JP2004271085A - 廃棄物処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃焼溶融炉の補助燃料の使用量を低減する。
【解決手段】廃棄物処理装置を、廃棄物を熱分解してガス化するガス化炉と、ガス化炉から排出される熱分解ガスおよび熱分解ガスに同伴する熱分解残渣を燃焼するとともに燃焼残渣を溶融する燃焼溶融炉と、燃焼溶融炉から排出される燃焼排ガスを2次燃焼させる燃焼炉と、ガス化炉から排出される熱分解ガスおよび熱分解残渣を、燃焼溶融炉から燃焼炉に切替えて供給する切替流路とを有してなる構成とする。
【選択図】 図1
【解決手段】廃棄物処理装置を、廃棄物を熱分解してガス化するガス化炉と、ガス化炉から排出される熱分解ガスおよび熱分解ガスに同伴する熱分解残渣を燃焼するとともに燃焼残渣を溶融する燃焼溶融炉と、燃焼溶融炉から排出される燃焼排ガスを2次燃焼させる燃焼炉と、ガス化炉から排出される熱分解ガスおよび熱分解残渣を、燃焼溶融炉から燃焼炉に切替えて供給する切替流路とを有してなる構成とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は廃棄物処理装置に係り、特に廃棄物を熱分解によってガス化し、発生した熱分解ガスを燃焼処理する廃棄物処理装置に関する。ここで、廃棄物とは生活から排出される廃棄物および事業活動から排出される廃棄物を含むあらゆる種類の廃棄物をいう。
【0002】
【従来の技術】
廃棄物処理方法として、廃棄物を熱分解によってガス化し、その熱分解ガスを燃焼処理することが提案されている。これによれば、廃棄物はガス化炉内で加熱されて熱分解され、熱分解ガスと、熱分解されない残渣(以下、熱分解残渣という。)とが生成される。熱分解残渣のほとんどは炉外へ排出されて適宜処理される。一方、ガス化炉から排出される熱分解ガスは燃焼溶融炉に供給されて燃焼処理される。燃焼廃熱は回収されるようになっている。また、燃焼溶融炉には熱分解ガスに同伴される粉粒状の熱分解残渣、例えばチャー等の可燃物または不燃物が供給され、可燃分は熱分解ガスとともに焼却処理される。
【0003】
ここで、燃焼溶融炉の炉内温度は、不燃物等の燃焼残渣(以下、「灰」と称する。)を溶融するために例えば1300℃以上とされている。溶融された灰は炉壁を伝って流下して炉外へ排出され、冷却されてスラグとして回収される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来技術の廃棄物処理装置においては、廃棄物の発熱量の低下によって燃焼溶融炉の炉内温度が灰の融点以下に低下し、灰を溶融できなくなる場合がある。
【0005】
そこで、従来は、燃焼溶融炉に助燃バーナを設け、補助燃料を燃焼させて炉内温度の低下を抑制することが行なわれている。しかし、補助燃料のコストが増加するだけでなく、補助燃料由来のNOXやCO2が増加したり、排ガスの量が増加してしまう問題がある。
【0006】
上述した問題に鑑み、本発明の課題は燃焼溶融炉の補助燃料の使用量を低減することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、廃棄物を熱分解してガス化するガス化炉と、ガス化炉から排出される熱分解ガスおよび熱分解ガスに同伴する熱分解残渣を燃焼するとともに燃焼残渣を溶融する燃焼溶融炉と、燃焼溶融炉から排出される燃焼排ガスを2次燃焼させる燃焼炉と、ガス化炉から排出される熱分解ガスおよび熱分解残渣を、燃焼溶融炉から燃焼炉に切替えて供給する切替流路とを有してなる廃棄物処理装置によって上述した問題を解決する。
【0008】
すなわち、熱分解ガスを燃焼溶融炉で燃焼しても燃焼残渣を溶融可能な炉内温度にできないときは、切替流路によって熱分解ガスおよび熱分解残渣を燃焼溶融炉から2次燃焼用の燃焼炉に供給して燃焼する。これによって、灰を溶融することはできなくなるが、燃焼溶融炉の補助燃料の使用量を低減することができる。その結果、燃料コストを低減し、排ガス量を低減し、NOXおよびCO2の排出量を低減することができる。
【0009】
また、燃焼溶融炉内の温度を測定するセンサと、センサの測定値が設定温度以下のときに切替流路を燃焼炉側に切替える制御手段とを設けることが好ましい。なお、設定温度は灰の融点を考慮して決定される。
【0010】
また、熱分解ガス中の可燃分の含有量を測定するセンサと、センサの測定値が設定値以下のときに切替流路を燃焼炉側に切替える制御手段とを設けてもよい。燃焼溶融炉の炉内温度は熱分解ガス中の可燃分の含有量(例えば熱分解ガス中のCOの濃度)と相関を持つので、この含有量が設定値以下となったときに炉内温度が設定温度以下になったとみなすことができる。
【0011】
また、燃焼炉から排出される燃焼排ガスに同伴する灰を捕集する集塵装置と、集塵装置によって捕集された灰を貯留する灰貯槽と、灰貯槽内の灰を燃焼溶融炉に供給する灰供給装置とを設け、前記灰供給装置は切替流路によって熱分解ガスおよび熱分解残渣が燃焼炉に供給される間、燃焼溶融炉への灰の供給を停止するようにしてもよい。
【0012】
これによれば、燃焼炉において溶融されず燃焼排ガスに同伴して排出された灰を捕集して燃焼溶融炉に供給し、溶融して回収し、冷却後スラグとして排出することができる。また、切替流路が燃焼炉側に切替えられているとき、すなわち燃焼溶融炉が燃焼していないときは燃焼溶融炉への灰の供給を停止し、この間に捕集された灰は灰貯槽に貯留し、燃焼溶融炉の燃焼中に供給することによって灰を確実に溶融することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明を適用してなる廃棄物処理装置の一実施形態について図1を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態の廃棄物処理装置は、処理対象の廃棄物であるごみ1を熱分解してガス化するガス化炉3と、ガス化炉3から排出された熱分解ガスを燃焼する燃焼溶融炉5と、燃焼溶融炉5から排出される燃焼排ガスを2次燃焼する二次燃焼炉9とを有して構成されている。
【0014】
ガス化炉3で発生した熱分解ガスおよび熱分解ガスに同伴する熱分解残渣は、煙道11、分岐装置13、および煙道15を経由して燃焼溶融炉5に供給される。分岐装置13は二股状に形成され、内部に設けられたダンパ19によって熱分解ガス等を煙道15から煙道17に切替えて供給することができる。煙道17は燃焼溶融炉5から排出される燃焼排ガスを二次燃焼炉9に供給する煙道7の中間部に連通している。また、ダンパ19の動作を制御する制御装置21が設けられ、制御装置21は、燃焼溶融炉5に設けられた温度センサ23およびダンパ19を動作させるモータ25につながれている。
【0015】
以下、本実施形態の廃棄物処理装置の使用方法と動作について説明する。廃棄物であるごみは熱分解によってガス化しやすいように、破砕機によって、好ましくは100mm以下の大きさに破砕される。破砕されたごみは、発熱量をできるだけ均質化するためごみピット内で混合され、乾燥機によって乾燥される。これら一連の処理を終えたごみは、ガス化炉に供給される。
【0016】
また、ガス化炉には、部分燃焼用空気が供給される。部分燃焼用空気は、ごみの一部を燃焼させるだけの空気量、例えばごみの全量を完全燃焼させるのに必要な空気量を1とした場合に例えば0.3程度の空気量が供給される。部分燃焼用空気は、送風機26によって、空気配管31を介して、ガス化炉3に供給される。空気配管31の途中には熱交換器29が設けられている。部分燃焼用空気は、熱交換器29において、二次燃焼炉9から煙道27を介して排出された燃焼排ガスとの熱交換によって約500℃まで加熱される。
【0017】
ガス化炉3において、ごみの一部が燃焼されて炉内温度は約600℃に保持される。燃焼熱によってごみの残部、つまり燃焼されなかった残部が熱分解され、熱分解ガスと、熱分解されずに残った熱分解残渣とが生成される。熱分解残渣には不燃物やチャーなどの可燃物が含まれる。熱分解ガスはガス化炉3から煙道11を介して排出される。一方、熱分解残渣の大部分はガス化炉3から排出され、周知の方法によって処理される。なお、チャー等の粉粒状の熱分解残渣の一部は熱分解ガスに同伴して煙道11から排出される。
【0018】
燃焼溶融炉5において、熱分解ガスおよび熱分解残渣に含まれるチャーなどの可燃分は、空気配管31から分岐した空気配管33から供給される空気とともに燃焼される。燃焼溶融炉5の炉内温度は、炉内に存在する灰分、灰分以外の不燃物、燃焼されずに残った未燃分等の燃焼残渣(以下「灰」と総称する。)の融点以上の温度、例えば1300℃以上にされる。これによって炉内の灰は溶融され、炉壁を伝って流下して燃焼溶融炉から排出され、冷却後スラグとして装置外に排出される。
【0019】
燃焼溶融炉5から排出される燃焼排ガスは、煙道7を介して二次燃焼炉9に供給される。燃焼排ガスには可燃分、例えばCOが残留していることがある。二次燃焼炉9には約500℃に加熱された燃焼用空気が、配管31から分岐している配管34を介して供給され、燃焼排ガスは2次燃焼され、残留する可燃分は燃焼処理される。
【0020】
二次燃焼炉9において発生した燃焼排ガスは煙道27から排出される。燃焼排ガスは煙道27の途中に設けられた廃熱回収ボイラ(図示しない)を通過する際に冷却され、その後熱交換器29および減温塔(図示しない)に供給される。燃焼排ガスはここでさらに冷却されて例えば200℃以下とされた後に周知の集塵機37に送られる。燃焼排ガスに同伴する灰は集塵機37において捕集され、ホッパ状の灰貯槽39に送られる。灰貯槽39内に貯留された灰は、灰供給装置41によって燃焼溶融炉5に供給される。燃焼溶融炉5に供給された灰は、燃焼溶融炉5内で発生した灰と同様に、溶融して回収された後にスラグとして排出される。一方、集塵機37を通過した排ガスは、誘引送風機43によって煙突45に送られて大気中に排出される。したがって、燃焼排ガスに同伴して大気中に排出される灰の量が低減される。
【0021】
以上のようにしてごみの処理はなされるが、ごみの発熱量が低下した場合、燃焼溶融炉5の炉内温度が低下して灰を溶融できなくなることがある。例えばごみの発熱量が約1600kcal/kgより低い場合には、熱分解ガスを燃焼溶融炉5で燃焼しても灰の融点以上の炉内温度を得られず、灰を溶融できなくなることがある。この場合、従来技術によれば燃焼溶融炉5に設けられている助燃バーナ35によって補助燃料を燃焼させることが行なわれていた。
【0022】
これに対し、本実施形態の廃棄物処理装置は、以下説明するように、ごみの発熱量が低下したときに、熱分解ガスおよび同伴する熱分解残渣を燃焼溶融炉5から二次燃焼炉9に切替えて供給し、燃焼させることを特徴とする。以下、詳しく説明する。
【0023】
ごみの発熱量を示す指標としてごみの発熱量と相関を有する燃焼溶融炉5の炉内温度を利用し、これに基いて分岐装置13を制御している。すなわち、炉内温度は周知の温度センサ23によって測定され、制御装置21に送られる。制御装置21は、燃焼溶融炉5内の灰が溶融可能であることを考慮して予め定めた設定温度と、温度センサ23によって測定された炉内温度とを比較し、炉内温度が設定温度以下となったときにモータ25に対して動作指令を発する。制御装置21からの動作指令を受けたモータ25は、ダンパ19を動かして煙道11からの熱分解ガス等が、煙道15から煙道17に切替えて供給されるようにする。
【0024】
これによって、熱分解ガスおよび熱分解ガスに同伴する熱分解残渣は二次燃焼炉9に供給される。また、二次燃焼炉9には、供給される熱分解ガスおよび熱分解残渣中の可燃分を完全燃焼させ得る量の燃焼用の空気が空気配管33から供給され、二次燃焼炉9において、熱分解ガスおよび熱分解残渣中の可燃分は、例えば850〜1000℃で燃焼される。二次燃焼炉9内で発生した灰は燃焼排ガスに同伴して煙道27を介して排出され、集塵機37で捕集されて灰貯槽39に貯留される。この場合、二次燃焼炉9では灰を溶融できないので、燃焼排ガスに同伴する灰の量は、熱分解ガス等を燃焼溶融炉5で燃焼する場合よりも多くなる。
【0025】
熱分解ガスおよび熱分解残渣が二次燃焼炉9において燃焼されている間は燃焼溶融炉5は燃焼を中止しているので、この間に集塵機37によって捕集された灰は灰貯槽39に貯留される。そして、熱分解ガスおよび熱分解残渣が燃焼溶融炉5に切替えて供給され燃焼され、燃焼溶融炉5の炉内温度が灰を溶融可能な温度、例えば1300℃以上となったときに、灰貯槽39内の灰は灰供給装置41によって燃焼溶融炉5に供給される。これによって、灰は燃焼溶融炉5内で発生した灰と同様に溶融されて回収され、冷却後スラグとして排出される。
【0026】
以上のように、本実施形態によれば、ガス化炉3から排出される熱分解ガスおよび同伴する熱分解残渣を燃焼溶融炉5から二次燃焼炉9に切替えて供給する分岐装置13を設けたので、ごみの発熱量が低下した結果、燃焼溶融炉5の炉内温度が低下して灰を溶融できないときは、分岐装置13および煙道17によって熱分解ガス等を二次燃焼炉9に供給し、ここで燃焼することができる。その結果、燃焼溶融炉5の助燃バーナ35に供給される補助燃料の使用量を低減することができる。これによって、補助燃料のコストが低減され、かつ省エネルギーの効果がある。また、補助燃料に起因する排ガス量が低減される。また、補助燃料由来のNOXおよびCO2の排出量が低減される。
【0027】
また、説明のなかで示した温度は例示的なものであり、処理対象の廃棄物の組成や廃棄物処理装置の設計や運転条件に依存して変更され得ることはいうまでもない。
【0028】
また、本実施形態においては、分岐装置を溶融炉の炉内温度に基いて切替えているが、ガス化炉から排出される熱分解ガスの組成を測定するセンサを設け、熱分解ガス中の可燃分の含有量、例えば熱分解ガス中のCO濃度を測定し、この測定値に基いて分岐装置を切替えてもよい。この場合、熱分解ガスの組成は廃棄物の供給量や組成によって変動するので、ある一定時間の平均値を求め、平均値に基いて切替えてもよい。これによれば、分岐装置の切替が頻繁に行なわれることがない。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、燃焼溶融炉の補助燃料の使用量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる燃焼処理装置の一実施形態の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 ごみ
3 ガス化炉
5 燃焼溶融炉
9 燃焼炉
13 分岐装置
19 ダンパ
21 制御装置
23 温度センサ
25 モータ
26 送風機
29 熱交換器
35 助燃バーナ
37 集塵機
39 灰貯槽
41 灰供給装置
43 誘引送風機
45 煙突
【発明の属する技術分野】
本発明は廃棄物処理装置に係り、特に廃棄物を熱分解によってガス化し、発生した熱分解ガスを燃焼処理する廃棄物処理装置に関する。ここで、廃棄物とは生活から排出される廃棄物および事業活動から排出される廃棄物を含むあらゆる種類の廃棄物をいう。
【0002】
【従来の技術】
廃棄物処理方法として、廃棄物を熱分解によってガス化し、その熱分解ガスを燃焼処理することが提案されている。これによれば、廃棄物はガス化炉内で加熱されて熱分解され、熱分解ガスと、熱分解されない残渣(以下、熱分解残渣という。)とが生成される。熱分解残渣のほとんどは炉外へ排出されて適宜処理される。一方、ガス化炉から排出される熱分解ガスは燃焼溶融炉に供給されて燃焼処理される。燃焼廃熱は回収されるようになっている。また、燃焼溶融炉には熱分解ガスに同伴される粉粒状の熱分解残渣、例えばチャー等の可燃物または不燃物が供給され、可燃分は熱分解ガスとともに焼却処理される。
【0003】
ここで、燃焼溶融炉の炉内温度は、不燃物等の燃焼残渣(以下、「灰」と称する。)を溶融するために例えば1300℃以上とされている。溶融された灰は炉壁を伝って流下して炉外へ排出され、冷却されてスラグとして回収される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来技術の廃棄物処理装置においては、廃棄物の発熱量の低下によって燃焼溶融炉の炉内温度が灰の融点以下に低下し、灰を溶融できなくなる場合がある。
【0005】
そこで、従来は、燃焼溶融炉に助燃バーナを設け、補助燃料を燃焼させて炉内温度の低下を抑制することが行なわれている。しかし、補助燃料のコストが増加するだけでなく、補助燃料由来のNOXやCO2が増加したり、排ガスの量が増加してしまう問題がある。
【0006】
上述した問題に鑑み、本発明の課題は燃焼溶融炉の補助燃料の使用量を低減することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、廃棄物を熱分解してガス化するガス化炉と、ガス化炉から排出される熱分解ガスおよび熱分解ガスに同伴する熱分解残渣を燃焼するとともに燃焼残渣を溶融する燃焼溶融炉と、燃焼溶融炉から排出される燃焼排ガスを2次燃焼させる燃焼炉と、ガス化炉から排出される熱分解ガスおよび熱分解残渣を、燃焼溶融炉から燃焼炉に切替えて供給する切替流路とを有してなる廃棄物処理装置によって上述した問題を解決する。
【0008】
すなわち、熱分解ガスを燃焼溶融炉で燃焼しても燃焼残渣を溶融可能な炉内温度にできないときは、切替流路によって熱分解ガスおよび熱分解残渣を燃焼溶融炉から2次燃焼用の燃焼炉に供給して燃焼する。これによって、灰を溶融することはできなくなるが、燃焼溶融炉の補助燃料の使用量を低減することができる。その結果、燃料コストを低減し、排ガス量を低減し、NOXおよびCO2の排出量を低減することができる。
【0009】
また、燃焼溶融炉内の温度を測定するセンサと、センサの測定値が設定温度以下のときに切替流路を燃焼炉側に切替える制御手段とを設けることが好ましい。なお、設定温度は灰の融点を考慮して決定される。
【0010】
また、熱分解ガス中の可燃分の含有量を測定するセンサと、センサの測定値が設定値以下のときに切替流路を燃焼炉側に切替える制御手段とを設けてもよい。燃焼溶融炉の炉内温度は熱分解ガス中の可燃分の含有量(例えば熱分解ガス中のCOの濃度)と相関を持つので、この含有量が設定値以下となったときに炉内温度が設定温度以下になったとみなすことができる。
【0011】
また、燃焼炉から排出される燃焼排ガスに同伴する灰を捕集する集塵装置と、集塵装置によって捕集された灰を貯留する灰貯槽と、灰貯槽内の灰を燃焼溶融炉に供給する灰供給装置とを設け、前記灰供給装置は切替流路によって熱分解ガスおよび熱分解残渣が燃焼炉に供給される間、燃焼溶融炉への灰の供給を停止するようにしてもよい。
【0012】
これによれば、燃焼炉において溶融されず燃焼排ガスに同伴して排出された灰を捕集して燃焼溶融炉に供給し、溶融して回収し、冷却後スラグとして排出することができる。また、切替流路が燃焼炉側に切替えられているとき、すなわち燃焼溶融炉が燃焼していないときは燃焼溶融炉への灰の供給を停止し、この間に捕集された灰は灰貯槽に貯留し、燃焼溶融炉の燃焼中に供給することによって灰を確実に溶融することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明を適用してなる廃棄物処理装置の一実施形態について図1を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態の廃棄物処理装置は、処理対象の廃棄物であるごみ1を熱分解してガス化するガス化炉3と、ガス化炉3から排出された熱分解ガスを燃焼する燃焼溶融炉5と、燃焼溶融炉5から排出される燃焼排ガスを2次燃焼する二次燃焼炉9とを有して構成されている。
【0014】
ガス化炉3で発生した熱分解ガスおよび熱分解ガスに同伴する熱分解残渣は、煙道11、分岐装置13、および煙道15を経由して燃焼溶融炉5に供給される。分岐装置13は二股状に形成され、内部に設けられたダンパ19によって熱分解ガス等を煙道15から煙道17に切替えて供給することができる。煙道17は燃焼溶融炉5から排出される燃焼排ガスを二次燃焼炉9に供給する煙道7の中間部に連通している。また、ダンパ19の動作を制御する制御装置21が設けられ、制御装置21は、燃焼溶融炉5に設けられた温度センサ23およびダンパ19を動作させるモータ25につながれている。
【0015】
以下、本実施形態の廃棄物処理装置の使用方法と動作について説明する。廃棄物であるごみは熱分解によってガス化しやすいように、破砕機によって、好ましくは100mm以下の大きさに破砕される。破砕されたごみは、発熱量をできるだけ均質化するためごみピット内で混合され、乾燥機によって乾燥される。これら一連の処理を終えたごみは、ガス化炉に供給される。
【0016】
また、ガス化炉には、部分燃焼用空気が供給される。部分燃焼用空気は、ごみの一部を燃焼させるだけの空気量、例えばごみの全量を完全燃焼させるのに必要な空気量を1とした場合に例えば0.3程度の空気量が供給される。部分燃焼用空気は、送風機26によって、空気配管31を介して、ガス化炉3に供給される。空気配管31の途中には熱交換器29が設けられている。部分燃焼用空気は、熱交換器29において、二次燃焼炉9から煙道27を介して排出された燃焼排ガスとの熱交換によって約500℃まで加熱される。
【0017】
ガス化炉3において、ごみの一部が燃焼されて炉内温度は約600℃に保持される。燃焼熱によってごみの残部、つまり燃焼されなかった残部が熱分解され、熱分解ガスと、熱分解されずに残った熱分解残渣とが生成される。熱分解残渣には不燃物やチャーなどの可燃物が含まれる。熱分解ガスはガス化炉3から煙道11を介して排出される。一方、熱分解残渣の大部分はガス化炉3から排出され、周知の方法によって処理される。なお、チャー等の粉粒状の熱分解残渣の一部は熱分解ガスに同伴して煙道11から排出される。
【0018】
燃焼溶融炉5において、熱分解ガスおよび熱分解残渣に含まれるチャーなどの可燃分は、空気配管31から分岐した空気配管33から供給される空気とともに燃焼される。燃焼溶融炉5の炉内温度は、炉内に存在する灰分、灰分以外の不燃物、燃焼されずに残った未燃分等の燃焼残渣(以下「灰」と総称する。)の融点以上の温度、例えば1300℃以上にされる。これによって炉内の灰は溶融され、炉壁を伝って流下して燃焼溶融炉から排出され、冷却後スラグとして装置外に排出される。
【0019】
燃焼溶融炉5から排出される燃焼排ガスは、煙道7を介して二次燃焼炉9に供給される。燃焼排ガスには可燃分、例えばCOが残留していることがある。二次燃焼炉9には約500℃に加熱された燃焼用空気が、配管31から分岐している配管34を介して供給され、燃焼排ガスは2次燃焼され、残留する可燃分は燃焼処理される。
【0020】
二次燃焼炉9において発生した燃焼排ガスは煙道27から排出される。燃焼排ガスは煙道27の途中に設けられた廃熱回収ボイラ(図示しない)を通過する際に冷却され、その後熱交換器29および減温塔(図示しない)に供給される。燃焼排ガスはここでさらに冷却されて例えば200℃以下とされた後に周知の集塵機37に送られる。燃焼排ガスに同伴する灰は集塵機37において捕集され、ホッパ状の灰貯槽39に送られる。灰貯槽39内に貯留された灰は、灰供給装置41によって燃焼溶融炉5に供給される。燃焼溶融炉5に供給された灰は、燃焼溶融炉5内で発生した灰と同様に、溶融して回収された後にスラグとして排出される。一方、集塵機37を通過した排ガスは、誘引送風機43によって煙突45に送られて大気中に排出される。したがって、燃焼排ガスに同伴して大気中に排出される灰の量が低減される。
【0021】
以上のようにしてごみの処理はなされるが、ごみの発熱量が低下した場合、燃焼溶融炉5の炉内温度が低下して灰を溶融できなくなることがある。例えばごみの発熱量が約1600kcal/kgより低い場合には、熱分解ガスを燃焼溶融炉5で燃焼しても灰の融点以上の炉内温度を得られず、灰を溶融できなくなることがある。この場合、従来技術によれば燃焼溶融炉5に設けられている助燃バーナ35によって補助燃料を燃焼させることが行なわれていた。
【0022】
これに対し、本実施形態の廃棄物処理装置は、以下説明するように、ごみの発熱量が低下したときに、熱分解ガスおよび同伴する熱分解残渣を燃焼溶融炉5から二次燃焼炉9に切替えて供給し、燃焼させることを特徴とする。以下、詳しく説明する。
【0023】
ごみの発熱量を示す指標としてごみの発熱量と相関を有する燃焼溶融炉5の炉内温度を利用し、これに基いて分岐装置13を制御している。すなわち、炉内温度は周知の温度センサ23によって測定され、制御装置21に送られる。制御装置21は、燃焼溶融炉5内の灰が溶融可能であることを考慮して予め定めた設定温度と、温度センサ23によって測定された炉内温度とを比較し、炉内温度が設定温度以下となったときにモータ25に対して動作指令を発する。制御装置21からの動作指令を受けたモータ25は、ダンパ19を動かして煙道11からの熱分解ガス等が、煙道15から煙道17に切替えて供給されるようにする。
【0024】
これによって、熱分解ガスおよび熱分解ガスに同伴する熱分解残渣は二次燃焼炉9に供給される。また、二次燃焼炉9には、供給される熱分解ガスおよび熱分解残渣中の可燃分を完全燃焼させ得る量の燃焼用の空気が空気配管33から供給され、二次燃焼炉9において、熱分解ガスおよび熱分解残渣中の可燃分は、例えば850〜1000℃で燃焼される。二次燃焼炉9内で発生した灰は燃焼排ガスに同伴して煙道27を介して排出され、集塵機37で捕集されて灰貯槽39に貯留される。この場合、二次燃焼炉9では灰を溶融できないので、燃焼排ガスに同伴する灰の量は、熱分解ガス等を燃焼溶融炉5で燃焼する場合よりも多くなる。
【0025】
熱分解ガスおよび熱分解残渣が二次燃焼炉9において燃焼されている間は燃焼溶融炉5は燃焼を中止しているので、この間に集塵機37によって捕集された灰は灰貯槽39に貯留される。そして、熱分解ガスおよび熱分解残渣が燃焼溶融炉5に切替えて供給され燃焼され、燃焼溶融炉5の炉内温度が灰を溶融可能な温度、例えば1300℃以上となったときに、灰貯槽39内の灰は灰供給装置41によって燃焼溶融炉5に供給される。これによって、灰は燃焼溶融炉5内で発生した灰と同様に溶融されて回収され、冷却後スラグとして排出される。
【0026】
以上のように、本実施形態によれば、ガス化炉3から排出される熱分解ガスおよび同伴する熱分解残渣を燃焼溶融炉5から二次燃焼炉9に切替えて供給する分岐装置13を設けたので、ごみの発熱量が低下した結果、燃焼溶融炉5の炉内温度が低下して灰を溶融できないときは、分岐装置13および煙道17によって熱分解ガス等を二次燃焼炉9に供給し、ここで燃焼することができる。その結果、燃焼溶融炉5の助燃バーナ35に供給される補助燃料の使用量を低減することができる。これによって、補助燃料のコストが低減され、かつ省エネルギーの効果がある。また、補助燃料に起因する排ガス量が低減される。また、補助燃料由来のNOXおよびCO2の排出量が低減される。
【0027】
また、説明のなかで示した温度は例示的なものであり、処理対象の廃棄物の組成や廃棄物処理装置の設計や運転条件に依存して変更され得ることはいうまでもない。
【0028】
また、本実施形態においては、分岐装置を溶融炉の炉内温度に基いて切替えているが、ガス化炉から排出される熱分解ガスの組成を測定するセンサを設け、熱分解ガス中の可燃分の含有量、例えば熱分解ガス中のCO濃度を測定し、この測定値に基いて分岐装置を切替えてもよい。この場合、熱分解ガスの組成は廃棄物の供給量や組成によって変動するので、ある一定時間の平均値を求め、平均値に基いて切替えてもよい。これによれば、分岐装置の切替が頻繁に行なわれることがない。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、燃焼溶融炉の補助燃料の使用量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる燃焼処理装置の一実施形態の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 ごみ
3 ガス化炉
5 燃焼溶融炉
9 燃焼炉
13 分岐装置
19 ダンパ
21 制御装置
23 温度センサ
25 モータ
26 送風機
29 熱交換器
35 助燃バーナ
37 集塵機
39 灰貯槽
41 灰供給装置
43 誘引送風機
45 煙突
Claims (4)
- 廃棄物を熱分解してガス化するガス化炉と、前記ガス化炉から排出される熱分解ガスおよび該熱分解ガスに同伴する熱分解残渣を燃焼するとともに燃焼残渣を溶融する燃焼溶融炉と、前記燃焼溶融炉から排出される燃焼排ガスを2次燃焼させる燃焼炉と、前記ガス化炉から排出される前記熱分解ガスおよび前記熱分解残渣を、前記燃焼溶融炉から前記燃焼炉に切替えて供給する切替流路とを有してなる廃棄物処理装置。
- 前記燃焼溶融炉内の温度を測定するセンサと、前記センサの測定値が設定温度以下のときに前記切替流路を前記燃焼炉側に切替える制御手段とを有してなる請求項1に記載の廃棄物処理装置。
- 前記熱分解ガス中の可燃分の含有量を測定するセンサと、前記センサの測定値が設定値以下のときに前記切替流路を前記燃焼炉側に切替える制御手段とを有してなる請求項1に記載の廃棄物処理装置。
- 前記燃焼炉から排出される燃焼排ガスに同伴する灰を捕集する集塵装置と、前記集塵装置によって捕集された灰を貯留する灰貯槽と、前記灰貯槽内の灰を前記燃焼溶融炉に供給する灰供給装置とを有してなり、前記灰供給装置は前記切替流路によって前記熱分解ガスおよび前記熱分解残渣が前記燃焼炉に供給される間、前記燃焼溶融炉への灰の供給を停止する請求項1ないし3のいずれかに記載の廃棄物処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003063913A JP2004271085A (ja) | 2003-03-10 | 2003-03-10 | 廃棄物処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003063913A JP2004271085A (ja) | 2003-03-10 | 2003-03-10 | 廃棄物処理装置 |
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JP (1) | JP2004271085A (ja) |
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GB2511756A (en) * | 2013-03-11 | 2014-09-17 | Envirofusion Ltd | A Reactor for Processing Feed Material |
-
2003
- 2003-03-10 JP JP2003063913A patent/JP2004271085A/ja active Pending
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