JP2004267817A - 土壌改良材 - Google Patents

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Abstract

【課題】有害重金属を含む土壤を固化させ、有害重金属の溶出を抑制する。
【解決手段】セッコウと高炉徐冷スラグ粉末を含有してなる土壌改良材。本発明の土壌改良材を使用することにより、固化体が高い強度を示し、土壌中の有害な水銀、鉛、カドミウム、および6価クロム等の有害重金属の溶出を抑制できる。本発明の土壤改良材はメッキ工場やステンレス製鋼業等の廃棄物としてのクロム、Ni−Cd電池におけるカドミウム、および蓄電池における鉛等の有害重金属を含む土壤から、これらの有害重金属の溶出を抑制することができるため、これらの有害重金属を含む土壤の改良に最適である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、6価クロム、3価クロム、カドミウム、および鉛等の有害重金属を含有した粘性土、ヘドロ、軟弱地盤等の土壤を固化させ、有害重金属の溶出を抑える土壌改良材に関する。また、本発明における部や%は、特に規定のない限り質量基準である。
【0002】
【従来の技術と課題】
有害重金属を含有する土壤の処理に関連する問題は、我々の生活に比較的近い場所でも起こり得る。有害重金属の発生源の例としては、メッキ工場やステンレス製鋼業等の廃棄物としての6価クロム、3価クロム、Ni−Cd電池におけるカドミウムや蓄電池における鉛等が挙げられる。
【0003】
本発明でいう有害重金属とは、水銀、鉛、カドミウム、6価クロム、および3価クロム等であり、これらの有害重金属に対して、例えば環境基本法、環境庁告示第46号(土壌の汚染に係る環境基準)、廃棄物処理法、および生活環境保全条例等の多くの環境基準が制定されており、あらゆる環境中における有害重金属量が厳しく規制されている。
【0004】
これらの有害重金属は厳しく管理されているにも関わらず、不測の事故等により有害重金属で汚染された土壤を有する工場跡地や鉱山跡地等が存在する。
【0005】
これらの工業跡地や鉱山跡地等に存在する、有害重金属で汚染された土壌を放置することは、地下水への流出等による有害重金属汚染の拡大を引き起こしたり、これら有害重金属が、動植物を経由して人体に蓄積された場合には人体に多大な悪影響をおよぼすことが知られているため、有害重金属を含む土壤が環境保全上無害になるような対策を速やかに講じる必要があった。
【0006】
これらの有害重金属の中でも6価クロムは人体に対して非常に有害であり、公害病の原因物質となったことは周知の通りである。また、6価クロムが低濃度であっても、アレルギーによって炎症等を引き起こす場合がある。また、6価クロムは、移動速度が速く、不溶化が難しいことから、特に対策が必要とされている。
【0007】
これまでに6価クロムの無害化方法として、有害な6価のクロムを無害な3価に還元して不溶化する効果がある水溶性の第一鉄塩を添加する方法が提案されている(特許文献1〜3参照)。
【0008】
しかしながら、水溶性の第一鉄塩は高価なうえ、初期の無害化には優れるものの、空気中の酸素と容易に反応して酸化し還元作用が失われるという課題や、コストがかかる等の課題があった。
【0009】
また、高炉水砕スラグを6価クロム低減剤として用いる方法が提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、高炉水砕スラグは、長期的な効果は期待できるものの、短期的な6価クロム低減効果が従来の方法に比べ劣るという課題があり、また、土壤の種類によっては6価クロム低減効果が顕著でないという課題もあった。
【0010】
また、硫黄含有スラグをエージングする際に抽出される硫黄含有水溶液である黄水をクロム酸イオンの還元剤として用いる方法が提案されている(特許文献5参照)。
【0011】
しかしながら、硫黄含有スラグのエージングには1年以上の時間がかかるため、その製造には時間がかかること、また、黄水中の有効成分であり、6価クロム還元剤として機能するチオ硫酸イオン、硫黄イオン、または亜硫酸イオン等が空気中の酸素と反応して酸化され、黄水の6価クロムの還元効果が低下する原因となるという課題があった。
【0012】
また、セメントやカルシウムアルミネート等により固定化する方法も提案されている(特許文献6及び特許文献7参照)。しかしながら、カドミウムや鉛などと共に6価クロムを含有するような土壌や廃棄物を処理する場合、セメントやカルシウムアルミネート等が6価クロムに対し選択的に反応するわけではないため、6価クロムの固定能が低下したり、その固定化した状態も有害な6価クロムのままであるため、6価クロムが溶出した場合のリスクが大きいという課題があった。
【0013】
また、セメントやカルシウムアルミネートを製造するためには多大なエネルギーを必要とするため、これらの材料を産業廃棄物処理用途に用いるのではなく、土木や建築用途など、より重要な用途に使うべきとの意見が多かった。
【0014】
そこで本発明者らが鋭意検討した結果、特定の土壌改良材が6価クロム等の有害重金属を含有する土壤からの有害重金属の溶出量を著しく抑制する効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【特許文献1】特開昭47−031894号公報
【特許文献2】特開昭48−083114号公報
【特許文献3】特開昭49−016714号公報
【特許文献4】特開2000−086322号公報
【特許文献5】特開平06−279817号公報
【特許文献6】特開昭56−095399号公報
【特許文献7】特開2002−059141号公報
【0016】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、セッコウと高炉徐冷スラグ粉末を含有してなる土壌改良材であり、高炉徐冷スラグ粉末の粒度がブレーン比表面積値で500cm/g以上であることを特徴とする該土壌改良材であり、高炉徐冷スラグ粉末のガラス化率が30%以下であることを特徴とする該土壌改良材であり、高炉徐冷スラグ粉末の非硫酸態イオウ含有量が0.5%以上であることを特徴とする該土壌改良材であり、セッコウが半水セッコウであることを特徴とする該土壌改良材であり、該土壌改良材を用いてなる土壌改良方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】
本発明に係る有害重金属とは特に限定されるものではないが、汚染土壌、産業廃棄物中に含まれる水銀、鉛、カドミウム、および6価クロム等である。
【0019】
本発明で使用する高炉徐冷スラグ粉末は製鋼産業において副生する高炉スラグを徐冷し結晶化させた高炉スラグを粉砕したものである。高炉徐冷スラグ粉末の成分は、高炉水砕スラグと同様の組成を有しており、具体的にはSiO、CaO、Al、およびMgO等を主要な化学成分とし、その他の成分としてTiO、MnO、NaO、S、P、KO、NaO、およびFe等が挙げられる。
【0020】
また、高炉徐冷スラグ粉末は、化合物として、ゲーレナイト2CaO・Al・SiOとアケルマナイト2CaO・MgO・2SiOの混晶のメリライトを主成分とし、硫化カルシウムCaSや硫化鉄FeS等の非硫酸態イオウを含むものであり、さらに、ダイカルシウムシリケート2CaO・SiOやランキナイト3CaO・2SiOやワラストナイトCaO・SiO等のカルシウムシリケート、メルビナイト3CaO・MgO・2SiOやモンチセライトCaO・MgO・SiO等のカルシウムマグネシウムシリケート、アノーサイトCaO・Al・2SiOやリューサイト(KO、NaO)・Al・SiOやスピネルMgO・Al、及びマグネタイトFeを含むことがある。
【0021】
高炉徐冷スラグを粉砕することにより、硫化カルシウムCaSや硫化鉄FeS等の硫化物が粒子表面に露出し、水と接した際にチオ硫酸イオンや亜硫酸イオン等の非硫酸態イオウが溶出する。
【0022】
このように、高炉徐冷スラグ粉末は、非硫酸態イオウを含有することにより、6価クロム等を低減する効果を発揮するものであるが、その微構造が重要であり、非硫酸態イオウを含まないスラグに、非硫酸態イオウを含む化合物である多硫化物、硫化物、チオ硫酸塩、および/または亜硫酸塩等を単に添加したのでは、本発明の優れた6価クロムの低減効果や有害重金属の溶出を抑制する効果は得られない。
【0023】
また、鉄鋼産業から供給される塊状の高炉徐冷スラグは増量材等として使用されてきたが、塊状では有害重金属の溶出を抑制する効果が不足するため、有害重金属の溶出を抑制するためには、表面に非硫酸態イオウを含む化合物が露出するまで粉砕する必要がある。また、高炉水砕スラグはイオウ分を含むが、高炉徐冷スラグとは微構造やイオウの存在形態等が異なるため、水分と接触しても非硫酸態イオウが得られない。
【0024】
高炉徐冷スラグ粉末から溶出する非硫酸態イオウは、有害な6価クロムを無害な3価クロムに還元する6価クロム低減効果を示すと同時に、還元反応で生成した3価クロムと反応し、3価クロムを安定な不溶性の化合物に変えて溶出を抑制する効果がある。また、非硫酸態イオウは、クロム以外の有害重金属と反応した場合も不溶性の化合物を生成し、これらの有害重金属の溶出を抑制する効果がある。
【0025】
本発明に用いる高炉徐冷スラグ粉末の粒度は特に限定されないが、ブレーン比表面積値(以下、ブレーン値という)で500cm/g以上が好ましく、用途や要求特性に応じて粒度を選定することができる。500cm/g未満では、有害重金属の溶出を抑制する効果が充分に得られない場合がある。
【0026】
このように、高炉徐冷スラグ粉末の粒度を変えることによって、非硫酸態イオウの溶出量を制御することが可能であり、粒度を高めることにより初期の有害重金属の溶出を抑制する効果が高まり、逆に粒度を低くすることで長期にわたる有害重金属の溶出を抑制する効果を与えることが可能となる。
【0027】
すなわち、有害重金属の溶出を抑制する効果に関し、即効性を要求される用途では高炉徐冷スラグ粉末の粒度がブレーン値500〜2,000cm/gの粗粉を、遅効性が要求される用途では高炉徐冷スラグ粉末の粒度がブレーン値2,000cm/g以上の微粉を、即効性と遅効性の両立を要求される用途では上記の粗粉と微粉とを混合して用いることが好ましい。
【0028】
高炉徐冷スラグ粉末のガラス化率は、30%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。ガラス化率がこの範囲外では所定の有害重金属の溶出を抑制する効果が得られない場合がある。
【0029】
高炉徐冷スラグ粉末のガラス化率が高い場合、ほぼ同量の非硫酸態イオウを含有していても、結晶質である徐冷スラグに比しガラス化率の高いスラグはチオ硫酸硫黄等の溶出が極めて少なく、6価クロム低減効果や有害重金属の溶出を抑制する効果は小さい。
【0030】
本発明でいうガラス化率(X)は、X(%)=(1−S/S)×100として求められる。ここで、Sは粉末X線解析法により求められる高炉徐冷スラグ粉末を構成する主要な結晶性化合物であるメリライト(ゲーレナイト2CaO・Al・SiOとアケルマナイト2CaO・MgO・2SiOの混晶)のX線回折チャート上のメインピークの面積であり、Sは高炉徐冷スラグ粉末を1,000℃で3時間加熱し、その後、5℃/分の冷却速度で冷却したメリライトのX線回折チャート上のメインピークの面積を表す。
【0031】
高炉徐冷スラグ粉末中の非硫酸態イオウ含有量は、0.5%以上が好ましい。高炉徐冷スラグ粉末中の非硫酸態イオウ含有量が0.5%未満では、有害重金属の溶出を充分に抑制する効果が得られない場合がある。
【0032】
非硫酸態イオウ量は、全イオウ量、単体イオウ量、硫化物態イオウ量、チオ硫酸態イオウ量、および硫酸態イオウ(三酸化イオウ)量を山口と小野の方法により定量することによって、また、硫酸態イオウ量(三酸化イオウ)と硫化物イオウ量については、JIS R 5202に定められた方法により定量することによっても求めることができる(「高炉スラグ中硫黄の状態分析」、山口直治、小野昭鉱:製鉄研究、第301号、pp.37−40、1980参照)。
【0033】
本発明で使用するセッコウは、二水セッコウ、半水セッコウ、無水セッコウ等がある。これらのセッコウは、二水セッコウの焼成物、水熱処理物、天然産品、またはセメント等の工業製品の製造に伴う副産品等のいずれも使用できる。これらのセッコウの中でも、半水セッコウが最も強度発現性に優れ、好ましい。
【0034】
また、セッコウは、特に純度100%のものを用いる必要はなく、粘土鉱物等の不純物量が内割で10%以内であればよい。また、セメント等を製造する際に発生する副産品である二水セッコウや、二水セッコウを熱処理して得られる半水セッコウを使用することにより、セッコウの製造に伴うエネルギー消費を抑制し、地球環境保全に資するところが極めて大きいという利点がある。
【0035】
また、セッコウの粒度は細かい方が好ましいが、ブレーン値で2,000cm/g以上が好ましく、3,000〜8,000cm/gがより好ましい。セッコウのブレーン値が2,000cm/g未満では有害重金属の溶出の抑制効果が充分でない場合があり、8,000cm/gを超えても更なる効果が期待できない。
【0036】
本発明の土壌改良材中のセッコウと高炉徐冷スラグ粉末の配合は特に制限されないが、土壌改良材100部中、高炉徐冷スラグ粉末1〜50部、セッコウ99〜50部が好ましく、高炉徐冷スラグ粉末5〜30部、セッコウは95〜70部がより好ましい。高炉徐冷スラグ粉末が50部を超えると強度発現が不足する場合があり、高炉徐冷スラグ粉末が1部未満では有害重金属の溶出を抑制する効果が低下する場合がある。
【0037】
本発明の土壌改良材では、アルカリ性物質を併用すると、高炉徐冷スラグ粉末中の非硫酸態イオウが空気中の酸素によって酸化されることを防ぐ効果があり好ましい。アルカリ性物質とは、水分と接触または溶解してアルカリ性を呈するものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、ポルトランドセメント、生石灰、消石灰、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および水酸化リチウム等が挙げられる。
【0038】
アルカリ性物質の使用量は特に制限されないが、土壌改良材100部に対し、外割で1〜30部となるように配合することが好ましく、5〜20部がより好ましい。1部未満では貯蔵性の向上に効果が無い場合があり、30部を超えると6価クロムの低減効果が低下する場合がある。
【0039】
本発明の土壌改良材には、従来から6価クロム還元剤として用いられている各種材料を併用することが可能である。
【0040】
このような6価クロム還元剤の例としては、アルデヒド類、糖類、ギ酸、およびシュウ酸等の有機化合物、高炉水砕スラグ、泥炭、ヨウ素や、硫化アンモニウム、硫化カルシウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化第一鉄、硫化第二鉄、二硫化鉄、硫化銅、硫化ニッケル、硫化亜鉛、硫化アンチモン、硫化ジルコニウム、硫化水素アンモニウム、硫化水素亜鉛、硫化水素カリウム、硫化水素カルシウム、硫化水素ナトリウム、硫化水素リチウム、およびポリ硫化アンモニウム等の硫化物や硫化水素塩、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸水素ナトリウム、および亜硫酸水素カリウ等の亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムやチオ硫酸カリウム等のチオ硫酸塩、二酸化イオウおよびイオウ等のイオウ化合物、並びに、硫酸第一鉄塩および塩化第一鉄等の第一鉄塩等が挙げられ、これらの還元剤のうち硫化鉄(II)、硫酸第一鉄塩、塩化第一鉄等の第一鉄塩が好ましく、硫酸第一鉄塩が最も好ましい。また、これら還元剤の一種または二種以上を、本発明の土壌改良材と併用することは、6価クロムの低減効果を高めるという観点から好ましい。
【0041】
上記の6価クロム還元剤の使用量は特に制限されないが、本発明の土壌改良材100部に対して外割で1〜99部が好ましく、5〜80部がより好ましい。1部未満では併用の効果が顕著でなく、99部を超えるとコスト高となり好ましくない。
【0042】
本発明の土壌改良材の使用量は使用用途、使用形態により異なり、特に限定されるものではないが、土壤100部に対し、土壌改良材を1〜50部とすることが好ましく、5〜30部がより好ましい。土壌改良材が1部未満では有害重金属の溶出を抑制する効果が不足することがあり、50部を超えても更なる効果が期待できない。
【0043】
また、本発明の土壌改良材では、土壤の含水量に応じて水を添加してもよい。水の使用量は特に限定されないが、セッコウおよび高炉徐冷スラグ粉末からなる土壤改良材100部に対し、土壤の含水量を含む水分量を20〜70部とすることが好ましい。水分量が上記範囲外では、有害重金属の溶出を充分に抑制できない場合がある。
【0044】
本発明の土壌改良材の使用方法は特に限定されるものではないが、通常、有害重金属を含有する高含水率の土壌、汚泥、廃棄物等に本発明の土壌改良材を加え、混合することが好ましい。混合にあたっては、各種ミキサ−あるいは重機等による混合を行って埋め戻す方法が好ましい。
【0045】
【実施例】
以下、実験例により本発明を詳細に説明する。
【0046】
実験例1
対象土壤として、含水比35.0%、6価クロムを100ppm含有する湿潤土を使用した。半水セッコウ50部と高炉徐冷スラグ粉末50部からなる土壤改良材を作製し、該湿潤土に対して該土壤改良材を5%外割添加後、混練してなる混合物スラリーを型枠に入れ、脱型して固化体とした後、圧縮強度を測定した。また、環境庁告示第46号法に基づき6価クロムの溶出量の測定を行った。得られた結果を表1に示した。また、比較例として、高炉徐冷スラグ粉末を含まない土壤改良材を作製した結果を併記した。
【0047】
<使用材料>
半水セッコウ :和光純薬社製、試薬1級品をブレーン値4,000cm/gに粉砕
湿潤土 :茨城県つくば市産の関東ローム層土(含水比35%、単位体
積重量1795kg/m)に試薬の重クロム酸カリウムを混合し、6価クロム濃度をCrO換算で100ppmとした
重クロム酸カリウム:試薬1級、和光純薬社製
高炉徐冷スラグ粉末a200,a500,a2000,a4000,a6000,a8000:メリライトを主体、ガラス化率0%、非硫酸態イオウ含有率0.9%の粒状の高炉徐冷スラグ粉末を表1に示す所定の粒度まで粉砕した
高炉徐冷スラグ粉末b〜e:粒状の高炉徐冷スラグ粉末を1,000℃で加熱して表1に示す所定のガラス化率としてからブレーン値4,000cm/gに粉砕した
高炉徐冷スラグ粉末f〜h:粒状の高炉徐冷スラグ粉末をブレーン値4,000cm/gに粉砕して水中に浸して非硫酸態イオウを溶出させ、非硫酸態イオウ含有率0.2%および0.5%のものを作製した。
【0048】
<測定方法>
圧縮強度:JIS A 1216「土の一軸圧縮強度試験方法」に準拠。φ5cm×10cmの固化体を作成し、材齢7日における圧縮強度を測定
6価クロムの溶出量:環境庁告示第46号に準拠
【0049】
【表1】
Figure 2004267817
注:表中のN.D.は検出下限以下であることを示す。
また、半水セッコウ無しの土壤改良材でば、固化体が作製できなかった。
【0050】
実験例2
高炉徐冷スラグ粉末a4000を用い、表2に示すように土壤改良材の配合を変えた点以外は実験例1と同様の試験を行った。結果を表2に示す。
【0051】
【表2】
Figure 2004267817
注:表中のN.D.は検出下限以下であることを示す。
【0052】
実験例3
高炉徐冷スラグ粉末a4000を用い、高炉徐冷スラグ粉末a4000と表3に示す種類のセッコウの1:1混合物を土壤改良材とし、実験例1と同様の試験を行った結果を表3に示す。
【0053】
<使用材料>
無水セッコウ :和光純薬社製、試薬1級、ブレーン値4,000cm/gに粉砕
2水セッコウ :和光純薬社製、試薬1級、ブレーン値4,000cm/gに粉砕
【0054】
【表3】
Figure 2004267817
【0055】
【発明の効果】
本発明の土壌改良材を使用することにより、固化体が高い強度を示し、土壌中の有害な水銀、鉛、カドミウム、および6価クロム等の有害重金属の溶出を抑制できる。本発明の土壤改良材はメッキ工場やステンレス製鋼業等の廃棄物としてのクロム、Ni−Cd電池におけるカドミウム、および蓄電池における鉛等の有害重金属を含む土壤から、これらの有害重金属の溶出を抑制することができるため、これらの有害重金属を含む土壤の改良に最適である。

Claims (6)

  1. セッコウと高炉徐冷スラグ粉末を含有してなる土壌改良材。
  2. 高炉徐冷スラグ粉末の粒度がブレーン比表面積値で500cm/g以上であることを特徴とする請求項1記載の土壌改良材。
  3. 高炉徐冷スラグ粉末のガラス化率が30%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の土壌改良材。
  4. 高炉徐冷スラグ粉末の非硫酸態イオウ含有量が0.5%以上であることを特徴とする請求項1〜3のうちの一項に記載の土壌改良材。
  5. セッコウが半水セッコウであることを特徴とする請求項1〜4のうちの一項に記載の土壌改良材。
  6. 請求項1〜5のうちの一項に記載の土壌改良材を用いてなる土壌改良方法。
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