JP2004269599A - 高分子固体電解質、その製造方法およびそれを用いた固体高分子型燃料電池 - Google Patents

高分子固体電解質、その製造方法およびそれを用いた固体高分子型燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】メタノールクロスオーバーが少なく、高出力を達成できる新規な高分子固体電解質およびその製造方法ならびにそれを用いた高性能な固体高分子型燃料電池等を提供すること。
【解決手段】少なくともイオン性基を有し、かつ主鎖に下記一般式(I)を有する芳香族リン系ポリマーからなることを特徴とする高分子固体電解質。
【化1】
Figure 2004269599

[式中、Rは有機基、Xは酸素、硫黄あるいはセレンを表し、高分子固体電解質中にRあるいはXの異なる置換基を2種以上含んでもよい。]
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子固体電解質、その製造方法およびそれを用いた固体高分子型燃料電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、排出物が少なく、かつ高エネルギー効率で環境への負担の低い発電装置である。このため、近年の地球環境保護への高まりの中で再び脚光を浴びている。燃料電池は、従来の大規模発電施設に比べ、比較的小規模の分散型発電施設や自動車や船舶など移動体の発電装置として、将来的にも期待されている発電装置である。また、燃料電池は、小型移動機器や携帯機器の電源としても注目されており、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの二次電池に替わり、携帯電話やパソコンなどへの搭載が期待されている。
【0003】
固体高分子型燃料電池においては、水素ガスを燃料とする従来の固体高分子型燃料電池(以下、PEFCと記載する)に加えて、メタノールを直接供給するダイレクトメタノール型燃料電池(以下、DMFCと記載する)も注目されている。DMFCは、従来のPEFCに比べて出力が低いものの、燃料が液体で改質器を用いないために、エネルギー密度が高くなり、一充填あたりの携帯機器の使用時間が長時間になるという利点がある。
【0004】
燃料電池は通常、発電を担う反応の起こるアノードとカソードの電極と、アノードとカソード間のイオン伝導体となる電解質膜とが、膜―電極複合体(MEA)を構成し、このMEAがセパレータによって挟まれたセルをユニットとして構成されている。ここで、電極は、ガス拡散の促進と集(給)電を行う電極基材(ガス拡散電極あるいは集電体とも云う)と、実際に電気化学的反応場となる電極触媒層とから構成されている。例えば、固体高分子型燃料電池のアノード電極では、水素ガスなどの燃料がアノード電極の触媒層で反応してプロトンと電子を生じ、電子は電極基材に伝導し、プロトンは高分子固体電解質へと伝導する。このため、アノード電極には、ガスの拡散性、電子伝導性およびイオン伝導性が良好なことが要求される。一方、カソード電極では、酸素や空気などの酸化ガスがカソード電極の触媒層で、高分子固体電解質から伝導してきたプロトンと、電極基材から伝導してきた電子とが反応して水を生成する。このため、カソード電極においては、ガス拡散性、電子伝導性およびイオン伝導性とともに、生成した水を効率よく排出することも必要となる。
【0005】
特に、固体高分子型燃料電池の中でも、メタノールなどの有機溶媒を燃料とするDMFC用電解質膜においては、水素ガスを燃料とする従来のPEFC用の電解質膜に要求される性能に加えて、燃料のメタノール水溶液透過抑制も要求される。電解質膜のメタノール透過は、メタノールクロスオーバー(MCO)、ケミカルショートとも呼ばれ、電池出力およびエネルギー効率が低下するという問題を引き起こす。
【0006】
これまで、固体高分子型燃料電池の電解質膜においては、例えば、超強酸基含有フッ素系高分子であるナフィオン(Nafion、デュポン社の登録商標。以下同様。)が用いられてきた。しかしながら、ナフィオンは、フッ素系のポリマーであるため非常に高価であると同時に、クラスター構造を形成するためにメタノールクロスオーバー(以下、MCOと略す)が大きいという課題があった。また、含フッ素化合物は、合成時および廃棄時の環境への配慮も必要となってくる。そこで、非フッ素系のプロトン伝導体の高分子電解質が市場から望まれていた。
【0007】
従来、非フッ素系ポリマーをベースとした高分子プロトン伝導体についても既にいくつかの取り組みがなされている。1950年代には、スチレン系の陽イオン交換樹脂が検討された。しかしながら、通常燃料電池に使用する際の形態である膜としての強度が十分ではなかったため、十分な電池寿命を得るには至らなかった。スルホン化芳香族ポリエーテルエーテルケトンを電解質に用いた燃料電池の検討もなされている。例えば、有機溶媒に難溶性の芳香族ポリエーテルエーテルケトン(以降、PEEKと略称することがある。)が、高度にスルホン化することにより有機溶媒に可溶となり成膜が容易になることが紹介されている(非特許文献1参照。)。しかしながら、これらのスルホン化PEEKは、同時に親水性も向上し、水溶性となったり、あるいは吸水時の強度低下などを引き起こす。燃料電池は、通常燃料と酸素の反応により水を副生するか、あるいはDMFCにおいては燃料自体がメタノール水溶液であることから、特にかかるスルホン化PEEKが水溶性となる場合にはそのまま燃料電池用電解質へ利用するには適さない。また、非特許文献2には芳香族ポリエーテルスルホンであるPSF(UDELP−1700)やPESのスルホン化物について記載されている(非特許文献2参照)。それにはスルホン化PSFは完全に水溶性となってしまい、電解質としての評価ができないとされている。スルホン化PESについては水溶性とはならないけれども、高吸水率の問題から架橋構造の導入を提案している。リン系ポリマーをベースとした高分子プロトン伝導体についても既に取り組みがなされている。例えば、非特許文献3には、ポリホスファゼンのスルホン化物について記載されている(非特許文献3参照。)。しかしながら、スルホン化ポリホスファゼンは主鎖自身が極めて親水性であり、水溶性の問題から架橋構造の導入が提案されている。
【0008】
【非特許文献1】
「ポリマー」(Polymer), 1987, vol. 28, 1009.
【0009】
【非特許文献2】
「ジャーナル オブ メンブレン サイエンス」(Journal of Membrane Science), 83 (1993) 211−220.
【0010】
【非特許文献3】
「ジャーナル オブ アプライド ポリマー サイエンス」(Journal of Applied Polymer Science), 71 (1999) 387−399.
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
これら従来の技術においては、得られる電解質が高価であったり、耐水性が不足して強度が不十分かあるいはメタノールクロスオーバーが大きく、耐酸化性や耐ラジカル性に劣る等の問題点があった。
【0012】
そこで本発明の目的は、安価であり、耐水性が高く機械強度に優れ、高プロトン伝導性と低MCOが両立され、さらに耐酸化性および耐ラジカル性に優れた高分子固体電解質、その製造方法およびそれを用いた高性能な固体高分子型燃料電池を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を達成するために、本発明は次のような構成を有する。すなわち、(1)少なくともイオン性基を有し、かつ主鎖に下記一般式(I)で示される基を有する芳香族リン系ポリマーからなることを特徴とする高分子固体電解質、
【0014】
【化3】
Figure 2004269599
【0015】
(式中、Rは有機基、Xは酸素、硫黄あるいはセレンを表し、高分子固体電解質中にRあるいはXの異なる置換基を2種以上含んでもよい。)、
(2)イオン性基が、スルホン酸基、スルホンイミド基、硫酸基、ホスホン酸基、リン酸基およびカルボン酸基から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする前記(1)記載の高分子固体電解質、
(3)イオン性基が、スルホン酸基であることを特徴とする前記(1)または(2)記載の高分子固体電解質、
(4)芳香族リン系ポリマーのスルホン酸基密度が、0.1〜5.0mmol/gであることを特徴とする前記(3)記載の高分子固体電解質、
(5)芳香族リン系ポリマーのスルホン酸基密度が、1.0〜3.5mmol/gであることを特徴とする前記(3)記載の高分子固体電解質、
(6)芳香族リン系ポリマーが、主鎖に炭素−リン−炭素結合を有することを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載の高分子固体電解質、
(7)芳香族リン系ポリマーが、芳香族ポリエーテルホスフィンオキシドであることを特徴とする前記(6)記載の高分子固体電解質、
(8)芳香族リン系ポリマーが、芳香族ポリ(エーテルホスフィンオキシド/エーテルケトン)共重合体であることを特徴とする前記(6)記載の高分子固体電解質、
(9)少なくともイオン性基を有し、かつ主鎖に上記一般式(I)で示される基を有する芳香族リン系ポリマーを製膜後、放射線架橋せしめることを特徴とする前記(1)〜(8)のいずれかに高分子固体電解質の製造方法、
(10)前記(1)〜(9)のいずれかに記載の高分子固体電解質を用いてなることを特徴とする固体高分子型燃料電池、および
(11)炭素数1〜3のアルコール、ジメチルエーテルおよびこれらの水溶液から選ばれた少なくとも1種を燃料に用いることを特徴とする前記(10)記載の固体高分子型燃料電池、である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0017】
本発明の高分子固体電解質は、少なくともイオン性基を有し、かつ主鎖に下記一般式(I)で示される基を有する芳香族リン系ポリマーからなることを特徴とするものである。
【0018】
【化4】
Figure 2004269599
【0019】
(式中、Rは有機基、Xは酸素、硫黄あるいはセレンを表し、高分子固体電解質中にRあるいはXの異なる置換基を2種以上含んでもよい。)
本発明で用いられる芳香族リン系ポリマーは、主鎖に前記一般式(I)で示される基を有するとともに、その構造の少なくとも一部に芳香環を有するポリマーである。
【0020】
主鎖に前記一般式(I)に示すような5価のリン原子を導入することにより、優れた耐熱・耐候性、耐酸化性・耐ラジカル性を有し、四面体構造のため主鎖が極めて剛直かつ安定で水やメタノール水溶液中での膨潤が抑制されてMCOが低減し、膜の強度低下も抑えられるという効果を奏するものである。また、前記一般式(I)の極性基の存在により、多くの一般的溶媒への溶解性が向上し、製造や成形加工が容易なものとなる。
【0021】
本発明において前記一般式(I)にて示される基中の有機基Rは、特に限定されるものではない。有機基Rとしてより好ましくは炭素数1〜20の炭化水素残基およびその誘導体残基であり、より好ましくは1〜8の炭化水素残基およびその誘導体残基である。この有機基Rは、高分子固体電解質の耐水性とメタノールクロスオーバー抑制の両方の点から疎水性基であることが好ましく、主鎖の剛直性と立体障害による安定性の点から、芳香環を含んでいることがより好ましい。好ましい有機基(置換基)の例を挙げれば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、ビニル基、アリル基、アミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ハロ置換アルキル基、ベンジル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ハロ置換フェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、アミノアリール基、ヒドロキシアリール基およびハロ置換アリール基であり、さらに、有機溶媒への可溶性と高重合度ポリマー合成の容易さの点からフェニル基またはメチル基がより好ましく用いられる。
【0022】
従来のイオン性基を有する芳香族炭化水素系ポリマーを単独で高分子固体電解質として用いた場合、高いイオン伝導性を得るためにイオン性基の含有量を増加すると、高分子固体電解質自身がメタノール水溶液中で溶解する、あるいは激しく膨潤してしまうため、内部に径の大きな水のクラスターができ、高分子固体電解質中に自由水が多くなる。自由水中は、メタノールの移動が容易に行なわれるため、十分なメタノールクロスオーバー抑制効果が得られず、従来の芳香族炭化水素系ポリマーでは、イオン伝導性とメタノールクロスオーバー抑制効果を両立することが出来なかった。
【0023】
これに対して、本発明の高分子固体電解質として用いられる芳香族リン系ポリマーは、剛直なポリマー骨格とリン原子から垂下する有機置換基Rに疎水性の高い置換基を用いることにより、メタノール水溶液中での膨潤を抑制することが出来るため、高プロトン伝導性とメタノールクロスオーバー抑制効果を両立することができ、また、膨潤変形や機械強度低下などを抑制する効果もある。さらに、驚くべきことに5価のリン原子を導入することにより、従来のイオン性基を有する芳香族炭化水素系ポリマーで通常見られた脱スルホン化反応を抑制できることも発見した。
【0024】
上記式(I)で示される基の使用割合は45〜55モル%がより好ましく、さらに好ましくは48〜52モル%である。上記式(I)で示される基の使用割合が45モル%未満の場合や55モル%を超える場合は、ポリマーの分子量が上昇しにくく、機械的強度に劣る場合がある。
【0025】
本発明における高分子固体電解質を構成する芳香族リン系ポリマー中のイオン性基は、負電荷を有する原子団であれば特に限定されるものではないが、プロトン交換能を有するものが好ましい。このような官能基としては、スルホン酸基、硫酸基、スルホンイミド基、ホスホン酸基、リン酸基およびカルボン酸基が好ましく用いられる。ここで、スルホン酸基とは−SO(OH)、スルホンイミド基は−SONHSOR(Rは有機基を意味し、特に限定されるものではない。)、硫酸基は−OSO(OH)、ホスホン酸基は−PO(OH)、リン酸基は−OPO(OH)、カルボン酸基は−CO(OH)、およびこれらの塩のことを意味する。これらのイオン性基は前記高分子固体電解質中に2種類以上含むことができ、組み合わせることにより好ましくなる場合がある。組み合わせはポリマーの構造などにより適宜決められる。中でも、高プロトン伝導度の点から少なくともスルホン酸基または硫酸基を有することがより好ましく、耐加水分解性の点から少なくともスルホン酸基を有することが最も好ましい。
【0026】
芳香族リン系ポリマーへのホスホン酸基の導入は、例えば、「ポリマー プレプリンツ」(Polymer Preprints), Japan , 51, 750 (2002). 等に記載の方法によって可能である。芳香族リン系ポリマーへのリン酸基の導入は、例えば、ヒドロキシル基を有するポリマーのリン酸エステル化によって可能である。芳香族リン系ポリマーへのカルボン酸基の導入は、例えば、アルキル基やヒドロキシアルキル基を有するポリマーを酸化することによって可能である。芳香族リン系ポリマーへのスルホンイミド基の導入は、例えば、スルホン酸基を有するポリマーをアルキルスルホンアミドで処理するによって可能である。芳香族リン系ポリマーへの硫酸基の導入は、例えば、ヒドロキシル基を有するポリマーの硫酸エステル化によって可能である。
【0027】
本発明で用いられる芳香族リン系ポリマーをスルホン化する方法、すなわち、スルホン酸基を導入する方法としては、例えば、特開平2−16126号公報あるいは特開平2−208322号公報等に記載の方法が公知である。具体的には、例えば、芳香族リン系ポリマーをクロロホルムでクロロスルホン酸のようなスルホン化剤と反応させたり、濃硫酸や発煙硫酸中で反応することによりスルホン化することができる。スルホン化剤としては、芳香族リン系ポリマーをスルホン化するものであれば特に制限はなく、上記以外にも三酸化硫黄等を使用することができる。この方法により芳香族リン系ポリマーをスルホン化する場合には、スルホン化の度合いはスルホン化剤の使用量と反応温度および反応時間により、容易に制御することができる。
【0028】
スルホン化の度合いは、スルホン酸基密度の値として示すことができる。本発明における芳香族リン系ポリマーのスルホン酸基密度は、プロトン交換能および耐水性の点から0.1〜5.0mmol/gであることが好ましく、さらに好ましくは、1.0〜3.5mmol/gである。スルホン酸基密度が0.1mmol/gより低いと、伝導度が低いため出力性能が低下することがあり、またスルホン酸基密度が5.0mmol/gより高いと燃料電池用電解質膜として使用する際に、十分な該高分子の耐水性および含水時の機械的強度が得られないことがある。
【0029】
ここで、スルホン酸基密度とは、スルホン化ポリマー単位グラム当たりに導入されたスルホン酸基のモル量であり、この値が大きいほどスルホン化の度合いが高いことを示す。スルホン酸基密度は、H−NMRスペクトロスコピー、元素分析あるいは中和滴定等により測定が可能である。試料の純度によらずスルホン酸基密度の測定が可能であることから、H−NMRスペクトロスコピーが好ましい方法であるが、スペクトルが複雑でスルホン酸基密度の算出が困難な場合には測定の容易さから元素分析がより好ましい。
【0030】
本発明で用いられる芳香族リン系ポリマーは、主鎖に前記一般式(I)を有するものであり、耐水性、耐熱性、メタノールクロスオーバー抑制、機械強度および耐久性の点から、好ましい芳香族リン系ポリマーとして、具体的には、芳香族ポリホスフィンオキシド、芳香族ポリホスフィナート、芳香族ポリホスホナート、芳香族ポリホスファート、およびこれらと芳香族ポリケトンや芳香族ポリスルホンとの共重合体等を挙げることができる。これらの構造は、前記高分子固体電解質中に2種類以上含むことができ、組み合わせることにより好ましくなる場合がある。組み合わせはポリマーのイオン伝導度、メタノールクロスオーバー抑制効果、耐水性、耐熱性、製膜性および機械強度などにより適宜決められる。
【0031】
中でも、高分子固体電解質が通常強酸水溶液中で長期に使用されることを考えると、耐加水分解性の点から、主鎖に炭素−リン−炭素を有するポリマーがより好ましい。さらに、本発明で用いられる芳香族リン系ポリマーとしては、耐水性と機械強度の点から高分子量体がより好ましく、高分子量ポリマーの合成およびモノマー入手の容易さから最も好ましくは、芳香族ポリエーテルホスフィンオキシド(以降、PEPOと称することがある。)である。本発明で使用する芳香族PEPOは、主鎖に芳香環、エーテルおよびホスフィンオキシドを有するポリマーであれば如何なるものでも使用することができる。
【0032】
これらの芳香族PEPOとしては、次のようなポリマーが挙げられ好ましく用いられる。すなわち、少なくとも下記一般式(II)で示される基、および下記一般式(III)で示される2価フェノール残基から構成される。
一般式(II)
【0033】
【化5】
Figure 2004269599
【0034】
一般式(III)
【0035】
【化6】
Figure 2004269599
【0036】
(一般式(II)中、Rは有機基を表し、高分子固体電解質中にRの異なる置換基を2種以上含んでもよい。一般式(II)中のArおよびAr、および一般式(III)中のArは芳香環を表し、高分子固体電解質中にArあるいはArあるいはArの異なる芳香環を2種以上含んでもよい。)
前記一般式(II)で表される基のリン原子上の有機基(置換基)Rとしては、アルキル基、アルケニル基、アミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ハロ置換アルキル基、アリール基、アルキル置換アリール基、ハロ置換アリール基、アルコキシアリール基、アミノアリール基およびヒドロキシアリール基等が挙げられる。この置換基Rを具体的に例示すると、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、ベンジル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモ基、2−クロロエチル基、1,2−ジクロロエチル基、2−ブロモエチル基、1,2−ジブロモエチル基、3−クロロプロピル基、2,3−ジクロロプロピル基、3−ブロモプロピル基、2,3−ジブロモプロピル基、2−クロロー1−メチルエチル基、1,2−ジクロロー1−メチルエチル基、2−ブロモー1−メチルエチル基、1,2−ジブロモー1−メチルエチル基、4−クロロブチル基、3,4−ジクロロブチル基、4−ブロモブチル基、3,4−ジブロモブチル基、3−クロロー1−メチルプロピル基、2,3−ジクロロ−1−メチルプロピル基、3−ブロモ−1メチルプロピル基、2,3−ジブロモ−1−メチル基、1−クロロメチルプロピル基、1−クロロー1−クロロメチルプロピル基、1−ブロモメチルプロピル基、1−ブロモ−1−ブロモメチルプロピル基、5−クロロペンチル基、4,5−ジクロロペンチル基、5−ブロモペンチル基、4,5−ジブロモペンチル基、1−ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、1−アミノメチル基、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基、4−アミノブチル基、5−アミノペンチル基、メチルチオメチル基、メチルチオエチル基、メチルチオプロピル基、メチルチオブチル基、エチルチオメチル基、エチルチオエチル基、エチルチオプロピル基、プロピルチオメチル基、プロピルチオエチル基、ブチルチオメチル基、トリフェニルホスフィンオキシド、4−クロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、3,4−ブロモフェニル基、3,5−ブロモフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル基、5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチル基、ベンジル基、4−ブロモフェニルメチル基、3,4−ジブロモフェニルメチル基、3,5−ジブロモフェニルメチル基、2−フェニルエチル基、2−(4−ブロモフェニル)エチル基、2−(3,4−ジブロモフェニル)エチル基、2−(3,5−ジブロモフェニル)エチル基、3−フェニルプロピル基、3−(4−ブロモフェニル)プロピル基、3−(3,4−ジブロモフェニル)プロピル基、3−(3,5−ジブロモフェニル)プロピル基、4−フェニルブチル基、4−(4−ブロモフェニル)ブチル基、4−(3,4−ジブロモフェニル)ブチル基、4−(3,5−ジブロモフェニル)ブチル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、1−ピロリジノメチル基、1−ピロリジノエチル基、1−ピロリジノプロピル基、1−ピロリジノブチル基、ピロール−1−基、ピロール−2−基、ピロール−3−基、チオフェン−2−基、チオフェン−3−基、ジチアン−2−基、トリチアン−2−基、フラン−2−基、フラン−3−基、ビニル基およびアリル基などが挙げられ、高分子固体電解質中にRの異なる置換基を2種以上含んでもよい。
【0037】
また、前記一般式(II)で表される基の芳香環ArおよびArは特に限定されるものではなく、同じリン原子に結合するArおよびArは同じであっても異なるものでも構わない。また、高分子固体電解質中に前記一般式(II)で表される基の異なるものを2種以上含んでもよい。芳香環ArおよびArを具体的に例示すると、フェニレン、ナフチレン、アントラシレンおよびビフェニレンなどが挙げられる。
【0038】
これら前記一般式(II)で表される基の中でも一般的溶媒への溶解度、機械強度およびモノマーの入手の容易さ等の観点から、下記に示す基(a1)〜(a12)がより好ましく、さらに高重合度ポリマーの合成とモノマー入手の容易さの点から、基(a1)、(a8)が最も好ましい。
【0039】
【化7】
Figure 2004269599
【0040】
また、これらジアリールホスフィンオキシド基については、それぞれ対応する3価のリン官能基であるホスフィン基に一部置き換えてもよい。これにより電解質に耐酸化性を付与することができるが、機械強度等を考慮すると、その置換比率は50%以下が好ましく、より好ましくは25%以下、さらに好ましくは10%以下である。
【0041】
これらジアリールホスフィンオキシド基については、それぞれ対応するケトン基あるいはスルホン基に一部置き換えてもよい。これにより電解質の一般的溶媒に対する溶解性が向上する場合があるが、メタノールクロスオーバー抑制効果等を考慮すると、その置換比率は75%以下が好ましく、より好ましくは50%以下、さらに好ましくは25%以下である。特に、製膜性および耐水性の点から芳香族ポリ(エーテルホスフィンオキシド/エーテルケトン)共重合体はより好ましく用いられる。
【0042】
また、一般式(III)で表される2価フェノール残基を構成する2価フェノールを具体的に例示すると、ハイドロキノン、1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−メチル−2−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロオクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4’−ビフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−secブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビスフェノールフローレン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパン、4,4’−〔1,4−フェニレン−ビス(2−プロピリデン)〕−ビス(2−メチルフェノール)、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシフェニルエーテル、1,1−ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、2,4’−メチレンビスフェノール、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチル−ブタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,3−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、テルペンジフェノール、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3,5−ジsecブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジtert−ブチルフェニル)エタン、1,1−ビス(3−ノニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジtert−ブチル−6−メチルフェニル)メタン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチルエステル、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−フルオロフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−(p−フルオロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(p−フルオロフェニル)メタン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ニトロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラtert−ブチル−4,4’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラフルオロ−4,4’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)チオエーテル、1,1−ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジtert−ブチルフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸メチルエステル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン酸エチルエステル、1,3−ビスフェノール、1,3−ビスクレゾール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ビフェノール、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、2,4’−メチレンビスフェノール、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(2−ヒドロキシ−3−アリルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)エタン、ビス(2−ヒドロキシ−5−フェニルフェニル)メタン、1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタデカン、1,2−ビス(3,5−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジtert−ブチルフェニル)メタン、2,2−ビス(3−スチリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−(p−ニトロフェニル)エタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルメタン、ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3’,5,5’−テトラtert−ブチル−2,2’−ビフェノール、2,2’−ジアリル−4,4’−ビフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5,5−テトラメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,4−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−エチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロペンタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル−シクロヘキサンおよびα、α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン等が挙げられ、これらは1種類でも、複数種併用することもできる。
【0043】
これら2価フェノール残基を構成する2価フェノールの中でも、一般的溶媒への溶解度と高重合度ポリマーの合成の点から、ハイドロキノン、1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,3’−ジヒドロキシビフェニル、3,3’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンおよび2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンがより好ましく用いられる。
【0044】
2価フェノール残基の使用割合は45〜55モル%がより好ましく、さらに好ましくは48〜52モル%である。2価フェノール残基の使用割合が45モル%未満の場合や55モル%を超える場合は、ポリマーの分子量が上昇しにくく、機械強度に劣る場合がある。
【0045】
また、本発明で用いられる高分子固体電解質は、必ずしも直鎖状である必要はなく、得られる高分子固体電解質の性能に応じて多価フェノールを共重合することができる。このような多価フェノールを具体的に例示すると、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4’−〔1−〔4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル〕フェニル〕エチリデン〕ビスフェノール、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4−〔ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−2−メトキシフェノール、トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、4−〔ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−2−メトキシフェノール、4−〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−2−メトキシフェノール、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,6−ビス〔(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル〕−4−メチルフェノール、4−〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,2−ジヒドロキシベンゼン、2−〔ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メチル〕−フェノール、4−〔ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メチル〕−1,2−ジヒドロキシベンゼン、4−メチルフェニル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、4−〔(4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、4−〔1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチル−エチル〕−1,3−ジヒドロキシベンゼン、4−〔(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、1,4−ビス〔1−ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)−1−メチル−エチル〕ベンゼン、1,4−ビス〔1−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−1−メチル−エチル〕ベンゼン、2,4−ビス〔(4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,3−ジヒドロキシベンゼン、2−〔ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェイル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェイル)メチル〕フェノール、2−〔ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェイル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,2−ジヒドロキシベンゼン、4−〔ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−2−エトキシフェノール、2−〔ビス(2,3−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノール、3−〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノール、2−〔ビス(2−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(2−ヒドロキシ−3,6−ジメチルフェニル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−2−メトキシフェノール、3,6−〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,2−ジヒドロキシベンゼン、4,6−〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、2−〔ビス(2,3,6−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノール、2−〔ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノール、3−〔ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕−1,2−ジヒドロキシベンゼン、3−〔ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メチル〕フェノール、4−〔ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)メチル〕−2−メトキシフェノール、2,4,6−〔トリス(4−ヒドロキシフェニルメチル)−1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,1,2,2−テトラ(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2,2−テトラ(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,4−〔〔ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル〕〕ベンゼン、1,4−ジ〔ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕ベンゼン、1,4−ジ〔ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メチル〕ベンゼン、4−〔1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル〕アニリン、(2,4−ジヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、2−〔ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチル〕フェノールおよび1,3,3−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ブタン等が挙げられる。これらは1種類でも、複数種併用することもできる。
【0046】
多価フェノールの共重合割合は5モル%未満がより好ましく、さらに好ましくは1モル%未満である。多価フェノールの共重合割合が5モル%を超える場合は、製膜性に劣る場合がある。
【0047】
本発明の芳香族リン系ポリマーのGPC法による重量平均分子量は1万〜1000万がより好ましく、さらに好ましくは5万〜100万である。重量平均分子量が1万未満では電解質が機械的強度に劣る場合があり、一方、1000万を超えると、溶解性が不十分となり、溶液粘度が高く加工性が不良になるなどの問題がある。
【0048】
本発明の芳香族リン系ポリマーは少なくともイオン性基を有し、かつ主鎖に前記一般式(I)で示される基を有するものであれば、特に限定されるものではないが、具体例としては、芳香族ポリホスフィンオキシド、芳香族ポリホスフィナート、芳香族ポリホスホナート、芳香族ポリホスファート、およびこれらと芳香族ポリケトンや芳香族ポリスルホンとの共重合体、さらにこれらの酸素原子を硫黄原子やセレン原子に部分的あるいは全て置き換えたポリマー等を挙げることができる。ここで、芳香族ポリホスフィンオキシドとは主鎖にC−P(=O)(R)−Cで示される部位(Rは有機基を表し、高分子固体電解質中にRの異なる置換基を2種以上含んでもよい。)を有する芳香族ポリマーを意味し、芳香族ポリホスフィナートとは主鎖にC−P(=O)(R)−O−Cで示される部位(Rは有機基を表し、高分子固体電解質中にRの異なる置換基を2種以上含んでもよい。)を有する芳香族ポリマーを意味し、芳香族ポリホスホナートとは主鎖にC−O−P(=O)(R)−O−Cで示される部位(Rは有機基を表し、高分子固体電解質中にRの異なる置換基を2種以上含んでもよい。)を有する芳香族ポリマーを意味し、さらに芳香族ポリホスファートとは主鎖にC−O−P(=O)(OR)−O−Cで示される部位(Rは有機基を表し、高分子固体電解質中にRの異なる置換基を2種以上含んでもよい。)を有する芳香族ポリマーを意味する。
【0049】
また、本発明で用いられる高分子固体電解質には、本発明の目的を損なわない範囲で、他の成分を共重合せしめたり、他の高分子化合物をブレンドしたりすることができる。また、その特性を損なわない範囲で、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、チオエーテル系およびリン系の各種抗酸化剤等を添加することができる。
【0050】
これら芳香族PEPOは、例えば、「ハイ パフォーム ポリマー」(High. Perform. Polym.), 3, 211 (1991).に記載の方法によって重合することができ、重合度は、一般的溶媒への溶解度、機械強度を考慮して便宜調節することができる。芳香族ポリ(エーテルホスフィンオキシド/エーテルケトン)共重合体や芳香族ポリ(エーテルホスフィンオキシド/エーテルスルホン)共重合体は、ビス(ハロアリール)ホスフィンオキシドモノマーのうち必要な量を相当するビス(ハロアリール)ケトンモノマーや ビス(ハロアリール)スルホンモノマーに置き換えて、上記方法と同様に共重合することができる。
【0051】
本発明の高分子固体電解質は、燃料電池用として使用する際には、通常膜の状態で使用される。スルホン化した芳香族リン系ポリマーを膜へ転化する方法に特に制限はないが、溶液状態より製膜する方法あるいは溶融状態より製膜する方法等が可能である。前者では、例えば、スルホン化芳香族リン系ポリマーを、N,N−ジメチルアセトアミド等の溶液よりガラス板上に流延塗布し、溶媒を除去することにより製膜する方法を例示することができる。製膜に用いられる溶媒は、高分子化合物を溶解し、その後に除去し得るものであるならば特に制限はなく、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ヘキサメチルホスホントリアミド等の非プロトン性極性溶媒、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル、あるいはイソプロパノールなどのアルコール系溶媒が好適に用いられる。
【0052】
膜厚は、溶液濃度あるいは基板上への塗布厚により制御することができる。溶融状態より製膜する場合は、溶融プレス法あるいは溶融押し出し法等が可能である。膜の厚みは、特に制限はないが通常10〜500μmのものが好適に使用される。実用に耐える膜の強度を得るには10μmより厚い方が好ましく、膜抵抗の低減つまり発電性能の向上のためには500μmより薄い方が好ましい。
【0053】
また、本発明の固体高分子電解質を製造する際に、通常の高分子化合物に使用される可塑剤、安定剤あるいは離型剤等の添加剤を、本発明の目的に反しない範囲内であれば使用することができる。
【0054】
本発明の高分子固体電解質は必要に応じて、芳香族リン系ポリマーを製膜後、放射線架橋せしめることもできる。放射線架橋せしめることにより、さらなるメタノールクロスオーバー抑制効果が得られ、機械的強度が向上し、より好ましくなる場合がある。ここで、放射線架橋の種類としては特に限定されるものではないが、その具体例としては電子線架橋やγ線架橋を挙げることができる。
【0055】
本発明の固体高分子電解質を燃料電池として用いる際の電解質と電極の接合法についても特に制限はなく、公知の方法(例えば、「電気化学」1985, 53, 269.記載の化学メッキ法、「ジェイ エレクトロケミカル サイエンス」(J. Electrochem. Soc.): Electrochemical Science and Technology, 1988, 135(9), 2209. 記載のガス拡散電極の熱プレス接合法など)を適用することが可能である。
【0056】
本発明の高分子固体電解質は、種々の電気化学装置に適用可能である。例えば、用途として燃料電池、水電解装置およびクロロアルカリ電解装置等が挙げられるが、中でも燃料電池がもっとも好ましい。さらに燃料電池のなかでも固体高分子型燃料電池に好適であり、これには水素を燃料とするものとメタノールなどの有機溶媒を燃料とするものがあり、特に限定されるものではないが、メタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルエーテルおよびこれらの水溶液から選ばれた少なくとも1種を燃料とする直接形燃料電池に特に好ましく用いられる。
【0057】
さらに、本発明の固体高分子型燃料電池の用途としては、特に限定されないが、移動体の電力供給源が好ましいものである。特に、携帯電話、パソコン、PDAなどの携帯機器、掃除機等の家電、乗用車、バスおよびトラックなどの自動車や船舶および鉄道などの移動体の電力供給源として好ましく用いられる。
【0058】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、各物性の測定条件は次のとおりである。
【0059】
(1)スルホン酸基密度測定方法
精製、乾燥後のスルホン化芳香族リン系ポリマーを、元素分析により測定した。C、H、Nの分析は、全自動元素分析装置varioEL、Sの分析はフラスコ燃焼法・酢酸バリウム滴定、Pの分析についてはフラスコ燃焼法・リンバナドモリブデン酸比色法で実施した。それぞれのポリマーの組成比から単位グラムあたりのスルホン酸基密度(mmol/g)を算出した。
【0060】
(2)分子量測定方法
芳香族リン系ポリマーの分子量を元素分析により測定した。装置としては紫外検出器および示差屈折計を備える東ソー製高速GPCシステムHLC−8022GPCを使用した。東ソー製カラムTSK gel SuperHM−H(内径6.0mm、長さ15cm) 2本を用い、N−メチル−2−ピロリドン溶媒(臭化リチウム10mmol/L含有)、流量0.2mL/minで測定した。
【0061】
(3)高分子固体電解質膜のイオン伝導度測定法
北斗電工製電気化学測定システムHAG5010(HZ−3000 50V 10A Power Unit, HZ−3000 Automatic Polarization System)およびエヌエフ回路設計ブロック製周波数特性分析器(Frequency Response Analyzer)5010を使用し、25℃において、2端子法で定電位インピーダンス測定を行い、Nykist図からイオン伝導度を求めた。交流振幅は、500mVとした。サンプルは幅10mm程度、長さ10〜30mm程度の膜を用いた。サンプルは、測定直前まで水中に浸漬したものを用いた。電極として、直径100μmの白金線(2本)を使用した。電極はサンプル膜の表側と裏側に、互いに平行にかつサンプル膜の長手方向に対して直交するように配置した。
【0062】
(4)高分子固体電解質膜のメタノール透過量測定法
H型セル間にサンプル膜を挟み、一方のセルには純水を入れ、他方のセルには1Mメタノール水溶液を入れた。セルの容量は各80mLであった。また、セル間の開口部面積は1.77cmであった。20℃において両方のセルを撹拌した。1時間、2時間および3時間経過時点で純水中に溶出したメタノール量を島津製作所製ガスクロマトグラフィ(GC−2010)で測定し定量した。グラフの傾きから単位時間、単位面積あたりのメタノール透過量を求めた。
【0063】
(比較例1) ナフィオン117の評価
市販のナフィオン117膜(デュポン社製(商品名))を用い、イオン伝導度およびMCOを評価した。ナフィオン117膜は、100℃の5%過酸化水素水中にて30分、続いて100℃の5%希硫酸中にて30分浸漬した後、100℃の脱イオン水でよく洗浄した。メタノール透過量は113nmol/cm/min、イオン伝導度は80mS/cmであった。
【0064】
(実施例1) スルホン化HQPEPOの合成
式(IV)
【0065】
【化8】
Figure 2004269599
【0066】
炭酸カリウム17g、ヒドロキノン11g、およびビス(4−フルオロフェニル)フェニルホスフィンオキシド31gを用いて、N−メチルピロリドン(NMP)中、160℃で重合を行った。多量のメタノール水で再沈することで精製を行い、上記式(IV)にて示されるHQPEPOを定量的に得た。
【0067】
室温、N雰囲気下でHQPEPO5gをクロロホルムに溶解させた後、激しく撹拌しながらクロロスルホン酸8mLをゆっくり滴下し、30分反応させた。白色沈殿を濾別、粉砕し、水で十分洗浄した後、乾燥し、目的のスルホン化HQPEPOを得た。得られたスルホン化HQPEPOのスルホン酸基密度は、元素分析より2.1mmol/gであり、重量平均分子量は20万であった。
【0068】
このようにして得られたポリマーを、N,N−ジメチルアセトアミド溶液よりガラス基板上に流延塗布し、100℃にて3時間乾燥し、溶媒を除去した。得られた膜は、膜厚105μmであり、無色透明の柔軟な膜であった。この膜のメタノール透過量は51nmol/cm/min、イオン伝導度は75mS/cmであり、ナフィオン117に比べイオン伝導度は少し劣るものの、メタノールクロスオーバーはかなり小さかった。
【0069】
(実施例2) スルホン化BPPEPOの合成
式(V)
【0070】
【化9】
Figure 2004269599
【0071】
ヒドロキノン11gをジヒドロキシビフェニル19gに変えたこと以外は、実施例1に記載の方法で重合、スルホン化および膜の作製を行った。得られた上記式(V)にて示されるBPPEPOのスルホン化物のスルホン酸基密度は、元素分析より2.7mmol/gであり、重量平均分子量は22万であった。この膜(膜厚95μm)のメタノール透過量は77nmol/cm/min、イオン伝導度は105mS/cmであり、ナフィオン117に比べイオン伝導度、メタノールクロスオーバーの両方において優れていた。
【0072】
(実施例3) スルホン化BISAPEPOの合成
式(VI)
【0073】
【化10】
Figure 2004269599
【0074】
ヒドロキノン11gをビスフェノールA22.8gに変えたこと以外は、実施例1に記載の方法で重合、スルホン化および膜の作製を行った。得られた上記式(VI)にて示されるBISAPEPOのスルホン化物のスルホン酸基密度は、元素分析より2.7mmol/gであり、重量平均分子量は18万であった。この膜(膜厚97μm)のメタノール透過量は78nmol/cm/min、イオン伝導度は102mS/cmであり、ナフィオン117に比べイオン伝導度、メタノールクロスオーバーの両方において優れていた。
【0075】
(実施例4) スルホン化HQPEMPOの合成
式(VII)
【0076】
【化11】
Figure 2004269599
【0077】
ビス(4−フルオロフェニル)フェニルホスフィンオキシド31gをビス(4−フルオロフェニル)メチルホスフィンオキシド25gに変えたこと以外は、実施例1に記載の方法で重合、スルホン化および膜の作製を行った。得られた上記式(VII)にて示されるHQPEMPOのスルホン化物のスルホン酸基密度は、元素分析より2.7mmol/gであり、重量平均分子量は15万であった。この膜(膜厚105μm)のメタノール透過量は85nmol/cm/min、イオン伝導度は85mS/cmであり、ナフィオン117に比べメタノールクロスオーバーにおいて優れていた。
【0078】
(実施例5) スルホン化BISAPEPO/BISAPEEKの合成
式(VIII)
【0079】
【化12】
Figure 2004269599
【0080】
ビス(4−フルオロフェニル)フェニルホスフィンオキシド31gを23gに変え、ビス(4−フルオロフェニル)ケトン5gを追加したこと以外は、実施例3に記載の方法で重合、スルホン化および膜の作製を行った。得られた上記式(VIII)にて示されるBISAPEPO/BISAPEEKのスルホン化物のスルホン酸基密度は、元素分析より2.6mmol/gであり、重量平均分子量は35万であった。この膜(膜厚104μm)のメタノール透過量は61nmol/cm/min、イオン伝導度は103mS/cmであり、ナフィオン117に比べイオン伝導度、メタノールクロスオーバーの両方において優れていた。
【0081】
(実施例6) スルホン化HQPEPO/PEEKの合成
式(IX)
【0082】
【化13】
Figure 2004269599
【0083】
ビス(4−フルオロフェニル)フェニルホスフィンオキシド31gを23gに変え、ビス(4−フルオロフェニル)ケトン5gを追加したこと以外は、実施例1に記載の方法で重合、スルホン化および膜の作製を行った。得られた上記式(IX)にて示されるHQPEPO/PEEKのスルホン化物のスルホン酸基密度は、元素分析より2.7mmol/gであり、重量平均分子量は35万であった。この膜(膜厚104μm)のメタノール透過量は77nmol/cm/min、イオン伝導度は100mS/cmであり、ナフィオン117に比べイオン伝導度、メタノールクロスオーバーの両方において優れていた。
【0084】
(実施例7) スルホン化HQPEPO/PEESの合成
式(X)
【0085】
【化14】
Figure 2004269599
【0086】
ビス(4−フルオロフェニル)フェニルホスフィンオキシド31gを23gに変え、ビス(4−フルオロフェニル)スルホン6gを追加したこと以外は、実施例1に記載の方法で重合、スルホン化および膜の作製を行った。得られた上記式(X)にて示されるHQPEPO/PEESのスルホン化物のスルホン酸基密度は、元素分析より2.4mmol/gであり、重量平均分子量は22万であった。この膜(膜厚95μm)のメタノール透過量は85nmol/cm/min、イオン伝導度は80mS/cmであり、ナフィオン117に比べメタノールクロスオーバーにおいて少し優れていた。
【0087】
(実施例8) スルホン化ポリホスファートの合成
式(XI)
【0088】
【化15】
Figure 2004269599
【0089】
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン40mmol、フェニルホスホン酸ジクロリド40mmolおよびトリエチルアミン88mmolを用いて、1,2−ジクロロエタン中、氷冷下で重合を行った。多量のメタノール水で再沈することで精製を行い、上記式(XI)にて示されるポリホスファートを定量的に得た。スルホン化および膜の作製は、実施例1に記載の方法で実施した。上記式(XI)にて示されるポリホスファートのスルホン化物のスルホン酸基密度は、元素分析より2.3mmol/gであり、重量平均分子量は8万であった。この膜(膜厚110μm)のメタノール透過量は100nmol/cm/min、イオン伝導度は80mS/cmであり、ナフィオン117に比べメタノールクロスオーバーにおいて少し優れていた。
【0090】
(実施例9) スルホン化BISAPEPOの放射線架橋
実施例3の高分子固体電解質膜にエリアビーム型電子線照射装置(日新ハイボルテージ社製キュアトロンEBC300−60)を使って窒素雰囲気下、300kyの線量を照射した。この膜(膜厚90μm)のメタノール透過量は40nmol/cm/min、イオン伝導度は85mS/cmであり、ナフィオン117に比べメタノールクロスオーバーにおいてかなり優れていた。
【0091】
(実施例10および比較例2)
実施例1の高分子固体電解質膜を用いて、次の方法により固体高分子型燃料電池を作製し評価した。また、比較例1の市販のナフィオン117膜も同様に固体高分子型燃料電池を作製し評価した。
【0092】
2枚の炭素繊維クロス基材に20%PTFE撥水処理を行ったのち、PTFEを20%含むカーボンブラック分散液を塗工、焼成して電極基材を作製した。1枚の電極基材上に、Pt−Ru担持カーボンとNafion溶液からなるアノード電極触媒塗液を塗工、乾燥してアノード電極を、もう1枚の電極基材上に、Pt担持カーボンとNafion溶液からなるカソード電極触媒塗液を塗工、乾燥してカソード電極を作製した。
【0093】
実施例1の高分子固体電解質膜を、先に作製したアノード電極とカソード電極で夾持し加熱プレスすることで膜−電極複合体(MEA)を作製した。このMEAをエレクトロケム社製セルにセットしアノード側に3%メタノール水溶液、カソード側に空気を流してMEA評価を行った。評価はMEAに定電流を流し、その時の電圧を測定した。電流を順次増加させ電圧が10mV以下になるまで測定を行った。各測定点での電流と電圧の積が出力となるが、本発明の実施例1の高分子固体電解質膜を使用したMEAの方が優れた特性を有していた。
【0094】
(比較例3) BISAPEPOの評価
実施例3で得られた未スルホン化ポリマー(BISAPEPO)のクロロホルム溶液から作製した膜(膜厚90μm)のメタノール透過量は0nmol/cm/min、イオン伝導度は0mS/cmであり、イオン伝導性が全くなかった。
【0095】
(比較例4) スルホン化ポリエーテルエーテルケトンの合成
ポリエーテルエーテルケトンとしてビクトレックス社製450PFを用い、Polymer, 28, 1009 (1987).記載の方法でスルホン化ポリエーテルエーテルケトンを合成した。スルホン酸基密度は2.5mmol/gであり、重量平均分子量は18万であった。この膜(膜厚95μm)は水に激しく膨潤し、メタノール透過量は312nmol/cm/min、イオン伝導度は101mS/cmであり、ナフィオン117と同等のイオン伝導度を有するものの、メタノールクロスオーバーは極めて大きかった。
【0096】
【発明の効果】
本発明によれば、安価であり、機械強度にも優れ、耐水性、耐酸化性および耐ラジカル性に優れ、メタノールクロスオーバーを抑制し、イオン伝導性が高く、高出力を達成できる新規な高分子固体電解質が得られる。この高分子固体電解質を用いて、実用性の高い高性能な固体高分子型燃料電池を得ることができる。

Claims (11)

  1. 少なくともイオン性基を有し、かつ主鎖に下記一般式(I)で示される基を有する芳香族リン系ポリマーからなることを特徴とする高分子固体電解質。
    Figure 2004269599
    (式中、Rは有機基、Xは酸素、硫黄あるいはセレンを表し、高分子固体電解質中にRあるいはXの異なる置換基を2種以上含んでもよい。)
  2. イオン性基が、スルホン酸基、スルホンイミド基、硫酸基、ホスホン酸基、リン酸基およびカルボン酸基から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の高分子固体電解質。
  3. イオン性基が、スルホン酸基であることを特徴とする請求項1または2記載の高分子固体電解質。
  4. 芳香族リン系ポリマーのスルホン酸基密度が、0.1〜5.0mmol/gであることを特徴とする請求項3記載の高分子固体電解質。
  5. 芳香族リン系ポリマーのスルホン酸基密度が、1.0〜3.5mmol/gであることを特徴とする請求項3記載の高分子固体電解質。
  6. 芳香族リン系ポリマーが、主鎖に炭素−リン−炭素結合を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高分子固体電解質。
  7. 芳香族リン系ポリマーが、芳香族ポリエーテルホスフィンオキシドであることを特徴とする請求項6記載の高分子固体電解質。
  8. 芳香族リン系ポリマーが、芳香族ポリ(エーテルホスフィンオキシド/エーテルケトン)共重合体であることを特徴とする請求項6記載の高分子固体電解質。
  9. 少なくともイオン性基を有し、かつ主鎖に下記一般式(I)で示される基を有する芳香族リン系ポリマーを製膜後、放射線架橋せしめることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の高分子固体電解質の製造方法。
    Figure 2004269599
    (式中、Rは有機基、Xは酸素、硫黄あるいはセレンを表し、高分子固体電解質中にRあるいはXの異なる置換基を2種以上含んでもよい。)
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の高分子固体電解質を用いてなることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  11. 炭素数1〜3のアルコール、ジメチルエーテルおよびこれらの水溶液から選ばれた少なくとも1種を燃料に用いることを特徴とする請求項10記載の固体高分子型燃料電池。
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