JP2004268979A - 製品包装箱 - Google Patents
製品包装箱 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004268979A JP2004268979A JP2003062004A JP2003062004A JP2004268979A JP 2004268979 A JP2004268979 A JP 2004268979A JP 2003062004 A JP2003062004 A JP 2003062004A JP 2003062004 A JP2003062004 A JP 2003062004A JP 2004268979 A JP2004268979 A JP 2004268979A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- case
- plate portion
- product
- opening
- lower case
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Packaging Of Machine Parts And Wound Products (AREA)
- Cartons (AREA)
- Buffer Packaging (AREA)
Abstract
【課題】使用後の包装箱を容易に能率よく分解して嵩張りを小さくし、かつ分別の処理を要することなくリサイクル用の廃品として効率よく処分することができる製品包装箱を提供する。
【解決手段】下ケース22の上に製品1を置き、この製品1に外装ケース21を被せ、この外装ケース21の上端の開口部に上ケース23を嵌合して製品1の上面部を覆い、かつフラップ46を閉じ、包装用バンド15を巻き付けて梱包する。下ケース22および上ケース23は、平板状紙材を素材とし、その素材の折り曲げや差し込みの手段のみにより立体形状に組み立てられており、外装ケース21は接着剤のみを用いて筒形状に組み立てられている。下ケース22および上ケース23はパッキング25,54を備え、これらパッキング25,54は紙材からなり、ハーフカットによる起立可能な切込み片によりケース22,23に定着保持されている。
【選択図】 図1
【解決手段】下ケース22の上に製品1を置き、この製品1に外装ケース21を被せ、この外装ケース21の上端の開口部に上ケース23を嵌合して製品1の上面部を覆い、かつフラップ46を閉じ、包装用バンド15を巻き付けて梱包する。下ケース22および上ケース23は、平板状紙材を素材とし、その素材の折り曲げや差し込みの手段のみにより立体形状に組み立てられており、外装ケース21は接着剤のみを用いて筒形状に組み立てられている。下ケース22および上ケース23はパッキング25,54を備え、これらパッキング25,54は紙材からなり、ハーフカットによる起立可能な切込み片によりケース22,23に定着保持されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、給茶機等の比較的高重量の製品を包装する包装箱に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の包装箱の構造を図7に示してある。この包装箱は、製品としての給茶機1を包装する外装ケース2、下ケース3、敷板4および上ケース5を備え、これらはそれぞれ段ボールで形成されている。
【0003】
下ケース3は、四隅を金属製のステップル(コ字状針部材)6を用いるステップル打ちで結合して立体的な矩形の皿形状に組み立てられ、この下ケース3内に敷板4を敷き込んで嵌合することが可能となっている。そして敷板4の上面の四隅および両側縁には発泡スチロールや段ボールからなるパッキング7がそれぞれ接着剤により取り付けられている。
【0004】
外装ケース2は、段ボールからなる素材を順次内側にほぼ90度ずつ折曲して矩形の筒形状とし、その1つの角部において素材の一方の側縁を他方の側縁にステップル8を用いるステップル打ちで結合して立体的な矩形の筒形状に組み立てられている。そしてこの外装ケース2の上端の開口部各辺にそれぞれフラップ9が一体に形成されている。
【0005】
外装ケース2の互いに対向する両側面には取っ手穴10が形成され、その各側面の内面には前記取っ手穴10に対応する開口を有する段ボール製の補強厚紙11が接着剤により貼り付けられている。
【0006】
上ケース5は、外装ケース2の上端の開口部内に嵌合可能な逆皿形状にステップル12を用いて組み立てられ、その内側の四隅に発泡スチールや段ボールからなるパッキング13がそれぞれ接着剤により取り付けられている。
【0007】
製品としての給茶機1を包装する際には、まず、下ケース3内に敷板4を敷き込んで嵌合し、この敷板4の上に給茶機1を置き、パッキング7を介してその給茶機1を位置決めする。
【0008】
次に、給茶機1に外装ケース2を被せ、その下端の開口部を下ケース3の外周に嵌合し、この外装ケース2で給茶機1の外周を覆う。この後、外装ケース2の上端の開口部内に上ケース5を嵌合して給茶機1の上面部を覆うとともに、パッキング13で給茶機1を位置決めする。
【0009】
この後、外装ケース2の各フラップ9を内側に折り込んで閉じ合わせ、その互いに対応する一対のフラップ9の突合せ縁の上に封函用テープ14を貼り付け、さらに外装ケース2の上下部に渡る外周に包装用バンド15を複数列に巻き付けて前記パッキング7,13が給茶機1に密着するように締結する。
【0010】
これにより、給茶機1が輸送時や保管時等の振動や衝撃に耐え得るように梱包される。梱包された給茶機1を持ち運んだり移動する際には、外装ケース2の側面の取っ手穴10に手を掛けてその作業を行なう。
【0011】
一方、梱包された給茶機1を輸送先の使用現場等において開梱する際には、包装用バンド15を切断し、外装ケース2を上方に引き上げて給茶機1を露出させ、この給茶機1を下ケース3の上から取り出す。そして使用済みの外装ケース2、下ケース3、上ケース5をそれぞれ分解して嵩張りを小さくし、リサイクル用廃品として処分する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の包装箱における外装ケース2、下ケース3、上ケース5はそれぞれ金属製の多数のステップル6,8,12を用いて組み立てられ、またパッキング7,12が敷板4や上ケース5に接着剤で強固に固定されており、このためこれらの分解が相当面倒となり、その嵩張りもあまり小さくできず、さらに金属製のステップル6,8,12を用いているため、リサイクル上の分別処理が必要で、処分の効率が低下するという問題がある。
【0013】
この発明はこのような点に着目してなされたもので、その目的とするところは、容易に能率よく分解して嵩張りを小さくでき、かつリサイクル上の分別処理も不要で効率よく処分することができる製品包装箱を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、筒形状で上端の開口縁にフラップを一体的に有する外装ケースと、この外装ケースの下端の開口部内に嵌合可能な下ケースと、外装ケースの上端の開口部内に嵌合可能な上ケースとを備え、前記下ケースの上に製品を置き、この製品に前記外装ケースを被せてその下端の開口部を下ケースに嵌合し、この外装ケースの上端の開口部に前記上ケースを嵌合して前記製品の上面部を覆い、かつ前記フラップを閉じ、この状態で前記外装ケースの上下部に渡る外周に包装用バンドを巻き付けて前記製品を梱包する包装箱であって、前記下ケースおよび上ケースは、平板状紙材を素材とし、その素材の折り曲げや差し込みの手段のみにより立体形状に組み立てられており、前記外装ケースは接着剤のみを用いて筒形状に組み立てられていることを特徴としている。
【0015】
請求項2に記載の発明は、前記下ケースおよび上ケースが、前記製品の緩衝用のパッキングを備え、これらパッキングが紙材からなり、前記下ケースおよび上ケースにはそれぞれハーフカットによる起立可能な切込み片が形成され、これら切込み片の起立により前記下ケースに設けられたパッキングがその下ケースに、前記上ケースに設けられたパッキングがその上ケースにそれぞれ定着保持されていることを特徴としている。
【0016】
請求項3に記載の発明は、前記上ケースが四角形の天板部を有し、この天板部の互いに対応する二辺に側板部が、他の互いに対応する二辺にサイド板が連接され、これら側板部およびサイド板が天板部に対してほぼ直角に折曲され、前記天板部と側板部との間の両側部にはその天板部と側板部とに渡るように切込み線が施され、これら切込み線により天板部と側板部との間に跨って延びる細長状の枠片部が形成され、これら枠片部が前記天板部に対する側板部の折曲により立体的なL形状に屈曲し、その屈曲した枠片部の内側が、前記上ケースに装着する前記パッキングの挿入用の装着口として用いられることを特徴としている。
【0017】
請求項4に記載の発明は、前記外装ケースの側面にハーフカットにより取っ手穴および切込み片が形成され、前記上ケースに前記外装ケースの側面と重なる側板部が設けられ、この側板部に前記取っ手穴に対向する開口が形成され、前記切込み片が前記開口を通して側板部の内側に添うように折り込み可能となっていることを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態について図1ないし図6を参照して説明する。 図1には、製品としての給茶機1を包装する包装箱の構造を示してあり、この包装箱は外装ケース21、下ケース22および上ケース23を備えている。
【0019】
下ケース22は、図2に示すように、段ボール等の紙材を素材として矩形の皿形状に組み立てられ、この下ケース22の内側両側部にパッキング25が装着されている。
【0020】
図3には下ケース22の展開図を示してあり、この下ケース22は底板部26を有し、この底板部26の互いに対応する二辺にミシン目等の折り目線27を介して側壁部28が、また他の互いに対応する二辺にミシン目等の折り目線29を介して端壁部30がそれぞれ連接形成されている。
【0021】
各側壁部28の両端部には差込み片31が折り目線32を介して一体に延出形成され、また各端壁部30の外側縁には互いに隣り合う2本の折り目線33,34を介して折り返し片35が一体に連接形成されている。
【0022】
前記各折り返し片35の外側縁には一対の差込み突片36が一体に突出形成され、底板部26には前記差込み突片36に対応するスリット状の差込み孔37が前記折り目線29に隣接して形成されている。また、底板部26には、前記折り目線27と隣り合うようにハーフカットからなる起立可能な切込み片38が形成されている。
【0023】
一方、前記パッキング25は、図2に示すように、例えば段ボール等の紙材からなり、所定の厚さを有する長板状をなし、上面の両端部にはL状の位置決め用突起42が突出形成されているとともに、下面には前記切込み片38に対応する一対の位置決め穴43が形成されている。
【0024】
図3に示す展開状態の下ケース22を皿形状に組み立てる手順について説明すると、まず、底板部26の二辺に連接されている各端壁部30を折り目線29に沿ってほぼ直角に折曲して起立させる。
【0025】
そして、各端壁部30に連接されている折り返し片35を折り目線33,34に沿って順次ほぼ90°ずつ内側に折曲して折り返し片35を端壁部30に対向するように折り返すとともに、その折り返し片35の差込み突片36を底板部26の差込み孔37内に差し込んで折り返し片35を固定する。
【0026】
次に、底板部26の他の二辺に連接されている各側壁部28を折り目線27に沿ってほぼ直角に折曲して起立させる。この際、側壁部28の両端部の各差込み片31を折り目線32に沿って内側にほぼ直角に折曲するとともに、これら差込み片31を前記端壁部30と折り返し片35との間の隙間内にそれぞれ差し込んで側壁部28を固定する。これにより下ケース22が図2(B)に示すような立体的な皿形状となる。
【0027】
この後、この下ケース22の内側両側部に、図2(A)に示すようにそれぞれ前記パッキング25を装着し、これらパッキング25の両端部を前記折り返し片36の端縁と側壁部28の内面との間に差し込んで位置決めする。そしてこの装着後に下ケース22の底板部26に形成されている各切込み片38を起立させてパッキング25の位置決め穴43内に押し込み、パッキング25を下ケース22内の両側部に位置決めし、定着保持する。
【0028】
これにより、ステップルや接着剤を用いることなく、パッキング25を一体的に備える下ケース22が組み立てられる。
【0029】
一方、外装ケース21は、図1に示すように、段ボールからなる素材を順次内側にほぼ90度ずつ折曲して矩形の筒形状とし、その1つの角部において素材の一方の側縁を他方の側縁に接着剤45で結合して立体的な矩形の筒形状に組み立てられている。
【0030】
そしてこの外装ケース21の上端の開口部各辺にそれぞれフラップ46が一体に形成され、また外装ケース21の互いに対向する両側面にハーフカットにより取っ手穴47とその内側に配置する切込み片48が形成されている。
【0031】
前記上ケース23は、図4に示すように、外装ケース21の上端の開口部に対応する大きさをなす四角形の天板部50を有し、この天板部50の互いに対応する二辺にその下方にほぼ直角に折曲する側板部51が連接されている。
【0032】
さらに天板部50の他の互いに対応する二辺には、その下方にほぼ直角に折曲するサイド板52が連接されている。前記側板部51はその高さが高く、前記サイド板52はその高さが低くなっている。そして各サイド板52の両端部側に装着口53が形成され、これら装着口53から天板部50の内側に渡ってパッキング54がそれぞれ装着されている。
【0033】
各側板部51にはその基部の両側に前記パッキング54を受け止めて位置決めするストッパ片57がハーフカットにより形成されているとともに、中間部に前記外装ケース21の取っ手穴47に対応する開口58が形成されている。
【0034】
また、天板部50にはその四隅部分にハーフカットによる起立可能な切込み片60が形成され、中央部には上ケース23の向きを示す矢印状の打ち抜き孔61が形成されている。
【0035】
前記パッキング54は、例えば段ボール等の紙材からなり、所定の厚さを有する立方体形状をなし、その一方の片面にL状の位置決め用突起63を有し、他方の片面に前記切込み片60に対応する一定の深さの位置決め穴64を有している。
【0036】
図5には上ケース23の展開図を示してあり、天板部50の互いに対応する二辺に折り目線66を介して側板部51が連接され、他の互いに対応する二辺に折り目線67を介してサイド板52が連接されている。そして各側板部51にハーフカットによるストッパ片57および打ち抜き加工による開口58が形成されている。
【0037】
各サイド板52の両端部には折り目線69を介して巻き込み片70が延出形成され、この巻き込み片70の中間部に互いに隣り合う一対の折り目線71,72が平行に形成されている。また、これら巻き込み片70の先端縁には差込み突片73が形成され、これら差込み突片73に対応するスリット状の差込み孔74が前記折り目線69に隣接して形成されている。
【0038】
天板部50と側板部51との間の両側部には、その天板部50と側板部51とに渡るように切込み線76が施され、これら切込み線76により天板部50と側板部51との間に跨って延びる細長状の枠片部77が形成されている。そしてこれら枠片部77の両端部および中間部にそれぞれ折り目線78,79,80が施されている。
【0039】
また、天板部50の四隅部分にはハーフカットによる切込み片60が形成され、天板部50の中央部に打ち抜き孔61が形成されている。
【0040】
図5に示す展開状態の上ケース23を立体形状に組み立てる手順について説明すると、まず、折り目線66に沿って側板部51を天板部50に対してほぼ直角に折曲して図4(B)に示すように起立させる。この起立に応じて、天板部50と側板部51との間の各枠片部77がそれぞれ折り目線78,79,80に沿って屈曲して立体的なL形状となり、その内側が前記パッキング54の挿入用の装着口53となる。
【0041】
次に、折り目線67に沿って各サイド板52を天板部50に対してほぼ直角に折曲して起立させる。この後、各サイド板52に連接されている巻き込み片70を折り目線71,72に沿って順次内側にほぼ90°ずつ折曲して前記L形状に屈曲した枠片部77の垂直部を巻き込むように折り返すとともに、差込み突片73を差込み孔74内に差し込んで固定する。
【0042】
これにより、側板部51およびサイド板52の起立状態が固定され、安定した立体形状の上ケース23が組み立てられる。
【0043】
この後、各側板部51の各ストッパ片57をそれぞれ内側に押込んで各装着口53に対向させる。そして各装着口53から側板部51の内側の天板部50の上に、図4(A)に示すようにそれぞれパッキング54を差し込んで前記ストッパ片57に当接さ、装着口53とストッパ片57でパッキング54を位置決めし、さらにこの後、天板部50の各切込み片60を起立させてパッキング54の位置決め穴64内に押し込んでパッキング54を位置決めし、定着保持する。
【0044】
これにより、ステップルや接着剤を用いることなく、パッキング54を一体的に備える上ケース23が組み立てられる。
【0045】
上ケース23にパッキング54を装着する際には、そのパッキング54を装着口53をガイドとして天板部50の所定の位置に的確に挿入することができ、またその装着後のパッキング54を装着口53を構成する枠片部77で安定して保持して的確に位置決めすることができる。
【0046】
次に、給茶機1を包装する手順について説明する。まず、図1に示すように、下ケース22の上に給茶機1を置き、パッキング25を介して給茶機1を位置決めする。
【0047】
次に、給茶機1に外装ケース21を被せ、その下端の開口部を下ケース22の外周に嵌合し、この外装ケース22で給茶機1の外周を覆う。この後、外装ケース2の上端の開口部内に上ケース23をその側板部51が下を向く姿勢で差し込んで給茶機1の上面部を天板部50で覆うとともに、パッキング54で給茶機1を位置決めする。
【0048】
引き続き、外装ケース21の各フラップ46を内側に折り込んで閉じ合わせ、その互いに対応する一対のフラップ46の突合せ縁の上に封函用テープ14を貼り付け、さらに外装ケース21の上下部に渡る外周に包装用バンド15を複数列に巻き付けて、前記パッキング25,54が給茶機1に密着するように締結する。
【0049】
これにより、給茶機1が輸送時や保管時等の振動や衝撃に耐え得るように梱包される。
【0050】
外装ケース21内に上ケース23を差し込んだ際には、図6に示すように、各側板部51の開口58が外装ケース21の両側面の取っ手穴47に対向する。梱包された給茶機1を持ち運んだり移動する際には、ハーフカットにより形成された取っ手穴47の内周側の切込み片38を内側に押し込むとともに、この切込み片38前記開口58を通し、かつ上側に折り込んで上ケース23の側板部51の内面に添わす。そしてこの状態で、取っ手穴47から開口58を通して手先を外装ケース21内に差し込んで梱包状態の給茶機1を持ち運んだり移動する。
【0051】
この際、取っ手穴47の裏側周縁部には側板部51が重なって配置し、この側板部51に取っ手穴47と対向する開口58が形成されており、このため取っ手穴47が側板部51で補強され、つまり給茶機1を持ち上げたときの荷重が取っ手穴47の上縁部と開口58の上縁部とに分散し、したがって取っ手穴47の大きな変形や破壊が防止される。
【0052】
図7に示す従来の包装箱においては、取っ手穴10の裏側に専用の厚紙11を接着剤で貼り付けて補強するようにしているが、この発明の実施形態では専用の厚紙や接着剤を用いることなく上ケース23の一部の側板部51を利用して取っ手穴47を補強しており、このため構造が簡単で製造コストを軽減することができる。
【0053】
一方、梱包された給茶機1を輸送先の使用現場等において開梱する際には、包装用バンド15を切断し、外装ケース21を上方に引き上げて給茶機1を露出させ、給茶機1を下ケース22の上から取り出す。そして使用済みの外装ケース21、下ケース22、上ケース23をそれぞれ分解してリサイクル用廃品として処分する。
【0054】
この際、下ケース22のパッキング25は、接着剤を用いることなく、単にハーフカットからなる切込み片38で下ケース22に定着保持されているだけであり、このためそのパッキング25を下ケース22から容易に取り外して分解することができる。
【0055】
また、下ケース22は、ステップルや接着剤を用いることなく、単に紙材の折り曲げや差し込みの手段のみで組み立てられており、したがってこの下ケース22も容易に分解して図3に示すような平板状に展開することができる。
【0056】
上ケース23においても、パッキング54は、接着剤を用いることなく、単にハーフカットからなる切込み片60で上ケース23に定着保持されているだけであり、このためそのパッキング54を上ケース23から容易に取り外して分解することができる。
【0057】
そして上ケース23は、ステップルや接着剤を用いることなく、単に紙材の折り曲げや差し込みの手段のみで組み立てられており、したがってこの上ケース23も容易に分解して図5示すような平板状に展開することができる。
【0058】
筒形状の外装ケース21は、その1つの角部が従来のようなステップル止めでなく接着剤で結合されているだけであり、このためその接着部を剥して容易に分解し、平板状に展開することができる。
【0059】
このように、外装ケース21、下ケース22、上ケース23の各部材はそれぞれ容易に分解して平板状に展開することができ、したがってこれら部材を積み重ねてコンパクトに束ね、嵩張ることなくリサイクル用廃品として効率よく処分することができる。
【0060】
また、前記各パッキング25,54は外装ケース21、下ケース22、上ケース23の各部材の材料と同質の紙材であるから、これらパッキング25,54を分別することなく、外装ケース21、下ケース22、上ケース23と併せてリサイクル用廃品として処分することができる。
【0061】
下ケース22および上ケース23は、上述のように平板状の展開状態からステップルや接着剤を用いることなく立体形状に容易に組み立てることができるから、下ケース22および上ケース23をコンパクトな展開状態のまま給茶機1の梱包作業現場まで搬送し、その作業現場において下ケース22および上ケース23を組み立て、パッキング25,54を取り付けて梱包することもできる。
【0062】
なお、前記実施形態においては、製品としての給茶機を梱包する場合を例として挙げたが、給茶機に限らず、他の製品の梱包に用いる場合であっても何ら差し支えない。
【0063】
また、この発明の包装箱は、前記一実施形態の構造に限定されるものではなく、各部を種々変更して実施することが可能であることは言うまでもない。
【0064】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、使用後の包装箱を容易に能率よく分解して嵩張りを小さくし、かつ分別の処理を要することなくリサイクル用の廃品として効率よく処分することができる。
【0065】
請求項2の発明によれば、下ケースおよび上ケースに設けられている緩衝用のパッキングもその下ケースおよび上ケースから容易に取り外して効率よく処分することができる。
【0066】
請求項3に記載の発明によれば、上ケースにパッキングを装着する際に、そのパッキングを装着口をガイドとして天板部の所定の位置に的確に挿入することができ、またその装着後のパッキングを装着口を構成する枠片部で安定して保持して的確に位置決めすることができる。
【0067】
請求項4に記載の発明によれば、外装ケースの側面の取っ手穴を簡単な構造で的確に補強することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る包装箱の構造を示す斜視図。
【図2】包装箱の下ケースの構造を示し、(A)は下ケースにパッキングを装着した状態の斜視図、(B)は下ケースからパッキングを分離させた状態の斜視図。
【図3】下ケースの展開図。
【図4】包装箱の上ケースの構造を示し、(A)は上ケースにパッキングを装着した状態の斜視図、(B)は上ケースからパッキングを分離させた状態の斜視図。
【図5】上ケースの展開図。
【図6】包装箱の取っ手穴部分の断面図。
【図7】従来の包装箱の構造を示す斜視図。
【符号の説明】
21…外装ケース、22…下ケース、23…上ケース、25…パッキング、26…底板部、28…側壁部、30…端壁部、31…差し込み片、35…折り返し片、36…差し込み突片、37…差し込み孔、38…切込み片、42…位置決め用突起、43…位置決め穴、45…接着剤、46…フラップ、47…取っ手穴、48…切込み片、50…天板部、51…側板部、52…サイド板、53…装着口、54…パッキング、57…ストッパ片、58…開口、63…位置決め用突起、64…位置決め穴、70…巻き込み片、73…差込み突片、74…差込み孔。
【発明の属する技術分野】
この発明は、給茶機等の比較的高重量の製品を包装する包装箱に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の包装箱の構造を図7に示してある。この包装箱は、製品としての給茶機1を包装する外装ケース2、下ケース3、敷板4および上ケース5を備え、これらはそれぞれ段ボールで形成されている。
【0003】
下ケース3は、四隅を金属製のステップル(コ字状針部材)6を用いるステップル打ちで結合して立体的な矩形の皿形状に組み立てられ、この下ケース3内に敷板4を敷き込んで嵌合することが可能となっている。そして敷板4の上面の四隅および両側縁には発泡スチロールや段ボールからなるパッキング7がそれぞれ接着剤により取り付けられている。
【0004】
外装ケース2は、段ボールからなる素材を順次内側にほぼ90度ずつ折曲して矩形の筒形状とし、その1つの角部において素材の一方の側縁を他方の側縁にステップル8を用いるステップル打ちで結合して立体的な矩形の筒形状に組み立てられている。そしてこの外装ケース2の上端の開口部各辺にそれぞれフラップ9が一体に形成されている。
【0005】
外装ケース2の互いに対向する両側面には取っ手穴10が形成され、その各側面の内面には前記取っ手穴10に対応する開口を有する段ボール製の補強厚紙11が接着剤により貼り付けられている。
【0006】
上ケース5は、外装ケース2の上端の開口部内に嵌合可能な逆皿形状にステップル12を用いて組み立てられ、その内側の四隅に発泡スチールや段ボールからなるパッキング13がそれぞれ接着剤により取り付けられている。
【0007】
製品としての給茶機1を包装する際には、まず、下ケース3内に敷板4を敷き込んで嵌合し、この敷板4の上に給茶機1を置き、パッキング7を介してその給茶機1を位置決めする。
【0008】
次に、給茶機1に外装ケース2を被せ、その下端の開口部を下ケース3の外周に嵌合し、この外装ケース2で給茶機1の外周を覆う。この後、外装ケース2の上端の開口部内に上ケース5を嵌合して給茶機1の上面部を覆うとともに、パッキング13で給茶機1を位置決めする。
【0009】
この後、外装ケース2の各フラップ9を内側に折り込んで閉じ合わせ、その互いに対応する一対のフラップ9の突合せ縁の上に封函用テープ14を貼り付け、さらに外装ケース2の上下部に渡る外周に包装用バンド15を複数列に巻き付けて前記パッキング7,13が給茶機1に密着するように締結する。
【0010】
これにより、給茶機1が輸送時や保管時等の振動や衝撃に耐え得るように梱包される。梱包された給茶機1を持ち運んだり移動する際には、外装ケース2の側面の取っ手穴10に手を掛けてその作業を行なう。
【0011】
一方、梱包された給茶機1を輸送先の使用現場等において開梱する際には、包装用バンド15を切断し、外装ケース2を上方に引き上げて給茶機1を露出させ、この給茶機1を下ケース3の上から取り出す。そして使用済みの外装ケース2、下ケース3、上ケース5をそれぞれ分解して嵩張りを小さくし、リサイクル用廃品として処分する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の包装箱における外装ケース2、下ケース3、上ケース5はそれぞれ金属製の多数のステップル6,8,12を用いて組み立てられ、またパッキング7,12が敷板4や上ケース5に接着剤で強固に固定されており、このためこれらの分解が相当面倒となり、その嵩張りもあまり小さくできず、さらに金属製のステップル6,8,12を用いているため、リサイクル上の分別処理が必要で、処分の効率が低下するという問題がある。
【0013】
この発明はこのような点に着目してなされたもので、その目的とするところは、容易に能率よく分解して嵩張りを小さくでき、かつリサイクル上の分別処理も不要で効率よく処分することができる製品包装箱を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、筒形状で上端の開口縁にフラップを一体的に有する外装ケースと、この外装ケースの下端の開口部内に嵌合可能な下ケースと、外装ケースの上端の開口部内に嵌合可能な上ケースとを備え、前記下ケースの上に製品を置き、この製品に前記外装ケースを被せてその下端の開口部を下ケースに嵌合し、この外装ケースの上端の開口部に前記上ケースを嵌合して前記製品の上面部を覆い、かつ前記フラップを閉じ、この状態で前記外装ケースの上下部に渡る外周に包装用バンドを巻き付けて前記製品を梱包する包装箱であって、前記下ケースおよび上ケースは、平板状紙材を素材とし、その素材の折り曲げや差し込みの手段のみにより立体形状に組み立てられており、前記外装ケースは接着剤のみを用いて筒形状に組み立てられていることを特徴としている。
【0015】
請求項2に記載の発明は、前記下ケースおよび上ケースが、前記製品の緩衝用のパッキングを備え、これらパッキングが紙材からなり、前記下ケースおよび上ケースにはそれぞれハーフカットによる起立可能な切込み片が形成され、これら切込み片の起立により前記下ケースに設けられたパッキングがその下ケースに、前記上ケースに設けられたパッキングがその上ケースにそれぞれ定着保持されていることを特徴としている。
【0016】
請求項3に記載の発明は、前記上ケースが四角形の天板部を有し、この天板部の互いに対応する二辺に側板部が、他の互いに対応する二辺にサイド板が連接され、これら側板部およびサイド板が天板部に対してほぼ直角に折曲され、前記天板部と側板部との間の両側部にはその天板部と側板部とに渡るように切込み線が施され、これら切込み線により天板部と側板部との間に跨って延びる細長状の枠片部が形成され、これら枠片部が前記天板部に対する側板部の折曲により立体的なL形状に屈曲し、その屈曲した枠片部の内側が、前記上ケースに装着する前記パッキングの挿入用の装着口として用いられることを特徴としている。
【0017】
請求項4に記載の発明は、前記外装ケースの側面にハーフカットにより取っ手穴および切込み片が形成され、前記上ケースに前記外装ケースの側面と重なる側板部が設けられ、この側板部に前記取っ手穴に対向する開口が形成され、前記切込み片が前記開口を通して側板部の内側に添うように折り込み可能となっていることを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態について図1ないし図6を参照して説明する。 図1には、製品としての給茶機1を包装する包装箱の構造を示してあり、この包装箱は外装ケース21、下ケース22および上ケース23を備えている。
【0019】
下ケース22は、図2に示すように、段ボール等の紙材を素材として矩形の皿形状に組み立てられ、この下ケース22の内側両側部にパッキング25が装着されている。
【0020】
図3には下ケース22の展開図を示してあり、この下ケース22は底板部26を有し、この底板部26の互いに対応する二辺にミシン目等の折り目線27を介して側壁部28が、また他の互いに対応する二辺にミシン目等の折り目線29を介して端壁部30がそれぞれ連接形成されている。
【0021】
各側壁部28の両端部には差込み片31が折り目線32を介して一体に延出形成され、また各端壁部30の外側縁には互いに隣り合う2本の折り目線33,34を介して折り返し片35が一体に連接形成されている。
【0022】
前記各折り返し片35の外側縁には一対の差込み突片36が一体に突出形成され、底板部26には前記差込み突片36に対応するスリット状の差込み孔37が前記折り目線29に隣接して形成されている。また、底板部26には、前記折り目線27と隣り合うようにハーフカットからなる起立可能な切込み片38が形成されている。
【0023】
一方、前記パッキング25は、図2に示すように、例えば段ボール等の紙材からなり、所定の厚さを有する長板状をなし、上面の両端部にはL状の位置決め用突起42が突出形成されているとともに、下面には前記切込み片38に対応する一対の位置決め穴43が形成されている。
【0024】
図3に示す展開状態の下ケース22を皿形状に組み立てる手順について説明すると、まず、底板部26の二辺に連接されている各端壁部30を折り目線29に沿ってほぼ直角に折曲して起立させる。
【0025】
そして、各端壁部30に連接されている折り返し片35を折り目線33,34に沿って順次ほぼ90°ずつ内側に折曲して折り返し片35を端壁部30に対向するように折り返すとともに、その折り返し片35の差込み突片36を底板部26の差込み孔37内に差し込んで折り返し片35を固定する。
【0026】
次に、底板部26の他の二辺に連接されている各側壁部28を折り目線27に沿ってほぼ直角に折曲して起立させる。この際、側壁部28の両端部の各差込み片31を折り目線32に沿って内側にほぼ直角に折曲するとともに、これら差込み片31を前記端壁部30と折り返し片35との間の隙間内にそれぞれ差し込んで側壁部28を固定する。これにより下ケース22が図2(B)に示すような立体的な皿形状となる。
【0027】
この後、この下ケース22の内側両側部に、図2(A)に示すようにそれぞれ前記パッキング25を装着し、これらパッキング25の両端部を前記折り返し片36の端縁と側壁部28の内面との間に差し込んで位置決めする。そしてこの装着後に下ケース22の底板部26に形成されている各切込み片38を起立させてパッキング25の位置決め穴43内に押し込み、パッキング25を下ケース22内の両側部に位置決めし、定着保持する。
【0028】
これにより、ステップルや接着剤を用いることなく、パッキング25を一体的に備える下ケース22が組み立てられる。
【0029】
一方、外装ケース21は、図1に示すように、段ボールからなる素材を順次内側にほぼ90度ずつ折曲して矩形の筒形状とし、その1つの角部において素材の一方の側縁を他方の側縁に接着剤45で結合して立体的な矩形の筒形状に組み立てられている。
【0030】
そしてこの外装ケース21の上端の開口部各辺にそれぞれフラップ46が一体に形成され、また外装ケース21の互いに対向する両側面にハーフカットにより取っ手穴47とその内側に配置する切込み片48が形成されている。
【0031】
前記上ケース23は、図4に示すように、外装ケース21の上端の開口部に対応する大きさをなす四角形の天板部50を有し、この天板部50の互いに対応する二辺にその下方にほぼ直角に折曲する側板部51が連接されている。
【0032】
さらに天板部50の他の互いに対応する二辺には、その下方にほぼ直角に折曲するサイド板52が連接されている。前記側板部51はその高さが高く、前記サイド板52はその高さが低くなっている。そして各サイド板52の両端部側に装着口53が形成され、これら装着口53から天板部50の内側に渡ってパッキング54がそれぞれ装着されている。
【0033】
各側板部51にはその基部の両側に前記パッキング54を受け止めて位置決めするストッパ片57がハーフカットにより形成されているとともに、中間部に前記外装ケース21の取っ手穴47に対応する開口58が形成されている。
【0034】
また、天板部50にはその四隅部分にハーフカットによる起立可能な切込み片60が形成され、中央部には上ケース23の向きを示す矢印状の打ち抜き孔61が形成されている。
【0035】
前記パッキング54は、例えば段ボール等の紙材からなり、所定の厚さを有する立方体形状をなし、その一方の片面にL状の位置決め用突起63を有し、他方の片面に前記切込み片60に対応する一定の深さの位置決め穴64を有している。
【0036】
図5には上ケース23の展開図を示してあり、天板部50の互いに対応する二辺に折り目線66を介して側板部51が連接され、他の互いに対応する二辺に折り目線67を介してサイド板52が連接されている。そして各側板部51にハーフカットによるストッパ片57および打ち抜き加工による開口58が形成されている。
【0037】
各サイド板52の両端部には折り目線69を介して巻き込み片70が延出形成され、この巻き込み片70の中間部に互いに隣り合う一対の折り目線71,72が平行に形成されている。また、これら巻き込み片70の先端縁には差込み突片73が形成され、これら差込み突片73に対応するスリット状の差込み孔74が前記折り目線69に隣接して形成されている。
【0038】
天板部50と側板部51との間の両側部には、その天板部50と側板部51とに渡るように切込み線76が施され、これら切込み線76により天板部50と側板部51との間に跨って延びる細長状の枠片部77が形成されている。そしてこれら枠片部77の両端部および中間部にそれぞれ折り目線78,79,80が施されている。
【0039】
また、天板部50の四隅部分にはハーフカットによる切込み片60が形成され、天板部50の中央部に打ち抜き孔61が形成されている。
【0040】
図5に示す展開状態の上ケース23を立体形状に組み立てる手順について説明すると、まず、折り目線66に沿って側板部51を天板部50に対してほぼ直角に折曲して図4(B)に示すように起立させる。この起立に応じて、天板部50と側板部51との間の各枠片部77がそれぞれ折り目線78,79,80に沿って屈曲して立体的なL形状となり、その内側が前記パッキング54の挿入用の装着口53となる。
【0041】
次に、折り目線67に沿って各サイド板52を天板部50に対してほぼ直角に折曲して起立させる。この後、各サイド板52に連接されている巻き込み片70を折り目線71,72に沿って順次内側にほぼ90°ずつ折曲して前記L形状に屈曲した枠片部77の垂直部を巻き込むように折り返すとともに、差込み突片73を差込み孔74内に差し込んで固定する。
【0042】
これにより、側板部51およびサイド板52の起立状態が固定され、安定した立体形状の上ケース23が組み立てられる。
【0043】
この後、各側板部51の各ストッパ片57をそれぞれ内側に押込んで各装着口53に対向させる。そして各装着口53から側板部51の内側の天板部50の上に、図4(A)に示すようにそれぞれパッキング54を差し込んで前記ストッパ片57に当接さ、装着口53とストッパ片57でパッキング54を位置決めし、さらにこの後、天板部50の各切込み片60を起立させてパッキング54の位置決め穴64内に押し込んでパッキング54を位置決めし、定着保持する。
【0044】
これにより、ステップルや接着剤を用いることなく、パッキング54を一体的に備える上ケース23が組み立てられる。
【0045】
上ケース23にパッキング54を装着する際には、そのパッキング54を装着口53をガイドとして天板部50の所定の位置に的確に挿入することができ、またその装着後のパッキング54を装着口53を構成する枠片部77で安定して保持して的確に位置決めすることができる。
【0046】
次に、給茶機1を包装する手順について説明する。まず、図1に示すように、下ケース22の上に給茶機1を置き、パッキング25を介して給茶機1を位置決めする。
【0047】
次に、給茶機1に外装ケース21を被せ、その下端の開口部を下ケース22の外周に嵌合し、この外装ケース22で給茶機1の外周を覆う。この後、外装ケース2の上端の開口部内に上ケース23をその側板部51が下を向く姿勢で差し込んで給茶機1の上面部を天板部50で覆うとともに、パッキング54で給茶機1を位置決めする。
【0048】
引き続き、外装ケース21の各フラップ46を内側に折り込んで閉じ合わせ、その互いに対応する一対のフラップ46の突合せ縁の上に封函用テープ14を貼り付け、さらに外装ケース21の上下部に渡る外周に包装用バンド15を複数列に巻き付けて、前記パッキング25,54が給茶機1に密着するように締結する。
【0049】
これにより、給茶機1が輸送時や保管時等の振動や衝撃に耐え得るように梱包される。
【0050】
外装ケース21内に上ケース23を差し込んだ際には、図6に示すように、各側板部51の開口58が外装ケース21の両側面の取っ手穴47に対向する。梱包された給茶機1を持ち運んだり移動する際には、ハーフカットにより形成された取っ手穴47の内周側の切込み片38を内側に押し込むとともに、この切込み片38前記開口58を通し、かつ上側に折り込んで上ケース23の側板部51の内面に添わす。そしてこの状態で、取っ手穴47から開口58を通して手先を外装ケース21内に差し込んで梱包状態の給茶機1を持ち運んだり移動する。
【0051】
この際、取っ手穴47の裏側周縁部には側板部51が重なって配置し、この側板部51に取っ手穴47と対向する開口58が形成されており、このため取っ手穴47が側板部51で補強され、つまり給茶機1を持ち上げたときの荷重が取っ手穴47の上縁部と開口58の上縁部とに分散し、したがって取っ手穴47の大きな変形や破壊が防止される。
【0052】
図7に示す従来の包装箱においては、取っ手穴10の裏側に専用の厚紙11を接着剤で貼り付けて補強するようにしているが、この発明の実施形態では専用の厚紙や接着剤を用いることなく上ケース23の一部の側板部51を利用して取っ手穴47を補強しており、このため構造が簡単で製造コストを軽減することができる。
【0053】
一方、梱包された給茶機1を輸送先の使用現場等において開梱する際には、包装用バンド15を切断し、外装ケース21を上方に引き上げて給茶機1を露出させ、給茶機1を下ケース22の上から取り出す。そして使用済みの外装ケース21、下ケース22、上ケース23をそれぞれ分解してリサイクル用廃品として処分する。
【0054】
この際、下ケース22のパッキング25は、接着剤を用いることなく、単にハーフカットからなる切込み片38で下ケース22に定着保持されているだけであり、このためそのパッキング25を下ケース22から容易に取り外して分解することができる。
【0055】
また、下ケース22は、ステップルや接着剤を用いることなく、単に紙材の折り曲げや差し込みの手段のみで組み立てられており、したがってこの下ケース22も容易に分解して図3に示すような平板状に展開することができる。
【0056】
上ケース23においても、パッキング54は、接着剤を用いることなく、単にハーフカットからなる切込み片60で上ケース23に定着保持されているだけであり、このためそのパッキング54を上ケース23から容易に取り外して分解することができる。
【0057】
そして上ケース23は、ステップルや接着剤を用いることなく、単に紙材の折り曲げや差し込みの手段のみで組み立てられており、したがってこの上ケース23も容易に分解して図5示すような平板状に展開することができる。
【0058】
筒形状の外装ケース21は、その1つの角部が従来のようなステップル止めでなく接着剤で結合されているだけであり、このためその接着部を剥して容易に分解し、平板状に展開することができる。
【0059】
このように、外装ケース21、下ケース22、上ケース23の各部材はそれぞれ容易に分解して平板状に展開することができ、したがってこれら部材を積み重ねてコンパクトに束ね、嵩張ることなくリサイクル用廃品として効率よく処分することができる。
【0060】
また、前記各パッキング25,54は外装ケース21、下ケース22、上ケース23の各部材の材料と同質の紙材であるから、これらパッキング25,54を分別することなく、外装ケース21、下ケース22、上ケース23と併せてリサイクル用廃品として処分することができる。
【0061】
下ケース22および上ケース23は、上述のように平板状の展開状態からステップルや接着剤を用いることなく立体形状に容易に組み立てることができるから、下ケース22および上ケース23をコンパクトな展開状態のまま給茶機1の梱包作業現場まで搬送し、その作業現場において下ケース22および上ケース23を組み立て、パッキング25,54を取り付けて梱包することもできる。
【0062】
なお、前記実施形態においては、製品としての給茶機を梱包する場合を例として挙げたが、給茶機に限らず、他の製品の梱包に用いる場合であっても何ら差し支えない。
【0063】
また、この発明の包装箱は、前記一実施形態の構造に限定されるものではなく、各部を種々変更して実施することが可能であることは言うまでもない。
【0064】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、使用後の包装箱を容易に能率よく分解して嵩張りを小さくし、かつ分別の処理を要することなくリサイクル用の廃品として効率よく処分することができる。
【0065】
請求項2の発明によれば、下ケースおよび上ケースに設けられている緩衝用のパッキングもその下ケースおよび上ケースから容易に取り外して効率よく処分することができる。
【0066】
請求項3に記載の発明によれば、上ケースにパッキングを装着する際に、そのパッキングを装着口をガイドとして天板部の所定の位置に的確に挿入することができ、またその装着後のパッキングを装着口を構成する枠片部で安定して保持して的確に位置決めすることができる。
【0067】
請求項4に記載の発明によれば、外装ケースの側面の取っ手穴を簡単な構造で的確に補強することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る包装箱の構造を示す斜視図。
【図2】包装箱の下ケースの構造を示し、(A)は下ケースにパッキングを装着した状態の斜視図、(B)は下ケースからパッキングを分離させた状態の斜視図。
【図3】下ケースの展開図。
【図4】包装箱の上ケースの構造を示し、(A)は上ケースにパッキングを装着した状態の斜視図、(B)は上ケースからパッキングを分離させた状態の斜視図。
【図5】上ケースの展開図。
【図6】包装箱の取っ手穴部分の断面図。
【図7】従来の包装箱の構造を示す斜視図。
【符号の説明】
21…外装ケース、22…下ケース、23…上ケース、25…パッキング、26…底板部、28…側壁部、30…端壁部、31…差し込み片、35…折り返し片、36…差し込み突片、37…差し込み孔、38…切込み片、42…位置決め用突起、43…位置決め穴、45…接着剤、46…フラップ、47…取っ手穴、48…切込み片、50…天板部、51…側板部、52…サイド板、53…装着口、54…パッキング、57…ストッパ片、58…開口、63…位置決め用突起、64…位置決め穴、70…巻き込み片、73…差込み突片、74…差込み孔。
Claims (4)
- 筒形状で上端の開口縁にフラップを一体的に有する外装ケースと、この外装ケースの下端の開口部内に嵌合可能な下ケースと、外装ケースの上端の開口部内に嵌合可能な上ケースとを備え、
前記下ケースの上に製品を置き、この製品に前記外装ケースを被せてその下端の開口部を下ケースに嵌合し、この外装ケースの上端の開口部に前記上ケースを嵌合して前記製品の上面部を覆い、かつ前記フラップを閉じ、この状態で前記外装ケースの上下部に渡る外周に包装用バンドを巻き付けて前記製品を梱包する包装箱であって、
前記下ケースおよび上ケースは、平板状紙材を素材とし、その素材の折り曲げや差し込みの手段のみにより立体形状に組み立てられており、前記外装ケースは接着剤のみを用いて筒形状に組み立てられていることを特徴とする製品包装箱。 - 前記下ケースおよび上ケースは、前記製品の緩衝用のパッキングを備え、これらパッキングは紙材からなり、これらパッキングには位置決め穴が形成され、一方前記下ケースおよび上ケースにはそれぞれハーフカットによる起立可能な切込み片が形成され、これら切込み片の起立により前記下ケースに設けられたパッキングがその下ケースに、前記上ケースに設けられたパッキングがその上ケースにそれぞれ定着保持されていることを特徴とする請求項1に記載の製品包装箱。
- 前記上ケースは四角形の天板部を有し、この天板部の互いに対応する二辺に側板部が、他の互いに対応する二辺にサイド板が連接され、これら側板部およびサイド板が天板部に対してほぼ直角に折曲され、前記天板部と側板部との間の両側部にはその天板部と側板部とに渡るように切込み線が施され、これら切込み線により天板部と側板部との間に跨って延びる細長状の枠片部が形成され、これら枠片部が前記天板部に対する側板部の折曲により立体的なL形状に屈曲し、その屈曲した枠片部の内側が、前記上ケースに装着する前記パッキングの挿入用の装着口として用いられることを特徴とする請求項2に記載の製品包装箱。
- 前記外装ケースの側面には、ハーフカットにより取っ手穴および切込み片が形成され、前記上ケースには前記外装ケースの側面と重なる側板部が設けられ、この側板部に前記取っ手穴に対向する開口が形成され、前記切込み片が前記開口を通して側板部の内側に添うように折り込み可能となっていることを特徴とする請求項1、2または3に記載の製品包装箱。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003062004A JP2004268979A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 製品包装箱 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003062004A JP2004268979A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 製品包装箱 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004268979A true JP2004268979A (ja) | 2004-09-30 |
Family
ID=33124056
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003062004A Withdrawn JP2004268979A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 製品包装箱 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004268979A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010070205A (ja) * | 2008-09-17 | 2010-04-02 | Sharp Corp | 梱包箱 |
JP4572993B1 (ja) * | 2009-09-04 | 2010-11-04 | 富士ゼロックス株式会社 | 梱包材 |
US10513368B2 (en) | 2017-04-19 | 2019-12-24 | Ricoh Company, Ltd. | Packaging body |
JP2020193017A (ja) * | 2019-05-29 | 2020-12-03 | 株式会社カーメイト | 商品包装容器 |
-
2003
- 2003-03-07 JP JP2003062004A patent/JP2004268979A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010070205A (ja) * | 2008-09-17 | 2010-04-02 | Sharp Corp | 梱包箱 |
JP4572993B1 (ja) * | 2009-09-04 | 2010-11-04 | 富士ゼロックス株式会社 | 梱包材 |
JP2011051645A (ja) * | 2009-09-04 | 2011-03-17 | Fuji Xerox Co Ltd | 梱包材 |
US7946426B2 (en) | 2009-09-04 | 2011-05-24 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Package material |
US10513368B2 (en) | 2017-04-19 | 2019-12-24 | Ricoh Company, Ltd. | Packaging body |
JP2020193017A (ja) * | 2019-05-29 | 2020-12-03 | 株式会社カーメイト | 商品包装容器 |
JP7252059B2 (ja) | 2019-05-29 | 2023-04-04 | 株式会社カーメイト | 商品包装容器 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4130198B2 (ja) | 段ボール製包装箱 | |
JP2009241937A (ja) | 梱包装置 | |
JP2004268979A (ja) | 製品包装箱 | |
KR200389484Y1 (ko) | 포장박스 | |
JP3145639U (ja) | 収容箱のフラップ蓋用冶具 | |
JP3160659U (ja) | 身蓋一体の組立包装箱 | |
JP2002193243A (ja) | 包装容器 | |
JP4307756B2 (ja) | 梱包具及び梱包体 | |
KR200339435Y1 (ko) | 포장용 상자 | |
JP2633451B2 (ja) | 簡易梱包部材 | |
JP4099855B2 (ja) | 緩衝包装装置 | |
JP3040053U (ja) | 把手付包装箱 | |
JP4232962B2 (ja) | 梱包装置 | |
JP3834941B2 (ja) | 梱包装置 | |
JPH06122440A (ja) | 紙器及びその製造方法 | |
JP4223413B2 (ja) | 遊技盤梱包装置 | |
JP4136631B2 (ja) | 紙箱 | |
JP2787999B2 (ja) | 梱包装置 | |
JP2004359279A (ja) | 包装用箱 | |
JP2011111172A (ja) | 包装箱 | |
JPH08217150A (ja) | 包装具 | |
JP2006103712A (ja) | 組立式箱 | |
JP3155293U (ja) | パレット用収容容器 | |
JP4238387B2 (ja) | 包装装置 | |
JP2004359252A (ja) | 梱包箱 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050315 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070928 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071030 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20071211 |