JP2004270746A - 直動案内装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐食性や非磁性を要求される環境下においても長寿命な直動案内装置を提供する。
【解決手段】円柱状の中心部材1と、該中心部材1が挿通された円筒状のハウジング2とが、回転輪31,支持軸32,針状ころ33からなるカムフォロア3の転動を介して相対直線運動する直動案内装置において、中心部材1及びハウジング2をオーステナイト系ステンレス鋼で構成し、さらに、カムフォロア3の回転輪31が転がり接触する中心部材1の外周面1aに、炭素が固溶された硬化層を形成した。
【選択図】 図1
【解決手段】円柱状の中心部材1と、該中心部材1が挿通された円筒状のハウジング2とが、回転輪31,支持軸32,針状ころ33からなるカムフォロア3の転動を介して相対直線運動する直動案内装置において、中心部材1及びハウジング2をオーステナイト系ステンレス鋼で構成し、さらに、カムフォロア3の回転輪31が転がり接触する中心部材1の外周面1aに、炭素が固溶された硬化層を形成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長寿命な直動案内装置に係り、特に、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition )装置等の半導体製造装置のような耐食性や非磁性を要求される環境下で使用される直動案内装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
直動案内装置としては、例えば以下のような構成のものがある。円柱状の中心部材が円筒状のハウジングに挿通されており、中心部材とハウジングとの間には複数のカムフォロアが配されている。このカムフォロアは、中心部材の外周面に転がり接触する回転輪と、ハウジングの内周面に固定され回転輪を回転自在に支持する支持軸と、回転輪と支持軸との間に転動自在に配設された複数の針状ころと、を備えており、中心部材をハウジングの内側に支持している。そして、カムフォロアの回転輪の回転を介して、中心部材がハウジングに沿って直線運動するようになっている。
【0003】
このような直動案内装置がプラズマCVD装置のような耐食性や非磁性を要求される環境下で使用される場合には、直線運動する中心部材は前記環境下に置かれるので、耐食性や非磁性を有している必要がある。よって、中心部材の素材としては、耐食性と非磁性とを併せ持つオーステナイト系ステンレス鋼が好適である。
【0004】
また、中心部材の外周面はカムフォロアと転がり接触するので、高い硬度を有していることが好ましい。しかし、オーステナイト系ステンレス鋼はカムフォロアとの転がり接触による負荷に耐えるに十分な硬度を有していないので、硬度を向上させる処理を中心部材の外周面に施す必要がある。このような表面処理としては、例えば、ダイヤモンドライクカーボン被膜,窒化チタン被膜,窒化クロム被膜等をコーティングする処理がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−41779号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のような被膜は、被膜と母材との界面が比較的明確であるため、カムフォロアとの転がり接触による負荷が作用すると、前記界面に応力集中が起こりクラックが生じるおそれがあった。そのため、直動案内装置が短寿命となる場合があるという問題点を有していた。
そこで、本発明は、上記のような従来の直動案内装置が有する問題点を解決し、耐食性や非磁性を要求される環境下においても長寿命な直動案内装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1の直動案内装置は、内方部材と、該内方部材の外方に配置された外方部材とが、前記両部材間に配されたカムフォロア又はローラフォロアの転動を介して相対直線運動する直動案内装置であって、前記カムフォロア及び前記ローラフォロアは、前記両部材のうち一方に固定された支持体と、他方又は両方に転がり接触可能に前記支持体に支持された回転輪と、前記支持体と前記回転輪との間に転動自在に配設された複数の転動体と、を備え、前記両部材はオーステナイト系ステンレス鋼で構成されるとともに、前記両部材のうち前記回転輪が転がり接触する部材は、その表面に炭素が固溶された硬化層を備えることを特徴とする。
【0008】
前記両部材が耐食性及び非磁性を有するオーステナイト系ステンレス鋼で構成されているので、本発明の直動案内装置は耐食性や非磁性を要求される環境下においても好適に使用可能である。
また、前記硬化層は鉄原子の格子間に炭素が固溶した構造を有しているので、前述した従来の各種被膜のような界面を有していない。そうすると、カムフォロア又はローラフォロアの転動によって回転輪との転がり接触による負荷が作用しても、前記両部材にクラックが生じにくいので、直動案内装置が長寿命となる。さらに加えて、硬化層は転がり接触による負荷に耐えるに十分な硬度を有しており、耐摩耗性が優れているので、このことによっても直動案内装置は長寿命となる。
【0009】
また、本発明に係る請求項2の直動案内装置は、請求項1に記載の直動案内装置において、前記支持体,前記回転輪,及び前記転動体はオーステナイト系ステンレス鋼又はセラミックスで構成され、オーステナイト系ステンレス鋼で構成される場合は、その表面に炭素が固溶された硬化層を備え、さらに、前記カムフォロア及び前記ローラフォロアを構成する部材のうち、前記支持体,前記回転輪,前記転動体以外の部材は、非磁性材料で構成されていることを特徴とする。
【0010】
このような構成であれば、直動案内装置全体の耐食性及び非磁性がより優れている。したがって、例えば、耐食性を要求される環境下に曝されていない部位に腐食性ガスが接触したような場合にも、直動案内装置が腐食されにくい。
また、支持体,回転輪,及び転動体がオーステナイト系ステンレス鋼で構成され、その表面に硬化層を備えていれば、前述と同様の理由により、直動案内装置がより長寿命となる。
【0011】
さらに、本発明に係る請求項3の直動案内装置は、請求項1又は請求項2に記載の直動案内装置において、前記両部材の表面のうち前記回転輪と転がり接触する軌道面、及び、前記回転輪の表面のうち前記両部材の少なくとも一方と転がり接触する軌道面の少なくとも一方の軌道面に、官能基を有する含フッ素重合体とパーフルオロポリエーテルとを含有する潤滑膜を被覆し、さらに、前記支持体の表面のうち前記転動体と転がり接触する軌道面、前記回転輪の表面のうち前記転動体と転がり接触する軌道面、及び前記転動体の転動面のうち少なくとも1つに前記潤滑膜を被覆したことを特徴とする。
【0012】
このような潤滑膜は発塵量とアウトガス量が低いので、真空環境下での使用に好適である。プラズマCVD装置のような半導体製造装置は真空環境であることが少なくなく、真空環境下における潤滑には真空用フッ素グリースがよく使用されていたが、この真空用フッ素グリースは真空環境下では発塵量が多く外部環境を汚染しやすかった。
また、この潤滑膜は従来の真空用フッ素グリースと比較して潤滑能力が高く、しかも高面圧下においても耐久性が優れているので、直動案内装置がより長寿命となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る直動案内装置の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
〔第一実施形態〕
図1は、第一実施形態の直動案内装置の構造を示す断面図であり、(a)は直動案内装置の直線運動方向に垂直な面で破断した断面図であり、(b)は直線運動方向に平行な面で破断した断面図である。
【0014】
円柱状の中心部材1が円筒状のハウジング2に挿通されており、中心部材1とハウジング2との間には複数(図1においては6個)のカムフォロア3が配されている。このカムフォロア3は、中心部材1の外周面1aに転がり接触する回転輪31と、ハウジング2の内周面2aに固定され回転輪31を回転自在に支持する支持軸32と、回転輪31と支持軸32との間に転動自在に配設された複数の針状ころ33と、を備えており、中心部材1をハウジング2の内側に支持している。そして、カムフォロア3の回転輪31の回転を介して、中心部材1がハウジング2に沿って直線運動するようになっている。ここで、回転輪31は、中心部材1の外周面1aとハウジング2の内周面2aとの両方に転がり接触するようにしてもよい。
【0015】
なお、中心部材1が本発明の構成要件である内方部材に相当し、ハウジング2が本発明の構成要件である外方部材に相当する。また、支持軸32が本発明の構成要件である支持体に相当し、針状ころ33が本発明の構成要件である転動体に相当する。
このような直動案内装置の中心部材1及びハウジング2は、オーステナイト系ステンレス鋼で構成されている。オーステナイト系ステンレス鋼は優れた耐食性と非磁性とを併せ持っているので、このような直動案内装置は、プラズマCVD装置等の半導体製造装置のような耐食性や非磁性を要求される環境下でも好適に使用可能である。オーステナイト系ステンレス鋼としては、例えば、SUS303,SUS304,SUS316,SUS316L等があげられるが、耐食性が特に優れている点と、炭素を固溶することにより安定した表面硬化層が得られる点から、SUS316Lが最も好ましい。
【0016】
さらに、回転輪31が転がり接触する中心部材1の外周面1aには、炭素を固溶する浸炭処理が施され、図示しない硬化層が形成されている。よって、カムフォロア3の転動によって回転輪31との転がり接触による負荷が作用しても、中心部材1にクラックが生じにくい。また、硬化層は転がり接触による負荷に耐えるに十分な硬度を有しており、耐摩耗性が優れている。よって、この直動案内装置は長寿命である。
【0017】
硬化層の厚さは、前記クラックの生成を抑制するためには5μm以上とすることが好ましく、厚いほど長寿命となる傾向がある。ただし、厚さが大きくなるにしたがって表面処理に要するコストが増大するので、50μm以下とすることが好ましい。
ここで、硬化層を設ける表面処理について具体的に説明する。硬化層を設ける表面処理の種類は特に限定されるものではないが、エア・ウォーター株式会社のパイオナイト処理(商品名)が好適である。この処理は、浸炭処理の前処理として、例えば三フッ化窒素(NF3 )等のフッ素系ガスを用いて200〜400℃程度でフッ化処理を行ない、その後に浸炭性ガスにより浸炭処理を行うものである。
【0018】
前述のフッ化処理により、浸炭反応を阻害するCr酸化層が除去されて表面に極薄いフッ化層が形成され、表面が極めて活性化する。そのため、その後の浸炭処理によって、安定した均一な浸炭硬化層を形成させることが可能となる。なお、浸炭処理は800℃以上の高温で行われることが一般的であるのに対し、このパイオナイトプロセスにおいては500℃程度の低温で浸炭処理が行われる。
【0019】
浸炭処理温度が600℃以上になると、炭素が鋼中のCrと結合してCr炭化物となって耐食性が低下するとともに、熱処理後の寸法変化が大きくなるから、540℃以下とすることが好ましい。540℃以下であると、浸炭により浸透する炭素がCrと結合しにくく、オーステナイトの面心立方格子のすきまに単に固溶浸透して硬化するため、実質的に炭化物の存在しない靭性の高い表面硬化層が得られ、寸法変化も極めて小さい。
【0020】
硬化層の表面硬さは、HRC60(Hv697)以上とすることが好ましく、HRC62(Hv746)以上とすることがより好ましい。
なお、浸炭性ガスには、CO,CO2 ,H2 等の混合ガスが使用される。本処理を行なった後は、最表面層はCO2 ガスによりFeが酸化されて、Fe3 O4 からなる黒色の酸化層が形成され、耐食性が低下する。したがって、浸炭処理後には酸洗処理を行ない、酸化層を除去することが好ましい。酸洗処理に用いる処理液の種類は特に限定されるものではなく、フッ酸,硝酸,塩酸,硫酸,又はこれらの混合液などを用いることができる。あるいは、ホーニングやポリシング等による超仕上げを施して酸化層を除去してもよい。
【0021】
また、浸炭性ガスとしてアセチレン,エチレン等の不飽和炭化水素ガスを用いて133Pa以下の真空あるいは減圧下で浸炭処理を行なうと、耐食性を低下させる酸化層の形成を抑制でき、且つ、浸炭時に特に問題となるスーティングによる浸炭むら等も防止できるためより好ましい。また、母材となるオーステナイト系ステンレス鋼は固溶化熱処理を施されていることが好ましい。これは、鋼中に残存するフェライトが、浸炭時に浸炭性ガスと反応して炭化物となり耐食性を劣化させることを防止するためである。
【0022】
〔第二実施形態〕
第二実施形態の直動案内装置の構成及び作用・効果は、第一実施形態とほぼ同様であるので、異なる部分のみ説明し、同様の部分の説明は省略する。
第二実施形態の直動案内装置は、カムフォロア3を構成する回転輪31,支持軸32,及び針状ころ33もオーステナイト系ステンレス鋼で構成されている。そして、それらの表面には炭素を固溶する浸炭処理が施され、第一実施形態と同様の硬化層が形成されている。すなわち、支持軸32の表面のうち針状ころ33と転がり接触する軌道面の部分と、回転輪31の表面のうち針状ころ33と転がり接触する軌道面の部分と、針状ころ33の転動面とに、硬化層が形成されている。
【0023】
このようにカムフォロア3を構成する部材も硬化層を備えているので、カムフォロア3が長寿命となり、その結果、第二実施形態の直動案内装置は第一実施形態の直動案内装置よりも長寿命となる。
また、カムフォロア3を構成する部材のうち、回転輪31,支持軸32,針状ころ33以外の部材(例えば、側板,保持器等)は、オーステナイト系ステンレス鋼,セラミックス,樹脂材料等の非磁性材料で構成されている。
【0024】
よって、直動案内装置全体の耐食性及び非磁性が、第一実施形態の直動案内装置よりも優れているので、例えば、耐食性を要求される環境下に曝されていない部位に腐食性ガスが接触したような場合でも腐食されにくい。
なお、回転輪31,支持軸32,及び針状ころ33は、ZrO2 ,Si3 N4 等のようなセラミックスで構成してもよい。
【0025】
〔第三実施形態〕
第三実施形態の直動案内装置の構成及び作用・効果は、第二実施形態とほぼ同様であるので、異なる部分のみ説明し、同様の部分の説明は省略する。
第三実施形態の直動案内装置は、中心部材1の外周面1aのうち回転輪31と転がり接触する軌道面の部分と、回転輪31の表面のうち中心部材1と転がり接触する軌道面の部分とに、官能基を有する含フッ素重合体とパーフルオロポリエーテル(PFPE)とを含有する潤滑膜を被覆してある。さらに、支持軸32の表面のうち針状ころ33と転がり接触する軌道面の部分と、回転輪31の表面のうち針状ころ33と転がり接触する軌道面の部分と、針状ころ33の転動面とに、前述と同様の潤滑膜を被覆してある。
【0026】
このような潤滑膜は潤滑能力が高く、しかも高面圧下においても耐久性が優れているので、直動案内装置がより長寿命となる。また、発塵量とアウトガス量が低いので、清浄環境下,真空環境下での使用にも適している。
ここで、前記潤滑膜について詳細に説明する。この潤滑膜は、前述のように官能基を有する含フッ素重合体とPFPEとを含有しているので、流動性を有している。そうすると、比較的大きな荷重が作用するような場合でも、転がり接触の負荷によって剥離や欠落が生じにくいので、発塵量が少ない。よって、半導体製造装置等のようなパーティクルを極端に嫌う環境下においても、好適に使用可能である。
【0027】
また、含フッ素重合体だけでなくPFPEが配合されているため低アウトガスである。よって、特にウェハの処理プロセスのような、有機物による汚染を極端に嫌う用途に適している。
さらに、比較的大きな荷重が作用するような場合でも、転がり接触する部分において金属同士が無潤滑で接触する状態となりにくく、該部分に常に潤滑剤が付着している状態が維持される。よって、該部分において凝着や摩耗が起こる可能性が低いので、耐久性に優れ且つ低発塵である。
【0028】
なお、この潤滑膜は、前述のように官能基を有する含フッ素重合体とPFPEとを含有しているものであるが、前記両者を混合したもので潤滑膜を形成してもよいし、官能基を有する含フッ素重合体の層とPFPEの層とからなる二層構造としてもよい。
後者の場合には、官能基を有する含フッ素重合体の層を転がり接触する部分(軌道面,転動面等)に設け、その上にPFPEの層を設けた二層構造とする必要がある。そうすれば、下層の含フッ素重合体と上層のPFPEとの濡れ性が良好であるため、PFPEが薄く均一に被覆され、転がり接触による負荷が作用してもPFPEが飛散しにくい(低発塵である)。金属面に直接PFPEを被覆すると、金属とPFPEとの濡れ性が悪いので、PFPEを均一に被覆することが困難である。
【0029】
この潤滑膜の厚さは特に限定されるものではないが、耐久性と発塵量を考えると0.3〜2.0μmとすることが好ましい。0.3μm未満では潤滑能力が不十分となり、直動案内装置の耐久性に問題が生じるおそれがある。一方、2.0μm超過では、発塵量が多くなるという問題が生じるおそれがある。
なお、上記の各実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は各実施形態に限定されるものではない。例えば、カムフォロア3を中心部材1の外周面1aに固定し、回転輪31をハウジング2の内周面2aに転がり接触するようにして、ハウジング2が中心部材1に沿って直線運動するようにすることもできる。この場合は、ハウジング2の内周面2aに硬化層を形成する。
【0030】
また、カムフォロアに代えて、外輪,内輪,針状ころを備えるローラフォロアを用いてもよい。その場合は、外輪が本発明の構成要件である回転輪に相当し、内輪が本発明の構成要件である支持体に相当し、針状ころが本発明の構成要件である転動体に相当する。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の直動案内装置は、構成部材をオーステナイト系ステンレス鋼で構成するとともに、その表面に炭素が固溶された硬化層を設けたので、耐食性や非磁性を要求される環境下においても長寿命である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る直動案内装置の一実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 中心部材
1a 外周面
2 ハウジング
2a 内周面
3 カムフォロア
31 回転輪
32 支持軸
33 針状ころ
【発明の属する技術分野】
本発明は、長寿命な直動案内装置に係り、特に、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition )装置等の半導体製造装置のような耐食性や非磁性を要求される環境下で使用される直動案内装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
直動案内装置としては、例えば以下のような構成のものがある。円柱状の中心部材が円筒状のハウジングに挿通されており、中心部材とハウジングとの間には複数のカムフォロアが配されている。このカムフォロアは、中心部材の外周面に転がり接触する回転輪と、ハウジングの内周面に固定され回転輪を回転自在に支持する支持軸と、回転輪と支持軸との間に転動自在に配設された複数の針状ころと、を備えており、中心部材をハウジングの内側に支持している。そして、カムフォロアの回転輪の回転を介して、中心部材がハウジングに沿って直線運動するようになっている。
【0003】
このような直動案内装置がプラズマCVD装置のような耐食性や非磁性を要求される環境下で使用される場合には、直線運動する中心部材は前記環境下に置かれるので、耐食性や非磁性を有している必要がある。よって、中心部材の素材としては、耐食性と非磁性とを併せ持つオーステナイト系ステンレス鋼が好適である。
【0004】
また、中心部材の外周面はカムフォロアと転がり接触するので、高い硬度を有していることが好ましい。しかし、オーステナイト系ステンレス鋼はカムフォロアとの転がり接触による負荷に耐えるに十分な硬度を有していないので、硬度を向上させる処理を中心部材の外周面に施す必要がある。このような表面処理としては、例えば、ダイヤモンドライクカーボン被膜,窒化チタン被膜,窒化クロム被膜等をコーティングする処理がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−41779号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のような被膜は、被膜と母材との界面が比較的明確であるため、カムフォロアとの転がり接触による負荷が作用すると、前記界面に応力集中が起こりクラックが生じるおそれがあった。そのため、直動案内装置が短寿命となる場合があるという問題点を有していた。
そこで、本発明は、上記のような従来の直動案内装置が有する問題点を解決し、耐食性や非磁性を要求される環境下においても長寿命な直動案内装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1の直動案内装置は、内方部材と、該内方部材の外方に配置された外方部材とが、前記両部材間に配されたカムフォロア又はローラフォロアの転動を介して相対直線運動する直動案内装置であって、前記カムフォロア及び前記ローラフォロアは、前記両部材のうち一方に固定された支持体と、他方又は両方に転がり接触可能に前記支持体に支持された回転輪と、前記支持体と前記回転輪との間に転動自在に配設された複数の転動体と、を備え、前記両部材はオーステナイト系ステンレス鋼で構成されるとともに、前記両部材のうち前記回転輪が転がり接触する部材は、その表面に炭素が固溶された硬化層を備えることを特徴とする。
【0008】
前記両部材が耐食性及び非磁性を有するオーステナイト系ステンレス鋼で構成されているので、本発明の直動案内装置は耐食性や非磁性を要求される環境下においても好適に使用可能である。
また、前記硬化層は鉄原子の格子間に炭素が固溶した構造を有しているので、前述した従来の各種被膜のような界面を有していない。そうすると、カムフォロア又はローラフォロアの転動によって回転輪との転がり接触による負荷が作用しても、前記両部材にクラックが生じにくいので、直動案内装置が長寿命となる。さらに加えて、硬化層は転がり接触による負荷に耐えるに十分な硬度を有しており、耐摩耗性が優れているので、このことによっても直動案内装置は長寿命となる。
【0009】
また、本発明に係る請求項2の直動案内装置は、請求項1に記載の直動案内装置において、前記支持体,前記回転輪,及び前記転動体はオーステナイト系ステンレス鋼又はセラミックスで構成され、オーステナイト系ステンレス鋼で構成される場合は、その表面に炭素が固溶された硬化層を備え、さらに、前記カムフォロア及び前記ローラフォロアを構成する部材のうち、前記支持体,前記回転輪,前記転動体以外の部材は、非磁性材料で構成されていることを特徴とする。
【0010】
このような構成であれば、直動案内装置全体の耐食性及び非磁性がより優れている。したがって、例えば、耐食性を要求される環境下に曝されていない部位に腐食性ガスが接触したような場合にも、直動案内装置が腐食されにくい。
また、支持体,回転輪,及び転動体がオーステナイト系ステンレス鋼で構成され、その表面に硬化層を備えていれば、前述と同様の理由により、直動案内装置がより長寿命となる。
【0011】
さらに、本発明に係る請求項3の直動案内装置は、請求項1又は請求項2に記載の直動案内装置において、前記両部材の表面のうち前記回転輪と転がり接触する軌道面、及び、前記回転輪の表面のうち前記両部材の少なくとも一方と転がり接触する軌道面の少なくとも一方の軌道面に、官能基を有する含フッ素重合体とパーフルオロポリエーテルとを含有する潤滑膜を被覆し、さらに、前記支持体の表面のうち前記転動体と転がり接触する軌道面、前記回転輪の表面のうち前記転動体と転がり接触する軌道面、及び前記転動体の転動面のうち少なくとも1つに前記潤滑膜を被覆したことを特徴とする。
【0012】
このような潤滑膜は発塵量とアウトガス量が低いので、真空環境下での使用に好適である。プラズマCVD装置のような半導体製造装置は真空環境であることが少なくなく、真空環境下における潤滑には真空用フッ素グリースがよく使用されていたが、この真空用フッ素グリースは真空環境下では発塵量が多く外部環境を汚染しやすかった。
また、この潤滑膜は従来の真空用フッ素グリースと比較して潤滑能力が高く、しかも高面圧下においても耐久性が優れているので、直動案内装置がより長寿命となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る直動案内装置の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
〔第一実施形態〕
図1は、第一実施形態の直動案内装置の構造を示す断面図であり、(a)は直動案内装置の直線運動方向に垂直な面で破断した断面図であり、(b)は直線運動方向に平行な面で破断した断面図である。
【0014】
円柱状の中心部材1が円筒状のハウジング2に挿通されており、中心部材1とハウジング2との間には複数(図1においては6個)のカムフォロア3が配されている。このカムフォロア3は、中心部材1の外周面1aに転がり接触する回転輪31と、ハウジング2の内周面2aに固定され回転輪31を回転自在に支持する支持軸32と、回転輪31と支持軸32との間に転動自在に配設された複数の針状ころ33と、を備えており、中心部材1をハウジング2の内側に支持している。そして、カムフォロア3の回転輪31の回転を介して、中心部材1がハウジング2に沿って直線運動するようになっている。ここで、回転輪31は、中心部材1の外周面1aとハウジング2の内周面2aとの両方に転がり接触するようにしてもよい。
【0015】
なお、中心部材1が本発明の構成要件である内方部材に相当し、ハウジング2が本発明の構成要件である外方部材に相当する。また、支持軸32が本発明の構成要件である支持体に相当し、針状ころ33が本発明の構成要件である転動体に相当する。
このような直動案内装置の中心部材1及びハウジング2は、オーステナイト系ステンレス鋼で構成されている。オーステナイト系ステンレス鋼は優れた耐食性と非磁性とを併せ持っているので、このような直動案内装置は、プラズマCVD装置等の半導体製造装置のような耐食性や非磁性を要求される環境下でも好適に使用可能である。オーステナイト系ステンレス鋼としては、例えば、SUS303,SUS304,SUS316,SUS316L等があげられるが、耐食性が特に優れている点と、炭素を固溶することにより安定した表面硬化層が得られる点から、SUS316Lが最も好ましい。
【0016】
さらに、回転輪31が転がり接触する中心部材1の外周面1aには、炭素を固溶する浸炭処理が施され、図示しない硬化層が形成されている。よって、カムフォロア3の転動によって回転輪31との転がり接触による負荷が作用しても、中心部材1にクラックが生じにくい。また、硬化層は転がり接触による負荷に耐えるに十分な硬度を有しており、耐摩耗性が優れている。よって、この直動案内装置は長寿命である。
【0017】
硬化層の厚さは、前記クラックの生成を抑制するためには5μm以上とすることが好ましく、厚いほど長寿命となる傾向がある。ただし、厚さが大きくなるにしたがって表面処理に要するコストが増大するので、50μm以下とすることが好ましい。
ここで、硬化層を設ける表面処理について具体的に説明する。硬化層を設ける表面処理の種類は特に限定されるものではないが、エア・ウォーター株式会社のパイオナイト処理(商品名)が好適である。この処理は、浸炭処理の前処理として、例えば三フッ化窒素(NF3 )等のフッ素系ガスを用いて200〜400℃程度でフッ化処理を行ない、その後に浸炭性ガスにより浸炭処理を行うものである。
【0018】
前述のフッ化処理により、浸炭反応を阻害するCr酸化層が除去されて表面に極薄いフッ化層が形成され、表面が極めて活性化する。そのため、その後の浸炭処理によって、安定した均一な浸炭硬化層を形成させることが可能となる。なお、浸炭処理は800℃以上の高温で行われることが一般的であるのに対し、このパイオナイトプロセスにおいては500℃程度の低温で浸炭処理が行われる。
【0019】
浸炭処理温度が600℃以上になると、炭素が鋼中のCrと結合してCr炭化物となって耐食性が低下するとともに、熱処理後の寸法変化が大きくなるから、540℃以下とすることが好ましい。540℃以下であると、浸炭により浸透する炭素がCrと結合しにくく、オーステナイトの面心立方格子のすきまに単に固溶浸透して硬化するため、実質的に炭化物の存在しない靭性の高い表面硬化層が得られ、寸法変化も極めて小さい。
【0020】
硬化層の表面硬さは、HRC60(Hv697)以上とすることが好ましく、HRC62(Hv746)以上とすることがより好ましい。
なお、浸炭性ガスには、CO,CO2 ,H2 等の混合ガスが使用される。本処理を行なった後は、最表面層はCO2 ガスによりFeが酸化されて、Fe3 O4 からなる黒色の酸化層が形成され、耐食性が低下する。したがって、浸炭処理後には酸洗処理を行ない、酸化層を除去することが好ましい。酸洗処理に用いる処理液の種類は特に限定されるものではなく、フッ酸,硝酸,塩酸,硫酸,又はこれらの混合液などを用いることができる。あるいは、ホーニングやポリシング等による超仕上げを施して酸化層を除去してもよい。
【0021】
また、浸炭性ガスとしてアセチレン,エチレン等の不飽和炭化水素ガスを用いて133Pa以下の真空あるいは減圧下で浸炭処理を行なうと、耐食性を低下させる酸化層の形成を抑制でき、且つ、浸炭時に特に問題となるスーティングによる浸炭むら等も防止できるためより好ましい。また、母材となるオーステナイト系ステンレス鋼は固溶化熱処理を施されていることが好ましい。これは、鋼中に残存するフェライトが、浸炭時に浸炭性ガスと反応して炭化物となり耐食性を劣化させることを防止するためである。
【0022】
〔第二実施形態〕
第二実施形態の直動案内装置の構成及び作用・効果は、第一実施形態とほぼ同様であるので、異なる部分のみ説明し、同様の部分の説明は省略する。
第二実施形態の直動案内装置は、カムフォロア3を構成する回転輪31,支持軸32,及び針状ころ33もオーステナイト系ステンレス鋼で構成されている。そして、それらの表面には炭素を固溶する浸炭処理が施され、第一実施形態と同様の硬化層が形成されている。すなわち、支持軸32の表面のうち針状ころ33と転がり接触する軌道面の部分と、回転輪31の表面のうち針状ころ33と転がり接触する軌道面の部分と、針状ころ33の転動面とに、硬化層が形成されている。
【0023】
このようにカムフォロア3を構成する部材も硬化層を備えているので、カムフォロア3が長寿命となり、その結果、第二実施形態の直動案内装置は第一実施形態の直動案内装置よりも長寿命となる。
また、カムフォロア3を構成する部材のうち、回転輪31,支持軸32,針状ころ33以外の部材(例えば、側板,保持器等)は、オーステナイト系ステンレス鋼,セラミックス,樹脂材料等の非磁性材料で構成されている。
【0024】
よって、直動案内装置全体の耐食性及び非磁性が、第一実施形態の直動案内装置よりも優れているので、例えば、耐食性を要求される環境下に曝されていない部位に腐食性ガスが接触したような場合でも腐食されにくい。
なお、回転輪31,支持軸32,及び針状ころ33は、ZrO2 ,Si3 N4 等のようなセラミックスで構成してもよい。
【0025】
〔第三実施形態〕
第三実施形態の直動案内装置の構成及び作用・効果は、第二実施形態とほぼ同様であるので、異なる部分のみ説明し、同様の部分の説明は省略する。
第三実施形態の直動案内装置は、中心部材1の外周面1aのうち回転輪31と転がり接触する軌道面の部分と、回転輪31の表面のうち中心部材1と転がり接触する軌道面の部分とに、官能基を有する含フッ素重合体とパーフルオロポリエーテル(PFPE)とを含有する潤滑膜を被覆してある。さらに、支持軸32の表面のうち針状ころ33と転がり接触する軌道面の部分と、回転輪31の表面のうち針状ころ33と転がり接触する軌道面の部分と、針状ころ33の転動面とに、前述と同様の潤滑膜を被覆してある。
【0026】
このような潤滑膜は潤滑能力が高く、しかも高面圧下においても耐久性が優れているので、直動案内装置がより長寿命となる。また、発塵量とアウトガス量が低いので、清浄環境下,真空環境下での使用にも適している。
ここで、前記潤滑膜について詳細に説明する。この潤滑膜は、前述のように官能基を有する含フッ素重合体とPFPEとを含有しているので、流動性を有している。そうすると、比較的大きな荷重が作用するような場合でも、転がり接触の負荷によって剥離や欠落が生じにくいので、発塵量が少ない。よって、半導体製造装置等のようなパーティクルを極端に嫌う環境下においても、好適に使用可能である。
【0027】
また、含フッ素重合体だけでなくPFPEが配合されているため低アウトガスである。よって、特にウェハの処理プロセスのような、有機物による汚染を極端に嫌う用途に適している。
さらに、比較的大きな荷重が作用するような場合でも、転がり接触する部分において金属同士が無潤滑で接触する状態となりにくく、該部分に常に潤滑剤が付着している状態が維持される。よって、該部分において凝着や摩耗が起こる可能性が低いので、耐久性に優れ且つ低発塵である。
【0028】
なお、この潤滑膜は、前述のように官能基を有する含フッ素重合体とPFPEとを含有しているものであるが、前記両者を混合したもので潤滑膜を形成してもよいし、官能基を有する含フッ素重合体の層とPFPEの層とからなる二層構造としてもよい。
後者の場合には、官能基を有する含フッ素重合体の層を転がり接触する部分(軌道面,転動面等)に設け、その上にPFPEの層を設けた二層構造とする必要がある。そうすれば、下層の含フッ素重合体と上層のPFPEとの濡れ性が良好であるため、PFPEが薄く均一に被覆され、転がり接触による負荷が作用してもPFPEが飛散しにくい(低発塵である)。金属面に直接PFPEを被覆すると、金属とPFPEとの濡れ性が悪いので、PFPEを均一に被覆することが困難である。
【0029】
この潤滑膜の厚さは特に限定されるものではないが、耐久性と発塵量を考えると0.3〜2.0μmとすることが好ましい。0.3μm未満では潤滑能力が不十分となり、直動案内装置の耐久性に問題が生じるおそれがある。一方、2.0μm超過では、発塵量が多くなるという問題が生じるおそれがある。
なお、上記の各実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は各実施形態に限定されるものではない。例えば、カムフォロア3を中心部材1の外周面1aに固定し、回転輪31をハウジング2の内周面2aに転がり接触するようにして、ハウジング2が中心部材1に沿って直線運動するようにすることもできる。この場合は、ハウジング2の内周面2aに硬化層を形成する。
【0030】
また、カムフォロアに代えて、外輪,内輪,針状ころを備えるローラフォロアを用いてもよい。その場合は、外輪が本発明の構成要件である回転輪に相当し、内輪が本発明の構成要件である支持体に相当し、針状ころが本発明の構成要件である転動体に相当する。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の直動案内装置は、構成部材をオーステナイト系ステンレス鋼で構成するとともに、その表面に炭素が固溶された硬化層を設けたので、耐食性や非磁性を要求される環境下においても長寿命である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る直動案内装置の一実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 中心部材
1a 外周面
2 ハウジング
2a 内周面
3 カムフォロア
31 回転輪
32 支持軸
33 針状ころ
Claims (3)
- 内方部材と、該内方部材の外方に配置された外方部材とが、前記両部材間に配されたカムフォロア又はローラフォロアの転動を介して相対直線運動する直動案内装置であって、
前記カムフォロア及び前記ローラフォロアは、前記両部材のうち一方に固定された支持体と、他方又は両方に転がり接触可能に前記支持体に支持された回転輪と、前記支持体と前記回転輪との間に転動自在に配設された複数の転動体と、を備え、
前記両部材はオーステナイト系ステンレス鋼で構成されるとともに、前記両部材のうち前記回転輪が転がり接触する部材は、その表面に炭素が固溶された硬化層を備えることを特徴とする直動案内装置。 - 前記支持体,前記回転輪,及び前記転動体はオーステナイト系ステンレス鋼又はセラミックスで構成され、オーステナイト系ステンレス鋼で構成される場合は、その表面に炭素が固溶された硬化層を備え、
さらに、前記カムフォロア及び前記ローラフォロアを構成する部材のうち、前記支持体,前記回転輪,前記転動体以外の部材は、非磁性材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の直動案内装置。 - 前記両部材の表面のうち前記回転輪と転がり接触する軌道面、及び、前記回転輪の表面のうち前記両部材の少なくとも一方と転がり接触する軌道面の少なくとも一方の軌道面に、官能基を有する含フッ素重合体とパーフルオロポリエーテルとを含有する潤滑膜を被覆し、
さらに、前記支持体の表面のうち前記転動体と転がり接触する軌道面、前記回転輪の表面のうち前記転動体と転がり接触する軌道面、及び前記転動体の転動面のうち少なくとも1つに前記潤滑膜を被覆したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の直動案内装置。
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