JP2004269612A - プリプレグ及び積層板の製造方法、及びプリプレグの製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機溶剤の使用量を低減させることができるプリプレグ及びこれを用いた積層板の製造方法、ならびに、このようなプリプレグを製造する装置を提供する。
【解決手段】プリプレグの製造方法であって、
(a)粉体状の熱硬化性樹脂組成物粒子を水に分散させて樹脂分散水を調製する工程、
(b)前記樹脂分散水をシート状繊維基材に担持させて、担持基材Aとする工程、
(c)前記担持基材Aに含有される水分の少なくとも一部を、相対湿度が60%以下、温度が80℃以下である空気で除去して担持基材Bとする工程、を有するプリプレグの製造方法。
【選択図】 図1
【解決手段】プリプレグの製造方法であって、
(a)粉体状の熱硬化性樹脂組成物粒子を水に分散させて樹脂分散水を調製する工程、
(b)前記樹脂分散水をシート状繊維基材に担持させて、担持基材Aとする工程、
(c)前記担持基材Aに含有される水分の少なくとも一部を、相対湿度が60%以下、温度が80℃以下である空気で除去して担持基材Bとする工程、を有するプリプレグの製造方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリプレグ及び積層板の製造方法、及びプリプレグの製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリント回路板については小型化、高機能化の要求が強くなるとともに、価格競争が激しく、特にプリント回路板に用いられるガラス布基材エポキシ樹脂積層板、あるいはガラス不織布を中間層基材としガラス織布を表面層基材とした積層板は、いずれも価格の低減が大きな課題となっている。
【0003】
従来、これらの積層板に用いられるプリプレグの製造工程では、樹脂ワニスに多量の有機溶剤が用いられてきた。これは、樹脂ワニスの調製が容易で、基材への樹脂ワニスの塗布、含浸を均一に行えるためである。しかし、ここで用いられる有機溶剤は、樹脂ワニス塗布後の乾燥工程で蒸発除去されるが、その多くは燃焼装置等で処理されるか、そのまま大気中に放出されていた。このため、有機溶剤自体のコストに加えて、使用後の有機溶剤を処理するためのコストが必要であり、さらに、地球温暖化や大気汚染の一因となることが指摘されるようになり、このような背景から、有機溶剤の使用量の削減が要求されるようになってきた。
【0004】
有機溶剤を使用せずにプリプレグを製造する方法として、粉末状樹脂を基材に塗布する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、粒子径が数十〜数百μmの粉末状樹脂を用いた場合には、材料の均一な混合や塗工が難しく、樹脂の硬化が部分的に起こったり、基材への含浸が不十分になったりすることがある。一方、さらに粒径の小さな粉末状樹脂を用いた場合は、かさ密度が低下して取り扱いが困難になることに加えて、微粒子化した材料が二次凝集を起こして均一分散性が低下するなどの問題があった。
【0005】
また、樹脂に対して親和性の小さい水を分散媒体として用い、微粒子化した粉体樹脂等を分散させて樹脂分散水としたものを用いる方法がある。この方法は、有機溶剤の使用量を低減できるとともに、樹脂を比較的高い均一性で基材に担持させることができる場合がある。
通常、このような樹脂分散水を調製する際には、取り扱い上の問題から、従来の有機溶剤を用いた場合と同等あるいはそれ以上の量の水が用いられる。このため、樹脂分散水を基材に担持させた後、多量の水を除去するために、150〜200℃に加温した熱風を吹き付けて、水の蒸発潜熱を与えることにより、水を蒸発させて除去する方法が採られている。
しかし、このような高温の熱風を用いて水分の乾燥を行うと、用いている樹脂の溶融・反応も同時に進行するため、水分の突沸によりプリプレグ表面に凹凸などの外観欠陥が発生したり、樹脂の溶融・反応が速く進行することにより基材内部に水分が取り残されて積層板の特性に影響を与えたりするという問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開昭51−138766号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、有機溶剤の使用量を低減させることができるプリプレグ及びこれを用いた積層板の製造方法、ならびに、このようなプリプレグを製造する装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、以下の本発明(1)〜(9)によって達成される。
(1)プリプレグの製造方法であって、
(a)粉体状の熱硬化性樹脂組成物を水に分散させて樹脂分散水を調製する工程、
(b)前記樹脂分散水をシート状繊維基材に担持させて、担持基材Aとする工程、
(c)前記担持基材Aに含有される水分の少なくとも一部を、相対湿度が60%以下、温度が80℃以下である空気で除去して担持基材Bとする工程、を有することを特徴とするプリプレグの製造方法。
(2)さらに、
(d)前記担持基材Bを加熱する工程、を有する、請求項1に記載のプリプレグの製造方法。
(3)前記(b)工程は、スプレー装置を用いて前記樹脂分散水を前記シート状繊維基材に担持させる上記(1)又は(2)に記載のプリプレグの製造方法。
(4)前記(c)工程において、前記担持基材Bの含有する水分は、前記シート状繊維基材に担持されている成分全体に対して、1〜10重量%である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
(5)前記空気は、相対湿度が5〜40%である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
(6)前記空気は、温度が20〜60℃である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
(7)上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の製造方法により得られたプリプレグを加熱加圧成形することを特徴とする積層板の製造方法。
(8)プリプレグの製造装置であって、
(p)シート状繊維基材を供給搬送する装置、
(q)粉体状の熱硬化性樹脂組成物を水に分散させた樹脂分散水を、前記シート状繊維基材に担持させる塗工装置、
(r)前記シート状繊維基材に担持された水分の少なくとも一部を、相対湿度が60%以下、温度が80℃以下である空気により除去する装置、及び、
(s)前記空気を供給する装置、
を有することを特徴とする、プリプレグの製造装置。
(9)さらに、
(t)前記水分の少なくとも一部が除去された熱硬化性樹脂組成物担持基材を加熱する装置、
を有する、上記(8)に記載のプリプレグの製造装置。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のプリプレグ及び積層板の製造方法、及びプリプレグの製造装置について説明する。
本発明のプリプレグの製造方法は、
(a)粉体状の熱硬化性樹脂組成物を水に分散させて樹脂分散水を調製する工程、
(b)上記樹脂分散水をシート状繊維基材に担持させて、担持基材Aとする工程、
(c)上記担持基材Aに含有される水分の少なくとも一部を、相対湿度が60%以下、温度が80℃以下である空気で除去して担持基材Bとする工程、を有することを特徴とする。
また、本発明の積層板の製造方法は、上記本発明の製造方法により得られたプリプレグを加熱加圧成形することを特徴とする。
そして、本発明のプリプレグの製造装置は、上記本発明のプリプレグを製造するための装置であって、
(p)シート状繊維基材を供給搬送する装置、
(q)粉体状の熱硬化性樹脂組成物を水に分散させた樹脂分散水を、上記シート状繊維基材に担持させる塗工装置、
(r)上記シート状繊維基材に担持された水分の少なくとも一部を、相対湿度が60%以下、温度が80℃以下である空気により除去する装置、及び、
(s)上記空気を供給する装置、
を有することを特徴とする。
【0010】
まず、本発明のプリプレグの製造方法において、
(a)粉体状の熱硬化性樹脂組成物粒子を水に分散させて樹脂分散水を調製する工程、について説明する。
【0011】
上記(a)工程において用いられる粉体状の熱硬化性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ということがある)は、粉末状の熱硬化性樹脂を必須成分として含有するものである。
このような樹脂組成物としては特に限定されないが、通常、熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤などを含有し、必要に応じてこれらを各々1種類以上混合して用いることができる。
【0012】
樹脂組成物中の熱硬化性樹脂としては特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などのフェノール樹脂、あるいはポリエステル樹脂などが挙げられる。
上記熱硬化性樹脂の硬化に際して、硬化剤や硬化促進剤を必要とする場合には、これを配合することができる。例えば、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合は、硬化剤として酸無水物化合物、ジシアンジアミド、芳香族アミンなどのアミン化合物、ノボラック型フェノール樹脂などを用いることができる。また、硬化促進剤としては、イミダゾール化合物、第3級アミン化合物などを用いることができる。
【0013】
上記の成分のほか、樹脂組成物の流動性付与材、熱可塑性樹脂などの可塑性付与剤、着色剤、あるいは無機充填材を添加することもできる。樹脂組成物に無機充填材を配合すると、積層板に耐トラッキング性、耐熱性、低熱膨張率等の特性を付与することができる。かかる無機充填材としては特に限定されないが、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、タルク、ウォラストナイト、アルミナ、シリカ、未焼成クレー、焼成クレー、硫酸バリウム等が挙げられる。
【0014】
上記樹脂組成物の粒径は特に限定されないが、後述する樹脂分散水中における平均粒径が0.1〜50μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜10μmである。これにより、プリプレグの製造時における各材料の均一分散性と、プリプレグ並びに積層板を製造する際の樹脂成分の均一硬化性を向上させることができる。さらに、樹脂組成物粒子が基材の単繊維間へ侵入しやすくなるとともに、その後に加熱工程を経る場合には、樹脂組成物の溶融・含浸が容易になり、含浸性の良好なプリプレグを得ることができる。平均粒径が上記下限値未満では、樹脂組成物の取り扱い性が低下することがあり、上記上限値を超えると、均一分散性が低下するようになる。
【0015】
上記樹脂組成物を水に分散させて、樹脂分散水を調製する方法としては特に限定されないが、湿式、乾式いずれの方法を適用することができる。
湿式の場合は、高圧ホモジナイザーに代表されるような高圧高速の分散装置を粉砕装置として利用することができる。具体的には、例えば、予め平均粒子径50〜150μmに粗粉砕された材料混合物を水に分散させ、これを200〜3000kg/cm2の高圧で高速処理することにより、微粒子化物が分散した樹脂スラリーを連続的に得ることができる。
このほかにも、微粒子化した原材料混合物をノズル噴霧装置から噴霧し、これにノズル霧化装置により微粒子化された水に接触させて、水との濡れ性を高めた後に、通常の撹拌装置等を用いて水に分散させる方法などが挙げられる。
また、乾式の場合は、粗粉砕された材料もしくは材料混合物をジェットミルに代表されるような粉砕装置を用いて微粒子化し、これをヘンシェルミキサーのような攪拌装置などを用いて水に分散混合させることにより、樹脂分散水を得ることができる。
【0016】
このような方法により得られた樹脂分散水は特に限定されないが、樹脂分散水中の樹脂組成物濃度を40〜70重量%とすることが好ましい。これにより、取り扱い性に優れ、基材へ担持させるのに適した樹脂分散水とすることができる。
なお、上記樹脂分散水は、有機溶剤を含有することができる。例えば、硬化剤、硬化促進剤、添加剤など、樹脂組成物中における配合量は少量であっても、その機能が重要であり、かつ、樹脂組成物中に高い均一分散性で混合する必要があるものについては、これらの成分を有機溶剤に溶解し、上記樹脂分散水と混合して用いることもできる。有機溶剤の量は、本発明の目的から多量に使用することは好ましくないが、溶媒として用いる成分全体の50重量%以下、好ましくは20重量%以下である。 ただし、このように有機溶剤を用いると、そのまま排出すると環境汚染の一因となり、また、燃焼装置等を設置して処理する場合にはプリプレグの製造コストが高騰することになるので、プリプレグや積層板の特性に影響を与えない範囲内で、できるだけ少ない量とすることが好ましい。
【0017】
次に、(b)上記樹脂分散水をシート状繊維基材に担持させて、担持基材Aとする工程、について説明する。
【0018】
上記(b)工程において用いられるシート状繊維基材(以下、単に「基材」ということがある)としては特に限定されないが、例えば、ガラス織布、ガラス不繊布等のガラス繊維基材、紙、合成繊維等からなる織布や不織布、金属繊維、カーボン繊維、鉱物繊維等からなる織布、不織布、マット類等が挙げられる。これらの基材の原料繊維は単独又は混合して使用することもできる。
【0019】
上記(b)工程において、樹脂分散水を基材に担持させる方法としては特に限定されないが、例えば、樹脂分散水をスプレー装置を用いて基材に噴射して塗工する方法、樹脂分散水中に基材を浸漬する方法、ナイフコーター、コンマコーター等の各種コーターにより樹脂分散水を基材に塗工する方法、あるいは、リバースコーター等の転写ロールにより樹脂分散水を基材に転写する方法、などが挙げられる。
これらの中でも、樹脂分散水をスプレー装置を用いて、基材に噴射して塗工する方法が好ましい。これにより、基材の両面に同時に塗工することができるとともに、噴射により樹脂分散水が運動エネルギーをもって基材に衝突するので、樹脂組成物粒子を基材繊維内に圧入することができ、プリプレグの含浸性を向上させることができる。
なお、スプレー装置を用いて基材に噴射して塗工する方法や、樹脂分散水中に基材を浸漬する方法などを適用する場合は、その方法のみによって行ってもよいし、基材に担持させる樹脂組成物量の調整やプリプレグ表面の平滑性を向上させるために、コンマコーター、ナイフコーター、スクイズロールなどを併せて用いることもできる。
【0020】
次に、(c)上記担持基材Aに含有される水分の少なくとも一部を、相対湿度が60%以下、温度が80℃以下である空気で除去して担持基材Bとする工程、について説明する。
【0021】
上記(c)工程において用いられる空気は、相対湿度が60%以下である。
上記担持基材Aは、樹脂組成物とともに水分を担持している。このため、担持基材Aの表面付近における相対湿度は非常に高い。ここに、相対湿度が低い空気を接触させることにより、相対湿度差が推進力となり、担持基材Aから上記空気へ水分の移動及び拡散が起こる。これにより、担持基材Aに含有されている水分を効率的に除去することができる。
【0022】
上記空気の調湿方法としては特に限定されないが、例えば、乾式除湿装置、湿式除湿装置(中外エアシステム社製・「Kathabar」など)を用いて調湿したものを用いてもよいし、冬季の乾燥した外気等であればそのまま導入して使用することもできる。
【0023】
担持基材Aに含有された水分を除去する目的からは、上記空気はできるだけ相対湿度が低いことが好ましい。但し、湿度調製前の空気の性状にもよるが、一般的には、高度に除湿した空気を得るためには、上記乾燥装置を高い負荷で稼働させることが必要となり、プリプレグの製造コストを高騰させる原因になることがある。このような経済上の観点も鑑みると、上記空気の相対湿度は、5〜40%とすることがさらに好ましい。
【0024】
また、上記空気の温度は80℃以下である。
このように、従来の方式と比較して低温である空気を用いることにより、このような温度に空気を温調するためのエネルギーコストを低減させることができる。
また、通常この温度域では、樹脂組成物中の樹脂成分が溶融することは少ないので、担持基材Aに含有されている水分の除去だけを先行させることができる。そして、水の沸点に対して相対的に充分低温であるので、水の突沸による基材からの樹脂組成物の剥離等も起こらず、塗工の段階で整面したプリプレグ表面の均一性を維持することができる。
上記の目的のためには、上記空気の温度は、20〜60℃とすることがさらに好ましい。
【0025】
また、空気の温調方法としても特に限定されないが、加温する必要がある場合は、一般的に用いられる熱源により直接加温してもよいし、熱交換システムにより温調する方法を採用することもできる。
【0026】
上記(c)工程において、担持基材Bとなった時点での含有水分量としては特に限定されないが、基材に担持されている成分(樹脂組成物+残水分)全体に対して、1〜10重量%であることが好ましい。さらに好ましくは2〜5重量%である。これにより、樹脂組成物を基材に安定した状態で担持させて、次の工程に送ることができるとともに、次の工程において熱硬化性樹脂の溶融、硬化等を行う場合は、残留水分による影響を実質的になくすることができる。
【0027】
本発明のプリプレグの製造工程においては、上記(a)〜(c)工程の後、さらに、
(d)上記担持基材Bを加熱する工程、を有することができる。
これにより、水が実質的に全て蒸発するとともに、熱硬化性樹脂成分等が溶融して低粘度化し、基材繊維間に含浸したプリプレグを得ることができる。また、熱硬化性樹脂の硬化反応を途中まで進行させることができるので、プリプレグに担持される樹脂組成物の流動性を適正なものとすることができ、後述する積層板の製造工程において、過大な熱硬化性樹脂の流れ出しを防止し、かつ、短時間で積層板を製造することができる。また、プリプレグの取り扱い性を向上させることができる。
【0028】
上記担持基材Bを加熱する方法としては特に限定されないが、例えば、加温した空気により行う方法、加温した輻射パネルからの輻射熱により行う方法、あるいは、遠赤外線ヒーターパネルなどにより行う方法などが挙げられる。
上記担持基材Bを加熱する条件としては、熱硬化性樹脂や硬化剤などの種類、配合量により異なるので特に限定されないが、通常、上記担持基材Bの表面温度が100〜220℃、好ましくは120〜190℃で1〜10分間行うことができる。
【0029】
このようにして得られたプリプレグに担持されている樹脂組成物の量としては特に限定されないが、通常、プリプレグ重量(基材+樹脂組成物)全体に対して、40〜60重量%程度とすることができる。
【0030】
本発明の製造方法においては、以上に説明したように、水を基本媒体とした樹脂分散水を基材に担持させ、これを上記の湿度・温度に調整された空気を用いて水分の除去を行うことを特徴とする。
従来の熱風を用いた乾燥方式においては、水は熱風から蒸発潜熱を奪うことにより蒸発し、乾燥が行われる。このため、加温空気の供給に大きなエネルギーコストを要するとともに、基材に担持された水の蒸発と、樹脂成分の溶融・反応等が同時に起こるため、プリプレグ表面の外観が悪化したり、樹脂成分の反応が速いと水の蒸発が不充分となって、積層板特性に影響を与えたりすることがあった。
これに対して本発明の製造方法においては、常温ないしは若干加温し、湿度を低く抑えた調整空気を用いる。このとき水は、担持基材の表面と上記調整した空気との湿度差をなくす方向に移動・拡散する。この原理により、水の除去を効率的に行うことができるので、水分の除去のための装置規模に対して、プリプレグの製造効率を向上させることができる。さらに、水分の除去と、樹脂成分等の溶融・反応を順次実質的に別工程で実施するので、特性、外観等に優れたプリプレグ及び積層板を製造することができる。
【0031】
次に、本発明の積層板の製造方法について説明する。
本発明の積層板の製造方法は、以上の方法により得られたプリプレグを加熱加圧成形することを特徴とする。
本発明の積層板の製造方法において、プリプレグを加熱加圧成形する条件としては特に限定されないが、一例を挙げると、平板プレス装置を使用して、温度150〜200℃、圧力2〜6MPa、時間15〜100分間で成形することができる。
また、ここで必要に応じて、上記プリプレグとともに金属箔を加熱加圧成形して、金属箔張積層板とすることもできる。このような金属箔を構成する金属としては特に限定されないが、例えば、銅または銅系合金、アルミまたはアルミ系合金等を挙げることができる。金属箔の厚さは特に限定されないが、通常3〜70μmのものが用いられる。金属箔は、プリプレグの片面あるいは両面に積層され、プリプレグとともに一体成形され金属箔張積層板とすることができる。
【0032】
次に、本発明のプリプレグの製造装置について説明する。
本発明の製造装置は、本発明のプリプレグの製造方法を適用することができる製造装置であって、
(p)シート状繊維基材を供給搬送する装置、
(q)粉体状の熱硬化性樹脂組成物を水に分散させた樹脂分散水を、前記シート状繊維基材に担持させる塗工装置、
(r)前記シート状繊維基材に担持された水分の少なくとも一部を、相対湿度が60%以下、温度が80℃以下である空気により除去する装置、及び、
(s)前記空気を供給する装置、
を有することを特徴とする。
また、さらに必要に応じて、
(t)上記水分の少なくとも一部が除去された熱硬化性樹脂組成物担持基材を加熱する装置、
を有することができる。
【0033】
以下、本発明のプリプレグの製造装置(以下、単に「製造装置」ということがある)について、好適な実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の製造装置の一例を示す断面側面図である。本発明の製造装置は、図1に示すように、基材の供給搬送装置1、樹脂分散水の塗工装置2、基材に担持された水分を空気により除去する装置3、水分の少なくとも一部が除去された担持基材を加熱する装置4、及び、装置3に空気を供給する装置51、装置4に空気を供給する装置52、53とを有している。
【0034】
図1において、基材は巻物形態の基材1aから繰り出されて搬送される。
基材1bは、スプレー装置21a、21bにより、その両面から樹脂分散水23を噴射され、基材1bの内部及び表面に樹脂分散水23が担持される。この直後、適正なギャップに調整されたコンマロール対22a、22bの間を通過し、基材に担持される樹脂分散水の量を適正化するとともに、基材表面の平滑性を向上させる。このようにして、樹脂分散水23を担持した担持基材1c(担持基材A)とすることができる。担持基材1cは、これに担持された水分を除去する装置3へ送られる。
なお、余剰分の樹脂分散水23はバット24に回収し、樹脂分散水23の貯留装置25へ送られる。
【0035】
装置3には、担持基材1dの上昇路において、基材表面に対して垂直方向から空気を噴射できる噴射ノズル板31、31・・・が、基材の両面側に交互に配置されている。このノズル板31、31・・・から、担持基材1dは所定の温度、湿度に調製された空気を噴射されることにより、担持基材1d中の水分が該空気中に移動し、水分の除去を行うことができる。担持基材1dは装置3内を上昇した後、反転部32へ至る。
【0036】
反転部32は図示していないが、円弧状の外周面のほぼ全面に、多数の空気噴出口を設けており、担持基材1eに向けて空気を噴出することにより、担持基材1eは反転部32の外周案内面から少し浮上した状態で反転することができ、担持した樹脂分散水が反転部32へ付着するのを防止している。
なお、反転部32で用いられる空気は、上記噴射ノズル板31に供給されているものと同じものを用いることができる。この空気は、図示していない湿式除湿装置により所定の温度・湿度に調節されたものを、ブロアー51から供給している。
【0037】
反転後、担持基材1fは下降路で上記上昇路と同様に噴射ノズル板31、31・・・から空気の噴射を受け、下部の方向転換部33に至る。方向転換部33の機構は、外周面積が半分になっていること以外は、上記反転部32と同様であり、担持基材1gは方向転換部33に接触することなく、90度方向転換され、装置3から水平方向に搬出され、装置4へ送られる。
【0038】
次に、担持基材1hは方向転換部43において90度方向転換され上昇方向に向かう。方向転換部43の機構は、転換する方向が異なること以外は上記方向転換部33と同様である。
装置4には、担持基材1iの上昇路において、基材表面に対して垂直方向から輻射熱を供給できる輻射パネル41、41が、基材の両面側に配置されている。この輻射パネル41、41からの熱供給により、樹脂成分等の溶融、基材への含浸、樹脂成分の部分的硬化を進行させることができる。
【0039】
担持基材1hは装置4内を上昇した後、反転部42の外周面外側を通過する。反転部42の機構は上記反転部32と同様である。また、ここで反転部42の外周面から浮上させるために用いる空気は、反転部42を通過する担持基材1Jの温度と同等程度のものを使用することが好ましい。これにより、エネルギーロスを低減させることができる。この空気は、図示していない温調装置により所定の温度に加温されたものを、ブロアー52から供給している。
なお、装置4入口に設置されている方向転換部43において使用される空気についても、上記反転部42と同じものを用いることができる。
【0040】
上記反転後、担持基材1kは下降路で上記上昇路と同様に輻射パネル41、41から輻射熱の供給を受ける。
【0041】
装置4内において、担持基材1kは比較的高温に加温されており、その表面は溶融樹脂により強いタック性を有していることが多い。このため、輻射パネル41、41から必要な輻射熱の供給を受けた後、冷風供給ノズル43、43により、担持基材1lを冷却し、タック性をなくすことにより取り扱いが可能となる。冷風供給ノズル43、43からの空気は、図示していない温調装置により所定の温度に冷却されたものを、ブロアー53から供給している。
装置4から搬出された担持基材1mは、方向転換後、巻き取りを行って巻物状のプリプレグ1nとなる。
【0042】
なお、上記装置3、装置4の内部には、ブロアー51、52、53から各々の性状を有する空気が供給されているので、基本的に装置3、装置4内は正圧になる。必要に応じて、これを排出口61、62から排出することができる。排出された空気は廃棄してもよいし、必要に応じて各湿式除湿装置、温調装置に送り、温度及び/又は湿度を調節して再利用することもできる。
【0043】
本発明の製造装置において、基材に樹脂分散水を担持させる方法としては、図1に示したようなスプレー装置を用いる方法のほか、上記本発明の製造方法において示したような方法によって行うこともできる。
【0044】
また、上記装置3、及び装置4内における基材の移送方法として、図1に示した実施形態においては、装置3、装置4内において基材を鉛直方向に搬送し、これを各々1回反転させる方式を用いているが、特にこのような方式に限定されるものではなく、例えば、鉛直方向に反転せず1パスで搬送する方式、あるいは、水平方向に搬送する方式などが挙げられる。
【0045】
上記のいずれの搬送形態でも基材に担持された樹脂分散水中の水分の除去を行うことはできるが、図1に示したような鉛直方向で反転する方式によると、装置規模をコンパクトにすることができ、また、基材に作用する張力を低減できるので、基材繊維の曲がりなどが起こりにくいという利点がある。さらに、基材両面に担持した樹脂組成物に作用する重力の影響を実質的に均等にすることができるので、樹脂組成物の担持量を基材両面でバランスさせやすいというメリットもある。
なお、このように装置内で反転させる回数は、装置3、装置4内において各々1回に限定されるものではなく、装置規模、装置形状により、2回以上の反転を行うように設計することもできる。
【0046】
また、上記装置4内において用いられる、基材に担持された熱硬化性樹脂を加熱する方式としては、図1に示したような輻射熱を用いる方法のほか、熱風、遠赤外線などによる方法を用いてもよい。
【0047】
従来、例えばガラス織布基材を用いた樹脂含浸プリプレグを製造する場合は、樹脂ワニス中に基材を浸漬させた後、縦型の乾燥装置を用いて有機溶剤の除去・樹脂の反応を行う方法が一般的であった。
この場合、プリプレグの製造能力を決定するのは乾燥装置の乾燥能力であり、通常、製造能力を向上するためには乾燥装置を拡大して、樹脂含浸基材の搬送速度を上げる手法が採られてきた。しかし、縦型の乾燥装置は構造上、長さの拡張に比例して基材に作用する張力が増大し、これが基材繊維の曲がりや基材破断の原因となるため、その製造能力には限界があった。
また、上記本発明の製造装置で示したような、非接触の含浸基材反転部を設けて、基材に作用する張力を軽減させる方法も考えられる。しかし、この反転部においては含浸基材を浮遊させるために高温の空気を強く噴射する必要があるため、樹脂ワニスの配合によっては溶解している成分の揮発・減少を生じやすく、成分比率の変動による反応のバラツキが起こることがあった。さらに、揮発した成分が乾燥装置内を汚染し、これがプリプレグの品質を低下させる原因ともなっていた。
【0048】
これに対して本発明の製造方法においては、樹脂分散水を基材に担持させ、この水分を所定の空気により除去した後に、好ましくはこれを加温してプリプレグを得る。このため、水分除去の工程に上記の反転装置を設けても、実質的に成分減少は起こらないと考えられる。また、さらにこれを加温する工程においても、粒状樹脂が溶融し、反応が進行する段階に移行しているので、成分減少を小さく抑えられる。このため、水分除去工程、加熱工程のいずれにおいても、このような反転装置を任意に設けることができる。
このように、乾燥装置内の基材搬送形態に関して自由度が大きくなるので、例えば、高さ方向の寸法を低く抑えながら、従来よりも大幅に製造能力を向上させたプリプレグの製造装置を簡易に設計することができる。このような製造装置を用いた場合は、基材に作用する張力も低減できるので、プリプレグ及び積層板の品質上も好ましいものである。
【0049】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
【0050】
<実施例1>
(1)樹脂組成物の調製
平均粒径80μmの粉末状のエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製・臭素化エポキシ樹脂Ep5048、エポキシ当量675)100重量部、平均粒子径15μmの粉末状の硬化剤(ジシアンジアミド)2重量部、及び平均粒径15μmの粉末状の硬化促進剤(2−エチル−4−メチルイミダゾール)0.1重量部を、ヘンシェルミキサーで混合攪拌(600rpm、1分)した。この混合原料をホソカワミクロン社製のカウンタージェットミル200AFG(ノズル径3mm×3本)を用いて、空気圧600kPa、圧空量1.7m3/minで処理し、分級ローター(11500rpm)で補集し、樹脂組成物を得た。この平均粒径を測定したところ、1.5μmであった。
【0051】
(2)樹脂分散水の調製
水100重量部に対して、界面活性剤としてポリオキシエチレンモノステアレート(花王社製・エマノーン3199)1重量部を加え、ディスパーザー(1560rpm)で撹拌混合しながら、上記樹脂組成物を徐々に100重量部まで加えていった。その後更に10分間攪拌し、樹脂組成物含有率50重量%の樹脂分散水を得た。
【0052】
(3)プリプレグの製造
図1に示した形態の装置を用いて行った。
(3.1)塗工
基材として、平均繊維径9μm、坪量100g/m2のガラス織布を使用し、この両面側からスプレー装置(アトマックス社製・2流体スプレーノズル・BN−90S−IS 空気圧4kg/cm2)を用い、塗工を行った。これを、ギャップを調製したコンマコーター対間を通して、樹脂組成物担持量が114g/m2となるように調整した。
【0053】
(3.2)水分の除去
図1において装置3の内部に、湿式除湿装置を用いて、温度40℃、相対湿度30%に調製した空気を供給し、装置3の出口部分における担持基材中の水分含有量が3重量%となるように水分の除去を行った。
【0054】
(3.3)樹脂組成物の加熱
図1において装置4の内部に設置された輻射パネルにより、担持基材の表面温度190℃で1.5分間保持できるように加熱処理を行い、プリプレグを得た。
【0055】
(3.4)積層板の製造
上記プリプレグを2枚重ね合わせ、さらにその表裏に厚さ18μmの電解銅箔を重ね合わせ、真空プレス装置を用い、温度190℃、圧力4MPaで90分間加熱加圧成形して、厚さ0.22mmの銅張積層板を製造した。
【0056】
<実施例2>
実施例1(3.2)において、水分の除去に温度50℃、相対湿度20%に調製した空気を供給し、装置3の出口部分における担持基材中の水分含有量が1重量%となるように水分の除去を行った以外は、実施例1と同様にしてプリプレグ及び積層板を製造した。
【0057】
<実施例3>
実施例1(3.2)において、水分の除去に温度30℃、相対湿度40%に調製した空気を供給し、装置3の出口部分における担持基材中の水分含有量が5重量%となるように水分の除去を行った以外は、実施例1と同様にしてプリプレグ及び積層板を製造した。
【0058】
<比較例1>
(1)樹脂ワニスの調製
エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製・臭素化エポキシEp5048、エポキシ当量675)100重量部、硬化剤(ジシアンジアミド)2重量部、及び硬化促進剤(2−エチル−4−メチルイミダゾール)0.1重量部をメチルセルソルブ100重量部に溶解し樹脂ワニスを調製した。このワニスに実施例1で用いた基材を1秒間浸漬した後、コンマコーターを用いて樹脂組成物保持量が114g/m2となるように調整し、これを170℃の熱風加熱乾燥装置で3分間加熱してプリプレグを得た。
【0059】
(2)積層板の製造
上記プリプレグ用い、実施例1と同様にして銅張積層板を製造した。
【0060】
実施例及び比較例で得られたプリプレグ及び積層板について、各特性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
〔測定方法〕
(1)平均粒子径:粒度分布計(HORIBA LA−910)により測定した。
(2)含浸性:プリプレグを実体顕微鏡にて観察し、基材を構成しているガラス繊維束(ストランド)の内部(ストランド内)、及びストランド間に存在するボイドを確認した。各符号は下記の通りである。
◎:ボイドが実質的に観察されなかった
○:ストランド内にわずかにボイドがある
(3)成形性:銅張積層板の銅箔をエッチングして、目視によりかすれやボイド等の成形不良が確認されなかったものを「良好」とした。
(4)引張り強さ:銅張積層板の銅箔をエッチングして、10mm×100mmに切断後テンシロンにて引張り強度を測定した。
(5)銅箔引き剥し強さ:JISC 6481に準拠して測定した。
(6)半田耐熱性:50×50mmの積層板を、260℃の半田浴に3分間フロートさせ、ふくれの有無を測定した。
(7)絶縁抵抗:JISC 6481に準拠して測定した。
【0063】
表1の結果から、実施例1〜3は本発明のプリプレグの製造方法により得られたプリプレグ及びこれを成形した積層板であり、プリプレグの含浸性、積層板の成形性及び諸特性のいずれにおいても、従来の樹脂ワニスを用いた製造方法である比較例1と同等以上に優れたものとなった。
【0064】
【発明の効果】
本発明は、
(a)粉体状の熱硬化性樹脂組成物粒子を水に分散させて樹脂分散水を調製する工程、
(b)上記樹脂分散水をシート状繊維基材に担持させて、担持基材Aとする工程、
(c)上記担持基材Aに含有される水分の少なくとも一部を、相対湿度が60%以下、温度が80℃以下である空気で除去して担持基材Bとする工程、を有するプリプレグの製造方法であり、有機溶剤の使用量を低減しながら、含浸性の高いプリプレグを得ることができる。そして、これを成形してなる積層板は、電気的特性、機械的特性などにおいて、従来の製造方法により得られたものと同等の特性を有するものである。従って本発明は、地球環境、作業環境、省資源、低コスト化などに寄与することができるプリプレグ及び積層板の工業的な製造方法として好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリプレグの製造装置の一例(側断面図)
【符号の説明】
1 基材の供給搬送装置
2 樹脂分散水の塗工装置
3 基材に担持された水分を空気により除去する装置
4 水分の一部が除去された担持基材を加熱する装置
51 装置3に空気を供給する装置
52 装置4に空気を供給する装置
53 装置4に空気を供給する装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリプレグ及び積層板の製造方法、及びプリプレグの製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリント回路板については小型化、高機能化の要求が強くなるとともに、価格競争が激しく、特にプリント回路板に用いられるガラス布基材エポキシ樹脂積層板、あるいはガラス不織布を中間層基材としガラス織布を表面層基材とした積層板は、いずれも価格の低減が大きな課題となっている。
【0003】
従来、これらの積層板に用いられるプリプレグの製造工程では、樹脂ワニスに多量の有機溶剤が用いられてきた。これは、樹脂ワニスの調製が容易で、基材への樹脂ワニスの塗布、含浸を均一に行えるためである。しかし、ここで用いられる有機溶剤は、樹脂ワニス塗布後の乾燥工程で蒸発除去されるが、その多くは燃焼装置等で処理されるか、そのまま大気中に放出されていた。このため、有機溶剤自体のコストに加えて、使用後の有機溶剤を処理するためのコストが必要であり、さらに、地球温暖化や大気汚染の一因となることが指摘されるようになり、このような背景から、有機溶剤の使用量の削減が要求されるようになってきた。
【0004】
有機溶剤を使用せずにプリプレグを製造する方法として、粉末状樹脂を基材に塗布する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、粒子径が数十〜数百μmの粉末状樹脂を用いた場合には、材料の均一な混合や塗工が難しく、樹脂の硬化が部分的に起こったり、基材への含浸が不十分になったりすることがある。一方、さらに粒径の小さな粉末状樹脂を用いた場合は、かさ密度が低下して取り扱いが困難になることに加えて、微粒子化した材料が二次凝集を起こして均一分散性が低下するなどの問題があった。
【0005】
また、樹脂に対して親和性の小さい水を分散媒体として用い、微粒子化した粉体樹脂等を分散させて樹脂分散水としたものを用いる方法がある。この方法は、有機溶剤の使用量を低減できるとともに、樹脂を比較的高い均一性で基材に担持させることができる場合がある。
通常、このような樹脂分散水を調製する際には、取り扱い上の問題から、従来の有機溶剤を用いた場合と同等あるいはそれ以上の量の水が用いられる。このため、樹脂分散水を基材に担持させた後、多量の水を除去するために、150〜200℃に加温した熱風を吹き付けて、水の蒸発潜熱を与えることにより、水を蒸発させて除去する方法が採られている。
しかし、このような高温の熱風を用いて水分の乾燥を行うと、用いている樹脂の溶融・反応も同時に進行するため、水分の突沸によりプリプレグ表面に凹凸などの外観欠陥が発生したり、樹脂の溶融・反応が速く進行することにより基材内部に水分が取り残されて積層板の特性に影響を与えたりするという問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開昭51−138766号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、有機溶剤の使用量を低減させることができるプリプレグ及びこれを用いた積層板の製造方法、ならびに、このようなプリプレグを製造する装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、以下の本発明(1)〜(9)によって達成される。
(1)プリプレグの製造方法であって、
(a)粉体状の熱硬化性樹脂組成物を水に分散させて樹脂分散水を調製する工程、
(b)前記樹脂分散水をシート状繊維基材に担持させて、担持基材Aとする工程、
(c)前記担持基材Aに含有される水分の少なくとも一部を、相対湿度が60%以下、温度が80℃以下である空気で除去して担持基材Bとする工程、を有することを特徴とするプリプレグの製造方法。
(2)さらに、
(d)前記担持基材Bを加熱する工程、を有する、請求項1に記載のプリプレグの製造方法。
(3)前記(b)工程は、スプレー装置を用いて前記樹脂分散水を前記シート状繊維基材に担持させる上記(1)又は(2)に記載のプリプレグの製造方法。
(4)前記(c)工程において、前記担持基材Bの含有する水分は、前記シート状繊維基材に担持されている成分全体に対して、1〜10重量%である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
(5)前記空気は、相対湿度が5〜40%である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
(6)前記空気は、温度が20〜60℃である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
(7)上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の製造方法により得られたプリプレグを加熱加圧成形することを特徴とする積層板の製造方法。
(8)プリプレグの製造装置であって、
(p)シート状繊維基材を供給搬送する装置、
(q)粉体状の熱硬化性樹脂組成物を水に分散させた樹脂分散水を、前記シート状繊維基材に担持させる塗工装置、
(r)前記シート状繊維基材に担持された水分の少なくとも一部を、相対湿度が60%以下、温度が80℃以下である空気により除去する装置、及び、
(s)前記空気を供給する装置、
を有することを特徴とする、プリプレグの製造装置。
(9)さらに、
(t)前記水分の少なくとも一部が除去された熱硬化性樹脂組成物担持基材を加熱する装置、
を有する、上記(8)に記載のプリプレグの製造装置。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のプリプレグ及び積層板の製造方法、及びプリプレグの製造装置について説明する。
本発明のプリプレグの製造方法は、
(a)粉体状の熱硬化性樹脂組成物を水に分散させて樹脂分散水を調製する工程、
(b)上記樹脂分散水をシート状繊維基材に担持させて、担持基材Aとする工程、
(c)上記担持基材Aに含有される水分の少なくとも一部を、相対湿度が60%以下、温度が80℃以下である空気で除去して担持基材Bとする工程、を有することを特徴とする。
また、本発明の積層板の製造方法は、上記本発明の製造方法により得られたプリプレグを加熱加圧成形することを特徴とする。
そして、本発明のプリプレグの製造装置は、上記本発明のプリプレグを製造するための装置であって、
(p)シート状繊維基材を供給搬送する装置、
(q)粉体状の熱硬化性樹脂組成物を水に分散させた樹脂分散水を、上記シート状繊維基材に担持させる塗工装置、
(r)上記シート状繊維基材に担持された水分の少なくとも一部を、相対湿度が60%以下、温度が80℃以下である空気により除去する装置、及び、
(s)上記空気を供給する装置、
を有することを特徴とする。
【0010】
まず、本発明のプリプレグの製造方法において、
(a)粉体状の熱硬化性樹脂組成物粒子を水に分散させて樹脂分散水を調製する工程、について説明する。
【0011】
上記(a)工程において用いられる粉体状の熱硬化性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ということがある)は、粉末状の熱硬化性樹脂を必須成分として含有するものである。
このような樹脂組成物としては特に限定されないが、通常、熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤などを含有し、必要に応じてこれらを各々1種類以上混合して用いることができる。
【0012】
樹脂組成物中の熱硬化性樹脂としては特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などのフェノール樹脂、あるいはポリエステル樹脂などが挙げられる。
上記熱硬化性樹脂の硬化に際して、硬化剤や硬化促進剤を必要とする場合には、これを配合することができる。例えば、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合は、硬化剤として酸無水物化合物、ジシアンジアミド、芳香族アミンなどのアミン化合物、ノボラック型フェノール樹脂などを用いることができる。また、硬化促進剤としては、イミダゾール化合物、第3級アミン化合物などを用いることができる。
【0013】
上記の成分のほか、樹脂組成物の流動性付与材、熱可塑性樹脂などの可塑性付与剤、着色剤、あるいは無機充填材を添加することもできる。樹脂組成物に無機充填材を配合すると、積層板に耐トラッキング性、耐熱性、低熱膨張率等の特性を付与することができる。かかる無機充填材としては特に限定されないが、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、タルク、ウォラストナイト、アルミナ、シリカ、未焼成クレー、焼成クレー、硫酸バリウム等が挙げられる。
【0014】
上記樹脂組成物の粒径は特に限定されないが、後述する樹脂分散水中における平均粒径が0.1〜50μmであることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜10μmである。これにより、プリプレグの製造時における各材料の均一分散性と、プリプレグ並びに積層板を製造する際の樹脂成分の均一硬化性を向上させることができる。さらに、樹脂組成物粒子が基材の単繊維間へ侵入しやすくなるとともに、その後に加熱工程を経る場合には、樹脂組成物の溶融・含浸が容易になり、含浸性の良好なプリプレグを得ることができる。平均粒径が上記下限値未満では、樹脂組成物の取り扱い性が低下することがあり、上記上限値を超えると、均一分散性が低下するようになる。
【0015】
上記樹脂組成物を水に分散させて、樹脂分散水を調製する方法としては特に限定されないが、湿式、乾式いずれの方法を適用することができる。
湿式の場合は、高圧ホモジナイザーに代表されるような高圧高速の分散装置を粉砕装置として利用することができる。具体的には、例えば、予め平均粒子径50〜150μmに粗粉砕された材料混合物を水に分散させ、これを200〜3000kg/cm2の高圧で高速処理することにより、微粒子化物が分散した樹脂スラリーを連続的に得ることができる。
このほかにも、微粒子化した原材料混合物をノズル噴霧装置から噴霧し、これにノズル霧化装置により微粒子化された水に接触させて、水との濡れ性を高めた後に、通常の撹拌装置等を用いて水に分散させる方法などが挙げられる。
また、乾式の場合は、粗粉砕された材料もしくは材料混合物をジェットミルに代表されるような粉砕装置を用いて微粒子化し、これをヘンシェルミキサーのような攪拌装置などを用いて水に分散混合させることにより、樹脂分散水を得ることができる。
【0016】
このような方法により得られた樹脂分散水は特に限定されないが、樹脂分散水中の樹脂組成物濃度を40〜70重量%とすることが好ましい。これにより、取り扱い性に優れ、基材へ担持させるのに適した樹脂分散水とすることができる。
なお、上記樹脂分散水は、有機溶剤を含有することができる。例えば、硬化剤、硬化促進剤、添加剤など、樹脂組成物中における配合量は少量であっても、その機能が重要であり、かつ、樹脂組成物中に高い均一分散性で混合する必要があるものについては、これらの成分を有機溶剤に溶解し、上記樹脂分散水と混合して用いることもできる。有機溶剤の量は、本発明の目的から多量に使用することは好ましくないが、溶媒として用いる成分全体の50重量%以下、好ましくは20重量%以下である。 ただし、このように有機溶剤を用いると、そのまま排出すると環境汚染の一因となり、また、燃焼装置等を設置して処理する場合にはプリプレグの製造コストが高騰することになるので、プリプレグや積層板の特性に影響を与えない範囲内で、できるだけ少ない量とすることが好ましい。
【0017】
次に、(b)上記樹脂分散水をシート状繊維基材に担持させて、担持基材Aとする工程、について説明する。
【0018】
上記(b)工程において用いられるシート状繊維基材(以下、単に「基材」ということがある)としては特に限定されないが、例えば、ガラス織布、ガラス不繊布等のガラス繊維基材、紙、合成繊維等からなる織布や不織布、金属繊維、カーボン繊維、鉱物繊維等からなる織布、不織布、マット類等が挙げられる。これらの基材の原料繊維は単独又は混合して使用することもできる。
【0019】
上記(b)工程において、樹脂分散水を基材に担持させる方法としては特に限定されないが、例えば、樹脂分散水をスプレー装置を用いて基材に噴射して塗工する方法、樹脂分散水中に基材を浸漬する方法、ナイフコーター、コンマコーター等の各種コーターにより樹脂分散水を基材に塗工する方法、あるいは、リバースコーター等の転写ロールにより樹脂分散水を基材に転写する方法、などが挙げられる。
これらの中でも、樹脂分散水をスプレー装置を用いて、基材に噴射して塗工する方法が好ましい。これにより、基材の両面に同時に塗工することができるとともに、噴射により樹脂分散水が運動エネルギーをもって基材に衝突するので、樹脂組成物粒子を基材繊維内に圧入することができ、プリプレグの含浸性を向上させることができる。
なお、スプレー装置を用いて基材に噴射して塗工する方法や、樹脂分散水中に基材を浸漬する方法などを適用する場合は、その方法のみによって行ってもよいし、基材に担持させる樹脂組成物量の調整やプリプレグ表面の平滑性を向上させるために、コンマコーター、ナイフコーター、スクイズロールなどを併せて用いることもできる。
【0020】
次に、(c)上記担持基材Aに含有される水分の少なくとも一部を、相対湿度が60%以下、温度が80℃以下である空気で除去して担持基材Bとする工程、について説明する。
【0021】
上記(c)工程において用いられる空気は、相対湿度が60%以下である。
上記担持基材Aは、樹脂組成物とともに水分を担持している。このため、担持基材Aの表面付近における相対湿度は非常に高い。ここに、相対湿度が低い空気を接触させることにより、相対湿度差が推進力となり、担持基材Aから上記空気へ水分の移動及び拡散が起こる。これにより、担持基材Aに含有されている水分を効率的に除去することができる。
【0022】
上記空気の調湿方法としては特に限定されないが、例えば、乾式除湿装置、湿式除湿装置(中外エアシステム社製・「Kathabar」など)を用いて調湿したものを用いてもよいし、冬季の乾燥した外気等であればそのまま導入して使用することもできる。
【0023】
担持基材Aに含有された水分を除去する目的からは、上記空気はできるだけ相対湿度が低いことが好ましい。但し、湿度調製前の空気の性状にもよるが、一般的には、高度に除湿した空気を得るためには、上記乾燥装置を高い負荷で稼働させることが必要となり、プリプレグの製造コストを高騰させる原因になることがある。このような経済上の観点も鑑みると、上記空気の相対湿度は、5〜40%とすることがさらに好ましい。
【0024】
また、上記空気の温度は80℃以下である。
このように、従来の方式と比較して低温である空気を用いることにより、このような温度に空気を温調するためのエネルギーコストを低減させることができる。
また、通常この温度域では、樹脂組成物中の樹脂成分が溶融することは少ないので、担持基材Aに含有されている水分の除去だけを先行させることができる。そして、水の沸点に対して相対的に充分低温であるので、水の突沸による基材からの樹脂組成物の剥離等も起こらず、塗工の段階で整面したプリプレグ表面の均一性を維持することができる。
上記の目的のためには、上記空気の温度は、20〜60℃とすることがさらに好ましい。
【0025】
また、空気の温調方法としても特に限定されないが、加温する必要がある場合は、一般的に用いられる熱源により直接加温してもよいし、熱交換システムにより温調する方法を採用することもできる。
【0026】
上記(c)工程において、担持基材Bとなった時点での含有水分量としては特に限定されないが、基材に担持されている成分(樹脂組成物+残水分)全体に対して、1〜10重量%であることが好ましい。さらに好ましくは2〜5重量%である。これにより、樹脂組成物を基材に安定した状態で担持させて、次の工程に送ることができるとともに、次の工程において熱硬化性樹脂の溶融、硬化等を行う場合は、残留水分による影響を実質的になくすることができる。
【0027】
本発明のプリプレグの製造工程においては、上記(a)〜(c)工程の後、さらに、
(d)上記担持基材Bを加熱する工程、を有することができる。
これにより、水が実質的に全て蒸発するとともに、熱硬化性樹脂成分等が溶融して低粘度化し、基材繊維間に含浸したプリプレグを得ることができる。また、熱硬化性樹脂の硬化反応を途中まで進行させることができるので、プリプレグに担持される樹脂組成物の流動性を適正なものとすることができ、後述する積層板の製造工程において、過大な熱硬化性樹脂の流れ出しを防止し、かつ、短時間で積層板を製造することができる。また、プリプレグの取り扱い性を向上させることができる。
【0028】
上記担持基材Bを加熱する方法としては特に限定されないが、例えば、加温した空気により行う方法、加温した輻射パネルからの輻射熱により行う方法、あるいは、遠赤外線ヒーターパネルなどにより行う方法などが挙げられる。
上記担持基材Bを加熱する条件としては、熱硬化性樹脂や硬化剤などの種類、配合量により異なるので特に限定されないが、通常、上記担持基材Bの表面温度が100〜220℃、好ましくは120〜190℃で1〜10分間行うことができる。
【0029】
このようにして得られたプリプレグに担持されている樹脂組成物の量としては特に限定されないが、通常、プリプレグ重量(基材+樹脂組成物)全体に対して、40〜60重量%程度とすることができる。
【0030】
本発明の製造方法においては、以上に説明したように、水を基本媒体とした樹脂分散水を基材に担持させ、これを上記の湿度・温度に調整された空気を用いて水分の除去を行うことを特徴とする。
従来の熱風を用いた乾燥方式においては、水は熱風から蒸発潜熱を奪うことにより蒸発し、乾燥が行われる。このため、加温空気の供給に大きなエネルギーコストを要するとともに、基材に担持された水の蒸発と、樹脂成分の溶融・反応等が同時に起こるため、プリプレグ表面の外観が悪化したり、樹脂成分の反応が速いと水の蒸発が不充分となって、積層板特性に影響を与えたりすることがあった。
これに対して本発明の製造方法においては、常温ないしは若干加温し、湿度を低く抑えた調整空気を用いる。このとき水は、担持基材の表面と上記調整した空気との湿度差をなくす方向に移動・拡散する。この原理により、水の除去を効率的に行うことができるので、水分の除去のための装置規模に対して、プリプレグの製造効率を向上させることができる。さらに、水分の除去と、樹脂成分等の溶融・反応を順次実質的に別工程で実施するので、特性、外観等に優れたプリプレグ及び積層板を製造することができる。
【0031】
次に、本発明の積層板の製造方法について説明する。
本発明の積層板の製造方法は、以上の方法により得られたプリプレグを加熱加圧成形することを特徴とする。
本発明の積層板の製造方法において、プリプレグを加熱加圧成形する条件としては特に限定されないが、一例を挙げると、平板プレス装置を使用して、温度150〜200℃、圧力2〜6MPa、時間15〜100分間で成形することができる。
また、ここで必要に応じて、上記プリプレグとともに金属箔を加熱加圧成形して、金属箔張積層板とすることもできる。このような金属箔を構成する金属としては特に限定されないが、例えば、銅または銅系合金、アルミまたはアルミ系合金等を挙げることができる。金属箔の厚さは特に限定されないが、通常3〜70μmのものが用いられる。金属箔は、プリプレグの片面あるいは両面に積層され、プリプレグとともに一体成形され金属箔張積層板とすることができる。
【0032】
次に、本発明のプリプレグの製造装置について説明する。
本発明の製造装置は、本発明のプリプレグの製造方法を適用することができる製造装置であって、
(p)シート状繊維基材を供給搬送する装置、
(q)粉体状の熱硬化性樹脂組成物を水に分散させた樹脂分散水を、前記シート状繊維基材に担持させる塗工装置、
(r)前記シート状繊維基材に担持された水分の少なくとも一部を、相対湿度が60%以下、温度が80℃以下である空気により除去する装置、及び、
(s)前記空気を供給する装置、
を有することを特徴とする。
また、さらに必要に応じて、
(t)上記水分の少なくとも一部が除去された熱硬化性樹脂組成物担持基材を加熱する装置、
を有することができる。
【0033】
以下、本発明のプリプレグの製造装置(以下、単に「製造装置」ということがある)について、好適な実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の製造装置の一例を示す断面側面図である。本発明の製造装置は、図1に示すように、基材の供給搬送装置1、樹脂分散水の塗工装置2、基材に担持された水分を空気により除去する装置3、水分の少なくとも一部が除去された担持基材を加熱する装置4、及び、装置3に空気を供給する装置51、装置4に空気を供給する装置52、53とを有している。
【0034】
図1において、基材は巻物形態の基材1aから繰り出されて搬送される。
基材1bは、スプレー装置21a、21bにより、その両面から樹脂分散水23を噴射され、基材1bの内部及び表面に樹脂分散水23が担持される。この直後、適正なギャップに調整されたコンマロール対22a、22bの間を通過し、基材に担持される樹脂分散水の量を適正化するとともに、基材表面の平滑性を向上させる。このようにして、樹脂分散水23を担持した担持基材1c(担持基材A)とすることができる。担持基材1cは、これに担持された水分を除去する装置3へ送られる。
なお、余剰分の樹脂分散水23はバット24に回収し、樹脂分散水23の貯留装置25へ送られる。
【0035】
装置3には、担持基材1dの上昇路において、基材表面に対して垂直方向から空気を噴射できる噴射ノズル板31、31・・・が、基材の両面側に交互に配置されている。このノズル板31、31・・・から、担持基材1dは所定の温度、湿度に調製された空気を噴射されることにより、担持基材1d中の水分が該空気中に移動し、水分の除去を行うことができる。担持基材1dは装置3内を上昇した後、反転部32へ至る。
【0036】
反転部32は図示していないが、円弧状の外周面のほぼ全面に、多数の空気噴出口を設けており、担持基材1eに向けて空気を噴出することにより、担持基材1eは反転部32の外周案内面から少し浮上した状態で反転することができ、担持した樹脂分散水が反転部32へ付着するのを防止している。
なお、反転部32で用いられる空気は、上記噴射ノズル板31に供給されているものと同じものを用いることができる。この空気は、図示していない湿式除湿装置により所定の温度・湿度に調節されたものを、ブロアー51から供給している。
【0037】
反転後、担持基材1fは下降路で上記上昇路と同様に噴射ノズル板31、31・・・から空気の噴射を受け、下部の方向転換部33に至る。方向転換部33の機構は、外周面積が半分になっていること以外は、上記反転部32と同様であり、担持基材1gは方向転換部33に接触することなく、90度方向転換され、装置3から水平方向に搬出され、装置4へ送られる。
【0038】
次に、担持基材1hは方向転換部43において90度方向転換され上昇方向に向かう。方向転換部43の機構は、転換する方向が異なること以外は上記方向転換部33と同様である。
装置4には、担持基材1iの上昇路において、基材表面に対して垂直方向から輻射熱を供給できる輻射パネル41、41が、基材の両面側に配置されている。この輻射パネル41、41からの熱供給により、樹脂成分等の溶融、基材への含浸、樹脂成分の部分的硬化を進行させることができる。
【0039】
担持基材1hは装置4内を上昇した後、反転部42の外周面外側を通過する。反転部42の機構は上記反転部32と同様である。また、ここで反転部42の外周面から浮上させるために用いる空気は、反転部42を通過する担持基材1Jの温度と同等程度のものを使用することが好ましい。これにより、エネルギーロスを低減させることができる。この空気は、図示していない温調装置により所定の温度に加温されたものを、ブロアー52から供給している。
なお、装置4入口に設置されている方向転換部43において使用される空気についても、上記反転部42と同じものを用いることができる。
【0040】
上記反転後、担持基材1kは下降路で上記上昇路と同様に輻射パネル41、41から輻射熱の供給を受ける。
【0041】
装置4内において、担持基材1kは比較的高温に加温されており、その表面は溶融樹脂により強いタック性を有していることが多い。このため、輻射パネル41、41から必要な輻射熱の供給を受けた後、冷風供給ノズル43、43により、担持基材1lを冷却し、タック性をなくすことにより取り扱いが可能となる。冷風供給ノズル43、43からの空気は、図示していない温調装置により所定の温度に冷却されたものを、ブロアー53から供給している。
装置4から搬出された担持基材1mは、方向転換後、巻き取りを行って巻物状のプリプレグ1nとなる。
【0042】
なお、上記装置3、装置4の内部には、ブロアー51、52、53から各々の性状を有する空気が供給されているので、基本的に装置3、装置4内は正圧になる。必要に応じて、これを排出口61、62から排出することができる。排出された空気は廃棄してもよいし、必要に応じて各湿式除湿装置、温調装置に送り、温度及び/又は湿度を調節して再利用することもできる。
【0043】
本発明の製造装置において、基材に樹脂分散水を担持させる方法としては、図1に示したようなスプレー装置を用いる方法のほか、上記本発明の製造方法において示したような方法によって行うこともできる。
【0044】
また、上記装置3、及び装置4内における基材の移送方法として、図1に示した実施形態においては、装置3、装置4内において基材を鉛直方向に搬送し、これを各々1回反転させる方式を用いているが、特にこのような方式に限定されるものではなく、例えば、鉛直方向に反転せず1パスで搬送する方式、あるいは、水平方向に搬送する方式などが挙げられる。
【0045】
上記のいずれの搬送形態でも基材に担持された樹脂分散水中の水分の除去を行うことはできるが、図1に示したような鉛直方向で反転する方式によると、装置規模をコンパクトにすることができ、また、基材に作用する張力を低減できるので、基材繊維の曲がりなどが起こりにくいという利点がある。さらに、基材両面に担持した樹脂組成物に作用する重力の影響を実質的に均等にすることができるので、樹脂組成物の担持量を基材両面でバランスさせやすいというメリットもある。
なお、このように装置内で反転させる回数は、装置3、装置4内において各々1回に限定されるものではなく、装置規模、装置形状により、2回以上の反転を行うように設計することもできる。
【0046】
また、上記装置4内において用いられる、基材に担持された熱硬化性樹脂を加熱する方式としては、図1に示したような輻射熱を用いる方法のほか、熱風、遠赤外線などによる方法を用いてもよい。
【0047】
従来、例えばガラス織布基材を用いた樹脂含浸プリプレグを製造する場合は、樹脂ワニス中に基材を浸漬させた後、縦型の乾燥装置を用いて有機溶剤の除去・樹脂の反応を行う方法が一般的であった。
この場合、プリプレグの製造能力を決定するのは乾燥装置の乾燥能力であり、通常、製造能力を向上するためには乾燥装置を拡大して、樹脂含浸基材の搬送速度を上げる手法が採られてきた。しかし、縦型の乾燥装置は構造上、長さの拡張に比例して基材に作用する張力が増大し、これが基材繊維の曲がりや基材破断の原因となるため、その製造能力には限界があった。
また、上記本発明の製造装置で示したような、非接触の含浸基材反転部を設けて、基材に作用する張力を軽減させる方法も考えられる。しかし、この反転部においては含浸基材を浮遊させるために高温の空気を強く噴射する必要があるため、樹脂ワニスの配合によっては溶解している成分の揮発・減少を生じやすく、成分比率の変動による反応のバラツキが起こることがあった。さらに、揮発した成分が乾燥装置内を汚染し、これがプリプレグの品質を低下させる原因ともなっていた。
【0048】
これに対して本発明の製造方法においては、樹脂分散水を基材に担持させ、この水分を所定の空気により除去した後に、好ましくはこれを加温してプリプレグを得る。このため、水分除去の工程に上記の反転装置を設けても、実質的に成分減少は起こらないと考えられる。また、さらにこれを加温する工程においても、粒状樹脂が溶融し、反応が進行する段階に移行しているので、成分減少を小さく抑えられる。このため、水分除去工程、加熱工程のいずれにおいても、このような反転装置を任意に設けることができる。
このように、乾燥装置内の基材搬送形態に関して自由度が大きくなるので、例えば、高さ方向の寸法を低く抑えながら、従来よりも大幅に製造能力を向上させたプリプレグの製造装置を簡易に設計することができる。このような製造装置を用いた場合は、基材に作用する張力も低減できるので、プリプレグ及び積層板の品質上も好ましいものである。
【0049】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
【0050】
<実施例1>
(1)樹脂組成物の調製
平均粒径80μmの粉末状のエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製・臭素化エポキシ樹脂Ep5048、エポキシ当量675)100重量部、平均粒子径15μmの粉末状の硬化剤(ジシアンジアミド)2重量部、及び平均粒径15μmの粉末状の硬化促進剤(2−エチル−4−メチルイミダゾール)0.1重量部を、ヘンシェルミキサーで混合攪拌(600rpm、1分)した。この混合原料をホソカワミクロン社製のカウンタージェットミル200AFG(ノズル径3mm×3本)を用いて、空気圧600kPa、圧空量1.7m3/minで処理し、分級ローター(11500rpm)で補集し、樹脂組成物を得た。この平均粒径を測定したところ、1.5μmであった。
【0051】
(2)樹脂分散水の調製
水100重量部に対して、界面活性剤としてポリオキシエチレンモノステアレート(花王社製・エマノーン3199)1重量部を加え、ディスパーザー(1560rpm)で撹拌混合しながら、上記樹脂組成物を徐々に100重量部まで加えていった。その後更に10分間攪拌し、樹脂組成物含有率50重量%の樹脂分散水を得た。
【0052】
(3)プリプレグの製造
図1に示した形態の装置を用いて行った。
(3.1)塗工
基材として、平均繊維径9μm、坪量100g/m2のガラス織布を使用し、この両面側からスプレー装置(アトマックス社製・2流体スプレーノズル・BN−90S−IS 空気圧4kg/cm2)を用い、塗工を行った。これを、ギャップを調製したコンマコーター対間を通して、樹脂組成物担持量が114g/m2となるように調整した。
【0053】
(3.2)水分の除去
図1において装置3の内部に、湿式除湿装置を用いて、温度40℃、相対湿度30%に調製した空気を供給し、装置3の出口部分における担持基材中の水分含有量が3重量%となるように水分の除去を行った。
【0054】
(3.3)樹脂組成物の加熱
図1において装置4の内部に設置された輻射パネルにより、担持基材の表面温度190℃で1.5分間保持できるように加熱処理を行い、プリプレグを得た。
【0055】
(3.4)積層板の製造
上記プリプレグを2枚重ね合わせ、さらにその表裏に厚さ18μmの電解銅箔を重ね合わせ、真空プレス装置を用い、温度190℃、圧力4MPaで90分間加熱加圧成形して、厚さ0.22mmの銅張積層板を製造した。
【0056】
<実施例2>
実施例1(3.2)において、水分の除去に温度50℃、相対湿度20%に調製した空気を供給し、装置3の出口部分における担持基材中の水分含有量が1重量%となるように水分の除去を行った以外は、実施例1と同様にしてプリプレグ及び積層板を製造した。
【0057】
<実施例3>
実施例1(3.2)において、水分の除去に温度30℃、相対湿度40%に調製した空気を供給し、装置3の出口部分における担持基材中の水分含有量が5重量%となるように水分の除去を行った以外は、実施例1と同様にしてプリプレグ及び積層板を製造した。
【0058】
<比較例1>
(1)樹脂ワニスの調製
エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製・臭素化エポキシEp5048、エポキシ当量675)100重量部、硬化剤(ジシアンジアミド)2重量部、及び硬化促進剤(2−エチル−4−メチルイミダゾール)0.1重量部をメチルセルソルブ100重量部に溶解し樹脂ワニスを調製した。このワニスに実施例1で用いた基材を1秒間浸漬した後、コンマコーターを用いて樹脂組成物保持量が114g/m2となるように調整し、これを170℃の熱風加熱乾燥装置で3分間加熱してプリプレグを得た。
【0059】
(2)積層板の製造
上記プリプレグ用い、実施例1と同様にして銅張積層板を製造した。
【0060】
実施例及び比較例で得られたプリプレグ及び積層板について、各特性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
〔測定方法〕
(1)平均粒子径:粒度分布計(HORIBA LA−910)により測定した。
(2)含浸性:プリプレグを実体顕微鏡にて観察し、基材を構成しているガラス繊維束(ストランド)の内部(ストランド内)、及びストランド間に存在するボイドを確認した。各符号は下記の通りである。
◎:ボイドが実質的に観察されなかった
○:ストランド内にわずかにボイドがある
(3)成形性:銅張積層板の銅箔をエッチングして、目視によりかすれやボイド等の成形不良が確認されなかったものを「良好」とした。
(4)引張り強さ:銅張積層板の銅箔をエッチングして、10mm×100mmに切断後テンシロンにて引張り強度を測定した。
(5)銅箔引き剥し強さ:JISC 6481に準拠して測定した。
(6)半田耐熱性:50×50mmの積層板を、260℃の半田浴に3分間フロートさせ、ふくれの有無を測定した。
(7)絶縁抵抗:JISC 6481に準拠して測定した。
【0063】
表1の結果から、実施例1〜3は本発明のプリプレグの製造方法により得られたプリプレグ及びこれを成形した積層板であり、プリプレグの含浸性、積層板の成形性及び諸特性のいずれにおいても、従来の樹脂ワニスを用いた製造方法である比較例1と同等以上に優れたものとなった。
【0064】
【発明の効果】
本発明は、
(a)粉体状の熱硬化性樹脂組成物粒子を水に分散させて樹脂分散水を調製する工程、
(b)上記樹脂分散水をシート状繊維基材に担持させて、担持基材Aとする工程、
(c)上記担持基材Aに含有される水分の少なくとも一部を、相対湿度が60%以下、温度が80℃以下である空気で除去して担持基材Bとする工程、を有するプリプレグの製造方法であり、有機溶剤の使用量を低減しながら、含浸性の高いプリプレグを得ることができる。そして、これを成形してなる積層板は、電気的特性、機械的特性などにおいて、従来の製造方法により得られたものと同等の特性を有するものである。従って本発明は、地球環境、作業環境、省資源、低コスト化などに寄与することができるプリプレグ及び積層板の工業的な製造方法として好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリプレグの製造装置の一例(側断面図)
【符号の説明】
1 基材の供給搬送装置
2 樹脂分散水の塗工装置
3 基材に担持された水分を空気により除去する装置
4 水分の一部が除去された担持基材を加熱する装置
51 装置3に空気を供給する装置
52 装置4に空気を供給する装置
53 装置4に空気を供給する装置
Claims (9)
- プリプレグの製造方法であって、
(a)粉体状の熱硬化性樹脂組成物を水に分散させて樹脂分散水を調製する工程、
(b)前記樹脂分散水をシート状繊維基材に担持させて、担持基材Aとする工程、
(c)前記担持基材Aに含有される水分の少なくとも一部を、相対湿度が60%以下、温度が80℃以下である空気で除去して担持基材Bとする工程、を有することを特徴とするプリプレグの製造方法。 - さらに、
(d)前記担持基材Bを加熱する工程、を有する、請求項1に記載のプリプレグの製造方法。 - 前記(b)工程は、スプレー装置を用いて前記樹脂分散水を前記シート状繊維基材に担持させる請求項1又は2に記載のプリプレグの製造方法。
- 前記(c)工程において、前記担持基材Bの含有する水分は、前記シート状繊維基材に担持されている成分全体に対して、1〜10重量%である請求項1ないし3のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
- 前記空気は、相対湿度が5〜40%である請求項1ないし4のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
- 前記空気は、温度が20〜60℃である請求項1ないし5のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の製造方法により得られたプリプレグを加熱加圧成形することを特徴とする積層板の製造方法。
- プリプレグの製造装置であって、
(p)シート状繊維基材を供給搬送する装置、
(q)粉体状の熱硬化性樹脂組成物を水に分散させた樹脂分散水を、前記シート状繊維基材に担持させる塗工装置、
(r)前記シート状繊維基材に担持された水分の少なくとも一部を、相対湿度が60%以下、温度が80℃以下である空気により除去する装置、及び、
(s)前記空気を供給する装置、
を有することを特徴とする、プリプレグの製造装置。 - さらに、
(t)前記水分の少なくとも一部が除去された熱硬化性樹脂組成物担持基材を加熱する装置、
を有する、請求項8に記載のプリプレグの製造装置。
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JP2011513603A (ja) * | 2008-03-12 | 2011-04-28 | イデコ, エセ. コープ | 繊維ブランケットの自動位置調整のためのヘッド |
-
2003
- 2003-03-06 JP JP2003059800A patent/JP2004269612A/ja active Pending
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