、フィールド酸化膜33上にキャパシタを形成することが可能となる。
【0051】
なお、上述した実施形態では、2種類の厚さのゲート酸化膜を同一半導体基板上に形成する方法について説明したが、3種類の厚さのゲート酸化膜を同一半導体基板上に形成するようにしてもよい。この場合、ゲート酸化膜の厚さの薄い領域を窒化珪素膜で覆いながら、ゲート酸化膜の厚さの厚い順にゲート酸化膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図2】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図3】第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図4】従来の半導体装置の製造方法を示す断面図。
【符号の説明】
RH 高耐圧能動領域、RL 低耐圧能動領域、RI 素子分離領域、1、11、31 半導体基板、2、4、12、32、36 窒化珪素膜、3、13、33 フィールド酸化膜、5、6、16、19、37、39 ゲート酸化膜、17、35、38 酸化珪素膜、7、8、20、21、40、41 ゲート電極、15 多結晶シリコン膜、18 フォトレジスト膜、34 下部電極、42 上部電極
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体装置の製造方法に関し、特に、厚さの異なるゲート酸化膜を形成する方法に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の半導体装置では、高耐圧回路と低耐圧回路とを同一基板上に形成するために、例えば、特許文献1に開示されているように、厚さの異なるゲート酸化膜を同一基板上に形成することが行われている。
図4は、従来の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0003】
図4(a)において、半導体基板101には、高耐圧素子を形成する高耐圧能動領域RH、低耐圧素子を形成する低耐圧能動領域RLが設けられるとともに、能動領域を素子分離する素子分離領域RIが設けられている。
そして、CVDなどの方法により、窒化珪素膜102を半導体基板101上に形成し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いることにより、高耐圧能動領域RHおよび低耐圧能動領域RLが窒化珪素膜102で覆われるようにして、素子分離領域RIの窒化珪素膜102を除去する。
【0004】
次に、図4(b)に示すように、窒化珪素膜102を酸化防止膜として、半導体基板101の熱酸化を行うことにより、素子分離領域RIにフィールド酸化膜103を形成する。
次に、図4(c)に示すように、ドライエッチングまたはウェットエッチングを行うことにより、窒化珪素膜102を半導体基板101から除去し、高耐圧能動領域RHおよび低耐圧能動領域RLの半導体基板101の表面を露出させる。
【0005】
次に、図4(d)に示すように、半導体基板101の熱酸化を行うことにより、高耐圧能動領域RHおよび低耐圧能動領域RLの半導体基板101上にゲート酸化膜104を形成する。
次に、図4(e)に示すように、半導体基板101上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィーを行うことにより、低耐圧能動領域RLのフォトレジストを除去するとともに、高耐圧能動領域RHをフォトレジスト膜105で覆う。そして、フォトレジスト膜105をマスクとして、ゲート酸化膜104のウェットエッチングを行うことにより、ゲート酸化膜104を低耐圧能動領域RLから除去し、低耐圧能動領域RLの半導体基板101の表面を露出させる。
【0006】
次に、図4(f)に示すように、高耐圧能動領域RHのフォトレジスト膜105を除去し、半導体基板101の熱酸化を行うことにより、低耐圧能動領域RLの半導体基板101上にゲート酸化膜105を形成する。ここで、低耐圧能動領域RLのゲート酸化膜105の厚さは、高耐圧能動領域RHのゲート酸化膜104の厚さより薄くなるように設定される。
【0007】
次に、図4(g)に示すように、CVDなどの方法により、半導体基板101上に多結晶シリコンを堆積し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて多結晶シリコンをパターニングすることにより、ゲート酸化膜104、105上にゲート電極106、107をそれぞれ形成する。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−196463号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の半導体装置の製造方法では、厚さの薄いゲート酸化膜105を低耐圧能動領域RLに形成するために、厚さの厚いゲート酸化膜104を低耐圧能動領域RLから除去する必要がある。
このため、従来の半導体装置の製造方法では、厚さの厚いゲート酸化膜104を低耐圧能動領域RLから除去する際に、低耐圧能動領域RLおよびその周囲のフィールド酸化膜103がエッチングされ、低耐圧能動領域RLおよびその周囲のフィールド酸化膜103が薄くなるため、フィールド反転によるリーク電流が発生するという問題があった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、素子分離膜の厚さを維持しつつ、厚さの異なるゲート酸化膜を同一基板上に形成することが可能な半導体装置の製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法によれば、半導体基板上に素子分離膜を形成することにより、第1能動領域および第2能動領域を前記半導体基板上に形成する工程と、前記素子分離膜で素子分離された第2能動領域に酸化防止膜を形成する工程と、前記半導体基板の第1熱酸化を行うことにより、前記第1能動領域に第1ゲート酸化膜を形成する工程と、前記第2能動領域に形成された酸化防止膜を除去する工程と、前記半導体基板の第2熱酸化を行うことにより、前記第1ゲート酸化膜より厚さの薄い第2ゲート酸化膜を前記第2能動領域に形成する工程と、前記第1ゲート酸化膜および前記第2ゲート酸化膜上にゲート電極をそれぞれ形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0012】
これにより、第1能動領域に第1ゲート酸化膜を形成する際に、第2能動領域が酸化されることを防止することができ、第2能動領域に第2ゲート酸化膜を形成する際に、厚さが厚い酸化膜を第2能動領域から除去するためのエッチングを行う必要がなくなる。
このため、第2能動領域およびその周囲の素子分離膜の膜減りを減らすことが可能となり、素子分離膜の厚さを維持しつつ、厚さの異なるゲート酸化膜を同一基板上に形成することが可能となる。
【0013】
また、本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法によれば、素子分離領域で素子分離される第1能動領域および第2能動領域上に第1窒化珪素膜を形成する工程と、前記半導体基板の第1熱酸化を行うことにより、前記素子分離領域にフィールド酸化膜を形成する工程と、前第1能動領域および第2能動領域上に形成された第1窒化珪素膜を除去する工程と、前記フィールド酸化膜で素子分離された第2能動領域に第2窒化珪素膜を形成する工程と、前記半導体基板の第2熱酸化を行うことにより、前記第1能動領域に第1ゲート酸化膜を形成する工程と、前記第2能動領域に形成された第2窒化珪素膜を除去する工程と、前記半導体基板の第2熱酸化を行うことにより、前記第1ゲート酸化膜より厚さの薄い第2ゲート酸化膜を前記第2能動領域に形成する工程と、前記第1ゲート酸化膜および前記第2ゲート酸化膜上にゲート電極をそれぞれ形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0014】
これにより、LOCOS法を用いてフィールド酸化膜が形成された後に、第2窒化珪素膜で第2能動領域を覆うことが可能となり、厚さが厚い第1ゲート酸化膜を第1能動領域に形成する際に、第2能動領域が酸化されることを防止することができる。
このため、厚さが薄い第2ゲート酸化膜を第2能動領域に形成する際に、厚さが厚い酸化膜を第2能動領域から除去するためのエッチングを行う必要がなくなり、フィールド酸化膜の厚さを維持しつつ、厚さの異なるゲート酸化膜を同一基板上に形成することが可能となる。
【0015】
また、本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法によれば、素子分離領域で素子分離される第1能動領域および第2能動領域上に窒化珪素膜を形成する工程と、前記半導体基板の第1熱酸化を行うことにより、前記素子分離領域にフィールド酸化膜を形成する工程と、前第1能動領域および第2能動領域上に形成された窒化珪素膜を除去する工程と、前記半導体基板の第2熱酸化を行うことにより、前第1能動領域および第2能動領域上に酸化珪素膜を形成する工程と、前記フィールド酸化膜で素子分離された第2能動領域およびその周囲のフィールド酸化膜上に多結晶シリコン膜を形成する工程と、前記半導体基板の第3熱酸化を行うことにより、前記第1能動領域に第1ゲート酸化膜を形成するとともに、前記多結晶シリコン膜を酸化珪素膜に変化させる工程と、前記第2能動領域上の酸化珪素膜を除去する工程と、前記半導体基板の第4熱酸化を行うことにより、前記第1ゲート酸化膜より厚さの薄い第2ゲート酸化膜を前記第2能動領域に形成する工程と、前記第1ゲート酸化膜および前記第2ゲート酸化膜上にゲート電極をそれぞれ形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0016】
これにより、第1能動領域に厚さが厚い第1ゲート酸化膜を形成する際に、第2能動領域が酸化されることを抑制しつつ、第2能動領域およびその周囲のフィールド酸化膜の厚さを増大させることが可能となる。
このため、厚さが薄い第2ゲート酸化膜を第2能動領域に形成する際に、厚さが厚い酸化膜を第2能動領域から除去するためのエッチングを行った場合においても、フィールド酸化膜の厚さを一定値以上に保つことが可能となり、フィールド反転を防止しつつ、厚さの異なるゲート酸化膜を同一基板上に形成することが可能となる。
【0017】
また、本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法によれば、前記多結晶シリコン膜の厚さは、前記第1ゲート酸化膜が所望の厚さに達した時に、前記多結晶シリコン膜全体が酸化珪素膜に変化するように設定されることを特徴とする。
これにより、第2能動領域が酸化されることを抑制しつつ、第1ゲート酸化膜の形成後に、多結晶シリコン膜が第2能動領域上に残存することを防止することが可能となる。
【0018】
このため、第2能動領域から酸化膜を除去するためのエッチング量を抑制することを可能としつつ、第2能動領域から多結晶シリコン膜を除去するためのエッチングを不要とすることができ、製造工程の複雑化を抑制しつつ、フィールド酸化膜の厚さを一定値以上に維持して、フィールド反転を防止することが可能となるとともに、厚さの異なるゲート酸化膜を同一基板上に形成することが可能となる。
【0019】
また、本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法によれば、素子分離領域で素子分離される第1能動領域および第2能動領域上に窒化珪素膜を形成する工程と、前記半導体基板の第1熱酸化を行うことにより、前記素子分離領域にフィールド酸化膜を形成する工程と、前第1能動領域および第2能動領域上に形成された窒化珪素膜を除去する工程と、前記半導体基板の第2熱酸化を行うことにより、前第1能動領域および第2能動領域上に酸化珪素膜を形成する工程と、前記フィールド酸化膜で素子分離された第2能動領域およびその周囲のフィールド酸化膜上に酸化珪素膜を堆積する工程と、前記半導体基板の第3熱酸化を行うことにより、前記第1能動領域に第1ゲート酸化膜を形成する工程と、前記第2能動領域上の酸化珪素膜を除去する工程と、前記半導体基板の第4熱酸化を行うことにより、前記第1ゲート酸化膜より厚さの薄い第2ゲート酸化膜を前記第2能動領域に形成する工程と、前記第1ゲート酸化膜および前記第2ゲート酸化膜上にゲート電極をそれぞれ形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0020】
これにより、第2能動領域が酸化されることを抑制しつつ、第2能動領域およびその周囲のフィールド酸化膜の厚さを増大させることが可能となり、第2能動領域から酸化膜を除去するためのエッチングを行った場合においても、フィールド酸化膜の厚さを一定値以上に維持して、フィールド反転を防止することが可能となるとともに、厚さの異なるゲート酸化膜を同一基板上に形成することが可能となる。
【0021】
また、本発明の一態様に係る半導体装置の製造方法によれば、素子分離領域で素子分離される第1能動領域および第2能動領域上に第1窒化珪素膜を形成する工程と、前記半導体基板の第1熱酸化を行うことにより、前記素子分離領域にフィールド酸化膜を形成する工程と、前第1能動領域および第2能動領域上に形成された第1窒化珪素膜を除去する工程と、前記フィールド酸化膜上に下部電極を形成する工程と、前記フィールド酸化膜で素子分離された第2能動領域および前記下部電極上に第2窒化珪素膜を形成する工程と、前記半導体基板の第2熱酸化を行うことにより、前記第1能動領域に第1ゲート酸化膜を形成する工程と、前記第2能動領域に形成された第2窒化珪素膜を除去する工程と、前記半導体基板の第3熱酸化を行うことにより、前記第1ゲート酸化膜より厚さの薄い第2ゲート酸化膜を前記第2能動領域に形成する工程と、前記第1ゲート酸化膜および前記第2ゲート酸化膜上にゲート電極をそれぞれ形成するとともに、前記下部電極上に形成された第2窒化珪素膜上に上部電極を形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0022】
これにより、LOCOS法を用いてフィールド酸化膜が形成された後に、第2窒化珪素膜で第2能動領域を覆うことが可能となるとともに、下部電極上に第2窒化珪素膜を形成することが可能となる。
このため、厚さが薄い第2ゲート酸化膜を第2能動領域に形成する際に、厚さが厚い酸化膜を第2能動領域から除去するためのエッチングを行う必要がなくなり、フィールド反転を防止することが可能としつつ、厚さの異なるゲート酸化膜を同一基板上に形成することが可能となるとともに、製造工程の複雑化を抑制しつつ、フィールド酸化膜上にキャパシタを形成することが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0024】
図1(a)において、半導体基板1には、高耐圧素子を形成する高耐圧能動領域RH、低耐圧素子を形成する低耐圧能動領域RLが設けられるとともに、能動領域を素子分離する素子分離領域RIが設けられている。
そして、CVDなどの方法により、窒化珪素膜2を半導体基板1上に形成し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いることにより、高耐圧能動領域RHおよび低耐圧能動領域RLが窒化珪素膜2で覆われるようにして、素子分離領域RIの窒化珪素膜2を除去する。なお、窒化珪素膜2の厚さD1は、LOCOS法によるバーズビークを抑えるために、例えば、1000〜2000Åとすることができる。
【0025】
次に、図1(b)に示すように、窒化珪素膜2を酸化防止膜として、半導体基板1の熱酸化を行うことにより、素子分離領域RIにフィールド酸化膜3を形成する。なお、フィールド酸化膜3の厚さD2は、フィールド反転を抑えるために、例えば、5000〜6000Åとすることができる。
次に、図1(c)に示すように、ドライエッチングまたはウェットエッチングを行うことにより、窒化珪素膜2を半導体基板1から除去し、高耐圧能動領域RHおよび低耐圧能動領域RLの半導体基板1の表面を露出させる。
【0026】
次に、図1(d)に示すように、CVDなどの方法により、窒化珪素膜4を半導体基板1上に形成し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いることにより、低耐圧能動領域RLが窒化珪素膜4で覆われるようにして、高耐圧能動領域RHの窒化珪素膜4を除去する。なお、窒化珪素膜4の厚さD3は、窒化珪素膜2の厚さD1よりも薄くすることができ、例えば、150Å程度とすることができる。
【0027】
次に、図1(e)に示すように、窒化珪素膜4を酸化防止膜として、半導体基板1の熱酸化を行うことにより、高耐圧能動領域RHの半導体基板1上にゲート酸化膜5を形成する。なお、ゲート酸化膜5の厚さD4は、高耐圧MOSトランジスタを高耐圧能動領域RHに形成できるようにするため、例えば、1600Å程度とすることができる。
【0028】
次に、図1(f)に示すように、ドライエッチングまたはウェットエッチングを行うことにより、窒化珪素膜4を低耐圧能動領域RLから除去し、低耐圧能動領域RLの半導体基板1の表面を露出させる。
次に、図1(g)に示すように、半導体基板1の熱酸化を行うことにより、低耐圧能動領域RLの半導体基板1上にゲート酸化膜6を形成する。なお、ゲート酸化膜6の厚さD5は、低耐圧能動領域RLに形成されるMOSトランジスタの高速化を図ることができるようにするため、例えば、50〜70Å程度とすることができる。
【0029】
次に、図1(h)に示すように、CVDなどの方法により、半導体基板1上に多結晶シリコンを堆積し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて多結晶シリコンをパターニングすることにより、ゲート酸化膜5、6上にゲート電極7、8をそれぞれ形成する。
これにより、高耐圧能動領域RHに厚さが厚いゲート酸化膜5を形成する際に、低耐圧能動領域RLが酸化されることを防止することができ、低耐圧能動領域RLに厚さが薄いゲート酸化膜6を形成する際に、厚さが厚いゲート酸化膜5を低耐圧能動領域RLから除去するためのエッチングを行う必要がなくなる。
【0030】
このため、低耐圧能動領域RLおよびその周囲のフィールド酸化膜3の膜減りを減らすことが可能となり、フィールド酸化膜3の厚さを所定の厚みに維持しつつ、厚さの異なるゲート酸化膜5、6を同一半導体基板1上に形成することが可能となる。
この結果、フィールド反転を抑制することを可能としつつ、高耐圧トランジスタと高速トランジスタ同一半導体基板1上に形成することができ、半導体装置の動作の安定化を図りつつ、半導体装置の小型化を図ることが可能となる。
【0031】
図2は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
図2(a)において、半導体基板11には、高耐圧素子を形成する高耐圧能動領域RH、低耐圧素子を形成する低耐圧能動領域RLが設けられるとともに、能動領域を素子分離する素子分離領域RIが設けられている。
【0032】
そして、CVDなどの方法により、窒化珪素膜12を半導体基板11上に形成し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いることにより、高耐圧能動領域RHおよび低耐圧能動領域RLが窒化珪素膜12で覆われるようにして、素子分離領域RIの窒化珪素膜12を除去する。なお、窒化珪素膜12の厚さD11は、LOCOS法によるバーズビークを抑えるために、例えば、1000〜2000Åとすることができる。
【0033】
次に、図2(b)に示すように、窒化珪素膜12を酸化防止膜として、半導体基板11の熱酸化を行うことにより、素子分離領域RIにフィールド酸化膜13を形成する。なお、フィールド酸化膜13の厚さD2は、フィールド反転を抑えるために、例えば、5000〜6000Åとすることができる。
次に、図2(c)に示すように、ドライエッチングまたはウェットエッチングを行うことにより、窒化珪素膜12を半導体基板11から除去し、高耐圧能動領域RHおよび低耐圧能動領域RLの半導体基板11の表面を露出させる。
【0034】
次に、図2(d)に示すように、半導体基板11の熱酸化を行うことにより、高耐圧能動領域RHおよび低耐圧能動領域RLの半導体基板11上に酸化珪素膜14を形成する。
次に、図2(e)に示すように、CVDなどの方法により、多結晶シリコン膜を半導体基板11上に堆積する。そして、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて多結晶シリコン膜のパターニングを行うことにより、低耐圧能動領域RLおよびその周囲のフィールド酸化膜13上に多結晶シリコン膜15を形成する。なお、多結晶シリコン膜15の厚さD13は、厚さD14のゲート酸化膜16を高耐圧能動領域RHに形成した時に、多結晶シリコン膜15全体が酸化珪素膜17に変化するように設定することが好ましい。また、半導体基板11上に酸化珪素膜14を設けることにより、多結晶シリコン膜のエッチング行う際に、酸化珪素膜14をエッチングストッパとして用いることができ、高耐圧能動領域RHの表面がエッチングされることを防止することができる。
【0035】
次に、図2(f)に示すように、ウェットエッチングなどの方法により、高耐圧能動領域RH上の酸化珪素膜14を除去し、高耐圧能動領域RHの半導体基板11の表面を露出させる。そして、半導体基板11の熱酸化を行うことにより、高耐圧能動領域RHの半導体基板11上にゲート酸化膜15を形成するとともに、多結晶シリコン膜15を酸化珪素膜17に変化させる。なお、ゲート酸化膜15の厚さD14は、高耐圧MOSトランジスタを高耐圧能動領域RHに形成できるようにするため、例えば、1600Å程度とすることができる。
【0036】
次に、図2(g)に示すように、半導体基板11上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィーを行うことにより、低耐圧能動領域RLのフォトレジストを除去するとともに、高耐圧能動領域RHをフォトレジスト膜18で覆う。そして、フォトレジスト膜18をマスクとして、酸化珪素膜17およびゲート酸化膜14のウェットエッチングを行うことにより、酸化珪素膜17およびゲート酸化膜14を低耐圧能動領域RLから除去し、低耐圧能動領域RLの半導体基板11の表面を露出させる。
【0037】
ここで、低耐圧能動領域RLの半導体基板11の表面を露出させる場合、低耐圧能動領域RLおよびその周囲のフィールド酸化膜13が酸化珪素膜17で覆われているので、低耐圧能動領域RLおよびその周囲のフィールド酸化膜13の膜減りを抑制することができ、低耐圧能動領域RLおよびその周囲のフィールド酸化膜13の厚さD12をほぼ一定に維持することが可能となる。
【0038】
次に、図2(h)に示すように、高耐圧能動領域RHのフォトレジスト膜18を除去し、半導体基板11の熱酸化を行うことにより、低耐圧能動領域RLの半導体基板11上にゲート酸化膜19を形成する。ここで、低耐圧能動領域RLのゲート酸化膜19の厚さは、低耐圧能動領域RLに形成されるMOSトランジスタの高速化を図ることができるようにするため、例えば、50〜70Å程度とすることができる。
【0039】
次に、図2(i)に示すように、CVDなどの方法により、半導体基板11上に多結晶シリコンを堆積し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて多結晶シリコンをパターニングすることにより、ゲート酸化膜16、19上にゲート電極20、21をそれぞれ形成する。
これにより、高耐圧能動領域RHに厚さが厚い16を形成する際に、低耐圧能動領域RLが酸化されることを抑制しつつ、低耐圧能動領域RLおよびその周囲のフィールド酸化膜13の厚さを増大させることが可能となる。
【0040】
このため、厚さが薄いゲート酸化膜19を低耐圧能動領域RLに形成する際に、低耐圧能動領域RLの表面を露出させるためのエッチングを行った場合においても、低耐圧能動領域RLおよびその周囲のフィールド酸化膜13の厚さD12を保つことが可能となり、フィールド反転を防止しつつ、厚さの異なるゲート酸化膜16、19を同一半導体基板11上に形成することが可能となる。
【0041】
また、厚さD14のゲート酸化膜16を高耐圧能動領域RHに形成した時に、多結晶シリコン膜15全体が酸化珪素膜17に変化するように、多結晶シリコン膜15の厚さD13を設定することにより、低耐圧能動領域RLが酸化されることを抑制しつつ、高耐圧能動領域RHのゲート酸化膜16の形成後に、多結晶シリコン膜15が低耐圧能動領域RL上に残存することを防止することが可能となる。
【0042】
このため、低耐圧能動領域RLの表面を露出させる際に、低耐圧能動領域RLから酸化珪素膜17を除去するためのエッチング量を抑制することを可能としつつ、低耐圧能動領域RLから多結晶シリコン膜15を除去するためのエッチングを不要とすることができ、製造工程の複雑化を抑制しつつ、フィールド酸化膜13の厚さD12を一定値以上に維持して、フィールド反転を防止することが可能となる。
【0043】
なお、上述した第2実施形態では、低耐圧能動領域RLが酸化されることを抑制しつつ、低耐圧能動領域RLおよびその周囲のフィールド酸化膜13の厚さを増大させるために、低耐圧能動領域RLおよびその周囲のフィールド酸化膜13上に多結晶シリコン膜15を形成する方法について説明したが、多結晶シリコン膜15の代わりに、タングステンシリサイド膜やモリブデンシリサイド膜あるいは酸化珪素膜などを、低耐圧能動領域RLおよびその周囲のフィールド酸化膜13上に形成するようにしてもよい。
【0044】
図3は、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
図3(a)において、半導体基板31には、高耐圧素子を形成する高耐圧能動領域RH、低耐圧素子を形成する低耐圧能動領域RLが設けられるとともに、能動領域を素子分離する素子分離領域RIが設けられている。
【0045】
そして、CVDなどの方法により、窒化珪素膜32を半導体基板31上に形成し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いることにより、高耐圧能動領域RHおよび低耐圧能動領域RLが窒化珪素膜32で覆われるようにして、素子分離領域RIの窒化珪素膜32を除去する。
次に、図3(b)に示すように、窒化珪素膜32を酸化防止膜として、半導体基板31の熱酸化を行うことにより、素子分離領域RIにフィールド酸化膜33を形成する。
【0046】
次に、図3(c)に示すように、ドライエッチングまたはウェットエッチングを行うことにより、窒化珪素膜32を半導体基板31から除去し、高耐圧能動領域RHおよび低耐圧能動領域RLの半導体基板31の表面を露出させる。
次に、図3(d)に示すように、CVDなどの方法により、多結晶シリコン膜および酸化珪素膜を半導体基板31上に順次積層し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いることにより、酸化珪素膜35が積層された下部電極34をフィールド酸化膜33上に形成する。
【0047】
次に、図3(e)に示すように、CVDなどの方法により、窒化珪素膜を半導体基板31上に積層し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて窒化珪素膜のパターニングを行うことにより、高耐圧能動領域RHの半導体基板31の表面を露出させるとともに、低耐圧能動領域RL上および酸化珪素膜35が積層された下部電極34上に窒化珪素膜36を形成する。
【0048】
次に、図3(f)に示すように、窒化珪素膜36を酸化防止膜として、半導体基板31の熱酸化を行うことにより、高耐圧能動領域RHの半導体基板31上にゲート酸化膜37を形成するとともに、下部電極34上の窒化珪素膜36上に酸化珪素膜38を形成する。
次に、図3(g)に示すように、ドライエッチングまたはウェットエッチングを行うことにより、窒化珪素膜36を低耐圧能動領域RLから除去し、低耐圧能動領域RLの半導体基板31の表面を露出させる。
【0049】
次に、図3(h)に示すように、半導体基板31の熱酸化を行うことにより、低耐圧能動領域RLの半導体基板31上にゲート酸化膜39を形成する。
次に、図3(i)に示すように、CVDなどの方法により、半導体基板31上に多結晶シリコンを堆積し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて多結晶シリコンをパターニングすることにより、ゲート酸化膜37、39上にゲート電極40、41をそれぞれ形成するとともに、下部電極34上の酸化珪素膜38上に上部電極42を形成する。
【0050】
これにより、LOCOS法を用いてフィールド酸化膜33が形成された後に、窒化珪素膜36で低耐圧能動領域RLを覆うことを可能としつつ、下部電極34上に窒化珪素膜36を形成することが可能となる。
このため、厚さが薄いゲート酸化膜39を低耐圧能動領域RLに形成する際に、厚さが厚いゲート酸化膜37を低耐圧能動領域RLから除去するためのエッチングを行う必要がなくなり、フィールド反転を防止することが可能としつつ、厚さの異なるゲート酸化膜37、39を同一半導体基板31上に形成することが可能となるとともに、製造工程の複雑化を抑制しつつ、フィールド酸化膜33上にキャパシタを形成することが可能となる。
【0051】
なお、上述した実施形態では、2種類の厚さのゲート酸化膜を同一半導体基板上に形成する方法について説明したが、3種類の厚さのゲート酸化膜を同一半導体基板上に形成するようにしてもよい。この場合、ゲート酸化膜の厚さの薄い領域を窒化珪素膜で覆いながら、ゲート酸化膜の厚さの厚い順にゲート酸化膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図2】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図3】第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
【図4】従来の半導体装置の製造方法を示す断面図。
【符号の説明】
RH 高耐圧能動領域、RL 低耐圧能動領域、RI 素子分離領域、1、11、31 半導体基板、2、4、12、32、36 窒化珪素膜、3、13、33 フィールド酸化膜、5、6、16、19、37、39 ゲート酸化膜、17、35、38 酸化珪素膜、7、8、20、21、40、41 ゲート電極、15 多結晶シリコン膜、18 フォトレジスト膜、34 下部電極、42 上部電極
Claims (6)
- 半導体基板上に素子分離膜を形成することにより、第1能動領域および第2能動領域を前記半導体基板上に形成する工程と、
前記素子分離膜で素子分離された第2能動領域に酸化防止膜を形成する工程と、
前記半導体基板の第1熱酸化を行うことにより、前記第1能動領域に第1ゲート酸化膜を形成する工程と、
前記第2能動領域に形成された酸化防止膜を除去する工程と、
前記半導体基板の第2熱酸化を行うことにより、前記第1ゲート酸化膜より厚さの薄い第2ゲート酸化膜を前記第2能動領域に形成する工程と、
前記第1ゲート酸化膜および前記第2ゲート酸化膜上にゲート電極をそれぞれ形成する工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 素子分離領域で素子分離される第1能動領域および第2能動領域上に第1窒化珪素膜を形成する工程と、
前記半導体基板の第1熱酸化を行うことにより、前記素子分離領域にフィールド酸化膜を形成する工程と、
前第1能動領域および第2能動領域上に形成された第1窒化珪素膜を除去する工程と、
前記フィールド酸化膜で素子分離された第2能動領域に第2窒化珪素膜を形成する工程と、
前記半導体基板の第2熱酸化を行うことにより、前記第1能動領域に第1ゲート酸化膜を形成する工程と、
前記第2能動領域に形成された第2窒化珪素膜を除去する工程と、
前記半導体基板の第2熱酸化を行うことにより、前記第1ゲート酸化膜より厚さの薄い第2ゲート酸化膜を前記第2能動領域に形成する工程と、
前記第1ゲート酸化膜および前記第2ゲート酸化膜上にゲート電極をそれぞれ形成する工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 素子分離領域で素子分離される第1能動領域および第2能動領域上に窒化珪素膜を形成する工程と、
前記半導体基板の第1熱酸化を行うことにより、前記素子分離領域にフィールド酸化膜を形成する工程と、
前第1能動領域および第2能動領域上に形成された窒化珪素膜を除去する工程と、
前記半導体基板の第2熱酸化を行うことにより、前第1能動領域および第2能動領域上に酸化珪素膜を形成する工程と、
前記フィールド酸化膜で素子分離された第2能動領域およびその周囲のフィールド酸化膜上に多結晶シリコン膜を形成する工程と、
前記半導体基板の第3熱酸化を行うことにより、前記第1能動領域に第1ゲート酸化膜を形成するとともに、前記多結晶シリコン膜を酸化珪素膜に変化させる工程と、
前記第2能動領域上の酸化珪素膜を除去する工程と、
前記半導体基板の第4熱酸化を行うことにより、前記第1ゲート酸化膜より厚さの薄い第2ゲート酸化膜を前記第2能動領域に形成する工程と、
前記第1ゲート酸化膜および前記第2ゲート酸化膜上にゲート電極をそれぞれ形成する工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記多結晶シリコン膜の厚さは、前記第1ゲート酸化膜が所望の厚さに達した時に、前記多結晶シリコン膜全体が酸化珪素膜に変化するように設定されることを特徴とする請求項3記載の半導体装置の製造方法。
- 素子分離領域で素子分離される第1能動領域および第2能動領域上に窒化珪素膜を形成する工程と、
前記半導体基板の第1熱酸化を行うことにより、前記素子分離領域にフィールド酸化膜を形成する工程と、
前第1能動領域および第2能動領域上に形成された窒化珪素膜を除去する工程と、
前記半導体基板の第2熱酸化を行うことにより、前第1能動領域および第2能動領域上に酸化珪素膜を形成する工程と、
前記フィールド酸化膜で素子分離された第2能動領域およびその周囲のフィールド酸化膜上に酸化珪素膜を堆積する工程と、
前記半導体基板の第3熱酸化を行うことにより、前記第1能動領域に第1ゲート酸化膜を形成する工程と、
前記第2能動領域上の酸化珪素膜を除去する工程と、
前記半導体基板の第4熱酸化を行うことにより、前記第1ゲート酸化膜より厚さの薄い第2ゲート酸化膜を前記第2能動領域に形成する工程と、
前記第1ゲート酸化膜および前記第2ゲート酸化膜上にゲート電極をそれぞれ形成する工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 素子分離領域で素子分離される第1能動領域および第2能動領域上に第1窒化珪素膜を形成する工程と、
前記半導体基板の第1熱酸化を行うことにより、前記素子分離領域にフィールド酸化膜を形成する工程と、
前第1能動領域および第2能動領域上に形成された第1窒化珪素膜を除去する工程と、
前記フィールド酸化膜上に下部電極を形成する工程と、
前記フィールド酸化膜で素子分離された第2能動領域および前記下部電極上に第2窒化珪素膜を形成する工程と、
前記半導体基板の第2熱酸化を行うことにより、前記第1能動領域に第1ゲート酸化膜を形成する工程と、
前記第2能動領域に形成された第2窒化珪素膜を除去する工程と、
前記半導体基板の第3熱酸化を行うことにより、前記第1ゲート酸化膜より厚さの薄い第2ゲート酸化膜を前記第2能動領域に形成する工程と、
前記第1ゲート酸化膜および前記第2ゲート酸化膜上にゲート電極をそれぞれ形成するとともに、前記下部電極上に形成された第2窒化珪素膜上に上部電極を形成する工程とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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JP2003058661A JP2004273537A (ja) | 2003-03-05 | 2003-03-05 | 半導体装置の製造方法 |
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JP2007059549A (ja) * | 2005-08-23 | 2007-03-08 | Rohm Co Ltd | 半導体装置の製造方法 |
KR100734327B1 (ko) | 2006-07-18 | 2007-07-02 | 삼성전자주식회사 | 서로 다른 두께의 게이트 절연막들을 구비하는 반도체소자의 제조방법 |
-
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