JP2004269656A - ゴムシートまたはゴムシート複合体の製造方法 - Google Patents

ゴムシートまたはゴムシート複合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、厚み精度が良く、かつ均質性のあるゴムシートあるいはゴムシート複合体を経済的に製造する方法を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明のゴムシートあるいはゴムシート複合体の製造方法は、ゴム溶液を少なくとも二枚の支持体の間に挟みロールまたはスリットまたはプレスを介してゴム溶液を薄膜化した積層体を凝固浴に導き、凝固浴中で少なくとも片側の支持体を剥離し、ゴム溶液を凝固させることによってゴムシートあるいはゴムシート複合体を形成することを特徴としている。また、上記した支持体として多孔質体を用いることやゴムの架橋処理工程を導入することが好ましい実施態様である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴムシートまたはゴムシート複合体の製造方法に関し、より詳しくは、シートの厚み精度、均質性および経済性に優れたゴムシートまたはゴムシート複合体の製造方法を提供することに関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴムシートやゴムシート複合体は、柔軟性や弾力性があり広い産業分野でシール材やクッション材等に使用されている。また、ゴムは柔軟であるため一般の樹脂に比べ各種の機能化剤の受容能力が大きく、機能化剤を多量に配合しても成形性や機械特性を保有できるので各種の機能性シートとしても展開されている。特に、近年電子機器の急速な進展により薄膜のゴムシートやゴムシート複合体の需要が拡大している。例えば、各種電子機器のシール材、クッション材、機能材に加え、燃料電池や高性能キャパシター等のシール材、電極材、集電材等としての展開が検討されている。これらの用途においては、該機器の小型化や高性能化の動きに連動し厚み精度、均質性および価格等に対する市場要求が厳しくなってきている。
【0003】
従来これらのゴムシートやゴムシート複合体の製造方法としては、一般にはカレンダー法で実施されており、特開平6−190852号公報、特開平7−138381号公報、特開平8−72080号公報等において開示されている。また、ゴムを溶媒に溶解した溶液を塗布する方法も特開平6−238687号公報、特開平10−95071号公報、特開平10−138270号公報等で開示されている。しかし、カレンダー法は厚み精度に劣り、かつ300μm以下の厚みのシートやシート複合体を安定して生産することは困難である。一方、塗布法は厚み精度は良好であるが、シート厚みが200μm以上のものは乾燥工程で塗膜内での発泡が起こるために均質なシートが得にくいという課題がある。
【0004】
また、溶融製膜技術が困難な重合体の製膜方法として溶液製膜技術があり、該溶液製膜法としては重合体を溶剤に溶解した溶液をダイスより薄膜として押し出し、エンドレスのベルト上に塗布し乾燥あるいは凝固させた後に剥離することにより実施されている。例えば、乾燥法については、特開2001−151902号公報、特開2002−283369号公報等に、凝固法が特許第3183297号公報、特開2001−151910号公報等に、また乾燥と凝固を組み合わせた方法が特許第3196684号公報等において開示されている。さらに、上記したエンドレスのベルト上に塗布する方法の欠点である溶液の塗布、乾燥、凝固、剥離の繰り返しによる金属製のベルトの腐食や傷によるピンホール発生に起因したフイルム表面欠点を改善する方法として、樹脂溶液を二軸延伸ポリエステルフイルム上に塗布し、その後、乾燥工程を経てポリエステルフイルムより塗膜を剥離することにより耐熱樹脂よりなるフイルムを製造する製造方法が特開2000−233439号公報において開示されている。
【0005】
しかしながら、上記した製造方法はいずれもが、薄膜形成にダイスが使用されており、製膜に用いる樹脂溶液の溶液粘度が適正な範囲でないと適用できなく、かつ得られたフイルムの厚み精度にも限界があるという課題を有している。また、乾燥および/または凝固の工程が形成された薄膜の片側がベルトやポリエステルフイルムにより支持されているため、薄膜の該支持面とその反対面では乾燥や凝固の挙動が異なり、得られるフイルムの表裏の特性や構造に差異が発生するという課題を有している。さらに、ダイスや押し出し機という高価な装置が必要であり、経済的に不利である。また、該押し出し機やダイスの使用は、製造するフイルムの銘柄変更の折に、該装置の樹脂溶液の置換や洗浄に多量の溶液や溶剤が必要であり、やはり経済的に不利であると共に、多様な市場ニーズに答えるのに必要な銘柄切換えが不便であるという課題を有しており、これらの課題を解決した製造方法の開発が強く嘱望されていた。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−190852号公報
【特許文献2】
特開平7−138381号公報
【特許文献3】
特開平8−72080号公報
【特許文献4】
特開平6−238687号公報
【特許文献5】
特開平10−95071号公報
【特許文献6】
特開平10−138270号公報
【特許文献7】
特開2001−151902号公報
【特許文献8】
特開2002−283369号公報
【特許文献9】
特許3183297号公報
【特許文献10】
特開2001−151910号公報
【特許文献11】
特許3196684号公報
【特許文献12】
特開2000−233439号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、上記した課題を解決したフイルムの厚み精度、均質性および経済性に優れたゴムシートまたはゴムシート複合体が得られる製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のゴムシートまたはゴムシート複合体の製造方法は、ゴム溶液を少なくとも二枚の支持体の間に挟みロールまたはスリットまたはプレスを介してゴム溶液を薄膜化した積層体を凝固浴に導き、凝固浴中で少なくとも片側の支持体を剥離し、ゴム溶液を凝固させてゴムシートまたはゴムシート複合体を形成することを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられるゴムは、限定無く任意であるが、天然ゴム、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム等およびこれらのゴムの混合物を挙げることができる。該ゴムは溶媒に溶解する必要があり、未架橋あるいは部分架橋品であることが好ましい実施態様である。
【0010】
本発明においては、前記したゴムに導電化剤、電磁波吸収剤、着色剤、光学特性調整剤、親水化剤、難燃化剤等の各種機能化剤、補強性充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、離型剤、チクソトロピー性付与剤、充填剤用分散剤等の各種充填剤および架橋開始剤、架橋助剤、架橋調整剤等の反応調整剤等を配合することも何ら制限をされない。また、ゴムシート複合体の場合には、例えば、ゴムシートと基材シートとの接着性を高めるための接着性改良剤等を配合することも何ら制限されない。該接着性改良剤の種類は限定無く任意であるが、重合性の不飽和基を有した化合物が挙げられる。特に、アクリレート基含有化合物が好ましい。
【0011】
本発明において、ゴム溶液を形成させるための溶媒としては、ゴムを溶解させることができるものであれば限定されなく任意である。例えば、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム等の非極性ゴムの場合は、脂肪族および/または芳香族の炭化水素系溶媒などが、アクリルゴム、クロロプレンゴム等の極性ゴムの場合は、メチルエチルケトンやメチルイソブチルケトン等の極性溶媒が、フッ素ゴムの場合は、酢酸エチル等のエステル系溶媒が挙げられる。
【0012】
本発明においては、ゴム溶液のゴム濃度は任意である。ゴムの種類や配合物の組成により異なるが、組成物として10〜90重量%の範囲が好ましい実施態様である。本発明の製造方法は、従来公知のダイスよりゴム溶液を押し出す方法に比べ、高粘度のゴム溶液を用いても厚み精度の高いゴムシートあるいはゴムシート複合体を形成させることができという特長があり、ゴム溶液のゴム濃度を高めることができ、この点でも経済性が高くなるというメリットがある。
【0013】
本発明においては、前記した機能化剤等の配合剤の配合方法は限定なく任意であり、ゴム組成物を調製する混練時、ゴム組成物を溶媒に溶解する溶解時であっても良いし、ゴム組成物を溶解した溶液に添加しても良い。また、該配合においては、配合剤をゴムに対して均一に分散する必要があるが、該分散方法も限定なく任意であり、2本ロール法、3本ロール法、攪拌法、ビーズミル法等を適宜組み合わせて行うことができる。
【0014】
本発明においては、請求項1に記載のごとく、まず上記ゴム溶液を少なくとも二枚の支持体の間に挟み、ロールまたはスリットまたはプレスを介して薄膜化する。例えば、対向ロール、圧延装置あるいはプレス装置等を介して支持体/ゴム溶液/支持体の構成からなるサンドイッチ状の積層体に形成し、ゴム溶液を薄膜化する。次に得られたサンドイッチ状の積層体を凝固浴に導びき、凝固浴中では少なくとも片側の支持体を剥離してゴム溶液を凝固液に晒し、薄膜化したゴム溶液を凝固させてゴムシートあるいはゴムシート複合体を形成する。
【0015】
本発明で少なくとも2枚の支持体の間に挟んだゴム溶液を薄膜化するために用いるロールまたはスリットまたはプレスとしては、例えば対向ロール、圧延装置、プレス装置等が挙げられ、更にこれらをさまざまな組合わせで構成および配置したものが挙げられる。好ましい実施態様としては、2枚の支持体の間に挟んだゴム溶液を、少なくとも一対の対向ロールに挟み、向かい合ったロールを反対方向に回転させ、支持体/ゴム溶液/支持体の構成からなるサンドイッチ状の積層体を形成する方式が挙げられる。得られた支持体/ゴム溶液/支持体の構成からなるサンドイッチ状の積層体は、ガイドロール等を経て凝固浴に導かれ、凝固浴中で少なくとも片側の支持体を剥離することにより、該ゴム溶液を凝固してゴムシートあるいはゴムシート複合体を形成する。
【0016】
上記支持体としてはポリエチレンテレフタレート(PETともいう)フィルムに代表されるポリエステル系フィルムやポリプロピレン(PPともいう)フィルムなどのポリオレフィン系フィルム等のプラスチックフィルムを用いることが出来る。さらに支持体として透湿性を有する多孔質フィルムや布帛、不織布をそのまま、あるいは上記プラスチックフィルム支持体と併用して支持体として使用してもよい。
【0017】
本発明においては、請求項2に記載のごとく、上記した方法において支持体が多孔質体であることが好ましい実施態様である。支持体として前記した多孔質体を用いることにより、ゴムシートの表裏の均一化を図ることができる。
【0018】
本発明においては、凝固液と接触させることにより凝固される。該凝固液の組成は限定なく任意であるが、前記したゴムを溶解する溶媒と相溶するゴムの非溶媒あるいは前記した溶媒と非溶媒との混合物が挙げられる。例えば、溶媒が非極性の場合は極性の、溶媒が極性の場合は非極性の非溶媒を用いるのが好適である。
【0019】
本発明においては、凝固浴は上記した液体状でなく気体状で行うことができる。例えば、空気中および制御された雰囲気下暴露により凝固させることができる。本方法における雰囲気の成分は限定無く任意であるが、前記した溶液での凝固法と同様を用いることができる。
【0020】
本発明においては、得られるゴムシートの形態は制限なく、無孔体であっても多孔質体であってもかまわない。これらの形態の制御は、ゴム溶液のゴム組成、孔径調整剤、溶媒の種類、ゴム濃度、成形時の膜厚み、凝固液の種類および凝固条件等により行うことができる。該組成や条件の設定は任意であり、市場要求の特性の製品が得られる組成や条件を適宜設定することで対応するのが好ましい実施態様である。ポリアルキレングリコール等の凝固遅延剤等の配合剤を添加する等も何ら制限を受けない。
【0021】
本発明におけるゴムシート複合体とは、例えばゴムシートより剛直な基材をゴムシートと複合化した複合体であり、該ゴムシートが柔軟であるため加工や施工の時には取り扱い性を悪化させるという欠点を回避することができる。該基材としては、例えばゴムシートより剛直な材料よりなるシートやフィルムが挙げられ、プラスチック、セラミックス、金属およびそれらの複合体が挙げられる。該基材の厚みは任意であるが、3〜200μmが好適である。該基材とゴムとの複合の形態はゴムシートの片面および両面のいずれであっても構わない。また、該ゴムシート複合体のゴムシートと基材との接着力も任意であり、簡単に剥離できるものであっても強固に一体化したものであっても構わない。該ゴムシートの使用形態により適宜選択できる。
【0022】
本発明において、ゴムシート複合体を得る方法は任意であり、例えば、前記した方法において、支持体として用いたフイルムや布帛、不織布をそのまま基材として剥離することなく最終製品としても良いし、前期した方法で得たゴムシートより支持体を剥離することにより得たゴムシートに、新たに基材のフィルムやシートを積層しても良い。
【0023】
本発明において、前記したゴムシート複合体の基材となるフィルムやシートの種類は限定なく任意である。市場ニーズに応じて適宜選択できる。該基材フィルムやシートは、各種の表面処理した物を用いることも何ら制限を受けない。例えば、ゴムシートと基材とが強固に接着した一体化タイプの場合は、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、電子線照射処理、火炎処理等の活性線処理やポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアクリル系のポリマーやこれらの混合物等よりなる接着性向上剤層を積層する等の表面処理法が挙げられる。また、ゴムシートと基材とが剥離できる剥離タイプの場合は、シリコーン系やフッ素系の剥離性向上剤を積層する等の表面処理法を挙げることができる。
【0024】
本発明においては、前記した方法で得たゴムシートあるいはゴムシート複合体を乾燥ゾーンに導きゴムシートやゴムシート複合体に残存あるいは付着している溶媒類を乾燥除去する工程を取り入れることも何ら制限を受けない。該工程を導入する場合は、緊張下、定張下フィルムの収縮を制限して行うことが望ましい。
自由収縮で乾燥させた場合には、部分収縮がおこるため厚み斑となったり、さらにフィルムの平面性が損なわれる場合がある。収縮を制限しつつ乾燥するには、例えばテンター乾燥機や金属枠に挟んでの乾燥などを行うことができる。乾燥に懸かる他の条件は特に制限されるものではなく、空気、窒素などの加熱気体や常温気体を用いた乾燥方法や、ヒーターや赤外線ランプを用いた乾燥方法等が挙げられる。
【0025】
シート状に成形する工程、凝固工程および乾燥工程等は連続的に行ってもよく、また、バッチ式で行ってもよい。さらに各工程の間に、その他の特別な工程を加えてもよい。
【0026】
本発明のゴムシートの厚みは、限定なく市場要求に従って任意に設定できるが、本発明の特徴を活かす点よりゴムシートおよびゴムシート複合体共にゴムシートの厚みとして200〜1000μmが好適である。
【0027】
本発明においては、請求項3に記載のごとく上記した方法により形成されたゴムシートあるいはゴムシート複合体を架橋処理するのが好ましい実施態様である。該架橋方法は限定なく任意である。加熱処理により熱架橋させても良く、紫外線、電子線、γ線等の活性線を照射して架橋させても良い。前記したようにこれらの架橋処理における各種助剤を添加することも何ら制限されない。なお、例示した架橋処理方法においては、後者の活性線を照射する方法の中の電子線やγ線を照射する方法は架橋開始剤等の添加剤の配合をしなくても良いので該添加剤残渣によるゴムシートの品質低下が回避されるので特に好ましい方法として推奨される。本架橋処理によりゴムの機械的特性が向上する。
【0028】
本発明においては、ゴムシートを得る場合に必要な、もう一方の支持体の剥離場所は限定なく任意であり、凝固浴中で2枚同時に剥離しても良いし、ずらして剥離しても構わない。機械的特性が向上した架橋処理後に行うのが好ましい実施態様である。
【0029】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。実施例中で示される特性は、以下の方法で測定、評価したものである。
(1)ゴムシートの厚み精度(厚み変動率%)
厚み測定はマイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いた。厚み斑は得られた20mm×100mmのフィルムの厚みを約10mm間隔で10点測定し、最大厚みと最小厚みの差を平均厚みで割って%で表示した。
【0030】
(2)ゴムシート表裏の均質性
フィルムの表裏の面を目視で観察し、表面の光沢や粗さが表裏の面で明らかに違いがあるものは不良とし、表裏の面で明らかな違いがないものは良とした。
【0031】
(実施例1)
導電性カーボンブラックと黒鉛の混合物よりなる導電化剤を配合した未架橋のエチレンプロピレンゴムコンパンドを70重量%の濃度でトルエンに溶解した溶液を、2本の対向ロールの間にセットした2枚の厚み100μmの搾孔加工したポリエチレンテレフタレートフィルム(以下多孔質PETフィルムともいう)の支持体の間に挟み、2本のロールにおいて、向かい合ったロールを反対方向に回転させ、ゴム溶液を圧延しながら多孔質PETフィルムからなる支持体ごと送り出し、凝固浴に導いた。凝固液はメチルエチルケトンを用いた。このとき、対向ロール間のギャップを調整し、ゴム溶液厚みが一定になるようにした。凝固浴の途中で片側の多孔質PETフィルムからなる支持体を剥離し、ゴム薄膜/多孔質PETフィルムからなる複合体を凝固液に接触させてさらに凝固させた。図1に製造方法の模式図を示した。ゴム溶液を凝固させた後に得られたゴムシート複合体を凝固浴から取り出し、該ゴムシート複合体を緊張下で熱風乾燥炉に導き乾燥をし、次いで該ゴムシート複合体を電子線照射装置に導き連続で電子線を照射してエチレンプロピレンゴム組成物の架橋処理を行い、ゴムシート複合体を得た。
なお、多孔質PETフィルムからなる支持体は2枚とも片面にシリコーン系の剥離性向上剤を積層したものを用いて、該積層面がゴム溶液と接するようにして供給した。また、ゴムシート厚みは平均厚みで350μmになるように設定した。得られたゴムシート複合体の評価結果を表1に示す。
【0032】
(比較例1)
実施例1において、エチレンプロピレンゴムコンパンド濃度を50重量%としたゴム溶液をダイスより、厚み100μmの片面にシリコーン系の剥離性向上剤を積層した二軸延伸ポリエステルフイルムの積層面上に押し出しゴム溶液の薄膜を形成し、次いで凝固液と接触させるように変更する以外は、実施例1と同様にして比較例1のゴムシート複合体を得た。なお、ゴムシートの厚みは平均厚みで350μmになるように設定した。得られたゴムシート複合体の評価結果を表1に示す。
【0033】
(実施例2)
実施例1の方法で得られたゴムシート複合体より、多孔質PETフィルムからなる支持体を連続的に剥離することによりゴムシートを得た。得られたゴムシートの評価結果を表1に示す。
【0034】
(比較例2)
比較例1で得られたゴムシート複合体より、片面にシリコーン系の剥離性向上剤を積層した二軸延伸ポリエステルフイルムからなる支持体を連続的に剥離することによりゴムシートを得た。得られたゴムシートの評価結果を表1に示す。
【0035】
(実施例3)
実施例1の方法において、導電化剤の配合を取り止め、替わりに補強性のカーボンブラックを配合したエチレンプロピレンゴムコンパンドを用いて調整したゴム溶液にアクリレート系の接着性改良剤を添加することと、シリコーン系剥離剤を積層した多孔質PETフィルムからなる支持体の一方をフィルム表面をプラズマ処理した多孔質PETフィルムからなる支持体に変更し、該プラズマ処理面とゴム溶液とが接するように積層した以外は、実施例1と同様の方法で実施例3のゴムシート複合体を得た。なお、凝固浴中で剥離する支持体はシリコーン系剥離剤を積層した方とした。得られたゴムシート複合体の評価結果を表1に示す。なお、本実施例3で得られたゴムシート複合体は、ゴムシートと支持体として用いた多孔質PETフィルムとが強固に接着されていた。
【0036】
(比較例3)
比較例1の方法において、エチレンプロピレンゴムコンパンドを実施例3に記載のものに変更することと、二軸延伸ポリエステルフイルムとして片面がプラズマ処理されたものに変更し、該プラズマ処理面がゴム溶液と接するように変更する以外は、比較例1と同様にして比較例3のゴムシート複合体を得た。得られたゴムシート複合体の評価結果を表1に示す。なお、本比較例3で得られたゴムシート複合体は、実施例3のゴムシート複合体と同様に、ゴムシートと支持体として用いたPETフィルムとは強固に接着されていた。
【0037】
実施例1〜3で得られたゴムシートあるいはゴムシート複合体は、厚み精度に優れている。また、実施例2のゴムシートはシートの表裏の構造の均質性が優れている。また、その製造方法は、装置が簡便で経済性にも優れたものである。一方、比較例1〜3で得られたゴムシートあるいはゴムシート複合体は厚み精度が劣っている。また、比較例2のゴムシートはシートの表裏の構造の均質性に劣っている。さらに、比較例1〜3は実施例1〜3とは異なり、ゴム溶液を押し出す、押出し機やダイスが必要であり装置の投資コストが高く経済的にも劣ったものであった。実施例1および2のゴムシートおよびゴムシート複合体は導電性に優れており、かつ前記した特徴を有しており、実施例1のゴムシート複合体は、例えば、携帯電話等の小型の電子機器の電磁波シールド材等として、実施例2のゴムシートは、例えば、電気二重層コンデンサー用の集電材等として好適に使用できる。一方、実施例3のゴムシート複合体は絶縁性が高く、かつ耐薬品性や電解液への汚染成分の溶出が少なく、さらに前記したような特徴を有しているので、例えば、燃料電池や電気二重層コンデンサー用のシール材として好適に使用できる。
【0038】
【表1】
Figure 2004269656
【0039】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明のゴムシートまたはゴムシート複合体の製造方法により、厚み精度が良く、かつ均質性のあるシートを経済的に提供することができる。また、得られたゴムシートまたはゴムシート複合体は高品質で、かつ経済性に優れているので各種用途において好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるゴムシートまたはゴムシート複合体の製造方法の模式図
【符号の説明】
1:溶液供給配管
2:ゴム溶液
3:支持体1
4:支持体2
5:支持体1送り出しロール
6:支持体2送り出しロール
7:対向ロール
8:支持体/ゴム溶液/支持体複合積層体
9:湿潤したゴムシート
10:湿潤したゴムシートの巻き上げロール
11:支持体2巻き上げロール
12:支持体1巻き上げロール
13:凝固浴

Claims (3)

  1. ゴム溶液を少なくとも二枚の支持体の間に挟みロールまたはスリットまたはプレスを介してゴム溶液を薄膜化した積層体を凝固浴に導き、凝固浴中で少なくとも片側の支持体を剥離し、ゴム溶液を凝固させてゴムシートまたはゴムシート複合体を形成することを特徴とするゴムシートまたはゴムシート複合体の製造方法。
  2. 支持体が多孔質体であることを特徴とする請求項1に記載のゴムシートまたはゴムシート複合体の製造方法。
  3. 請求項1あるいは2に記載された方法により形成されたゴムシートまたはゴムシート複合体を架橋処理することを特徴とするゴムシートまたはゴムシート複合体の製造方法。
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KR101089592B1 (ko) * 2011-09-01 2011-12-05 주식회사 화인 통기성 고무 시트와 그의 제조 장치 및 방법

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